JP2007101742A - パターン形成方法、カラーフィルタ及び液晶表示装置 - Google Patents

パターン形成方法、カラーフィルタ及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な形状のパターンを形成することができるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層に対し、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査して露光し2次元画像の形成を行うパターン露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を少なくとも経て、カラーフィルター部材のパターンを形成するパターン形成方法であって、前記感光性樹脂層のγが1〜15であり、前記パターン露光に用いられる露光装置の消光比が10%以下であることを特徴とするパターン形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、小型モバイル機器、大型ディスプレイ等の液晶表示装置、該液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタの製造に用いられるパターン形成方法に関する。
液晶表示装置は、非常にコンパクトであると共に、従来主流であったCRTディスプレイと同等以上の性能を有することから、近年ではCRTディスプレイから置き換わりつつある。
液晶表示装置で表示されるカラー画像は、複数色よりなるカラーフィルタ等からなる基板を通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各色に着色され、着色された複数の色の光が画像様に合成されることで形成される。そして現在、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の画素でカラー画像が形成されることが一般的である。
これらの画素は、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返すなどの方法によって製造することができる。前記露光方法としては、露光マスクを用い水銀ランプ等で露光する方法の他、近年では高額である前記露光マスクを用いない、マスクレス露光が行われている。該マスクレス露光としては、例えば、半導体レーザー等のレーザーを用い、また光を変調しながら相対走査する方法としてポリゴンミラーを用いた方法(例えば、特許文献1参照。)、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いた方法(例えば、特許文献2参照。)等がある。
しかし、これらのマスクレス露光では、形成されるパターンの形状を一定にすることが難しく、更なる改善が求められていた。
特開2002−523905号公報 特開2004−56080号公報
本発明は、上記従来における欠点に鑑みてなされたものであり、即ち本発明の目的は、良好な形状のパターンを形成することができるパターン形成方法、良好な形状のパターンを有するカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することにある。
前記従来における課題は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明のパターン形成方法は、
<1> 基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層に対し、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査して露光し2次元画像の形成を行うパターン露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を少なくとも経て、カラーフィルター部材のパターンを形成するパターン形成方法であって、前記感光性樹脂層のγが1〜15であり、前記パターン露光に用いられる露光装置の消光比が10%以下であることを特徴とするパターン形成方法である。
<2> 前記パターン露光が、光照射手段と、前記光照射手段からの光を受光し出射する描素部を複数有する光変調手段と、前記描素部における出射面のひずみによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、を備えるレーザー露光装置によって行われることを特徴とする前記<1>に記載のパターン形成方法である。
<3> 前記感光性樹脂組成物が、樹脂と、モノマー又はオリゴマーと、光重合開始剤又は光重合開始剤系と、重合禁止剤と、を含むことを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のパターン形成方法である。
<4> 前記重合禁止剤が、フェノール性水酸基を有する化合物及びフェノチアジンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記<3>に記載のパターン形成方法である。
<5> 前記モノマー及びオリゴマーの含有量に対する前記重合禁止剤の含有量が0.005〜0.5質量%の範囲にあることを特徴とする前記<3>又は<4>に記載のパターン形成方法である。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
<7> 前記<6>に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、良好な形状のパターンを形成することができるパターン形成方法、良好な形状のパターンを有するカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することができる。
本発明のパターン形成方法は、基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する感光層形成工程と、基板表面に位置する前記感光性樹脂層を露光し2次元画像の形成を行うパターン露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を少なくとも有するパターン形成方法であって、前記露光を、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査して露光する露光方法によって行うことを特徴とする。また、前記感光性樹脂層のγが1〜15の範囲であり、更に、前記露光方法に用いられる露光装置の消光比が10%以下であることを特徴とする。
γの値が前記範囲である感光性樹脂層を、消光比が前記範囲である露光装置によって露光することにより、形状が良好なパターンを形成することができる。
以下、まず本発明の重要な要件である前記γの値、及び前記消光比について述べ、その後本発明の構成について詳細に説明する。
<感光性樹脂層のγ>
感光性樹脂層のγの値は、以下によって定義される。
一定膜厚の感光性樹脂層をパターン露光する際の露光エネルギーをEとし、露光後現像処理したときの膜厚の残存率をYとした場合、logEとYとは図1に示すグラフの関係となる。このグラフにおいて、膜厚の残存率Yが50%となる点(以下、この点での残存率をY50と、露光エネルギーをE50という。)におけるE50±ΔEの直線の傾き(Y50+Δ−Y50-Δ)/(logE50+Δ−logE50-Δ)の値をγとした。
尚、前記感光性樹脂層のγの値を測定する際における現像処理は、以下の方法によって行った。
まず、前記感光性樹脂層上に熱可塑性樹脂や中間層(酸素遮断膜を含む)等を有する場合には、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、ポリプロピレングリコール、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ステアリルエーテルを合計で0.1質量%含有、商品名:T−PD2(富士写真フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水を11質量部の割合で混合)に希釈した液)を用い、30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、基板表面にエアを吹きかけて液切りをして、当該熱可塑性樹脂層や中間層等を除去する。
基板表面に感光性樹脂層が位置する状態とし、該基板表面に純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らす。引き続き炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1(富士写真フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈して用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシにより形成された画像を擦って残渣除去することで、行った。
本発明において、前記γは1〜15であることを必須の要件とし、更に2〜13であることが好ましく、3〜10であることが特に好ましい。γが1より低い場合には、一定形状のパターン形成を行うことができず、一方15より高い場合には、感光性樹脂層が低感度化し長時間の露光が必要となり生産性が劣る。
尚、感光性樹脂層のγを前記範囲に制御する方法としては、重合禁止剤を用いる方法が挙げられる。重合禁止剤については後に詳述する。
<消光比>
マスクレス露光に用いる露光装置の消光比とは、露光装置の(off時のパワー/on時のパワー×100%)で表される値であり、つまり迷光・不要光を表す値である。
尚、前記露光装置が、例えば本発明の好ましい態様である、光照射手段からの光を受光し出射する描素部を複数有する光変調手段を有する態様である場合において、前記on時及びoff時のパワーの測定は以下の方法によって行われる。
3行×3列からなる9画素の光変調手段を選択し、まずon時のパワーは、前記画素を全てonにした場合の中心画素部(2行,2列目の画素)のパワーを測定する。次いでoff時パワーは、中心画素部だけをoffにした場合の中心画素部のパワーを測定する。前記パワー測定は、パワーメーター(横河電機(株)社製、商品名:光パワーメーターTB−100)を用いて行い、また中心画素のみのパワーを測定できる様に、パワー測定部(受光面)に開口を設ける。
本発明において、前記消光比は10%以下であることを必須とし、更に5%以下であることが好ましく、1%以下であることが特に好ましい。消光比が10%を超えると、良好な形状のパターンを得ることができない。また、消光比の下限値は特に限定されず、一般に実施が可能である範囲としては0.5%以上である。
尚、特に前記光変調手段を有する態様の場合において、消光比の値を前記範囲とする制御方法としては、光変調手段と露光面(即ち感光性樹脂層)との間にアレイ状の開口を持つアパーチャアレイを配置する方法が挙げられる。該アパーチャアレイについては後に詳述する。
<パターン形成方法>
本発明におけるパターンは、感光性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある。)を用いて形成されるものであり、基板上に樹脂層を形成する工程と、パターン露光を行う工程と、現像する工程と、を有することを特徴とする。
−感光性樹脂層形成工程−
上記の形成方法において、基板上に樹脂層を形成する方法としては、(a)樹脂組成物を公知の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。尚、ここでは塗布方法及びラミネート方法についてのみ説明し、樹脂組成物及び樹脂転写材料については後に詳述する。
(a)塗布装置による塗布
本発明のパターン形成方法における、樹脂組成物の塗布には、公知の塗布方法、例えばスピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布することができる。中でも特に、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズル(スリットコータ)によって塗布する、スリットコート法が好適に用いることができる。尚、前記スリット状ノズルの好ましい具体例としては、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル及びスリットコータが挙げられる。
樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.0〜2.0μmが特に好ましい。
尚、本発明のパターン形成方法においては、樹脂組成物の塗布によって樹脂層を形成する場合においては、後述のパターン露光工程における露光感度をアップする目的で、該樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができる。該酸素遮断膜としては、後述の<樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明するものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが好ましい。
(b)ラミネーターによる貼り付け
後述の樹脂転写材料を用い、フイルム状に形成した樹脂層を基板上に加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板を用い、圧着又は加熱圧着することによって貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
−パターン露光工程−
本発明におけるパターン露光は、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査して露光することで2次元画像の形成を行う露光方法によって行う。
前記露光方法においては、従来用いられていたマスク露光(露光光を透過させない、または、弱めて透過させる材質で画像を形成した「マスク」と呼ばれる物体を露光光の光路に配置し、感光性樹脂層を、該画像に対応したパターン状に露光する露光方式)のようなマスクを使用せずに感光性樹脂層をパターン状に露光する露光方式である。
以下、前記露光方法を「本発明におけるマスクレス露光」とよぶ。
(光源の説明)
本発明におけるマスクレス露光では、光源として超高圧水銀灯や、レーザーが用いられる。超高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである(点灯時の水銀の蒸気圧はおよそ5MPaになるものもあるW.Elenbaas:Light Sources、Philips Technical Library 148−150)。輝線スペクトルのうち、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)が好ましく用いられ、中でも365nmが主として用いられる。
レーザーは、英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語であり、反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器である。励起媒質としては結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー(YAGレーザー)、液体レーザー、気体レーザー(アルゴンレーザー、He−Neレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー)、半導体レーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
半導体レーザーは、搬送子の注入、電子ビームによる励起、衝突によるイオン化、光励起などによって電子と正孔とが接合部に流出する時、pn接合で可干渉光を誘導放出するような発光ダイオードを用いるレーザーである。この放出される可干渉光の波長は、半導体化合物によって決まる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、半導体レーザーでは、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましく、340〜450nmがより好ましく、特に405nmが好ましい。
また固体レーザーでは、YAG−SHG固体レーザーの532nmが挙げられる。更に、半導体励起固体レーザーでは532・355・266nmが挙げられ、従来のレジスト用光重合開始剤が感度を有すという点では355nmが好ましく選ばれる。
気体レーザーでは、KrFレーザーの249nm、ArFレーザーの193nmが用いられる。
これらの光源の中で、表示装置の製造工程で、感光性材料を露光する場合を考えると、露光波長が、410nmとなる光源を選択することが、表示領域の透過率を高くする観点で好ましい。
次いで、本発明における、光を変調しながら相対走査する方法について説明する。
そのひとつの代表的な方法は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス、例えば、1987年、米国テキサス・インスツルメンツのラリー・ホーンベック博士他が開発した光半導体)のような、微小なミラーが二次元に並んだ空間変調素子を用いる方法である。
この場合、光源からの光は、適切な光学系によってDMD上に照射され、DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、マイクロレンズがアレイ状に配されてなるマイクロレンズアレイを有する別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。尚、本発明においては、消光比を前記所望の範囲に制御する目的から、前記マイクロレンズアレイの集光位置近傍にアパーチャアレイを配置してなる態様が好ましい。
このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、感光性樹脂層の全面を露光することができる。DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON−OFFする事で、画像パターンを形成することができる。このようなDMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行うことができる。
一方、本発明における、光を変調しながら相対走査する方法の別の代表的な方法は、ポリゴンミラーを用いる方法である。ポリゴンミラー(polygon mirror)とは周囲に一連の平面反射面を持った回転部材の事であり、感光層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を移動させることで、基板上の感光層の全面を露光することができる。光源からの光の強度を適切な方法でON−OFF、または中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。また、光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明における光を変調しながら相対走査する方法としては、例えば、以下の方法も適用することができる。
特開平5−150175号公報に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101号公報(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080号公報に記載のDMDを有する装置で露光する例、特表2002−523905号公報に記載のポリゴンミラーを備えた露光装置、特開2001−255661号公報に記載のポリゴンミラーを備えた露光装置、特開2003−50469号公報に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせの例、特開2003−156853号公報に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576号公報に記載の位置ずれ調整を行う露光方法の例等である。
(相対走査露光)
以下、相対走査露光について詳細に説明する。
本発明に係る露光方法としては超高圧水銀灯を用いる方法とレーザーを用いる方法があるが、好ましいのは後者である。
本発明で用いられるレーザーとしてはアルゴンレーザー、He−Neレーザー、半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも、感光層(例えば、カラーフィルタなど)の解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましいが、340〜450nmがより好ましく、特に405nmは好ましい。
レーザーのビーム径は、特に限定されないが、中でも、感光層(例えば、カラーフィルタなど)の解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e2値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
レーザービームのエネルギー量としては、特に限定されないが、中でも、露光時間と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
本発明ではレーザー光を画像データに応じて空間光変調することが必要である。この目的のため空間光変調素子であるデジタル・マイクロ・デバイス(DMD)を用いることが好ましい。
前記露光装置としては、例えば、下記の装置を用いて露光することができる。
[画像露光装置の構成]
この画像露光装置は、図2に示すように、シート状の感光材料150を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この画像露光装置には、副走査手段としてのステージ152をガイド158に沿って駆動する後述のステージ駆動装置304(図16参照)が設けられている。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150の先端および後端を検知する複数(例えば2個)のセンサ164が設けられている。スキャナ162およびセンサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162およびセンサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図3および図4(B)に示すように、m行n列(例えば3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置してある。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図4(A)および(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mnの各々は、図5および図6に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた後述のコントローラ302(図16参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御については後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、このレンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお図5では、レンズ系67を概略的に示してある。
上記レンズ系67は、図6に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、この集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、およびこのロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72および結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
上記レンズ系67から出射したレーザ光Bはミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお図5では、このTIRプリズム70は省略してある。
またDMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、感光材料150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は図5では概略的に示してあるが、図6に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各画素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。またマイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。
そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また上記アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。本実施形態において、アパーチャ59aの径は10μmである。
上記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大して感光材料150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大して感光材料150上に結像、投影されることになる。
なお本例では、第2結像光学系と感光材料150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図6中で上下方向に移動させることにより、感光材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、感光材料150は矢印F方向に副走査送りされる。
DMD50は図7に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々画素(ピクセル)を構成する多数(例えば1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図8(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図8(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図7に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお図7には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された前記コントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図9(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図9(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば756組)配列されているが、図9(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、アライメントマークに対する露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
ファイバアレイ光源66は図10Aに示すように、複数(例えば14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図10Bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図10Bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
本例では図11に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cm程度のクラッド径が小さい光ファイバ31が同軸的に結合されている。それらの光ファイバ30,31は、それぞれのコア軸が一致する状態で光ファイバ31の入射端面を光ファイバ30の出射端面に融着することにより結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
マルチモード光ファイバ30および光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーデッドインデックス型光ファイバ、および複合型光ファイバの何れも適用可能である。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本例において、マルチモード光ファイバ30および光ファイバ31はステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
ただし、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバ光源に使用されている多くの光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。一方、シングルモード光ファイバの場合、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。また、光ファイバ30のコア径と光ファイバ31のコア径を一致させることが、結合効率の点から好ましい。
レーザモジュール64は、図12に示す合波レーザ光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,およびLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16および17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30とから構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個に限定されるものではなく、その他の個数が採用されてもよい。また、上述のような7個のコリメータレンズ11〜17に代えて、それらのレンズが一体化されてなるコリメータレンズアレイを用いることもできる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えばマルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは50mW程度)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲において、上記405nm以外の波長で発振するレーザを用いてもよい。
上記の合波レーザ光源は、図13および図14に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、それらによって形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、そこにコリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図14においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図15は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。
コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図15の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
次に図16を参照して、本例の画像露光装置における電気的な構成について説明する。
ここに示されるように全体制御部300には変調回路301が接続され、該変調回路301にはDMD50を制御するコントローラ302が接続されている。また全体制御部300には、レーザモジュール64を駆動するLD駆動回路303が接続されている。さらにこの全体制御部300には、前記ステージ152を駆動するステージ駆動装置304が接続されている。
[画像露光装置の動作]
次に、上記画像露光装置の動作について説明する。スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7(図12参照)の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,およびB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面上で収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17および集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。
すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.9で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が50mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力315mW(=50mW×0.9×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。したがって、14本のマルチモード光ファイバ31全体では、4.4W(=0.315W×14)の出力のレーザ光Bが得られる。
画像露光に際しては、図16に示す変調回路301から露光パターンに応じた画像データがDMD50のコントローラ302に入力され、そのフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光材料150を表面に吸着したステージ152は、図16に示すステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられたセンサ164により感光材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。なお本例の場合、1画素部となる上記マイクロミラーのサイズは14μm×14μmである。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお本例では、図17(A)および(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、コントローラ302により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図17(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図17(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の画素を全部使用する必要はない。
スキャナ162による感光材料150の副走査が終了し、センサ164で感光材料150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
次に、図6に示したファイバアレイ光源66、集光レンズ71、ロッドインテグレータ72、結像レンズ74、ミラー69およびTIRプリズム70から構成されてDMD50に照明光としてのレーザ光Bを照射する照明光学系について説明する。ロッドインテグレータ72は例えば四角柱状に形成された透光性ロッドであり、その内部をレーザ光Bが全反射しながら進行するうちに、該レーザ光Bのビーム断面内強度分布が均一化される。なお、ロッドインテグレータ72の入射端面、出射端面には反射防止膜がコートされて、透過率が高められている。以上のようにして、照明光であるレーザ光Bのビーム断面内強度分布を高度に均一化できれば、照明光強度の不均一を無くして、高精細な画像を感光材料150に露光可能となる。
ここで図18に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向およびy方向は、マイクロミラー62の2つの対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また図19の(A)および(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
上記図18および図19に示される通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。そのため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本実施形態の画像露光装置においては上述の問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図20の(A)および(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状および側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本実施形態では、先に図17を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また図21の(A)および(B)はそれぞれ、上記マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状および側面形状を示すものである。なお同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、上述したマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的に、本実施形態においてマイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向およびy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図22の(A)および(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを上記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図23a、b、c、およびdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図24a、b、cおよびdに示す。なお各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、該マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、上記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、
である。なお上式において、Cx:x方向の曲率(=1/Rx)、Cy:y方向の曲率(=1/Ry)、X:x方向に関するレンズ光軸Oからの距離、Y:y方向に関するレンズ光軸Oからの距離、である。
図23a〜dと図24a〜dとを比較すると明らかなように、本実施形態においてはマイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像を感光材料150に露光可能となる。また、図23a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが分かる。
なお、マイクロミラー62のx方向およびy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像を感光材料150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。なおこのアパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の焦点位置に配置しておくことが好ましい。そのようにすれば、各アパーチャ59aと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射してしまうことが、より確実に防止される。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
なお本実施形態においては、マイクロミラー62の2つの対角線方向に光学的に対応するx方向およびy方向の曲率が異なるトーリックレンズであるマイクロレンズ55aが適用されているが、マイクロミラー62の歪みに応じて、図27(A)、(B)にそれぞれ等高線付き正面形状、側面形状を示すように、矩形のマイクロミラー62の2つの辺方向に光学的に対応するxx方向およびyy方向の曲率が互いに異なるトーリックレンズからなるマイクロレンズ55’が適用されてもよい。
また本実施形態において、マイクロレンズ55aは2次の非球面形状とされているが、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状を採用することにより、ビーム形状をさらに良化することができる。さらには、マイクロミラー62の反射面の歪みに応じて、前述したx方向およびy方向の曲率が互いに一致しているようなレンズ形状を採用することも可能である。以下、そのようなレンズ形状の例について詳しく説明する。
図28の(A)、(B)にそれぞれ等高線付き正面形状、側面形状を示すマイクロレンズ55”は、x方向およびy方向の曲率が互いに等しく、またその曲率は、球面レンズの曲率Cyをレンズ中心からの距離hに応じて補正したものとなっている。すなわち、このマイクロレンズ55”のレンズ形状の基となる球面レンズ形状は、例えば下式(数2)でレンズ高さ(レンズ曲面の光軸方向位置)zを規定したものを採用する。
なお上記曲率Cy=(1/0.1mm)である場合の、レンズ高さzと距離hとの関係をグラフにして図29に示す。
そして、上記球面レンズ形状の曲率Cyをレンズ中心からの距離hに応じて下式(数3)のように補正して、マイクロレンズ55”のレンズ形状とする。
この(数3)においても、zの意味するところは(数2)と同じであり、ここでは4次係数aおよび6次係数bを用いて曲率Cyを補正している。なお、上記曲率Cy=(1/0.1mm)、4次係数a=1.2×103、6次係数a=5.5×107である場合の、レンズ高さzと距離hとの関係をグラフにして図30に示す。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
さらに、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図25に示す。同図の(A)および(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状および側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また図26の(A)および(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向およびy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、先に図21および図22に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
次に、本発明におけるさらに別の実施形態による画像露光装置について説明する。本実施形態の画像露光装置は、先に図2〜16を参照して説明した画像露光装置と比べると、図6に示したマイクロレンズアレイ55に代えて図31に示すマイクロレンズアレイ255が用いられている点のみが異なり、その他の点は基本的に同様に形成されたものである。以下、このマイクロレンズアレイ255について詳しく説明する。
先に図18および図19を参照して説明した通り、DMD50のマイクロミラー62の反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラー62の中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラー62の1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、上記の傾向もより顕著となっている。
本実施形態の画像露光装置は上述の問題に対処するために、図31に示すマイクロレンズアレイ255が適用されたものである。このマイクロレンズアレイ255は、アレイ状に配設されたマイクロレンズ255aが円形のレンズ開口を有するものとされている。そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラー62の反射面の周辺部、特に四隅部で反射したレーザ光Bはマイクロレンズ255aによって集光されなくなり、集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像を感光材料150に露光可能となる。
また本実施形態においては、同図に示される通り、マイクロレンズアレイ255のマイクロレンズ255aを保持している透明部材255b(これは通常、マイクロレンズ255aと一体的に形成される)の裏面、つまりマイクロレンズ255aが形成されている面と反対側の面に、互いに離れた複数のマイクロレンズ255aのレンズ開口の外側領域を埋める状態にして、遮光性のマスク255cが形成されている。このようなマスク255cが設けられていることにより、マイクロミラー62の反射面の周辺部、特に四隅部で反射したレーザ光Bはそこで吸収、遮断されるので、集光されたレーザ光Bの形状が歪んでしまうという問題がより確実に防止される。
本発明において、マイクロレンズの開口形状は上に説明した円形に限られるものではなく、例えば図32に示すように楕円形の開口を有するマイクロレンズ455aを複数並設してなるマイクロレンズアレイ455や、図33に示すように多角形(ここでは四角形)の開口を有するマイクロレンズ555aを複数並設してなるマイクロレンズアレイ555等を適用することもできる。なお上記マイクロレンズ455aおよび555aは、通常の軸対称球面レンズの一部を円形あるいは多角形に切り取った形のものであり、通常の軸対称球面レンズと同様の集光機能を有する。
さらに、本発明においては、図34の(A)、(B)および(C)に示すようなマイクロレンズアレイを適用することも可能である。同図(A)に示すマイクロレンズアレイ655は、透明部材655bのレーザ光Bが出射する側の面に、上記マイクロレンズ55a、455aおよび555aと同様の複数のマイクロレンズ655aが互いに密接するように並設され、レーザ光Bが入射する側の面に上記マスク255cと同様のマスク655cが形成されてなるものである。なお、図31のマスク255cはレンズ開口の外側部分に形成されているのに対し、このマスク655cはレンズ開口内に設けられている。また同図(B)に示すマイクロレンズアレイ755は、透明部材755bのレーザ光Bが出射する側の面に、互いに離して複数のマイクロレンズ755aが並設され、それらのマイクロレンズ755aどうしの間にマスク755cが形成されてなるものである。また同図(C)に示すマイクロレンズアレイ855は、透明部材855bのレーザ光Bが出射する側の面に、互いに接する状態にして複数のマイクロレンズ855aが並設され、各マイクロレンズ855aの周辺部にマスク855cが形成されてなるものである。
なお、上記マスク655c、755cおよび855cは全て、前述のマスク255cと同様に円形の開口を有するものであり、それによりマイクロレンズの開口が円形に規定されるようになっている。
以上説明したマイクロレンズ255a、455a、555a、655a、755aおよび855aのように、マスクを設ける等によって、DMD50のマイクロミラー62の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状とする構成は、既述のマイクロレンズ55a(図21参照)のようにマイクロミラー62の面の歪みによる収差を補正する非球面形状のレンズや、マイクロレンズ155a(図25参照)のように上記収差を補正する屈折率分布を有するレンズに併せて採用することも可能である。そのようにすれば、マイクロミラー62の反射面の歪みによる露光画像の歪みを防止する効果が相乗的に高められる。
特に、図34(C)に示すようにマイクロレンズ855aのレンズ面にマスク855cが形成される構成において、マイクロレンズ855aが上述のような非球面形状や屈折率分布を有するものとされ、その上で、第1結像光学系(例えば図6に示したレンズ系52,54)の結像位置がマイクロレンズ855aのレンズ面に設定されている場合は、特に光利用効率が高くなり、より高強度の光で感光材料150を露光することができる。すなわちその場合は第1の結像光学系により、マイクロミラー62の反射面の歪みによる迷光が該光学系の結像位置で1点に集束するように光が屈折するが、この位置にマスク855cが形成されていれば、迷光以外の光が遮光されることがなくなり、光利用効率が向上する。
また上述した実施形態では、空間光変調素子に光を照射する光源としてレーザ光源を用いているが、本発明においてはそれに限らず、例えば水銀灯等のランプ光源を用いることも可能である。
また上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62による消光比の低下を防止しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる露光装置においても、その空間光変調素子の画素が複数併設してなる場合は、本発明を適用してその消光比の低下を防止可能である。
−現像工程−
用いる現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
また、現像工程の好ましい態様についてより詳細に説明すると、現像槽として、ローラーコンベアなどが設置され基板を水平に移動するものが好ましく用いられる。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、感光性樹脂は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。更に、水洗の前に超純水を超高圧洗浄ノズルにて3から10MPa程度の圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、後工程における各装置を汚したり、基板にシミが残ったりすることがあり好ましくなく、そのためエアーナイフ等によって水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
現像工程を経た後には、ポスト露光や熱処理等の工程を経ることによって樹脂層を硬化させ、パターンを得ることができる。
−ポスト露光工程−
現像と熱処理の間に、ポスト露光を実施すると、画像の断面形状のコントロール、画像の硬度のコントロール、画像の表面凹凸のコントロール、画像の膜減りのコントロールなどの観点で好ましい。ポスト露光に用いる光源としては、特開2005−3861号公報の段落番号0074に記載の超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。ポスト露光は、超高圧水銀灯やメタルハライド等の光源からの光を露光マスクなどを介さず直接基板に照射する事が、設備の簡素化と省電力の観点で好ましい。必要に応じて、両面から実施することもでき、その場合の露光量も、上面:100から2000mJ/平方センチメートル、下面:100から2000mJ/平方センチメートルの範囲で、上記コントロール目的に応じ適宜調整することができる。
−熱処理工程−
熱処理工程を経ることにより、前記感光性樹脂層に含まれるモノマーや架橋剤を反応させて、パターンの硬度を確保することができる。熱処理の温度は、150℃から250℃の範囲が好ましい。150℃未満では硬度が不十分となることがあり、250℃を超える場合には樹脂が着色し色純度が悪化する懸念がある。熱処理の時間は、10分から150分が好ましい。10分未満では、硬度が不足しがちであり、150分を超えると、樹脂が着色し色純度の悪化が懸念される。また熱処理の条件は、感光性樹脂層の組成によって適宜選択することが好ましい。
更に、全てのパターンを形成後、最終の熱処理を行って硬度を安定化させることが好ましい。その場合、高めの温度(例えば240℃)で実施すると硬度の点で好ましい。
<感光性樹脂組成物>
次いで、本発明のパターン形成方法に用いられる樹脂組成物について説明する。
該樹脂組成物としては、(1)樹脂と、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系と、(4)重合禁止剤と、を含む感光性の樹脂組成物が好ましい。さらに、カラーフィルタを形成する場合にはこれに(5)着色剤を含む感光性樹脂組成物が好ましい。
以下、これら(1)〜(5)の成分について順次述べる。
(1)樹脂
本発明における樹脂(以下、単に「バインダー」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するアルカリ可溶なポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、樹脂組成物の全固形分に対する含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
(2)モノマー又はオリゴマー
本発明におけるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系
樹脂組成物を硬化させる方法としては、本発明では光重合開始剤又は光重合開始系が用いられる。ここで用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射(露光ともいう)により、後述の多官能性モノマーの重合を開始する活性種を発生し得る化合物であり、公知の光重合開始剤若しくは光重合開始剤系の中から適宜選択することができる。
例えば、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、等を挙げることができる。
具体的には、特開2001−117230公報に記載の、トリハロメチル基が置換したトリハロメチルオキサゾール誘導体又はs−トリアジン誘導体、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物などのトリハロメチル基含有化合物;
9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、などのアクリジン系化合物;
6−(p−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;
その他、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。
上記のうち、トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物から選択される少なくとも一種が好ましく、特に、トリハロメチル基含有化合物及びアクリジン系化合物から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。トリハロメチル基含有化合物、アクリジン系化合物は、汎用性でかつ安価である点でも有用である。
特に好ましいのは、トリハロメチル基含有化合物としては、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールであり、アクリジン系化合物としては、9−フェニルアクリジンであり、更に、6−〔p−(N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル〕−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾールなどのトリハロメチル基含有化合物、及びミヒラーズケトン、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
前記光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤の樹脂組成物における総量としては、樹脂組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。前記総量が、0.1質量%未満であると、組成物の光硬化の効率が低く露光に長時間を要することがあり、20質量%を超えると、現像する際に、形成された画像パターンが欠落したり、パターン表面に荒れが生じやすくなることがある。
前記光重合開始剤は、水素供与体を併用して構成されてもよい。該水素供与体としては、感度をより良化することができる点で、以下で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。ここでの「水素供与体」とは、露光により前記光重合開始剤から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物をいう。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という)である。また、前記アミン系化合物は、ベンゼン環或いは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という)である。尚、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有していてもよい。
上記のメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン、等が挙げられる。これらのうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
上記のアミン系水素供与体の具体例としては、4、4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等が挙げられる。これらのうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記水素供与体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、形成された画像が現像時に永久支持体上から脱落し難く、かつ強度及び感度も向上させ得る点で、1 種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組合せて使用することが好ましい。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組合せの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。より好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、特に好ましい組合せは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
前記メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体とを組合せた場合の、メルカプタン系水素供与体(M)とアミン系水素供与体(A)との質量比(M:A)は、通常1:1〜1:4が好ましく、1:1〜1:3がより好ましい。前記水素供与体の樹脂組成物における総量としては、樹脂組成物の全固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
(4)重合禁止剤
本発明における感光性樹脂層のγの値は、用いる重合禁止剤の種類やその量によって制御することができる。尚、重合禁止剤とは、前記露光により前記光重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす物質である。
前記重合禁止剤としては、孤立電子対を有する化合物(例えば、酸素、窒素、硫黄、金属等を有する化合物)、パイ電子を有する化合物(例えば、芳香族化合物)などが挙げられ、γの値制御の観点から、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、フェノチアジン、イミノ基を有する化合物、ニトロ基を有する化合物、ニトロソ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物、金属原子を有する化合物(有機化合物との錯体を含む)などが好ましい。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物、フェノチアジンが特に好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物が好ましい。該フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物において、少なくとも2個のフェノール性水酸基は、同一の芳香環に置換されていてもよく、同一分子内における異なる芳香環に置換されているもよい。
前記フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物は、例えば、下記構造式(1)で表される化合物がより好ましい。
前記構造式(1)中、Zは置換基を、mは2以上の整数を、nは0以上の整数を表す。該m及びnは、m+n=6となるように選ばれる整数が好ましい。また、nが2以上の整数である場合、前記Zは互いに同一であっても異なっていてもよい。
尚、前記mが2未満となると、解像度が悪化することがある。
前記Zで表される置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル基、オクチルスルホニルアミノカルボニル基)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、トルエンスルホニルアミノカルボニル基)、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基、アセチルアミノスルホニル基、ピバロイルアミノスルホニル基)、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアリールチオ基、アルキルチオ基(例えば、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、ステアリルオキシカルボニルオキシ基、フェノキシエトキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、クロロフェノキシカルボニルオキシ基)、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、トルフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ドデシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、ピリジンスルホニル基、キノリンスルホニル基)、炭素数30以下のアリール基(例えばフェニル基、ジクロロフェニル基、トルイル基、メトキシフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、t−オクチルフェニル基、ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ホスホノ基(例えば、ホスホノ基、ジエチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基)、複素環式基(例えば、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イソキノリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、インドリル基、イソインドリル基、チオモルホリノ基)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、ジメチルウレイド基、フェニルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジプロピルスルファモイルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、シリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
前記構造式(1)で表される化合物としては、例えば、アルキルカテコール(例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−di−tert−ブチルカテコール等)、アルキルレゾルシノール(例えば、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等)、アルキルヒドロキノン(例えば、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチルヒドロキノン等)、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、例えば、前記フェノール性水酸基を少なくとも1個有する芳香環が互いに2価の連結基で連結された化合物も好ましい。
前記2価の連結基としては、例えば、1〜30個の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、SO、SO2等を有する基が挙げられる。前記硫黄原子、酸素原子、SO、及びSO2は、直接結合していてもよい。
前記炭素原子及び酸素原子は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(1)においてZで表される置換基が挙げられる。
また、前記芳香環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(1)においてZで表される置換基が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールM、感熱紙に顕色剤として用いられる公知のビスフェノール化合物、特開2003−305945号公報に記載のビスフェノール化合物、酸化防止剤として用いられるヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。また、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、サリチル酸メチル、ジエチルアミノフェノール等の置換基を有するモノフェノール化合物なども挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、本州化学社製のビスフェノール化合物が挙げられる。
前記イミノ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記イミノ基を有する化合物は、イミノ基で置換された環状構造を有することが好ましい。該環状構造としては、芳香環及び複素環の少なくともいずれかが縮合しているものが好ましく、芳香環が縮合しているものがより好ましい。また、前記環状構造では、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
前記イミノ基を有する化合物の具体例としては、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ヒドロキノリン、又は、これらの化合物を上述した前記構造式(1)においてZで表される置換基で置換した化合物が挙げられる。
前記イミノ基で置換された環状構造を有する化合物としては、ヒンダードアミンを一部に有するヒンダードアミン誘導体が好ましい。
前記ヒンダードアミンとしては、例えば、特開2003−246138号公報に記載のヒンダードアミンが挙げられる。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物の具体例としては、ニトロベンゼン、ニトロソ化合物とアルミニウムとのキレート化合物等が挙げられる。
前記芳香環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記芳香環が孤立電子対を有する置換基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する置換基)で置換されているものが好ましい。
前記芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のイミノ基を有する化合物、アニリン骨格を一部に有する化合物(例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット等)が挙げられる。
前記複素環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該複素環が、窒素、酸素、硫黄等の孤立電子対を有する原子を有するものが好ましい。
前記複素環を有する化合物の具体例としては、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
前記金属原子を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属原子としては、前記重合開始剤から発生したラジカルと親和性を有する金属原子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
前記重合禁止剤の中でも、高アスペクト比のパターンが得られる点から、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物が特に好ましい。具体的には、アルキルカテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン、ジヒドロキシナフタレン又はこれらの誘導体が好ましい。
前記重合禁止剤は、一般に市販の重合性化合物中に微量に含まれているが、本発明においては、解像度を向上させる観点から、市販の前記重合性化合物中に含まれる重合禁止剤とは別に上述の重合禁止剤を含ませるものである。よって、前記重合禁止剤は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた化合物が好ましい。
なお、前記重合禁止剤は、パターン形成材料の製造工程において、感光性組成物溶液に予め添加してもよい。
前記重合禁止剤の含有量としては、γの値を前記所望の範囲内に制御するという観点から、前記感光性樹脂層中のモノマー及びオリゴマー量に対して0.005〜0.5質量%が好ましく、0.01〜0.4質量%がより好ましく、0.02〜0.2質量%が特に好ましい。
なお、前記重合禁止剤の含有量は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた含有量を表す。
(5)着色剤
本発明における着色剤としては、R(レッド)の樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254が、G(グリーン)の樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36が、B(ブルー)の樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6が好適なものとして挙げられる。
また上記顔料の他には、下記に記載の公知の染料、顔料等を挙げることができる。尚、該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、例えば、特開2005−17716号公報の段落番号[0038]から[0040]に記載の色材、特開2005−361447号公報の段落番号[0068]から[0072]に記載の顔料、及び特開2005−17521号公報の段落番号[0080]から[0088]に記載の着色剤などが好適に挙げられる。
また、本発明において、併用するのが好ましい上記記載の顔料の組合せとしては、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・バイオレット23との組合せが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138又はC.I.ピグメント・イエロー180との組合せが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23又はC.I.ピグメント・ブルー60との組合せが挙げられる。
ただし、このように併用する場合には、顔料中のC.I.ピグメント・レッド.254、C.I.P.G.36、C.I.P.B.15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド.254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.P.G.36は、50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.P.B.15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
上記顔料はまず分散液とすることが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。さらに該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる着色剤(顔料)は、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。顔料数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなるとともに、分散状態を安定に保つことも難しくなり好ましくない。また、数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、コントラストが低下し、好ましくない。なお、本明細書でいう「粒径」とは、電子顕微鏡写真画像を同面積の円としたときの直径を言い、「数平均粒径」とは多数の粒子について該粒径を求め、この100個平均値を言う。
尚、粒径を小さくするには顔料分散物の分散時間を調整することで達成できる。分散には、上記記載の公知の分散機を用いることができ、分散時間としては、好ましくは10〜30時間であり、更に好ましくは18〜30時間、最も好ましくは24〜30時間である。分散時間が10時間未満であると、顔料粒径が大きく顔料による偏光の解消が生じコントラストが低下することがある。一方、分散時間が30時間を超えると、分散液の粘度が上昇し、塗布が困難になることがある。
(その他の添加剤)
−溶媒−
本発明に係る樹脂組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
−界面活性剤−
従来カラーフィルターを形成する場合には、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、樹脂層の形成(塗布)時の、膜厚変動の良化が求められていた。
本発明においては、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラ(膜厚変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
−熱重合防止剤−
本発明の樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
また、本発明における樹脂組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
<樹脂転写材料>
次いで、本発明のパターン形成方法に用いられる樹脂転写材料について説明する。
樹脂転写材料としては、特開平5−72724号公報に記載されている樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/樹脂層/保護フイルムを、この順に積層した構成が挙げられる。
尚、この樹脂転写材料における樹脂層は、前記樹脂組成物によって設けられる。
−仮支持体−
上記樹脂転写材料の仮支持体としては、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱い易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していても良い。
−熱可塑性樹脂層−
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
−中間層−
上記樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
−保護フイルム−
樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
−樹脂転写材料の作製方法−
本発明における樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後樹脂組成物の樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、樹脂転写材料において、樹脂組成物の樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フイルムは4〜40μmが、好ましい。
尚、上記樹脂転写材料の作製方法における塗布は、前記<パターン形成方法>における(樹脂層形成工程)の項で列挙したような公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、特にスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
<基板>
本発明のパターン形成方法で用いる基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、樹脂組成物、又は樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
<カラーフィルター及び液晶表示装置>
前記の方法によって基板上に形成されたパターンはカラーフィルター部材に用いられるパターンである。該パターンを有するカラーフィルターは、特に液晶表示素子(液晶表示装置)に好適に用いられ、該液晶表示素子としては特に限定するものではないが、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用でき、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等にも好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
本実施例では、転写法を中心に詳細に述べるが、本発明においてはスリットコーターなどを用いた塗布法により実施してもよい。
(実施例1)
−カラーフィルタ基板の作製−
〈感光性樹脂転写材料の作製〉
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させて中間層(酸素遮断膜)を積層した。この中間層上に更に、下記表1に記載の組成よりなる感光性樹脂層用塗布液(処方1)を塗布、乾燥させて感光性樹脂層を積層した。このようにして、PET仮支持体の上に、乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層と乾燥膜厚が1.6μmの中間層と乾燥膜厚が3.0μmの感光性樹脂層を設け、感光性樹脂層上には保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
ここで、前記表1に記載の感光性樹脂層用塗布液の調製について説明する。
感光性樹脂層用塗布液は、前記表1に記載の量の顔料1、をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、次いで、前記表1に記載の量のメチルエチルケトン、メタノール、バインダー1、DPHA液、開始剤1、重合禁止剤(用いた重合禁止剤は表2に記載)、界面活性剤1、着色染料1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌することによって得た。
前記表1に記載の組成物中の各組成の詳細は以下の通りである。なお、界面活性剤1については既述の通りである。
*顔料1の組成
・シリカゾルの30%メチルイソブチルケトン分散物
(商品名:MIBK−ST、日産化学工業(株)製)
*バインダー1の組成
・メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体
(=20/80[モル比]、分子量36,000)
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製)…76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…24部
また、開始剤1としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン(和光純薬(株)製)を用い、着色染料1としては、ビクトリアピュアブルーBOH−M(保土ヶ谷化学(株)製)を用いた。
〔熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1〕
・メタノール …11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 6.4部
・メチルエチルケトン …52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 5.83部
〔共重合比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃〕
・スチレン/アクリル酸共重合体 …13.6部
〔共重合比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃〕
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) … 9.1部
・界面活性剤1 … 0.54部
*界面活性剤1:
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)製)
〔組成〕
・C613CH2CH2OCOCH=CH2(40部)と
H(OCH(CH3)CH27OCOCH=CH2(55部)と
H(OCH2CH27OCOCH=CH2(5部)と
の共重合体(重量平均分子量3万)…30部
・メチルエチルケトン …70部
〔中間層用塗布液の処方P1〕
・ポリビニルアルコール … 2.1部
(PVA−205(鹸化率=88%)、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 0.95部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール …44部
・蒸留水 …53部
上記のようにして、仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と感光性樹脂層とが積層されて積層体に構成された感光性樹脂転写材料を作製した。
〈カラーフィルタ基板の作製〉
680×880mmサイズの無アルカリガラス基板を、シャワーにより25℃に調整したガラス洗浄剤液を20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄した後、シャワーによりシランカップリング液(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)を20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。洗浄後、このガラス基板を基板予備加熱装置で100℃で2分間加熱した。
次に、前記感光性樹脂転写材料の保護フィルムを剥離後、露出した感光性樹脂層が上記の100℃で2分間加熱したガラス基板の表面と接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。次いで、PET仮支持体を剥離してガラス基板上に転写した。
転写後、レーザーによるパターン露光を行った。具体的には、基材上の前記感光性樹脂層に対し、大気雰囲気下で、下記のパターン形成装置を用い、前記感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、波長405nm、80mJ/cm2の露光量で露光し、パターンを形成した。
−パターン形成装置−
前記光照射手段として図10〜14に示す合波レーザー光源と、前記光変調手段として図17に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列された前記光変調手段の内、768個×256列のみを駆動するように制御されたDMD50と、図35に示したマイクロレンズをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系480、482とを有するパターン形成装置を用いた。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されるアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されている。
こうしてパターン露光された感光性樹脂層に対し、下記方法によって現像処理を施した。
まず、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、ポリプロピレングリコール、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ステアリルエーテルを合計で0.1%含有、商品名:T−PD2(富士写真フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水を11質量部の割合で混合)に希釈した液)を30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。引き続き、この基板上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1(富士写真フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈して用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーで吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシにより形成された画像を擦って残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。
その後、該基板に対して両面から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の露光量でポスト露光後、220℃、15分間熱処理した。
(実施例2〜4及び比較例1〜2)
実施例1において、感光性樹脂層用塗布液の処方をそれぞれ処方2〜6に変更し、且つ用いる重合禁止剤、形成する感光性樹脂層の膜厚、レーザーによる露光量、及び用いたレーザーの消光比をそれぞれ表2に記載のものに変更した以外同様の方法を用いて、実施例2〜4及び比較例1〜2のパターンを形成した。
レーザーによる露光の際、アパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められるが、該消光比の調整は、マイクロレンズアレイ55の焦点位置に配置しておくことをベスト状態として、この焦点位置をずらすことにより、各アパーチャ59aと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光の入射を加減することによって行い、また、該消光比の測定は前述の方法にて行った。
−γの測定−
前記実施例及び比較例の各感光性樹脂層に対し、前述の方法により露光エネルギーEと現像後の膜厚の残存率Yとの関係を示すグラフ(図1に示すグラフ)を作成し、E50±ΔEの直線の傾き(Y50+Δ−Y50-Δ)/(logE50+Δ−logE50-Δ)の値を求めた。
(評価)
[パターン形状]
前記より得られたパターンの形状を、以下の方法によって評価した。
レーザー顕微鏡VK−9500(キーエンス製)にて形状観察を行うと共に、パターンの基板と接している面(底部)の一辺の長さおよび基板とは接していない反対面(上部)の長さを測定し、設定したパターン寸法との変化率を求めた。上部あるいは底部のいずれかの寸度変化の大きい方をその形状変化の値とした。
○:形状の変化がほとんどない(10%未満)
△:10%以上20%未満の形状変化(許容範囲)
×:20%以上の形状変化(許容範囲外)
結果を表2に示す。
・ピロガロール:関東化学(株)製
・フェノチアジン:東京化成工業(株)製
・カテコール:関東化学(株)製
・2,3−ヒドロキシナフタレン:和光純薬工業(株)製
・P−トリルヒドラジン塩酸塩:和光純薬工業(株)製
・3−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル:和光純薬工業(株)製
表2に記載のように、比較例1及び2で得られたパターンは一部が溶解してしまうなど、所望の形状を得ることができなかった。これに対し、実施例1〜4では良好な形状のパターンを得ることができた。
露光エネルギーEのlog値と感光性樹脂層の現像後の残存率Yとの関係を示すグラフ 本発明に用いる画像露光装置の外観を示す斜視図 図2の画像露光装置のスキャナの構成を示す斜視図 (A)は感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図 図2の画像露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図 上記露光ヘッドの断面図 デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図 (A)および(B)はDMDの動作を説明するための説明図 (A)および(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置および走査線を比較して示す平面図 (A)はファイバアレイ光源の構成を示す斜視図、(B)はファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図 マルチモード光ファイバの構成を示す図 合波レーザ光源の構成を示す平面図 レーザモジュールの構成を示す平面図 図13に示すレーザモジュールの構成を示す側面図 図13に示すレーザモジュールの構成を示す部分正面図 上記画像露光装置の電気的構成を示すブロック図 (A)および(B)は、DMDの使用領域の例を示す図 DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図 上記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフ 上記画像露光装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B) 上記マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B) 上記マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図 本発明の画像露光装置において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図 図23aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 図23aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 図23aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 従来の画像露光装置において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図 図24aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 図24aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 図24aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図 本発明の別の画像露光装置に用いられるマイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B) 図25のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図 マイクロレンズのさらに別の例を示す正面図(A)と側面図(B) マイクロレンズのさらに別の例を示す正面図(A)と側面図(B) 球面レンズ形状例を示すグラフ 本発明に用いられるマイクロレンズの別のレンズ面形状例を示すグラフ マイクロレンズアレイの別の例を示す斜視図 マイクロレンズアレイのさらに別の例を示す平面図 マイクロレンズアレイのさらに別の例を示す平面図 マイクロレンズアレイのさらに別の例を示す平面図 図35(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図35(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図35(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。
符号の説明
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
30、31 マルチモード光ファイバ
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
51 拡大結像光学系
53、54 第1結像光学系のレンズ
55、255、455、555、655、755、855 マイクロレンズアレイ
55a、55’、55”、155a、255a、455a、555a、655a、5a、855a マイクロレンズ
57、58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
66 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
68 レーザ出射部
72 ロッドインテグレータ
150 感光材料
152 ステージ
162 スキャナ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域

Claims (7)

  1. 基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層に対し、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査して露光し2次元画像の形成を行うパターン露光工程と、露光された前記感光性樹脂層を現像する現像工程と、を少なくとも経て、カラーフィルター部材のパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記感光性樹脂層のγが1〜15であり、
    前記パターン露光に用いられる露光装置の消光比が10%以下であることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記パターン露光が、光照射手段と、前記光照射手段からの光を受光し出射する描素部を複数有する光変調手段と、前記描素部における出射面のひずみによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイと、を備えるレーザー露光装置によって行われることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記感光性樹脂組成物が、樹脂と、モノマー又はオリゴマーと、光重合開始剤又は光重合開始剤系と、重合禁止剤と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記重合禁止剤が、フェノール性水酸基を有する化合物及びフェノチアジンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のパターン形成方法。
  5. 前記モノマー及びオリゴマーの含有量に対する前記重合禁止剤の含有量が0.005〜0.5質量%の範囲にあることを特徴とする請求項3又は4に記載のパターン形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項6に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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