JP2007085972A - Qcm分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、水晶振動子をQCMセンサとして利用し、これを流路内で測定する場合、QCMセンサ近傍を通過する目的物質のみとの反応であったため、それ以外の流路内を通過する目的物質とは反応しないため、反応効率が低かった。そのため、QCMセンサ本来の感度を発揮することができていなかった。
【解決手段】 本発明では、QCMセンサ近傍に磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を利用した攪拌手段を設けたため、従来QCMセンサ近傍以外を通過していた目的物質も、QCMセンサへ反応させることを可能にした。また、反応後に複数の電磁石の駆動を停止することで、QCMセンサ近傍に存在する磁気粒子による影響や攪拌による影響を取り除いて正確な目的物質量を求めることを可能にした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、目的物質を含んだ溶液を流路に流入し、流路内に配置した水晶発振子の電極上の固定化物質と目的物質との反応により変化した共振周波数から目的物質量を求めるQCM分析装置に関する。
従来から水晶発振子を利用して、その圧電効果から微量な物質を検出する技術(QCM)が知られている。水晶発振子は、その電極表面に物質が吸着すると、その物質の重量に応じて共振周波数が変化する。これを利用すると、極めて微量な物質の重量を、この周波数変化から読み取ることができる。
これを利用したQCM分析装置として、例えば特許文献1に記載のものがある。図10に、このQCM分析装置の構成を示す。下部部材18の表面に設けられた凹部に板状の水晶発振子16が配置され、その上の上部部材10によりセル室が構成される。セル室のシールは、シール部材19で行い、フローセル自体のシールは外部シール15で行う。目的物質を含んだ溶液は、スリット11からセル室に入り、水晶発振子16上を層流として流れ、スリット14からセル外に流出する。水晶発振子16の電極表面には、目的物質の抗原または抗体の膜が結合されており、溶液中の目的物質と反応して、電極表面に吸着する。目的物質が水晶発振子16に吸着すると、その吸着した目的物質量に応じて共振周波数の変化が起こる。この共振周波数の変化は、ケーブル17により外部コンピュータなどに接続されて、目的物質量が分析される。
特開平8−75628号公報(図1)
しかしながら、この方法では水晶発振子の表面近傍を流れてきた目的物質のみ検出するため、ほとんどの目的物質は、水晶発振子の電極表面上に結合された目的物質とのみ特異的に反応する固定化物質と反応できないまま水晶発振子表面上を通過する。このため、実際には溶液中の一部の目的物質のみしか検出できず、センサ本来の感度が発揮できずに検出感度が充分でないという欠点を有している。
そこで、本発明は、流路内を流れる目的物質を、水晶発振子の電極表面上に結合された膜に効率良く反応させ、検出感度を向上させることを目的とする。
そこで本発明のQCM分析装置は、以下に示す構成を採用する。
流路に水晶板の表面と裏面に電極が配置された水晶発振子を配置し、電極の一方に目的物質に特異的に結合する固定化物質を結合させ、目的物質を含んだ溶液を流路内に投入して、電極で生じる目的物質と固定化物質との反応を水晶発振子の周波数変化から求めることで、目的物質量を分析するQCM分析装置であって、流路内の溶液を攪拌する攪拌手段と、流路を有するフローセルと、フローセルに配置される複数の電磁石と、電磁石を駆動する駆動回路と、水晶発振子を発振させる発振回路と、発振回路の周波数をカウントするカウンタと、カウンタの周波数を分析する制御回路と、制御回路の分析結果を表示する表示部とを有することを特徴とする。
複数の電磁石は、流路の周囲に配置されることが好ましい。
複数の電磁石は、流路内に配置された水晶発振子の近傍に配置されることが好ましい。
攪拌手段は、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を利用することが好ましい。
磁気粒子は、流路に目的物質を含んだ溶液を投入するよりも前に、流路内に存在することが好ましい。
磁気粒子は、流路に目的物質を含んだ溶液と混合させて投入することが好ましい。
磁気粒子は、複数の電磁石による磁界変化により、水晶発振子の近傍を移動することが好ましい。
目的物質と固定化物質の反応が安定した後に、複数の電磁石の駆動を停止することが好ましい。
磁気粒子は、複数の電磁石による磁界が停止すると、水晶発振子の近傍から離れ、流路内の溶液の流れによって、流路内から除外されることが好ましい。
目的物質量は、磁気粒子が流路に投入される前の共振周波数と、磁気粒子が流路から除外された後の共振周波数の差から求められることが好ましい。
本発明の分析装置においては、下記に記載する効果を有する。
流路内に攪拌手段を設けたことにより、従来水晶発振子近傍を流れずに通過していた目的物質を、水晶発振子の電極表面に結合された膜と反応させることができ、目的物質の検出感度をあげることができる。
攪拌手段として、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を用いたことにより、磁気粒子を非接触で駆動することができ、流路内の構造を変える必要がない。このため、既存の構成の流路にも適用することができる。
攪拌手段として、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を用いたことにより、今まで攪拌を行えなかったような狭い流路でも攪拌することができる。
攪拌手段として、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を用いたことにより、ある特定部分のみを攪拌することができる。つまり、水晶振動子近傍のみを攪拌することができる。このため、流路内の溶液の流れを極端に阻害することなく、攪拌が行える。
攪拌手段として、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を用いたため、攪拌を制御することができ、攪拌の起動、停止、攪拌速度の変更などを自由に行うことができる。また、攪拌を停止させた場合には、攪拌に用いた磁気粒子をその場から除外することができる。これにより、磁気粒子の存在や攪拌による影響を除外した正確な測定結果を求めることができる。
以下図面を用いて本発明を利用したQCM分析装置の最適な実施形態を説明する。なお
、図面において、同一の参照数字及び記号は同じ又は同様の構成要素を指すものとする。
(第一の実施形態)
図1は本発明の実施の形態におけるQCMセンサ1を示す図である。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)に示す線A−Aに沿う断面図であり、図1(c)は図1(a)に示すB−B線に沿う断面図である。水晶板23は、表面、裏面を有しており、表面と裏面には、それぞれ電極9、電極21が蒸着されている。このような構成の水晶板23を水晶発振子27という。水晶発振子27は、ATカット発振子が好ましく、その温度特性は特に優れている。図1(a)に示すように電極9、電極21にはそれぞれリード電極22、リード電極25が設けられている。電極9、電極21は、金属の薄い層から構成され、金・クロムや金・ニッケルなどで構成される。水晶板23の厚さにおいて、その厚さは薄いほど共振周波数を高くすることができるが、薄すぎると水晶板23が破損したり、不安定な発振をする場合がある。このため、本発明の実施形態においては、40μmの厚さの発振子を採用している。その基本共振周波数は、38MHzであり、安定に発振する。
水晶発振子27は、基板28の上面に配置される。図1(b)のように、基板28の上面と対向する電極を電極9、もう一方の電極を電極21とする。リード電極22、25は、それぞれ外部端子と電気的に接続するために設けられている。図1(b)及び図1(c)に示すように、リード電極25は、水晶板23の表面から端部へ至り、側面を通って下へ延び、そのまま裏面へと続いている。リード電極22は、水晶板23の裏面のみに配置され、水晶板23の端部までは至らない。図1(c)に示すように、基板28には、これらリード電極22、25と電気的に接続するための内部配線30、内部配線29が作られており、少量の導電接着剤8により接続される。内部配線29、30は基板28の内部を通り、基板28の下面に続いている。基板28の下面には、この内部配線29、30とを、外部へ接続するための外部端子31、32が配置されており、内部配線29、30と電気的に接続されている。この外部端子31、32に外部から交流電圧を印加することにより、水晶板23を振動させることができる。撥水剤20は、基板28上に塗布され、QCMセンサ1が溶液に浸漬される際に、溶液中の目的物質が、水晶発振子27以外の部分に吸着してしまうことを避けるために、水晶発振子27以外の部分に塗布される。
続いて、水晶発振子27の封止方法について図1を用いて説明する。基板28には、あらかじめ弾性体24を配置しておく。弾性体24は、好ましくは、シリコーン樹脂が適しており、図1(a)に示すように、水晶板23の外周と同程度の枠で配置される。さらに、その厚さは、電極9の厚みよりも大きく、水晶板23の厚さ(40μm)程度が好ましい。また、弾性体24は、電極9に触れることがあってはいけないため、電極9の端部から300μm以上離して配置することが好ましい。弾性体24が直接電極9に接触すると、その接触により共振周波数が大きく変化してしまう。この弾性体24に水晶発振子27をのせると、支持体となる弾性体24が、水晶発振子27の振動を大きく阻害することなく柔軟に支持するため、安定した発振を行うことができる。
ここで、磁気粒子と複数の電磁石による磁界変化を用いた攪拌方法について、図2を用いて説明する。図2(a)、(b)、(c)、(d)は、磁気粒子40が複数の電磁石による磁界変化により、順次移動していく様子を説明した図である。図2(a)において、セル91内には溶液が満たされており、その中に磁気粒子40が混合されている。ここでは、わかりやすくするために、磁気粒子40のひとつの動きについて説明する。磁気粒子40は、フェライトやマグネタイトなどの粒子が一般に用いられる。セル91の流路周辺には、複数の電磁石41、42、43、44が図2のようにセル91を囲うように配置されている。それぞれの電磁石41、42、43、44は、流路内の磁気粒子40を回転させるように配置され、目的範囲内にある磁気粒子40であれば、どのような位置に存在し
ていても磁力で引き付けることができる位置に配置される。まず、図2(a)において、磁気粒子40は、初期の位置として位置45に存在していたとする。ここで、電磁石41を駆動すると、電磁石41は図2(a)に示すような極性を帯び、磁気粒子40を電磁石41側へ引きつける。磁気粒子40は、電磁石41の磁力により、位置45から電磁石41近傍へと引きつけられて、移動する。続いて、図2(b)のように、電磁石41の駆動を停止し、電磁石42を駆動する。このとき、磁気粒子40は電磁石42の磁力により、位置46から電磁石42近傍へと引きつけられて移動する。続いて、図2(c)のように、電磁石42の駆動を停止し、電磁石43を駆動する。このとき、磁気粒子40は電磁石43の磁力により、位置47から電磁石43近傍へと引きつけられて移動する。続いて、図2(d)のように、電磁石43の駆動を停止し、電磁石44を駆動する。このとき、磁気粒子40は電磁石44の磁力により、位置48から電磁石44近傍へと引きつけられて移動する。この後は、また図2(a)に戻り、順次これを繰り返す。すると、図2(e)に示すように、磁気粒子40はセル91内を電磁石41、42、43、44からの複数の電磁石による磁界変化によって移動する。このような磁気粒子40の移動を作り出すことにより、溶液内を攪拌することができる。実際には、複数の磁気粒子40が投入されるため、その攪拌効果も、その磁気粒子量によって異なってくる。磁気粒子量を変化させることで、攪拌能力の制御を行うことができる。また、複数の電磁石による磁界変化については、それぞれの電磁石を切り替える速度を調整することで、磁気粒子40が移動する範囲を変えることができる。この移動範囲が小さいほど、即ち、高速に電磁石を切り替えるほど、高速に攪拌することができる。そのため、様々な流路構造、攪拌条件に柔軟に対応することができる。
ここからは、電極21に形成される固定化物質と目的物質との特異的な反応について説明する。本発明の目的物質としては、特定の物質と特異的に複合体を形成する物であれば特に制限はなく、例えば抗原抗体反応や、相補的なDNAなどを用いることができる。抗原抗体反応により測定される成分としては、IgG、インフルエンザA抗原、インフルエンザB抗原などがあげられる。また、本発明の固定化物質としては、目的物質に特異的に結合するものであれば制限はないが、例えば抗原と抗原に特異的に結合する抗体や、DNAとDNAに相補的なDNA等があげられ、それぞれ一方のものが使用できる。
次に電極21上でおきる抗原抗体反応について図3を用いて説明する。図3(a)において、抗体50は、抗原51に特異的に反応する抗体であり、標識物質52と結合されている。また、電極21上には、抗体53が結合されており、抗原51に特異的に反応する第二抗体である。標識物質52としては、目的物質と特異的に結合する抗体と結合するものであれば制限はなく、目的物質の重量の増感物質として使用され、例えば金コロイドやポリスチレンビーズなどが使用できる。標識物質52は、あらかじめ抗体50と結合させておき、標識体を形成する。そこに、抗原51を図3(a)のように抗原抗体反応を利用して結合させて、複合体を形成する。このような複合体を、緩衝液と混合して試料溶液を作り、電極21上を通過するように流す。ここで緩衝液に用いる緩衝剤は緩衝能を有するものならば特に限定されず、緩衝液として、好ましくはPBSを用いる。図3(b)のように、複合体が流れてくると、電極21上の抗体53と抗原51とが抗原抗体反応により吸着し、電極21上に固定化される。このようにして、水晶発振子27の電極21に目的物質を固定化する。
ここからは、QCMセンサ1と、流路92と、電磁石とが形成されたフローセル80の構造について、図4、図5、図6を用いて説明する。図5は、図4中の線C−C間で切った断面図を示し、図6は、フローセル80の斜視図を示している。まず、図4において、ケース62には、QCMセンサ1の外部端子31、32と接続されるソケット60が配置され、さらに外部へと接続するためのケーブル61がソケット60と結合されている。また、溶液を流入させるための流入口63と、溶液を排出する排出口64が図のように配置
されている。フローセル80の内部には、溶液が通過するための流路92が形成され、その途中には、QCMセンサ1が配置され、目的物質に特異的に反応する抗原または抗体が結合された電極21と溶液が接触するような構造になっている。また、流路92内部は、目的物質が電極21以外に吸着しないために、撥水処理が施されている。このフローセル80には、QCMセンサ1が存在する部位の周辺を囲うようにケース62に、電磁石モジュール70が近接して配置されている。即ち、電磁石66、67、68、69は、QCMセンサ1の水晶発振子27の近傍に配置されている。電磁石66、67、68、69は、流路内のうち水晶発振子27近傍を通過する磁気粒子を回転させるように配置され、水晶発振子27近傍にある磁気粒子であれば、どのような位置に存在していても磁力で引き付けることができる位置に配置される。電磁石モジュール70は、図5、図6に示すように、ケース62を囲うように配置され、その内部構造は、電磁石66、67、68、69とそれぞれを電気的に外部へ接続するための電気配線72、74、71、73で構成されている。これら電気配線71、72、73、74は、さらに外部へと接続するためのケーブル65と接続されている。電磁石66、67、68、69は図のように配置されているが、この配置に限るものではなく、さらに複数の電磁石を用意しても良いし、減らしてもよい。また、電磁石の大きさは、攪拌に適切なものを選べばよく、制限されるものではない。今回の例では、電磁石を4つ用いた場合について示している。
ここからは、図7を用いて、QCM分析装置の構成を説明する。図7において、フローセル80の流入口63とチューブ81とが接続される。チューブ81は、試料溶液をフローセル80に供給するための容器83と接続される。また、排出口64はチューブ82と接続され、さらに、チューブ82は、シリンジポンプ84と接続される。このような構成により、シリンジポンプ84を駆動すると、容器83内の試料溶液が、フローセル80内をとおり、シリンジポンプ84へと引き抜かれていく。回路部89は、発振回路85、カウンタ86、制御回路87、表示部88、駆動回路90により構成されている。発振回路85は、ケーブル61と接続され、水晶発振子27に交流電圧を印加する。これにより、水晶発振子27は、固有共振周波数で振動する。発振回路85からの共振周波数は、カウンタ86によりカウントされ、CPU等を利用した制御回路87により解析され、溶液中の目的物質の質量等を表示部88に表示する。駆動回路90は、ケーブル65と接続されており、また、制御回路87とも接続されている。駆動回路90は、制御回路87からの信号に基づいて、各電磁石66、67、68、69を順次駆動する。
ここで、各電磁石の駆動方法について説明する。駆動回路90から、各電磁石への信号を示したグラフを図9に示す。駆動回路90から各電磁石へは、先述したような磁界変化が生じるように駆動される。即ち、図5において説明すると、最初に駆動回路90は、信号Aを出力し、電気配線71から、電磁石68を駆動する。この際、その他の電磁石65、67、69の駆動されない。次に、駆動回路90は、信号Bを出力し、電気配線74から、電磁石67を駆動する。電磁石67が駆動されると、駆動回路90は、電磁石68への信号Aを停止する。駆動回路90は、電磁石68への信号Aを停止すると、駆動回路90は、信号Cを出力し、電気配線73を通して、電磁石69を駆動する。電磁石69が駆動されると、駆動回路90は、電磁石67への信号Bを停止する。駆動回路90は、電磁石67への信号Bを停止すると、次に信号Cを出力し、電気配線72を通して、電磁石66を駆動する。電磁石66が駆動されると、駆動回路90は、電磁石69への信号Cを停止する。駆動回路90は、電磁石69への信号Cを停止すると、次に信号Dを出力し、電気配線71を通して、電磁石68を駆動する。そして、最初に戻って同様の駆動を繰り返す。各電磁石への切り替え間隔は、流路92の大きさや攪拌速度に応じて変更することができる。このようにして、フローセル80内のQCMセンサ1近傍に複数の電磁石による磁界変化を加える。
続いて、本発明のQCM分析装置の測定方法について説明する。まず、QCMセンサ1
の電極21上に固定化物質を結合させておく。この固定化物質は、目的物質に対して特異的に反応する抗原または抗体である。駆動回路90は、制御回路87からの信号に基づいて、各電磁石66、67、68、69を先述したような方法により順次駆動し、QCMセンサ1近傍に複数の電磁石による磁界変化を生じさせる。次に、図7における容器83から、緩衝液であるPBSを流し込む。その後、シリンジポンプ84を駆動すると、容器83からPBSが、チューブ81を通過し、流入口63を通ってフローセル80内の流路92へ導かれる。そして、PBSがQCMセンサ1の電極21上を通過すると、図9に示すように時間T1から時間T2のような周波数変化をする。そのときの周波数変化は、共振周波数F0から共振周波数F1へ減少し、ΔF0となる。図9において、F0は初期の安定した空気中における共振周波数を示している。PBSを流入させてから共振周波数が安定する時間T2において、今度は目的物質と、目的物質と特異的に結合する抗原または抗体と、標識物質とが結合した複合体と、磁気粒子が含まれている試料溶液を容器83へ添加する。即ち、この試料溶液は、複合体と磁気粒子と緩衝液であるPBSが混合された溶液である。この試料溶液が、QCMセンサ1の電極21上を通過すると、試料溶液中の磁気粒子は、複数の電磁石による磁界変化によってQCMセンサ1近傍で移動を始める。また、磁気粒子は、複数の電磁石による磁界変化により、QCMセンサ1の近傍にトラップされて移動するため、QCMセンサ1近傍を攪拌しつづける。また、この攪拌により、試料溶液中の複合体は、電極21上を複数回通過することになり、固定化物質との反応確率が向上する。そのときの周波数変化は、図9に示す時間T2から時間T3のような変化を示す。共振周波数の安定する時間T3において、複数の電磁石の駆動を停止すると、QCMセンサ1の近傍を移動している磁気粒子は、磁気による引張り力を受けなくなるため、そのまま溶液の流れにのって、QCMセンサ1の近傍から除去される。このとき、共振周波数はΔF1だけ上昇し、磁気粒子による移動の影響を取り除いた共振周波数F3になる。よって、求めるべき周波数変化は、複合体が電極21と結合して変化した周波数変化なので、F1からF3を引算した周波数変化ΔF2となる。このΔF2を以下のSauerbreyの式1のΔFに代入すると、電極21上に吸着した複合体の量を求めることができる。

ΔF=−2×Fre×Δm/(A×√(μ×ρ))(式1)

ここで、Freは複合体吸着前の基本共振周波数、Aは電極の面積、μは水晶発振子のせん断弾性係数、ρは水晶発振子の密度、ΔFは重量付加による周波数変化、Δmは重量変化である。また、複合体の量がわかれば、目的物質と標識体の質量比から、目的物質の量が求まる。これらの計算は、制御回路87により行われ、表示部88にその結果が表示される。
先の測定方法において、試料溶液は、複合体と磁気粒子とPBSを混合して形成したが、T2時間に先に磁気粒子を投入して攪拌を安定させてから、複合体とPBSの試料溶液を流入させてもよい。この場合、より高速な測定を行うことができる。
本発明のQCM分析装置におけるQCMセンサにおける構成図を示しており、(a)が平面図、(b)が(a)のA−A間で切断した断面図であり、(c)は(a)のB−B間で切断した断面図である。 本発明のQCM分析装置における攪拌方法を説明した図であり、(a)〜(e)は磁界による磁気粒子の変化を示している。 本発明のQCM分析装置におけるQCMセンサでおきる抗原抗体反応について説明した図である。 本発明のQCM分析装置におけるフローセルを示す構成図である。 本発明のQCM分析装置におけるフローセルを示す構成図であり、図4の線C−Cで切った断面図である。 本発明のQCM分析装置におけるフローセルを示す斜視図である。 本発明のQCM分析装置を示す構成図である。 本発明の各電磁石を駆動する信号のタイムチャートである。 本発明のQCM分析装置において、測定時の周波数変化を示すグラフである。 従来例におけるQCM分析装置の断面図を示す。
符号の説明
1 QCMセンサ
50 抗体
51 抗原
52 標識物質
53 抗体
66、67、68、69 電磁石
83 容器
84 シリンジポンプ
85 発振回路
86 カウンタ
87 制御回路
88 表示部
90 駆動回路

Claims (10)

  1. 流路に水晶板の表面と裏面に電極が配置された水晶発振子を配置し、前記電極の一方に目的物質に特異的に結合する固定化物質を結合させ、前記目的物質を含んだ溶液を前記流路内に投入して、前記電極で生じる前記目的物質と前記固定化物質との反応を前記水晶発振子の周波数変化から求めることで、目的物質を分析するQCM分析装置であって、前記流路内の前記溶液を攪拌する攪拌手段と、前記流路を有するフローセルと、該フローセルに配置される複数の電磁石と、該電磁石を駆動する駆動回路と、前記水晶発振子を発振させる発振回路と、該発振回路の周波数をカウントするカウンタと、該カウンタの周波数を分析する制御回路と、該制御回路の分析結果を表示する表示部とを有するQCM分析装置。
  2. 前記複数の電磁石は、前記流路の周囲に配置されることを特徴とする請求項1に記載のQCM分析装置。
  3. 前記複数の電磁石は、前記流路内に配置された前記水晶発振子の近傍に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のQCM分析装置。
  4. 前記攪拌手段は、磁気粒子と前記複数の電磁石による磁界変化とを利用することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  5. 前記磁気粒子は、前記流路に前記目的物質を含んだ溶液を投入するよりも前に、前記流路内に存在することを特徴とする請求項4に記載のQCM分析装置。
  6. 前記磁気粒子は、前記流路に前記目的物質を含んだ溶液と混合させて投入することを特徴とする請求項4に記載のQCM分析装置。
  7. 前記磁気粒子は、前記複数の電磁石による磁界変化により、前記水晶発振子の近傍を移動することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  8. 前記目的物質と前記固定化物質との反応が安定した後に、前記複数の電磁石の駆動を停止することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
  9. 前記磁気粒子は、前記複数の電磁石による駆動が停止すると、前記水晶発振子の近傍から離れ、前記流路内の溶液の流れによって、前記流路内から除外されることを特徴とする請求項8に記載のQCM分析装置。
  10. 前記目的物質の量は、前記磁気粒子が前記流路に投入される前の共振周波数と、前記磁気粒子が前記流路から除外された後の共振周波数との差から求められることを特徴とする請求項4から請求項9のいずれか一項に記載のQCM分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7802466B2 (en) * 2007-11-28 2010-09-28 Sierra Sensors Gmbh Oscillating sensor and fluid sample analysis using an oscillating sensor
JP2013228411A (ja) * 2013-08-14 2013-11-07 Fujitsu Ltd 雰囲気分析装置

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