JP4916141B2 - カラーフィルタ形成材料及びカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Description
液晶ディスプレイのカラー画像の形成は、カラーフィルタを通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各画素の色に着色されて、それらの色の光が合成されてカラー画像を形成する。そして、現在はR、G、及びBの三色の画素でカラー画像を形成している。
このコストダウンの方向としては、単に材料のコストダウンにとどまらず、工程の簡素化が進行中であり、特に、露光のためのフォトマスクをなくすことが検討されている。
一方、表示特性向上の方向としては、1インチあたりの画素数を増やしていく高精細化などが検討されている。
特に、R、G、及びBの三色の各画素間を規定するように形成されるブラックマトリクスは、みかけの画素幅を規定しているため、該ブラックマトリクスの線幅のばらつきは、その周期性によって、モアレや、周期ムラなどの表示ムラとなりやすい。このため、ブラックマトリクスを形成するブラック画像の微細パターンを高精細に形成可能な方法が求められている。
前記フォトリソグラフィー法を行う露光装置として、フォトマスクを用いることなく、半導体レーザ、ガスレーザ等のレーザ光を、画素パターン等のデジタルデータに基づいて、感光性組成物上に直接スキャンして、パターニングを行うレーザダイレクトイメージングシステム(以下、「LDI」と称することがある)による露光装置が研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、高感度化を図るため、感光性組成物中に高感度の光重合開始剤を添加することが試みられているが、感度は高くなるものの、レーザーパワーの変動による線幅変動が大きくなってしまうという課題がある。
<1> 少なくともバインダー、重合性化合物、下記構造式(1)で表される光重合開始剤、下記構造式(2)で表される増感剤、重合性禁止剤としてのフェノチアジン、及び着色剤を含む感光性組成物からなる感光層を有してなり、
前記感光層を露光し、現像処理後の前記感光層のドライ厚みが、前記感光性組成物を塗付し乾燥後の前記感光層の厚みの、90%〜100%の厚みになる、ステップウェッジのベタ段を3段有する露光量を前記感光層の感度とし、
前記感度が30mJ/cm 2 〜40mJ/cm 2 であり、
前記感光層における感度の100%での露光量(P100)乃至該感光層における感度の55%での露光量(P55)では、前記感光層の現像後厚みが該感光層の初期厚みの95%〜100%であり、かつ前記感光層における感度の45%での露光量(P45)では、該感光層の現像後厚みが該感光層の初期厚みの2.5%以下であり、
パターン情報に基づいて、光照射手段からの光を変調しながら、露光ヘッドと前記感光層の被露光面とを相対走査することにより、前記感光層の被露光面上に二次元パターンを形成する露光に用いられることを特徴とするカラーフィルタ形成材料である。
<2> 光重合開始剤及び増感剤が、ヘキサアリールビイミダゾール化合物及びアクリジン化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載にカラーフィルタ形成材料である。
<3> 重合禁止剤の感光層における含有量が、0.002質量%〜0.02質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料である。
<4> 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料である。
<5> 感光性組成物が、少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色されている前記<1>から<4>のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料における該感光層に対し、
光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光し、現像することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<8>光変調手段が、空間光変調素子である前記<6>から<7>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<8>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> 光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である前記<6>から<10>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<12> 光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する前記<11>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<13> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する前記<6>から<12>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<14> レーザ光の波長が330〜650nmである前記<13>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、
前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、
前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う前記<6>から<14>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<15>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、該<15>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部が指定され、描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部が制御される。前記露光ヘッドを、前記感光層に対し走査方向に相対的に移動させて露光が行われることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<16> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<15>に記載のカラーフィルタの製造方法である。該<16>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<17> 露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部を指定する前記<16>に記載のカラーフィルタの製造方法である。該<17>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、露光が複数の露光ヘッドにより行われ、使用描素部指定手段が、複数の前記露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の露光に関与する描素部のうち、前記ヘッド間つなぎ領域以外におけるN重露光を実現するために使用する前記描素部が指定されることにより、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上のヘッド間つなぎ領域以外に形成される前記パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが均される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われ、その後、前記感光層を現像することにより、高精細な画素パターンが形成される。
<18> 設定傾斜角度θが、N重露光数のN、描素部の列方向の個数s、前記描素部の列方向の間隔p、及び露光ヘッドを傾斜させた状態において該露光ヘッドの走査方向と直交する方向に沿った描素部の列方向のピッチδに対し、次式、spsinθideal≧Nδを満たすθidealに対し、θ≧θidealの関係を満たすように設定される前記<6>から<17>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<19> N重露光のNが、3以上7以下の自然数である前記<6>から<18>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。該<19>に記載のカラーフィルタの製造方法においては、N重露光のNが、3以上7以下の自然数であることにより、多重描画が行われる。この結果、埋め合わせの効果により、前記露光ヘッドの取付位置や取付角度のずれによる前記感光層の被露光面上に形成される前記画素パターンの解像度のばらつきや濃度のむらが、より精密に均一化される。
描素部により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点位置を、被露光面上において検出する光点位置検出手段と、
前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段と
を備える前記<6>から<19>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<21> 使用描素部指定手段が、N重露光を実現するために使用する使用描素部を、行単位で指定する前記<6>から<20>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<23> 実傾斜角度θ’が、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度の平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかである前記<22>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<24> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ’に基づき、ttanθ’=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における1行目から前記T行目の前記描素部を、使用描素部として選択する前記<22>から<23>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<25> 描素部選択手段が、実傾斜角度θ´に基づき、ttanθ´=N(ただし、NはN重露光数のNを表す)の関係を満たすtに近い自然数Tを導出し、m行(ただし、mは2以上の自然数を表す)配列された描素部における、(T+1)行目からm行目の前記描素部を、不使用描素部として特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する前記<22>から<23>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、使用描素部を選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、使用描素部を選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段、及び
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、使用描素部を選択する手段
のいずれかである前記<20>から<25>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<27> 描素部選択手段が、複数の露光ヘッドにより形成される被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、
(1)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積が最小となるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(2)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の描素単位数と、露光不足となる領域の描素単位数とが等しくなるように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
(3)理想的なN重露光に対し、露光過多となる領域の面積が最小となり、かつ、露光不足となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、及び、
(4)理想的なN重露光に対し、露光不足となる領域の面積が最小となり、かつ、露光過多となる領域が生じないように、前記ヘッド間つなぎ領域の露光に関与する描素部から、不使用描素部を特定し、該不使用描素部を除いた前記描素部を、使用描素部として選択する手段、
のいずれかである前記<20>から<25>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<29> 使用描素部指定手段が、光点位置検出手段としてスリット及び光検出器、並びに描素部選択手段として前記光検出器と接続された演算装置を有する前記<6>から<28>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<31> パターン情報が表す画素パターンの所定部分の寸法が、指定された使用描素部により実現できる対応部分の寸法と一致するように前記パターン情報を変換する変換手段を有する前記<6>から<30>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<32> 前記<6>から<31>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
<33> 前記<32>に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明のカラーフィルタ形成材料は、パターン情報に基づいて、光照射手段からの光を変調しながら、露光ヘッドと前記感光層の被露光面とを相対走査することにより、前記感光層の被露光面上に二次元パターンを形成する露光(マスクレス露光)に用いられ、
少なくともバインダー、重合性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、及び着色剤を含む感光性組成物からなる感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
上記のようなP100、P55、及びP45の条件を満たすシャープな感度曲線を有することにより、高感度でかつ露光パワーの変動による線幅変動の少ないカラーフィルタ形成材料が得られる。
ここで、前記P100、P55、及びP45は、露光量を0〜100%まで変えて露光した後の感光層の現像後厚みを測定して、感度曲線を描くことにより求めることができる。
本発明でいう初期厚みとは、乾燥塗布させた感材、即ち、未露光、未現像の感光層の乾燥後の塗布厚みを意味する。
本発明でいう感度とは、露光、現像処理後のドライ厚みが初期厚みの90%〜100%の厚みになる、ステップウェッジのベタ段を3段有する露光量をその感光層における感度(100%露光量の感度と定義する)を意味する。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層上に塗布する方法、シート状に形成されたその他の層を積層する方法などが挙げられる。
前記支持体を剥離することにより、支持体による光の散乱や屈折の等影響により、感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性フィルムが、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、特開2005−70767号公報の段落番号0151に記載の組合せや、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層(以下、「クッション層」と称することもある)は、アルカリ現像を可能とし、また、転写時にはみ出した該熱可塑性樹脂層により被転写体が汚染されるのを防止可能とする観点からアルカリ可溶性であることが好ましく、前記感光性転写材料を被転写体上に転写させる際、該被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有していることが好ましく、該感光性転写材料を前記被転写体上に加熱密着させた際に該被転写体上に存在する凹凸に応じて変形可能であるのがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層の乾燥厚みは、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
前記中間層は、前記感光層上に設けられ、前記感光性転写材料が熱可塑性樹脂層を有する場合には該感光層と該熱可塑性樹脂層との間に設けられる。該感光層と該熱可塑性樹脂層との形成においては有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
前記中間層の材料としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光層との十分な密着性が得られないことがあり、一方、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下することがあり、好ましくない。
前記厚みが、0.1μm未満であると、酸素透過性が高過ぎてしまうことがあり、5μmを超えると、現像時や中間層除去時に長時間を要してしまうことがある。
前記感光層(カラーレジスト層)としては、少なくともバインダー、重合性化合物、光重合開始剤、及び着色剤を含み、重合禁止剤、更に必要に応じて適宜選択されるその他の成分を含む感光性組成物を用いて得られる。
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性水溶液に対して膨潤性であるのが好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性であるのがより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調製の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記含有量が5質量%未満であると、アルカリ現像性が低下することがあり、80質量%を超えると、現像時間に対する安定性が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記酸価が、70mgKOH/g未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、パターンを高精細に得ることができないことがあり、250mgKOH/gを超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、パターンを高精細に得ることができないことがある。
前記エポキシアクリレート化合物の分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましい。該分子量が1,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、200,000を超えると、現像性が劣化することがある。
更に、特開昭50−59315号公報記載のヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートとポリカルボン酸無水物及びエピハロヒドリンのいずれかとの反応物などを用いることができる。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記重合性化合物と前記バインダーの比率は、質量比で、重合性化合物/バインダー=0.5〜1.5が好ましく、0.6〜1.2がより好ましく、0.65〜1.1が特に好ましい。この範囲を超えると、現像時に残渣が生じるなどの問題が生じることがあり、この範囲未満では、完成したカラーフィルタの耐性が低下することがある。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記アクリジン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9−置換アクリジン[9−アルキルアクリジン(例えば、9−メチルアクリジン、9−ブチルアクリジン)、9−アリールアクリジン(例えば、9−フェニルアクリジン)、アクリドン化合物(例えば、アクリドン、N−アルキルアクリドン)、チオアクリドン化合物(例えば、チオアクリドン、N−アルキルチオアクリドン)、10H−アクリジン−9−イリデンアミン誘導体[例えば、(10−アルキル−(10H−)アクリジン−9−イリデン)アルキルアミン誘導体、(10−アルキル−(10H−)アクリジン−9−イリデン)アリールアミン誘導体、(10−アルキル−(10H−)アクリジン−9−オン)オキシム誘導体]、などが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、前記重合性化合物との質量比で表すと、光重合開始剤/重合性化合物=0.01〜0.2が好ましく、0.02〜0.1がより好ましく、0.03〜0.08が特に好ましい。この範囲を超えると、現像残渣が生じたり、析出故障が生じるという問題があり、この範囲未満であると、十分な感度が得られないことがある。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光、可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料、染料などが挙げられる。
これら着色剤と別に又は併用して、着色剤として金属イオンを配位した樹状分岐分子、並びに金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子から選ばれるいずれかの樹状分岐分子を含有することも可能である。
ここで、前記(i)におけるC.I.ピグメントレッド254の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥の厚みで塗布した場合において、0.274〜0.335g/m2であることが好ましく、0.280〜0.329g/m2であることがより好ましく、0.290〜0.320g/m2であることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.ピグメントグリーン36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.355〜0.437g/m2であることが好ましく、0.364〜0.428g/m2であることがより好ましく、0.376〜0.412g/m2であることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.ピグメントイエロー139の含有量は、0.052〜0.078g/m2であることが好ましく、0.060〜0.070g/m2であることがより好ましく、0.062〜0.068g/m2であることが特に好ましい。なお、(ii)において、C.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー139比率は、5.4〜6.7であることが好ましく、5.6〜6.6がより好ましく、5.8〜6.4が特に好ましい。
前記(iii)におけるC.I.ピグメントブルー15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.28〜0.38g/m2あることが好ましく、0.29〜0.36g/m2であることがより好ましく、0.30〜0.34g/m2であることが特に好ましい。
前記(I)におけるC.I.ピグメントレッド177の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.10〜0.30g/m2であることが好ましく、0.20〜0.24g/m2であることがより好ましく、0.21〜0.23g/m2であることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.ピグメントグリーン36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.80〜1.45g/m2であることが好ましく、0.90〜1.34g/m2であることがより好ましく、0.95〜1.29g/m2であることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.ピグメントイエロー150の含有量は、0.30〜0.65g/m2であることが好ましく、0.38〜0.58g/m2であることがより好ましい。なお、(II)において、C.I.ピグメントグリーン36/C.I.ピグメントイエロー150比率は、0.40〜0.50であることが好ましい。
前記(III)におけるC.I.ピグメントブルー15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.50〜0.75g/m2であることが好ましく、0.59〜0.67g/m2であることがより好ましく、0.60〜0.66g/m2であることが特に好ましい。
前記(III)におけるC.I.ピグメントバイオレット23の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥厚みで塗布した場合において、0.03〜0.10g/m2あることが好ましく、0.06〜0.08g/m2であることがより好ましく、0.066〜0.074g/m2であることが特に好ましい。なお、(III)において、C.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ピグメントバイオレット23比率は、12〜50であることが好ましい。
前記顔料の前記含有量が、高い光学濃度を必要とする場合に30質量%未満であると、単位厚みあたりの光学濃度が不十分で所望の光学濃度を達成するために膜を厚くしなければならないことがあり、60質量%を超えると、露光部と未露光部の現像液に対する溶解性の差を出すことが困難になることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、クロラニール、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルイジン、メチレンブルー、有機銅、サリチル酸メチル、フェノチアジン(C12H9NS)などが挙げられる。これらの中でも、フェノチアジンが特に好ましい。
前記感光性組成物には、その他の成分として、例えば、熱架橋剤、可塑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、等の成分を含有してもよい。
前記メラミン樹脂化合物としては、例えば、アルキル化メチロールメラミン、ヘキサメチル化メチロールメラミンなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物、前記オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜15質量%である。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、イソプロパノール、tert.−ブタノール等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、フェノール、クレゾール、p−tert.−ブチルフェノール、p−sec.−ブチルフェノール、p−sec.−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類;3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等の複素環式ヒドロキシル化合物;ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の活性メチレン化合物;などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
更に、前記界面活性剤としては、次式、C8F17SO2N(R1)CH2CH2O(CH2CH2OnR2)で表されるフッ素系界面活性剤が好適に挙げられる。
ただし、式中、R1及びR2は、各々水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜30の整数を表す。
前記R1としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好適に挙げられ、前記R2としては、水素原子が好適に挙げられる。
前記nとしては、10〜25が好ましく、10〜20がより好ましい。
前記式で表される界面活性剤の具体例としては、メガファックF−141(n=5)、F−142(n=10)、F=143(n=15)、F−144(n=20)(いずれも商品名:大日本インキ化学工業株式会社製)などが挙げられる。
Rf1−X−(CH2CH2O)nR1・・・(1)
Rf1−X−(CH2CH2O)nR2・・・(2)
Rf1−X−(CH2CH2O)n(CH2CH2CH2O)mR1・・・(3)
Rf1−X−(CH2CH2O)n(CH2CH2CH2O)mRf2・・・(4)
前記アルキル基としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オタタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−プロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−プロモプロピル基などが挙げられる。また、これらのアルキル基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよいアリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18、好ましく2〜12、より好ましくは4〜10のパーフルオロ基を表す。
前記パーフルオロ基としては、飽和パーフルオロ基、不飽和パーフルオロ基が挙げられる。
前記パーフルオロ基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられ、前記Rf1及びRf2の少なくともいずれかが、分岐構造を有するものがより好適に挙げられる。
前記パーフルオロ基としては、例えば、パーフルオロノネニル、パーフルオロメチル、パーフルオロプロピレン、パーフルオロノニネル、パーフルオロ安息香酸、パーフルオロプロピレン、パーフルオロプロピル、パーフルオロ(9−メチルオクチル)、パーフルオロメチルオクチル、パーフルオロブチル、パーフルオロ3−メチルブチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロクチル、パーフルオロ7−オクチルエチル、フルオロヘプチル、パーフルオロデシル、パーフルオロブチルなどが挙げられる。また、これらのパーフルオロ基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよく、アリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記Rf1及びRf2は互い同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、nは、1〜40の整数、好ましくは4〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、mは、0〜40の整数、好ましくは0〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、−X−は、−(CH2)l−(lは1〜10、好ましくは、1〜5の整数を表す)、−CO−O−、−O−、−NHCO−、−NHCOO−のいずれかを表す。
前記式(5)において、R3,R4,R5は水素原子、又はメチル基を表し、a,b,c,p,qは任意の正数を表し、必要に応じて適宜選ばれるが、例として、a=50、b=c=25、p=q=10等が挙げられる。r,sは任意の正の整数を表し、必要に応じて適宜選ばれるが、例として、r=2、s=6等が挙げられる。CrH2r、CsF2s+1としては、r、sが3以上のとき、直鎖構造、分岐構造のいずれもが含まれる。前記式(5)で表される界面活性剤の具体例としては、メガファックF−780F(a=40、b=5、c=55、r=2、s=6、p=q=7;大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記式(1)〜(5)で表される界面活性剤は、1種単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメトル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
なお、感光性組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが好適に挙げられる。これらの溶剤は、単独又2種以上の組合せで用いることができる。
前記感光性組成物の調製時における前記溶剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性組成物の全固形分濃度が5〜80質量%となるように添加されることが好ましく、10〜60質量%となるように添加されることがより好ましく、15〜50質量%となるように添加されることが特に好ましい。
前記感光層の厚みが0.3μm未満であると、感光層用塗布液の塗布時にピンホールが発生しやすく、製造適性が低下することがあり、10μmを超えると、現像時に未露光部を除去するのに長時間を要することがある
本発明のカラーフィルタの製造方法は、感光層形成工程と、露光工程と、現像工程とを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択されたその他の工程を含んでなる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の説明を通じて、本発明のカラーフィルの詳細についても明らかにする。
前記露光工程としては、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する工程であり、該露光はマスクレス露光である。
なお、光照射は、基材転写前後のどちらでもよいが、転写した後の露光の方が、位置ずれ防止の観点から好ましい。
また、前記レーザ光の光エネルギー量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、露光時間の短縮と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とにより合波レーザ光を合成し、照射する方法が挙げられる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基板としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、及び制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。更に、Grating Light Valve(GLV)を複数並べて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や、透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光源として、レーザのほかにランプ等を使用することができる。
これらの空間光変調素子の中でもDMD、及びミラー階調型空間変調素子がより好適に挙げられ、DMDが特に好適に挙げられる。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
前記露光装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置の他、感光材料がドラムの外周面に巻きつけられるアウタードラムタイプの露光装置、及び感光材料がシリンダの内周面に装着されるインナードラムタイプの露光装置であってもよい。以下、一例として、フラットベットタイプの露光装置について説明する。
前記露光装置は、図1に示すように、前記感光層を前記基体上に積層してなる積層体12(以下、「感光層12」、又は「感光材料12」と表す)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
図2に示すように、各露光ヘッド30が、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている場合には、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。
ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
露光ヘッド30の概略構成の一例を、図4、図5A、及び図5Bに示す。図4、図5A、及び図5Bでは、前記露光ヘッド30中を伝播する光の光路に沿って、各構成要素を示している。
本例では、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備え、光照射手段として、ファイバアレイ光源38を備えている。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の露光面上に結像する結像レンズ系50が配置されている。なお図4では、結像レンズ系50を概略的に示してある。
前記結像レンズ系50は、例えば、DMD36と感光層12の露光面とが共役な関係となるように配置された2枚のレンズ52及び54で構成され、更に、マイクロレンズアレイ、及びアパーチャアレイ等の後述する他のレンズ群からなる。
前記光変調手段としてのDMD36は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された図8のコントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
DMDを傾斜させるかわりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらし、図10に示すように千鳥情に配置しても、同様の効果を得ることができる。
前記光照射手段の好適な例として、合波レーザを照射可能な手段、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する手段(ファイバアレイ光源)について説明する。
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ64の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ64がアレイ状に配列されたレーザ出射部での出力は約1W(=180mW×6)である。
ここで、図24A及び図24Bを参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図24Aに示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)38aの発光領域が大きいので、DMD36へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
前記光変調手段を備えるデジタル露光装置では、各描画単位で微細なパターンを高精度に形成するために、露光ヘッド内の各描画単位の光量が均一であることが重要である。ただし実際には、露光ヘッドから照射される光ビームは、レンズ系の要因で光軸の中心部に比べて周辺部の光強度が低下してしまうという問題がある。
そこで、前記光照射手段から前記光変調手段に照射される光の光量分布を補正し、被露光面上での露光光の光量分布を均一に補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図25に示す。
DMDの光反射側には投影光学系が設けられ、この投影光学系は、DMDの光反射側の露光面にある感光層上に光源像を投影するため、DMD側から感光層へ向って順に、レンズ系、マイクロレンズアレイ、対物レンズ系の各露光用の光学部材が配置されて構成されている。
前記レンズ系及び前記対物レンズ系は、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズ等)を組み合せた拡大光学系として構成されており、DMDにより反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMDにより反射されたレーザビームによる感光層上の露光エリアの面積を所定の大きさに拡大している。なお、感光層は、対物レンズ系の後方焦点位置に配置される。
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る露光装置の露光ヘッドにおいて、集光レンズ系に、非球面レンズを有するテレセントリック光学系を設けることで、第1の実施形態と同様に露光面での光ビームの光量分布を均一化する技術である。
前記結像レンズ系を構成する投影レンズの像面湾曲、非点隔差、歪曲等は、テレセントリック性を低下させ、露光光の焦点位置精度を悪化させるという問題がある。この影響を排除するために多重露光を行うと、露光スピードの低下、画質の低下等が生じるという問題がある。
そこで、結像レンズ系において、被露光面上での露光光の焦点位置精度を補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図29、図35A及び図35Bに示す。
前記空間光変調素子の各描素部の面の歪みは、集光位置における光ビームに歪みをもたらすという問題があり、特に、前記DMDを空間光変調素子として用いた場合には顕著であり、高精細な露光パターンが形成されないという問題がある。
そこで、前記DMDからの光を収束するマイクロレンズアレイにおいて該DMDの出射面の歪みを補正することにより、前記感光層の被露光面上に結像される像の歪みを補正する方法を以下に説明する。
先に説明した通り、DMDのマイクロミラーの反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラーの中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラーの1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、上記の傾向もより顕著となっている。この問題に対処するために、アレイ状に配設されたマイクロレンズが、円形のレンズ開口を有することが好ましい。
そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラーの反射面の周辺部、特に、四隅部で反射したレーザ光はマイクロレンズによって集光されなくなり、集光されたレーザ光の集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。したがって、歪みの無い、より高精細な画像を感光層に露光可能となる。
上述のとおり、前記露光ヘッドを構成する各種レンズ系に起因する露光光の歪みの影響は、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。更に、前記露光ヘッドの取付け位置や取付け角度のズレに起因する解像度のばらつきや濃度ムラも、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
本実施形態(1)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ(式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、上記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ(式2)
であり、上記式1は、
stanθideal=N(式3)
となる。本実施形態(1)では、上記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、例えば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30即ち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
なお、図25では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図25の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
実傾斜角度θ’は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図26及び70を用いて、前記実傾斜角度θ’の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
図26は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、上記の実傾斜角度θ’として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1、512)及びP(256、512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ’として特定する。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256、512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0、Y0)とする。この座標(X0、Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
このようにして特定された実傾斜角度θ’を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ’=N・・・(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
この例では、上記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記使用描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図28に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ’とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ’とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
更に、前記最小値を実傾斜角度θ’とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。更に、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(例えば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ’として特定してもよい。
本実施形態(2)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、上記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、露光装置10は、各露光ヘッド30即ち各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
なお、図29では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図30は、図29と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、即ち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256、1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0、Y0)とする。この座標(X0、Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す上記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
図29の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256、1)の位置を、上記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256、1024)、P(256、1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256、1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256、n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図29において、露光エリア3221の光点P(256、1020)が、露光エリア3212の光点P(256、1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256、1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図32において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、上記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1、1020)から順番にP(1、1020)、P(2、1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256、2)よりも大きいX座標を示す光点P(m、1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256、2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m、1020)及びP(m−1、1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m、1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256、2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1、1020)からP(m−1、1020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1、1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256、2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1、1020)からP(m−2、1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
更に、露光エリア3212の光点P(256、N−1)即ち光点P(256、1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
また、露光エリア3221の光点P(1、1020)からP(m−1、1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
更に、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
本実施形態(3)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて上記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、上記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、例えば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30即ち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
更に、図33の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が上記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ’を特定し、該実傾斜角度θ’に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
実傾斜角度θ’の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1、1)とP(256、1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1、1024)とP(256、1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
そのようにして特定された実傾斜角度θ’を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ’=N(式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
一例としては、図35Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図35Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
更に別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と露光面間の光学要素(例えば1枚レンズである図5A及び図5Bのレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
上記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図36Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図36Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図37に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図37に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図38Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図38Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図39に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図39に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
解像度を高めるために、前記露光ヘッドを傾斜させて露光を行うと、形成する露光パターンによっては、無視できないジャギーが発生してしまうという問題がある。例えば、走査方向又はそれと直交する方向に延在する直線状のパターンを形成する場合、前記光変調手段によって形成される各描素部の位置と、パターンの所望の描画位置との間のずれがジャギーとして視認されてしまうことがある。
この問題に対し、単位面積当たりの描画画素数を増加させる等の手段を講じることなく、最適な描画条件を設定することにより、ジャギーの発生を抑制する方法を説明する。
前記現像工程としては、前記露光工程により前記感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のカラーフィルタ製造方法における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
各画素の寸法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜200μmとすることが好適に挙げられる。ストライプ状であれば40〜200μm巾が通常用いられる。
前記カラーフィルタの製造方法としては、例えば、透明基板上に黒色に着色された感光層を用いて、露光及び現像を行いブラックマトリックスを形成し、次いで、少なくとも3原色から構成されるRGBのいずれかに着色された感光層を用いて、前記ブラックマトリックスに対して所定の配置で、各色毎に、順次、露光及び現像を繰り返して、前記透明基板上に少なくとも3原色から構成されるRGBの画素がモザイク状又はストライプ状に配置されたカラーフィルタを形成する方法が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、本発明の前記カラーフィルタを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の対向基板(TFTなどの能動素子が無い側の基板)に形成するものを対象としている他、TFT基板側に形成するCOA方式、TFT基板側に黒だけを形成するBOA方式、又はTFT基板にハイアパーチャー構造を有するHA方式も対象とすることができる。
(1)反射膜が、接着層と銀系薄膜からなる多層構成であり、かつ、接着層を介して基板上に、全体が電気的に接続したパターンとなるように配設され、更に、カラーフィルタの画素と対向する部位の一部に、光の透過のための開孔を有する装置(特開平11−52366号公報参照)。
(2)1画素内の光透過領域には、その全領域に画素内の着色画素が同色・同一厚みの着色層を形成し、光反射領域には、該着色層と該着色層の欠落部を形成した装置(特開2002−169148号公報参照)。
(3)1画素内の光透過領域には、均一な凹部を形成し、光反射領域には、パターン状凹部を形成したガラス基板上に、着色層形成材料を用い、かつ、該光透過領域には、均一な厚い着色層を設け、前記光反射領域には、厚い着色層部と薄い着色層部のパターン状着色層を設けた装置(特開2002−258028号公報参照)。
(4)加法混色の3原色(R、G、及びB)によってカラー表示を行うカラーフィルタにおいて、R、G、及びBの各1画素が、各々の補色であるシアン、マゼンタ、イエローの内の2色、具体的には、赤色画素はマゼンタとイエロー、緑色画素はシアンとイエロー、青色画素はシアンとマゼンタの組み合わせで構成され、光透過領域には、該2色の画素が積層して形成されており、2色の減法による混色でR、G、及びBの透過カラー表示を行い、光反射領域には、前記2色の画素が各々単層で形成されており、2色の加法による混色でR、G、Bの反射カラー表示を行う装置(特開2002−258029号公報参照)。
(5)各画素内に光の透過領域と反射領域とを有し、該反射領域が光回折及び光散乱機能を有する装置(特開2002−268055号公報参照)。
(6)着色画素が同一の感光性着色樹脂組成物を用いて形成された着色層であって、1画素内の、光透過領域には、透過型用の厚みを有する着色層(着色層1)を形成し、光反射領域には、該着色層(着色層1)より薄い厚みを有する反射型用の着色層(着色層2)を形成した装置(特開2002−365422号公報参照)。
その他、反射領域と、透過領域に、別々の材料により同じ色の着色画素を形成することも可能である。
厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。また、下記着色感光性樹脂組成物R1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥厚みが14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥厚みが2μmの感光層を設け、保護フイルム(厚み12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上により、仮支持体と熱可塑性樹脂層とレッド(R)の感光層とが一体となった感光性樹脂転写材料R1を作製した。
メタノール11.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル6.36質量部、メチルエチルケトン52.4質量部、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)5.83質量部、スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃)13.6質量部、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学株式会社製)9.1質量部、及び界面活性剤1 0.54質量部からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
*界面活性剤1:
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)製)
〔組成〕
・C6F13CH2CH2OCOCH=CH2(40質量部)とH(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2(55質量部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5質量部)との共重合体(重量平均分子量3万)・・・30質量部
・メチルエチルケトン・・・70質量部
着色感光性樹脂組成物R1は、下記表1に記載のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、開始剤1、増感剤1、フェノチアジン、添加剤1、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物R1を調製した。
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業株式会社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃にて2分間加熱した。
前記感光性樹脂転写材料R1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター、LamicII型〔株式会社日立インダストリイズ製〕を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
保護フィルムを剥離後、図1に示す露光装置を用い、前記感光層R1と露光ヘッドとを相対移動させながら、80mJ/cm2相当のカラーフィルタパターンの露光を行った。露光は405nmで行った。
光源として、波長が405nmのレーザ光を照射して露光し、前記感光層R1の一部の領域を硬化させた。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5質量%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃にて50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層を除去した。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、35℃にて35秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−SD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、33℃にて20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、レッド(R)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分間熱処理(ベーク)した。
得られた前記Rのカラーフィルタパターンにおいて、残った前記感光層の硬化領域の厚みを測定した。次いで、レーザ光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から基板上の硬化領域の厚みが1.5μmとなり、硬化領域の表面が光沢面である時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
上記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量をP100としたときの厚みは、接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いてn=10測定を行い、その平均値とした。同様に光エネルギー量をP100のそれぞれ55%(P55)、45%(P45)の光エネルギーで露光し、それぞれ同様に厚みを測定した。
得られた画素を500倍の光学顕微鏡写真を用いて撮影し線幅を測定した。測定は縦、横それぞれランダムに50点ずつ選び、合計100点について行い、幅変動率(標準偏差を平均で除して求めた)を計算した。
−G画素の作製−
実施例1において、着色感光性樹脂組成物R1の代わりに下記の着色感光性樹脂組成物G1を用いた以外は、実施例1と同様にして、G画素を形成した。
得られたG画素について、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
着色感光性樹脂組成物G1は、下記表1に記載のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、開始剤1、増感剤1、フェノチアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物G1を調製した。
−B画素の作製−
実施例1において、着色感光性樹脂組成物R1の代わりに下記の着色感光性樹脂組成物B1を用いた以外は、実施例1と同様にして、B画素を形成した。
得られたB画素について、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
着色感光性樹脂組成物B1は、下記表1に記載のB顔料分散物1、B顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、開始剤1、増感剤1、フェノチアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物B1を調製した。
−K画素の作製−
実施例1において、着色感光性樹脂組成物R1の代わりに下記の着色感光性樹脂組成物K1を用いた以外は、実施例1と同様にして、K画素を形成した。
得られたK画素について、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
着色感光性樹脂組成物K1は、下記表1に記載のK顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、バインダー1、DPHA液、開始剤1、増感剤1、フェノチアジン、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物K1を調製した。
−R画素の作製−
実施例1において、着色感光性樹脂組成物R1の代わりに下記の着色感光性樹脂組成物R2を用いた以外は、実施例1と同様にして、R画素を形成した。
得られたR画素について、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
着色感光性樹脂組成物R2は、下記表1に記載のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、開始剤2、フェノチアジン、添加剤1、及び界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して、温度24℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物R2を調製した。
−R画素の作製−
実施例1において、着色感光性樹脂組成物R1の代わりに下記の着色感光性樹脂組成物R3を用いた以外は、実施例1と同様にして、R画素を形成した。
得られたR画素について、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
着色感光性樹脂組成物R3は、下記表1に記載のR顔料分散物1、R顔料分散物2、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌した。次いで、下記表1に記載のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、開始剤1、増感剤1、添加剤1、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、着色感光性樹脂組成物R3を調製した。
比較例2において、顔料分散物を添加しない以外は、比較例2と同様の下記感光性樹脂組成物を用いた以外は、比較例2と同様にして、パターンを形成した。
得られたパターンについて、実施例1と同様にして、露光感度、P100厚み、P55厚み、P45厚み、及び線幅変動率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
下記表1に記載のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、バインダー2、バインダー4、DPHA液、添加剤1、及び界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150r.p.m.で30分間攪拌した。以上により、感光性樹脂組成物を調製した。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック・・・13.1質量部
(Special Black 250、デグッサ社製)
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン・・・0.65質量部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・79.53質量部
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254・・・8.0質量部
・5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン・・・0.8質量部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=73/27[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・8.0質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・83.2質量部
*R顔料分散物2の組成
・C.I.ピグメント・レッド177・・・18質量部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・12質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・70質量部
*G顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・グリーン36・・・18質量部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(分子量37,000)〕・・・12質量部
・シクロヘキサノン・・・35質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・35質量部
*Y顔料分散物1
商品名:CFエローEX3393(御国色素社製)
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素社製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素社製)
*バインダー1の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量4万)27質量%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%
*バインダー2の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)・・・27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73質量部
*バインダー3の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量30,000)・・・27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73質量部
*バインダー4の組成
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物(分子量30,000)・・・27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・73質量部
*添加剤1:
・燐酸エステル系特殊活性剤(HIPLAAD ED152、楠本化成(株)製)
*DPHA液の組成
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)・・・76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・24質量部
*開始剤1
・2−トリクロロメチルー5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール
*増感剤1
[液晶表示装置の作製及び評価]
実施例1〜4で作製したR、G、B、及びK画素を有するカラーフィルタを用いてLEDバックライトを有する液晶表示装置を作製した。
作製した液晶表示装置は、表示ムラがなく、良好な表示特性を示すことを確認した。
実施例5において、実施例1のR画素を比較例1で作製したR画素に変更した以外は、実施例5と同様にして、液晶表示装置を作製した。
作製した液晶表示装置は、表示ムラがあり、表示品位が低かった。
実施例5において、実施例1のR画素を比較例2で作製したR画素に変更した以外は、実施例5と同様にして、液晶表示装置を作製した。
作製した液晶表示装置は、表示ムラがあり、表示品位が低かった。
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 露光装置
12 感光層
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ(カメラ)
28 スリット
30 露光ヘッド
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
40 集光レンズ系
50 結像レンズ系
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
Claims (11)
- 少なくともバインダー、重合性化合物、下記構造式(1)で表される光重合開始剤、下記構造式(2)で表される増感剤、重合性禁止剤としてのフェノチアジン、及び着色剤を含む感光性組成物からなる感光層を有してなり、
前記感光層を1段当り光量が2 −1/2 異なる14段のステップウェッジで露光し、現像処理後の前記感光層のドライ厚みが、前記感光性組成物を塗付し乾燥後の前記感光層の厚みの、90%〜100%の厚みになる、前記ステップウェッジのベタ段を3段有する露光量を前記感光層の感度とし、
前記感度が30mJ/cm2〜40mJ/cm2であり、
前記感光層における感度の100%での露光量(P100)乃至該感光層における感度の55%での露光量(P55)では、前記感光層の現像後厚みが該感光層の初期厚みの95%〜100%であり、かつ前記感光層における感度の45%での露光量(P45)では、該感光層の現像後厚みが該感光層の初期厚みの2.5%以下であり、
パターン情報に基づいて、光照射手段からの光を変調しながら、露光ヘッドと前記感光層の被露光面とを相対走査することにより、前記感光層の被露光面上に二次元パターンを形成する露光に用いられることを特徴とするカラーフィルタ形成材料。
- 重合禁止剤の感光層における含有量が、0.002質量%〜0.02質量%である請求項1に記載のカラーフィルタ形成材料。
- 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている請求項1から2のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料。
- 感光性組成物が、少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色されている請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載のカラーフィルタ形成材料における該感光層に対し、
光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射された光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光し、現像することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 光変調手段が、空間光変調素子である請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光照射手段が、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源である請求項5から7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
- 光ファイバが、2以上の光を入射し、合波して出射する請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項5から9のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項10に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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