JP2007041158A - カラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物、光硬化性樹脂転写フィルム、及びそれらを用いて製造するカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査露光するカラーフィルタ画像の形成に用いる光硬化性樹脂着色組成物であって、前記光重合開始剤が3級アミン構造を有する光重合開始剤であり、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であることを特徴とするカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物。
【選択図】 なし
Description
これに対し、レーザー等によるデジタル露光方式で作製しようとすると、レーザー光線等が高照度であることと高濃度な着色剤の影響のため、光硬化した膜の強度が低下するという問題があった。
レーザー記録型刷版の露光感度不足による露光時の膜強度(画像強度)を後露光により改良する方法が開示されている(例えば、特許文献4及び5参照。)。
また、プリント配線基板、カラーフィルタなどに使われるレーザー直接描画型の方法においては、熱硬化性樹脂での露光感度不足について改良方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
又、露光感度不足を補うため光重合開始剤としてチタノセン系化合物、および増感剤としてクマリン系化合物を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかし、いずれにおいても、感度不足により生じる膜強度不足を改良する手段であり、本発明の課題である高照度条件下での膜強度を改良するものではなかった。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<2> 更に、露光波長において光吸収性を有する増感剤を含有することを特徴とする上記<1>に記載のカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物。
<3> 上記<1>又は<2>に記載の光硬化性樹脂着色組成物をフイルム上に塗布、乾燥して形成された光硬化性樹脂転写層を有することを特徴とするカラーフィルター作成用の光硬化性樹脂転写フィルム。
<4> (a)3級アミン構造を有する光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であるカラーフィルタ作成用光硬化性樹脂着色組成物を用いて、基板上に光硬化性樹脂層を形成し、該光硬化性樹脂層を画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで画像の形成を行う露光をし、次に現像処理を行うことによりカラーフィルタパターン形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<5> 基板上に光硬化性樹脂層を形成する方法が、上記<3>に記載の光硬化性樹脂層転写フィルムを用いることを特徴とする上記<4>に記載のカラーフィルタの製造方法。
本発明によれば、デジタル露光のような高照度条件下でも、光硬化した膜の強度が低下することなく、微細パターンの安定製造が可能なカラーフィルタ作製用の光硬化性樹脂転写シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、デジタル露光のような高照度条件下でも、光硬化した膜の強度が低下することなく、微細パターンの安定製造が可能なカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
また、本発明のカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂転写フィルムは、前記光硬化性樹脂着色組成物をフイルム上に塗布、乾燥して形成された光硬化性樹脂転写層を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、(a)3級アミン構造を有する光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であるカラーフィルタ作成用光硬化性樹脂着色組成物を用いて、基板上に光硬化性樹脂層を形成し、該光硬化性樹脂層を画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで画像の形成を行う露光をし、次に現像処理を行うことによりカラーフィルタパターン形成することを特徴とする。
本発明の光硬化性樹脂着色組成物(「本発明の組成物」ともいう。)は、光重合開始剤及び光重合性化合物を少なくとも含有する着色組成物である。
また、この光硬化性樹脂着色組成物は、カラーフィルタ形成用として用いる為、露光波長(一般には紫外域)に対する光学濃度の値は1.3〜3.0の値を持ち、その為に光重合が進みづらくなるが、本発明では、前記1.3〜3.0の光学濃度であっても、十分に光重合反応が進み、膜強度が得られる。前記露光波長に対する光学濃度の値は、中でも、遮光性能及びコストの観点から、1.3〜2.5は好ましく、1.3〜2.0がより好ましい。
以下、該光硬化性樹脂着色組成物中の成分について説明する。
本発明に用いる(c)着色剤としては、公知の着色剤(染料、顔料)を使用することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
本発明における光重合開始剤は、(a)3級アミン構造を有する。以下、「光重合開始剤」という。
これらの光重合開始剤は光励起により分解し、ラジカルを発生することにより重合を開始する。
一方、前記特許文献7には光重合開始剤としてメタロセン系の光重合開始剤、増感剤として3級アミン構造を有するクマリン化合物を使用した例が記載されている。しかしながら、このクマリン化合物を光重合開始剤として単独で用いても実用上の画像形成能力(実用上の画像形成能力とは、例えば100mJ/cm2の露光を行い現像した場合、50%以上残膜することをいう。)はない。
本発明の組成物に用いる光重合性化合物(以下、「多官能性モノマー」ともいう。)は、エチレン性反応基を少なくとも1つ以上有する。
該多官能性モノマーとしては、下記化合物を単独で又は他のモノマーとの組合わせて使用することができる。具体的には、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、スチレン、ジアリルフマレート、トリメリット酸トリアリル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
本発明の組成物は、前述のごとく、より高い露光感度を得る点で、露光波長において光吸収性を有する増感剤を含有することが好ましい。
該露光波長としては、後述のDI露光による露光波長であることが好ましい。後述のDI露光の露光波長は350〜450nmの範囲であることが好ましく、355〜420nmの範囲であることが更に好ましい。
本発明の組成物に用いる増感剤としては、特開2005−70767号公報の段落[0139]に記載の増感剤や、アクリドン類(N−ブチルクロロアクリドン)が挙げられ、中でも、N−ブチルクロロアクリドンが好ましい。
前記増感剤は、単独で用いてもよく、複数を併用してもよく、本発明の組成物の全固形分中(質量%)に対する含有量は、0.1〜10質量%が一般的であり、0.5〜3.0質量%が好ましい。
本発明の組成物に用いるバインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマー(アルカリ可溶性高分子化合物)が好ましい。
その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他に水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの中でも、ハインダーの酸価が50〜200の範囲が好ましく、60〜150の範囲がさらに好ましく、70〜100の範囲が特に好ましい。酸価は、共重合比率を調整することにより行うことができる。
これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。本発明の組成物の全固形分中のバインダー含有量は、20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
本発明の組成物においては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
本発明における光硬化性樹脂層又は後述の転写フィルムにおける光硬化性樹脂転写層においては、後述するスリット状ノズル等を用いることにより、本発明の組成物を基板又は仮支持体に塗布することにより得ることができるが、該組成物中に適切な界面活性剤を含有させることにより、均一な膜厚に制御でき、塗布ムラを効果的に防止することができる。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
尚、本発明の組成物の全固形分に対する界面活性剤の含有量は、0.001〜1%が一般的であり、0.01〜0.5%が好ましく、0.03〜0.3%が特に好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物の他、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
尚、本発明の組成物の全固形分中(質量%)における紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15%が一般的であり、1〜12%が好ましく、1.2〜10%が特に好ましい。
−熱重合防止剤−
また、本発明の組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。
尚、本発明の組成物の全固形分中(質量%)における熱重合防止剤の含有量は、0.01〜1%が一般的であり、0.02〜0.7%が好ましく、0.05〜0.5%が特に好ましい。
また、本発明の組成物においては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
本発明のカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂転写フィルム(以下、「転写フィルム」ともいう。)は、フィルム(の仮支持体)上に、光硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥して形成された光硬化性樹脂転写層を有することを特徴とする。
本発明の転写フィルムは、前記光硬化性樹脂転写層(以下、「転写層」ともいう。)を有し、必要に応じて更に、酸素遮断層とを、この順に有してなる。
酸素遮断層を有する材料を用いた場合、光硬化性樹脂着色組成物(本発明の組成物)からなる層は酸素遮断層に保護されるため自動的に貧酸素雰囲気下となる。そのため露光工程を不活性ガス下や減圧下で行う必要がないため、現状の工程をそのまま利用できる利点がある。
本発明の転写フィルムは、フイルムを仮支持体として用いることが好ましい。仮支持体は、化学的及び熱的に安定であって、可撓性の物質で構成されるフィルムから適宜選択することができる。具体的には、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等、薄いシート若しくはこれらの積層体が好ましい。前記仮支持体の厚みとしては、5〜300μmが適当であり、好ましくは20〜150μmである。中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
本発明の転写フィルムにおける光硬化性樹脂転写層(転写層)は、前記本発明の組成物から形成され、その形状等の特性、形成方法等については、前記塗布法により形成された層(光硬化性樹脂層)と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の光硬化性樹脂転写フィルムにおいては、露光時の酸素を遮断する目的から、仮支持体上に形成された転写層上に酸素遮断層を設けることが好ましい。該酸素遮断層は後述のBMの項に記載した酸素遮断層と、物性、特性等において全て同様であり好ましい態様も同様である。
上記の光硬化性樹脂転写フィルムは、必要に応じて熱可塑性樹脂層を有していてもよい。かかる熱可塑性樹脂層とは、アルカリ可溶性であることが好ましく、少なくとも樹脂成分を含んで構成され、該樹脂成分としては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂層が設けられることにより、後述するBM又は着色画素の形成において、永久支持体との良好な密着性を発揮することができる。
軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂層には、上記の熱可塑性樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、更に「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による、軟化点が約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質についても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種可塑剤を添加することで、実質的な軟化点を80℃以下に下げて用いることもできる。また、これらの有機高分子物質には、仮支持体との接着力を調節する目的で、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で、各種ポリマーや過冷却物質、密着改良剤或いは界面活性剤、離型剤、等を加えることもできる。
好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェートビフェニルジフェニルフォスフェートを挙げることができる。
転写層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、転写層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。尚、保護フイルムの厚さは、4〜40μmが一般的であり、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが特に好ましい。
本発明の光硬化性樹脂転写フィルムは、例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる酸素遮断層(中間層)材料の溶液を塗布、乾燥し、その後、光硬化性樹脂転写層用塗布液(本発明の組成物層用塗布液)を、酸素遮断層(中間層)を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。熱可塑性樹脂層を設けない場合には酸素遮断層の溶剤は上記の制約は不要となる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び酸素遮断層を設けたフィルム、及び保護フイルム上に光硬化性樹脂転写層を設けたフィルムを用意し、酸素遮断層と光硬化性樹脂転写層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたフィルム、及び保護フイルム上に光硬化性樹脂転写層及び酸素遮断層を設けたフィルムを用意し、熱可塑性樹脂層と酸素遮断層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、上記作製方法における塗布は、公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
前記基板(永久支持体)としては、金属性支持体、金属張り合わせ支持体、ガラス、セラミック、合成樹脂フィルム等を使用することができる。特に好ましくは、透明性で寸度安定性の良好なガラスや透明合成樹脂フィルムが挙げられる。
BMは、黒色着色剤を含むBM用組成物を用いた塗布法、又は、該組成物を用いて形成されたBM用転写フィルムを用いて形成することができ、その製造法は特に限定されるものではない。
前記黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、金属、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
本発明におけるBM用組成物としては、光硬化性であることが好ましく、前記光硬化性樹脂着色組成物の着色剤を前記黒色着色剤にした組成物であることが好ましい。
ここで、前記貧酸素雰囲気下とは、BM用組成物を用いて形成されるとき、BM組成物層又はBM組成物転写層を光硬化させる際の酸素の分圧が0.15気圧以下、又は、酸素を遮断しうる酸素遮断層下のことを指しており、これらは詳しくは以下の通りである。
通常、大気(1気圧)下では酸素の分圧は0.21気圧であるので、酸素の分圧を0.15気圧以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.71気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して40vol%以上混合することにより達成できる。
本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず前記いずれの方法も用いることが出来る。
前記酸素分圧は0.15気圧以下とする方法を用いる場合、0.10気圧以下が好ましく、0.08気圧以下がより好ましく、0.05気圧以下が特に好ましい。酸素分圧が0.15気圧より高いと、BMの表面が十分に硬化せず、BMの高さが目標より低くなる場合がある。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。酸素分圧は酸素計を用いて測定することができる。
例えば、下記(1)の塗布法、及び下記(2)の転写法が挙げられる。
即ち、(1)BMは、前記BM用組成物を、基板に塗布乾燥した後、貧酸素雰囲気下で露光し現像して形成する。
(2)仮支持体上に形成されたBM用組成物転写層を有するBM用転写フィルムを、前記基板上に転写した後、貧酸素雰囲気下で露光し現像して形成する。
前記BMは、2以上の画素群を離画するものであり、一般には黒であることが多いが、黒に限定されるものではない。
本発明で言う酸素遮断層とは、500cm3/(m2・day・atm)以下の酸素透過率を有する層であるが、酸素透過率は100cm3/(m2・day・atm)以下であることが好ましく、50cm3/(m2・day・atm)以下であることがより好ましい。
酸素透過率が500cm3/(m2・day・atm)より多い場合は効率的に酸素を遮断することができないため、感度が低下するので好ましくない。
具体的にはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを主成分とする層が好ましいが、このうちポリビニルアルコールを主成分とするものが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては鹸化度が80%以上のものが好ましい。本発明における酸素遮断層中の前記ポリビニルアルコールの含有量としては、25質量%〜99質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。
また、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどのポリマーを添加してもよいが、このうちポリビニルピロリドンが好ましい。これらのポリマーの添加量は層全体の1〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%である。ポリビニルピロリドンの添加量が多すぎると酸素遮断性が不充分になる場合がある。
これらの値は、実際には基板上に形成されたBMを、基板ごと垂直にカットして断面を露出させ、顕微鏡等で直接観察することで測定する。
こうして得られたBM形状を固定化する工程を経ることで、例えば、インクジェット法により着色画素を形成するカラーフィルタに用いた場合、一旦その空隙に打滴されたインクは該BMを乗り越えにくくなる。その結果、隣接画素との混色などを防いで良好なカラーフィルタを得ることができる。
前記吸光度の範囲とすることにより、コントラストの高い表示装置が得られ好ましい。また表示装置の表示品位の点から、BMの色は黒であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(a)3級アミン構造を有する光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であるカラーフィルタ作成用光硬化性樹脂着色組成物を用いて、基板上に光硬化性樹脂層を形成し、該光硬化性樹脂層を画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで画像の形成を行う露光をし、次に現像処理を行うことによりカラーフィルタパターン形成することを特徴とする。
さらに、本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記光硬化性樹脂転写フィルムを用いて製造することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、基板上に前記パターン形成により形成された着色のドット状画素を少なくも有するが、前記画素間の境界をBM(ブラックマトリクス)で区分した構造であることが好ましい。
以下、BM及び画素の形成について説明する。
−BM用組成物を用いるBMの形成−
基板上にBM用組成物を用いて塗布してBMを形成する方法の一例を以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記BM用組成物を塗布する。引き続き、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークしてBM組成物層を得る。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる、
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記BM用組成物層の膜厚は、前述の光硬化性樹脂層と同様である。
該露光としては、例えば、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(例えば、日立電子エンジニアリング株式会社製)等で行い、露光量としては適宜選択することができる(例えば、300mJ/cm2)。また、このときの酸素分圧は酸素計(G−102型、飯島電子工業製等)を用いて測定することができる。
前記露光(光照射)に用いる光源としては、中圧〜超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
さらに、前記アナログ露光(「面露光」)方法の他に、後述のデジタル露光(「DI露光」又は、「マクスレス露光」ともいう。)方法を用いてもよい。
前記現像の前には、純水をシャワーノズル等にて噴霧して、該BM用組成物層の表面を均一に湿らせることが好ましい。前記現像処理に用いる現像液としては、アルカリ性物質の希薄水溶液が用いられるが、更に水と混和性の有機溶剤を少量添加したものでもよい。
露光時に前記貧酸素雰囲気下とすることが好ましい。このときの酸素分圧は酸素計(G−102型、飯島電子工業製等)を用いて測定することができる。
まず、前述のBM用転写フィルムの保護フィルムを剥離除去した後、露出したBM用組成物転写層の表面を永久支持体(基板)上に貼り合わせ、ラミネータ等を通して加熱、加圧して積層する(積層体)。ラミネータには、従来公知のラミネーター、真空ラミネーター等の中から適宜選択したものが使用でき、より生産性を高めるには、オートカットラミネーターも使用可能である。
現像処理に用いる現像液及び露光の詳細については、前記塗布法で用いた現像液及び露光が同様に用いられる。
−光硬化性樹脂着色組成物を用いる画素の形成−
本発明における画素は、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光硬化性樹脂層を形成し、露光、現像することにより形成することができる。
以下、画素の形成について詳細に説明する。
まず、基板を洗浄した後、該基板を熱処理して表面状態を安定化させる。該基板を温調後、前記本発明の組成物を塗布する。引き続き、溶媒の1部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)等にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、プリベークして光硬化性樹脂層を得る。
前記乾燥は、公知の乾燥装置(例えば、VCD(真空乾燥装置;東京応化工業社製)等)を用いて行うことができる、
プリベークとしては、特に限定されないが、例えば、120℃3分間することにより達成することができる。前記得られた光硬化性樹脂層の膜厚は、特に限定されないが、液晶を注入し表示素子を作成した時の表示性能の観点から0.3〜5.0nmが好ましく、0.6〜3.0nmがより好ましく、1.0〜2.0nmが特に好ましい。
光硬化性樹脂転写フィルムを用いた画素の形成は、前述のBM用転写フィルムを用いたBMの形成と同様の方法により画素を形成することが可能である。
前記露光については、下記のDI露光を用いる。
本発明のマスクレス露光は、マスクレスパターン露光とも呼ばれることがある。露光光を透過させない、または、弱めて透過させる材質で画像(露光パターン、パターンとも言う)を形成した「マスク」と呼ばれる物体を露光光の光路に配置し、感光層を、該画像に対応したパターン状に露光する従来の露光方式(マスク露光と言う)に対し、前記の「マスク」を使用せずに感光層をパターン状に露光する露光方式の事である。
本発明のマスクレス露光は、より詳しくは、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査する事で二次元画像の形成を行う露光ということができる。
本発明の露光では、光源として超高圧水銀灯や、レーザーが用いられる。
超高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである(点灯時の水銀の蒸気圧はおよそ5MPaになるものもある。W. Elenbaas : Light Sources 、Philips Technical Library 148−150)。である。輝線スペクトルのうち、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)が、中でも365nmが主として用いられる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、半導体レーザーでは、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましいが、340〜450nmがより好ましく、特に400〜410nmは好ましい。
また固体レーザーでは、YAG−SHG固体レーザー の 532nmが挙げられる。更に、半導体励起固体レーザーでは 532・355・266nmが挙げられ、従来のレジスト用光重合開始剤が感度を有すという点では355nmが好ましく選ばれる。
気体レーザーでは、KrFレーザーの249nm ArFレーザーの193nmが用いられる。
これらの光源の中で、表示装置の製造工程で、感光性材料を露光する場合を考えると、露光波長の中心波長が、400〜450nmとなる光源を選択することが、表示領域の透過率を高くする観点で好ましい。
そのひとつの代表的な方法は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス、例えば、1987年、米国テキサス・インスツルメンツの ラリー・ホーンベック博士他が開発した光半導体)のような、微小なミラーが二次元に並んだ空間変調素子を用いる方法である。
この場合、光源からの光は、適切な光学系によってDMD上に照射され、DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、感光層の全面を露光することができる。DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON−OFFする事で、画像パターンを形成することができる。このようなDMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行うことができる。
特開平5−150175号公報に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101号公報(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080号公報に記載のDMD有する露光する例、特表2002−523905号公報に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2001−255661号公報に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2003−50469号公報に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせ例、特開2003−156853号公報に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576号公報に記載の位置ずれ調整を行う露光方法の例等である。
(相対走査露光)
本発明の露光方法としては超高圧水銀灯を用いる方法とレーザーを用いる方法があるが、好ましいのは後者である。
本発明で用いられるレーザーとしてはアルゴンレーザー、He−Neレーザー、半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
レーザーの波長は、特に限定されないが、中でも、カラーフィルタの解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましいが、340〜450nmがより好ましく、特に405nmは好ましい。
レーザーのビーム径は、特に限定されないが、中でも、カラーフィルタの解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e2値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
レーザービームのエネルギー量としては、特に限定されないが、中でも、露光時間と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜80mJ/cm2がより好ましい。
本発明ではレーザー光を画像データに応じて空間光変調することが必要である。この目的のため空間光変調素子であるデジタル・マイクロ・デバイスを用いることが好ましい。
露光ユニットは、図1に示すように、ガラス基板150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザー光源を構成するGaN系半導体レーザーLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザービームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
前記の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はもちろんIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
本発明のカラーフィルタは、テレビ、パーソナルコンピュータ、液晶プロジェクター、ゲーム機、携帯電話などの携帯端末、デジタルカメラ、カーナビなどの用途に特に制限なく適用できる。
−光硬化性樹脂転写シートの作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表1に記載の組成よりなる光硬化性樹脂着色組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの光硬化性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の光硬化性樹脂層とが一体となった光硬化性樹脂転写シート(BM用転写シート)を作製し、サンプル名を光硬化性樹脂転写シートK1とした。
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物(新中村化学工業(株)製、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン) 9.1部
・界面活性剤1(大日本インキ化学工業製、商品名:メガファックF780F)
0.54部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) 32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン株式会社製、K−30) 14.9部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
光硬化性樹脂着色組成物K1は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ブチルクロロアクリドン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られた。
*K顔料分散物1の組成は、
・カーボンブラック(デグッサ社製、商品名Special Black 250) 13.1部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−[4−[2−オキソ−1−(
2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ]−イソフタルアミド 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/ 28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量4.4万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
・C6F13CH2CH2OCOCH=CH2:40部とH(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2:55部とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2:5部との共重合体、分子量3万 30部
・メチルエチルケトン 70部
*R顔料分散物1の組成は、
・C.I.ピグメント・レッド254 8部
・N,N‘−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−[4−[2−オキソ−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ]−イソフタルアミド 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比ランダム共重合物、分子量3.7万) 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2部
・C.I.ピグメント・レッド177 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37
モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*G顔料分散物1の組成は、
・C.I.ピグメント・グリーン36 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 12部
・シクロヘキサノン 35部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35部
*B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)
*B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=36/22/42
モル比のランダム共重合物、分子量3万 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
である。
無アルカリガラス基板調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記光硬化性樹脂転写シートK1の保護フイルムを剥離後、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
<露光装置>
光変調素子(マイクロミラー)が2次元状にならんだ空間光変調デバイス(SLM)を照明する照明光学系(光源(半導体レーザー))、SLMの像を形成する結像光学系、結像光学系と感光材料とを相対的に走査する搬送する搬送系を備えた露光装置。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、BMを得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
このBMを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
前記光硬化性樹脂転写シートR1を用い、BMを形成した基板上に、前記光硬化性樹脂転写シートK1と同様の工程で、レッド(R)の画素を得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は35℃35秒とした。
該感光性樹脂層R1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・レッド254及びC.I.ピグメント・レッド177の塗布量はそれぞれ、0.88g/m2、0.22g/m2であった。
このRの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
前記光硬化性樹脂転写シートG1を用い、前記BMとレッド(R)画素を形成した基板上に、前記光硬化性樹脂転写シートK1と同様の工程で、グリーン(G)の画素を得た。但し露光量は40mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は34℃45秒とした。
該感光性樹脂層G1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・グリーン36及びC.I.ピグメント・イエロー150の塗布量はそれぞれ、1.12g/m2、0.48g/m2であった。
BMとRとGの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃2分加熱した。
前記光硬化性樹脂転写シートB1を用い、前記BMとレッド(R)画素とグリーン(G)画素を形成した基板上に、前記感光性樹脂転写材料R1と同様の工程で、ブルー(B)の画素を得た。但し露光量は30mJ/cm2、炭酸Na系現像液による現像は36℃40秒とした。
該感光性樹脂層B1膜厚は2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・ブルー15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット23の塗布量はそれぞれ、0.63g/m2、0.07g/m2であった。
このBMとR、G、Bの画素を形成した基板を240℃で50分ベークして、目的のカラーフィルターを得た。
−膜強度−
膜強度は得られたカラーフィルタをJIS K5400(1990年)に記載の方法の鉛筆硬度を測定して、評価した。結果を表3に示す。
実施例1において、実施例2〜10、比較例1、2は、表2のように開始剤と増感剤の種類、及び露光波長を変更した。さらに、比較例2はB顔料分散液1を1.3部、B顔料分散液を3.0部に変更した。
露光波長が365nmの場合は、実施例1における露光装置の照明光学系の光源(半導体レーザー)を、超高圧水銀ランプに変更した以外は、実施例1と同様に露光を行った。露光波長355nmの場合は、オルボテック社製DP−100Mの露光装置を用いて露光を行った。
実施例1において、開始剤と増感剤の種類を下記の化合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを作製した。
54…レンズ系
66…ファイバアレイ光源
166…露光ヘッド(本発明に係る露光ユニット)
Claims (5)
- (a)光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査露光するカラーフィルタ画像の形成に用いる光硬化性樹脂着色組成物であって、前記光重合開始剤が3級アミン構造を有する光重合開始剤であり、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であることを特徴とするカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物。
- 更に、露光波長において光吸収性を有する増感剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂着色組成物。
- 請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂着色組成物をフイルム上に塗布、乾燥して形成された光硬化性樹脂転写層を有することを特徴とするカラーフィルタ作成用の光硬化性樹脂転写フィルム。
- (a)3級アミン構造を有する光重合開始剤と、(b)エチレン性反応性基を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(c)着色剤を少なくとも含有し、露光波長における光学濃度が1.3以上3.0以下であるカラーフィルタ作成用光硬化性樹脂着色組成物を用いて、基板上に光硬化性樹脂層を形成し、該光硬化性樹脂層を画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで画像の形成を行う露光をし、次に現像処理を行うことによりカラーフィルタパターン形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 基板上に光硬化性樹脂層を形成する方法が、請求項3に記載の光硬化性樹脂層転写フィルムを用いることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタの製造方法。
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