JP2006018221A - カラーフィルタの製造方法、及びカラーフィルタ並びに液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置(LCD)用、PALC、プラズマディスプレイとして好適なカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】 感光性組成物を用いて基材の表面に感光層を形成する感光層形成工程と、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する露光工程と、該露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを備えたカラーフィルタの製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイなどに好適なカラーフィルタの製造方法、及び該製造方法により製造されたカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。
カラーフィルタは、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」、「液晶表示装置」と称することもある)に不可欠な構成部品である。この液晶ディスプレイは非常にコンパクトであり、性能面でもこれまでのCRTディスプレイと同等以上であり、CRTディスプレイから置き換わりつつある。
液晶ディスプレイのカラー画像の形成は、カラーフィルタを通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各画素の色に着色されて、それらの色の光が合成されてカラー画像を形成する。そして、現在はRGBの三色の画素でカラー画像を形成している。
近年では、液晶ディスプレイ(LCD)の大画面化及び高精細化の技術開発が進み、その用途はノートパソコン用ディスプレイからデスクトップパソコン用モニター、更にはテレビモニター(以下、「TV」と称することもある)まで拡大されてきている。このような背景の下で、LCDにはコストダウンと表示特性向上が強く要求されるようになってきている。
このコストダウンの方向としては、単に材料のコストダウンにとどまらず、工程の簡素化が進行中である。例えば、(1)露光のためのフォトマスクをなくすこと、(2)平坦化のためのオーバーコート(OC)をなくすこと、(3)平坦化のための研磨工程をなくすこと、などによるコストダウンが検討されている。
一方、表示特性向上の方向としては、1インチあたりの画素数を増やしていく高精細化の方向と、マスクの誤差の補正による画面内での表示の均一性の改善の方向、液晶ディスプレイに対してより広い角度範囲からの観察を可能とする高視野角化、明像と暗像の差をより明確に表示できる高コントラスト化、動きの速い画像をスムーズに表現できる高速応答化などが検討されている。また、色再現性の向上として、小型モバイル機器では、従来の反射型から、透過モードと反射モードを兼ね備えた半透過型へ移行しつつあり、TVではより色再現域を広くするとともに、色温度を改善することが検討されている。
このようなカラーフィルタの形成方法としては、一般に、感光性組成物を露光、現像することにより微細パターンを形成する、フォトリソグラフィー法が知られている。
前記フォトリソグラフィー法を行う露光装置として、フォトマスクを用いることなく、半導体レーザ、ガスレーザ等のレーザ光を、画素パターン等のデジタルデータに基づいて、感光性組成物上に直接スキャンして、パターニングを行うレーザダイレクトイメージングシステム(以下、「LDI」と称することがある)による露光装置が研究されている。
前記LDIによる露光装置としては、レーザ光を光源とする光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を各々制御信号に応じて変調する空間光変調素子と、該空間光変調素子により変調された光による像を拡大するための拡大結像光学系と、該拡大結像光学系による結像面に配され空間光変調素子の各描素部のそれぞれ対応してマイクロレンズをアレイ状に有するマイクロレンズアレイと、該マイクロレンズアレイを通過した光をパターン形成材料やスクリーン上に結像する結像光学系とを備えた露光装置が知られている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
前記LDIによる露光装置によれば、パターン形成材料やスクリーン上に投影される像のサイズを拡大しても、前記空間光変調素子の各描素部からの光は、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズによって集光されて、投影される像における描素サイズ(スポットサイズ)が、逆に、絞られて小さく保たれるので、像の鮮鋭度を高く保つことが可能となる。
また、前記空間光変調素子としては、描素部として、制御信号に応じて反射面の角度を変化させる多数のマイクロミラーをシリコン等の半導体基板上に2次元状に配列させてなるデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)が知られている(特許文献2参照)。
更に、前記従来の露光装置において、前記マイクロレンズアレイの後側に、更に、該マイクロレンズアレイの各マイクロレンズに対応した開口(アパーチャ)を有する開口板を配置して、対応する前記マイクロレンズを経た光のみが前記開口を通過するようにした露光装置が提案されている(特許文献3参照)。
また、特許文献4には、これらの露光装置を用いてLCDやPDPのカラーフィルタを形成することが開示されている。
しかしながら、これらの場合、前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにより集光した光を用いて前記パターン形成材料上に結像させた像が歪んでしまうという問題がある。この問題は、特に空間光変調素子として前記DMDを用いた場合に顕著に認められる。
このため、前記感光性組成物上に結像させる像の歪みを抑制することにより、微細パターンを高精細に形成可能なカラーフィルタの形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2004−1244号公報 特開2001−305663号公報 特表2001−500628号公報 特開2003−337426号公報 石川明人"マスクレス露光による開発短縮と量産適用化"、「エレクロトニクス実装技術」、株式会社技術調査会、Vol.18、No.6、2002年、p.74-79
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイなどに用いられるカラーフィルタをコストを下げつつ表示特性を向上させることができるカラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタの製造方法により製造される表示特性が高いカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダー、重合性化合物、着色剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成する感光層形成工程と、
光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する露光工程と、
該露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<2> バインダー、重合性化合物、着色剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成する感光層形成工程と、
光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する露光工程と、
該露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<3> マイクロレンズが、描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有する前記<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 感光層が、感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<5> 感光層が、支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光性フィルムを、該支持体とは反対側の面と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている前記<1>から<5>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、露光工程、及び現像工程を繰り返してカラーフィルタを形成する前記<1>から<6>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 赤色(R)着色に少なくとも顔料C.I.P.R.254を、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.139の少なくともいずれかの顔料を、並びに青色(B)着色に少なくとも顔料C.I.P.B.15:6を用いる前記<7>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 赤色(R)着色に顔料C.I.P.R.254及び顔料C.I.P.R.177の少なくともいずれかの顔料を、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150の少なくともいずれかの顔料を、並びに青色(B)着色に顔料C.I.P.B.15:6及び顔料C.I.P.V.23の少なくともいずれかの顔料を用いる前記<7>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> 非球面が、トーリック面である前記<1>から<9>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> マイクロレンズが、円形のレンズ開口形状を有する前記<2>から<10>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<12> レンズ開口形状が、そのレンズ面に遮光部を設けることにより規定される前記<2>から<11>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<13> 光変調手段が、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能である前記<1>から<12>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<14> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<13>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<15> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<14>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<16> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<1>から<15>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<17> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<1>から<16>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<18> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<1>から<17>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<19> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを備える前記<1>から<18>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法である。
<20> レーザ光の波長が395〜415nmである前記<19>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<21> 前記<1>から<20>のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタである。
<22> 前記<21>に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、少なくとも感光層形成工程と、露光工程と、現像工程を含んでなる。前記感光層形成工程においてファイバインダー、重合性化合物、着色剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成する。前記露光工程では、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、又は、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する。前記現像工程では、該露光工程により露光された感光層を現像する。その結果、高タクトが可能となり、かつ高解像度のパターン形成が達成でき、高い色純度を有し、色ムラのない高品質なカラーフィルタを効率よく製造でき、コストダウンが図れる。更に、驚くべきことに現像後に観察されるムラが軽減できる。
ここで、現像後に観察されるムラとは、例えば、Rの画像を形成した後の現像後の基板を、ナトリウムランプを用いて観察した際に、ムラが見えることである。このムラは、基板を視線に対して30度程度傾けて観察すると見えやすい。このムラの発生原因は定かではないが、現像槽のシャワーノズルを変更し、噴射される現像液のパターンを変えるとムラ形状が変化することから、現像液の当たりムラも原因と考えられる。また、このムラは、画素エッジ部分を遮光材で隠した状態では認識できなくなるので、画素エッジ部分の形状のムラだと考えられる。画素エッジ部分の断面観察では、大きな傾向は見られないことから、微妙な形状の差が視認されているものと考えられる。従来は、画素エッジ部分はブラックマトリクス(BM)で遮光されること、仮に厚みにムラがあっても研磨やオーバーコートにより平坦化できることから、問題ないムラと見られていた。しかし、小型モバイル機器、高精細モニターなどに用いられる小型、中型の液晶ディスプレイでは、精密度のアップによりBM部分が小さくなり、画素エッジ部分が相対的に無視できなくなった。特に小型液晶ディスプレイに多い半透過型のディスプレイでは、画素中の表示領域にこのエッジに相当する部分が位置して表示に直接影響するおそれがある。TVや大型モニターに用いられる大型液晶ディスプレイでは、広視野角を実現するためにMVAやIPSモードが用いられている。中でも、MVAはセルギャップのムラや配向ムラが直接表示特性に影響する。エッジ部分の形状に起因するムラがあると、スペーサーの形成方法によっては、ギャップのムラとなる可能性がある。また、エッジ部分の配向乱れが画素内に波及する可能性もある。また、液晶TVはコストダウンのため、マザーガラス基板サイズが1mを超える大型のラインで製造される方向にある。そのような大きなラインでは、装置の制約や環境対応から、BMの形成方法が、従来の金属クロムから、樹脂BMへと移行することが検討されている。この樹脂BMのエッジ部分は画素の表示部のエッジでもあることから、樹脂BMのエッジもムラなく形成できていることが望ましい。高い表示特性(画面の隅々まで色が均一でコントラストが高い)の液晶ディスプレイを製造するには、このようなムラを軽減することが好ましい。詳しくは、BMによる画像は、カラーフィルタにおいては、画素と画素との間を規定するブラックマトリックス(例えば、格子状、ストライプ状など)や、薄膜トランジスタ(TFT)の遮光、画面周辺の額縁部分の遮光などに用いられているが、中でもBMは、みかけの画素幅を規定しているため、その幅のばらつきは、該ばらつきの周期性によって、モアレや、周期ムラなどの表示ムラとなりやすく、線幅のばらつきを小さくすることが好ましい。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイなどに用いられるカラーフィルタをコストを下げつつ表示特性を向上させることができるカラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタの製造方法により製造される表示特性が高いカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することができる。また、本発明によると、現像後に観察されるムラ(塗布ムラ及び表示ムラ)が軽減できる。
また、本発明によると、従来の露光装置(例えば、特開2003−337426号公報に記載)で露光した際に問題となる、結像させる像の歪みによる解像度不足の問題をクリアすることで、LDIによる露光をカラーフィルタの製造工程に幅広く適用できるようになった。その結果、マスクレス(露光マスクを使用しないこと)によるコストダウン(露光マスクの費用相当)の実現に加えて、マスク誤差が存在しなくなり、更には、色ごとに位置補正が可能となりカラーフィルタの表示特性を向上させることができ、しかもマスクが不要であることから、従来マスクの納期が影響していた新品種開発期間を短縮することができ、研究開発も含めたトータルでのコストダウンも可能である。また、マスク露光ではマスクの汚れに伴う画素欠陥が発生し、歩留まりを低下させていたが、マスクレス露光では、これに相当する歩留まり向上の効果も見られ、この意味でもコストダウンが可能となる。
(カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ並びに液晶表示装置)
本発明のカラーフィルタの製造方法は、少なくとも、感光層形成工程と、露光工程と、現像工程とを含んでなり、更に必要に応じて適宜選択されたその他の工程を含んでなる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
本発明の液晶表示装置は、本発明の前記カラーフィルタを用いてなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の説明を通じて、本発明のカラーフィルタ及び液晶表示装置の詳細についても明らかにする。
[感光層形成工程]
感光層形成工程ファイバインダー、着色剤、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成し、更に適宜選択されたその他の層を形成する工程である。
前記感光層、及びその他の層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布により形成する方法、シート状の各層を加圧及び加熱の少なくともいずれかを行うことにより、ラミネートすることにより形成する方法、それらの併用などが挙げられる。
前記感光層形成工程としては、以下に示す第1の態様の感光層形成工程及び第2の態様の感光層形成工程が好適に挙げられる。
第1の態様の感光層形成工程としては、前記感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより、基材の表面に、少なくとも、感光層を形成し、更に、適宜選択されたその他の層を形成する工程が挙げられる。
第2の態様の感光層形成工程としては、前記感光性組成物をフィルム状に成形した感光性フィルム(以下、「感光性転写材料」と称することがある)を基材の表面に加熱及び加圧の少なくともいずれかの下において積層することにより、基材の表面に、少なくとも、感光層を形成し、更に、適宜選択されたその他の層を形成する工程が挙げられる。
第1の態様の感光層形成工程において、前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて、前記基材に直接塗布する方法が挙げられる。本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜10μmが好ましく、0.75〜6μmがより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
第1の態様の感光層形成工程において形成されるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸素遮断層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などが挙げられる。
前記その他の層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層上に塗布する方法、シート状に形成されたその他の層を積層する方法などが挙げられる。
前記第2の態様の感光層形成工程において、基材の表面に感光層、及び必要に応じて適宜選択されるその他の層を形成する方法としては、前記基材の表面に支持体と該支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光層と、必要に応じて適宜選択されるその他の層とを有する感光性フィルム(感光性転写材料)を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する方法が挙げられ、支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光性フィルムを、該感光性組成物が基材の表面側となるように積層し、次いで、支持体を感光性組成物上から剥離する方法が好適に挙げられる。
前記支持体を剥離することにより、支持体による光の散乱や屈折の等影響により、感光性組成物層上に結像させる像にボケ像が生じることが防止され、所定のパターンが高解像度で得られる。
なお、前記感光性フィルムが、後述する保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離し、前記基材に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜130℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.01〜1.0MPaが好ましく、0.05〜1.0MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートプレス、ヒートロールラミネーター(例えば、大成ラミネーター株式会社社製、VP−II)、真空ラミネーター(例えば、名機製作所製、MVLP500)などが好適に挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるのが好ましく、更に表面の平滑性が良好であるのがより好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4〜300μmが好ましく、5〜175μmがより好ましく、10〜100μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20000mの長さのものが挙げられる。
前記支持体は、合成樹脂製であり、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記支持体としては、例えば、特開平4−208940号公報、特開平5−80503号公報、特開平5−173320号公報、特開平5−72724号公報などに記載の支持体を用いることもできる。
前記感光性フィルムにおける感光層の形成は、前記基材への前記感光性組成物溶液の塗布及び乾燥(前記第1の態様の感光層形成方法)と同様な方法で行うことができ、例えば、該感光性組成物溶液をスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いて塗布する方法が挙げられる。本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
前記保護フィルムは、前記感光層の汚れや損傷を防止し、保護する機能を有するフィルムである。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
前記保護フィルムの前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記感光層上に設けられる。
前記保護フィルムを用いる場合、前記感光層及び前記支持体の接着力Aと、前記感光層及び保護フィルムの接着力Bとの関係としては、接着力A>接着力Bであることが好適である。
前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記保護フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に使用されるもの、シリコーン紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンシート、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが特に好ましいものとして挙げられる。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記保護フィルムとしては、上述の接着力の関係を満たすために、前記保護フィルムと前記感光層との接着性を調製するために表面処理することが好ましい。
前記支持体の表面処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などが挙げられる。
前記下塗層の塗設方法の具体例としては、例えば、前記保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥させることにより形成する方法が挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、などが挙げられる。
−熱可塑性樹脂層−
前記熱可塑性樹脂層(以下、「クッション層」と称することもある)は、アルカリ現像を可能とし、また、転写時にはみ出した該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層により被転写体が汚染されるのを防止可能とする観点からアルカリ可溶性であることが好ましく、前記感光性転写材料を被転写体上に転写させる際、該被転写体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良を効果的に防止するクッション材としての機能を有していることが好ましく、該感光性転写材料を前記被転写体上に加熱密着させた際に該被転写体上に存在する凹凸に応じて変形可能であるのがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂層に用いる材料としては、例えば、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選択されることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル又はそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル又はそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル又はそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層の乾燥厚さは、2〜30μmが好ましく、5〜20μmがより好ましく、7〜16μmが特に好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記感光層上に設けられ、前記感光性転写材料がアルカリ可溶な熱可塑性樹脂層を有する場合には該感光層と該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層との間に設けられる。該感光層と該アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層との形成においては有機溶剤を用いるため、該中間層がその間に位置すると、両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。
前記中間層としては、水又はアルカリ水溶液に分散乃至溶解するものが好ましい。
前記中間層の材料としては、公知のものを使用することができ、例えば、特開昭46−2121号公報及び特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル/無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種澱粉及びその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、マレイネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも親水性高分子を使用するのが好ましく、該親水性高分子の中でも、少なくともポリビニルアルコールを使用するのが好ましく、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの併用が特に好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その鹸化率は80%以上が好ましい。
前記ポリビニルピロリドンを使用する場合、その含有量としては、該中間層の固形分に対し、1〜75体積%が好ましく、1〜60体積%がより好ましく、10〜50体積%が特に好ましい。
前記含有量が、1体積%未満であると、前記感光層との十分な密着性が得られないことがあり、一方、75体積%を超えると、酸素遮断能が低下することがあり、好ましくない。
前記中間層は、酸素透過率が小さいことが好ましい。前記中間層の酸素透過率が大きく酸素遮断能が低い場合には、前記感光層に対する露光時における光量をアップする必要を生じたり、露光時間を長くする必要が生ずることがあり、解像度も低下してしまうことがある。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜5μm程度であるのが好ましく、0.5〜2μmがより好ましい。
前記厚みが、0.1μm未満であると、酸素透過性が高過ぎてしまうことがあり、5μmを超えると、現像時や中間層除去時に長時間を要し、好ましくない。
前記感光性フィルムの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層と、中間層と、感光層とを、この順に有してなる形態などが挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されるのが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られるのが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置するのが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いるのが好ましい。
前記感光性フィルムは、プリント配線板、カラーフィルタや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用として広く用いることができ、これらの中でも、本発明のカラーフィルタの製造方法に好適に用いることができる。
なお、前記第2の態様の感光層形成方法により形成された感光層を有する積層体への露光方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体上にクッション層を介して存在する感光層からなるフィルムの場合は、前記支持体、必要に応じてクッション層も剥離した後、前記酸素遮断層を介して前記感光層を露光することが好ましい。
<感光層>
前記感光層形成工程で形成される感光層(カラーレジスト層)としては、少なくともバインダー、着色剤、重合性化合物、及び光重合開始剤を含み、更に必要に応じて適宜選択されるその他の成分を含む感光性組成物を用いてなる。
<<バインダー>>
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性水溶液に対して膨潤性であるのが好ましく、アルカリ性水溶液に対して可溶性であるのがより好ましい。
アルカリ性水溶液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調製の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(1)〜(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(4)〜(12)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(4)〜(12)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、n、n1、n2は、1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フルオロエタノール、トリフルオロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフルオロエチルアミン、ヘキサフルオロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、重量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記重量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる重量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー、などの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許第2873889号明細書に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光層における前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が5質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、80質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250mgKOH/gが好ましく、90〜200mgKOH/gがより好ましく、100〜180mgKOH/gが特に好ましい。
前記酸価が、70mgKOH/g未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、パターンを高精細に得ることができないことがあり、250mgKOH/gを超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、パターンを高精細に得ることができないことがある。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭51−131706号、特開昭52−94388号、特開昭64−62375号、特開平2−97513号、特開平3−289656号、特開平61−243869号、特開2002−296776号などの各公報に記載の酸性基を有するエポキシアクリレート化合物が挙げられる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシアクリレートモノテトラヒドロフタレート、あるいは、クレゾールノボラックエポキシアクリレートモノテトラヒドロフタレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレートモノテトラヒドロフタレート等であって、例えばエポキシ樹脂や多官能エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを反応させ、更に無水フタル酸等の二塩基酸無水物を付加させたものである。
前記エポキシアクリレート化合物の分子量は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜100,000がより好ましい。該分子量が1,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、200,000を超えると、現像性が劣化することがある。
また、特開平6−295060号公報に記載の酸性基及び二重結合等の重合可能な基を少なくとも1つ有するアクリル樹脂も用いることができる。具体的には、分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合、例えば、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等のアクリル基、カルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル等の各種重合性二重結合を用いることができる。より具体的には、酸性基としてカルボキシル基を含有するアクリル樹脂に、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルや、同一分子中にシクロヘキセンオキシド等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等のエポキシ基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物などが挙げられる。また、酸性基及び水酸基を含有するアクリル樹脂に、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物、無水物基を含有するアクリル樹脂に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する重合性化合物を付加させて得られる化合物なども挙げられる。これらの市販品としては、例えば、「カネカレジンAXE;鐘淵化学工業(株)製」、「サイクロマー(CYCLOMER) A−200;ダイセル化学工業(株)製」、「サイクロマー(CYCLOMER) M−200;ダイセル化学工業(株)製」などを用いることができる。
更に、特開昭50−59315号公報記載のヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートとポリカルボン酸無水物及びエピハロヒドリンのいずれかとの反応物などを用いることができる。
また、特開平5−70528号公報に記載のフルオレン骨格を有するエポキシアクリレートに酸無水物を付加させて得られる化合物、特開平11−288087号公報記載のポリアミド(イミド)樹脂、特開平2−097502号公報や特開2003−20310号公報記載のアミド基を含有するスチレン又はスチレン誘導体と酸無水物共重合体、特開平11−282155号公報記載のポリイミド前駆体などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記アクリル樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシアクリレート、ポリアミド(イミド)、アミド基含有スチレン/酸無水物共重合体、あるいは、ポリイミド前駆体などのバインダーの分子量は、3,000〜500,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。該分子量が3,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、500,000を超えると、現像性が劣化することがある。
前記バインダーの前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、10〜60質量%が好ましく、10〜55質量%がより好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。該固形分含有量が、10質量%未満であると、感光層の膜強度が弱くなりやすく、該感光層の表面のタック性が悪化することがあり、60質量%を超えると、露光感度が低下することがある。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号等の各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。該固形分含有量が10質量%未満であると、現像性の悪化、露光感度の低下などの問題を生ずることがあり、60質量%を超えると、感光層の粘着性が強くなりすぎることがあり、好ましくない。
前記重合性化合物と前記バインダーの比率は、質量比で、重合性化合物/バインダー=0.5〜1.5が好ましく、0.6〜1.2がより好ましく、0.65〜1.1が特に好ましい。この範囲を超えると、現像時に残渣が生じるなどの問題が生じることがあり、この範囲未満では、完成したカラーフィルタの耐性が低下することがある。
<<光重合開始剤>>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ホスフィンオキサイド、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテルなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42,2924(1969)記載の化合物、英国特許第第1388492号明細書に記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許第第3337024号明細書に記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29,1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載の化合物、米国特許第第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
更に、米国特許第第2367660号明細書に記載されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第第2722512号明細書に記載されているのα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第第3046127号明細書及び米国特許第第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物、ラジカル発生剤、トリアリールスルホニウム塩(例えば、ヘキサフルオロアンチモンやヘキサフルオロホスフェートとの塩)、ホスホニウム塩化合物(例えば、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩等)(カチオン重合開始剤として有効)、国際公開第01/71428号パンフレットに記載のオニウム塩化合物などが挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42,2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許第第1388492号明細書に記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許第第3337024号明細書に記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報に記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報に記載の化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第第4212976号明細書に記載の化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号公報等に記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロホスフェート(1−)等)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量としては、前記感光性組成物中の全固形成分に対し、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。
前記光重合開始剤の含有量は、前記重合性化合物との質量比で表すと、光重合開始剤/重合性化合物=0.01〜0.2が好ましく、0.02〜0.1がより好ましく、0.03〜0.08が特に好ましい。この範囲を超えると、現像残渣が生じたり、析出故障が生じるという問題があり、この範囲未満であると、十分な感度が得られないことがある。
また、後述する感光層への露光における露光感度や感光波長を調製する目的で、前記光重合開始剤に加えて、増感剤を添加することが可能である。
前記増感剤は、後述する光照射手段としての可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等が挙げられ、他に特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、前記感光性組成物中の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。該含有量が、0.05質量%未満であると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、保存時に前記感光層から前記増感剤が析出することがある。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の特に好ましい例としては、後述する露光において、波長が405nmのレーザ光に対応可能である、前記ホスフィンオキサイド類、前記α−アミノアルキルケトン類、前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物と後述する増感剤としてのアミン化合物とを組合せた複合光開始剤、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、あるいは、チタノセンなどが挙げられる。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料、染料などが挙げられる。
これら着色剤と別に又は併用して、着色剤として金属イオンを配位した樹状分岐分子、並びに金属粒子及び合金粒子の少なくともいずれかの金属系粒子を含有する樹状分岐分子から選ばれるいずれかの樹状分岐分子を含有することも可能である。
前記着色剤としては、黄色顔料、オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料などが挙げられるが、カラーフィルタを形成する場合には、3原色(B,G,R)及び黒色(K)にそれぞれ着色された複数の感光性転写材料を用いることから、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、及び黒色顔料が好適に用いられる。
前記黄色顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー20,C.I.ピグメントイエロー24,C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー86,C.I.ピグメントイエロー93,C.I.ピグメントイエロー109,C.I.ピグメントイエロー110,C.I.ピグメントイエロー117,C.I.ピグメントイエロー125,C.I.ピグメントイエロー137,C.I.
ピグメントイエロー138,C.I.ピグメントイエロー139,C.I.ピグメントイエロー185,C.I.ピグメントイエロー147,C.I.ピグメントイエロー148,C.I.ピグメントイエロー153,C.I.ピグメントイエロー,C.I.ピグメントイエロー154,C.I.ピグメントイエロー166,C.I.ピグメントイエロー168,モノライト・イエローGT(C.I.ピグメントイエロー12),パーマネント・イエローGR(C.I.ピグメントイエロー17)などが挙げられる。
前記オレンジ色顔料として、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,C.I.ピグメントオレンジ43,C.I.ピグメントオレンジ51,C.I.ピグメントオレンジ55,C.I.ピグメントオレンジ59,C.I.ピグメントオレンジ61などが挙げられる。
前記赤色顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド9,C.I.ピグメントレッド97,C.I.ピグメントレッド122,C.I.ピグメントレッド123,C.I.ピグメントレッド149,C.I.ピグメントレッド168,C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド180,C.I.ピグメントレッド192,C.I.ピグメントレッド209,C.I.ピグメントレッド215,C.I.ピグメントレド216,C.I.ピグメントレッド217,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド223,C.I.ピグメントレッド224,C.I.ピグメントレッド226,C.I.ピグメントレッド227,C.I.ピグメントレッド228,C.I.ピグメントレッド240,C.I.ピグメントレッド48:1,パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメントレッド146),パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメントレッド11),ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)などが挙げられる。
前記バイオレット顔料として、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19,C.I.ピグメントバイオレット23,C.I.ピグメントバイオレット29,C.I.ピグメントバイオレット30,C.I.ピグメントバイオレット37,C.I.ピグメントバイオレット40,C.I.ピグメントバイオレット50などが挙げられる。
前記青色顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメント・ブルー15:1,C.I.ピグメント・ブルー15:4,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー22,C.I.ピグメントブルー60,C.I.ピグメントブルー64,ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)などが挙げられる。
前記緑色顔料として、例えば、C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
前記ブラウン顔料として、例えば、C.I.ピグメントブラウン23,C.I.ピグメントブラウン25,C.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
前記黒色顔料として、例えば、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1),C.I.ピグメントブラック7,ファット・ブラックHB(C.I.26150)などが挙げられる。
その他、カーボンブラック、オーラミン(C.I.41000)などを挙げることができる。
なお、上記有機顔料、無機顔料、又は染料等の着色剤は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、携帯端末や携帯ゲーム機等の機器で透過モード、及び反射モードのいずれにおいても良好な表示特性(より色が濃い)を効果的に実現するには、(i)Rの感光性組成物においては顔料C.I.P.R.254を用い、(ii)Gの感光性組成物においては顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.139を併用して用い、(iii)Bの感光性組成物においては顔料C.I.P.B.15:6を用いることが好ましい。
ここで、前記(i)におけるC.I.P.R.254の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.274〜0.335g/mであることが好ましく、0.280〜0.329g/mであることがより好ましく、0.290〜0.320g/mであることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.P.G.36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.355〜0.437g/mであることが好ましく、0.364〜0.428g/mであることがより好ましく、0.376〜0.412g/mであることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.P.Y.139の含有量は、0.052〜0.078g/mであることが好ましく、0.060〜0.070g/mであることがより好ましく、0.062〜0.068g/mであることが特に好ましい。なお、(ii)において、C.I.P.G.36/C.I.P.Y.139比率は、5.4〜6.7であることが好ましく、5.6〜6.6がより好ましく、5.8〜6.4が特に好ましい。
前記(iii)におけるC.I.P.B.15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.28〜0.38g/mあることが好ましく、0.29〜0.36g/mであることがより好ましく、0.30〜0.34g/mであることが特に好ましい。
また、本発明においては、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等に用いた場合に高い表示特性(色再現域が広く、色温度が高い)を実現するには、(I)赤色(R)の感光性組成物においては顔料C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177の少なくともいずれかを用い、(II)緑色(G)の感光性組成物においては顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150を併用し、(III)青色(B)の感光性組成物においては顔料C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23を併用することが好ましい。
ここで、前記(I)におけるC.I.P.R.254の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.6〜1.1g/mであることが好ましく、0.80〜0.96g/mであることがより好ましく、0.82〜0.94g/mであることが特に好ましい。
前記(I)におけるC.I.P.R.177の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.10〜0.30g/mであることが好ましく、0.20〜0.24g/mであることがより好ましく、0.21〜0.23g/mであることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.P.G.36の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.80〜1.45g/mであることが好ましく、0.90〜1.34g/mであることがより好ましく、0.95〜1.29g/mであることが特に好ましい。
前記(II)におけるC.I.P.Y.150の含有量は、0.30〜0.65g/mであることが好ましく、0.38〜0.58g/mであることがより好ましい。なお、(II)において、C.I.P.G.36/C.I.P.Y.150比率は、0.40〜0.50であることが好ましい。
前記(III)におけるC.I.P.B.15:6の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.50〜0.75g/mであることが好ましく、0.59〜0.67g/mであることがより好ましく、0.60〜0.66g/mであることが特に好ましい。
前記(III)におけるC.I.P.V.23の含有量は、感光性組成物を1〜3μmの乾燥膜厚で塗布した場合において、0.03〜0.10g/mあることが好ましく、0.06〜0.08g/mであることがより好ましく、0.066〜0.074g/mであることが特に好ましい。なお、(III)において、C.I.P.B.15:6/C.I.P.V.23比率は、12〜50であることが好ましい。
上記のような着色剤を用いる場合、顔料又は染料の粒径は、平均粒径1nm〜10nmであることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましく、20nm〜70nmであることが特に好ましく、30nm〜60nmであることが最も好ましい。感光層は薄膜な層であるため、顔料等の粒径が上記の範囲にない場合には、樹脂層中に均一に分散することができず、高品質なカラーフィルタを製造することが困難となるため好ましくない。
<<その他の成分>>
前記感光性組成物には、その他の成分として、例えば、熱架橋剤、可塑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、熱重合禁止剤等の成分を含有してもよい。
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等などに悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ樹脂化合物、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物、メラミン樹脂化合物などを用いることができる。
前記エポキシ樹脂化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000;ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記メラミン樹脂化合物としては、例えば、アルキル化メチロールメラミン、ヘキサメチル化メチロールメラミンなどが挙げられる。
前記エポキシ樹脂化合物又はオキセタン化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。該固形分含有量が1質量%未満であると、硬化膜の吸湿性が高くなり、絶縁性の劣化が生じることがあり、50質量%を超えると、現像性の悪化や露光感度の低下が生ずることがあり、好ましくない。
また、前記エポキシ樹脂化合物や前記オキセタン化合物の熱硬化を促進するため、例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩化合物;ジメチルアミン等のブロックイソシアネート化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩;トリフェニルホスフィン等のリン化合物;メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン化合物;2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体;などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記エポキシ樹脂化合物や前記オキセタン化合物の硬化触媒、あるいは、これらとカルボキシル基の反応を促進することができるものであれば、特に制限はなく、上記以外の熱硬化を促進可能な化合物を用いてもよい。
前記エポキシ樹脂、前記オキセタン化合物、及びこれらとカルボン酸との熱硬化を促進可能な化合物の前記感光性組成物固形分中の固形分含有量は、通常0.01〜15質量%である。
また、前記熱架橋剤としては、特開平5−9407号公報記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート;該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート及びその誘導体等の環式三量体;などが挙げられる。
更に、本発明の感光性組成物、あるいは、本発明の感光性フィルムの保存性を向上させることを目的として、前記ポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート基ブロック剤としては、イソプロパノール、tert.−ブタノール等のアルコール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、フェノール、クレゾール、p−tert.−ブチルフェノール、p−sec.−ブチルフェノール、p−sec.−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等のフェノール類;3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等の複素環式ヒドロキシル化合物;ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の活性メチレン化合物;などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
また、アルデヒド縮合生成物、樹脂前駆体などを用いることができる。具体的には、N,N’−ジメチロール尿素、N,N’−ジメチロールマロンアミド、N,N’−ジメチロールスクシンイミド、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、1,3−N,N’−ジメチロールテレフタルアミド、2,4,6−トリメチロールフェノール、2,6−ジメチロール−4−メチロアニソール、1,3−ジメチロール−4,6−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。なお、これらのメチロール化合物の代わりに、対応するエチルもしくはブチルエーテル、又は酢酸あるいはプロピオン酸のエステルを使用してもよい。また、メラミンと尿素とのホルムアルデヒド縮合生成物とからなるヘキサメトキシメチルメラミンや、メラミンとホルムアルデヒド縮合生成物のブチルエーテルなどを使用してもよい。
前記熱架橋剤の添加量としては、本発明の効果を損なわない範囲で加えることができるが、前記熱架橋剤の含有量としては、感光性組成物の全固形分の0.01〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などから適宜選択できる。
更に、前記界面活性剤としては、次式、C17SON(R)CHCHO(CHCH)で表されるフッ素系界面活性剤が好適に挙げられる。
但し、式中、R及びRは、各々水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは2〜30の整数を表す。
前記Rとしては、メチル基、エチル基、イソプロピル基が好適に挙げられ、前記Rとしては、水素原子が好適に挙げられる。
前記nとしては、10〜25が好ましく、10〜20がより好ましい。
前記式で表される界面活性剤の具体例としては、メガファックF−141(n=5)、F−142(n=10)、F=143(n=15)、F−144(n=20)(いずれも商品名:大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
更に、前記界面活性剤としては、次式(1)〜(4)で表される界面活性剤が好適に挙げられる。
Rf1−X−(CHCHO)・・・(1)
Rf1−X−(CHCHO)・・・(2)
Rf1−X−(CHCHO)(CHCHCHO)・・・(3)
Rf1−X−(CHCHO)(CHCHCHO)Rf2・・・(4)
前記式(1)〜(4)において、R及びRは、炭素素1〜18、好ましくは、炭素数1〜10、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
前記アルキル基としては、飽和アルキル基、不飽和アルキル基が挙げられる。
前記アルキル基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オタタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−プロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−プロモプロピル基等が挙げられる。また、これらのアルキル基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよいアリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、炭素数1〜18、好ましく2〜12、より好ましくは4〜10のパーフルオロ基を表す。
前記パーフルオロ基としては、飽和パーフルオロ基、不飽和パーフルオロ基が挙げられる。
前記パーフルオロ基の構造としては、直鎖構造、分岐構造を有するものが挙げられ、これらの中でも分岐構造を有するものが好適に挙げられ、前記Rf1及びRf2の少なくともいずれかが、分岐構造を有するものがより好適に挙げられる。
前記パーフルオロ基としては、例えば、パーフルオロノネニル、パーフルオロメチル、パーフルオロプロピレン、パーフルオロノニネル、パーフルオロ安息香酸、パーフルオロプロピレン、パーフルオロプロピル、パーフルオロ(9−メチルオクチル)、パーフルオロメチルオクチル、パーフルオロブチル、パーフルオロ3−メチルブチル、パーフルオロヘキシル、パーフルオロクチル、パーフルオロ7−オクチルエチル、フルオロヘプチル、パーフルオロデシル、パーフルオロブチルなどが挙げられる。また、これらのパーフルオロ基は、ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキル若しくはハロアルキルで置換されていてもよく、アリール基、アミド基等で置換されていてもよい。
前記Rf1及びRf2は互い同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記式(1)〜(4)において、nは、1〜40の整数、好ましくは4〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、mは、0〜40の整数、好ましくは0〜25の整数を表す。
前記式(1)〜(4)において、−X−は、−(CH−(lは1〜10、好ましくは、1〜5の整数を表す)、−CO−O−、−O−、−NHCO−、−NHCOO−のいずれかを表す。
前記式(1)〜(4)で表される界面活性剤は、1種単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記感光性組成物が前記界面活性剤を含有することにより、塗布液としての流動性が良好となり、塗布工程で使用されるスピンコーターやスリットコーターのノズルや配管、容器中での液の付着性が改善され、前記ノズル内に汚れとして残る残渣を効果的に減少させることができるので、塗布液の切り替え時に洗浄に要する洗浄液の量や作業時間を軽減でき、カラーフィルタの生産性を向上させることができる。また、前記カラーレジスト層を形成する際に発生する面状ムラ等を改善することができる。
前記熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル又はアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、感光性組成物の全成分に対し、0.0001〜10質量%が好ましく、0.0005〜5質量%がより好ましく、0.001〜1質量%が特に好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメトル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。
なお、感光性組成物の全固形分に対する紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%がより好ましく、1.2〜10質量%が特に好ましい。
前記感光層を形成する感光性組成物は、溶剤を用いて調製することができる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが好適に挙げられる。これらの溶剤は、単独又2種以上の組合せで用いることができる。
前記感光性組成物の調製時における前記溶剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光性組成物の全固形分濃度が5〜80質量%となるように添加されることが好ましく、10〜60質量%となるように添加されることがより好ましく、15〜50質量%となるように添加されることが特に好ましい。
前記感光層の層厚は、0.3〜10μmが好ましく、0.75〜6μmがより好まく、1.0〜3μmが特に好ましい。
前記層厚が0.3μm未満であると、感光層用塗布液の塗布時にピンホールが発生しやすく、製造適性が低下することがあり、10μmを超えると、現像時に未露光部を除去するのに長時間を要することがある
<基材>
前記感光層形成工程で用いられる前記基材としては、特に制限はなく、公知の材料の中から表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を有するものまで、目的に応じて適宜選択することができるが、板状の基材(基板)が好ましく、具体的には、ガラス板(例えば、ソーダガラス板、酸化ケイ素をスパッタしたガラス板、無アルカリガラス板、石英ガラス板等)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基材は、該基材上に前記パターン形成材料における感光層が重なるようにして積層してなる積層体を形成して用いることができる。即ち、前記積層体におけるパターン形成材料の前記感光層に対して露光することにより、露光した領域を硬化させ、後述する現像工程によりパターンを形成することができる。
[露光工程]
前記露光工程としては、少なくとも光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイ、又は、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層形成工程により形成された感光層を、露光する工程を有する。
前記露光工程において、前記光照射手段から照射される光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光、電子線、X線、レーザ光などが挙げら、これらの中でも、光のオンオフ制御が短時間で行え、光の干渉制御が容易なレーザ光が好適に挙げられる。
前記紫外から可視光の光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の露光時間の短縮を図る目的から、330〜650nmが好ましく、395〜415nmがより好ましく、405nmであることが特に好ましい。
前記光照射手段による光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用冷陰極管、LED、半導体レーザなどの公知の光源によって照射する方法が挙げられる。また、これらの光源からの光を2以上合成して照射することが好適であり、2以上の光を合成したレーザ光(以下、「合波レーザ光」ということがある)を照射することが特に好適に挙げられる。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とにより合波レーザ光を構成して照射する方法が挙げられる。
前記露光工程において、光を変調する方法としては、前記光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により変調する方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御する方法が好適に挙げられる。
前記描素部の数(n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調手段における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元的に配列されることが好ましく、格子状に配列されることがより好ましい。
また、前記光の変調方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光変調手段が、空間光変調素子による方法が好適に挙げられる。
前記空間光変調素子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが好適に挙げられ、これらの中でもDMDが特に好適に挙げられる。
前記露光工程において、前記変調手段により変調された光は、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズ、又は、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させられる。
前記マイクロレンズアレイに配置されるマイクロレンズとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非球面を有するものが好ましく、前記非球面がトーリック面であるマイクロレンズであることがより好ましい。
更に、前記露光工程において、前記変調手段により変調された光は、アパーチャーアレイ、結合光学系、適宜選択されるその他の光学系などを通過させられることが好ましい。
前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル露光、アナログ露光などが挙げられるが、デジタル露光が好適である。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
前記露光工程において、不活性ガス雰囲気下行うことが好ましい。前記感光層形成工程により形成された感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガスを前記感光層表面に直接吹きかける方法、枠状フレームの一辺が開放され、不活性ガスの導入孔が少なくとも残りの1辺に形成された試料台中の露光空間に、露光対象である感光層が形成された試料を載置し、前記不活性ガスの導入孔から不活性ガスを導入して、感光層表面を不活性ガスで覆いつつ、露光を行う方法などが挙げられる。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
以下、本発明のパターン形成方法に好適に用いられるパターン形成装置を図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明のパターン形成方法に好適に用いられるパターン形成装置の外観を示す概略斜視図である。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図7に示すように4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面に、シート状のパターン形成材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、前記設置台156の上面に形成されたガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐように下向きC字状のゲート160が設けられている。ゲート160の各々の端部は、設置台156の長手方向中央部における両側面に固定されている。このゲート160の一方の側面側には、スキャナ162が設けられ、他方の側面側には、パターン形成材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
図8は、スキャナの構成を示す概略斜視図である。また、図9(A)は、感光層に形成される露光済み領域を示す平面図であり、図9(B)は、露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。
スキャナ162は、図8及び図9(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、パターン形成材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、パターン形成材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図9(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
図10は、露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図10に示すように、光ビームをパターン情報に応じて光変調する前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)としての、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(以下「DMD」ということがある。)50と、DMD50の光入射側に配置され、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されるレーザ出射部68を備えた光照射手段66としてのファイバアレイ光源66と、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67と、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69と、DMD50で反射されたレーザ光Bを、パターン形成材料150上に結像する結像光学系51とを備えている。なお、図10では、レンズ系67を概略的に示してある。
図12は、パターン情報に基づいて、DMDの制御を行うコントローラである。
DMD50は、図12に示すように、データ処理部、ミラー駆動制御部などを有するコントローラ302に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
図1は、前記光変調手段としてのデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。
図1に示すように、DMD50は、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
図2(A)及び(B)は、DMDの動作を説明する図である。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図2(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図2(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。
従って、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを制御することによって、DMD50に入射したレーザ光は、それぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図1では、マイクロミラー62が、+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された前記コントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、図示しない光吸収体が配置されている。
DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。
図3(A)は、DMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図3(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
図3(B)に示すように、DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
次に、前記光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称することがある)について説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
ここで、DMD50全体のデータ処理速度には、限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
DMD50は、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されているが、コントローラ302により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御される。
図4(A)及び(B)は、DMDの使用領域を示す図である。
図4(A)に示すように、DMDの使用領域としては、DMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図4(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上説明した通り、本発明のパターン形成方法によれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
前記露光の方法としては、図5に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査でパターン形成材料150の全面を露光してもよい。
また、前記露光の方法としては、図6(A)及び(B)に示すように、スキャナ162によりパターン形成材料150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査でパターン形成材料150の全面を露光するようにしてもよい。
前記露光は、前記感光層の一部の領域に対してされることにより該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、前記硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去され、パターンが形成される。
次に、レンズ系67及び結像光学系51を説明する。
図11は、図10における露光ヘッドの構成の詳細を示す光軸に沿った複走査方向の断面図である。
図11に示すように、レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74を備えている。
集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。
レンズ系67から出射したレーザ光Bは、ミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図10では、このTIRプリズム70は省略してある。
図11に示すように、結像光学系51は、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とを備えている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。
マイクロレンズ55aの配置ピッチは、縦方向、横方向とも41μmである。マイクロレンズ55aの焦点距離は、0.19mm、NA(開口数)は0.11である。
また、マイクロレンズ55aは、光学ガラスBK7から形成されている。
各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径としては、41μmである。
アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されている。各アパーチャ59aの径は、10μmである。
第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。
第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影する。
従って、光学系全体では、DMD50による像が、4.8倍に拡大されてパターン形成材料150上に結像、投影される。
なお、前記第2結像光学系とパターン形成材料150との間にプリズムペア73が配設され、該プリズムペア73を図11において、上下方向に移動させることにより、パターン形成材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、パターン形成材料150は矢印F方向に副走査送りされる。
次に、前記マイクロレンズアレイ、前記アパーチャアレイ、及び前記結像光学系等について図面を参照しながら説明する。
図13(A)は、前記露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図である。
図13(A)に示すように、前記露光ヘッドは、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される。
図14は、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す図である。
図14において、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。図中x方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。
図15(A)及び(B)は、それぞれ、図14におけるx方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図14及び図15に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
図16(A)及び(B)は、それぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を示す図である。
図16(A)に示すように、マイクロレンズアレイ55は、DMD50のマイクロミラー62に対応して、マイクロレンズ55aを横方向に1024列、縦方向に256列並設して構成される。
マイクロレンズアレイ55の長辺の寸法は、50mmであり、短辺の寸法は20mmである。
なお、同図(A)では、マイクロレンズ55aの並び順を、横方向についてはjで、縦方向についてはkで示す。
図17(A)及び(B)は、マイクロレンズアレイ構成するマイクロレンズの正面形状及び側面形状を示す図である。なお、図17(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示す。
図17(A)及び(B)に示すように、マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされる。
非球面形状のマイクロレンズ55aは、具体的には、x方向における曲率半径Rxが−0.125mmであり、y方向における曲率半径Ryが−0.1mmとされるトーリックレンズである。
図18は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図である。
図18に示すように、マイクロレンズアレイ構成するマイクロレンズ55aとして、光出射側の端面が非球面形状であるトーリックレンズが用いられているため、x方向及びy方向に平行断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、x方向に平行断面内とy方向に平行断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなる。
マイクロレンズ55aの形状としては、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状をさらに高精細にすることができる。さらには、マイクロミラー62の反射面の歪みに応じて、前述したx方向及びy方向の曲率が互いに一致しているようなレンズ形状を採用することも可能である。以下、そのようなレンズ形状の例について詳しく説明する。
図39(A)、(B)にそれぞれ等高線付き正面形状、側面形状を示すマイクロレンズ55a”は、x方向及びy方向の曲率が互いに等しく、かつ、該曲率が、球面レンズの曲率Cyをレンズ中心からの距離hに応じて補正したものとなっている。すなわち、このマイクロレンズ55a”のレンズ形状の基となる球面レンズ形状は、例えば、下記計算式(数1)でレンズ高さ(レンズ曲面の光軸方向位置)zを規定したものを採用する。
なお、上記曲率Cy=(1/0.1mm)である場合の、レンズ高さzと距離hとの関係をグラフにして図40に示す。
そして、上記球面レンズ形状の曲率Cyをレンズ中心からの距離hに応じて下記計算式(数2)のように補正して、マイクロレンズ55a”のレンズ形状とする。
前記計算式(数2)においても、zの意味するところは上述の計算式(数1)と同じであり、ここでは4次係数aおよび6次係数bを用いて曲率Cyを補正している。なお、上記曲率Cy=(1/0.1mm)、4次係数a=1.2×10、6次係数a=5.5×107である場合の、レンズ高さzと距離hとの関係をグラフにして図41に示す。
また、マイクロレンズ55aの光出射側の端面形状をトーリック面とすることの他、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成することも可能である。
図19a、b、c、及びdは、マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を示す図である。
また、比較のために、マイクロレンズが、曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を、図20a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離、をそれぞれ示す。
図19a〜dと図20a〜dとを比較すると明らかなように、本発明のパターン形成方法ではマイクロレンズ55aを、y方向に平行断面内の焦点距離がx方向に平行断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。このため、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行断面内の焦点距離がy方向に平行断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置される。アパーチャアレイ59に備えられた各アパーチャ59aには、対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射する。従って、1のマイクロレンズ55aに対応する1のアパーチャ59aには、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比を高めることが可能となる。
アパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果が得られるが、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下する。この場合、マイクロレンズ55aを前記非球面形状とすることにより、光の遮断が防止され、光利用効率が高く保たれる。
なお、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、マイクロミラー62の2つの対角線方向に光学的に対応するx方向およびy方向の曲率が異なるトーリックレンズであるマイクロレンズ55aが適用されているが、マイクロミラー62の歪みに応じて、図38(A)、(B)にそれぞれ等高線付き正面形状、側面形状を示すように、矩形のマイクロミラー62の2つの辺方向に光学的に対応するxx方向およびyy方向の曲率が互いに異なるトーリックレンズからなるマイクロレンズ55a’を適用することも可能である。
また、前記マイクロレンズアレイ55及びアパーチャアレイ59により、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明のパターン形成方法においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、本発明を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
図13(A)に示すように、前記結像光学系は、レンズ480、482を備え、アパーチャアレイ59を通過した光は、該結像光学系により被露光面56上に結像される。
以上説明したとおり、前記パターン形成装置は、DMD50により反射されたレーザ光が、レンズ系の拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図13(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、前記パターン形成装置では、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を備えているので、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図13(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することが可能となり、MTF特性の低下を防止して、高精細な露光を行うことができる。
なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くすために、DMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
図22(A)及び(B)は、他のマイクロレンズアレイの正面形状及び側面形状を示す図である。
図22に示すとおり、他のマイクロレンズアレイとしては、各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせたものである。
図示の通り、他のマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
図23は、図22のマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行断面内におけるレーザ光Bの集光状態を示す概略図である。
図23に示すように、マイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行断面内とy方向に平行断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、図17及び図18に示したマイクロレンズ55aにおいて、併せて、前記屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正することも可能である。
図42は、さらに他のマイクロレンズアレイを示す斜視図である。 図42に示すとおり、さらに他のマイクロレンズアレイとしては、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズを配列したものである。
先に図14及び図15を参照して説明したとおり、DMD50のマイクロミラー62の反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラー62の中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラー62の1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、上記の傾向もより顕著となっている。
本例のマイクロレンズアレイは、上述の問題に対処するために適用されたものである。このマイクロレンズアレイ255は、アレイ状に配設されたマイクロレンズ255aが円形のレンズ開口を有するものとされている。そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラー62の反射面の周辺部、特に、四隅部で反射したレーザ光Bはマイクロレンズ255aによって集光されなくなり、集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。したがって、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
また、前記マイクロレンズアレイ255においては、図42に示したとおり、マイクロレンズ255aを保持している透明部材255b(これは通常、マイクロレンズ255aと一体的に形成される)の裏面、つまりマイクロレンズ255aが形成されている面と反対側の面に、互いに離れた複数のマイクロレンズ255aのレンズ開口の外側領域を埋める状態にして、遮光性のマスク255cが形成されている。このようなマスク255cが設けられていることにより、マイクロミラー62の反射面の周辺部、特に四隅部で反射したレーザ光Bはそこで吸収、遮断されるので、集光されたレーザ光Bの形状が歪んでしまうという問題がより確実に防止される。
前記マイクロレンズアレイ255において、マイクロレンズの開口形状は上述した円形に限られるものではなく、例えば図43に示すように、楕円形の開口を有するマイクロレンズ455aを複数並設してなるマイクロレンズアレイ455や、図44に示すように多角形(図示の例では四角形)の開口を有するマイクロレンズ555aを複数並設してなるマイクロレンズアレイ555等を適用することもできる。なお上記マイクロレンズ455aおよび555aは、通常の軸対称球面レンズの一部を円形あるいは多角形に切り取った形のものであり、通常の軸対称球面レンズと同様の集光機能を有する。
さらに、本発明においては、図45の(A)、(B)および(C)に示すようなマイクロレンズアレイを適用することも可能である。同図(A)に示すマイクロレンズアレイ655は、透明部材655bのレーザ光Bが出射する側の面に、上記マイクロレンズ55a、455aおよび555aと同様の複数のマイクロレンズ655aが互いに密接するように並設され、レーザ光Bが入射する側の面に上記マスク255cと同様のマスク655cが形成されてなる。なお、図42のマスク255cはレンズ開口の外側部分に形成されているのに対し、このマスク655cはレンズ開口内に設けられている。また同図(B)に示すマイクロレンズアレイ755は、透明部材455bのレーザ光Bが出射する側の面に、互いに離して複数のマイクロレンズ755aが並設され、それらのマイクロレンズ755a間にマスク755cが形成されてなる。また同図(C)に示すマイクロレンズアレイ855は、透明部材855bのレーザ光Bが出射する側の面に、互いに接する状態にして複数のマイクロレンズ855aが並設され、各マイクロレンズ855aの周辺部にマスク855cが形成されてなる。
なお、前記マスク655c、755cおよび855cは全て、前述のマスク255cと同様に円形の開口を有するものであり、それによりマイクロレンズの開口が円形に規定されるようになっている。
以上説明したマイクロレンズ255a、455a、555a、655aおよび755aのように、マスクを設ける等によって、DMD50のマイクロミラー62の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状とする構成は、図17に示す既述のマイクロレンズ55aのようにマイクロミラー62の面の歪みによる収差を補正する非球面形状のレンズや、図22に示すマイクロレンズ155aのように上記収差を補正する屈折率分布を有するレンズに併せて採用することも可能である。そのようにすれば、マイクロミラー62の反射面の歪みによる露光画像の歪みを防止する効果が相乗的に高められる。
特に、図45(C)に示すように、マイクロレンズアレイ855におけるマイクロレンズ855aのレンズ面にマスク855cが形成される構成において、マイクロレンズ855aが上述のような非球面形状や屈折率分布を有するものとされ、その上で、例えば、図11に示したレンズ系52、54のような第1結像光学系の結像位置が、マイクロレンズ855aのレンズ面に設定されているときは、特に光利用効率が高くなり、より高強度の光でパターン形成材料150を露光することができる。すなわち、そのときは、第1の結像光学系により、マイクロミラー62の反射面の歪みによる迷光が該光学系の結像位置で1点に集束するように光が屈折するが、この位置にマスク855cが形成されていれば、迷光以外の光が遮光されることがなくなり、光利用効率が向上する。
本発明のパターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
図24は、光量分布補正光学系による補正の概念を示す説明図である。
図24(A)に示すように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図24(A)において、符号51、52で示した部分は、前記光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
前記光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。即ち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
前記光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図24(B),(C))においても同様である。
図24(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図24(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、前記光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、前記光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザアレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明のパターン形成方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付ける等により光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
表1から分かるように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記式(A)における係数で表される。
上記式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Zは光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を表す。ρは光軸からの距離(mm)を表す。Kは円錐係数を表す。Cは近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)を表す。aiは第i次(i=3〜10)の非球面係数を表す。
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
図26は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示す。ここで、横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図25に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。
図25及び図26に示すように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
次に、光照射手段としてのファイバアレイ光源66を説明する。
図27a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図27a(B)は、(A)の部分拡大図であり、図27a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図である。また、図27bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図である。
図27aに示すように、ファイバアレイ光源66は、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図27bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
図27bに示すように、レーザ出射部68は、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
また、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、図28に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図29に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、かつ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図30及び図31に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図31においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図32は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図32の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
前記ファイバアレイ光源は、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力でかつ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速かつ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図33に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図34(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110を用いることも可能である。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図34(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキャビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。
例えば、図21に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図35に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に、他の合波レーザ光源としては、図36(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
集光光学系は、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって構成される。また、集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成される。
集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、マルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図37(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図37(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図37(B)に示すように、本発明のパターン形成装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図37(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
次に、前記パターン形成装置を用いた本発明のパターン形成方法について説明する。
まず、露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
次に、パターン形成材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164によりパターン形成材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
次に、ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光が、レンズ系54、58によりパターン形成材料150の被露光面56上に結像される。
このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が、描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。
また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
[現像工程]
前記現像工程としては、前記露光工程により前記感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液、0.01〜0.1質量%の水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
なお、現像の方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等が挙げられる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
[その他の工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−硬化処理工程−
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性組成物中の樹脂の硬化が促進され、前記パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ製造方法は、パターン形成材料上に結像させる像の歪みを抑制することにより、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能であるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特に高精細なカラーフィルタパターンの形成に好適に使用することができる。
本発明のカラーフィルタ製造方法においては、上述したように、ガラス基板等の透明基板上に、本発明のパターン形成方法により、RGBの3原色の画素をモザイク状又はストライプ状に配置することができる。
各画素の寸法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜200μmとすることが好適に挙げられる。ストライプ状であれば40〜200μm巾が通常用いられる。
前記カラーフィルタ製造方法としては、例えば、透明基板上に黒色に着色された感光層を用いて、露光及び現像を行いブラックマトリックスを形成し、次いで、RGBの3原色のいずれかに着色された感光層を用いて、前記ブラックマトリックスに対して所定の配置で、各色毎に、順次、露光及び現像を繰り返して、前記透明基板上にRGBの3原色がモザイク状又はストライプ状に配置されたカラーフィルタを形成する方法が挙げられる。
(カラーフィルタ)
本発明のカラーフィルタは、本発明の前記カラーフィルタの製造方法により製造される。
前記カラーフィルタは、赤色(R)着色に顔料C.I.P.R.254、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.139、並びに青色(B)着色に顔料C.I.P.B.15:6を用いて製造した場合には、D65光源によるレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)のそれぞれ総ての単色の色度が、例えば下記表に記載の値となる。この範囲であると、反射モードと透過モードの色のバランスがとれたものとなる。
ここで、前記色度は、顕微分光硬度計(オリンパス光学工業株式会社製、OSP100又は200)により測定し、D65光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La表色系のΔEab値で表す。
前記カラーフィルタは、赤色(R)着色に顔料C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177の少なくともいずれか、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150、並びに青色(B)着色に顔料C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23を用いて製造した場合には、F10光源によるレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)のそれぞれ総ての単色の色度が、例えば下記表に記載の値となる。この範囲であれば、色再現域が広く、色温度が高いTV用のカラーフィルタとして好ましい。
ここで、前記色度は、顕微分光硬度計(オリンパス光学工業株式会社製、OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La表色系のΔEab値で表す。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、本発明の前記カラーフィルタを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の対向基板(TFTなどの能動素子が無い側の基板)に形成するものを対象としている他、TFT基板側に形成するCOA方式、TFT基板側に黒だけを形成するBOA方式、又はTFT基板にハイアパーチャー構造を有するHA方式も対象とすることができる。
前記カラーフィルタ上には、更に必要に応じて、オーバーコート膜や透明導電膜を形成することができる。その後、カラーフィルタと対向基板との間に液晶が封入され、液晶表示装置が作製される。液晶の表示方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、例えば、TN、STN(スーパー・ツイステッド・ネマティック)、IPS(イン・プレーン・スイッチング)、GH(ゲスト・ホスト)、FLC(強誘電性液晶)、AFLC(反強誘電性液晶)、PDLC(高分子分散型液晶)などの表示方式に適用可能である。
前記液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)等の駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、D65光源視野2度において良好な色度を有する本発明のカラーフィルタを用いることにより、透過モード及び反射モードのいずれにおいても鮮明な色を表示することができ、透過モードと反射モードを兼用する携帯端末や携帯ゲーム機等の機器に好適に用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置は、F10光源視野2度において良好な色度を有する本発明のカラーフィルタを用いることにより、高い色純度と色温度を実現でき、例えば、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置などに好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
[カラーフィルタパターンの形成](塗布法)
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃にて3分熱処理して表面状態を安定化させた。該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・ジャパン社製、商品名:MH−1600)にて、下記表5に記載の組成よりなる感光性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、EBR(エッジ・ビード・リムーバー)にて基板周囲の不要な塗布液を除去し、120℃にて3分間プリベークして膜厚2μmの感光層K1を形成した。
<感光性組成物K1の調製>
表5に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して、150RPM1で0分間攪拌した。次いで、表5に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)、150RPMで30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物K1を調製した。
なお、表5に記載の組成物のうち、
・K顔料分散物1の組成は、カーボンブラック(デグッサ社製)13.1質量%、分散剤0.65質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万)6.72質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
・DPHA液の組成は、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)76質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル24質量%からなる。
・界面活性剤1の組成は、下記構造物1 30質量%、及びメチルイソブチルケトン(MEK)70質量%からなる。
ただし、前記構造物1の式中、x及びyの数値はモル比を表す。
<露光工程>
基材上の前記感光層K1に対し、80mJ/m相当のカラーフィルターパターンの露光を行った。その際、以下に説明するパターン形成装置を用い、N雰囲気下で405nmで行った(この例ではN雰囲気下として感度を高めたが、酸素遮断層を設けたり、高効率の開始剤を添加してもよい)。また、テストの意味で以下に説明するパターン形成装置を用いて、波長が405nmのレーザ光を、15段ステップウエッジパターン(ΔlogE=0.15)、及び直径の異なる多数の穴部が形成されるパターンが得られるように照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。
−パターン形成装置−
前記光照射手段として図27〜32に示す合波レーザ光源と、前記光変調手段として図4に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された前記光変調手段の内、1024個×256列のみを駆動するように制御されたDMD50と、図13に示した一方の面がトーリック面であるマイクロレンズをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系480、482とを有するパターン形成装置を用いた。
前記マイクロレンズとしては、図17及び図18に示すように、トーリックレンズ55aが用いられており、前記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、前記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されるアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されている。
<現像工程>
露光が終了した前記感光層を室温にて10分間静置した後、感光層の全面に、富士フイルムアーチ社製のKOH現像液(商品名;CDK−1)を用い、25℃にて60秒間シャワー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。その後、20秒間シャワーにて純水でリンスし、更に、エアーナイフで水を除去し、自然乾燥させ、Kのカラーフィルタパターンを形成した。
−レッド(R)画像の形成−
前記Kの画像を形成した基板に、下記表6に記載の組成よりなる下記感光性組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みR画像を形成した。該R1感光層膜厚は1.5μm、及び顔料(C.I.P.R.254)の塗布量は0.274g/mであった。
<感光性組成物R1の調製>
表6に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPMで10分間攪拌した。次いで、表6に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150RPMで30分間攪拌した。更に、表6に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPMで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物R1を調製した。
なお、表6に記載の組成物のうち、
・R顔料分散物1の組成は、C.I.P.R.254(チバスペシャリティケミカルズ社製)8質量%、分散剤0.8質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物)8質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル83質量%からなる。
・R顔料分散物2の組成は、C.I.P.R.254(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.3質量%、アクリル酸モノ(ジメチルアミノプロピル)アミド/メタクリル酸(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)エステル/メタクリル酸(ポリメチルメタクリレート含有アルコール)エステル1.6質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル93質量%からなる。
・バインダー1の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
<露光工程>
基板上の前記感光層R1に対し、K1と同様に露光した。露光量は50mJ/cmであった。また、評価のため、Kを形成しない基板にも、これと同様に感光層R1を形成し、カラーフィルターパターン、解像度評価パターン(直径の異なる多数の穴部が形成されたパターン)、及びステップウエッジパターンを用いて同様の処理をした。
<現像工程>
Kと同様に現像した。
[評価]
形成されたRのカラーフィルターパターンについて、以下の方法により露光感度、解像度、及びムラの評価を行った。結果を表12に示す。
<露光感度>
得られた前記Rのカラーフィルタパターンにおいて、残った前記感光層の硬化領域の厚みを測定した。次いで、レーザ光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から基板上の硬化領域の厚さが1.5μmとなり、硬化領域の表面が光沢面である時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<解像度>
得られた前記Rの解像度評価パターン形成済みの基板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化層パターンの穴部に残膜が無い、最小の穴径を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
−グリーン(G)画像の形成−
前記KとRの画像を形成した基板に、下記表7に記載の組成よりなる下記感光性組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みG画像を形成した。該G1感光層膜厚は1.4μm、及び顔料(C.I.P.G.36)の塗布量は0.355g/m、顔料(C.I.P.Y.139)の塗布量は0.052g/mであった。Kと同様に露光し、現像した。露光量は40mJ/cm相当であった。
<感光性組成物G1の調製>
表7に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPMで10分間攪拌した。次いで、表7に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルピペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150RPMで30分間攪拌した。更に、表7に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPMで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物G1を調製した。
なお、表7に記載の組成物のうち、
・G顔料分散物1の組成は、C.I.P.G.36(東洋インキ製造株式会社製、分散物)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12質量%、シクロヘキサノン35質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・Y顔料分散物1の組成は、C.I.P.Y.139(BASF社製、商品名:パリオロールエローL1820)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)15質量%、シクロヘキサノン15質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
−ブルー(B)画像の形成−
前記K、R及びGの画像を形成した基板に、下記表8に記載の組成よりなる下記感光性組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程により、熱処理済みB画像を形成し、目的のカラーフィルタを作製した。
該B1感光層膜厚は1.4μm、及び顔料(C.I.P.B.15:6)の塗布量は0.29g/mであった。Kと同様に露光し、現像した。露光量は50mJ/cmであった。
<感光性組成物B1の調製>
表8に記載の量のB顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPMで10分間攪拌した。次いで、表8に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4,6−トリス[2,4−ビス(メトキシカルボニルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM、30分間攪拌した。更に、表8に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPMで5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過した。以上により、感光性組成物B1を調製した。
なお、表8に記載の組成物のうち、
・B顔料分散物1の組成は、C.I.P.B.15:6(東洋インキ社製)10質量%、分散剤1 0.5質量%、分散剤2 0.63質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物)12.5質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
(実施例2)
[カラーフィルターパターンの形成](フィルム法)
−感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上により、仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料K1を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1の調製>
メタノール11.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル6.36質量部、メチルエチルケトン52.4質量部、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃)5.83質量部、スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)13.6質量部、ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを2当量脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製、BPE−500)9.1質量部、及び弗素系ポリマー(C13CHCHOCOCH=CH 40質量部と、H(O(CH)CHCHOCOCH=CH 55部質量と、H(OCHCHOCOCH=CH 5質量部との共重合体、重量平均分子量3万、メチルイソブチルケトン30質量%溶液、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:メガファックF780F)0.54質量部からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
<中間層用塗布液:処方P1の調製>
PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=88%、重合度550)32.2質量部、ポリビニルピロリドン(BASF社製、K−30)14.9質量部、蒸留水524質量部、及びメタノール429質量部からなる中間層用塗布液を調製した。
次に、前記感光性転写材料K1の作製において用いた前記感光性組成物K1を、下記表9〜11に記載の組成よりなる下記感光性組成物R101、G101及びB101に変更した以外は、上記と同様の方法により、感光性転写材料R101、G101及びB101をそれぞれ作製した。
なお、感光性組成物R101、G101及びB101の調製方法は、それぞれ前記感光性組成物R1、G1及びB1の調製方法に準ずる。
なお、表9に記載の組成物のうち、
・R顔料分散物1の組成は、C.I.P.R.254(チバスペシャリティケミカルズ社製)8質量%、分散剤0.8質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物)8質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル83質量%からなる。
・R顔料分散物2の組成は、C.I.P.R.254(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.3質量%、アクリル酸モノ(ジメチルアミノプロピル)アミド/メタクリル酸(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)エステル/メタクリル酸(ポリメチルメタクリレート含有アルコール)エステル1.6質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル93質量%からなる。
・バインダー1の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
なお、表10に記載の組成物のうち、
・G顔料分散物1の組成は、C.I.P.G.36(東洋インキ製造株式会社製、分散物)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12質量%、シクロヘキサノン35質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・Y顔料分散物1の組成は、C.I.P.Y.139(BASF社製、商品名:パリオロールエローL1820)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)15質量%、シクロヘキサノン15質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
表11に記載の組成のうち、
・B顔料分散物1の組成は、C.I.P.B.15:6(東洋インキ社製)10質量%、分散剤1 0.5質量%、分散剤2 0.63質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物)12.5質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
−レッド(R)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業株式会社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃にて2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料R101の保護フイルムを剥離後、ラミネーター(日立テクノ社製)を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
<露光工程>
保護フィルムを剥離後、実施例1と同様のパターン形成装置を用いて、波長が405nmのレーザ光を、15段ステップウエッジパターン(ΔlogE=0.15)、及び直径の異なる多数の穴部が形成されるパターンが得られるように照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。実施例1と同様にカラーフィルターパターンの他、Kを形成しない基板にカラーフィルターパターン、感度評価パターン、解像度評価パターンも作製した。また、露光量は50mJ/cmで、大気雰囲気下で行った。
<現像工程>
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5質量%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃にて50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、35℃にて35秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−SD1、富士写真フイルム株式会社製、或いは、炭酸ナトリウム、フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名:T−SD2、富士写真フイルム株式会社製)を用い、33℃にて20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、レッド(R)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光でポスト露光後、220℃、15分熱処理(ベーク)した。
該R101感光層の膜厚は2.0μm、顔料(C.I.P.R.254)の塗布量は0.314g/mであった。
ここで、実施例1と同様にしてRのカラーフィルターパターンについて、露光感度、解像度、及びムラを評価した。結果を表12に示す。
このRとGとBの画像を形成した基板を220℃にて120分ベークして、目的のカラーフィルタを得た。
このRの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
−グリーン(G)画像の形成−
前記感光性転写材料G101を用い、前記感光性転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画像を作製した。露光量は40mJ/cmとした。
該G101の感光層膜厚は2.0μm、及び顔料(C.I.P.G.36)の塗布量0.396g/m、顔料(C.I.P.Y.139)の塗布量は0.0648g/mであった。
このRとGの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
−ブルー(B)画像の形成−
前記感光性転写材料B101を用い、前記感光性転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画像を作製した。露光量は50mJ/cmとした。
該B101感光層膜厚は2.0μm、及び顔料(C.I.P.B.15:6)の塗布量は0.32g/mであった。
このRとGとBの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
−ブラック(K)画像の形成−
前記感光性転写材料K1を用い、前記感光性転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブラック(K)の画像(カラーフィルタの額縁部分を形成)及びブラックマトリクス部を作製した。露光量は80mJ/cmとした。
(比較例1)
実施例1におけるパターン形成装置において、収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズアレイを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、目的とするカラーフィルタを作製した。
ここで、実施例1と同様にしてRのカラーフィルターパターンについて露光感度、解像度、及びムラを評価した。結果を表12に示す。
(比較例2)
実施例1におけるパターン形成装置において、収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズアレイを用いなかったこと、及び、DMDの制御を全てのマイクロミラー(1024個×768列)を駆動させるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、目的とするカラーフィルタを作製した。
ここで、実施例1と同様にしてRのカラーフィルターパターンについて露光感度、解像度、及びムラを評価した。結果を表12に示す。
<塗布ムラ>
評価のためRの感光層のみを形成した直後の基板を、暗室でNaランプを斜めから照射し、目視にて観察し、ムラの発生の有無を判断した。
<表示ムラ>
パターニングが終了した画素付きの基板(評価のためRの感光層のみを形成した)を、暗室でNaランプを斜めから照射し、目視にて観察し、ムラの発生の有無を判断した。
なお、これらムラの評価はムラが観察しやすいという観点からRの例を示した。
表3の結果より、比較例1及び2のカラーフィルターパターンと比較して、実施例1及び2のカラーフィルターパターンはムラがなく、露光感度及び解像度が高く、効率的にパターンの形成ができることが認められた。
[液晶表示装置の作製及び評価]
実施例1〜2のカラーフィルタ、及び比較例1〜2のカラーフィルタを用いてLEDバックライトを有する反射、透過兼用の液晶表示装置を作製した。比較例1〜2のカラーフィルタを用いた液晶表示装置と比較して、実施例1〜2のカラーフィルタを用いた液晶表示装置が、良好な表示特性を示すことを確認した。
(実施例3)
〔カラーフィルターパターンの形成〕(TV用、塗布法)
−ブラック(K)画像の形成−
実施例1と同様にして形成した。
−レッド(R)画像の形成−
下記表13に記載の組成よりなる感光性組成物R2を用い、実施例1と同様にして形成した。塗布膜厚は1.6μmであった。
なお、表13に記載の組成物のうち、
・R顔料分散物1の組成は、C.I.P.R.254(チバスペシャリティケミカルズ社製)8質量%、分散剤0.8質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物)8質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル83質量%からなる。
・R顔料分散物2の組成は、C.I.P.R.177(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.3質量%、アクリル酸モノ(ジメチルアミノプロピル)アミド/メタクリル酸(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)エステル/メタクリル酸(ポリメチルメタクリレート含有アルコール)エステル1.6質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル93質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
・DPHA液の組成は、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)76質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル24質量%からなる。
・界面活性剤1の組成は、下記構造物1 30質量%、及びメチルイソブチルケトン(MEK)70質量%からなる。
ただし、前記構造物1の式中、x及びyの数値はモル比を表す。
−グリーン(G)画像の形成−
下記表14に記載の組成よりなる感光性組成物G2を用い、実施例1と同様にして形成した。塗布膜厚は1.6μmであった。
なお、表14に記載の組成物のうち、
・G顔料分散物1の組成は、C.I.P.G.36(東洋インキ製造株式会社製、分散物)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12質量%、シクロヘキサノン35質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・Y顔料分散物1の組成は、C.I.P.Y.150(BASF社製、商品名:パリオロールエローL1820)18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)15質量%、シクロヘキサノン15質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
−ブルー(B)画像の形成−
下記表15に記載の組成よりなる感光性組成物B2を用い、実施例1と同様にして形成した。塗布膜厚は1.6μmであった。
なお、表15に記載の組成物のうち、
・B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)の組成は、C.I.P.B.15:6 15質量%、分散剤1 5質量%、分散剤2 1質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)の組成は、C.I.P.B.15:6 11質量%、C.I.P.V.23 1質量%、分散剤1 5質量%、分散剤2 1質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー1の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
・バインダー3の組成は、(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
(実施例4)
〔カラーフィルターパターンの形成〕(TV用、フィルム法)
−ブラック(K)画像の形成−
実施例2と同様にして形成した。ただし、形成順序はブラック(K)を最初とし、ブラックマトリクスと周辺額縁部分を形成した。
−レッド(R)画像の形成−
下記表16に記載の組成よりなる感光性組成物R102を用い、実施例2と同様にして形成した。塗布膜厚は2.0μmであった。
なお、表16に記載の組成物のうち、
・R分散物1の組成は、C.I.P.R.254 8質量%、分散剤0.8質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物)8質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート83質量%からなる。
・R分散物2(富士フイルムアーチ社製、商品名:FF449R)の組成は、C.I.P.R.177 18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=73/27モル比のランダム共重合物)12質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
−グリーン(G)画像の形成−
下記表17に記載の組成よりなる感光性組成物G102を用い、実施例2と同様にして形成した。塗布膜厚は2.0μmであった。
なお、表17に記載の組成物のうち、
・G顔料分散物1(富士フイルムアーチ社製、商品名:GT−2)の組成は、C.I.P.G.36 18質量%、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)12質量%、シクロヘキサノン35質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・Y顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFエローEX2685)の組成は、C.I.P.Y.150 15質量%、分散剤6質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
−ブルー(B)画像の形成−
下記表18に記載の組成よりなる感光性組成物B102を用い、実施例2と同様にして形成した。塗布膜厚は1.6μmであった。
なお、表18に記載の組成物のうち、
・B顔料分散物1(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3357)の組成は、C.I.P.B.15:6 15質量%、分散剤1 5質量%、分散剤2 1質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・B顔料分散物2(御国色素社製、商品名:CFブルーEX3383)の組成は、C.I.P.B.15:6 11質量%、C.I.P.V.23 1質量%、分散剤1 5質量%、分散剤2 1質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 残部からなる。
・バインダー1の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
・バインダー2の組成は、ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量からなる。
・バインダー3の組成は、(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量3.8万)27質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート73質量%からなる。
実施例3及び4について、実施例1及び2と同様にして、露光感度、解像度、及びムラを評価した。結果を表19に示す。
(実施例5)
実施例3において、マイクロレンズとして、図45(c)に示すレンズ面にマスク855cが形成されたマイクロレンズ855aを使用した以外は、実施例3と同様にして、目的とするカラーフィルタを作製した。
ここで、ブラック(B)画像の線幅ばらつきを評価した。結果を表20に示す。
<画像の線幅ばらつきの評価>
ストライプ状に形成されたブラックマトリクスにおいて、画面中央付近の1本について10cmの長さに亘って線幅測定を行い、そのばらつきを求めた。
(実施例6)
実施例4において、マイクロレンズとして、図45(c)に示すレンズ面にマスク855cが形成されたマイクロレンズ855a(軸対象球面:曲率半径=−0.1mm)を使用した以外は、実施例4と同様にして、目的とするカラーフィルタを作製した。
ここで、実施例5と同様にしてブラック(B)画像の線幅ばらつきを評価した。結果を表20に示す。
(比較例3)
比較例1のカラーフィルタについて、実施例5と同様にしてブラック(B)画像の線幅ばらつきを評価した。結果を表20に示す。
(比較例4)
比較例2のカラーフィルタについて、実施例5と同様にしてブラック(B)画像の線幅ばらつきを評価した。結果を表20に示す。
表20の結果より、比較例3及び4のブラック(B)画像と比較して、実施例5及び6のブラック画像(B)は線幅のばらつきを1/4程度に小さくできることが認められた。
本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタは、透過モード及び反射モードのいずれにおいても良好な表示特性を備え、携帯端末、携帯ゲーム機等の液晶表示装置(LCD)用に好適であり、また、ノートパソコン、テレビモニター等の液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイ用としても好適に用いられる。また、ここに実例として挙げたカラーフィルターの他に、特開平11−248921号公報、特許第3255107号公報などに記載の、少なくともRGBのいずれかの色を重ねてスペーサーを形成することもできる。
図1は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 図2(A)及び(B)は、DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 図3(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図4(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 図5は、スキャナによる1回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図6(A)及び(B)は、スキャナによる複数回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図7は、パターン形成装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 図8は、パターン形成装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 図9(A)は、パターン形成材料に形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、図9(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 図10は、光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 図11は、図10に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例である。 図12は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図13(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図13(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図13(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 図14は、DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図の一例である。 図15(A)及び(B)は、前記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 図16は、パターン形成装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図17は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図18は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図19aは、本発明のマイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図19bは、図19aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図19cは、図19aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図19dは、図19aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図20aは、従来のパターン形成方法において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図20bは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図20cは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図20dは、図20aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図21は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図22は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)の一例と側面図(B)の一例である。 図23は、図22のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)の一例と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図24(A)〜(C)は、光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 図25は、光照射手段がガウス分布でかつ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 図26は、光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 図27a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図27a(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、図27a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 図27bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 図28は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図29は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図30は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図31は、図30に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図32は、図30に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図33は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図34(A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、図34(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザレイの斜視図の一例である。 図35は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図36(A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、図36(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 図37(A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(パターン形成装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。 図38は、マクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの他の例を示す正面図(A)と側面図(B)である。 図39は、マクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図の一例(A)と側面図(B)の一例である。 図40は、球面レンズ形状例を示すグラフである。 図41は、他のレンズ面形状例を示すグラフである。 図42は、マイクロレンズアレイの他の例を示す斜視図である。 図43は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図44は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図45(A)〜(C)は、いずれもマイクロレンズアレイの他の例を示す縦断面図である。
符号の説明
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
55a マイクロレンズ
55a’ マイクロレンズ
55a” マイクロレンズ
56 被露光面(走査面)
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 プリズムペア
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャビティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 パターン形成材料
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
255 マイクロレンズアレイ
255a マイクロレンズ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
355 マイクロレンズアレイ
355a マイクロレンズ
454 レンズ系
455 マイクロレンズアレイ
455a マイクロレンズ
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系
555 マイクロレンズアレイ
555a マイクロレンズ
655 マイクロレンズアレイ
655a マイクロレンズ
755 マイクロレンズアレイ
755a マイクロレンズ
855 マイクロレンズアレイ
855a マイクロレンズ

Claims (22)

  1. バインダー、重合性化合物、着色剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成する感光層形成工程と、
    光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する露光工程と、
    該露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. バインダー、重合性化合物、着色剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて基材の表面に、少なくとも、感光層を形成する感光層形成工程と、
    光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後に、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを通過させた光によって、前記感光層を、露光する露光工程と、
    該露光工程により露光された感光層を現像する現像工程とを含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. マイクロレンズが、描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有する請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 感光層が、感光性組成物を基材の表面に塗布し、乾燥することにより形成される請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 感光層が、支持体上に感光性組成物が積層されてなる感光性フィルムを、該支持体とは反対側の面と基材とが当接するように該基材上に積層し、次いで、支持体を剥離することにより形成される請求項1から3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 感光性組成物が、少なくとも、黒色(K)に着色されている請求項1から5のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 少なくとも、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3原色に着色された感光性組成物を用いて、基材の表面に所定の配置で、R、G及びBの各色毎に、順次、感光層形成工程、露光工程、及び現像工程を繰り返してカラーフィルタを形成する請求項1から6のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 赤色(R)着色に少なくとも顔料C.I.P.R.254を、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.139の少なくともいずれかの顔料を、並びに青色(B)着色に少なくとも顔料C.I.P.B.15:6を用いる請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 赤色(R)着色に顔料C.I.P.R.254及び顔料C.I.P.R.177の少なくともいずれかの顔料を、緑色(G)着色に顔料C.I.P.G.36及び顔料C.I.P.Y.150の少なくともいずれかの顔料を、並びに青色(B)着色に顔料C.I.P.B.15:6及び顔料C.I.P.V.23の少なくともいずれかの顔料を用いる請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 非球面が、トーリック面である請求項1から9のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. マイクロレンズが、円形のレンズ開口形状を有する請求項2から10のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. レンズ開口形状が、そのレンズ面に遮光部を設けることにより規定される請求項2から11のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 光変調手段が、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能である請求項1から12のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 光変調手段が、空間光変調素子である請求項1から13のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  15. 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である請求項14に記載のカラーフィルタの製造方法。
  16. 露光が、アパーチャアレイを通して行われる請求項1から15のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  17. 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる請求項1から16のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  18. 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である請求項1から17のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  19. 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを備える請求項1から18のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  20. レーザ光の波長が395〜415nmである請求項19に記載のカラーフィルタの製造方法。
  21. 請求項1から20のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
  22. 請求項21に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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