JP2007057470A - 測定器、マイクロリアクター、及びマイクロリアクターシステム、及び測定方法 - Google Patents

測定器、マイクロリアクター、及びマイクロリアクターシステム、及び測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 反応槽内でリガンドを固定することなくアナライトとの結合量が測定することができる測定器およびマイクロリアクター、マイクロリアクターシステム、及び測定方法を提供する。
【解決手段】 ゲル物質が充填された反応槽内に、まず、リガントを流し、リガントを流している間の周波数変化を前記反応槽内に設けた水晶振動子の発振周波数測定により測定し、次いでリガントを流した後に引き続きアナライトを含有する試料溶液を前記反応槽内に流して同様の発振周波数の周波数変化を測定することによって、リガントとアナライトの移動速度の違いから生じる前記発振周波数の変化分(差分値)から、アナライトがリガントに捕獲される捕獲量を測定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電材料を利用した測定器、マイクロリアクター、マイクロリアクターシステム、及び測定方法に関し、特に異常蛋白質と結合する化合物の探索に用いるものに関する。
近年、ヒトゲノム(ヒトの遺伝子情報)の解析が終了し、異常な遺伝子構造が生成する異常蛋白質と病気との関係解明が進められつつある。この関係の解明により、新薬の開発手法が、開発者の薬剤や化合物に対する経験と勘を頼りに行う既存手法から、異常蛋白質に直接作用する化合物を探索して新薬とする手法へと変化している。この手法の採用により、20年近く必要としていた新薬開発の期間が、今後5年程度に短縮すると見込まれている。
新薬候補の化合物の探索には、異常蛋白質と新薬候補の化合物との物理的な結合量を指標として用いるのが一般的である。結合量の測定方法としては、以前は、酵素、発光物質、放射性同位元素などの標識物質を結合させた化合物を用い、この化合物と異常蛋白を結合させた後、標識物質の量を測定することで、結合した化合物を定量していたが、現在では、標識物質を用いずに測定を行う方法が注目されている。
そこで、従来例として反応器を用いた測定方法を示す。反応器とは、半導体やガラス、樹脂などで構成されたチップの中に導入路と廃液路を形成し、その間に反応槽を設けたデバイスである。反応槽には、予め異常蛋白質を固定したセンサが設置される。このように構成された反応器において、導入路から化合物を含む被測定試料液を流し込むと、被測定試料液中の化合物が反応槽に予め設置された異常蛋白質と反応し、反応後の廃液が廃液路から排出される。なお、反応槽で予め固定されている物質はリガンドと呼ばれ、溶液として供給される物質はアナライトと呼ばれるため、以下ではこの用語を用いる。
反応槽においては、被測定試料液中のアナライトのうちあるものはリガンドと結合してセンサに固定される。アナライトとリガンドの反応が平衡状態に達すると(即ち、センサに固定されるアナライトの量と、センサから離れるアナライトの量が等しくなると)、リガンドに固定されているアナライトの量が一定量となる。この量が新薬開発に必要なデータとなる。このような反応器に関する技術としては、次のようなものがある。センサに圧電振動子(特に水晶振動子)の振動を利用し、圧電振動子表面に接する試料の粘性や振動子に付着した微少な質量を測定する技術である。詳細に説明すると、圧電振動子の両面に形成した電極に交流電圧を印加すると、圧電振動子の材料特性および形状から決定される特定の周波数で共振する。そこで、圧電振動子の電極に物質が付着すると、付着した質量に応じて振動子全体の共振周波数が変化する。この変化を検出することで、電極に付着した物質の質量を測定するという技術である。
しかし、このような質量計測手段では、特定の物質の検出はできないため、特定の物質のみを吸着もしくは捕獲する手段を所定位置に固定し、特定の物質のみを検出する構成が用いられている。一例を挙げると、蛋白質の検出に抗原抗体反応を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような構成をセンサに利用すると、ある特定の測定対象物質の微小な質量を測定することが可能となる。また、従来例で示した反応器と同時に、ひとつのチップ基板内にバルブ、送液流路、液体の導入口、排出口を作りこんだものが、マイクロリアクターと呼ばれている。
特開2000−338022号公報
従来は、アナライトとリガンドの結合反応を測定する場合、リガンドを反応槽内のセンサに固定する必要があった。これは、反応の検知に圧電振動子の振動を利用して、その周波数変化から微少な質量変化を測定するセンサを用いるため、アナライトを反応槽に供給したときに、その流れによりアナライトと共にリガンドが反応槽から流れ出てしまっては、リガンドとアナライトの結合量を測定することができないためである。
しかし、リガンドを反応槽内部に固定すると、リガンドの三次元的な自由な動きが阻害される。従来例では、リガンドとアナライトが反応するときに、リガンドの自由な変形を可能にするために、リガンドに標識物質を修飾しない方法がとられたが、従来の方法では、未だ、固定によるリガンドの自由度拘束が発生するので、新薬開発を目的とした測定には、満足のいく結果が得られないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、反応槽内でリガンドを固定することなくアナライトとの結合量が測定できるようにすることである。
本発明は、ゲル物質が充填された反応槽内に、まず、リガントを流し、リガントを流している間の周波数変化を前記反応槽内に設けた水晶振動子の発振周波数測定により測定し、次いでリガントを流した後に引き続きアナライトを含有する試料溶液を前記反応槽内に流して同様の発振周波数の周波数変化を測定することによって、リガントとアナライトの移動速度の違いから生じる前記発振周波数の変化分(差分値)から、アナライトがリガントに捕獲される捕獲量を測定することを特徴とする測定器、マイクロリアクター、マイクロリアクターシステム、及び測定方法を提供することによって上記課題を解決するものである。
本発明によると、反応槽内でリガンドを固定することなくアナライトとの結合量が測定することができる。
(実施の形態の概要)
センサが形成された反応槽内500にゲル501が充填されており、このゲル501内を流れるリガンド502とアナライト503の移動速度の違いを利用してリガンド502の反応質量を特定する。
(実施の形態の詳細)
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の反応器1000の構成を説明する図であり、図1(a)は反応器1000の模式的平面図、図1(b)は反応器1000の断面図(図1(a)中A−A’断面)、図1(c)は反応器1000内に試料を送液する構成を示す説明図である。反応器1000は、蛋白質等の生体分子の相互作用を分析すること、具体的にはリガンド502にアナライト503を結合させてその結合反応状態を検知するためのものである。
反応器1000は、圧電材料基板100と流路底面基板101と流路基板200を接合して構成している。まず、圧電材料基板100について述べる。圧電材料基板100は水晶振動子からなり、その両面には、検出電極601と対向電極602が設けられている。次に、流路基板200には、溝が形成され、溝内に設けられた貫通穴である液導入口202と液排出口203が設けられている。これら圧電材料基板100と流路底面基板101と流路基板200とが一体化し、反応器1000となり、溝部分が反応槽500を形成する。この反応槽部にゲル501が充填されている。
圧電材料基板100上に形成された検出電極601は液排出口203近傍にあり、反応槽500は液導入口202から検出電極601に至る長手形状を有している。なお、図では電極に繋がる配線などは図示していない。
反応槽500のサイズは長手方向に30〜50mm程度、幅が10mm程度である。検出電極601のサイズは直径6mm程度である。
ここで、液導入口202に接続したポンプ902により、液導入口202にリガンド502やアナライト503を流入すると、反応槽500を経て、液排出口203を経由して廃液タンク800に液を流すことができる。すなわち、リガンド502やアナライト503は反応槽500内のゲル501を通過して液排出口203にたどり着くことになる。
ここで、圧電材料基板100に設けられた検出電極601は、圧電材料基板100の発振周波数の変化からゲル501内に存在する物質の物理量として質量を計測している。本実施の形態では、圧電材料基板100に水晶振動子を用いたため、検出方式としてQCM(Quarts Crystal Microbalance)センサが形成されており、より詳しくは上記水晶振動子とこの水晶振動子の電極を介して接続され、前記水晶振動子の発振周波数を検出する周波数測定部(図示せず。)からなっている。
以上、説明したように、本発明に係わる測定器は、上記に述べた反応器とQCMセンサと後述する捕獲量演算部からなるものである。
次に、本実施の形態の反応器1000を用いた分析方法について図4のフローチャートに基づいて説明する。図2は分析時の反応器内の模式図である。図3は分析時に測定される圧電材料基板100の発振周波数の時間変化を表すグラフである。本発明の分析においては、リガンド502がアナライト503よりも小さい必要がある。この理由は後に説明する。被測定試料にはリガンド502とアナライト503の区別はないので、分析時において、分子相互作用を調べたい分子の小さい方をリガンド502、大きい分子をアナライト503として、分析操作を行えばよい。以下に分析に係わる測定方法を説明する。
先ず本実施の形態の反応器1000にリガンド502を液導入口202より送液する(図4、ステップS1)。図2(a)に示すようにリガンド502は検出電極601に向かって、ゲル501内を進む。この時点では図3(a)に示すように周波数fには変化が見られない。このまま継続してリガンド502を流し続けるとリガンド502がゲル501内を流れて検出電極601に達する。この時点で圧電材料基板100の発振周波数が減少し始め、図2(b)に示すように、リガンド502が液排出口203にまで到達すると、発振周波数は一定状態となり変化しなくなる(図3(b))。
この状態で、リガンド502の送液を停止し、アナライト503を液導入口202より送液する(図4、ステップS2)。すると、図2(c)に示すように、アナライト503はリガンド502が導入されたゲル501内を流れ始める。この時点では、圧電材料基板100の発振周波数fは変化しない(図3(c))。
ここで、反応槽500内において、リガンド502とアナライト503の流れ方に違いが生じるので、以下にそれを説明する。本実施の形態に用いるリガンド502はアナライト503よりも分子サイズが小さいものを用いている。ゲル501内を蛋白等の分子が進むときに、小さい分子ほどブラウン運動の影響を受けやすく、ゲル501のポリマーの網にトラップされやすい。すなわち、本実施の形態では、小さい分子であるリガンド502がゲル501内を流れる速度よりも、大きい分子であるアナライト503が流れる速度の方が大きいので、後から送液したアナライト503がゲル501内部でリガンド502を追い越す流れが発生する。
そこで、図2(d)に示すように、アナライト503が検出電極601に達するときには、リガンド502と混合した状態となる。このとき図3(d)に示すように、周波数fはアナライト503に反応して大きく減少する。また、リガンド502とアナライト503が混合したときに、相互作用反応が生じ、お互いに結合する。
次に、アナライト503の送液を停止し、緩衝液504を液導入口202より送液する(図4、ステップS3)。すると、緩衝液504に押されることにより、アナライト503がリガンド502よりも先にゲル501内を流れ終わるため、図2(e)に示すようにゲル501内のアナライト503量が減少していく。それに合わせて圧電材料基板100の発振周波数fが上昇する(図3(e))。ここで、リガンド502と結合しているアナライト503は、リガンド502を持って液排出口203より流れ出ていく。すなわち、図2(f)に示すようにゲル501内に残るリガンド502の量は、アナライト503を導入する前の状態よりも、アナライト503と結合したリガンド502の分が、少なくなっている。この状態を図3(f)に示す。最初にリガンド502を送液した時点の周波数f1、アナライト503が全て反応槽500内から排出された時点の周波数f2とすると、f2からf1を引いた値Δfが、アナライト503と結合したリガンド502の量ということになる。そこで、Δfの計算を行い、QCMに用いられるSauerbreyの式にΔfを代入することによりアナライト503と結合したリガンド502の質量を求める(図4、ステップS4)。この質量は図示しない捕獲量演算部にて演算し算出される。
また、緩衝液504を流し続けると、図2(g)に示すようにリガンド502も全て液排出口203に流れ出て、図3(g)に示すように圧電材料基板100の発振周波数は、リガンド502を送液する前の周波数に復帰する。この結果より、リガンド502が固定されること無くアナライト503と反応したことが把握できる。
本実施の形態においては、ゲル501に蛋白分子と非特異吸着が少ないポリアクリルアミドおよびその誘導体ゲルまたは、ポリビニル系ゲルを用いた。
また、本実施の形態では検出電極601が反応槽500内にむき出しとなっており、リガンド502やアナライト503と直接接触する構造であった。実は、本実施の形態のように直接接触している場合、リガンドやアナライトの分子構造によっては、検出電極材と非特異吸着を起こすことがある。例えば、検出電極材に金を用いて、アナライトにエンドトキシンのようなS−S結合を含むものを用いると、金と硫黄でチオール結合する。このような現象を防ぐために、反応槽500内でむき出しになっている検出電極601を含めた圧電基板材料100の全面を、リガンドやアナライトと非特異吸着を起こさず、しかも絶縁材料である樹脂またはシリコン酸化膜で覆う方が望ましい。絶縁性の樹脂としてはMPCポリマーが適す。
本実施の形態の反応器1000を用いて、異常蛋白質と新薬候補の化合物との物理的な結合量の測定を行った結果、新薬開発時に指標となるための十分なデータを得ることができた。
(実施の形態2)
図5(a)に本実施の形態2のマイクロリアクター2000の模式的平面図、図5(b)にその断面図(図5(a)中B−B’断面)がそれぞれ示されている。なお、前述した実施の形態1と同様の記述は省略する。
マイクロリアクター2000は、圧電材料基板2100と流路基板2220a、流路底面基板2220bが積層された構成となっている。各々の部材について説明すると、圧電材料基板2100は流路底面基板2220bに接続され、微細な凹部と貫通穴が形成された流路基板2220aと積層して一体化することによって、反応が行われる反応槽2223と、リガンド502を供給するリガンド供給路2225aと、緩衝液504を供給する緩衝液供給路2226と、アナライト503を供給するアナライト供給路2225bと、液排出口2203aに至る廃液路2227とが設けられている。具体的には、緩衝液供給路2226が反応槽2223に接続される手前の部分で、リガンド供給路2225aとアナライト供給路2225bが緩衝液供給路2226に接続されている。
なお、圧電材料基板2100と流路基板2220aと流路底面基板2220bを一体化して反応槽2223を形成する構成は、前述の実施の形態1とほぼ同様の構成である。そして、この反応槽2223内部にゲル2501が充填されている。
リガンド供給路2225aの端部にはリガンド供給口2202aが設けられている。同様に、緩衝液供給路2226の端部には緩衝液供給口2202c、アナライト供給路2225bの端部にはアナライト供給口2202bが設けられている。各供給口は実施の形態1と同様に、それぞれ送液を行うポンプに接続されているが図示はしていない。また、液排出口2203aに接続された廃液タンクも図示はしていない。
リガンド液供給路2225aには、緩衝液供給路2226との接続部の上流側にバルブ2212aが設けられている。また、アナライト液供給路2225bには、緩衝液供給路2226との接続部の上流側にバルブ2212bが設けられている。そして、緩衝液供給路2226には、リガンド液供給路2225aとアナライト液供給路2225bの接続部の上流側にバルブ2212cが設けられている。
次にマイクロリアクター2000を用いたマイクロリアクターシステム3500の構成について、図6の構成図を利用して説明する。まず、マイクロリアクター2000をステージ3510上に設置する。ステージ3510にはコンタクトピン3511が固定されており、マイクロリアクター2000を設置すると、コンタクトピン3511は圧電材料基板2100の検出電極2601および対向電極2602からの配線と一定圧力下で接触し、電気的導通を得る。
また、ステージ3510に設置されたマイクロリアクター2000のリガンド供給口2202a、アナライト供給口2202bおよび緩衝液供給口2202cのそれぞれには、送液ポンプ3501が一機ずつ、計3機が接続されている。また、バルブ2212直上にはバルブの開閉を行うリニアアクチュエータ3530が配置されている。液排出口2203aには廃液タンク3502が接続されている。
さらに、コンタクトピン3511、リニアアクチュエータ3530、送液ポンプ3501に、制御回路3550が接続された構成となっている。
マイクロリアクターシステム3500の送液について説明する。まず、各供給口に接続された送液ポンプ3501により、リガンド、アナライトもしくは緩衝液を一定流量で供給する。リアクター内を流れる液はバルブ2212により送液制御される。バルブ2212の開閉動作を行うのは、バルブ2212直上に配置されたリニアアクチュエータ3530である。バルブ2212は弾性変形する変形部を有し、これをリニアアクチュエータ3530で押圧すると、変形部が流路を遮断する。変形部は弾性変形するため、押圧が解除されれば変形しなくなり、流路が開通することになる(図7参照)。
このため、リアクター外部からの圧力(変位)を与えるだけで、バルブの開閉を行うことができる。リアクター内の液は液排出口2203aから排出され、液排出口2203aに接続された廃液タンク3502に蓄積される。このような送液制御と、所定のタイミングでのセンサによる検出動作を制御回路3550が全て行う。
このマイクロリアクターシステム3500を用いた本発明の分析方法について、図8フローチャートを参照して具体的に説明する。
まず、バルブ2212cを開き、緩衝液供給口2202cに接続されたポンプを駆動させて、緩衝液504を流路に送液する(図8、ステップS1)。そして、マイクロリアクター2000の流路と反応槽500内を緩衝液504で満たす。(図8、ステップS2)。次に、バルブ2212cを閉じて、バルブ2212aを開き、リガンド供給口2202aに接続されたポンプを駆動させて、リガンド502を流路に送液する(図8、ステップS3)。そして、リガンド502が反応槽500内のゲル2501を通過して廃液路2227に出てきたことを確認する(図8、ステップS4)。この確認方法は圧電材料基板の発振周波数の変化(減少)が収まったことで確認する。そして、このときの周波数f1を記録する(図8、ステップS5)。
次に、バルブ2212aを閉じて、バルブ2212bを開き、アナライト供給口2202bに接続されたポンプを駆動させて、アナライト503を流路に送液する(図8、ステップS6)。そして、圧電材料基板の発振周波数をモニタして、アナライト503が検出電極2601に達して、周波数の減少が始まった時点でバルブ2212bを閉じて、バルブ2212cを開き、緩衝液供給口2202cに接続されたポンプを駆動させて、緩衝液504を送液する(図8、ステップS7)。次に、圧電材料基板の発振周波数の変化のモニタを続けて、発振周波数の上昇が止まった時点の周波数f2を記録する(図8、ステップS8)。発振周波数f1とf2の差Δfを求めて、Sauerbreyの式に代入してリガンド502の結合重量を求める(図8、ステップS9)。
なお、分析条件の一例としては、反応に用いられるリガンド502の量が約100μl、アナライト503の量も約100μlである。
本実施の形態においても、ゲル501に蛋白分子と非特異吸着が少ないポリアクリルアミドおよびその誘導体ゲルまたは、ポリビニル系ゲルを用いている。
上記の本実施形態のマイクロリアクター2000およびマイクロリアクターシステム3500を用いると、リガンドを固定することなくアナライトと自由に反応させることができるため、自然な状態での反応を評価することが可能となる。そして、新薬開発時に指標となるための十分なデータを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る反応器の構造を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係わる分析時の反応器内の模式図である。 本発明の一実施形態に係る分析時に測定される圧電材料基板の発振周波数の時間変化を表すグラフである。 本発明の一実施形態に係る分析方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るマイクロリアクターの構造を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るマイクロリアクターシステムの構成図である。 本発明に係るマイクロリアクタチップのバルブ動作を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るマイクロリアクターシステムを用いた分析方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1000 反応器
502 リガンド
503 アナライト
100 圧電材料基板
101 流路底面基板
200 流路基板
601 検出電極
602 対向電極
202 液導入口
203 液排出口
500 反応槽
501 ゲル
902 ポンプ
800 廃液タンク
2000 マイクロリアクター
2100 圧電材料基板
2220a 流路基板
2220b 流路底面基板
2223 反応槽
2225a リガンド供給路
504 緩衝液
2226 緩衝液供給路
2225b アナライト供給路
2203a 液排出口
2227 廃液路
2501 ゲル
2202a リガンド供給口
2202c 緩衝液供給口
2202b アナライト供給口
2212a バルブ
2212b バルブ
2212c バルブ
3500 マイクロリアクターシステム
3510 ステージ
3511 コンタクトピン
2100 圧電材料基板
2601 検出電極
2602 対向電極
3501 送液ポンプ
2212 バルブ
3530 リニアアクチュエータ
3502 廃液タンク
3550 制御回路

Claims (9)

  1. 試料溶液中に含有される第2の物質が特定の第1の物質に吸着して捕獲される捕獲量を測定する測定器において、
    前記測定試料が流入する流入口と流入した前記測定試料を流出する流出口とが設けられた反応槽内にゲル状の物質が充填された反応器と、
    前記反応槽内部に設けられた圧電振動子と該圧電振動子に接続されて前記圧電振動子の発振周波数を測定する周波数測定部とからなるセンサと、
    前記第1の物質を前記反応槽内に流したときに前記センサにより得られる第1の前記発振周波数と、前記第1の物質を流した後に前記第2の物質を前記反応槽内に流して前記センサにより得られる第2の前記発振周波数との差分値を測定し、測定した前記差分値を用いて前記捕獲量を算出する捕獲量演算部と、
    からなることを特徴とする測定器。
  2. 前記ゲル状の物質は、ポリアクリルアミドゲルおよびポリアクリルアミド誘導体ゲル、または、ポリビニル系ゲルであることを特徴とする特徴とする請求項1に記載の測定器。
  3. 前記圧電振動子は、水晶振動子であることを特徴とする請求項1に記載の測定器。
  4. 前記第1の物質がリガンドであり、前記第2の物質がアナライトであることを特徴とする請求項1に記載の測定器。
  5. 前記捕獲量は、質量であることを特徴とする請求項1に記載の測定器。
  6. 前記反応槽は、溝を形成した第1の平面状基板と前記溝を覆う第2の平面状基板との貼り合わせによりなることを特徴とする請求項1に記載の測定器。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の測定器と、前記流入口と前記流出口のうちの少なくともいずれかに連通する流路と、流路中に設けられて前記試料溶液の流れを開閉するバルブとからなることを特徴とするマイクロリアクター。
  8. 請求項7に記載のマイクロリアクターと、前記流路を介して前記反応槽に送液するポンプ手段と、前記バルブの開閉を行うアクチュエータと、前記センサと前記捕獲量演算部と前記ポンプ手段と前記アクチュエータとをそれぞれ制御する制御手段と、からなることを特徴とするマイクロリアクターシステム。
  9. ゲル状の物質が充填された反応槽を流れる試料溶液中に含有される第2の物質が特定の第1の物質に吸着して捕獲される捕獲量を前記反応槽内に設置した水晶振動子の発振周波数測定により測定する測定方法において、
    前記第1の物質を前記反応槽内に流し、前記センサにより第1の前記発振周波数を測定するステップと、
    前記第1の物質を流した後に引き続き前記第2の物質を前記反応槽内に流して前記センサにより第2の前記発振周波数を測定するステップと、
    得られた前記第1の発振周波数と前記第2の発振周波数との差分値に基づいて、前記捕獲量を算出するステップと、
    からなることを特徴とする測定方法。
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