JP2007057601A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007057601A
JP2007057601A JP2005240161A JP2005240161A JP2007057601A JP 2007057601 A JP2007057601 A JP 2007057601A JP 2005240161 A JP2005240161 A JP 2005240161A JP 2005240161 A JP2005240161 A JP 2005240161A JP 2007057601 A JP2007057601 A JP 2007057601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
color filter
substrate
dark color
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005240161A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Otani
薫明 大谷
Takao Ozaki
多可雄 尾崎
Teppei Ejiri
鉄平 江尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fujifilm Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Holdings Corp filed Critical Fujifilm Holdings Corp
Priority to JP2005240161A priority Critical patent/JP2007057601A/ja
Publication of JP2007057601A publication Critical patent/JP2007057601A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】 画質に優れ、高生産性のカラーフィルタの製造方法、該製造方法により製造されたカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供する
【解決手段】 (1)基板上に濃色離画壁を作製する工程、及び(2)液滴付与法により画素を形成する工程、及び(3)スペーサ用樹脂組成物を付与し、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により硬化してスペーサを作製する工程、とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法、該製造方法により製造されたカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表示装置用カラーフィルタの製造方法、該製造方法により得られたカラーフィルタ、及びこれを有する表示装置に関する。
近年、コストの観点からインクジェット方式でカラーフィルタを形成する方法が検討されている。インクジェット方式でカラーフィルタを形成する場合、初めにガラス基板上にブラックマトリックス(濃色離画壁)を形成し、この中に着色インクを打ち込んで画素を形成する方法が通常用いられる。従来のブラックマトリクス(濃色離画壁)は露光マスクを用い水銀ランプ等で一括露光してパターンを形成する方法が用いられてきた(例えば、特許文献1参照。)。
インクジェット方式でカラーフィルタの画素を形成する場合、打ち込んだ着色インクがブラックマトリクス(濃色離画壁)を超えて隣接画素に入り込み、いわゆる混色を引き起こす場合があり、この方式を用いた場合の大きな課題であった。
これに対し、濃色離画壁の高さを高くすることで、RGBの混色がなくなるが、スペーサの位置精度の悪い面露光では、スペーサの位置がずれて、その結果スペーサの高さにバラツキが生じて画質が悪化してしまう問題が発生する。
この問題に対して位置ずれ調整を行う露光方法は開示されているが(例えば、特許文献2参照。)、ブラックマトリクス(濃色離画壁)などの、スペーサの土台となる部分のズレの位置補正については開示されていない。
特開2003−337426号公報 特開2004−4228号公報
従って、本発明は、画質に優れ、高生産性のカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は画質に優れ、高生産性のカラーフィルタを提供することを目的とする。さらに、本発明は画質に優れ、更に高生産性のカラーフィルタを用いた表示装置を提供することを目的とする。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査露光するレーザー露光を用いることにより、位置精度を良好に確保でき、結果画質品位の向上と、かつ、高生産性な方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> (1)基板上に濃色離画壁を作製する工程、及び(2)液滴付与法により画素を形成する工程、及び(3)前記濃色離画壁を形成された基板上にスペーサ用樹脂組成物を付与し、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら前記樹脂組成物を相対走査露光により硬化させスペーサを作製する工程、とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<2> 前記濃色離画壁上に前記スペーサを作製することを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<3> 前記液滴付与法により画素を形成する工程が、赤色、緑色、青色の少なくともいずれか一色の顔料を含有する着色光硬化性樹脂組成物を前記液滴付与方式により付与する工程を含むことを特徴とする上記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<4> 前記液滴付与法がインクジェット法であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<5> 前記濃色離画壁の高さが1.5μm以上5.0μm以下であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<6> 前記スペーサを作製する工程が、仮支持体上に少なくとも1層の感光性樹脂層を有するスペーサ用感光性転写材料を基板に転写する転写工程、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により硬化する工程、及び、現像処理により不要部を除去する工程を含む上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<7> 上記<1>〜<6>の何れか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
<8> 上記<7>に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする表示装置。
本発明によれば、画質に優れ、高生産性のカラーフィルタの製造方法を提供できる。また、本発明によれば、画質に優れ、高生産性のカラーフィルタを提供できる。さらに、本発明によれば、画質に優れ、更に高生産性のカラーフィルタを用いた表示装置を提供できる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(1)濃色離画壁、好ましくはブラックマトリクス(以下、総称して「ブラックマトリクス」ともいう。)を作製する工程、及び(2)液滴付与法により画素を形成する工程、及び(3)スペーサ用樹脂組成物を付与し、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら前記樹脂組成物を相対走査露光により硬化させスペーサ(以下、「フォトスペーサ」ともいう。)を作製する工程、とを含むことを特徴とする。
更に、前記スペーサを作製する工程が、スペーサ用感光性転写材料を基板に転写する転写工程、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて露光硬化する工程、及び現像処理工程を含むことが好ましい。
前記濃色離画壁は、特に限定されないが、基板上に濃色感光性樹脂組成物を用いて形成されることが好ましい。
また、スペーサは、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、2次元画像の形成を行う露光により硬化して作製されるが、該2次元画像の形成は、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査露光することで達成される。
前記スペーサは、前記濃色離画壁上に直接、または、ある層(例えば、着色層や平坦膜等)を介して設けることが好ましい。
前記スペーサは、特に限定されないが、スペーサ用樹脂組成物を塗布する方法(塗布法)、スペーサ用樹脂組成物を用いて形成されたスペーサ用感光性転写材料を転写する方法(転写法)等により形成される。
以下、スペーサ用樹脂組成物、スペーサ用感光性転写材料、及びスペーサ作製(工程)について説明する。
[スペーサ用樹脂組成物]
本発明のスペーサ用樹脂組成物は、少なくともバインダー樹脂と重合性モノマーと重合開始剤とを含む組成物が使用可能である。このスペーサ用樹脂組成物は、光硬化性であり、少なくとも温度150℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂組成物であり、光未照射部ではアルカリ溶液に対して易溶性を有し、着色剤を含むものである。また、必要に応じて、熱可塑性の結合剤、相溶性の可塑剤、体質性顔料、着色剤等のその他の成分を含有してよい。
本発明におけるスペーサ用樹脂組成物に用いる、少なくともバインダー樹脂と重合性モノマーと重合開始剤とを含む組成物の具体例としては、特開2003−207787号公報の段落[0009]〜[0061]に記載のスペーサ用樹脂組成物や、特開2003−330030号公報の段落[0038]〜[0083]に記載の感光性樹脂組成物が挙げられる。
また、上記の公報に記載以外の重合開始剤として、下記の重合開始剤などを使用することも可能である。
(重合開始剤)
ここで用いる重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始剤系の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001−117230号公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs−トリアジン誘導体、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、などのアクリジン系化合物;
6−(p−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;その他、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
上記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9−フェニルアクリジンであり、更に、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
前記重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤のスペーサ用樹脂組成物における総量としては、スペーサ用樹脂組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。前記総量が、0.1質量%未満であると、組成物の光硬化の効率が低く露光に長時間を要することがあり、20質量%を超えると、現像する際に、形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面に荒れが生じやすくなることがある。
前記重合開始剤は、水素供与体を併用して構成されてもよい。該水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここでの「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という)である。また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という)である。尚、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
上記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記のアミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体(M)とアミン系水素供与体(A)との質量比(M:A)は、通常1:1〜1:4が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。前記水素供与体のスペーサ用樹脂組成物における総量としては、スペーサ用樹脂組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
[スペーサ用感光性転写材料]
前記スペーサ用感光性転写材料としては、仮支持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と、中間層と、スペーサ用感光性樹脂層(以下、単に「感光性樹脂層」とも言う。)を、この順に有してなるものが好ましく、前記スペーサ用感光性転写材料における感光性樹脂層がスペーサ用樹脂組成物を用いて形成されることが好ましい。また、その他の層として、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、例えば、カバーフィルムなどを好適に用いることができる。
(感光性樹脂層)
前記感光性樹脂層は、本発明における前記スペーサ用樹脂組成物から形成され、その乾燥膜厚は、0.5〜10μmが好ましく、1〜6μmがより好ましい。
前記感光性樹脂層の乾燥膜厚が、0.5μm未満であると塗布時にピンホールが発生し易くなり、製造適性上好ましくなく、10μmを超えると現像時に未露光部を除去するのに時間を要し、好ましくない。
前記スペーサ用感光性転写材料を構成する仮支持体、中間層、アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、その他の層の具体例として、特開2003−207787号公報の段落[0064]〜[0086]に記載の感光性転写材料や、特開2003−330030号公報の段落[0025]〜[0036]及び、[0086]〜[0112]に記載の転写フイルムが挙げられる。
(スペーサ用感光性転写材料の作成)
本発明におけるスペーサ用感光性転写材料は、前記仮支持体上に、前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し乾燥することによりアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層を設け、該熱可塑性樹脂層上に、該熱可塑性樹脂層を溶解させない溶剤を用いた中間層用塗布液を塗布し乾燥することにより中間層を設け、該中間層上に、該中間層を溶解させない溶剤を用いた感光性樹脂層用塗布液を塗布し乾燥することにより感光性樹脂層を設けることにより製造することができる。
また、前記カバーフィルム上に前記感光性樹脂層を設ける一方、前記仮支持体上に前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層と前記中間層とを設け、該中間層と該感光性樹脂層とが互いに接するように貼り合わせることにより、製造することができる。
また、前記カバーフィルム上に前記感光性樹脂層と前記中間層とを設ける一方、前記仮支持体上に前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層を設け、該中間層と該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層とが互いに接するように貼り合わせることにより製造することができる。
前記スペーサ用樹脂組成物を用いて形成されたスペーサ用感光性転写材料は、前記濃色離隔壁が形成された基板上に転写されるが、該基板としては、液晶素子における透明基板(ガラス基板)、透明導電膜(例えばITO)付き基板、カラーフィルタ付き基板、などが挙げられる。
[スペーサの作製]
本発明におけるスペーサを作製する工程は、前記スペーサ用樹脂組成物を付与し、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により硬化して作製する工程である。
中でも、前記スペーサを作製する工程が、仮支持体上に少なくとも1層の感光性樹脂層を有するスペーサ用感光性転写材料を基板に転写する転写工程、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により硬化する工程、及び、現像処理により不要部を除去する工程、を含むことが好ましい。
以下に、本発明におけるスペーサ用樹脂組成物、及び、スペーサ用感光性転写材料を用いたスペーサを作製する工程の一例について説明するが、これに限定されるものではない。
(塗布法)
(1)スペーサは、前記スペーサ用樹脂組成物を前記基板上に直接、又は濃色離画壁層や着色層等を介して付与して、空間光変調デバイスを用いて、相対走査露光、硬化して、現像処理してスペーサを作製する(スペーサ作製工程)。
(転写法)
前記スペーサ用感光性転写材料を前記基板上に配置した後、該スペーサ用感光性転写材料における前記カバーフィルムを取り除き、前記感光性樹脂層を加圧加熱下で前記基板上に貼り合わせる(転写工程)。なお、この貼り合わせには、従来から公知のラミネーター、真空ラミネーター等が好適に使用することができ、より生産性を高めるためには、オートカットラミネーターも使用することができる。
次に、前記仮支持体を前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層から剥離させ、空間光変調デバイスを用いて、前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層及び前記中間層を介して前記感光性樹脂層に対し相対走査露光、硬化して、現像する(現像処理工程)。
本発明において、前記塗布法及び転写法のいずれであっても良いが、好ましくは転写法であり、前記いずれの露光もマスクレス露光で行う必要がある。
次に本発明におけるパターニングの方法において、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光工程を有する。この露光工程について、以下に説明する。
(マスクレス露光の定義)
本発明におけるマスクレス露光は、マスクレスパターン露光とも呼ばれることがある。露光光を透過させない、または、弱めて透過させる材質で画像(露光パターン、パターンとも言う)を形成した「マスク」と呼ばれる物体を露光光の光路に配置し、感光層を、該画像に対応したパターン状に露光する従来の露光方式(マスク露光と言う)に対し、前記の「マスク」を使用せずに感光層をパターン状に露光する露光方式の事である。
本発明におけるマスクレス露光は、より詳しくは、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光ということができる。
(光源の説明)
本発明のマスクレス露光では、光源として超高圧水銀灯や、レーザーが用いられる。
超高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである(点灯時の水銀の蒸気圧はおよそ5MPaになるものもある W. Elenbaas : Light Sources 、Philips Technical Library 148−150)。である。輝線スペクトルのうち、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)が、中でも365nmが主として用いられる。
レーザーは、英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語である。反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器。励起媒質として結晶、ガラス、液体、色素、気体などあり、これらの媒質から固体レーザー(YAGレーザー)、液体レーザー、気体レーザー(アルゴンレーザー、He−Neレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー)、半導体レーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
半導体レーザーは 搬送子の注入、電子ビームによる励起、衝突によるイオン化、光励起などによって電子と正孔とが接合部に流出する時、pn接合で可干渉光を誘導放出するような発光ダイオードを用いるレーザーである。この放出される可干渉光の波長は、半導体化合物によって決まる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、半導体レーザーでは、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましいが、340〜450nmがより好ましく、特に405nmは好ましい。
また固体レーザーでは、YAG−SHG固体レーザー の 532nmが挙げられる。更に、半導体励起固体レーザーでは 532・355・266nmが挙げられ、従来のレジスト用光重合開始剤が感度を有すという点では355nmが好ましく選ばれる。
気体レーザーでは、KrFレーザーの249nmArFレーザーの193nmが用いられる。
これらの光源の中で、表示装置の製造工程で、感光性材料を露光する場合を考えると、露光波長が、410nmとなる光源を選択することが、表示領域の透過率を高くする観点で好ましい。
本発明の、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査する方法について説明する。
(位置情報の読み取り)
基板読取処理は、基板表面を探索的に撮影して得られた画像から、基板上に形成された所定のパターンを識別し、識別したパターンの所定の座標系における位置座標を取得する処理である。パターンの識別には公知のあらゆる画像識別手法を用いることができるが、本実施形態では、パターンマッチングの手法を用いて識別を行なう。
基板上に形成されているパターンの位置座標を取得するときは、位置座標を取得するにあたり画像撮影を行なう位置を予め決めておき、その位置にカメラを設定して基板表面を撮影する。図18は読取対象基板上に形成されたパターンと撮影位置の関係を例示した図である。撮影位置は、基板の縦方向、横方向にそれぞれ何箇所か設定し、隣接する撮影位置同士が図18に示す撮影位置T16a、T16b、T16cおよびT16dのように矩形領域の頂点を構成するように決めておく。本実施形態では、矩形の一辺の長さが30cmとなるように撮影位置を定めている。
各撮影位置に記録されているパターンは、その撮影位置の座標から特定することができる。よって、撮影画像の中から、その特定したパターンを識別して、そのパターンの位置座標を取得する。具体的には、撮影画像の中心から、特定したパターン相当の大きさの領域画像を切り出し、その領域画像を対象としてパターンマッチングによる識別を行なう。
例えば、図18の撮影位置T16aにおいて、図19に実線で示されるパターンがあることを予想して撮影およびパターンマッチングを行なったとする。実際のパターンが図19の破線で示される位置までずれていたとすれば、撮影位置T16aを中心とする領域画像を対象としたパターンマッチングの照合結果は一致しない。
この場合には、撮影画像内で領域画像を少しずつずらしながら照合結果が一致するまでパターンマッチングを繰り返し、照合結果が一致したときの領域画像の中心、もしくはそのパターンの特徴部(頂点など)の座標T17aを、そのパターンの現在の位置座標として取得する。
なお、カラーフィルタの着色画素形成後にスペーサを形成する工程では、形成済みのパターンの中に着色画素層があるので、パターン形状の照合に加え色の照合を行なってもよい。あるいは、形状のマッチングは行なわずに、色のみに基づいてパターンを識別してもよい。例えば、本実施形態では、図20Aに例示したように、スペーサT12はR画素パターンT9の列のブラックマトリクス上にのみ形成され、G画素パターンT10、B画素パターンT11の列のブラックマトリクス上には形成されない。このような場合、スペーサ形成工程における基板読取処理では色の情報を考慮したマッチングを行なうほうが、パターンの識別が容易になる。
次に、画像補正処理について説明する。
画像補正処理は、基板読取処理において取得された位置座標の情報に基づいて、後続の露光工程で基板上に記録する画像を補正する処理である。本実施形態では、ブラックマトリクスパターンの所定箇所の位置座標に基づいて、画像を補正する。
(2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する画像データに基づいて光を変調しながら相対走査する方法)
そのひとつの代表的な方法は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス、例えば、1987年、米国テキサス・インスツルメンツの ラリー・ホーンベック博士他が開発した光半導体)のような、微小なミラーが二次元に並んだ空間変調素子を用いる方法である。
この場合、光源からの光は、適切な光学系によってDMD上に照射され、DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、感光層の全面を露光することができる。DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON−OFFする事で、画像パターンを形成することができる。このようなDMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行うことができる。
一方、本発明において、光を変調しながら相対走査する方法の、別の代表的な方法は、ポリゴンミラーを用いる方法である。ポリゴンミラー(polygon mirror)とは周囲に一連の平面反射面を持った回転部材の事である。感光層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を移動させることで、基板上の感光層の全面を露光することができる。光源からの光の強度を適切な方法でON−OFFまたは、中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明において、光を変調しながら相対走査する方法としては、例えば、以下の方法も適用することができる。
特開平5−150175に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101号公報(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080号公報に記載のDMD有する露光する例、特表2002−523905号公報に記載のポリゴンミラーを備えた露光装置、特開2001−255661号公報に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2003−50469号公報に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせ例、特開2003−156853号公報に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576号公報に記載の位置ずれ調整を行う露光方法の例等である。
以下、相対走査露光について詳細に説明する。
(相対走査露光)
本発明の露光方法としては超高圧水銀灯を用いる方法とレーザーを用いる方法があるが、好ましいのは後者である。
本発明で用いられるレーザーとしてはアルゴンレーザー、He−Neレーザー、半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも、形成物(例えば、スペーサ)の解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましいが、340〜450nmがより好ましく、特に405nmは好ましい。
レーザーのビーム径は、特に限定されないが、中でも、形成物(例えば、スペーサ)の解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e2値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
レーザービームのエネルギー量としては、特に限定されないが、中でも、露光時間と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
本発明ではレーザー光を画像データに応じて空間光変調することが必要である。この目的のため空間光変調素子であるデジタル・マイクロ・デバイスを用いることが好ましい。
前記露光装置としては、例えば、下記の装置を用いて露光することができる。
以下にレーザー光を用いた露光装置の一例を示すが、本発明における露光装置はこれに限定されるものではない。
露光ユニットは、図1に示すように、ガラス基板150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図2及び図3(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図3(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、ここでは2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図4、図5(A)及び(B)に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザー出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザー光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。
レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を平行光化する1対の組合せレンズ71、平行光化されたレーザー光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ73、及び光量分布が補正されたレーザー光をDMD上に集光する集光レンズ75で構成されている。組合せレンズ73は、レーザー出射端の配列方向に対しては、レンズの光軸に近い部分は光束を広げ且つ光軸から離れた部分は光束を縮め、且つこの配列方向と直交する方向に対しては光をそのまま通過させる機能を備えており、光量分布が均一となるようにレーザー光を補正する。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザー光を感光材料150の走査面(被露光面)56上に結像するレンズ系54、58が配置されている。レンズ系54及び58は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
DMD50は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図6には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された図示しないコントローラによって行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)をなすように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図8(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図8(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP1が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP2より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
ファイバアレイ光源66は、図9(A)に示すように、複数(例えば、6個)のレーザーモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、図9(C)に示すように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザー出射部68が構成されている。なお、図9(D)に示すように、発光点を主走査方向に沿って2列に配列することもできる。
光ファイバ31の出射端部は、図9(B)に示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易く劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
ここでは、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図10に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザー光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業(株)製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。ここでは、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザー光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザー光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザーから出射された波長405nmのレーザー光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザーモジュール64は、図11に示す合波レーザー光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザー光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザーの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザー光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザーLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザーでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザーを用いてもよい。
上記の合波レーザー光源は、図12及び図13に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザー光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザーLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図13においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザーのうちGaN系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図14は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図14の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザーが用いられている。これらGaN系半導体レーザーLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
従って、各発光点から発せられたレーザービームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
次に、上記露光装置の動作について説明する。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザー光源を構成するGaN系半導体レーザーLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザービームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
ここでは、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザーモジュールにおいて、レーザービームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザービームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザー出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザー出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザーからのレーザー光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、合波レーザー光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザーと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザーとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザーが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm2(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザー出射部68での輝度は1.6×106(W/m2)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×106(W/m2)である。
これに対して上述した通り、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザー出射部68での発光領域の面積は0.0081mm2(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザー出射部68での輝度は123×106(W/m2)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×106(W/m2)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図15(A)及び(B)を参照して、露光ヘッドによる焦点深度の違いについて説明する。図15(A)において、露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、図15(B)において、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図15(A)に示すように、この露光ヘッドでは、光源(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図15(B)に示すように、この露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1画素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間変調素子であるが、図15(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じた画像データが、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザー光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザー光は、レンズ系54、58により感光材料150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光が画素毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
図16(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されているが、ここではコントローラにより一部のマイクロミラー列(例えば、800個×100列)だけが駆動されるように制御する。
図16(A)に示すように、DMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図16(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の画素を全部使用する必要はない。
例えば、600組のマイクロミラー列の内、300組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、600組のマイクロミラー列の内、200組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を17秒で露光できる。更に、100組だけ使用する場合には、1ライン当り6倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を9秒で露光できる。
使用するマイクロミラー列の数、即ち、副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数は、10以上で且つ200以下が好ましく、10以上で且つ100以下がより好ましい。1画素に相当するマイクロミラー1個当りの面積は15μm×15μmであるから、DMD50の使用領域に換算すると、12mm×150μm以上で且つ12mm×3mm以下の領域が好ましく、12mm×150μm以上で且つ12mm×1.5mm以下の領域がより好ましい。
使用するマイクロミラー列の数が上記範囲にあれば、図17(A)及び(B)に示すように、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光をレンズ系67で略平行光化して、DMD50に照射することができる。DMD50によりレーザー光を照射する照射領域は、DMD50の使用領域と一致することが好ましい。照射領域が使用領域よりも広いとレーザー光の利用効率が低下する。
一方、DMD50上に集光させる光ビームの副走査方向の径を、レンズ系67により副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数に応じて小さくする必要があるが、使用するマイクロミラー列の数が10未満であると、DMD50に入射する光束の角度が大きくなり、走査面56における光ビームの焦点深度が浅くなるので好ましくない。また、使用するマイクロミラー列の数が200以下が変調速度の観点から好ましい。なお、DMDは反射型の空間変調素子であるが、図17(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
スキャナ162による感光材料150の副走査が終了し、検知センサ164で感光材料150の後端が検出されると、ステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
以上説明した通り、露光ユニット(露光装置)は、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御するので、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。これにより高速での露光が可能になる。
前記現像は、公知のアルカリ現像の方法に従って行うことができ、例えば、溶剤若しくは水性の現像液、特にアルカリ水溶液(アルカリ現像液)等を用いて、露光後の前記被転写体を、前記現像液を収容させた現像浴中に浸漬させるか、該被転写体に対しスプレー等で噴霧し、更にその表面を回転ブラシ、湿潤スポンジ等で擦ったり超音波を照射させながら処理することにより行うことができる。
前記現像の温度としては、通常、室温付近〜40℃程度が好ましい。また、前記現像の後に、水洗処理を行うことが好ましい。
なお、前記露光後において現像や不要部分の除去の際に、前記感光性樹脂層及び前記アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層の溶解に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、アルカリ性物質の希薄水溶液が好ましく、更に水混和性のある有機溶剤を少量添加したものも好ましい。
前記アルカリ性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類又は燐酸三ナトリウム、などが挙げられる。これらは1種単独で1使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ性水溶液としては、前記アルカリ性物質の濃度は0.01〜30質量%が好ましく、pHは8〜14が好ましい。
前記水混和性を有する有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
前記水混和性を有する有機溶剤の添加量としては、0.1〜30質量%が好ましい。
なお、前記アルカリ性水溶液には、公知の種々の界面活性剤を添加することができ、該界面活性剤の添加量としては、0.01〜10質量%が好ましい。
[スペーサ]
前記のようにして得られるスペーサをカラーフィルタ上へ形成するときの位置は、スペーサによる赤、緑、青の画素の透過率低下防止、コントラスト低下の防止、遮光、光の散乱などによる表示品位悪化を防止するためR、G及びBの表示領域以外、即ち、R、G及びBの各画素からなるカラー画像の間隙の透明基板上に設けられたブラックマトリックス(濃色離画壁)上に形成することが好ましい。
前記スペーサを基板と平行な平面で切った場合の平面形状は、LCDパネルの設計等に応じて任意とすることができ特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、平行四辺形、十字形等が挙げられる。
前記スペーサを基板と垂直な平面で切った場合の断面形状は、LCDパネルの設計などに応じて任意とすることができ特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、半円形、円形、三角形、四角形、台形などが挙げられる。
前記スペーサの高さは、LCDパネルのセルギャップ設計値に応じて任意とすることができるが、通常3〜7μmが好ましく、3〜5μmがより好ましい。また、スペーサの大きさも特に限定されない。
[濃色感光性樹脂組成物]
基板上の濃色離画壁は、特に限定されないが、着色剤を含有する濃色感光性樹脂組成物(「濃色組成物」ともいう。)から形成されることが好ましい。ここで、濃色組成物とは、高い光学濃度を有する組成物のことであり、その値は2.5以上が好ましく、2.5〜10.0がより好ましく、2.5〜6.0が更に好ましく、3.0〜5.0が特に好ましい。また、この濃色組成物は、後述するように好ましくは光開始系で硬化させる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度も重要である。すなわち、その値は2.0〜10.0が好ましく、より好ましくは2.5〜6.0、最も好ましいのは3.0〜5.0である。2.0未満では形状が望みのものとならない恐れがあり、10.0を超えると、重合を開始することが困難であり、濃色離画壁そのものを作ることが困難となる。
以下、該組成物中の成分について説明する。
(着色剤)
上記着色剤としては、従来公知の種々の染料や顔料を一種または二種以上混合して用いることができる。
本発明に用いる着色剤としては、具体的には、特開2005−17716号公報[0038]〜[0054]に記載の顔料及び染料や、特開2004−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。
本発明における濃色組成物には、有機顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、濃色離画壁に高い遮光性が要求される際には、カーボンブラック、酸化チタン、4酸化鉄等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉といった遮光剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、濃色組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
黒色着色剤として、更に例示すると、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
上記着色剤(顔料)は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記着色剤(顔料)と着色剤(顔料)分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記着色剤(顔料)と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記着色剤(顔料)を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310項記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。また、顔料の数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
前記濃色組成物の固形分中の着色剤の比率は、十分に現像時間を短縮する観点から、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、50〜55質量%であることが更に好ましい。
本発明における濃色組成物は前記着色剤以外に、バインダー・樹脂・ポリマー、重合開始剤、モノマーを少なくとも含んでなることが好ましい。また、必要に応じて更に公知の添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、安定化剤、重合禁止剤、界面活性剤、溶剤、密着促進剤等を含有させることができる。
(バインダー・樹脂・ポリマー)
濃色組成物に用いるバインダーとしては、特に制限はなく、公知の膜形成能を有するポリマーを用いることができる。中でも、バインダーとしては、特開2004−361447号公報の段落[0065]及び[0066]に記載のバインダーが好適なものとして挙げられる。
また、モノマーとしては、特開2003−344991号公報の段落[0049]及び[0051]に記載のモノマーが好適なものとして挙げられる。
多官能性モノマーの濃色組成物における含有量としては、濃色組成物の全固形分(質量)に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、組成物の露光部でのアルカリ現像液への耐性が劣ることがあり、80質量%を越えると、濃色組成物とした時のタッキネスが増加してしまい、取扱い性に劣ることがある。
(溶剤)
本発明における濃色組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明において、後述するスリット状ノズル等を用いて、濃色組成物を基板又は仮支持体に塗布することにより後述の組成物層又は転写材料とすることができるが、該濃色組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明における濃色組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
(その他)
−熱重合防止剤−
また、本発明の濃色組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、濃色組成物の全固形分に対する熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
また、本発明の濃色組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
本発明における濃色組成物を後述の基板上に付与することにより、濃色感光性樹脂組成物層を形成することができる。
また、本発明における濃色感光性樹脂組成物を後述の仮支持体上に付与することにより後述の濃色感光性樹脂組成物層を有する濃色離画壁用感光性転写材料を作製することができる。
[濃色離画壁用感光性転写材料]
本発明における濃色離画壁用感光性転写材料は、仮支持体上に少なくとも前記濃色感光性樹脂組成物からなる層と、必要に応じて更に、酸素遮断層(中間層)とをこの順に有することが好ましい。
本発明における後述の濃色離画壁は、前記濃色離画壁用感光性転写材料を用いることにより得ることができる。
前記酸素遮断層を有する材料を用いた場合、濃色感光性樹脂組成物からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。
(仮支持体)
上記の濃色離画壁用感光性転写材料における仮支持体としては、前述のスペーサ用感光性転写材料のものと同様であり、好ましい例も同様である。
中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(濃色感光性樹脂組成物層)
濃色感光性樹脂組成物層(以下、「濃色組成物層」ともいう。)は、前記濃色組成物から形成されることが好ましく、その形成方法としては、着色剤を含有する濃色感光性樹脂組成物を、仮支持体に塗布乾燥して形成することでなすことができる。
(酸素遮断層)
本発明における濃色離画壁用感光性転写材料においては、露光時の酸素を遮断する目的から、仮支持体上に形成された感光性樹脂組成物層上に酸素遮断層を設けることが好ましい。該酸素遮断層は後述の濃色離画壁の項に記載した酸素遮断層と、物性、特性等が全て同様であり好ましい態様も同様である。
(熱可塑性樹脂層)
上記の濃色離画壁用感光性転写材料は、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。該熱可塑性樹脂層は、スペーサ用転写材料におけるアルカリ可溶性な熱可塑性樹脂層と同様であり、好ましい構成、態様も同様である。
(保護フイルム)
感光性樹脂組成物層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは前記スペーサ用転写材料に用いられるカバーフィルムと同様であり、好ましい態様も同様である。
(濃色離画壁用感光性転写材料の作製方法)
本発明における濃色離画壁用感光性転写材料は、前記スペーサ用感光性転写材料の作成方法のスペーサ用樹脂組成物の代わりに、濃色感光性樹脂組成物を用いることにより、同様の方法で作製することができる。その他の感光性樹脂組成物層以外の層を有する場合も同様の方法で作製することができる。
[基板]
前記基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや透明合成樹脂フィルムが挙げられる。
[濃色離画壁]
各画素の濃色離画壁は、特に限定されず、いずれの方法で形成されても良い。例えば、(1)前記濃色感光性樹脂組成物を、基板に塗布乾燥した後、露光し現像して形成することができる。または、(2)前記濃色離画壁用感光性転写材料を、前記基板上に転写した後、露光し現像して形成することができる。
前記露光時は、貧酸素雰囲気下とすることが好ましい。ここで、前記貧酸素雰囲気下とは、本発明における濃色組成物又は濃色組成物層を光硬化させる際の酸素の分圧が0.15気圧以下、又は、酸素を遮断しうる酸素遮断層下のことを指している。本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず前記いずれの方法も用いることが出来る。酸素分圧は酸素計を用いて測定することができる。
また、前記濃色離画壁は、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。
本発明における前記濃色組成物を基板上に塗布して形成された濃色離画壁の高さ(厚さ)としては、特に限定されるものではないが、一般的に、1.5〜5.0μmが好ましく、1.5〜4.0μmがより好ましく、2.0〜4.0μmが特に好ましい。尚、濃色離画壁の厚さ(高さ)は、濃色離画壁の最も高さの高い点をHとし、Hから基板におろした垂線の点Gとの距離とする。
前記濃色感光性樹脂組成物層の厚さとしては、濃色感光性樹脂組成物の固形分含有量及び形成される濃色離画壁の厚さに依存し、特に限定されるものではないが、1.5〜5.0μmが好ましく、1.5〜4.0μmがより好ましく、2.0〜4.0μmが特に好ましい。
(酸素遮断層)
本発明で言う酸素遮断層とは、500cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であるが、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。
酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、感度が低下するために好ましくない。
具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。酸素遮断層における前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。
また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
基板上において、上記で説明したような高光学濃度の濃色組成物を、同じく上記で説明した貧酸素雰囲気下で光重合した場合、組成物自身の吸収により組成物表面から基板方向への露光量は減衰するため、結果として表面の硬化がより進む。さらに、貧酸素雰囲気下であるために組成物表面での重合阻害が抑制され、こちらも結果として表面の硬化がより進む。
これらの値は、実際には基板上に形成された濃色離画壁を、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察することで測定する。
こうして得られた濃色離画壁形状を固定化する工程を経ることで、例えば、カラーフィルタに用いた場合、一旦2以上の画素群の空隙に打滴されたインクは該濃色離画壁を乗り越えにくくなる。その結果、隣接画素との混色などを防いで良好なカラーフィルタを得ることができる。
本発明の濃色離画壁の光学濃度は、2.5以上が好ましく、2.5〜10.0がより好ましく、2.5〜6.0が更に好ましく、3.0〜5.0が特に好ましい。
前記光学濃度の範囲とすることにより、コントラストの高い表示装置が得られ好ましい。また表示装置の表示品位の点から、濃色離画壁の色は黒であることが好ましい。
[カラーフィルタの製造方法]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に濃色離画壁を作製し(濃色離画壁作製工程)、液滴付与法により画素を形成し(画素形成工程)、前記スペーサ用樹脂組成物を付与し、前記マスクレス露光により硬化してスペーサを作製する(スペーサ作製工程)、とを含むことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に離画壁を作製後に画素形成しても、画素形成後に、濃色離画壁を形成しても良い。以下、前者を例に説明する。
(濃色離画壁の形成)
−濃色組成物を用いる濃色離画壁の形成−
前記濃色組成物を用いて基板上に塗布して濃色離画壁を形成する方法の一例を以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記濃色組成物を塗布する。引き続き、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークして濃色感光性樹脂組成物層を得る。
前記塗布としては、特に限定されず、公知のスリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(例えば、エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)等を用いて行うことができる。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる、
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記得られた濃色感光性樹脂組成物層の膜厚は、前述の通りである。
続いて、上記で得られた試料を露光して、濃色離画壁パターンを得る。
前記濃色感光性樹脂組成物層の露光は、特に限定されず、いずれの露光方法を用いてもよい。たとえば、上記で得られた濃色感光性樹脂組成物層を有する基板と画像パターンを有するマスク(例えば、石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該組成物層の間の距離を適宜(例えば、200μm)に設定し、露光することができる。即ち、フォトマスクを用いたアナログ方式の面露光である。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(例えば、日立電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜選択することができる(例えば、300mJ/cm2)。また、このときの酸素分圧は酸素計(G−102型、飯島電子工業製等)を用いて測定することができる。
前記露光(光照射)に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
さらに、前記アナログ露光(面露光)方法の他に、前述のマクスレス露光(「DI露光」又は、「デジタル露光」ともいう。)方法を用いてもよい。
次に、現像液で現像してパターニング画像を得、引き続き必要に応じて、水洗処理して濃色離画壁を得る。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該濃色感光性樹脂組成物層の表面を均一に湿らせることが好ましい。前記現像処理に用いる現像液としては、前述のスペーサの作製方法で述べた現像液と同様であり、好ましい態様も同様である。
−濃色離画壁用感光性転写材料を用いた濃色離画壁の形成−
濃色離画壁用感光性転写材料を用いた濃色離画壁の形成としては、前述のスペーサの作製方法で述べた作製方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
(各画素の形成)
次いで、上記で得られた濃色離画壁が形成された基板上に液滴付与法により画素群を形成すること(画素形成工程)によりカラーフィルタを得る。
本発明におけるカラーフィルタは、基板上に少なくとも1色の画素群を有すればよく、該画素群の形成は特に限定されないが、赤色、緑色、青色の少なくともいずれか1色の顔料を含有する着色光硬化性樹脂組成物を液滴付与により形成することが好ましい。
即ち、前記現像工程にて基板上に形成された濃色離画壁間の空隙に対し、1色以上の画素(例えば、RGB各画素)を形成する為の着色光硬化性樹脂組成物を液滴付与することにより濃色離画壁間の空隙に侵入させて1色以上の色を有する複数の画素を形成することができる。
この着色光硬化性樹脂組成物を液滴付与して濃色離画壁間空隙に侵入させる方法としては、インクジェット法やストライプギーサー塗布法など公知のものを使用することができ、インクジェット法がコスト的に好ましい。
また、このように各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。
すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということをさす。
ここで、上記1)を行う場合の露光量は、大気下であれば500〜3000mJ/cm2、好ましくは1000〜2000mJ/cm2であり、貧酸素雰囲気下である場合にはそれより低い露光量で露光することも可能である。また、同じく2)を行う場合の加熱温度は50〜120℃、好ましくは70〜100℃程度であり、その加熱時間は、10〜40分程度である。温度が50℃より低い場合には濃色離画壁の硬化が進まない懸念があり、120℃より大きい場合には濃色離画壁形状が崩れてしまう懸念がある。
各画素形成のために用いるインクジェット法に関しては、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、あらかじめ基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、公知の方法を用いることができる。
好ましくは、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設ける。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、濃色組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルタのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なマトリックス形状であっても、ストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
(インクジェット方式)
本発明に用いるインクジェット方式としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
用いるインクは油性、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、上記<濃色組成物>の項で挙げた、顔料などの着色剤を含有させた着色光硬化性樹脂組成物を、好適なものとして用いることができる。
また、本発明において用いることができるインクとしては、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有するカラーフィルタ用熱硬化性インクも好適なものとして用いることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、インクジェット方式で画素形成することが好ましく、RGB3色のインクを吹き付けて3色のカラーフィルタとして形成することがより好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法におけるスペーサ作製工程については、前記スペーサ用樹脂組成物、スペーサ用感光性転写材料、及びスペーサの作製の項に記載の通りである。
本発明において得られたカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途にも使用できる。
[表示装置]
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルムなどさまざまな部材から構成される。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
[対象用途]
本発明は、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「%」および「部」は、「質量%」および「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
[実施例1]
[濃色感光性組成物の調製]
濃色感光性組成物は、まず下記濃色感光性組成物処方に記載の量のカーボンブラック分散液、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダーP−1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジルアミノ]−3−フェニルクマリン、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌することによって得られる。
<濃色感光性組成物処方>
・カーボンブラック分散液 25部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8部
・メチルエチルケトン 53部
・バインダーP−1 9.1部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002部
・DPHA液 4.2部
・7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジルアミノ]−3−フェニルクマリン 0.75部
・2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール 0.16部
・界面活性剤1 0.045部
<カーボンブラック分散液>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散物1 0.65%
Figure 2007057601
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53%
<バインダーP−1>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・メチルエチルケトン 70%
Figure 2007057601
[濃色離画壁の形成]
≪感光性樹脂転写材料の作製≫
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、仮支持体から近い順に下記熱可塑性樹脂層、酸素遮断層(中間層)と濃色感光性樹脂組成物層を設けて、この上に保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着して、感光性樹脂転写材料を得た。
(熱可塑性樹脂層の形成)
スリット状ノズルを用いて下記熱可塑性樹脂層用塗布液を乾燥膜厚が14.5μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥して、熱可塑性樹脂層を得た。
<熱可塑性樹脂層用塗布液処方:H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.4部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
(酸素遮断層(中間層)の形成)
前述の熱可塑性樹脂層の上にスリット状ノズルを用いて下記酸素遮断層(中間層)用塗布液を乾燥膜厚が1.6μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥して、酸素遮断層(中間層)を形成した。
<酸素遮断層(中間層)用塗布液処方:P1>
・ポリビニルアルコール 2.1部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン社製)
・メタノール 44部
・蒸留水 53部
(濃色感光性樹脂組成物層の形成)
上の中間層の上にスリット状ノズルを用いて前記濃色感光性樹脂組成物層用塗布液(濃色感光性樹脂組成物)を乾燥膜厚が2.2μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥して、濃色感光性樹脂組成物層を形成した。
≪濃色離画壁の形成≫
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記感光性樹脂転写材料の保護フイルムを剥離後、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートして、基板上に濃色感光性樹脂組成物層を転写形成した。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該濃色感光性樹脂組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該濃色感光性樹脂組成物層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン性界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、引き続き220℃で30分間熱処理して高さ1.0μm、130μmの開口部を有する線幅13μmの濃色離画壁パターンと額縁部の黒(K)画像を形成した。
[画素形成]
次いで、インクジェット装置を用いR、G、Bそれぞれのインクを濃色離画壁の間隙に付与して着色した。
R(赤色)インクは、下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得、その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加して調製した。
〈Rインクの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154)
2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) 5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかはRインクの場合と同様にしてG(緑色)インキを調製した。さらに、下記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかはRインクの場合と同様にしてB(青色)インクを調製した。
画素着色後のカラーフィルタを230℃オーブン中で30分ベークすることで、濃色離画壁、各画素共に完全に硬化させて、カラーフィルタを得た。
上記で得られたカラーフィルタを用い、下記のようにして液晶表示装置を作製した。
[オーバーコート層形成]
得られたカラーフィルタを低圧水銀灯(有効波長254nm)UV洗浄装置で洗浄し残渣及び異物を除去してから、下記透明オーバーコート剤を塗布・ベークした。膜の厚さが1.5μmになるように全面塗布後、230℃で40分間ベークした。この時、透明オーバーコート層を形成する塗布液は、下記の化学式6のポリアミック酸と化学式7のエポキシ化合物を3:1の重量比で混合して使用した。
Figure 2007057601
(ITOの形成)
前記オーバーコート層が形成されたカラーフィルタ上に、ITO(インジウム錫酸化物)をスパッタリングにより形成して、ITO透明電極基板を得た。
[スペーサの形成]
《スペーサ用感光性転写材料の作製》
ポリエチレンテレフタレートフィルム製の仮支持体(厚み100μm)上に、上記組成の熱可塑性樹脂層用塗布液H1を塗布し乾燥させることにより、厚みが20μmである熱可塑性樹脂層を形成した。
次に、前記熱可塑性樹脂層上に、上記組成の中間層用塗布液P1を塗布し乾燥させることにより、厚みが1.6μmである中間層を形成した。
更に、下記組成の感光性樹脂層用塗布液(スペーサ用樹脂組成物)を用いて塗布し乾燥させることにより、厚みが5.2μmである感光性樹脂層を形成した。この感光性樹脂層上に、ポリプロピレン製のカバーフィルム(厚み12μm)を圧着貼付することによって、スペーサ用感光性転写材料T1を作製した。
<感光性樹脂層用塗布液処方>
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート/メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体 (=17/12/71[モル比]、分子量40000) 3部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 1.8部
シリカゾルの30%メチルイソブチルケトン分散物 (商品名:MIBK−ST、日産化学工業(株)製) 7.1部
フェノチアジン 0.001部
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン 0.2部
ビクトリアピュアブルーBOH−M(保土谷化学工業(株)製) 0.02部
前記界面活性剤1 0.01部
メチルエチルケトン 7.4部
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 8.6部
メタノール 0.5部
(スペーサの形成)
次に、前記スペーサ用感光性転写材料T1のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面を前記濃色離画壁形成基板上に、ラミネーター(装置名:LamicII型、(株)日立インダストリイズ社製)を用いて、線圧100N/cm、130℃の加圧加熱条件下、搬送速度2.2m/分で貼り合わせた。その後、仮支持体を熱可塑性樹脂層から剥離し、仮支持体を除去した。
前記で作製した基板上の感光性樹脂層を、以下の方法で露光した。その後、1質量%トリエタノールアミン水溶液を用いてアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この際、感光性樹脂層は実質現像されていなかった。
次いで、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光性樹脂層を現像し、ブラシ工程を経て不要部を除去した後、230℃で120分間ベークして、濃色離画壁上に1辺16μm、平均高さ約3.7μmの柱状の透明なスペーサを形成してなるカラーフィルタ付き基板を作製した。
<露光装置>
図21A、図21Bに示した露光装置T31を用いた。
露光装置T31は、板状の設置台T20と、その上に配置された2本の線路状のガイドT21と、そのガイドT21上をガイドT21に沿って往復移動するステージ台T30と、ステージ台T30の上に回転可能な状態で取り付けられた平板状のステージT22とを備える。ステージT22は、その上面に露光する基板T23を吸着して保持することができる。
ステージT22の移動経路の上方には、ステージT22の移動方向と垂直な方向にライン上に配列された複数の露光ヘッド群からなるスキャナT25が配置されている。スキャナT25は、設置台T20の中央部に2本のガイドT21を挟むように配置された2本の支柱T24により支えられたゲートT29aに備え付けられている。本実施形態では、スキャナT25を構成する露光ヘッドは2ラインに配列されており、1ライン目の露光ヘッドと2ライン目の露光ヘッドは千鳥状に配置されている。
各露光ヘッドは、その内部に米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を備えている。露光装置T31が備える図示されない光源から発せられた光ビームは、図示されないレンズ系を経て露光ヘッド内へと導かれ、DMDに入射される。また、DMDを構成する各マイクロミラーの反射面の角度は、露光により記録する画像を構成する各画素の値に基づいて制御される。具体的には、画素の値が1の場合にはDMDに入射した光ビームがマイクロミラーにより反射してステージT22上の基板T23に照射されるように制御される。一方、画素の値が0の場合には入射した光ビームが、マイクロミラーにより反射した結果、基板T23に照射されなくなるように制御される。
基板の露光は、基板に記録する画像を分割して各露光ヘッドに分割された画像データを割り当て、ステージT22をガイドに沿って移動させながら、各露光ヘッドのDMDを制御することにより行なう。基板は各露光ヘッドにより、ステージの移動方向に長い帯状に露光される。この際、露光ヘッドの幅はDMDの幅よりも広いため、1ラインに並んだ露光ヘッドによる露光では、露光ヘッドの間に露光されない領域が生じてしまうが、1ライン目で露光されなかった領域は、千鳥状に配置された2ライン目の露光ヘッドにより露光される。これにより基板T23の全面を露光することができる。
露光装置T31は、さらにステージT22上に吸着された基板T23の縁付近を撮影できるように設置された2台の低倍率カメラT27を備える。なお、低倍率カメラT27とは、撮影倍率が、撮影画像から図22に例示したマークT6(T6a〜T6i)を識別し得る倍率に設定された状態のカメラを意味するものとする。すなわち、高倍率撮影が可能なカメラの撮影倍率を低く設定した場合も含むものとする。カメラT27は、支柱およびゲートからなる支持体T26に据え付けられ、ステージT22の一の角と、その角の対角の上方に設置されている。
また、露光装置T31は、基板T23の縁以外の部分を撮影できるように設置された複数台の高倍率カメラT28を備える。高倍率カメラT28は、撮影画像から、基板上に形成された濃色離画壁(ブラックマトリクス)パターン、着色画素パターン、スペーサ、配向制御部材など個々の部材を識別し得る倍率に設定された状態のカメラである。高倍率カメラT28は、支柱T24に支えられたゲートT29bに一定の間隔で据え付けられている。ゲートT29bはレールを備えており、高倍率カメラT28はそのレール上に据え付けられており、上記間隔は必要に応じて変更することができる。本実施例にもちいる露光装置は、6台の高倍率カメラT28が30cm間隔で配置されている。
図23は、高倍率カメラT28の照明機能について説明するための図である。高倍率カメラT28は、その内部に光源を備え、図の矢印が示すように落射照明により基板を撮影する。例えば、スペーサの形成工程では、図に例示するように、透明電極T14までが形成された状態の基板を撮影して位置合わせを行なうことになるが、前述のようにカラーフィルタ基板は、ブラックマトリクスT8を除き、光透過性を有する部材により構成されており、落射照明による撮影で、ブラックマトリクス8を識別し得る画像を取得した。
<露光>
上記の露光装置T31を用い、前記感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、波長405nm、80mJ/m2の露光量で露光した。
[液晶配向制御用突起の形成]
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cm2でプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製FH−2413F) 53.3部
・メチルエチルケトン 46.7部
・前記界面活性剤1 0.04部
[液晶表示装置の作成]
上記で得られた液晶表示装置用基板を用いて、特開平11−242243号公報の第一実施例[0079]〜[0082]に記載の方法を用いて、液晶表示装置を作製した。
[評価]
−画像品質−
液晶表示装置の各々について、グレイのテスト信号を入力させたときのグレイ表示を目視及びルーペにて観察し、表示ムラの発生の有無を下記評価基準に従って評価し、結果を表1に示す。
<評価基準>
◎:表示ムラは全く認められなかった。
△○:表示ムラがわずかに認められた。
△:表示ムラがやや認められた。
×:表示ムラが顕著に認められた。
−生産性−
生産性は、作製した液晶表示装置100台の画像品質による合否を調べて、その台数を比較した。結果を表1に示す。
○:95台以上合格
△:90台以上、95台未満が合格
×:90台未満が合格
[実施例2、3]
実施例1の濃色離画壁の形成において、濃色離画壁の高さ1.0μmの代わりに、1.5μm及び2.0μmに変更した以外は、実施例1と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
[比較例1]
実施例1の「スペーサの形成」において、レーザー露光(DI露光)の代わりに、下記の露光を行った以外は、実施例1と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
<露光>
上記濃色離画壁形成基板上に形成した感光性樹脂層に、スペーサが形成可能なフォトマスクを介して超高圧水銀灯で40mJ/cm2のプロキシミティー露光した。
その後、1質量%トリエタノールアミン水溶液を用いてアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層及び中間層を溶解除去した。この際、感光性樹脂層は実質現像されていなかった。
次いで、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて感光性樹脂層を現像し、ブラシ工程を経て不要部を除去した後、230℃で120分間ベークして、ブラックマトリックス(濃色離画壁)上に1辺16μm、平均高さ約3.7μmの柱状の透明なスペーサを形成してなるカラーフィルタ付き基板を作製した。
[比較例2、3]
比較例1の濃色離画壁の形成において、濃色離画壁の高さ1.0μmの代わりに、1.5μm及び2.0μmに変更した以外は、比較例1と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
[実施例4]
≪濃色離画壁の形成≫
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記基板上にスリット状ノズルを用いて前記濃色感光性樹脂組成物層用塗布液(濃色感光性樹脂組成物)を乾燥膜厚が2.2μmになるよう塗布して100℃で3分間乾燥して、濃色感光性樹脂組成物層を形成した。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と前記濃色感光性樹脂組成物層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該濃色感光性樹脂組成物層の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン性界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、引き続き220℃で30分間熱処理して高さ1.0μm、130μmの開口部を有する線幅13μmの濃色離画壁パターンと額縁部の黒(K)画像を形成した。
続いて、上記で得られた濃色離画壁上に実施例1と同様の方法で画素、オーバーコート層、及びITOを形成して、オーバーコート層を有するカラーフィルタ上にITOを有するITO透明電極基板を得た。
(スペーサの形成)
上記で作製したオーバーコートを有する濃色離画壁上に、下記の感光性樹脂層用塗布液処方T2を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)で30秒間、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃3分間プリベークして膜厚1.2μmの感光性樹脂層T2を得た。
〔感光性樹脂層用塗布液の処方:T2〕
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体 108部
(モル比=20/80、分子量40000)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 64.7部
・2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)−3’−ブロモフェニル〕−s−トリアジン 6.24部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.0336部
・ビクトリアピュアブルーBOHM(保土ヶ谷化学社製) 0.874部
・前記界面活性剤1 0.856部
・メチルエチルケトン 328部
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート 475部
・メタノール 16.6部
続いて、上記試料を実施例1と同様のDI露光装置を用いて、実施例1と同様の方法でDI露光、現像処理して、濃色離画壁上に1辺16μm、平均高さ約3.7μmの柱状の透明なスペーサを形成してなるカラーフィルタ付き基板を作製した。
(液晶配向制御用突起の形成)
実施例1の「液晶配向制御用突起の形成」と同様に行い、ITO透明電極基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成して、液晶表示装置用基板を得た。
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板を用いて、実施例1の「液晶表示装置の作成」と同様に行い、液晶表示装置を作成し、同様の評価を行った。
[実施例5、6]
実施例4の「濃色離画壁の形成」において、濃色離画壁の高さ1.0μmの代わりに、1.5μm及び2.0μmに変更した以外は、実施例4と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
[比較例4]
実施例4の「スペーサの形成」において、レーザー露光(DI露光)・現像の方法を用いる代わりに、比較例1の露光・現像の方法に変更した以外は、実施例4と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
[比較例5、6]
比較例4の「濃色離画壁の形成」において、濃色離画壁の高さ1.0μmの代わりに、1.5μm及び2.0μmに変更した以外は、比較例4と同様に行い、カラーフィルタ、ITO透明電極基板、カラーフィルタ付き基板、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置を得て、同様に評価した。
Figure 2007057601
表1から明らかなとおり、実施例の全てにおいて、濃色離画壁の形成方法に拘らず、スペーサをDI露光して形成したものは極めて良好であることが分かった。一方、比較例は、画像品質、生産性共に不良であることが分かった。
本発明に係る露光ユニットの外観を示す斜視図である。 本発明に係る露光ユニットのスキャナの構成を示す斜視図である。 (A)は感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図であり、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。 本発明に係る露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 (A)は図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図であり、(B)は(A)の側面図である。 デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。 (A)及び(B)はDMDの動作を説明するための説明図である。 (A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示す平面図である。 (A)はファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(Aの部分拡大図であり、(C)及び(D)はレーザ出射部における発光点の配列を示す平面図である。 マルチモード光ファイバの構成を示す図である。 合波レーザ光源の構成を示す平面図である。 レーザモジュールの構成を示す平面図である。 図12に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。 図12に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 (A)及び(B)は、露光装置における焦点深度を示す断面図である。 (A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図である。 (A)はDMDの使用領域が適正である場合の側面図であり、(B)は(A)の光軸に沿った副走査方向の断面図である。 読取対象基板上に形成されたパターンと撮影位置の関係を例示した図 パターンの位置ずれについて説明するための図 全着色画素パターン形成工程後の基板の上面の一部を拡大して示した図 図20Aに対応する断面図 露光装置の概略構造を示す図(上方から見た図) 露光装置の概略構造を示す図(横方向から見た図) カラーフィルタ基板の例を示す図 高倍率カメラによる撮影時の照明について説明するための図
符号の説明
50…デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
54…レンズ系
66…ファイバアレイ光源
166…露光ヘッド(本発明に係る露光ユニット)

Claims (8)

  1. (1)基板上に濃色離画壁を作製する工程、及び(2)液滴付与法により画素を形成する工程、及び(3)前記濃色離画壁を形成された基板上にスペーサ用樹脂組成物を付与し、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら前記樹脂組成物を相対走査露光により硬化させスペーサを作製する工程、とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記濃色離画壁上に前記スペーサを作製することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記液滴付与法により画素を形成する工程が、赤色、緑色、青色の少なくともいずれか一色の顔料を含有する着色光硬化性樹脂組成物を前記液滴付与方式により付与する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記液滴付与法がインクジェット法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記濃色離画壁の高さが1.5μm以上5.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記スペーサを作製する工程が、仮支持体上に少なくとも1層の感光性樹脂層を有するスペーサ用感光性転写材料を基板に転写する転写工程、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、部材に対する位置情報を含む画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により硬化する工程、及び、現像処理により不要部を除去する工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により作製されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする表示装置。
JP2005240161A 2005-08-22 2005-08-22 カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置 Pending JP2007057601A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005240161A JP2007057601A (ja) 2005-08-22 2005-08-22 カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005240161A JP2007057601A (ja) 2005-08-22 2005-08-22 カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007057601A true JP2007057601A (ja) 2007-03-08

Family

ID=37921200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005240161A Pending JP2007057601A (ja) 2005-08-22 2005-08-22 カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007057601A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008261947A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Toppan Printing Co Ltd 半透過型液晶表示装置用感光性着色組成物、この感光性着色組成物を用いた半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ並びにその製造方法、及び半透過型液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008261947A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Toppan Printing Co Ltd 半透過型液晶表示装置用感光性着色組成物、この感光性着色組成物を用いた半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ並びにその製造方法、及び半透過型液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007093785A (ja) 表示装置用部材の製造方法、及び表示装置用部材並びに表示装置
JP2007011231A (ja) パターン形成方法、カラーフィルター付基板及び表示素子
JP2007024969A (ja) セル内構造の製造方法及びセル内構造並びに表示装置
JP2007156011A (ja) フォトスペーサ用感光性樹脂組成物、スペーサ付き基板及びその製造方法並びに液晶表示装置
JP4684707B2 (ja) 液晶表示装置用構成物の製造方法
JP2008233112A (ja) カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ並びに表示装置
JP2007101742A (ja) パターン形成方法、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2007041082A (ja) 液晶表示素子用感光性樹脂組成物、それを用いたカラーフィルタ並びにその製造方法、及び、lcd表示素子
JPWO2007074694A1 (ja) カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置
JP2007101607A (ja) 表示装置用部材及びその製造方法、並びに表示装置
JP2007178932A (ja) カラーフィルタ用隔壁の製造方法、隔壁付基板、カラーフィルタ及びその製造方法並びに液晶表示装置
JP2007057601A (ja) カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置
JP2007108498A (ja) カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2007071957A (ja) カラーフィルタ及びパターン形成方法、並びに液晶表示装置
JP2006330690A (ja) カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置
JP2007041158A (ja) カラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物、光硬化性樹脂転写フィルム、及びそれらを用いて製造するカラーフィルタの製造方法
JP2007057717A (ja) カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ並びに表示装置
JP2007041308A (ja) カラーフィルター、カラーフィルターの製造方法、及び画像表示装置
JPWO2007013233A1 (ja) 液晶表示素子用感光性樹脂組成物、それを用いたカラーフィルター並びにその製造方法、及び、液晶表示素子
JP4897270B2 (ja) 感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置
JP2006317910A (ja) カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及びそれを有する表示装置
JP2007114602A (ja) カラーフィルタ用感光性樹脂組成物、カラーフィルタ用感光性樹脂転写材料、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、カラーフィルタを用いた液晶表示装置、及び画像形成方法
JP4916141B2 (ja) カラーフィルタ形成材料及びカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置
JP2007025003A (ja) カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ並びに表示装置
JP2006018221A (ja) カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ並びに液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070203