JP4897270B2 - 感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニターなどの液晶表示装置(LCD)用などに好適なカラーフィルタの感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物により製造されるカラーフィルタ及びその製造方法、並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。
前記感光性樹脂組成物からなる感光性材料は、フォトマスクを用いて露光及び現像を行い微細パターンを形成する材料として用いられる。また、フォトマスクを用いることなく、半導体レーザなどのレーザ光を、画素パターンなどのデジタルデータに基づいて、スキャンニングするフォトリソグラフィ法によりパターンを形成する材料としても用いられる。なお、前記感光性材料に直接スキャンして、パターニングを行うものとして、例えば、レーザダイレクトイメージングシステム(以下、「LDI」と称することがある)による露光装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
いずれのパターン形成においても、形成されるパターンは、超高精度であることが求められるLSIなどの集積回路、製版、カラーフィルタなどに用いられ、材料の感度、コントラストや膜厚のばらつきに起因する画素欠落や線幅太りなどがなく、均一かつ高精度であることが要求されている。
このような均一かつ高精度であるパターンを形成する感光性材料として、該感光性材料に用いられる感光性樹脂組成物の溶液中にマイクロゲルの少ない共重合体を用いることにより、感度及び解像度を改善する提案がなされている(特許文献1)。
また、バインダーポリマー、光重合性化合物、増感剤及び光に対してラジカルを発生しうる光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光性材料を用い、厚膜で密着性があり、かつ感度を改善する提案もなされている(特許文献2)。
しかし、いずれの提案も、感光性材料の感度及び解像度を向上させるため、感光性樹脂組成物を改善したものである。パターン形成にレーザ光を用いるフォトリソグラフィの場合、前記感光性材料に積層されている層の内部で、レーザ光の偏光に対する吸収性に均一性が欠け、吸収性の異なる領域ができてしまう。このように、領域によって偏光に対する吸収性が異なると、部分的に露光感度が異なる領域が発生してしまうという感光性材料の偏光性の問題がある。感光性材料にこのような偏光性があると、画素欠落や線幅太りが発生する原因となり、画素欠けや線幅太りのない均一なパターンが得られないという弊害が生ずる。
特に、液晶ディスプレイのカラー画像の形成に用いられるカラーフィルタの場合、大画面化及び高精細化の技術開発が進み、該カラーフィルタを形成するRGBの三色の各画素間を規定するように形成されるブラックマトリクスは、みかけの画素幅を規定しているため、該ブラックマトリクスの線幅のばらつきは、その周期性によって、モアレや、周期ムラなどの表示ムラとなりやすい。このため、カラーフィルタの微細パターンを高精細に形成することができる感光性材料や、該感光性材料を形成する感光性樹脂組成物が求められている。
このため、フォトマスクを用いることなく、特にブラック画像の線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成することができる感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物により製造されたカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた反射型液晶表示装置は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2005−23092号公報 特開2004−302049号公報 石川明人"マスクレス露光による開発短縮と量産適用化"、「エレクロトニクス実装技術」、株式会社技術調査会、Vol.18、No.6、2002年、p.74-79
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、フォトマスクを用いることなく、線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成することができ、低コスト、かつ表示特性に優れ、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニターなどの液晶表示装置(LCD)用カラーフィルタに好適に用いられる感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物により製造されたカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 第一の偏光板、感光性樹脂組成物層及び第二の偏光板の順に、該第一の偏光板と該第二の偏光板の偏光方向が並行になるように重ねた第一の被測定物に、該感光性樹脂組成物層を感光させる波長のレーザ光を透過させ、該透過光の輝度(cd/m)をXとし、前記偏光方向が直交するように重ねた第二の被測定物に、前記レーザ光を透過させ、該透過光の輝度(cd/m)をXとしたとき、X/Xで表される露光波長コントラストが、1,000以上であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
<2> 感光性樹脂組成物が、アルカリ可溶性樹脂と、モノマー及びオリゴマーのいずれかと、光重合開始剤と、顔料粒子とを含む前記<1>に記載の感光性樹脂組成物である。
<3> 顔料粒子の数平均粒径が、0.001〜0.1μmである前記<2>に記載の感光性樹脂組成物である。
<4> 感光性樹脂組成物における全固形分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量が、10〜90質量%、モノマー及びオリゴマーのいずれかの含有量が、10〜90質量%、光重合開始剤の含有量が、0.1〜20質量%、顔料粒子の含有量が、1〜50質量%、である前記<2>から<3>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
<5> 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・レッド254を含む前記<2>から<4>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
<6> 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・グリーン36を含む前記<2>から<5>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
<7> 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・ブルー15:6を含む前記<2>から<6>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とするカラーフィルタである。
<9> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物をスリット状ノズルにより塗布する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<10> 基板上に、少なくとも前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性樹脂組成物層を有する積層体をラミネーターにより基板に貼り付ける工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
<11> 前記<8>に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置である。
本発明によれば、フォトマスクを用いることなく、線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成することができ、低コスト、かつ表示特性に優れ、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニターなどの液晶表示装置(LCD)用カラーフィルタに好適に用いられる感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物により製造されたカラーフィルタ並びに該カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することができる。
まず、本発明の感光性樹脂組成物、カラーフィルタについて説明し、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置について順次説明する。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、露光波長コントラストが、1,000以上であることが特徴である。
<露光波長コントラスト>
前記露光量波長コントラストは、図40に示すように、第一の偏光板302、感光性樹脂組成物層301及び第二の偏光板303の順に、該第一の偏光板302と該第二の偏光板303の偏光方向が並行になるように重ねた第一の被測定物に、該感光性樹脂組成物層301を感光させる波長のレーザ光305を透過させ、該透過光306の輝度(cd/m)をXとし、図41に示すように、前記偏光方向が直交するように重ね、前記第一の被測定物と同様に前記感光性樹脂組成物を有する第二の被測定物に、前記レーザ光305を透過させ、該透過光306の輝度(cd/m)をXとしたとき、X/Xで表される露光波長コントラストが、1,000以上であることで表される数値により規定される。
前記感光性樹脂組成物が積層されている前記感光性樹脂組成物層の内部では、一定のレーザ光の偏光に対する吸収性が異なる領域が存在し、該領域によって偏光に対する吸収性が異なると、部分的に露光感度が異なる領域が発生してしまうという組成物の偏光性の問題がある。組成物に偏光性があると、画素欠落や線幅太りが発生してしまい、均一なパターンが得られない。そのため、前記露光波長コントラストという感光性樹脂組成物の偏光性の評価基準を設定し、該露光波長コントラストが1,000というしきい値未満の組成物を排除することにより安定した品質の感光性樹脂組成物を得ることができる。該しきい値は2,000以上であることがより好ましい。
該露光波長コントラストが、1,000未満であると、画素欠落や線幅太りが発生してしまい、均一なパターンが得られないことがある。
前記第一の偏光板を通過して、直線偏光となったレーザ光が、被測定物である感光性樹脂組成物層を透過した後に該直線偏光が全く変化しなければ、理論的には、前記第一の偏光板と並行の偏光方向に配置されている第二の偏光板を100%透過することになる。他方、前記第二の偏光板が前記第一の偏光板と偏光方向が直交して配置されているときは、理論的には0%の透過となるはずである。実際の感光性樹脂組成物層では、前記第一の偏光板により直線偏光となった透過光が、該感光性樹脂組成物層を透過すると影響を受け、前記第一の偏光板と並行に配置された前記第二の偏光板を透過する割合が低下する。また、前記第一の偏光板と直交配置された前記第二の偏光板を光が透過してしまう。前記感光性樹脂組成物層の偏光性としては、該感光性樹脂組成物層を透過するレーザ光の直線偏光が該感光性樹脂組成物層によって影響を受ける量が少ないほど良好である。即ち、前記第一の偏光板と偏光方向が並行に配置された前記第二の偏光板を透過する光の輝度Xが高いほどよく、前記偏光方向が直交に配置された前記第二の偏光板を透過する光の輝度Xが低いほどよい。その結果、X/Xで表される露光波長コントラストが高いほど前記感光性樹脂組成物層の偏光性が良好である。該偏光性が良好であることは、前記感光性樹脂組成物層を透過するレーザ光の偏光方向に対する影響が少なく、画素欠落や線幅の太りなどの線幅の不均一性の発生がない良好な材料であるといえる。
前述のように、前記露光波長コントラストは1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましい。
前記露光波長コントラストの測定に用いるレーザ光としては、波長405nmのレーザ光が好ましく、405nm±15nmの波長のレーザ光又は365nm±15nmの波長のレーザ光でもよい。
前記露光波長コントラストに用いる第一の偏光板及び第二の偏光板としては、信頼性の高い測定結果を得るためには、同一偏光板であることが好ましい。前記偏光板としては、直線偏光を得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、偏光フィルタ、偏光フィルム、位相差フィルタ、位相差フィルムなどが挙げられる。具体的には、日東電工G1220DUN、などが挙げられる。
前記X、Xで表わされる輝度の測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、輝度計、光源測定システム、輝度分布測定装置、などが挙げられる。
具体的には、トプコン社製、色彩輝度計BM−5、などが挙げられる。
−画素欠落及び線幅の均一性の測定方法−
前記画素欠落及び線幅の均一性の測定としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、形成されたパターンの外観を観察することにより測定する方法などが挙げられる。前記観察としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)と走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡、レーザ走査顕微鏡などが挙げられる。これらの中でも、詳細に観察するのに適しているTEM、SEM、光学顕微鏡などが好ましい。
<感光性樹脂組成物の成分>
前記感光性樹脂組成物の成分としては、アルカリ可溶性樹脂と、モノマー及びオリゴマーのいずれかと、光重合開始剤と、顔料粒子と、必要に応じて適宜選択したその他の成分とを含むことが好ましい。
−アルカリ可溶性樹脂−
前記アルカリ可溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーが好ましい。
具体的には、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体などが挙げられる。
また、側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したもの、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体なども挙げられる。
これらの中でも、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体などか特に好ましい。
これらの極性基を有するアルカリ可溶性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。感光性樹脂組成物の全固形分に対する前記アルカリ可溶性樹脂の含有量は10〜90質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の含有量が、10質量%未満であると、感光層にベタツキが発生することがあり、90質量%を超えると現像性が悪化することがある。
−モノマー及びオリゴマー−
前記モノマー及びオリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。該モノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物などが挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリンなどの多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したものなどの多官能アクリレートや多官能メタクリレートなどが挙げられる。
更に、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類などの多官能アクリレー卜やメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げられる。
前記モノマー及びオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、前記感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は10〜90質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の含有量が、10質量%未満であると、現像性が悪化することがあり、90質量%を超えると、感光層にベタツキが発生することがある。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤は、光重合開始剤系を含み、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物などを挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げられる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.1〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
前記光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量が、0.1質量%未満であると、実用感度不足となることがあり、20質量%を超えると、現像性が悪化することがある。
−顔料粒子−
前記顔料粒子は、着色剤に含有させることができる。前記顔料粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、数平均粒径が0.001〜0.1μmが好ましく、0.01〜0.08μmがより好ましい。
前記顔料粒子の数平均粒径が0.001μm未満であると、粒子表面エネルギーが大きくなり凝集し易くなり、顔料分散が難しくなるとともに、分散状態を安定に保つことも難しくなり好ましくない。また、顔料粒子の数平均粒径が0.1μmを超えると、顔料による偏光の解消が生じ、表示コントラストが低下し、好ましくない。なお、本明細書でいう「粒径」とは、電子顕微鏡写真画像を同面積の円としたときの直径を言い、「数平均粒径」とは多数の粒子について該粒径を求め、この100個平均値をいう。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)R(レッド)の前記感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド(C.I.P.R.)254が、(ii)G(グリーン)の前記感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン(C.I.P.G.)36が、(iii)B(ブルー)の前記感光性樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー(C.I.P.B.)15:6などが好適なものとして挙げられる。
前記(i)におけるC.I.P.R.254の含有量は、前記感光性樹脂組成物を厚み1.0〜3.0μmで塗布した乾膜において、0.80〜0.96g/mであることが好ましく、0.82〜0.94g/mであることがより好ましく、0.84〜0.92g/mであることが特に好ましい。
前記(ii)におけるC.I.P.G.36の含有量は、前記感光性樹脂組成物を厚み1.0〜3.0μmで塗布した乾膜において、0.90〜1.34g/mであることが好ましく、0.95〜1.29g/mであることがより好ましく、1.01〜1.23g/mであることが特に好ましい。
前記(iii)におけるC.I.P.B.15:6の含有量は、前記感光性樹脂組成物を厚み1.0〜3.0μmで塗布した乾膜において、0.59〜0.67g/mであることが好ましく、0.60〜0.66g/mであることがより好ましく、0.61〜0.65g/mであることが特に好ましい。前記含有量が、0.59質量g/m%未満であると、現像後のプロファイルが悪化することがあり、0.67質量%を超えると、現像不良が発生することがある。
更に、前記顔料の他に、前記顔料以外の顔料を組み合わせて用いてもよい。具体的には、下記補助的に使用する染料、顔料に記載のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
−その他の顔料−
前記その他の顔料として、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合は、感光性樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましい。
前記公知の染料ないし顔料としては、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー16、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー20、C.I.ピグメント・イエロー24、C.I.ピグメント・イエロー31、C.I.ピグメント・イエロー55、C.I.ピグメント・イエロー60、C.I.ピグメント・イエロー61、C.I.ピグメント・イエロー65、C.I.ピグメント・イエロー71、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー81、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー95、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98、C.I.ピグメント・イエロー100、C.I.ピグメント・イエロー101、C.I.ピグメント・イエロー104、C.I.ピグメント・イエロー106、C.I.ピグメント・イエロー108、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー113、C.I.ピグメント・イエロー114、C.I.ピグメント・イエロー116、C.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー119、C.I.ピグメント・イエロー120、C.I.ピグメント・イエロー126、C.I.ピグメント・イエロー127、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー152、C.I.ピグメント・イエロー153、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー166、C.I.ピグメント・イエロー168、C.I.ピグメント・イエロー175、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185;
C.I.ピグメント・オレンジ1、C.I.ピグメント・オレンジ5、C.I.ピグメント・オレンジ13、C.I.ピグメント・オレンジ14、C.I.ピグメント・オレンジ16、C.I.ピグメント・オレンジ17、C.I.ピグメント・オレンジ24、C.I.ピグメント・オレンジ34、C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ38、C.I.ピグメント・オレンジ40、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・オレンジ46、C.I.ピグメント・オレンジ49、C.I.ピグメント・オレンジ51、C.I.ピグメント・オレンジ61、C.I.ピグメント・オレンジ63、C.I.ピグメント・オレンジ64、C.I.ピグメント・オレンジ71、C.I.ピグメント・オレンジ73;
C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・バイオレット29、C.I.ピグメント・バイオレット32、C.I.ピグメント・バイオレット36、C.I.ピグメント・バイオレット38;
C.I.ピグメント・レッド1、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド4、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド8、C.I.ピグメント・レッド9、C.I.ピグメント・レッド10、C.I.ピグメント・レッド11、C.I.ピグメント・レッド12、C.I.ピグメント・レッド14、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド17、C.I.ピグメント・レッド18、C.I.ピグメント・レッド19、C.I.ピグメント・レッド21、C.I.ピグメント・レッド22、C.I.ピグメント・レッド23、C.I.ピグメント・レッド30、C.I.ピグメント・レッド31、C.I.ピグメント・レッド32、C.I.ピグメント・レッド37、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント・レッド40、C.I.ピグメント・レッド41、C.I.ピグメント・レッド42、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド48:2、C.I.ピグメント・レッド48:3、C.I.ピグメント・レッド48:4、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・レッド49:2、C.I.ピグメント・レッド50:1、C.I.ピグメント・レッド52:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド57:2、C.I.ピグメント・レッド58:2、C.I.ピグメント・レッド58:4、C.I.ピグメント・レッド60:1、C.I.ピグメント・レッド63:1、C.I.ピグメント・レッド63:2、C.I.ピグメント・レッド64:1、C.I.ピグメント・レッド81:1、C.I.ピグメント・レッド83、C.I.ピグメント・レッド88、C.I.ピグメント・レッド90:1、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド101、C.I.ピグメント・レッド102、C.I.ピグメント・レッド104、C.I.ピグメント・レッド105、C.I.ピグメント・レッド106、C.I.ピグメント・レッド108、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・レッド113、C.I.ピグメント・レッド114、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド150、C.I.ピグメント・レッド151、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド170、C.I.ピグメント・レッド171、C.I.ピグメント・レッド172、C.I.ピグメント・レッド174、C.I.ピグメント・レッド175、C.I.ピグメント・レッド176、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド179、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド187、C.I.ピグメント・レッド188、C.I.ピグメント・レッド190、C.I.ピグメント・レッド193、C.I.ピグメント・レッド194、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド206、C.I.ピグメント・レッド207、C.I.ピグメント・レッド208、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・レッド216、C.I.ピグメント・レッド220、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・レッド226、C.I.ピグメント・レッド242、C.I.ピグメント・レッド243、C.I.ピグメント・レッド245、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド255、C.I.ピグメント・レッド264、C.I.ピグメント・レッド265;
C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック7などが挙げられる。
前記顔料の併用するのが好ましい組合せとしては、例えば、C.I.ピグメント・レッド254では、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・バイオレット23との組合せが挙げられ、C.I.ピグメント・グリーン36では、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー138又はC.I.ピグメント・イエロー180との組合せなどが挙げられ、C.I.ピグメント・ブルー15:6では、C.I.ピグメント・バイオレット23又はC.I.ピグメント・ブルー60との組合せなどが挙げられる。
このように、併用する場合の顔料中のC.I.ピグメント・レッド.254、C.I.P.G.36、C.I.P.B.15:6の含有量は、C.I.ピグメント・レッド.254は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。C.I.P.G.36は、50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。C.I.P.B.15:6は、80質量%以上が好ましく、特に90質量%以上が好ましい。
前記顔料はまず分散液とすることが望ましい。この分散液は、前記顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(又はビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(アルカリ可溶性樹脂)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。前記顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミルなどの公知の分散機などが挙げられる。更に、該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、界面活性剤、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、接着助剤及びその他の添加剤などが挙げられる。
−溶媒−
本発明の感光性樹脂組成物においては、前記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、例えば、チルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどを挙げることができる。
−界面活性剤−
従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の厚みのムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の厚みに直接影響する、樹脂層の形成(塗布)時の、厚み変動の良化が求められていた。
本発明のカラーフィルタにおいては、均一な厚みに制御でき、塗布ムラ(厚み変動による色ムラ)を効果的に防止するという観点から、該感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
前記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
−熱重合防止剤−
本発明の感光性樹脂組成物は、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジンなどが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、例えば、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3´,5´−ジ−t−4´−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2´−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
また、本発明における感光性樹脂組成物においては、前記成分の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤などを含有させることができる。
前記感光層樹脂組成物は、前記露光波長コントラストが評価基準としてのしきい値1,000以上であることが求められるが、該露光波長コントラストを1,000以上とする具体的手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料の分散の際の方法、時間、温度、分散剤の選択、分散溶剤などが挙げられる。
また、前記露光波長コントラストを調製する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料の分散の際の方法、時間、温度、分散剤の選択、分散溶剤などが挙げられる。これらの中でも、顔料分散方法、時間、分散剤選択が好ましい。
このような手段により、前記露光波長コントラストを少なくとも10程度の数値で調整することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、レーザ光の偏光吸収特性について、前記いずれかの手段を実施することにより、前記露光波長コントラストを制御することができ、好適な露光波長コントラストを有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
<感光性樹脂転写材料>
本発明において、支持体上に前記感光性樹脂組成物層を設けた感光性樹脂転写材料を用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物層を設けた前記感光性樹脂転写材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、即ち、一体型となったフィルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フィルムの構成としては、例えば、仮支持体、感光層(以下、「感光性樹脂層」と称することがある。)及び保護フィルムの構成や、仮支持体、熱可塑性樹脂層、感光性樹脂層及び保護フィルムの構成や、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層及び保護フィルムなどの構成からなる層を、この順に積層した構成が挙げられる。
なお、本発明の感光性樹脂転写材料は、前述の本発明の感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂層を設けることが必須である。
−仮支持体−
前記仮支持体としては、可撓性を有し、加圧若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
前記仮支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜200μmが好ましく、10〜150μmが取扱い易さ、汎用性などの点から有利でありより好ましい。また、前記仮支持体は、透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していても良い。
−熱可塑性樹脂層−
前記熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニルなどの(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂などの有機高分子などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。
前記厚みが、2μm未満であると、転写不良が発生することがあり、30μmを超えると、エッジフュージョンが発生することがある。
−中間層−
前記感光性樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
前記酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
−保護フィルム−
前記保護フィルムは、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するため、樹脂層の上に薄く積層することが好ましい。保護フィルムは支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フィルム材料としては、例えば、シリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
−感光性樹脂転写材料の作製方法−
前記感光性樹脂転写材料の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を溶解した塗布液を塗布し、乾燥することにより感光層を設け、その後感光層上に感光層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂組成物からなる樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記仮支持体上に前記熱可塑性樹脂層及び前記中間層を設けたシート、及び保護フィルム上に前記感光層を設けたシートを用意し、前記中間層と前記感光層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記仮支持体上に前記熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び前記保護フィルム上に前記感光層及び前記中間層を設けたシートを用意し、前記感光層と前記中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
なお、前記感光性樹脂転写材料の厚みとしては、例えば、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。
また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の厚みとしては、前記中間層は0.5〜3.0μm、前記保護フィルムは4〜40μmが好ましい。
なお、前記作製方法における塗布は、公知の塗布装置などによって行うことができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。
−スリット状ノズルを用いた塗布装置−
前記スリット状ノズルを用いた塗布装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報などに記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各樹脂層が、それぞれ、着色剤として少なくともC.I.ピグメント・レッド.254を用いた前記カラーフィルタの感光性樹脂組成物、少なくともC.I.P.G.36を用いた前記カラーフィルタの感光性樹脂組成物、少なくともC.I.P.B.15:6を用いた前記カラーフィルタの感光性樹脂組成物、によって形成されたものが好ましい。
前記要件を満たすことは、高コントラスト比を有し、特に大画面の液晶表示装置などに用いた場合であっても、高い色純度、広い色再現性を実現することに有効である。
本発明のカラーフィルタは、基板上に樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法など、公知の方法によって製造することができる。なお、必要に応じて、その境界をブラックマトリックスで区分した構造とすることもできる。
前記の製造方法において、基板上に前記樹脂層を形成する方法としては、例えば、(a)前記の各カラーフィルタの感光性樹脂組成物を公知の塗布装置などによって塗布する方法、及び(b)前述のカラーフィルタ感光性材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
(a)塗布装置による塗布
本発明のカラーフィルタの製造方法における、カラーフィルタの感光性樹脂組成物の塗布には、公知の塗布方法、例えばスピンコート法、カーテンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法などにより塗布することができる。中でも特に、既に<感光性樹脂転写材料の作製方法>の項において説明した、スリットコータが好適に用いることができる。なお、スリットコータの好ましい具体例などは、前記と同様である。樹脂層を塗布により形成する場合、その厚みとしては、例えば、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.0〜2.0μmが特に好ましい。
(b)ラミネーターによる貼り付け
前記感光性樹脂転写材料を用い、フィルム状に形成した樹脂層を、後述する基板上に加熱及び加圧の少なくともいずれかを実施し、ローラー又は平板で圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。なお、樹脂層を前記の感光性樹脂転写材料により形成する場合の、その好ましい厚みは、<感光性樹脂転写材料の作製方法>の項において記載した好ましい厚みと同様である。
−基板−
前記基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板などの公知のガラス板、或いは、プラスチックフィルムなどを挙げることができる。
また、前記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、感光性樹脂組成物又は感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。なお、特に限定されるわけではないが、前記基板の厚みとしては、700〜1,200μmが一般的に好ましい。
−酸素遮断層−
本発明のカラーフィルタを製造するにあたり、前記カラーフィルタの感光性樹脂組成物の塗布によって樹脂層を形成する場合においては、該樹脂層上に更に酸素遮断層を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断層としては、既に感光性樹脂組成物の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。なお、特に限定されるわけではないが、前記酸素遮断層の厚みとしては、0.5〜3.0μmが好ましい。
−露光−
前記露光は、前記感光性樹脂転写材料上に対してマスクを用いた露光、該マスクを用いない露光などが挙げられる。
前記マスクを用いた露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基板上に形成された樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、感光層、及び中間層を介してマスク上方から露光する。
ここで、前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどが挙げられる。前記露光量としては、通常5〜200mJ/cmであり、10〜100mJ/cmが好ましい。
前記マスクを用いない露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下に説明する露光工程により行われる露光などが挙げられる。即ち、該露光工程は、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して、前記感光層を露光する工程であり、該露光はマスクレス露光である。
前記マスクレス露光(「マスクレスパターン露光」ともいう)とは、パターン情報(「画像データ」ともいう)に基づいて、光照射手段からの光を変調しながら、露光ヘッドと前記感光層の被露光面とを相対走査することにより、前記感光層の被露光面上に二次元パターン(「画像」ともいう)を形成する露光方法である。これに対し、マスクを用いた従来の露光方法は、露光光を透過させない材質、又は露光光を弱めて透過させる材質でパターンを形成してなるマスクを、前記感光層の被露光面上の光路に配置して露光を行う方法である。
前記光照射手段から照射される光の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、及びレーザ光(半導体レーザ、固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ)などが挙げられ、これらの中でも、超高圧水銀灯及びレーザ光が好ましく、光のオンオフ制御が短時間で行え、光の干渉制御が容易ある観点から、レーザ光がより好ましい。
前記光源の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記超高圧水銀灯としては、i線(365nm)が好ましく、固体レーザとしては、YAG−SHG固体レーザ(532nm)、半導体励起固体レーザ(532nm、355nm、266nm)が好ましく、気体レーザとしては、KrFレーザ(249nm)、ArFレーザ(193nm)が好ましい。半導体レーザとしては、感光性樹脂組成物の露光時間の短縮を図る目的、及び入手のしやすさの観点から、300〜500nmが好ましく、340〜450nmがより好ましく、405nm又は410nmであることが特に好ましい。
前記レーザ光のビーム径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層における解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e値で5〜30μnが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
また、前記レーザ光の光エネルギー量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、露光時間の短縮と解像度の観点から、1〜100mJ/cmが好ましく、5〜20mJ/cmがより好ましい。
前記光源としては、光を一端から入射し、入射した前記光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねてなるバンドル状のファイバ光源が好ましく、前記光ファイバが、光源からの光を2以上合成した合波レーザ光を出射可能であることがより好ましい。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とにより合波レーザ光を合成し、照射する方法が挙げられる。
前記露光工程において、前記光照射手段からの光を変調する光変調手段としては、前記光照射手段からの光を受光し出射するn個(ただし、nは2以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有し、前記描素部をパターン情報に基づいて制御可能であるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空間変調素子、及び光多面鏡(ポリゴンミラー)などが挙げられる。
前記空間光変調素子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、ミラー階調型空間変調素子、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが好適に挙げられる。
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基板としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、及び制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。更に、Grating Light Valve(GLV)を複数並べて二次元状に構成したものを用いることもできる。これらの反射型空間光変調素子(GLV)や、透過型空間光変調素子(LCD)を使用する構成においては、前記光源として、レーザのほかにランプなどを使用することができる。
これらの空間光変調素子の中でもDMD、及びミラー階調型空間変調素子がより好適に挙げられ、DMDが特に好適に挙げられる。
前記光多面鏡(ポリゴンミラー)としては、複数面(例えば6面)の平面反射面を有する回転部材であって、回転によって光を走査させることが可能な限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記光多面体(ポリゴンミラー)を用いる露光においては、前記感光層の被露光面を、前記光多面体(ポリゴンミラー)の走査方向に対して直角に移動させることにより、前記被露光面前面を露光することができる。
前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル露光、アナログ露光などが挙げられるが、デジタル露光が好適である。
前記デジタル露光の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターン情報に基づいて生成される制御信号に応じて変調されたレーザ光を用いて行われることが好適である。
更に、前記露光工程において、感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間、かつ高速露光を可能とする観点から、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行うことが好ましく、前記デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)と併用されることが特に好ましい。
前記露光工程において、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。前記感光層形成工程により形成された感光層を、露光する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガスを前記感光層表面に直接吹きかける方法、枠状フレームの一辺が開放され、不活性ガスの導入孔が少なくとも残りの1辺に形成された試料台中の露光空間に、露光対象である感光層が形成された試料を載置し、前記不活性ガスの導入孔から不活性ガスを導入して、感光層表面を不活性ガスで覆いつつ、露光を行う方法などが挙げられる。
また、前記露光空間を密封空間として、減圧下で該密封空間内に不活性ガスを導入することも可能である。
前記不活性ガスとしては、酸素の影響により前記感光層の重合反応が阻害されることを防止できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の態様、及び該カラーフィルタの製造方法に好適に用いられる露光装置を、図面を参照しながら説明する。
前記露光装置としては、いわゆるフラットベッドタイプの露光装置の他、感光材料がドラムの外周面に巻きつけられるアウタードラムタイプの露光装置、及び感光材料がシリンダの内周面に装着されるインナードラムタイプの露光装置であってもよい。以下、一例として、フラットベットタイプの露光装置について説明する。
<露光装置>
前記露光装置は、図1に示すように、前記感光層を前記基体上に積層してなる積層体12(以下、「感光層12」、又は「感光材料12」と表す)を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置10には、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(図示せず)が設けられている。
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設けられている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。このゲート22を挟んで一方の側にはスキャナ24が設けられ、他方の側には感光層12の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)のセンサ26(又はカメラ26)が設けられている。スキャナ24及びセンサ26(又はカメラ26)は、ゲート22に各々取り付けられて、ステージ14の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ24及びセンサ26(又はカメラ26)は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ24には、図2及び図3Bに示すように、m行n列(例えば、2行5列)の略マトリックス状に配列された10個の露光ヘッドが備えられている。
図2に示すように、各露光ヘッド30が、後述する内部のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36の各描素部(マイクロミラー)列方向が、走査方向と所定の設定傾斜角度θをなすように、スキャナ24に取り付けられている場合には、各露光ヘッド30による露光エリア32は、走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。
ステージ14の移動に伴い、感光層12には露光ヘッド30ごとに帯状の露光済み領域34が形成される。
なお、以下において、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド30mnと表記し、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア32mnと表記する。
また、図3A及び図3Bに示すように、帯状の露光済み領域34のそれぞれが、隣接する露光済み領域34と部分的に重なるように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、その配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施形態では、2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア3211と、露光エリア3212との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア3221により露光することができる。
スキャナ24による感光層12の副走査が終了し、センサ26(又はカメラ26)で感光層12の後端が検出されると、ステージ14は、ステージ駆動装置304により、ガイド20に沿ってゲート22の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド20に沿ってゲート22の上流側から下流側に一定速度で移動される。
ここで、説明のため、ステージ14の表面と平行な平面内に、図1に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を規定する。
ステージ14の走査方向に沿って上流側(以下、単に「上流側」ということがある。)の端縁部には、X軸の方向に向かって開く「く」の字型に形成されたスリット28が、等間隔で10本形成されていてもよい。
各スリット28は、上流側に位置するスリット28aと下流側に位置するスリット28bとからなっている。スリット28aとスリット28bとは互いに直交するとともに、X軸に対してスリット28aは−45度、スリット28bは+45度の角度を有している。
スリット28の位置は、前記露光ヘッド30の中心と略一致させられている。また、各スリット28の大きさは、対応する露光ヘッド30による露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。また、スリット28の位置としては、隣接する露光済み領域34間の重複部分の中心位置と略一致させてもよい。この場合、各スリット28の大きさは、露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさとする。
ステージ14内部の各スリット28の下方の位置には、N重露光を行う場合、理想のN重露光を実現するために描素部を選択する後述の使用描素部指定処理において、描素単位としての光点を検出する光点位置検出手段としての単一セル型の光検出器(図示せず)が組み込まれていてもよい。また、前記光検出器は、後述する使用描素部指定処理において、前記描素部の選択を行う描素部選択手段としての演算装置(図示せず)に接続されている。
露光時における前記露光装置の動作形態はとしては、露光ヘッドを常に移動させながら連続的に露光を行う形態であってもよいし、露光ヘッドを段階的に移動させながら、各移動先の位置で露光ヘッドを静止させて露光動作を行う形態であってもよい。
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
<<露光ヘッド>>
露光ヘッド30の概略構成の一例を、図4、図5A及び図5Bに示す。図4、図5A及び図5Bでは、前記露光ヘッド30中を伝播する光の光路に沿って、各構成要素を示している。
本例では、入射された光を画像データに応じて描素部ごとに変調する光変調手段(描素部ごとに変調する空間光変調素子)として、DMD36(米国テキサス・インスツルメンツ社製)を備え、光照射手段として、ファイバアレイ光源38を備えている。
図4に示すように、DMD36の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア32の長辺方向と一致する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源38、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させる集光レンズ系40、この集光レンズ系40を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42がこの順に配置されている。なお図4では、集光レンズ系40を概略的に示してある。
また、DMD36の光反射側には、DMD36で反射されたレーザ光を感光層12の露光面上に結像する結像レンズ系50が配置されている。なお図4では、結像レンズ系50を概略的に示してある。
前記集光レンズ系40は、例えば、図5A及び図5Bに示すように、ファイバアレイ光源38から出射されたレーザ光を平行光化する1対の組合せレンズ44、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ46、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD36上に集光する集光レンズ48で構成され、更に後述する他の部材などからなる。
前記結像レンズ系50は、例えば、DMD36と感光層12の露光面とが共役な関係となるように配置された2枚のレンズ52及び54で構成され、更に、マイクロレンズアレイ、及びアパーチャアレイなどの後述する他のレンズ群からなる。
−光変調手段−
前記光変調手段としてのDMD36は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)56上に、各々描素(ピクセル)を構成する描素部として、多数のマイクロミラー58が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各マイクロミラー58は支柱に支えられており、その表面にはアルミニウムなどの反射率の高い材料が蒸着されている。なお、本実施形態では、各マイクロミラー58の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向ともに13.7μmである。SRAMセル56は、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのものであり、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
DMD36のSRAMセル(メモリセル)56に、所望の2次元パターンを構成する各点の濃度を2値で表した画像信号が書き込まれると、支柱に支えられた各マイクロミラー58が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±α度(例えば、±10度)のいずれかに傾く。図7Aは、マイクロミラー58がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7Bは、マイクロミラー58がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。このように、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー58の傾きを制御することによって、DMD36に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー58の傾き方向へ反射される。
それぞれのマイクロミラー58のオンオフ制御は、DMD36に接続された図8のコントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー58で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD36は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図9AはDMD36を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図9BはDMD36を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD36には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1,024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図9Bに示すように、DMD36を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD36を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD36の傾斜角は微小であるので、DMD36を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD36を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光されることにより、アライメントマークに対する露光位置の微少量を制御することができ、高精細な露光を実現することができる、また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目(ヘッド間つなぎ領域)を微少量の制御により段差なくつなぐことができる。
DMDを傾斜させるかわりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらし、図10に示すように千鳥情に配置しても、同様の効果を得ることができる。
なお、図10に示すように、スキャナ24によるX方向への1回の走査で感光層12の全面を露光してもよく、図11A及び図11Bに示すように、スキャナ24により感光層12をX方向へ走査した後、スキャナ24をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査で感光層12の全面を露光するようにしてもよい。
−光照射手段−
前記光照射手段の好適な例として、合波レーザを照射可能な手段、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させるレンズ系とを有する手段(ファイバアレイ光源)について説明する。
ファイバアレイ光源38は、図12に示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール60を備えており、各レーザモジュール60には、マルチモード光ファイバ62の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ62の他端には、マルチモード光ファイバ62より小さいクラッド径を有する光ファイバ64が結合されている。図13に詳しく示すように、光ファイバ64のマルチモード光ファイバ62と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図13に示すように、表面が平坦な2枚の支持板68に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラスなどの透明な保護板が配置されるのが望ましい。光ファイバ64の光出射端面は、光密度が高いため集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
このような光ファイバは、例えば、図14に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ62のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ64を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ64の入射端面が、マルチモード光ファイバ62の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ64のコア64aの径は、マルチモード光ファイバ62のコア62aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタなどを介してマルチモード光ファイバ62の出射端に結合してもよい。コネクタなどを用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合などに先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ64を、マルチモード光ファイバ62の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ62及び光ファイバ64は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ62は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ64は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。したがって、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
ただし、光ファイバのクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ64のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール60は、図15に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック110上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6、及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズL1、L2、L3、L4、L5、L6及びL7と、1つの集光レンズ200と、1本のマルチモード光ファイバ62と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350〜450nmの波長範囲で、前記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図16及び図17に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ400内に収納されている。パッケージ400は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋410を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ400の開口をパッケージ蓋410で閉じることにより、パッケージ400とパッケージ蓋410とにより形成される閉空間(封止空間)内に前記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ400の底面にはベース板420が固定されており、このベース板420の上面には、前記ヒートブロック110と、集光レンズ200を保持する集光レンズホルダー450と、マルチモード光ファイバ62の入射端部を保持するファイバホルダー460とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ62の出射端部は、パッケージ400の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック110の側面にはコリメータレンズホルダー440が取り付けられており、コリメータレンズL1〜L7が保持されている。パッケージ400の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線470がパッケージ外に引き出されている。
なお、図17においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズL7にのみ番号を付している。
図18は、前記コリメータレンズL1〜L7の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズL1〜L7の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズL1〜L7は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図18の左右方向)と直交するように、前記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズL1〜L7に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズL1〜L7の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズL1〜L7の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ200は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズL1〜L7の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ200は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ200も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、露光装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図19に示すように、ヒートブロック110上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図20Aに示す、複数(例えば、5個)の発光点111aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ111は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。ただし、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ111に撓みが発生し易くなるため、発光点111aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ111や、図20Bに示すように、ヒートブロック110上に、複数のマルチキャビティレーザ111が各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図21に示すように、複数(例えば、3個)の発光点111aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ111を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ111と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ111は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aを、前記マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ200として、マルチモード光ファイバ62のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ111からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ62への結合効率を上げることができる。
また、図22に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ111を用い、ヒートブロック110上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ111が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ111は、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ111に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ62と、集光レンズ200と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
前記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ200によって集光され、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に、他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図23A及び図23Bに示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ111が、各チップの発光点111aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ111のレーザ光出射側には、各チップの発光点111aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ62と、このマルチモード光ファイバ62の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ200と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキャビティレーザ111の複数の発光点111aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ200によって集光されて、マルチモード光ファイバ62のコア62aに入射する。コア62aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、前記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明の露光装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ62の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μmなどのマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
−−輝度−−
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ64の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。したがって、6本の光ファイバ64がアレイ状に配列されたレーザ出射部での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源のレーザ出射部には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
−−焦点深度−−
ここで、図24A及び図24Bを参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図24Aに示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)38aの発光領域が大きいので、DMD36へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図24Bに示すように、本発明の露光装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源38bの発光領域の副走査方向の径が小さいので、集光レンズ系40を通過してDMD36へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面(感光層12)へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。したがって、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図24A及び図24Bは、光学的な関係を説明するために展開図とした。
〔光量分布の補正方法〕
前記光変調手段を備えるデジタル露光装置では、各描画単位で微細なパターンを高精度に形成するために、露光ヘッド内の各描画単位の光量が均一であることが重要である。ただし実際には、露光ヘッドから照射される光ビームは、レンズ系の要因で光軸の中心部に比べて周辺部の光強度が低下してしまうという問題がある。
そこで、前記光照射手段から前記光変調手段に照射される光の光量分布を補正し、被露光面上での露光光の光量分布を均一に補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図25に示す。
前記光量分布補正方法は、集光レンズ系により光照射手段から光変調手段に照射される光の照射領域内における光量に分布を持たせ、前記光変調手段により変調された光の感光層の被露光面における光量分布が均一になるように補正する方法であり、以下に説明する第1の形態、及び第2の形態が好適に挙げられる。
−第1の実施形態−
DMDの光反射側には投影光学系が設けられ、この投影光学系は、DMDの光反射側の露光面にある感光層上に光源像を投影するため、DMD側から感光層へ向って順に、レンズ系、マイクロレンズアレイ、対物レンズ系の各露光用の光学部材が配置されて構成されている。
前記レンズ系及び前記対物レンズ系は、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズなど)を組み合せた拡大光学系として構成されており、DMDにより反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMDにより反射されたレーザビームによる感光層上の露光エリアの面積を所定の大きさに拡大している。なお、感光層は、対物レンズ系の後方焦点位置に配置される。
通常は、この光ビームの光量(光強度)分布は、レンズ系の要因により光軸の中心部に比べて周辺部が低下してしまうが、本実施形態の露光ヘッドには、ファイバアレイ光源から出射されたレーザ光の光量分布を均一化してDMDに照射するために、DMDの光入射側の光路上に配置した集光レンズ系にロッドインテグレータを設けている。ただし、このロッドインテグレータによっても、本実施形態のように各描画単位をマイクロレンズアレイによって集光する系では、光軸中心部に対する周辺部の光強度低下が顕著となり、より高い精度で画像露光を行う場合に光量分布を要求精度まで補正することが難しい。また、この光量分布の補正精度を高めるために、ロッドインテグレータを長尺化することも考えられるが、その場合、ロッドインテグレータは非常に高価な光学部品であるため、装置コストが上昇し、また、露光ヘッドが大型化してしまう弊害がある。
これに対し、本実施形態の露光ヘッドでは、前述したように、ファイバアレイ光源38から集光レンズ系へ入射されたレーザ光が、主光線の角度に分布を持ち光軸中心に比べて周辺部の光輝度が高められたレーザ光とされて集光レンズ系から出射され、DMDに照射されるため、DMDのレーザ光照射領域における光量分布は、光軸中心に比べて周辺部の光量が高められる。そのため、DMDにより画素毎に変調された光ビームが、光軸中心から周辺部に行くに従って光の透過量を低下させる特性を持つマイクロレンズアレイを透過して感光層の露光面に照射されると、露光面での光ビームの光量分布は均一になるよう補正される。
−第2の実施形態−
第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に係る露光装置の露光ヘッドにおいて、集光レンズ系に、非球面レンズを有するテレセントリック光学系を設けることで、第1の実施形態と同様に露光面での光ビームの光量分布を均一化する技術である。
第2の実施形態に係る露光ヘッドでは、例えば集光レンズ系に、2枚で一組の平凸レンズにより構成されたテレセントリック光学系が設けられており、このテレセントリック光学系は、例えばロッドインテグレータと集光レンズの間に配置されている。
平凸レンズは、凸面側が非球面状に形成された非球面レンズとされている。レーザ光の入射側(ファイバアレイ光源側)に配置された平凸レンズは、入射面の面形状が、曲率半径が光軸(光軸中心)から離れるに従い大きくなる非球面、換言すれば、曲率が光軸Xから離れるに従い小さくなる非球面とされ、出射面が平面状とされている。また、レーザ光の出射側(DMD側)に配置された平凸レンズは、入射面が平面状とされ、出射面の面形状が、曲率半径が光軸Xから離れるに従い小さくなる非球面、換言すれば、曲率が光軸Xから離れるに従い大きくなる非球面とされている。
〔焦点位置精度の補正方法〕
前記結像レンズ系を構成する投影レンズの像面湾曲、非点隔差、歪曲などは、テレセントリック性を低下させ、露光光の焦点位置精度を悪化させるという問題がある。この影響を排除するために多重露光を行うと、露光スピードの低下、画質の低下などが生じるという問題がある。
そこで、結像レンズ系において、被露光面上での露光光の焦点位置精度を補正する方法を以下に説明する。
なお、この方法に好適な露光ヘッドの構成概略図を、図29、図35A及び図35Bに示す。
前記焦点位置精度の補正方法としては、例えば、光変調手段により変調された光の光路長を変更し、感光層の被露光面に結像する露光光の焦点を調節する焦点調節手段を用いる方法、及び、前記結像レンズ系の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、光変調手段により変調された光を結像する方法が好適に挙げられる。また、前記感光層(感光材料)の相対移動の方向を、該感光材料のうねり方向に向けて移動させる方法も好適に挙げられる。
〔露光パターン像歪みの補正方法〕
前記空間光変調素子の各描素部の面の歪みは、集光位置における光ビームに歪みをもたらすという問題があり、特に、前記DMDを空間光変調素子として用いた場合には顕著であり、高精細な露光パターンが形成されないという問題がある。
そこで、前記DMDからの光を収束するマイクロレンズアレイにおいて該DMDの出射面の歪みを補正することにより、前記感光層の被露光面上に結像される像の歪みを補正する方法を以下に説明する。
前記露光パターン像歪みの補正方法としては、例えば、前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズを、前記描素部の面の歪みによる収差を補正する特性を有するものとすることが挙げられ、そのようなマイクロレンズとしては、具体的には、非球面を有するマイクロレンズ、屈折率分布を有するマイクロレンズ、及び周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズなどが挙げられる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、前記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
更に、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイのマイクロレンズが、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
なお、先に述べたマイクロレンズのように、面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラーの反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
次に、前記描素部の周辺部からの光を入射させないレンズ開口形状を有するマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイについて説明する。
先に説明した通り、DMDのマイクロミラーの反射面には歪みが存在するが、その歪み変化量はマイクロミラーの中心から周辺部に行くにつれて次第に大きくなる傾向を有している。そしてマイクロミラーの1つの対角線方向(y方向)の周辺部歪み変化量は、別の対角線方向(x方向)の周辺部歪み変化量と比べて大きく、前記の傾向もより顕著となっている。この問題に対処するために、アレイ状に配設されたマイクロレンズが、円形のレンズ開口を有することが好ましい。
そこで、上述のように歪みが大きいマイクロミラーの反射面の周辺部、特に、四隅部で反射したレーザ光はマイクロレンズによって集光されなくなり、集光されたレーザ光の集光位置における形状が歪んでしまうことを防止できる。したがって、歪みの無い、より高精細な画像を感光層に露光可能となる。
〔多重露光による補正〕
上述のとおり、前記露光ヘッドを構成する各種レンズ系に起因する露光光の歪みの影響は、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。更に、前記露光ヘッドの取付け位置や取付け角度のズレに起因する解像度のばらつきや濃度ムラも、使用するマイクロミラーを選択し、N重露光による埋め合わせの効果で均すこともできる。
具体的には、走査方向に対し描素部の列方向が所定の設定傾斜角度θをなすように配置されてなる露光ヘッドを用い、前記露光ヘッドについて、使用描素部指定手段により、使用可能な前記描素部のうち、N重露光(ただし、Nは2以上の自然数)に使用する前記描素部を指定し、前記露光ヘッドについて、使用描素部制御手段により、前記使用描素部指定手段により指定された前記描素部のみが露光に関与するように、前記描素部の制御し、前記感光層に対し、前記露光ヘッドを走査方向に相対的に移動させて露光を行う方法が好適に挙げられる。
前記N重露光とは、前記感光層上の被露光面の略すべての領域において、前記露光ヘッドの走査方向に平行な直線が、該被露光面上に照射されたN本の光線列と交わる露光をいう。
前記N重露光のNとしては、2以上の自然数であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上の自然数が好ましく、3以上7以下の自然数がより好ましい。
<<使用描素部指定手段>>
前記使用描素部指定手段としては、描素単位としての光点の位置を被露光面上において検出する光点位置検出手段と、前記光点位置検出手段による検出結果に基づき、N重露光を実現するために使用する描素部を選択する描素部選択手段とを少なくとも備えることが好ましい。
以下、前記使用描素部指定手段による、N重露光に使用する描素部の指定方法の例について説明する。
(1)単一露光ヘッド内における使用描素部の指定方法
本実施形態(1)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、各露光ヘッド30の取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
露光ヘッド30の走査方向に対する描素部(マイクロミラー58)の列方向の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも、若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、N重露光の数N、使用可能なマイクロミラー58の列方向の個数s、使用可能なマイクロミラー58の列方向の間隔p、及び露光ヘッド30を傾斜させた状態においてマイクロミラーによって形成される走査線のピッチδに対し、下記式1、
spsinθideal≧Nδ (式1)
により与えられる。本実施形態におけるDMD36は、前記のとおり、縦横の配置間隔が等しい多数のマイクロミラー58が矩形格子状に配されたものであるので、
pcosθideal=δ (式2)
であり、前記式1は、
stanθideal=N (式3)
となる。本実施形態(1)では、前記のとおりs=256、N=2であるので、前記式3より、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、例えば、0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図25は、前記のように初期調整された露光装置10において、1つの露光ヘッド30の取付角度誤差、及びパターン歪みの影響により、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。以下の図面及び説明においては、各描素部(マイクロミラー)により生成され、被露光面上の露光領域を構成する描素単位としての光点について、第m行目の光点をr(m)、第n列目の光点をc(n)、第m行第n列の光点をP(m,n)とそれぞれ表記するものとする。
図25の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で、感光層12の被露光面上に投影される、使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示し、下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態で、ステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を示したものである。
なお、図25では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンを分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図25の例では、設定傾斜角度θを前記の角度θidealよりも若干大きい角度を採用した結果として、また露光ヘッド30の取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度と前記の設定傾斜角度θとが誤差を有する結果として、被露光面上のいずれの領域においても濃度むらが生じている。具体的には、奇数列のマイクロミラーによる露光パターン及び偶数列のマイクロミラーによる露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となり、描画が冗長となる領域が生じ、濃度むらが生じている。
更に、図25の例では、露光面上に現れるパターン歪みの一例であって、露光面上に投影された各画素列の傾斜角度が均一ではなくなる「角度歪み」が生じている。このような角度歪みが生じる原因としては、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれ、及びDMD36自体の歪みやマイクロミラーの配置誤差などが挙げられる。
図25の例に現れている角度歪みは、走査方向に対する傾斜角度が、図の左方の列ほど小さく、図の右方の列ほど大きくなっている形態の歪みである。この角度歪みの結果として、露光過多となっている領域は、図の左方に示した被露光面上ほど小さく、図の右方に示した被露光面上ほど大きくなっている。
前記したような、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域における濃度むらを軽減するために、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド30ごとに実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された前記演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
前記実傾斜角度θ´は、光点位置検出手段が検出した少なくとも2つの光点位置に基づき、露光ヘッドを傾斜させた状態における被露光面上の光点の列方向と前記露光ヘッドの走査方向とがなす角度により特定される。
以下、図26及び70を用いて、前記実傾斜角度θ´の特定、及び使用画素選択処理について説明する。
−実傾斜角度θ´の特定−
図26は、1つのDMD36による露光エリア32と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光エリア32の幅を十分覆う大きさとされている。
本実施形態(1)の例では、露光エリア32の略中心に位置する第512列目の光点列と露光ヘッド30の走査方向とがなす角度を、前記の実傾斜角度θ´として測定する。具体的には、DMD36上の第1行目第512列目のマイクロミラー58、及び第256行目第512列目のマイクロミラー58をオン状態とし、それぞれに対応する被露光面上の光点P(1,512)及びP(256,512)の位置を検出し、それらを結ぶ直線と露光ヘッドの走査方向とがなす角度を実傾斜角度θ´として特定する。
図27は、光点P(256,512)の位置の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第512列目のマイクロミラー58を点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,512)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す前記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図27における右方に相対移動させる。そして、図27において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,512)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図27における左方に相対移動させる。そして、図27において二点鎖線で示すように、光点P(256,512)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0、Y2)を光点P(256,512)の位置として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,512)の被露光面上における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。同様の測定により、P(1,512)の位置を示す座標も決定し、それぞれの座標を結ぶ直線と、露光ヘッド30の走査方向とがなす傾斜角度を導出し、これを実傾斜角度θ´として特定する。
−使用描素部の選択−
このようにして特定された実傾斜角度θ´を用い、前記光検出器に接続された前記演算装置は、下記式4
ttanθ´=N (式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを導出し、DMD36上の1行目からT行目のマイクロミラーを、本露光時に実際に使用するマイクロミラーとして選択する処理を行う。これにより、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域と、露光不足となる領域との面積合計が最小となるようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
ここで、前記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、第512列目付近の露光領域において、理想的な2重露光に対して、露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
図28は、前記のようにして実際に使用するマイクロミラーとして選択されたマイクロミラーが生成した光点のみを用いて行った露光において、図25に示した露光面上のむらがどのように改善されるかを示した説明図である。
この例では、前記の自然数TとしてT=253が導出され、第1行目から第253行目のマイクロミラーが選択されたものとする。選択されなかった第254行目から第256行目のマイクロミラーに対しては、前記使用描素部制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。図28に示すとおり、第512列目付近の露光領域では、露光過多及び露光不足は、ほぼ完全に解消され、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光が実現される。
一方、図28の左方の領域(図中のc(1)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光点列の傾斜角度が中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも小さくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーのみによる露光では、偶数列による露光パターン及び奇数列による露光パターンのそれぞれにおいて、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光量不足となる領域が互いに補完され、前記角度歪みによる露光むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
また、図28の右方の領域(図中のc(1024)付近)では、前記角度歪みにより、被露光面上における光線列の傾斜角度が、中央付近(図中のc(512)付近)の領域における光線列の傾斜角度よりも大きくなっている。したがって、c(512)を基準として測定された実傾斜角度θ´に基づいて選択されたマイクロミラーによる露光では、図に示すように、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域がわずかに生じてしまう。
しかしながら、図示の奇数列による露光パターンと偶数列による露光パターンとを重ね合わせてなる実際の露光パターンにおいては、露光過多となる領域が互いに補完され、前記角度歪による濃度むらを、2重露光による埋め合わせの効果で最小とすることができる。
本実施形態(1)では、上述のとおり、第512列目の光線列の実傾斜角度θ´が測定され、該実傾斜角度θ´を用い、前記式(4)により導出されたTに基づいて使用するマイクロミラー58を選択したが、前記実傾斜角度θ´の特定方法としては、複数の描素部の列方向(光点列)と、前記露光ヘッドの走査方向とがなす複数の実傾斜角度をそれぞれ測定し、それらの平均値、中央値、最大値、及び最小値のいずれかを実傾斜角度θ´として特定し、前記式4などによって実際の露光時に実際に使用するマイクロミラーを選択する形態としてもよい。
前記平均値又は前記中央値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域と露光不足となる領域とのバランスがよい露光を実現することができる。例えば、露光過多となる領域と、露光量不足となる領域との合計面積が最小に抑えられ、かつ、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるような露光を実現することが可能である。
また、前記最大値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光過多となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光不足となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光過多となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
更に、前記最小値を実傾斜角度θ´とすれば、理想的なN重露光に対して露光不足となる領域の排除をより重要視した露光を実現することができ、例えば、露光過多となる領域の面積を最小に抑え、かつ、露光不足となる領域が生じないような露光を実現することが可能である。
一方、前記実傾斜角度θ´の特定は、同一の描素部の列(光点列)中の少なくとも2つの光点の位置に基づく方法に限定されない。例えば、同一描素部列c(n)中の1つ又は複数の光点の位置と、該c(n)近傍の列中の1つ又は複数の光点の位置とから求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
具体的には、c(n)中の1つの光点位置と、露光ヘッドの走査方向に沿って直線上かつ近傍の光点列に含まれる1つ又は複数の光点位置とを検出し、これらの位置情報から、実傾斜角度θ´を求めることができる。更に、c(n)列近傍の光点列中の少なくとも2つの光点(例えば、c(n)を跨ぐように配置された2つの光点)の位置に基づいて求めた角度を、実傾斜角度θ´として特定してもよい。
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(1)の使用描素部の指定方法によれば、各露光ヘッドの取付角度誤差やパターン歪みの影響による解像度のばらつきや濃度のむらを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(2)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<1>
本実施形態(2)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30、即ち、各DMD36の設定傾斜角度θとしては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部マイクロミラー58を使用してちょうど2重露光となる角度θidealを採用するものとする。
この角度θidealは、前記の実施形態(1)と同様にして前記式1〜3から求められる。本実施形態(2)において、露光装置10は、各露光ヘッド30、即ち、各DMD36の取付角度がこの角度θidealとなるように、初期調整されているものとする。
図29は、前記のように初期調整された露光装置10において、2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の、理想的な状態からのずれの影響により、被露光面上のパターンに生じる濃度むらの例を示した説明図である。各露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれは、露光ヘッド間の相対位置の微調整が困難であるために生じ得るものである。
図29の上段部分は、ステージ14を静止させた状態で感光層12の被露光面上に投影される、露光ヘッド3012と3021が有するDMD36の使用可能なマイクロミラー58からの光点群のパターンを示した図である。図29の下段部分は、上段部分に示したような光点群のパターンが現れている状態でステージ14を移動させて連続露光を行った際に、被露光面上に形成される露光パターンの状態を、露光エリア3212と3221について示したものである。
なお、図29では、説明の便宜のため、使用可能なマイクロミラー58の1列おきの露光パターンを、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとに分けて示してあるが、実際の被露光面上における露光パターンは、これら2つの露光パターンを重ね合わせたものである。
図29の例では、前記したX軸方向に関する露光ヘッド3012と3021との間の相対位置の、理想的な状態からのずれの結果として、画素列群Aによる露光パターンと画素列群Bによる露光パターンとの双方で、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な部分が生じてしまっている。
前記したような、複数の前記露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域に現れる濃度むらを軽減するために、本実施形態(2)では、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021からの光点群のうち、被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を構成する光点のいくつかについて、その位置(座標)を検出する。該位置(座標)に基づいて、前記描素部選択手段として前記光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−位置(座標)の検出−
図30は、図29と同様の露光エリア3212及び3221と、対応するスリット28との位置関係を示した上面図である。スリット28の大きさは、露光ヘッド3012と3021による露光済み領域34間の重複部分の幅を十分覆う大きさ、すなわち、露光ヘッド3012と3021により被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域を十分覆う大きさとされている。
図31は、一例として露光エリア3221の光点P(256,1024)の位置を検出する際の検出手法を説明した上面図である。
まず、第256行目第1024列目のマイクロミラーを点灯させた状態で、ステージ14をゆっくり移動させてスリット28をY軸方向に沿って相対移動させ、光点P(256,1024)が上流側のスリット28aと下流側のスリット28bの間に来るような任意の位置に、スリット28を位置させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標を(X0,Y0)とする。この座標(X0,Y0)の値は、ステージ14に与えられた駆動信号が示す前記の位置までのステージ14の移動距離、及び、既知であるスリット28のX方向位置から決定され、記録される。
次に、ステージ14を移動させ、スリット28をY軸に沿って図31における右方に相対移動させる。そして、図31において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が左側のスリット28bを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y1)を、光点P(256,1024)の位置として記録する。
次いで、ステージ14を反対方向に移動させ、スリット28をY軸に沿って図31における左方に相対移動させる。そして、図31において二点鎖線で示すように、光点P(256,1024)の光が右側のスリット28aを通過して光検出器で検出されたところでステージ14を停止させる。このときのスリット28aとスリット28bとの交点の座標(X0,Y2)を、光点P(256,1024)として記録する。
以上の測定結果から、光点P(256,1024)の被露光面における位置を示す座標(X,Y)を、X=X0+(Y1−Y2)/2、Y=(Y1+Y2)/2の計算により決定する。
−不使用描素部の特定−
図29の例では、まず、露光エリア3212の光点P(256,1)の位置を、前記の光点位置検出手段としてスリット28と光検出器の組により検出する。続いて、露光エリア3221の第256行目の光点行r(256)上の各光点の位置を、P(256,1024)、P(256,1023)・・・と順番に検出していき、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示す露光エリア3221の光点P(256,n)が検出されたところで、検出動作を終了する。そして、露光エリア3221の光点列c(n+1)からc(1024)を構成する光点に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラー(不使用描素部)として特定する。
例えば、図29において、露光エリア3221の光点P(256,1020)が、露光エリア3212の光点P(256,1)よりも大きいX座標を示し、その露光エリア3221の光点P(256,1020)が検出されたところで検出動作が終了したとすると、図32において斜線で覆われた部分70に相当する露光エリア3221の第1021行から第1024行を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
次に、N重露光の数Nに対して、露光エリア3212の光点P(256,N)の位置が検出される。本実施形態(2)では、N=2であるので、光点P(256,2)の位置が検出される。
続いて、露光エリア3221の光点列のうち、前記で本露光時に使用しないマイクロミラーに対応する光点列として特定されたものを除き、最も右側の第1020列を構成する光点の位置を、P(1,1020)から順番にP(1,1020)、P(2,1020)・・・と検出していき、露光エリア3212の光点P(256,2)よりも大きいX座標を示す光点P(m,1020)が検出されたところで、検出動作を終了する。
その後、前記光検出器に接続された演算装置において、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標とが比較され、露光エリア3221の光点P(m,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,020)に対応するマイクロミラーが本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定される。
また、露光エリア3221の光点P(m−1,1020)のX座標の方が露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標に近い場合は、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。
更に、露光エリア3212の光点P(256,N−1)、即ち、光点P(256,1)の位置と、露光エリア3221の次列である第1019列を構成する各光点の位置についても、同様の検出処理及び使用しないマイクロミラーの特定が行われる。
その結果、例えば、図32において網掛けで覆われた領域72を構成する光点に対応するマイクロミラーが、実際の露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。これらのマイクロミラーには、常時、そのマイクロミラーの角度をオフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に使用されない。
このように、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定し、該使用しないマイクロミラーを除いたものを、実際の露光時に使用するマイクロミラーとして選択することにより、露光エリア3212と3221の前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができ、図32の下段に示すように、理想的な2重露光に極めて近い均一な露光を実現することができる。
なお、前記の例においては、図32において網掛けで覆われた領域72を構成する光点の特定に際し、露光エリア3212の光点P(256,2)のX座標と、露光エリア3221の光点P(m,1020)及びP(m−1,1020)のX座標との比較を行わずに、ただちに、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−2,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光時に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域の面積が最小になり、かつ露光不足となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
また、露光エリア3221の光点P(1,1020)からP(m−1,1020)に対応するマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定してもよい。その場合、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようなマイクロミラーを、実際に使用するマイクロミラーとして選択することができる。
更に、前記ヘッド間つなぎ領域において、理想的な2重描画に対して露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、実際に使用するマイクロミラーを選択することとしてもよい。
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(2)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれに起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
(3)複数露光ヘッド間における使用描素部の指定方法<2>
本実施形態(3)では、露光装置10により、感光層12に対して2重露光を行う場合であって、複数の露光ヘッド30により形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域において、2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)のX軸方向に関する相対位置の理想的な状態からのずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び2つの露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的な2重露光を実現するための使用描素部の指定方法を説明する。
各露光ヘッド30、即ち、各DMD36の設定傾斜角度としては、露光ヘッド30の取付角度誤差などがない理想的な状態であれば、使用可能な1024列×256行の描素部(マイクロミラー58)を使用してちょうど2重露光となる角度θidealよりも若干大きい角度を採用するものとする。
この角度θidealは、前記式1〜3を用いて前記(1)の実施形態と同様にして求められる値であり、本実施形態では、前記のとおりs=256、N=2であるので、角度θidealは約0.45度である。したがって、設定傾斜角度θとしては、例えば、ば0.50度程度の角度を採用するとよい。露光装置10は、調整可能な範囲内で、各露光ヘッド30すなわち各DMD36の取付角度がこの設定傾斜角度θに近い角度となるように、初期調整されているものとする。
図33は、前記のように各露光ヘッド30、即ち、各DMD36の取付角度が初期調整された露光装置10において、2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)の取付角度誤差、並びに各露光ヘッド3012と3021間の相対取付角度誤差及び相対位置のずれの影響により、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。
図33の例では、図29の例と同様の、X軸方向に関する露光ヘッド3012と3021の相対位置のずれの結果として、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、露光エリア3212と3221の被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光量過多な領域74が生じ、これが濃度むらを引き起こしている。
更に、図33の例では、各露光ヘッドの設定傾斜角度θを前記式(1)を満たす角度θidealよりも若干大きくしたことによる結果、及び各露光ヘッドの取付角度の微調整が困難であるために、実際の取付角度が前記の設定傾斜角度θからずれてしまったことの結果として、被露光面上の前記露光ヘッドの走査方向と直交する座標軸上で重複する露光領域以外の領域でも、一列おきの光点群(画素列群A及びB)による露光パターンの双方で、複数の描素部列により形成された、被露光面上の重複露光領域である描素部列間つなぎ領域において、理想的な2重露光の状態よりも露光過多となる領域76が生じ、これがさらなる濃度むらを引き起こしている。
本実施形態(3)では、まず、各露光ヘッド3012と3021の取付角度誤差及び相対取付角度のずれの影響による濃度むらを軽減するための使用画素選択処理を行う。
具体的には、前記光点位置検出手段としてスリット28及び光検出器の組を用い、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて、実傾斜角度θ´を特定し、該実傾斜角度θ´に基づき、前記描素部選択手段として光検出器に接続された演算装置を用いて、実際の露光に使用するマイクロミラーを選択する処理を行うものとする。
−実傾斜角度θ´の特定−
前記実傾斜角度θ´の特定は、露光ヘッド3012ついては露光エリア3212内の光点P(1,1)とP(256,1)の位置を、露光ヘッド3021については露光エリア3221内の光点P(1,1024)とP(256,1024)の位置を、それぞれ上述した実施形態(2)で用いたスリット28と光検出器の組により検出し、それらを結ぶ直線の傾斜角度と、露光ヘッドの走査方向とがなす角度を測定することにより行われる。
−不使用描素部の特定−
そのようにして特定された実傾斜角度θ´を用いて、光検出器に接続された演算装置は、上述した実施形態(1)における演算装置と同様、下記式4
ttanθ´=N (式4)
の関係を満たす値tに最も近い自然数Tを、露光ヘッド3012と3021のそれぞれについて導出し、DMD36上の第(T+1)行目から第256行目のマイクロミラーを、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定する処理を行う。
例えば、露光ヘッド3012についてはT=254、露光ヘッド3021についてはT=255が導出されたとすると、図34において斜線で覆われた部分78及び80を構成する光点に対応するマイクロミラーが、本露光に使用しないマイクロミラーとして特定される。これにより、露光エリア3212と3221のうちヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光過多となる領域、及び露光不足となる領域の合計面積を最小とすることができる。
ここで、前記の値tに最も近い自然数を導出することに代えて、値t以上の最小の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光量過多となる面積が最小になり、かつ露光量不足となる面積が生じないようになすことができる。
あるいは、値t以下の最大の自然数を導出することとしてもよい。その場合、露光エリア3212と3221の、複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して露光不足となる領域の面積が最小になり、かつ露光過多となる領域が生じないようになすことができる。
複数の露光ヘッドにより形成された被露光面上の重複露光領域であるヘッド間つなぎ領域以外の各領域において、理想的な2重露光に対して、露光過多となる領域の描素単位数(光点数)と、露光不足となる領域の描素単位数(光点数)とが等しくなるように、本露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
その後、図34において斜線で覆われた領域78及び80を構成する光点以外の光点に対応するマイクロミラーに関して、図29から17を用いて説明した本実施形態(3)と同様の処理がなされ、図34において斜線で覆われた領域82及び網掛けで覆われた領域84を構成する光点に対応するマイクロミラーが特定され、本露光時に使用しないマイクロミラーとして追加される。
これらの露光時に使用しないものとして特定されたマイクロミラーに対して、前記描素部素制御手段により、常時オフ状態の角度に設定する信号が送られ、それらのマイクロミラーは、実質的に露光に関与しない。
以上のように、露光装置10を用いた本実施形態(3)の使用描素部の指定方法によれば、複数の露光ヘッドのX軸方向に関する相対位置のずれ、並びに各露光ヘッドの取付角度誤差、及び露光ヘッド間の相対取付角度誤差に起因する解像度のばらつきと濃度むらとを軽減し、理想的なN重露光を実現することができる。
以上、露光装置10による使用描素部指定方法ついて詳細に説明したが、前記実施形態(1)〜(3)は一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能である。
また、前記の実施形態(1)〜(3)では、被露光面上の光点の位置を検出するための手段として、スリット28と単一セル型の光検出器の組を用いたが、これに限られずいかなる形態のものを用いてもよく、例えば、2次元検出器などを用いてもよい。
更に、前記の実施形態(1)〜(3)では、スリット28と光検出器の組による被露光面上の光点の位置検出結果から実傾斜角度θ´を求め、その実傾斜角度θ´に基づいて使用するマイクロミラーを選択したが、実傾斜角度θ´の導出を介さずに使用可能なマイクロミラーを選択する形態としてもよい。更には、例えば、すべての使用可能なマイクロミラーを用いた参照露光を行い、参照露光結果の目視による解像度や濃度のむらの確認などにより、操作者が使用するマイクロミラーを手動で指定する形態も、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、被露光面上に生じ得るパターン歪みには、前記の例で説明した角度歪みの他にも、種々の形態が存在する。
一例としては、図35Aに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる倍率で露光面上の露光エリア32に到達してしまう倍率歪みの形態がある。
また、別の例として、図35Bに示すように、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なるビーム径で露光面上の露光エリア32に到達してしまうビーム径歪みの形態もある。これらの倍率歪み及びビーム径歪みは、主として、DMD36と露光面間の光学系の各種収差やアラインメントずれに起因して生じる。
更に、別の例として、DMD36上の各マイクロミラー58からの光線が、異なる光量で露光面上の露光エリア32に到達してしまう光量歪みの形態もある。この光量歪みは、各種収差やアラインメントずれのほか、DMD36と露光面間の光学要素(例えば、1枚レンズである図5A及び図5Bのレンズ52及び54)の透過率の位置依存性や、DMD36自体による光量むらに起因して生じる。これらの形態のパターン歪みも、露光面上に形成されるパターンに解像度や濃度のむらを生じさせる。
前記の実施形態(1)〜(3)によれば、本露光に実際に使用するマイクロミラーを選択した後の、これらの形態のパターン歪みの残留要素も、前記の角度歪みの残留要素と同様、2重露光による埋め合わせの効果で均すことができる。
<<参照露光>>
前記の実施形態(1)〜(3)の変更例として、使用可能なマイクロミラーのうち、(N−1)列おきのマイクロミラー列、又は全光点行のうち1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行い、均一な露光を実現できるように、前記参照露光に使用されたマイクロミラー中、実際の露光時に使用しないマイクロミラーを特定することとしてもよい。
前記参照露光手段による参照露光の結果をサンプル出力し、該出力された参照露光結果に対し、解像度のばらつきや濃度のむらを確認し、実傾斜角度を推定するなどの分析を行う。前記参照露光の結果の分析は、操作者の目視による分析であってもよい。
図36A及び図36Bは、単一露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがって、N=2である。まず、図36Aに実線で示した奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図36Bに斜線で覆って示す光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点列を構成するマイクロミラー中、本露光において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列の光点列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図37は、複数の露光ヘッドを用い、(N−1)列おきのマイクロミラーのみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図37に実線で示した、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)の奇数列の光点列に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを確認したり、実傾斜角度を推定したりすることで、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図37に斜線で覆って示す領域86及び網掛けで示す領域88内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、奇数列の光点を構成するマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。偶数列の光点列については、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、奇数列目の画素列に対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に実際に使用するマイクロミラーを指定することにより、奇数列及び偶数列双方のマイクロミラーを使用した本露光においては、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図38A及び図38Bは、単一露光ヘッドを用い、全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがってN=2である。まず、図38Aに実線で示した1行目から128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図38Bに斜線で覆って示す光点群に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定され得る。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光時に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、全体のマイクロミラーを使用した本露光においては、理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
図39は、複数の露光ヘッドを用い、X軸方向に関して隣接する2つの露光ヘッド(一例として、露光ヘッド3012と3021)について、それぞれ全光点行数の1/N行に相当する隣接する行を構成するマイクロミラー群のみを使用して参照露光を行う形態の一例を示した説明図である。
この例では、本露光時は2重露光とするものとし、したがって、N=2である。まず、図39に実線で示した第1行目から第128(=256/2)行目の光点に対応するマイクロミラーのみを使用して、参照露光を行い、参照露光結果をサンプル出力する。前記サンプル出力された参照露光結果に基づき、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成されるヘッド間つなぎ領域以外の領域における解像度のばらつきや濃度のむらを最小限に抑えた本露光が実現できるように、本露光時において使用するマイクロミラーを指定することができる。
例えば、図39に斜線で覆って示す領域90及び網掛けで示す領域92内の光点列に対応するマイクロミラー以外のマイクロミラーが、第1行目から第128行目のマイクロミラー中、本露光時において実際に使用されるものとして指定される。第129行目から第256行目のマイクロミラーについては、別途同様に参照露光を行って、本露光に使用するマイクロミラーを指定してもよいし、第1行目から第128行目のマイクロミラーに対するパターンと同一のパターンを適用してもよい。
このようにして本露光時に使用するマイクロミラーを指定することにより、2つの露光ヘッドにより被露光面上に形成される前記ヘッド間つなぎ領域以外の領域において理想的な2重露光に近い状態が実現できる。
以上の実施形態(1)〜(3)及び変更例においては、いずれも本露光を2重露光とする場合について説明したが、これに限定されず、2重露光以上のいかなる多重露光としてもよい。特に3重露光から7重露光程度とすることにより、高解像度を確保し、解像度のばらつき及び濃度むらが軽減された露光を実現することができる。
また、前記の実施形態及び変更例に係る露光装置には、更に、画像データが表す2次元パターンの所定部分の寸法が、選択された使用画素により実現できる対応部分の寸法と一致するように、画像データを変換する機構が設けられていることが好ましい。そのように画像データを変換することによって、所望の2次元パターンどおりの高精細なパターンを露光面上に形成することができる。
〔ジャギー低減方法〕
解像度を高めるために、前記露光ヘッドを傾斜させて露光を行うと、形成する露光パターンによっては、無視できないジャギーが発生してしまうという問題がある。例えば、走査方向又はそれと直交する方向に延在する直線状のパターンを形成する場合、前記光変調手段によって形成される各描素部の位置と、パターンの所望の描画位置との間のずれがジャギーとして視認されてしまうことがある。
この問題に対し、単位面積当たりの描画画素数を増加させるなどの手段を講じることなく、最適な描画条件を設定することにより、ジャギーの発生を抑制する方法を説明する。
露光ヘッドは、シートフィルム(感光材料)の走査方向と直交する方向に2列で千鳥状に配列される。各露光ヘッドに組み込まれるDMDは、高い解像度を実現すべく、走査方向に対して所定角度傾斜した状態に設定される。即ち、DMDをシートフィルムの走査方向に対して傾斜させることにより、DMDを構成するマイクロミラーの走査方向と直交する方向に対する間隔が狭くなり、これによって、走査方向と直交する方向に対する解像度を高くすることができる。なお、露光ヘッド間の継ぎ目が生じることのないよう、各露光ヘッドによる露光エリアが走査方向と直交する方向に重畳するように設定される。
露光装置を制御する制御ユニット(制御手段)は、エンコーダにより検出した移動ステージの位置データに基づいて同期信号を生成する同期信号生成部と、生成された同期信号に基づいて移動ステージを走査方向に移動させる露光ステージ駆動部と、シートフィルムに描画される画像の描画データを記憶する描画データ記憶部と、同期信号及び描画データに基づいてDMDのSRAMセルを変調制御し、マイクロミラーを駆動するDMD変調部とを備える。
また、制御ユニットは、同期信号生成部により生成される同期信号を調整する周波数変更部(描画タイミング変更手段)、位相差変更部(位相差変更手段)及び移動速度変更部(移動速度変更手段)を備える。
周波数変更部は、DMDを構成するマイクロミラーの走査方向に対するオンオフ制御のタイミングを決定する周波数を変更して同期信号生成部に供給し、シートフィルムに描画される画素の走査方向の間隔を調整する。位相差変更部は、走査方向と略直交する方向に隣接して配列されたマイクロミラーのオンオフ制御のタイミングの位相差を変更して同期信号生成部に供給し、シートフィルムに描画される画素の走査方向に対する位相差を調整する。移動速度変更部は、移動ステージの移動速度を変更して同期信号生成部に供給することで移動ステージの移動速度を調整する。
更に、制御ユニットには、必要に応じて、露光ヘッド回転駆動部(描画画素群回転手段)及び光学倍率変更部(描画倍率変更手段)を配設することができる。露光ヘッド回転駆動部は、露光ヘッドをレーザビームLの光軸の回りに所定角度回転させ、シートフィルム上に形成される画素配列の走査方向に対する傾斜角度を調整する。なお、露光ヘッドの一部の光学部材を回転させることによって、画素配列の傾斜角度を調整するようにしてもよい。光学倍率変更部は、露光ヘッドの第2結像光学レンズにより構成されるズーム光学系を制御して光学倍率を変更し、隣接するマイクロミラーによりシートフィルム上に形成される画素の配列ピッチ又は同一のマイクロミラーによる描画ピッチを調整する。
[現像工程]
前記現像工程としては、前記露光工程により前記感光層を露光し、未露光部分を除去することにより現像する工程を有する。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム及び硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液、0.01〜0.1質量%の水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミンなど)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
なお、現像の方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディプ現像などが挙げられる。
ここで、前記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。なお、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
[その他の工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のカラーフィルタ製造方法における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、硬化処理工程、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−硬化処理工程−
前記現像工程後に、感光層に対して硬化処理を行う硬化処理工程を備えることが好ましい。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成する感光性樹脂組成物中の樹脂の硬化が促進され、形成されたパターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記感光性樹脂組成物中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
本発明のカラーフィルタ製造方法は、感光層の被露光面上に結像させる像の歪みを抑制することにより、パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能であるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特に高精細なカラーフィルタパターンの形成に好適に使用することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上述したように、ガラス基板などの透明基板上に、本発明のパターン形成方法により、RGBの3原色の画素をモザイク状又はストライプ状に配置することができる。
各画素の寸法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、40〜200μmとすることが好適に挙げられる。ストライプ状であれば40〜200μm幅が通常用いられる。
前記カラーフィルタの製造方法としては、例えば、透明基板上に黒色に着色された感光層を用いて、露光及び現像を行いブラックマトリックスを形成し、次いで、RGBの3原色のいずれかに着色された感光層を用いて、前記ブラックマトリックスに対して所定の配置で、各色毎に、順次、露光及び現像を繰り返して、前記透明基板上にRGBの3原色がモザイク状又はストライプ状に配置されたカラーフィルタを形成する方法が挙げられる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、ECB(Electrically Controlled Birefringence )、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードを採用することができる。前述したようなカラーフィルタを用いることを特徴とし、これにより、高い色純度を実現すると共に、高い表示品位を実現することができ、ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニターなどの大画面の液晶表示装置などにも好適に用いることができる。
<反射型液晶表示装置>
本発明の反射型液晶表示装置は、互いに対向して配される一対の基板間に液晶が封入されてなり、本発明の前記カラーフィルタを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置の対向基板(TFTなどの能動素子が無い側の基板)に形成するものを対象としている他、TFT基板側に形成するCOA方式、TFT基板側に黒だけを形成するBOA方式、又はTFT基板にハイアパーチャー構造を有するHA方式も対象とすることができる。
前記カラーフィルタ上には、更に必要に応じて、オーバーコート膜や透明導電膜を形成することができる。その後、カラーフィルタと対向基板との間に液晶が封入され、液晶表示装置が作製される。液晶の表示方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定されるが、例えば、TN、STN(スーパー・ツイステッド・ネマティック)、IPS(イン・プレーン・スイッチング)、GH(ゲスト・ホスト)、FLC(強誘電性液晶)、AFLC(反強誘電性液晶)、PDLC(高分子分散型液晶)などの表示方式に適用可能である。
前記液晶表示装置の基本的な構成態様としては、(1)薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という。)などの駆動素子と画素電極(導電層)とが配列形成された駆動側基板と、カラーフィルタ及び対向電極(導電層)を備えるカラーフィルタ側基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるもの、(2)カラーフィルタが前記駆動側基板に直接形成されたカラーフィルタ一体型駆動基板と、対向電極(導電層)を備える対向基板とをスペーサーを介在させて対向配置し、その間隙部に液晶材料を封入して構成されるものなどが挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、D65光源視野2度において良好な色度を有する本発明のカラーフィルタを用いることにより、透過モード及び反射モードのいずれにおいても鮮明な色を表示することができ、透過モードと反射モードを兼用する携帯端末や携帯ゲーム機などの機器に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<カラーフィルタの作製>
−感光性材料の作製−
まず、厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる感光層用塗布液を塗布、乾燥させた。
次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。
更に、下記表1記載の処方K1の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該基材の上に乾燥厚みが14.6μmの感光層と、乾燥厚みが1.6μmの中間層と、乾燥厚みが2.4μmの樹脂層を設け、保護フィルム(厚み12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして前記基材と感光層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の樹脂層とが一体となった感光性材料を作製し、サンプル名を感光性材料K1とした。
感光層用塗布液:処方H1
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・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 6.36質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタク
リレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/30
/10/5、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) 5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6質量部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリートを当量
脱水縮合した化合物(新中村化学(株)製、BPE−500) 9.1質量部
・界面活性剤1(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:メガファックF780F)
0.54質量部
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中間層用塗布液:処方P1
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・PVA205(ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=88%、
重合度550) 32.2質量部
・ポリビニルピロリドン(BASF社製、K−30) 14.9質量部
・蒸留水 524質量部
・メタノール 429質量部
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次に、前記感光性材料K1の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K1を、下記表1に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1に変更し、それ以外は前記と同様の方法により、感光性材料R1、G1及びB1を作製した。
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながら、ナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3重量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃、2分間加熱した。
前記感光性材料K1の保護フィルムを剥離後、ラミネーター(日立インダストリーズ社製)を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
保護フィルムを剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立デコ社製)で、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム(株)製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し感光層と酸素遮断膜を除去した。
引き続き、炭酸Na系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaで、シャワー現像し樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤及び安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」)を用い、33℃で、20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaで、シャワーとナイロン毛を有する回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で、500mJ/cmの光をポスト露光した後、220℃で、15分間熱処理した。
このKの画像を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で、2分間加熱した。
−レッド(R)画素の形成−
前記感光性材料R1を用い、ブラック(K)の画像を形成した基板上に、前記感光性材料K1と同様の工程で、レッド(R)の画素を得た。ただし、露光は405nmの半導体レーザ光源を有する露光装置にて、40mJ/cm、炭酸Na系現像液による現像は、35℃で、35秒間とした。
該樹脂層R1の厚みは2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・レッド254及びC.I.ピグメント・レッド.177の塗布量は、それぞれ、0.88、0.22g/mであった。
このRの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で、2分間加熱した。
−グリーン(G)画素の形成−
前記感光性材料G1を用い、前記レッド(R)画素を形成した基板上に、前記感光性材料R1と同様の工程で、グリーン(G)の画素を得た。ただし、露光量は40mJ/cm、炭酸Na系現像液による現像は34℃で、45秒間とした。
該樹脂層G1の厚みは2.0μmであり、顔料C.I.ピグメント・グリーン36及びC.I.ピグメント・イエロー150の塗布量は、それぞれ、1.12及び0.48g/mであった。
RとGの画素を形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で、2分間加熱した。
−ブルー(B)画素の形成−
前記感光性材料B1を用い、前記レッド(R)画素とグリーン(G)画素を形成した基板上に、前記感光性材料R1と同様の工程で、ブルー(B)の画素を得た。ただし、露光量は30mJ/cm、炭酸Na系現像液による現像は36℃で、40秒間とした。
該樹脂層B1の厚みは2.0μmであり、顔料C.Iピグメント・ブルー15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット23の塗布量は、それぞれ、0.63及び0.07g/mであった。
このR、G及びBの画素を形成した基板再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置により100℃で、2分間加熱した。
このR、G及びBの画素及びKの画像を形成した基板を240℃で、50分間ベークして、目的のカラーフィルタを得た。
ここで、表1に記載の着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製について説明する。
前記着色感光性樹脂組成物K1は、まず、表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで、10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、アルカリ可溶性樹脂1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)で、この順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmの下、30分間攪拌することによって得られる。
なお、処方K1に記載の組成物の内、K顔料分散物1は下記の組成物から調製される。
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・カーボンブラック(NIPEX35、デグサジャパン(株)製) 13.1質量部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ
−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−
イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}
−イソフタルアミド 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで35時間分散し、顔料分散組成物を調製した。この時の顔料の数平均粒径を表2に示す。
前記着色感光性樹脂組成物R1は、まず、表1に記載の量のR顔料分散物1、R顔料分散物2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、アルカリ可溶性樹脂2、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)で、この順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで、5分間攪拌し、ナイロンメッシュ♯200で濾過することによって得られた。
なお、表1に記載の組成物の内、R顔料分散物1は下記の組成物から調製される。
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・C.I.P.R.254 8質量部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ
−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−
イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}
−イソフタルアミド 0.8質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 8質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2質量部
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R顔料分散物2は下記の組成物から調製される。
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・C.I.P.R.177(クロモフタルレッドA2B、チバスペシャリティ・
ケミカルズ(株)製) 18質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 12質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで27時間分散し、顔料分散組成物を調製した。この時の顔料の数平均粒径を表2に示す。
前記着色感光性樹脂組成物G1は、まず、表1に記載の量のG顔料分散物1、Y顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで、10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)で、この順に添加して150rpmで30分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで、5分間攪拌し、ナイロンメッシュ♯200で濾過することによって得られる。
表1に記載の組成物の内、G顔料分散物1は下記の組成物から調製される。
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・C.I.P.G.36 14質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 23質量部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ
−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−
イルカルバモイル]−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}
−イソフタルアミド 1.4質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 61.6質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
Y顔料分散物1は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・C.I.P.Y.150(bayplast Yellow 5GN01、
バイエル(株)製) 15質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 9質量部
・N,N’−ビス−(3−ジエチルアミノプロピル)−5−{4−[2−オキソ
−1−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−
イルカルバモイル)−プロピルアゾ]−ベンゾイルアミノ}
−イソフタルアミド 1.5質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 74.5質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで28時間分散し、顔料分散組成物を調製した。この時の顔料の数平均粒径を表2に示す。
前記着色感光性樹脂組成物B1は、まず、表1に記載の量のB顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で、混合して150rpmで、10分間攪拌し、次いで、メチルエチルケトン、アルカリ可溶性樹脂3、DPHA液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で、150rpmで30分間攪拌し、更に、表1に記載の量の界面活性剤1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpmで、5分間攪拌し、ナイロンメッシュ♯200で濾過することによって得られる。
なお、表1に記載の組成物の内、B顔料分散物1は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・C.I.P.B.15:6(リオノールブルーES、東洋インキ製造(株)製)
11.28質量部
・C.I.P.V.23(Hostaperm Violet RL−NF、
クラリアントジャパン(株)製) 0.72質量部
・EFKA−745
(EFKA ADDITIVES B.V.社製) 0.6質量部
・ディスパロンDA−725(楠本化成株式会社製) 0.75質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 86.65質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで27時間分散し、顔料分散組成物を調製した。この時の顔料の数平均粒径を表2に示す。
アルカリ可溶性樹脂1は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比の
ランダム共重合物、重量平均分子量3.7万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アルカリ可溶性樹脂2は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、
重量平均分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アルカリ可溶性樹脂3は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、
重量平均分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
DPHA液は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ500ppm
含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24質量部
−−−−−−−−−−−−−−−--−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
界面活性剤1(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:メガファックF780F)は下記の組成物から調製される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・C13CHCHOCOCH=CH40質量部と、H(OCH(CH
CHOCOCH=CH 55質量部と、H(OCHCH
OCOCH=CH5質量部との共重合体、重量平均分子量3万 30質量部
・メチルエチルケトン30%溶液、 70質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
参考例2)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を1,500に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて参考例2のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を1,500に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=26時間、G1=25時間、B1=26時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
参考例3)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を1,200に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて参考例3のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を1,200に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=24時間、G1=23時間、B1=24時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
参考例4)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を1,050に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて参考例4のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を1,050に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=20時間、G1=20時間、B1=20時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
参考例5)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を1,010に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて参考例5のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を1,010に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=19時間、G1=19時間、B1=19時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
参考例6)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を1,000に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて参考例6のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を1,000に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=18時間、G1=18時間、B1=18時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
(比較例1)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を990に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて比較例1のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を990に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=15時間、G1=15時間、B1=15時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を950に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて比較例2のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を950に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=12時間、G1=12時間、B1=12時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
(比較例3)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を600に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて比較例3のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を600に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=10時間、G1=10時間、B1=10時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
(比較例4)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を500に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて比較例4のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を500に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=9時間、G1=9時間、B1=9時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
(比較例5)
実施例1において、露光波長コントラスト2,000を300に代えた以外は実施例1と同様の処方、作製方法にて比較例5のカラーフィルタを作製した。
前記露光波長コントラスト2,000を300に代えるには、前記着色感光性樹脂組成物K1、R1、G1、B1の調製を、前記組成物を、モーターミルM−50(アイガージャパン社製)と、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sでR1=8時間、G1=8時間、B1=8時間分散し、顔料分散組成物を調製した。K1については実施例1と同様に行った。
−画素欠落及び線幅の均一性の測定−
実施例1、参考例2〜6、比較例1〜5で作製したカラーフィルタについて、各画素欠落及び各線幅の均一性を光学顕微鏡を用いて測定した。
−該画素欠落の評価−
◎ 画素欠落部分は全くない。
○ 画素欠落部分がわずかに見られるが支障はない。
× 画素欠落部分が多い。
−線幅の均一性の評価−
◎ 線幅は均一である。
○ 線幅太りがわずかに見られるが支障はない。
× 線幅太りの部分が多い。
表2から、本発明の各着色画素の露光波長コントラストが2,000以上であるカラーフィルタについて、前記露光波長コントラストを実施例1では画素欠落及び線幅の均一性について評価したところ、良好であった。比較例1〜5では、前記露光波長コントラストが請求項1を逸脱している990〜300について評価したところ、画素欠落が多く、線幅も不均一となることが判った。
本発明によれば、フォトマスクを用いることなく、画素欠落がなく、線幅ばらつきを極めて少なく、高精細に形成可能であり、低コスト、かつ表示特性に優れ、携帯端末、携帯ゲーム機、ノートパソコン、テレビモニターなどの液晶表示装置(LCD)用、PALC(プラズマアドレス液晶)、プラズマディスプレイ、カラーフィルタなどに好適に用いられる感光性樹脂組成物、及び該感光性樹脂組成物により製造されたカラーフィルタ並びに液晶表示装置を提供することができる。
図1は、露光装置の一例の外観を示す斜視図である。 図2は、露光装置のスキャナの構成の一例を示す斜視図である。 図3Aは、感光層の被露光面上に形成される露光済み領域を示す平面図である。 図3Bは各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す平面図である。 図4は、露光ヘッドの概略構成の一例を示す斜視図である。 図5Aは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す上面図である。 図5Bは、露光ヘッドの詳細な構成の一例を示す側面図である。 図6は、図1の露光装置のDMDの一例を示す部分拡大図である。 図7Aは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図7Bは、DMDの動作を説明するための斜視図である。 図8は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図9Aは、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図9Bは、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図10は、スキャナによる1回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図11Aは、スキャナによる複数回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図11Bは、スキャナによる複数回の走査で感光層を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図12は、ファイバアレイ光源の構成の一例を示す斜視図である。 図13は、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列の一例を示す正面図である。 図14は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図15は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図16は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図17は、図16に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図18は、図16に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図19は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図20Aは、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例である。 図20Bは、図20Aに示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図21は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図22は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図23Aは、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図23Bは、図23Aの光軸に沿った断面図の一例である。 図24Aは、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(露光装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。 図24Bは、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(露光装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。 図25は、露光ヘッドの取付角度誤差及びパターン歪みがある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図26は、1つのDMDによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図27は、被露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図28は、選択されたマイクロミラーのみが露光に使用された結果、露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図29は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれがある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図30は、隣接する2つの露光ヘッドによる露光エリアと、対応するスリットとの位置関係を示した上面図である。 図31は、露光面上の光点の位置を、スリットを用いて測定する手法を説明するための上面図である。 図32は、図29の例において選択された使用画素のみが実動され、露光面上のパターンに生じるむらが改善された状態を示す説明図である。 図33は、隣接する露光ヘッド間に相対位置のずれ及び取付角度誤差がある際に、露光面上のパターンに生じるむらの例を示した説明図である。 図34は、図33の例において選択された使用描素部のみを用いた露光を示す説明図である。 図35Aは、倍率歪みの例を示した説明図である。 図35Bはビーム径歪みの例を示した説明図である。 図36Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図36Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図37は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第一の例を示した説明図である。 図38Aは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図38Bは、単一露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図39は、複数露光ヘッドを用いた参照露光の第二の例を示した説明図である。 図40は、露光波長コントラストの測定例を示した説明図である。 図41は、露光波長コントラストの測定例を示した説明図である。
符号の説明
B1〜B7 レーザビーム
L1〜L7 コリメータレンズ
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 露光装置
12 感光層
14 移動ステージ
18 設置台
20 ガイド
22 ゲート
24 スキャナ
26 センサ(カメラ)
28 スリット
30 露光ヘッド
36 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
38 ファイバアレイ光源
40 集光レンズ系
50 結像レンズ系
58 マイクロミラー(描素部)
60 レーザモジュール
62 マルチモード光ファイバ
64 光ファイバ
66 レーザ出射部
110 ヒートブロック
111 マルチキャビティレーザ
113 ロッドレンズ
114 レンズアレイ
140 レーザアレイ
200 集光レンズ
301 感光性樹脂組成物層
302 第一の偏光板
303 第二の偏光板
304 輝度計
305 レーザ光
306 透過光

Claims (9)

  1. 第一の偏光板、波長が405nm又は365nmの光で感光させ硬化させた厚み1μm〜3μmの感光性樹脂組成物層及び第二の偏光板の順であって、該第一の偏光板と該第二の偏光板の偏光方向が並行になるように重ねた第一の被測定物に、測定波長が405nmのレーザ光を透過させた際の該透過光の輝度(cd/m)をXとし、前記偏光方向が直交するように重ねた第二の被測定物に、前記レーザ光を透過させた際の該透過光の輝度(cd/m)をXとしたとき、該感光性樹脂組成物層の膜厚が2.0μmであるときに求められたX/Xで表される露光波長コントラストが、2,000以上であり、該感光性樹脂組成物が、アルカリ可溶性樹脂と、モノマー及びオリゴマーのいずれかと、光重合開始剤と、顔料粒子とを含み、かつ該顔料粒子の数平均粒径が、0.001〜0.056μmであることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 感光性樹脂組成物における全固形分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量が、10〜90質量%、モノマー及びオリゴマーのいずれかの含有量が、10〜90質量%、光重合開始剤の含有量が、0.1〜20質量%、顔料粒子の含有量が、1〜50質量%、である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・レッド254を含む請求項1から2のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  4. 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・グリーン36を含む請求項1から3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 顔料粒子の少なくとも1色が、C.I.ピグメント・ブルー15:6を含む請求項1から4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成したことを特徴とするカラーフィルタ。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物をスリット状ノズルにより塗布する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  8. 基板上に、少なくとも請求項1から5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物層を有する積層体をラミネーターにより基板に貼り付ける工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項6に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。

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