JPWO2007074694A1 - カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種を含有する感光性樹脂組成物の層を、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により濃色離画壁を形成する工程、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法、及びこの製造方法により製造されたカラーフィルタ並びにこのカラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供する。

Description

本発明は、小型モバイル機器、大型ディスプレイ等に用いられる液晶表示装置、該液晶表示装置に用いるカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置は、非常にコンパクトであると共に、従来主流であったCRTディスプレイと同等以上の性能を有することから、近年ではCRTディスプレイから置き換わりつつある。
このような表示装置で表示されるカラー画像は、複数色よりなるカラーフィルタからなる基板を通過した光がそのままカラーフィルタを構成する各色に着色され、着色された複数の色の光が画像様に合成されることで形成される。そして現在、カラーフィルタを構成する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の画素でカラー画像が形成されることが一般的である。
これらの画素は、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返すなどの方法によって製造することができる。従来において前記露光は、露光マスクを用い水銀ランプ等で露光してパターンを形成する方法等が用いられてきた。
これに対し近年では、レーザー等を用いたマスクレス露光が行われている。該マスクレス露光としては、例えば、半導体レーザー等のレーザーを用い、また光を変調しながら相対走査する方法としてポリゴンミラーを用いた方法(例えば、特許文献1参照。)、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いた方法(例えば、特許文献2参照。)等がある。
ところで、近年、表示画像のコントラストを向上させるために、ブラックマトリックスには4.0以上の高い光学濃度が要求されるようになってきた。その一方、ブラックマトリックスの厚みが厚いとカラーフィルタの表面平滑性が損なわれるため、ブラックマトリックスを薄膜に構成することが必要とされる。
従来より、高い遮光性を有する表示装置用のブラックマトリックスの作製には、金属の薄膜が用いられてきた。これは、蒸着法やスパッタリング法により形成されたクロム等の金属薄膜の上にフォトレジストを塗布し、次いで表示装置用遮光膜用パターンをもつフォトマスクを用いてフォトレジストを露光・現像した後、露出した金属薄膜をエッチングし、最後に金属薄膜の上に残存するフォトレジストを剥離除去することにより形成する方法によるものである(例えば、非特許文献1参照)。
この方法は、金属薄膜を用いるため、膜厚が小さくても高い遮光効果が得られる反面、蒸着法やスパッタリング法という真空成膜工程やエッチング工程が必要となり、コストが高くなるという問題がある。また、金属膜であるため反射率が極めて高く、強い外光の下では表示コントラストが低くなる問題もある。これらに対応して、低反射クロム膜(金属クロムと酸化クロムとの2層からなるもの等)を用いる方法も提案されているが、更なるコストアップとなることは否めない。そして更に、エッチング工程では金属イオンを含有した廃液が排出されるため、環境負荷が大きいという大きな欠点も有している。特に、金属薄膜の形成に最もよく用いられるクロムは、有害で環境負荷が非常に大きい。
一方、環境負荷の小さいブラックマトリックスを得る技術の一つに、カーボンブラックを用いた技術がある(例えば、特許文献3参照)。これは、カーボンブラックを含有する感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させたものを露光、現像してブラックマトリクスとするものである。
上記以外に、環境負荷が小さく薄膜で光学濃度の高いブラックマトリックスを得る方法として、カーボンブラックの代わりに金属微粒子を用いる方法が知られている(例えば、特許文献4〜5参照)。この方法によると、環境負荷が小さく、薄膜で光学濃度の高いブラックマトリックスを得ることができるとされている。
しかし、特許文献2〜3に具体的に示されている銀微粒子を用いた場合は、確かに薄膜で光学濃度の高いブラックマトリクスが得られるものの、このブラックマトリクスは反射率が高いという問題がある。そのうえ、このブラックマトリクスの製造工程で通常行なわれるベーク処理(熱処理)によってその反射率は更に増大する問題がある。反射率の高いブラックマトリクスを備えた表示装置は、表示画面の表面における外部光の反射が多く、表示品位は低下する。これは、例えばテレビを明るい室内で見る場合に大きな問題となる。
一方、カラーフィルタの輝度を高くするには、前述のマスクレス露光を行うに際し、光源の開口率を大きくして、ブラックマトリックスなどの濃色離画壁の位置精度を向上させることが好ましい。ところが、前述のようなカーボンブラックを用いた樹脂組成物では、例えばマスクレス露光で使用するレーザー光(例えば、波長405nm)を吸収するため、感度が不足し、かつ現像でのラチチュードが狭くなるという問題があった。特に、ブラックマトリックスの濃度アップや高さをアップしたときにこの問題が顕著であった。
特開2002−523905号公報 特開2004−56080号公報 特開昭62−9301号公報 特開2004−240039号公報 特開2005−17322号公報 「カラーTFT液晶ディスプレイ」p.218〜p.220、共立出版(株)発行(1997年4月10日)
本発明は、上記従来における欠点に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、感光性樹脂組成物の層をマスクレス露光により硬化する工程を含むカラーフィルタの製造方法において、該工程における露光感度の高感度化を図ることができ、かつ現像ラチチュードを広くすることができるカラーフィルタの製造方法、及び該製造方法により得られる高輝度のカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第一の態様は、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種を含有する感光性樹脂組成物の層を、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により濃色離画壁を形成する工程、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様に係るカラーフィルタの製造方法により製造されてなるカラーフィルタを提供する。
本発明の第三の態様は、本発明の第二の態様に係るカラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、感光性樹脂組成物の層をマスクレス露光により硬化する工程を含むカラーフィルタの製造方法において、該工程における露光感度の高感度化を図ることができ、かつ現像ラチチュードを広くすることができるカラーフィルタの製造方法、及び該製造方法により得られる高輝度のカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することができる。
本発明に係る露光ユニットの外観を示す斜視図である。 本発明に係る露光ユニットのスキャナの構成を示す斜視図である。 感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図である。 各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。 本発明に係る露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図である。 図5Aの側面図である。 デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図である。 DMDの動作を説明するための説明図である。 DMDの動作を説明するための説明図である。 DMDを傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)の走査軌跡を示す図である。 DMDを傾斜させた場合の露光ビームの走査軌跡を示す図でえある。 ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図である。 図9Aの部分拡大図である。 レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図である。 レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図である。 マルチモード光ファイバの構成を示す図である。 合波レーザ光源の構成を示す平面図である。 レーザモジュールの構成を示す平面図である。 図12に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。 図12に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 露光装置における焦点深度を示す断面図である。 露光装置における焦点深度を示す断面図である。 DMDの使用領域の例を示す図である。 DMDの使用領域の例を示す図である。 DMDの使用領域が適正である場合の側面図である。 図17Aの光軸に沿った副走査方向の断面図である。 実施例に用いたパターン形成装置を説明するための図である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金とからなる複合粒子のうちの少なくとも一種(以下、単に「金属粒子等」と呼ぶ場合がある。)を含有する感光性樹脂組成物の層を、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光(以下、「マスクレス露光」とも言う。)により硬化する工程、を含むことを特徴としている。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、感光性樹脂組成物中に、従来のようなカーボンブラックの代わりに、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金とからなる複合粒子のうちの少なくとも一種が含有される。それとともに、マスクレス露光によるパターン形成が行われる。その結果として、カーボンブラックと比べ、例えば405nmの短波の波長のレーザー光の吸収が減少し、高感度化及び現像ラチチュードの広範化を達成することができる。
以下に、先ず、本発明に係る感光性樹脂組成物について詳述する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種とを少なくとも含んでなり、目的や用途その他必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。これら各成分について、具体的に説明する。
−金属又は合金からなる粒子、金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子−
本発明において、金属の定義については、岩波理化学辞典 第4版(1987年、岩波書店発行)に記載されている通りである。本発明における銀錫合金は、銀と錫が原子レベルで混合したもので、固溶体、共晶、化合物、金属間化合物などが含まれる。なお、合金については、例えば、岩波理化学辞典 第4版(1987年、岩波書店発行)に記載されている。
前記「金属粒子等」は、濃色離画壁の色材としてのカーボンブラックの代わりに使用されるものであり、黒濃度が高いものを使用することが好ましい。そのような観点から、高濃度を達成することができ、色のニュートラル性が高い金属粒子が好ましい。
前記金属としては、長周期型周期表の第3族〜第14族の金属が好ましく、特に銀、錫、金、銅、パラジウム、タングステン、チタン等を好適に用いることができ、中でも特に、安全性、コストなどを点で、銀、錫が好ましい。
前記合金としては、上記の複数種の金属の合金が好ましく、中でも特に、銀錫合金が好ましい。
本発明に係る「金属粒子等」を用いることにより、黒濃度が高く、カーボンブラックでは吸収が多い405nmなどの短波のレーザー光に対する吸収が少なく、マスクレス露光時において高感度とすることができる。
以下に、「金属粒子等」の中でも特に好ましい銀錫複合粒子を例に説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、銀錫複合粒子を一種単独で含有するのみならず、Agの割合が異なる二種以上の銀錫複合粒子を併用して構成するようにしてもよい。
前記銀錫複合粒子は、坩堝などの中で加熱、溶融混合して形成する等の一般的方法で合金化する等して形成することが可能である。しかし、Agの融点は900℃付近で、Snの融点は200℃付近であって両者の融点に大きな差があるうえ、複合化(例えば合金化)後の微粒子化工程が余分に必要になることから、粒子還元法によるのが好ましい。すなわち、Ag化合物とSn化合物とを混合し、これを還元するものであり、金属Agと金属Snを同時に接近した位置で析出させ、複合化(例えば合金化)と微粒子化とを同時に達成する方法である。Agは還元されやすく、Snよりも先に析出する傾向にあるため、Ag及び/又はSnを錯塩にすることにより析出タイミングをコントロールすることが好適である。
前記Ag化合物としては、硝酸銀(AgNO3)、酢酸銀(Ag(CH3COO))、過塩素酸銀(AgClO4・H2O)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸銀が好ましい。
前記Sn化合物としては、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、酢酸第一錫(Sn(CH3COO)2)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸第一錫が好ましい。
還元は、還元剤を用いる方法、電解により還元する方法等を好ましい還元方法として挙げることができる。中でも、還元剤を用いた前者による方法が、微細な粒子が得られる点で好ましい。前記還元剤としては、ハイドロキノン、カテコール、パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。中でも、揮発しやすく、表示装置に悪影響を与えにくい点で、ヒドロキシアセトンが特に好ましい。
前記銀錫複合粒子は、以下に示す物理的性質や、粒子サイズ、粒子形状等を有する粒子であるのが好ましい。
本発明に係る銀錫複合粒子は、示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scanning Calorimetry)による測定で、240〜400℃に融点を有する粒子であることが好適である。融点が該範囲であるため、金属Ag(融点:950℃)や金属Sn(融点:230℃)に比し、良好な熱安定性を示す。
具体的には、AgSn合金の融解性(融点)は、試料としてAgSn合金20mgをDSC(SSC/5200、セイコーインスツルメント(株)製)の測定セルにセットし、DSCによる降温結晶化ピークを、10℃/分の降温速度で200℃から室温まで冷却して測定される。
前記銀錫複合粒子は、数平均粒子サイズで、20〜700nmが好ましく、より好ましくは30〜200nmであり、特に好ましくは40〜100nmである。数平均粒子サイズが特に前記範囲であると、金属Snの粒子とは異なり、いずれの粒子径でも黒い色相を有する。なお、数平均粒子サイズが、700nmを超えると成膜したときの面状が悪くなることがあり、20nm未満であると黒さが減って黄色味を帯びてくることがある。
前記数平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて次のようにして測定されるものである。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとする。なお、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いる。
前記「金属粒子等」の粒子形状としては、特に制限はなく、キュービック状、高アスペクト、中アスペクト、針状等のいずれの形状であってもよい。
上記の物理的性質、粒子サイズ、粒子形状を少なくとも有し、かつ維持される限り、銀錫合粒子を形成する元素(Ag及びSn)以外に、更に塩や有機物、その他の元素(Ca、P、Na等)などを含んでいてもよい。
感光性樹脂組成物中における「金属粒子等」の量としては、目的や用途に応じて適宜選択すればよく、高度の遮光性を得る観点からは、組成物の全固形分(体積)に対して、5〜20体積%が好ましく、7〜15体積%がより好ましく、8〜15体積%が最も好ましい。銀錫複合粒子の量が特に前記範囲であると、光の反射率が抑えられ、黒濃度が高く、薄膜で高い遮光性を得ることができる。特に、カラーフィルタの濃色離画壁としては、高コントラストで鮮やかな表示画像を得ることが可能である。なお、銀錫複合粒子の量が、5体積%未満であるときには反射率が高く表示コントラストを損なうことがあり、20体積%を超えるときには成膜した際の膜厚が1μmより厚くなることがある。
また、後述する樹脂及びその前駆体との関係では、樹脂及びその前駆体の総量(質量)に対して、「金属粒子等」は0.3〜8.0質量%が好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
−樹脂及びその前駆体−
本発明に係る感光性樹脂組成物は、樹脂及びその前駆体の少なくとも一種を含有する。樹脂はバインダーとしてのポリマー成分であり、樹脂の前駆体は、重合したときに樹脂を構成する成分であり、いわゆるモノマー、オリゴマー成分などが含まれる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、樹脂及びその前駆体より選択される一種又は二種以上を含有することにより、感光性の重合性組成物として構成し、感光性が付与される。
前記感光性樹脂組成物は、上記以外の成分として、光重合開始剤、及びエチレン性不飽和二重結合を含み、光で付加重合するモノマー(以下、「光重合性モノマー」ということがある。)等を含有してもよい。
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。
前記感光性樹脂組成物は、光や電子線などの放射線を受容する部分が硬化するネガ型でも放射線未受容部が硬化するポジ型でもよい。
ポジ型感光性樹脂組成物には、ノボラック系の樹脂を用いたものが挙げられる。例えば、特開平7−43899号公報に記載のアルカリ可溶性ノボラック樹脂系を使用することができる。また、特開平6−148888号公報に記載の、ポジ型感光性樹脂、すなわち該公報に記載のアルカリ可溶性樹脂と、感光剤として1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと、該公報に記載の熱硬化剤との混合物を含む感光性樹脂を用いることができる。この場合には熱硬化性に構成される。さらに、特開平5−262850号公報に記載の組成物も活用可能である。
ネガ型感光性樹脂組成物としては、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは、光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを基本構成要素として含む光重合性組成物である。該光重合性組成物には、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」「重合開始剤C」「界面活性剤」「接着助剤」や、その他の組成物が利用できる。
例えば、ネガ型でアルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物としては、主成分としてカルボン酸基含有のバインダー(アルカリ可溶な熱可塑性樹脂等のアルカリ可溶性バインダー)と、光重合開始剤と、光の照射によって付加重合することのできるエチレン性不飽和二重結合含有モノマー(光重合性モノマー)とを含む組成物が挙げられる。
前記アルカリ可溶性バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報、及び特開昭59−71048号公報に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などを挙げることができる。また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができる。この他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。特に、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体やベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体も挙げることができる。
前記アルカリ可溶性バインダーは、30〜400mgKOH/gの範囲の酸価と1000〜300000の範囲の重量平均分子量を有するものを選択するのが好ましい。以上の他に、種々の性能、例えば、硬化膜の強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、アルカリ不溶性のポリマーを添加してもよい。アルカリ不溶なポリマーとしては、アルコール可溶性ナイロンあるいはエポキシ樹脂を挙げることができる。
前記アルカリ可溶性バインダーは、感光性樹脂組成物の全固形分に対して通常、10〜95質量%、さらに20〜90質量%が好ましい。10〜95質量%の範囲では、感光性樹脂層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることもない。
前記光重合開始剤としては、米国特許第2367660号明細書に記載のビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号及び同第2951758号の各明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載のトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載のトリハロメチルオキサジアゾール化合物等が挙げられる。特に好ましくはトリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール、トリアリールイミダゾール二量体である。これら以外に、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
光重合開始剤は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよく、特に2種類以上を用いることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
露光感度が高く、黄ばみなどの変色が少なく、表示特性の良い光重合開始剤の組み合わせの例としては、ジアゾール系光重合開始剤と、トリアジン系光重合開始剤との組合せが挙げられる。中でも、2−トリクロロメチル5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールと、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキンカルボニルメチル)アミノ−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジンとの組合せが最もよい。
これらの光重合開始剤の比率は、ジアゾール系/トリアジン系の質量比率で、好ましくは95/5から20/80、より好ましくは90/10から30/70、最も好ましくは80/20から60/40である。
これらの光重合開始剤は、特開平1−152449号公報、特開平1−254918号公報、特開平2−153353号公報に記載のものが挙げられる。
さらに、好適な例としてはベンゾフェノン系も挙げられる。
本発明に係る感光性樹脂組成物の固形分全体に占める「金属粒子等」の割合が5〜20体積%付近の場合、前記光重合開始剤にクマリン系化合物を混合することによっても、露光感度が高く黄ばみなどの変色が少なく表示特性の良い、という効果が得られる。クマリン系化合物としては、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンが最もよい。
これらの光重合開始剤とクマリン系化合物の比率は、光重合開始剤/クマリン系化合物の質量比率で、好ましくは20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、最も好ましくは40/60から60/40である。
ただし、本発明に使用できる光重合開始剤は、これらに限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
前記光重合開始剤は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。前記含有量が前記範囲内であると、光感度や画像の強度が低下を防止でき、十分に性能を向上させることができる。
前記光重合性モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンもしくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
さらに、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に開示されているウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に開示されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
光重合性モノマーは、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
光重合性モノマーの感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は、5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性樹脂層の粘着性が過剰になることもない。
前記感光性樹脂組成物は、前記成分の他に更に熱重合防止剤を含むことが好ましい。前記熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール、ピロガロール等の芳香族ヒドロキシ化合物、ベンゾキノン、p−トルキノン等のキノン類、ナフチルアミン、ピリジン、p−トルイジン、フェノチアジン等のアミン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩又はアンモニウム塩、クロラニール、ニトロベンゼン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
前記感光性樹脂組成物は、更に必要に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、界面活性剤、密着促進剤、分散剤、可塑剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。
前記密着促進剤としては、例えばアルキルフェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム、アクリル樹脂系粘着剤、芳香族系、脂肪族系又は脂環族系の石油樹脂、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、本発明に係る金属複合粒子を水分散物の形態で用いる場合には、前記感光性樹脂組成物として水系のもの用いてもよい。このような感光性樹脂組成物としては特開平8−271727号公報の段落[0015]ないし[0023]に記載のものの他、市販のものとしては例えば、東洋合成工業(株)製の「SPP−M20」等が挙げられる。
−溶媒−
本発明に係る感光性樹脂組成物は、更に溶媒を用いて好適に構成することができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、例えば、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム、等の種々のものを用いることができる。
溶媒は、1種単独で用いる以外に2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、濃色離画壁は、以上の感光性樹脂組成物を調製し、該組成物を塗布、乾燥させて樹脂層(感光性樹脂層を含む)を形成し、これをパターニングする方法(塗布法)及び、前記組成物の層が設けられた転写材料を作製し、該層を転写して感光性樹脂層を形成し、これをパターニングする方法(転写法)、のいずれの方法で形成してもよい。なお、本発明において、パターンニングする方法はマスクレス露光を採用しており、詳細については後述する。
前記樹脂層(感光性樹脂層を含む)は、本発明に係る感光性樹脂組成物を公知の塗布法により塗布し、乾燥させることによって好適に形成することができる。本発明においては、前記塗布を、液を吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いて行なうことが好ましい。
具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコーターが好適に用いられる。その他にも、前記樹脂層は、本発明に係る感光性樹脂組成物の溶液を例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより形成することができる。
また、転写法による場合は、後述する本発明の感光性転写材料を用いて、最終の支持体をなす基板上に感光性樹脂層を転写することによって、基板上に感光性樹脂層を形成することができる。
〜濃色離画壁の形成方法〜
次に、濃色離画壁の形成方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、濃色離画壁は、前記感光性樹脂組成物、又は後述する感光性転写材料を用いて形成した層をパターニングすることにより作製することができる。
濃色離画壁の膜厚は、0.2〜10μm程度が好ましく、より好ましくは0.5〜5μm以下である。
本発明に係る濃色離画壁は、例えば、AgSn合金粒子を含む場合、Agの割合が30〜80モル%の「金属粒子等」が分散されてなる膜であるのが好ましく、これにより薄膜で高度の光学濃度(4.0以上)を得ることができる。
分散時における「金属粒子等」の存在状態は特に限定されないが、「金属粒子等」が安定な分散状態で存在していることが好ましい。分散には分散剤として、チオール基含有化合物、ポリエチレンオキサイド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類及び多糖類由来の天然高分子、合成高分子及びこれらに由来するゲルなどを用いることができる。
以下、濃色離画壁の例としてブラックマトリックスについて、その形成方法の一例を説明する。
第1の方法は、まず、本発明に係る感光性樹脂組成物を基板に塗布し、感光性樹脂層を形成する。その後、マスクレス露光・現像してブラックマトリクスをなすパターン以外の部分の感光性樹脂層を除却することによりパターン形成を行ない、ブラックマトリクスとする方法である。また、後述の中間層と同組成の層を感光性樹脂層上に形成して保護層とすることもできる。塗布は、スリット状ノズル、又はスリットコーターを用いるのが好適である。
第2の方法は、感光性転写材料を用いた転写法による方法である。すなわち、感光性転写材料を用いて基板(すなわち最終の支持体)上に少なくとも感光性樹脂層を転写し、基板上に転写された少なくとも感光性樹脂層をパターン状にマスクレス露光した後、露光された感光性樹脂層を現像処理して不要部(濃色離画壁であるブラックマトリクスを構成しない部分)を現像除去し、さらに現像処理後の少なくとも感光性樹脂層を加熱してベーク処理を施す方法である。
具体的には、光透過性基板の上に、本発明に係る感光性樹脂層が形成された感光性転写材料を、感光性転写材料の感光性樹脂層が接触するように配置して貼り合わせる。次いで感光性転写材料と光透過性基板との積層体から仮支持体を剥離した後、感光性樹脂層を露光、現像してパターン化することにより、ブラックマトリクスを形成する。この方法は、煩瑣な工程を必要とせず低コストである。
上記のようにして、本発明に係るブラックマトリクス(濃色離画壁)が形成された基板を得ることができ、この基板に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の着色画素を設けることでカラーフィルタを製造することができる。具体的には、(A)遮光膜付基板上に、R、G又はBに着色された感光性樹脂層を形成し、これを露光、現像する操作を所望の色の数だけ繰り返し行なう方法など、公知の方法で作製することができる。本発明においては、特に、(B)インクジェット方式により、赤色、緑色、青色のいずれか一色の顔料を含有する着色液体組成物を付与する工程により着色画素を形成することが好ましい。以下に、当該工程について説明する。尚、(A)の方法については、下記の濃色離画壁形成方法と同様の方法を用いることができる。
(各画素の形成)
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前記基板上に濃色離画壁を形成した後、インクジェット方式により、赤色、緑色、青色のいずれか一色の顔料を含有する着色液体組成物を液滴付与することにより形成させることが好ましい。特に、本発明においては、混色防止のために濃色離画壁を高くしても、該濃色離画壁の位置精度を高くすることができ、高輝度を維持することができる。
即ち、前記現像工程にて基板上に形成された濃色離画壁間の空隙に対し、2色以上の画素(例えば、RGB各画素)を形成する為の着色液体組成物(例えば、光硬化性樹脂組成物)をインクジェット方式により液滴付与することにより濃色離画壁の空隙に着色液体組成物を侵入させて2色以上の色を有する複数の画素を形成する。
また、このように各画素を形成する前に、濃色離画壁の形状を固定化してもよく、その手段は特に限定されないが以下のようなものが挙げられる。
すなわち、1)現像後、再露光を行う(ポスト露光と呼ぶことがある)、2)現像後、比較的低い温度で加熱処理を行う等である。ここで言う加熱処理とは濃色離画壁を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射するということを指す。
(インクジェット方式)
本発明に用いるインクジェット方式としては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用することができる。
用いるインクは油性であっても、水性であっても使用できる。また、そのインクに含まれる着色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔料の使用がより好ましい。また、公知のカラーフィルタ作製に用いる、塗布方式の着色インク(着色樹脂組成物、例えば、特開2005−3861号公報[0034]〜[0063]記載)や、特開平10−195358号公報[0009]〜[0026]に記載のインクジェット用組成物を使用することもできる。
本発明におけるインクには、着色後の工程を考慮し、加熱によって硬化する、又は紫外線などのエネルギー線によって硬化する成分を添加することもできる。加熱によって硬化する成分としては各種の熱硬化性樹脂が広く用いられる。またエネルギー線によって硬化する成分としては例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示できる。特に耐熱性を考慮してアクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
この場合、下記の顔料などの着色剤を含有させた感光性樹脂組成物を、好適なものとして用いることができる。
また、本発明において用いることができるインクとしては、少なくともバインダー、及び、2官能乃至3官能のエポキシ基含有モノマーを含有するカラーフィルタ用熱硬化性インクも好適なものとして用いることができる。
−顔料−
本発明に係る感光性樹脂組成物には、上記の金属粒子と併用して、公知の顔料を使用することができる。顔料は、感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが好ましい。
本発明に用いる顔料としては、具体的には、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。そのほか、シリカ粒子なども、ここでいう顔料に含まれる。
前記感光性樹脂組成物の固形分中の顔料の比率は、十分に現像時間を短縮する観点から、10〜70質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、20〜55質量%であることがさらに好ましい。
上記公知の顔料としては、例えば、特開2005−17716号公報の段落番号0038から0040に記載の顔料、特開2005−361447号公報の段落番号0068から0072に記載の顔料、及び特開2005−17521号公報の段落番号0080から0088に記載の顔料などが好適に挙げられる。
黒色顔料として、さらに例示すると、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
上記顔料は分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる顔料は、分散安定性の観点から、数平均粒径0.001〜0.1μmのものが好ましく、更に0.01〜0.08μmのものが好ましい。また、顔料数平均粒径が0.1μm以下であると、顔料による偏光の解消が生じないため、コントラストが向上し、好ましい。
尚、ここで言う「粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
〜感光性樹脂層の形成〜
基板上に感光性樹脂層を形成する方法としては、特に(a)既述の本発明の感光性樹脂組成物を公知の塗布法により塗布する方法(塗布法)、(b)既述の本発明の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーター等を用いて貼り付け、転写する方法(転写法)が好適である。
(a)塗布法
組成物の塗布には、スリット状ノズル、又はスリットコーターが用いられる。スリット状ノズル及びスリットコーターの好ましい具体例等は後述の通りである。
(b)転写法
転写による場合、感光性転写材料を用い、膜状に形成した感光性樹脂層を基板面に加熱及び/又は加圧したローラー又は平板を用いて圧着又は加熱圧着することによって貼り付け、更に剥離転写する。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられ、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
濃色離画壁が形成される基板としては、透明基板が好適であり、例えば、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィルム等を挙げることができる。また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、本発明の感光性樹脂組成物、又は本発明の感光性転写材料の感光性樹脂層との間の密着を良好にすることができる。カップリング処理としては、特開2000−39033記載の方法が好適に用いられる。
上記のようにして感光性樹脂層を設ける場合、感光性樹脂層上には更に酸素遮断膜を設けることができる。これにより、露光感度をアップすることができ、該酸素遮断膜としては、後述の感光性転写材料(樹脂転写材料)の中間層における構成と同様にすることができる。
<パターン形成方法>
本発明において、マスクレス露光による画素形成は、上記の感光性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある。)を用いてなされるものである。
前記パターン形成方法は、例えば、基板上に上記感光性樹脂組成物の層を形成する樹脂層形成工程(a)と、レーザーによって露光するパターン露光工程(b)と、現像を行う現像工程(c)と、現像後の樹脂層を熱処理するポストベーク工程(d)と、を有し、これらの工程をパターンの種類の数だけ繰り返すことにより画素を形成することができる。また、必要により現像工程(c)の後に樹脂層に全面露光を行うポスト露光工程(e)を行うことも好ましい。
(樹脂層形成工程(a))
上記のパターン形成方法において、基板上に感光性樹脂組成物の層を形成する方法としては、(a-1)樹脂組成物を公知の塗布装置等によって塗布する方法、及び(a-2)樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。尚、ここでは塗布方法及びラミネート方法についてのみ説明し、樹脂組成物及び樹脂転写材料については後に詳述する。
(a-1)塗布装置による塗布
感光性樹脂組成物の塗布には、公知の塗布方法、例えばスピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等の方法を用いることができる。中でも特に、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズル(スリットコータ)によって塗布を行うスリットコート法が好適に用いられる。尚、前記スリット状ノズルの好ましい具体例としては、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル及びスリットコーターが挙げられる。
尚、感光性樹脂組成物の塗布によって樹脂層を形成する場合には、後述のパターン露光工程における露光感度をアップする目的で、該樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができる。該酸素遮断膜としては、後述の<樹脂転写材料>の(中間層)の項において説明するものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが好ましい。
(a-2)ラミネーターによる貼り付け
後述の樹脂転写材料を用い、フイルム状に形成した樹脂層を加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板を用い、圧着又は加熱圧着することによって基板上に貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。
(パターン露光工程(b))
本発明におけるパターン露光は、光源としてレーザーを用いたマスクレス露光であり、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う。
露光光を透過させない、または、弱めて透過させる材質で画像(パターン)を形成した「マスク」と呼ばれる物体を露光光の光路に配置し、樹脂層を、該画像に対応したパターン状に露光する従来の露光方式(マスク露光と言う)に対し、上記マスクレス露光とは、前記の「マスク」を使用せずに樹脂層をパターン状に露光する露光方式の事である。
−レーザーの説明−
本発明のパターン露光では、光源としてレーザーが用いられる。
レーザーとは、英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語である。反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器によってレーザー光は照射される。励起媒質としては、結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー(YAGレーザー)、液体レーザー、気体レーザー(アルゴンレーザー、He−Neレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー)、半導体レーザーなどの公知のレーザーを用いることができる。
前記半導体レーザーとは、搬送子の注入、電子ビームによる励起、衝突によるイオン化、光励起などによって電子と正孔とが接合部に流出する時、pn接合で可干渉光を誘導放出するような発光ダイオードを用いるレーザーである。この放出される可干渉光の波長は半導体化合物によって決まる。
本発明に用いられるレーザーの波長は特に限定されないが、中でも解像度とレーザー装置のコスト、入手のしやすさの観点から、上記半導体レーザーにおいては、300〜500nmの波長域から選択するのが好ましく、340〜450nmがより好ましく、特に360〜415nmが好ましい。
また固体レーザーでは、YAG-SHG固体レーザーの532nmが好ましいものとして挙げられる。更に、半導体励起固体レーザーでは532・355・266nmが挙げられる。それらの中でも従来のレジスト用光重合開始剤が感度を有すという点では355nmが好ましく選ばれる。気体レーザーでは、KrFレーザーの249nm、ArFレーザーの193nmが好ましく用いられる。
これらの光源の中で、表示装置の製造工程で、感光性材料を露光する場合を考えると、露光波長が405nmとなる光源を選択することが、表示領域の透過率を高くする観点で好ましい。
レーザーのビーム径は、特に限定されないが、中でも、パターンの解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e2値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
レーザービームのエネルギー量としては、特に限定されないが、中でも、露光時間と解像度の観点から、1〜100mJ/cm2が好ましく、5〜20mJ/cm2がより好ましい。
−相対走査露光−
次いで、本発明における光を変調しながら相対走査する方法について説明する。
そのひとつの代表的な方法は、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス、例えば、1987年、米国テキサス・インスツルメンツのラリー・ホーンベック博士他が開発した光半導体)のような、微小なミラーが二次元に並んだ空間変調素子を用いる方法である。
この場合、光源からの光は、適切な光学系によってDMD上に照射され、DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、樹脂層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、樹脂層の全面を露光することができる。DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON-OFFする事で、画像パターンを形成することができる。このようなDMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行うことができる。
一方、本発明の光を変調しながら相対走査する別の代表的な方法としては、ポリゴンミラーを用いる方法が挙げられる。ポリゴンミラー(polygon mirror)とは、周囲に一連の平面反射面を持った回転部材のことである。樹脂層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を相対移動させることで、基板上の樹脂層の全面を露光することができる。光源からの光の強度を適切な方法でON-OFFまたは、中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。また、光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明の光を変調しながら相対走査する方法としては、例えば、以下の方法も適用することができる。
特開平5−150175に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080に記載のDMDを用いて露光する例、特表2002−523905に記載のポリゴンミラーを備えた露光装置、特開2001−255661に記載のポリゴンミラーを備えた露光装置、特開2003−50469に記載のDMD、LD、多重露光を組み合わせた例、特開2003−156853に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576に記載の位置ずれ調整を行う露光方法の例等である。
以下にレーザー光を用いた3次元露光装置の一例を示すが、本発明における露光装置はこれに限定されるものではない。
露光ユニットは、図1に示すように、感光材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図2及び図3Bに示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、ここでは2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図4、図5A及び図5Bに示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御については後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザー出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザー光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。
レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光を平行光化する1対の組合せレンズ71、平行光化されたレーザー光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ73、及び光量分布が補正されたレーザー光をDMD50上に集光する集光レンズ75で構成されている。組合せレンズ73は、レーザー出射端の配列方向に対しては、レンズの光軸に近い部分は光束を広げ且つ光軸から離れた部分は光束を縮め、且つこの配列方向と直交する方向に対しては光をそのまま通過させる機能を備えており、光量分布が均一となるようにレーザー光を補正する。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザー光を感光材料150の走査面(被露光面)56上に結像するレンズ系54、58が配置されている。レンズ系54及び58は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
DMD50は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラー62を格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7Aは、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図6には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された図示しないコントローラによって行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)をなすように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8AはDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図8BはDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されている。図8Bに示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
ファイバアレイ光源66は、図9Aに示すように、複数(例えば、6個)のレーザーモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合され、図9Cに示すように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザー出射部68が構成されている。なお、図9Dに示すように、発光点を主走査方向に沿って2列に配列することもできる。
光ファイバ31の出射端部は、図9Bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。保護板63は、光ファイバ31の端面と密着させて配置してもよく、光ファイバ31の端面が密封されるように配置してもよい。光ファイバ31の出射端部は、光密度が高く集塵し易く劣化し易いが、保護板63を配置することにより端面への塵埃の付着を防止することができると共に劣化を遅らせることができる。
ここでは、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図10に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザー光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業(株)製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。ここでは、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザー光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザー光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザーから出射された波長405nmのレーザー光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザーモジュール64は、図11に示す合波レーザー光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザー光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザーLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザーの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザー光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザーLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザーでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザーを用いてもよい。
上記の合波レーザー光源は、図12及び図13に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザー光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザーLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図13においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザーのうちGaN系半導体レーザーLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図14は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図14の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザーが用いられている。これらGaN系半導体レーザーLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
従って、各発光点から発せられたレーザービームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザービームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
次に、上記露光装置の動作について説明する。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザー光源を構成するGaN系半導体レーザーLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザービームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
ここでは、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザービームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザービームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザーモジュールにおいて、レーザービームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザーLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザービームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザー出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザー出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザーからのレーザー光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、合波レーザー光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザーと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザーとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザーが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm2(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザー出射部68での輝度は1.6×106(W/m2)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×106(W/m2)である。
これに対して上述した通り、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザー出射部68での発光領域の面積は0.0081mm2(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザー出射部68での輝度は123×106(W/m2)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×106(W/m2)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図15A及び図15Bを参照して、露光ヘッドによる焦点深度の違いについて説明する。図15Aにおいて、露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、図15Bにおいて、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図15Aに示すように、この露光ヘッドでは、光源(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
なお、図15Aのレンズ系2,4及び6は、各々、図15Bのレンズ系67,54及び58に相当する。
一方、図15Bに示すように、この露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1画素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間変調素子であるが、図15A及び図15Bは、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じた画像データが、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
感光材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザー光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザー光は、レンズ系54、58により感光材料150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光が画素毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
図16A及び図16Bに示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されているが、ここではコントローラにより一部のマイクロミラー列(例えば、800個×100列)だけが駆動されるように制御する。
図16Aに示すように、DMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図16Bに示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の画素を全部使用する必要はない。
例えば、600組のマイクロミラー列の内、300組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、600組のマイクロミラー列の内、200組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を17秒で露光できる。更に、100組だけ使用する場合には、1ライン当り6倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を9秒で露光できる。
使用するマイクロミラー列の数、即ち、副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数は、10以上で且つ200以下が好ましく、10以上で且つ100以下がより好ましい。1画素に相当するマイクロミラー1個当りの面積は15μm×15μmであるから、DMD50の使用領域に換算すると、12mm×150μm以上で且つ12mm×3mm以下の領域が好ましく、12mm×150μm以上で且つ12mm×1.5mm以下の領域がより好ましい。
使用するマイクロミラー列の数が上記範囲にあれば、図17A及び図17Bに示すように、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザー光をレンズ系67で略平行光化して、DMD50に照射することができる。DMD50によりレーザー光を照射する照射領域は、DMD50の使用領域と一致することが好ましい。照射領域が使用領域よりも広いとレーザー光の利用効率が低下する。
一方、DMD50上に集光させる光ビームの副走査方向の径を、レンズ系67により副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数に応じて小さくする必要があるが、使用するマイクロミラー列の数が10未満であると、DMD50に入射する光束の角度が大きくなり、走査面56における光ビームの焦点深度が浅くなるので好ましくない。また、使用するマイクロミラー列の数が200以下が変調速度の観点から好ましい。なお、DMDは反射型の空間変調素子であるが、図17A及び図17Bは、光学的な関係を説明するために展開図とした。
スキャナ162による感光材料150の副走査が終了し、検知センサ164で感光材料150の後端が検出されると、ステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
以上説明した通り、露光ユニット(露光装置)は、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御するので、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。これにより高速での露光が可能になる。
(現像工程(c))
用いる現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像等、公知の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム製)」)が好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。現像槽中にはローラーコンベアなどが設置され、基板は水平に移動する。前記ローラーコンベアの傷を防止する意味で、感光性樹脂は基板の上面に形成されるのが好ましい。基板サイズが1メートルを超える場合は、基板を水平に搬送すると、基板中央付近に現像液が滞留し、基板中央と周辺部分での現像の差が問題となる。これを回避するため、基板は斜めに傾斜させるのが望ましい。傾斜角度は、5°から30°が好ましい。
また、現像前に純水を噴霧し、感光性樹脂層を湿らせておくと均一な現像結果となり好ましい。
また、現像後は、基板にエアを軽く吹きつけ、余分な液を略除去した上で、シャワー水洗を実施すると、より均一な現像結果となる。また水洗の前に、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて3から10MPaの圧力で噴射して残渣除去を行うと、残渣の無い高品質の像が得られる。基板に水滴が付着したまま後工程へ搬送すると、工程を汚したり、基板にシミが残ったりするので、エアーナイフにて水切りを行い余分な水や水滴を除去するのが好ましい。
(ポスト露光工程(e))
前記現像工程によって現像化された樹脂層をより硬化させるため、ポスト露光を行うことが好ましい。ここで、ポスト露光に用いる光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が特に好ましく用いられる。露光量としては、通常10〜10000mJ/cm2であり、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。
(ポストベーク工程(d))
本発明におけるパターンを形成した後、必要に応じてポストベークが行われる。
ポストベークの温度は、180℃以上であることが好ましく、更に180〜260℃であることが好ましく、特に200〜240℃が好ましい。またその時間としては、前記の温度を保ったまま10〜300分ベークすることが好ましく、更には15〜200分、特には20〜150分が好ましい。
また、クラックの発生を更に効果的に防止するため、室温から前記ポストベーク温度までの昇温は徐々に行うことが好ましく、具体的には一定速度で1〜100分、更には5〜60分、特には5〜20分かけて前記温度にまで昇温することが好ましい。
尚、本発明のカラーフィルタの製造においては、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載のように、カラーフィルタを形成する感光性樹脂組成物を重ねることで土台を形成し、その上に透明電極を形成し、更に分割配向用の突起を重ねることでスペーサーを形成することが、コストダウンの観点で好ましい。本発明におけるパターンは上述のようにして形成されるが、例えば、K(ブラック)・R・G・Bの4色からなるカラーフィルタの形成のように、樹脂組成物を順次塗布して重ねる場合には、塗布液のレベリングのため重ねるごとに膜厚が薄くなってしまうことがある。このため、該パターンの上には更に分割配向用突起を重ねることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂層を有する転写材料を用いる場合は、厚みが一定に保たれるため、重ねる色は3又は2色とすることが好ましい。
また上記土台のサイズは、転写材料を重ねてラミネートする際の感光性樹脂層の変形を防止し一定の厚みを保持する観点から、25μm×25μm以上が好ましく、30μm×30μm以上が特に好ましい。
<感光性転写材料>
次いで、パターン形成に用いられる感光性転写材料について説明する。
感光性転写材料としては、特開平5−72724号公報に記載されている樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムとして構成されることが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フイルム、仮支持体/熱可塑性樹脂層/感光性樹脂層/保護フイルムを、この順に積層した構成が好適なものとして挙げられる。
尚、この感光性転写材料は、上記感光性樹脂組成物の感光性樹脂層を設けることが必須である。
−仮支持体−
上記樹脂転写材料の仮支持体としては、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが必要である。そのような支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱い易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。また、仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していても良い。
−熱可塑性樹脂層−
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
−中間層−
上記樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましい。この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
−保護フイルム−
樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィンシート若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
−感光性転写材料の作製方法−
本発明における感光性転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後に、中間層を溶解しない溶剤を用いて感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても作製することができる。更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
尚、感光性転写材料において、感光性樹脂組成物の感光性樹脂層の膜厚としては、濃色離画壁の高さに依存するが、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フイルムは4〜40μmが、好ましい。
尚、上記感光性転写材料の作製方法における塗布は、前記感光性樹脂組成物の説明で列挙したような公知の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、特にスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
<基板>
本発明のカラーフィルタの製造方法で用いる基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、樹脂組成物、又は樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましい。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、以上の本発明のカラーフィルタの製造方法によって製造されてなるものである。本発明のカラーフィルタは、高感度で現像ラチチュードが広い状態で濃色離画壁が形成されたものであるから、濃色離画壁の位置精度が高く、高輝度のカラーフィルタである。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを用いて構成されたものである。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、側工業調査会、1994年発行)」に記載がある。
本発明の液晶表示装置には、本発明のカラーフィルタを備える以外に特に制限はなく、例えば前記「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載された種々の方式の液晶表示装置に構成することができる。中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置を構成するのに有効である。
カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)、1996年発行)」に記載がある。
さらに勿論、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置に構成すること可能である。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門、2001年発行)」の43ページに記載がある。
本発明の液晶表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備える以外は、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角補償フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムなどの様々な部材を用いて一般的に構成できる。これら部材については、例えば「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島健太郎、(株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表良吉、(株)富士キメラ総研、2003等発行)」に記載されており、LCDの種類としては、STN、TN、VA、IPS、OCS、及びR−OCB等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)等の、様々な表示モードを採用できる。これらの表示モードの中でも、特に高い表示品位の表示装置を提供できる点で、VA(Vertically Aligned)表示モードが好ましい。
以下に本発明の例示的な実施形態を述べる。しかし本発明はこれらに限定されるものではない。
<1> 樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種を含有する感光性樹脂組成物の層を、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により濃色離画壁を形成する工程、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<2> 前記金属が銀または錫であり、合金が銀錫合金であることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<3> 前記金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種が、銀錫複合粒子であることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<4> 前記銀錫複合粒子の数平均粒子サイズが、20〜700nmであることを特徴とする<3>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<5> 前記感光性樹脂組成物の全固形分に対する前記銀錫複合粒子の量が、5〜20体積%であることを特徴とする<3>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<6> 前記濃色離画壁の膜厚が、0.2〜10μmであることを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<7> 仮支持体上に、前記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層が少なくとも一層形成された感光性転写材料を、基板に転写する工程を含むことを特徴とする<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<8> インクジェット方式により、赤色、緑色、青色のいずれか一色の顔料を含有する着色液体組成物を付与する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
<9> <1>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されてなるカラーフィルタ。
<10> <9>に記載のカラーフィルタを用いた液晶表示装置。
特願2005−380201の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、以下において「部」、「%」及び「分子量」は「質量部」、「質量%」及び「質量平均分子量」を表す。
(実施例1):塗布法
<銀錫合金粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びE735(ISP社製;ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン36.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。すると、混合液が黒色に変化し、銀錫合金粒子を得た。次いで、この液を遠心分離して銀錫合金粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)により回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。そして、上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金粒子を再び分散させた。この操作を2回繰り返して水相の可溶性物質を除去した。
その後、この液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨て全液量を150mlにし、これに純水850ml及びアセトン500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨て液量を150mlにし、これに純水150ml及びアセトン1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨て全液量を70mlにし、これにアセトン30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金粒子の分散液(分散液A1)を得た。
この銀錫合金粒子は、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。この微粒子分散液を透過型電子顕微鏡で観察した結果、分散平均粒径は数平均粒子サイズで約40nmであった。
前記数平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均を数平均粒子サイズとした。このとき、写真は、倍率10万倍、加速電圧200kVで撮影したものを用いた。
<感光性樹脂組成物の調製>
下記組成を混合して、感光性樹脂組成物を調製した。
〔組成〕
Figure 2007074694
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.3部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.7部
・メチルアルコール …45.0部
<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>
(1)ガラス基板上に、スリットコーターとしてスリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて上記より得た感光性樹脂組成物1を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性樹脂層を形成した(塗布工程)。次いで、この層上にスリットコーターを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、濃色離画壁となる塗膜が形成された基板を作製した。
次いで、以下に示す装置、条件にてマスクレス露光を行った。
基板上の前記感光性樹脂層に対し、大気雰囲気下で、下記のパターン形成装置を用い、前記感光性樹脂層と露光ヘッドとを相対移動させながら、波長405nm、80mJ/cm2の露光量で露光した。
−パターン形成装置−
図18に記載の露光ヘッドを備えたパターン形成装置を用いた。図18は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
図18において、光照射手段144としては、図9〜14に示す合波レーザ光源を用いた。DMD50としては、図16に示す主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列された光変調手段の内、800個×使用領域の列数のみを駆動するように制御されたDMDを用いた。また、マイクロレンズアレイ472の集光位置近傍に配置されるアパーチャアレイ476は、その各アパーチャ478に、それと対応するマイクロレンズ474を経た光のみが入射するように配置されている。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を純水で100倍に希釈した液)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、濃度離画壁を形成した。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
なお、濃色離画壁のパターンは、画素サイズ10インチ、画素数480×640であった。また、ブラックマトリクス幅は24μmであり、画素部の開口は86μm×304μmであった。
−レッド(R)画素の形成−
前記Kの画像を形成した基板に、下記表2に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みR画素を形成した。
但し、露光工程での露光量は40mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は35℃で35秒間とし、ベーク工程では220℃で20分間とした。
なお、感光層R1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254、C.I.P.R.177の塗布量はそれぞれ0.88g/m2、0.22g/m2であった。
−グリーン(G)画素の形成−
前記Kの画像とRの画素を形成した基板に、下記表2に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みG画素を形成した。
但し、露光工程での露光量は40mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は34℃で45秒間とし、ベーク工程では220℃で20分間とした。
なお、感光層G1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36、C.I.ピグメント・イエロー(C.I.P.Y.)150の塗布量はそれぞれ1.12g/m2、0.48g/m2であった。
−ブルー(B)画素の形成−
前記Kの画像、R及びGの画素を形成した基板に、下記表2に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みB画素を形成し、目的のカラーフィルタを得た。
但し、露光工程での露光量は30mJ/cm 2 とし、現像工程での現像処理は36℃で40秒間とした。
なお、感光層B1厚みは2.0μmであり、C.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット(C.I.P.V.)23の塗布量はそれぞれ0.63g/m2、0.07g/m2であった。
Figure 2007074694
ここで、上記表2に記載の着色感光性樹脂組成物R1、G1、B1の調製について説明する。
着色感光性樹脂組成物R1は、まず表2に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150RPM30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPM5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
尚、表2に記載の組成物の内、
R顔料分散物1の組成は、下記であった
・C.I.P.R.254(商品名:Irgaphor Red B−CF、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8部
・分散剤(下記化合物1) 0.8部
Figure 2007074694
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83部
R顔料分散物2の組成は、下記であった。
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
バインダー2の組成は、下記であった
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
DPHA液の組成は、下記であった。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
界面活性剤1の組成は、下記であった
・下記構造物1 30部
・メチルエチルケトン 70部
Figure 2007074694
着色感光性樹脂組成物G1は、まず表2に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4'−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3'−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150RPM30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPM5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
尚、表2に記載の組成物の内、
G顔料分散物1は、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製の「商品名:GT−2」を用いた。
Y顔料分散物1は、御国色素(株)製の「商品名:CFエローEX3393」を用いた。
バインダー1の組成は、下記であった。
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
着色感光性樹脂組成物B1は、まず表2に記載の量のB顔料分散物1、B顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPM10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダー3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間攪拌し、更に、表2に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30RPM5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られる。
尚、表2に記載の組成物の内、
B顔料分散物1は、御国色素(株)製の「商品名:CFブルーEX3357」を用いた。
B顔料分散物2は、御国色素(株)製の「商品名:CFブルーEX3383」を用いた。
バインダー3の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
−液晶表示装置の作製−
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びに濃色離画壁の上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と10kg/cm2の圧力で貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
(実施例2)
前記表1に記載の感光性樹脂組成物2の処方に変更した以外は、実施例1と同様の方法でカラーフィルタを形成した。
(実施例3)
<銀微粒子分散液の調製>
銀微粒子(長軸長さL:400nm、幅b:30nm、厚さt:25nm、b/t=1.2)73.5gと、ソルスパース20000(アビシア(株)製;分散剤)1.05gと、メチルエチルケトン16.4gとを混合した。これを、超音波分散機(Ultrasonic generator model US−6000 ccvp、nissei社製)を用いて分散し、円相当径100nmの銀微粒子分散液を得た。
<感光性樹脂組成物の調製>
下記組成を混合して、感光性樹脂組成物を調製した。
〔組成〕
・銀微粒子分散液 … 26.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 28.6部
・メチルエチルケトン … 37.6部
・前記界面活性剤1 … 0.21部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 2.18部
(モル比=73/27、分子量30,000)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 27部
<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>
(1)ガラス基板上に、スピンコーターを用いて、得られた感光性樹脂組成物を塗布して100℃で5分間乾燥し、感光性樹脂層を形成した。次いで、この感光層上にスピンコーターを用いて実施例1で得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、濃色離画壁となる塗膜が形成された基板を作製した。
(2)次に、実施例1と同様にしてマスクレス露光によるパターン形成を行い、濃色離画壁を形成した。
(3)その後、実施例1と同様にしてRGBの画素を形成しカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(実施例4)
実施例3において、感光性樹脂組成物を下記の処方に変更した以外は、実施例3と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
〔組成〕
・銀微粒子分散液 … 34.8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 28.6部
・メチルエチルケトン … 37.6部
・前記界面活性剤1 … 0.2部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル … 0.001部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 … 2.13部
(モル比=73/27、分子量30,000)
・ビス[4−[N−[4−(4,6−ビストリクロロメチル−s−トリアジン−2−イル)フェニル]カルバモイル]フェニル]セバケート … 0.1部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 26.41部
(比較例1)
以下に示すようにして濃色離画壁が形成された基板を作製した。
無アルカリガラス基板をUV洗浄装置で洗浄した後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。この基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化した。その後、この基板を冷却して23℃に調温後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)にて下記表3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1をこの基板上に塗布した。引き続き、真空乾燥機VCD(東京応化社製)を用いて30秒間溶媒の一部を乾燥させて塗布膜の流動性をなくした後、120℃で3分間プリベークして感光性樹脂層K1を形成した。
次に、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と感光性樹脂層K1が設けられた無アルカリガラス基板とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層K1の表面との間の距離を200μmとし、露光量300mJ/cm 2 で全面露光した。
次に、純粋をシャワーノズルから噴霧し、感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製を純水で100倍に希釈した液)を、フラットノズルから23℃、ノズル圧力0.04MPaにて80秒間噴射してシャワー現像し、黒色パターンを得た。続いて、ガラス基板の黒色パターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、無アルカリガラス基板上にブラックマトリックスを形成した。その後、220℃で30分間熱処理(ベーク)し、濃色離画壁が形成された基板を作製した。
Figure 2007074694
なお、前記表3中のDPHA液、界面活性剤1の各組成は実施例1と同様である。
*K顔料分散物1の組成
・カーボンブラック(Special Black 250、デグッサ社製)…13.1部
・分散剤(前記化合物1) …0.65部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…79.53部
*バインダー4の組成
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕…27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート…73部
作製された、濃色離画壁が形成された基板に対し、実施例1と同様にしてRGBの画素を形成しカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(比較例2)
比較例1において、着色感光性樹脂組成物K1を表3の処方K2に変更した以外は、比較例1と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した
(比較例3)
比較例1において、感光性樹脂層K1を形成した基板に対し、実施例1で行ったマスクレス露光を施してパターン形成したこと以外は比較例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
(比較例4)
比較例2において、感光性樹脂層K2を形成した基板に対し、実施例1で行ったマスクレス露光を施してパターン形成したこと以外は比較例2と同様にして、カラーフィルタを作製した。
(比較例5)
実施例1において、濃色離画壁となる塗膜が形成された基板に対し、比較例1で行った露光を施してパターン形成したこと以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
(比較例6)
実施例2において、濃色離画壁となる塗膜が形成された基板に対し、比較例1で行った露光を施してパターン形成したこと以外は実施例2と同様にして、カラーフィルタを作製した。
(実施例5):転写法
表1に記載の感光性樹脂組成物1を用いた塗布法によるのではなく、以下のようにして作製した感光性転写材料を用いて転写法によりブラックマトリックスを形成するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、濃色離画壁が形成された基板を作製し、その後、実施例1と同様にしてRGBの画素を形成しカラーフィルタを作製した。なお、銀錫合金粒子は実施例1と同様に、X線散乱によりAgSn合金とAg金属とからなる複合体であることを確認した。
以下、感光性転写材料の作製及び該感光性転写材料を用いたカラーフィルタの作製について詳述する。
<感光性転写材料の作製>
(1)厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート仮支持体(PET仮支持体)の表面に、スリットノズルを用いて下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥させ、熱可塑性樹脂層を形成した。
(2)この熱可塑性樹脂層上に、下記処方P1からなる中間層用塗布液をスリットコーターを用いて乾燥膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、中間層を積層した。
(3)次に、得られた感光性樹脂組成物1を、スリット状ノズルを用いて上記の中間層上に更に塗布し、100℃で5分間乾燥させて、感光性樹脂層を形成した。
更に、感光層上に厚さ12μmのポリプロピレンフィルムを圧着し、保護フィルムを設けた。以上のようにして、PET仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光層/保護フィルムの積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。
〔熱可塑性樹脂層用塗布液の調製〕
下記処方H1の諸成分を混合し、熱可塑性樹脂層用塗布液を調製した。
−熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1−
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=54/12/5/29[モル比])の共重合体(重量平均分子量80,000) … 58部
・スチレン/アクリル酸(=70/30[モル比])の共重合体 …136部
(重量平均分子量7,000)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
… 90部
(新中村化学工業(株)製、多官能アクリレート)
・前記界面活性剤1 … 1部
・メチルエチルケトン …541部
・1−メトキシ−2−プロパノール … 63部
・メチルアルコール …111部
〔中間層用塗布液の調製〕
下記処方P1の諸成分を混合し、中間層用塗布液を調製した。
−中間層用塗布液の処方P1−
・ポリビニルアルコール … 3.0部
(PVA−205、(株)クラレ製)
・ポリビニルピロリドン … 1.5部
(PVP−K30、アイエスピー・ジャパン(株)製)
・蒸留水 …50.5部
・メチルアルコール …45.0部
<転写>
(1)まず、上記より得た感光性転写材料の保護フィルムを剥離除去した後、露出した感光性層が、被転写体であるガラス基板(厚み1.1mm)の表面と接するように重ね合わせ、ラミネーターLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラ温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件で貼り合わせた。次いで、PET仮支持体を剥離し、ガラス基板上に感光性樹脂層/中間層/熱可塑性樹脂層の順に積層されるように転写した(転写工程)。
(2)続いて、実施例1と同様にしてマスクレス露光を行い、パターンを形成した(露光工程)。
(3)露光後、KOH系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を純水で100倍に希釈した液をフラットノズルから25℃、ノズル圧力6.15MPaにて、熱可塑性樹脂層上から58秒間噴射してシャワー現像を行ない、熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性層の未露光部を現像除去してパターンを得た(現像工程)。その後さらに、ガラス基板のパターンが形成された側に超純水を超高圧洗浄ノズルにより9.8MPaの圧力で噴射して残渣を除去し、ガラス基板上に濃色離画壁を形成した。
(4)次に、濃色離画壁が形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理を施した(ベーク工程)。
(5)その後、実施例1と同様にしてRGBの画素を形成しカラーフィルタを作製した。
(評価)
上記の実施例及び比較例で得られたカラーフィルタの各々について、以下に示す測定及び評価を行なった。測定及び評価の結果は下記表4に示す。
1.光学濃度
ベーク後のブラックマトリクスの光学濃度を下記方法により測定した。
分光光度計UV−2100(島津製作所(株)製)を用いて、遮光膜付基板の透過光学濃度(OD)を波長555nmで測定すると共に、さらにこれら遮光膜付基板の各々に用いたガラス基板の透過光学濃度(OD0)を同様の方法で測定した。そして、ODからOD0を差し引いた値(透過OD;=OD−OD0)を透過光学濃度とした。
2.膜厚
接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて、ベーク後のブラックマトリクスの膜厚を測定した。
3.輝度
バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(日東電工(株)製G1220DUN)の間にカラーフィルタを設置し、パラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を輝度とした。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
2枚の偏光板、カラーフィルタ、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mmから60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
そして、比較例1の輝度を1.0とした時に、1.05以上の場合をAとし、1.0を超え1.05未満の場合をB、1.0以下の場合をCとして評価した。
4.現像ラチチュード
線幅10μmのパターンとなる露光を与え、現像後基板に垂直なエッジをもつ幅10μmの線が得られた現像時間を中心に±10秒現像時間を変えたときのエッジの形状変化を観察し、下記基準に基づいて評価した。
A:線幅の変動率が2%未満
B:線幅の変動率が2%以上5%未満
C:線幅の変動率が5%以上8%未満
D:線幅の変動率が8%以上
5.コントラスト
バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板(日東電工(株)製G1220DUN)の間にカラーフィルタを設置し、偏光板をパラレルニコルに設置したときに通過する光の色度のY値を、クロスニコルに設置したときに通過する光の色度のY値で割ることでコントラストを求めた。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いた。
2枚の偏光板、カラーフィルタ、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mmから60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/m2になるように設定した。
そして、3000以上の場合をAとし3000未満の場合をBとして評価した。
Figure 2007074694
表4より、実施例においては、輝度及び現像ラチチュードにおいて良好な結果が得られた。これに対し、比較例では、輝度及び現像ラチチュードの双方同時に良好な結果を得ることができなかった。
次に、混色防止のために濃色離画壁の膜厚(高さ)を変えても、前記実施例と同様の効果が得られるかを追認するため、以下の実施例、比較例では光学濃度を一定とし、濃色離画壁の膜厚(高さ)を変更して評価を行った。
(実施例6)
実施例2と同様の処方、方法により濃色離画壁を形成した。
次いで、着色画素の形成方法を以下の方法に変更した以外は、実施例2と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(画素形成)
ピエゾ方式のインクジェット装置を用いR、G、Bそれぞれのインク(着色液体組成物)を濃色離画壁の間隙に付与して着色した。
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得、その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、R(赤色)インクを調製した。
〈Rインクの組成〉
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製ソルスパース24000) 1部
・バインダー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比 ])のランダム共重合物(重量平均分子量37,000)〕) 3部
・第一エポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154) 2部
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)5部
・硬化剤(トリメリット酸) 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 80部
さらに、上記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントグリーン36を同量用いるほかはRインクの場合と同様にしてG(緑色)インキを調製した。さらに、下記組成中のC.I.ピグメントレッド254に代えてC.I.ピグメントブルー15:6を同量用いるほかはRインクの場合と同様にしてB(青色)インクを調製した。
画素着色後のカラーフィルタを230℃オーブン中で30分ベークすることで、濃色離画壁(ブラックマトリックス)、各画素共に完全に硬化させて、カラーフィルタを得た。
(実施例7)
実施例1の<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>において、濃色離画壁の膜厚が2μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして濃色離画壁を形成した後、実施例6と同様の方法で着色画素を形成し、その後カラーフィルタを作製した。
(実施例8)
実施例1の<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>において、濃色離画壁の膜厚が3μmとなるように形成したこと以外は実施例1と同様にして濃色離画壁を形成した後、実施例6と同様の方法で着色画素を形成し、その後カラーフィルタを作製した。
(実施例9)
実施例3の<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>において、濃色離画壁の膜厚が2μmとなるように形成したこと以外は実施例3と同様にして濃色離画壁を形成した後、実施例6と同様の方法で着色画素を形成し、その後カラーフィルタを作製した。
(実施例10)
実施例3の<塗布による基板上への濃色離画壁の形成>において、濃色離画壁の膜厚が3μmとなるように形成したこと以外は実施例3と同様にして濃色離画壁を形成した後、実施例6と同様の方法で着色画素を形成し、その後カラーフィルタを作製した。
(比較例7)
比較例2と同様の処方、方法により濃色離画壁を形成した。
次いで、着色画素の形成方法を実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例2と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(比較例8)
比較例2において、濃色離画壁の膜厚が2μmとなるように形成し、着色画素の形成方法を実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(比較例9)
比較例2において、濃色離画壁の膜厚が3μmとなるように形成し、着色画素の形成方法を実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(比較例10)
比較例4と同様の処方、方法により濃色離画壁を形成した。
次いで、着色画素の形成方法を実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例4と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(比較例11)
比較例4において、濃色離画壁の膜厚が2μmとなるように形成し、着色画素の形成方法を以下の方法実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例4と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(比較例12)
比較例4において、濃色離画壁の膜厚が3μmとなるように形成したこと以外は比較例4と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(比較例13)
比較例6と同様の処方、方法により濃色離画壁を形成した。
次いで、着色画素の形成方法を実施例6と同様のインクジェット方式に変更した以外は、比較例6と同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(比較例14)
比較例6において、濃色離画壁の膜厚が2μmとなるように形成したこと以外は比較例6と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(比較例15)
比較例6において、濃色離画壁の膜厚が3μmとなるように形成したこと以外は比較例6と同様にしてカラーフィルタを作製した。
(評価)
上記の実施例6〜10及び比較例7〜15で得られたカラーフィルタの各々について、既述の評価と同様に、光学濃度、膜厚、輝度、現像ラチチュードの測定及び評価を行なった。さらに、下記基準に基づき混色の評価を行った。測定及び評価の結果は下記表5に示す。
6.混色
基板の厚さ方向画素形成側とは反対側から光学顕微鏡で観察し、混色について評価した。画素内に色の混ざりが見られるか否かを、光学素子内の任意の100画素についてn=2で観察し、混色の有無を確認した。評価は以下の評価基準に従って行った。
A:混色がまったくない。
B:混色が10個未満あり。
C:混色が10個以上。
Figure 2007074694
表5より、実施例においては、膜厚にかかわらず、輝度及び現像ラチチュードにおいて良好な結果が得られた。これに対し、比較例においては、面露光でパターン形成したものは高輝度が得られず、特に、濃色離画壁の高さが3μmでは現像ラチチュードにおいて良好な結果が得られず、またマスクレス露光したものは高輝度とはなるものの、現像ラチチュードにおいて良好な結果が得られなかった。

Claims (10)

  1. 樹脂およびその前駆体の少なくとも一種と、金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種を含有する感光性樹脂組成物の層を、2次元状に並んだ空間光変調デバイスを用いて、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行う露光により濃色離画壁を形成する工程、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記金属が銀または錫であり、合金が銀錫合金であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記金属又は合金からなる粒子、及び金属と合金又は合金と合金からなる複合粒子のうちの少なくとも一種が、銀錫複合粒子であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記銀錫複合粒子の数平均粒子サイズが、20〜700nmであることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂組成物の全固形分に対する前記銀錫複合粒子の量が、5〜20体積%であることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記濃色離画壁の膜厚が、0.2〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 仮支持体上に、前記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層が少なくとも一層形成された感光性転写材料を、基板に転写する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. インクジェット方式により、赤色、緑色、青色のいずれか一色の顔料を含有する着色液体組成物を付与する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されてなるカラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを用いた液晶表示装置。
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