JP3427606B2 - 化学分析装置 - Google Patents

化学分析装置

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JP3427606B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/01Arrangements or apparatus for facilitating the optical investigation
    • G01N21/15Preventing contamination of the components of the optical system or obstruction of the light path
    • G01N2021/154Ultrasonic cleaning

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  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は試料中の微量分析を
行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中の興味ある被検物質を検出する方
法のうち、被検物質と特異的に結合できる複数個の磁性
微粒子を用いる検出方法がある。この方法は、例えば、
免疫測定など、試料中の被検物質の含有量が特に微量で
その物質を選択的に検定する必要がある場合に、磁性微
粒子に被検物質を結合させ、それらを磁力を用いて選り
集めることが可能である。
【0003】一方、自動化に適した化学測定システムと
してフロースルー方式がある。この方法は、クリーニン
グ・コンディショニングする初期段階と、測定段階との
間の迅速な交代が可能である。この方式におけるクリー
ニング・コンディショニングは、流体力学的クリーニン
グが利用される。流体力学的クリーニングは、検出器
(フローセル)に緩衝液を流通させることによりフロー
セル内部をクリーニングする方法で、検出器が常時液中
にあり空気にさらされないため測定に際し外部因子の混
入を防ぐことができる。また、装置を分解することなし
に複数の異なる試料を測定することが可能となり、検定
のスループット向上が期待できる。
【0004】以上の技術を応用した化学分析装置があ
る。図7および図8は、この装置の測定手順の一例の説
明図である。
【0005】まず、試料の調製について説明する。図7
(a)で示している試料71の中に、興味ある被検物質
72とそれ以外の物質73および74が含まれている。
この試料71に、被検物質72と特異的に結合できる基
751を有する磁性微粒子75を混合し反応させると、
被検物質72は磁性微粒子75と結合し、図7(b)の結
合物76を含む試料77が得られる。
【0006】次に、化学分析装置における化学分析の手
順を説明する。結合物76を含む試料77を、図8
(a)で示される化学分析装置の試料受け81に注入す
る。試料受け81の試料は、輸液管82の矢印821で
示す道筋で、フローセル83に送られる。ここで、図8
(b)で示す様に、フローセル83の外部に磁石84を
近づけると、結合物76は磁力により磁石の近傍に選択
的に集められる(保持される)。この状態で、図8
(c)の様に、緩衝液85を輸液管82の矢印822で
示す道筋でフローセル83に流すと、不要な物質73お
よび74は輸液管86の矢印861で示す道筋で排出さ
れるので、結合物76つまり被検物質72を濃縮した状
態で分析することが可能となる。分析後は、図8(d)
で示す様に、磁石を取り除いた状態で緩衝液85を流す
ことにより、フローセル83を初期の状態にクリーニン
グ・コンディショニングすることができる。
【0007】従来技術の一例として、特公平7−6912 号
公報に開示されているエレクトロケミルミネセンス測定
装置がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】フロースルー方式化学
分析装置の場合、クリーニングの精度が非常に重要であ
る。クリーニングが充分でない場合、次の測定において
過去の測定の履歴が影響をおよぼし、検定精度を低下さ
せる。特に、異なる試料の測定を連続して行う必要のあ
る自動分析装置では、異なる試料の間の検体混入が起
き、正確な測定ができない。
【0009】クリーニングの精度は、フローセル内に流
す緩衝液の流量と流れ方に大きく依存する。フローセル
内に緩衝液を流通させた場合、緩衝液の流速は一様でな
く、ある分布を持つ。これは、緩衝液の粘性によるもの
である。例えば、図9の内径R(図中91)の円管に、
緩衝液を円管の中心軸92に沿って矢印93の方向に流
す場合を考える。この時の緩衝液の中心軸92に垂直な
面94における流速分布は、円管の半径Rが小さく緩衝
液が粘性流体として扱えること、および緩衝液の流速が
充分小さく乱流とならないことを仮定すると、極めて簡
単な近似のハーゲン−ポアズイユ流れで取り扱うことが
できる。この場合、流速分布は中心軸からの距離rでき
まる軸対象な分布となり、図10のグラフで表される。
図中の縦軸の値のUmは、管内の流速の平均値である。
図10より、管壁面(中心からの距離がRとなるとこ
ろ)の近傍の流速は、中心部に比べ著しく減少すること
がわかる。領域100は、流速が平均流速Umの1/2
以下となる領域を示している。
【0010】また、図11で示す長方形の断面を持つ管
について同様の考察を行う。管の中心軸111をz軸と
し、管の壁面に平行にx軸およびy軸をとり、それぞれ
の軸方向の管の太さをLxおよびLyとする。緩衝液
は、z軸の正方向(即ち、矢印112の方向)に流れて
いる。この時の緩衝液の中心軸111に垂直な面113
における流速分布は、図12で示される流速値について
の等高線グラフとなる。図中のUmは、管内の流速の平
均値である。また、直線121および122は、この管
のそれぞれx軸およびy軸に平行な壁面に相当し、ここ
での流速値はゼロである。斜線123は、流速が平均流
速Umの1/2以下となる領域である。これより、長方
形の断面を持つ管では、管の壁面の角付近の流速が特に
減少することがわかる。さらに、図11の示す長方形の
断面を持つ管で、Lx/Lyの値が大きい場合、即ち、
管の断面の長方形の一辺が他の一辺に比べ大きい場合、
面113における流速分布は、図13で示される流速値
についての等高線グラフとなる。この場合、流速が平均
流速Umの1/2以下となる領域131は、x軸方向に
広がることがわかる。
【0011】以上の考察より、フローセル内部に緩衝液
を流した場合、図10の領域100や図12の領域12
3や図13の領域131などのセルの壁面近傍におい
て、緩衝液の流れが滞り易いことがわかる。特に、セル
壁面のうちの角となる部分における緩衝液の流れが滞り
易い。その結果、フローセルをクリーニングするために
緩衝液を流す場合、セルの壁面やその角となる部分の近
傍でクリーニングの効果が低下してしまうことがわか
る。
【0012】磁性微粒子を外部磁力で選り集める場合、
微粒子はフローセルの壁面近傍に保持される。即ち、磁
性微粒子は緩衝液のクリーニング効果が低下する領域に
保持される。そのため、従来技術で紹介した磁性微粒子
応用検出方法を用いたフロースルー方式化学分析装置で
は、クリーニング時に磁性微粒子が充分取り除かれずに
フローセル内に残留したり、クリーニングに必要となる
時間および緩衝液の総量が著しく増加することが課題と
なる。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明はフロースルー型化学分析装置の検出器部分
に、音波を発生する電気音響変換器を設け、同装置が検
体の化学分析を終了した際に緩衝液をフローセル内に流
すことにより行うセルのクリーニング時に、緩衝液を流
す前または流す際に、音波を利用して検体或いは試薬或
いは磁性微粒子をクリーニングしやすい位置または状態
に変化させる機能を有する。特に、フローセルの形状
や、磁性微粒子の保持位置や、センサの位置や、装置の
測定原理や用途に応じ、供給する音波の周波数と、電気
音響変換器の空間的配置および個数を、最適に決定し
た。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第一の実施例)図1は本発明の実施例の説明図であ
る。本発明は、試料供給口101と緩衝液供給口102
と廃液排出口103を有するフローセル部1と、磁性微
粒子を保持するための磁場を形成する磁石2と、フロー
セル内部に音波を供給する電気音響変換器3と、電気音
響変換器に電力を供給する交流電源4で構成される。
【0015】フローセル部の試料供給口101や緩衝液
供給口102や廃液排出口103は、それらのうちの幾
つかが同一の管口で兼用される場合もある。磁石2は、
電流のオン/オフによりフローセル部の磁場を制御する
電磁石である場合や、永久磁石の空間的配置を電動アー
ム等により変更することによってフローセル部の磁場を
制御する場合などがある。
【0016】電気音響変換器3は、例えばPZT圧電材
料に電極を設けたものを利用する。この場合、利用する
音波の振動数に応じて、最適な圧電材料の厚さ等を決定
する。なお、電気音響変換器がフローセル内部の試料お
よび緩衝液に接触する場合は、試料および緩衝液の化学
的性質を考慮し、何らかの皮膜で保護することが必要な
場合もある。交流電源4は、任意の周波数の交流電流を
電気音響変換器に供給する能力を有する場合や、ある特
定の周波数の交流電流のみを供給する様に単純化する場
合などがある。なお、自動分析装置の場合は、磁石2を
用いた磁場制御や、電気音響変換器3と交流電源4を用
いた音波供給は、分析手順に同期することが有効であ
る。
【0017】ここで、以降の説明のために三次元座標軸
を次のように定義する。フローセル内の溶液の流れの方
向をz軸とし、磁性微粒子を磁力により保持するフロー
セル内壁面の中央部のある一点を原点oとし、原点oを
含みz軸に垂直な面(以後、x−y面)で、磁性微粒子
を保持するフローセル内壁面と平行にx軸,x軸と垂直
にy軸をとる。なお、x−y面とフローセルの壁面との
交差する部分を補助線6で示した。
【0018】図2は、このx−y面におけるフローセル
の断面図である。電気音響変換器21は、その振動面2
2がx軸と平行となるように設けられている。磁性微粒
子は、磁石2により振動面22の面上の領域23に保持
される。分析評価を終了した後、電気音響変換器21
は、矢印24で示される様に座標軸yと平行な方向に振
動し、フローセル内部に粗密波(縦波)の音波を供給す
る。供給する音波の振動周波数は任意の値で良い。しか
し、特に、振動周波数FをF=((2n−1)V)/(4
D)と設定する場合がある。ここで、Dはフローセル内
部のy方向の大きさ25、Vはフローセル内部の溶液中
の音速、nは任意の自然数である。この場合、音波はフ
ローセル内部で定在波を形成し、振動面22の位置(即
ち、x−z面)が振幅の腹となる。破線26は、n=2
の場合の定在波を、横波の表示法で表したものである。
この定在波は、y=Dで示されるフローセルの流路の壁
面27(即ち、電気音響変換器21と向かい合った面)
が振動の節となる他、フローセル内の流路空間に(n−
1)個の節となる面を有する。図2では、点Pを含むx
−z面に平行な面28が節である。なお、壁面27に音
波の反射の良い素材(例えば白金などの金属)を利用す
る場合もある。この場合、壁面27における音波の反射
の際のエネルギの減衰が軽減できる。特に、定在波を利
用する場合には、定在波の形成の効率が上昇するため有
効である。
【0019】本発明では、クリーニング時に電気音響変
換器21を振動させることにより、領域23に吸着して
離れにくくなっている磁性微粒子を離れやすくすること
ができる。
【0020】また、磁性微粒子は、フローセル内部の溶
液の分子と比較し質量が充分大きいため、溶液の分子よ
り大きな慣性力が働く。その結果、溶液が振動運動を行
うと、溶液中の磁性微粒子は運動の極小点に集まる性質
がある。本実施例の場合、領域23は振動の腹(即ち、
振動運動の極大点)であるため、磁性微粒子はこの領域
から移動する。つまり、音波を供給することにより、領
域23に保持した磁性微粒子をy軸の正方向に移動させ
ることが可能となる。特に、音波が定在波となっている
場合は、磁性微粒子は運動の極小点である振動の節(図
2では、面28の節)に集まる。
【0021】以上の状態で緩衝液をフローセル内部に流
すことにより、従来の様に緩衝液を流すだけではセル外
部に排出されにくかった磁性微粒子を、容易に排出する
ことが可能となる。即ち、フローセルのクリーニングが
容易となり、その精度も向上する。
【0022】(第二の実施例)本発明の第二の実施例と
して、図3のx−y面の断面図で示される様に、電気音
響変換器31および32をフローセルの両端に、y軸方
向に対となるように、平行に配置する場合を説明する。
なお、図中の領域23は、図2と同様に、磁石2により
磁性微粒子が保持される領域を示す。本実施例では、音
波の振動力が倍増し、磁性微粒子を移動させやすくな
る。また、供給する音波の振動周波数Fを、特にF=
(nV)/(2D)と設定することにより、音波はフロ
ーセル内部で定在波を形成する。ここで、Dはフローセ
ル内部のy方向の大きさ33、Vはフローセル内部の溶
液中の音速、nは任意の自然数である。この定在波は、
フローセルの二つの電気音響変換器の振動面34および
35の位置が振動の腹となり、フローセル内部にn個の
節を有する。図中の破線36は、n=1の場合の定在波
を、横波の表示法で表したものであり、破線37を含む
二つの振動面に平行な面が振動の節となる。
【0023】(第三の実施例)本発明の第三の実施例と
して、図4のx−y面の断面図で示される様に、電気音
響変換器41の振動面42をy軸と平行に配置する場合
を説明する。図4は、電気化学発光を利用する化学分析
装置に、電気音響変換器を設けた場合の一例を示す図で
ある。電気化学発光を利用する化学分析装置は、磁性微
粒子に結合した金属錯体などが、酸化還元作用により発
光する原理を利用するものである。発光は、金属錯体と
結合した磁性微粒子が作用電極43の電極表面上44に
密着した状態で、上部電極45と作用電極43の間に電
圧を印加することにより起こる。そのため本装置では、
磁性微粒子を作用電極43の電極表面上44に保持する
必要があり、第一および第二の実施例の様に、磁性微粒
子の保持される領域が電気音響変換器の振動面と同一と
なる構造は不可能である。本実施例は、以上の様な、電
気音響変換器の振動面42を磁性微粒子を保持する領域
44と区別する必要がある場合に適用できる。なお、本
実施例では、第一の実施例と同様に、フローセル壁面4
6に、音波の反射の良い素材を利用することも有効であ
る。
【0024】(第四の実施例)また、本発明の第四の実
施例として、図5のx−y面の断面図で示される様に、
電気音響変換器51および52をフローセルの両端に、
x軸方向に対となるように互いに平行に配置する場合を
説明する。電気化学発光を利用する化学分析装置では、
測定感度の向上のために、作用電極の表面積をできるだ
け大きくすることが有効である。一方、装置で利用する
直流電圧値をなるべく低くおさえるため、上部電極と作
用電極の距離はできるだけ小さくする必要がある。その
ためフローセルの流路の断面は、図5の様にx軸方向の
長さLx(図5の53)とy軸方向の長さLy(図5の
54)に対し、Lx/Lyが大きな値となるような構造
を有する場合がある。この場合、従来技術の課題で述べ
たように、図5のxの絶対値の大きい領域55および5
6では、緩衝液を流して行うクリーニングの際に緩衝液
の流れが滞り易く、磁力により保持した磁性微粒子が残
留しやすくなる。
【0025】本実施例は、電気音響変換器51および5
2をフローセルの両端に配置することにより、領域55
および56に保持された磁性微粒子を振動させ、保持部
分から離れ易くする。特に、音波の振動の周波数FをF
=(nV)/(2(Lx))と設定することにより、音波
はフローセル内部で定在波を形成する。ここで、Vはフ
ローセル内部の溶液中の音速、nは任意の自然数であ
る。この定在波は、フローセルの二つの電気音響変換器
の振動面511および521の位置が振動の腹となり、
フローセル内部にn個の節を有する。図中の破線57
は、n=1の場合の定在波を、横波の表示法で表したも
のであり、y軸を含む二つの振動面に平行な面が振動の
節となる。
【0026】本実施例では、領域55および56に保持
された磁性微粒子を、形成された定在波により振動の節
に集めることが可能となる。即ち、緩衝液を流して行う
クリーニングの際に、緩衝液の流れが滞ることにより残
留してしまう領域55および56の磁性微粒子を、緩衝
液の流速が高い流路中央部58に移動させることによ
り、磁性微粒子の残留を起きにくくすることが可能とな
る。
【0027】第三および第四の実施例では、定在波を形
成するように振動周波数を設定した場合、節にあたる部
分はフローセル内部の溶液の振動が起きない。そのた
め、節にあたるフローセル壁面に磁性微粒子が吸着して
いる場合、この磁性微粒子を振動させることができず、
クリーニングの際に吸着したまま残留してしまうことも
考えられる。その場合、振動周波数を時間的に変化さ
せ、節の位置を変化させることが有効である。また、第
四の実施例では、二つの電気音響変換器51と52の振
動周波数をそれぞれ異なる値に設定すると、合成波の節
の位置を時間的に変化させることができる。
【0028】(第五の実施例)本発明の第五の実施例と
して、磁性微粒子を電極等に保持する場合、その電極自
身に振動波を伝達させることも可能である。図6は、本
実施例を説明するx−y面の断面図である。電気音響変
換器61を、作用電極62と接する様にフローセルの流
路の外部に設けている。電気音響変換器61が矢印63
の方向に振動すると、その振動波は作用電極62に伝達
する。磁性微粒子は、この振動のエネルギにより保持位
置64から離れ易くなったり、y軸の正方向に移動す
る。
【0029】(第六の実施例)第一から第五の実施例
は、特に効果の大きい磁性微粒子利用分析装置への電気
音響変換器の応用について述べたものであるが、本発明
はイオン電極型センサおよびフローインジェクション分
析などのフロースルー型化学分析装置に応用する場合も
ある。同装置の場合、クリーニングの際に、センサまた
は検出器の表面に付着したイオンや試薬などを効率よく
除去する必要がある。フローセル内部に電気音響変換器
を設け、セルのクリーニング時にセンサ面または検出器
面に音波を集中するように照射することにより、センサ
面または検出器面に付着したイオンや試薬などが効率よ
く除去される。その結果、従来と比較し、セルのクリー
ニングの効率が向上する。
【0030】(本実施例の具体例)以上の実施例の具体
例を示す。図14は、第四の実施例で説明した電気化学
発光を利用するフロースルー型化学分析装置のフローセ
ルの具体例である。図14(a)はフローセルにおける
溶液の流れの方向に平行な面(図1のy−z面に相当)
におけるセルの断面図、(b)は溶液の流れる方向に垂
直な面(図1のx−y面に相当)におけるセルの断面
図、(c)はそれらの面に垂直な面(図1のx−z面に
相当)におけるセルの断面図である。フローセルは、試
料と緩衝液を供給する供給口142と廃液を排出する廃
液排出口143と作用電極147を設けた基盤141
と、上部電極146と二つの電気音響変換器3(3−1
および3−2)を設けた光透過性アクリル材144によ
り、流路145が形成されている。電気音響変換器は、
図14(c)の示すように、流路を挟んでそれぞれが向
かい合うように配置されている。電気音響変換器は、P
ZT(周波数定数2000cycle・m)を利用した。図1
4(b)の149で示す流路断面の長さは約5mmであ
り、電気音響変換器の振動の周波数を約150kHzと
すると、流路内に節が一つの定在波が形成される。この
場合、電気音響変換器が最も効率よく振動するように、
振動方向の厚さ150を約13mmとした。
【0031】本装置の測定原理を説明する。表面に電気
化学発光反応を起こす金属錯体を固定した磁性微粒子と
電気化学発光反応の触媒を含む試料をフローセルに供給
し、磁石2により作用電極147上に固定する。上部電
極146と作用電極147の間に電圧を印加すると、金
属錯体が電気化学発光反応により発光し、その発光量を
フォトマル148で観測する。
【0032】本装置のクリーニングの精度は、以下の評
価により検討できる。磁性微粒子は、表面を高分子膜で
被覆しその上に電気化学発光反応を起こす複数のRu錯
体を固定した直径約2μmのFe微粒子を用いた。この
磁性微粒子と電気化学発光反応の触媒であるトリプロピ
ルアミン(TPA)をある規定濃度で含む標準試料と、
磁性微粒子を含まない参照試料を準備した。
【0033】まず、参照試料について測定し、その発光
量をBGとした。次に、セルを充分にクリーニングした
後、標準試料の測定,従来方法のセルクリーニング,参
照試料の測定を連続して行った。各測定の発光量を、そ
れぞれS1およびL1とする。従来装置のクリーニング
の精度を示す無次元量COを、CO=(L1−BG)/
(S1−BG)で定義する。この場合、CO値が小さい
ほどクリーニングの精度が良いことになる。
【0034】次に、本発明の場合のクリーニングの精度
を評価した。セルを充分にクリーニングした後、標準試
料の測定,電気音響変換器による音波の照射,従来方法
のセルクリーニング,参照試料の測定を連続して行っ
た。各測定の発光量を、それぞれS2およびL2とす
る。ただし、実験誤差の範囲内でS1=S2である。本
発明のクリーニングの精度を示す無次元量COAを、C
OA=(L2−BG)/(S2−BG)で定義する。
【0035】本発明の効果は、COとCOAの比較で得
られる。実験の結果、本発明のCOAは、従来装置のCO
の約10分の1となることが確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、磁性微粒子応用検出方
法を用いたフロースルー方式化学分析装置のクリーニン
グの精度が向上するため、装置の分析能力が向上する。
また、同装置のクリーニングに必要となる時間および緩
衝液の総量を減少させることが可能となり、評価のスル
ープットの向上や、評価の低コスト化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の説明図。
【図2】本発明の第一の実施例の説明図。
【図3】本発明の第二の実施例の説明図。
【図4】本発明の第三の実施例の説明図。
【図5】本発明の第四の実施例の説明図。
【図6】本発明の第五の実施例の説明図。
【図7】従来技術である磁性微粒子を利用した化学分析
方法の説明図。
【図8】従来技術である磁性微粒子を利用した化学分析
方法の説明図。
【図9】粘性流体の流れの説明図。
【図10】図9の円管におけるハーゲン−ポアズイユ流
れの流速分布の特性図。
【図11】粘性流体の流れの第二の具体例の説明図。
【図12】図11の長方形の断面を持つ管における粘性
流体の流速分布の特性図。
【図13】図11の長方形の断面を持つ管で、断面の長
方形の長辺と短辺の比が特に大きい場合の粘性流体の流
速分布の特性図。
【図14】本発明の第四の実施例を具体的に装置化した
例の説明図。
【符号の説明】
1…フロースルー方式化学分析装置のフローセル部、2
…磁性微粒子固定用磁石、3…電気音響変換器、4…交
流電源。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緩衝液の供給口と緩衝液の排出口とを具備
    するフローセルと,前記緩衝液の流れの方向をはさみ対
    をなす前記フローセルの各面にそれぞれ配置される電気
    音響変換器とを有し,前記電気音響変換器の振動周波数
    をそれぞれ異なる値に設定して,合成波の節の位置を時
    間的に変化させることを特徴とする化学分析装置。
  2. 【請求項2】緩衝液の供給口と緩衝液の排出口とを具備
    するフローセルと,前記緩衝液の流れの方向をはさみ対
    をなす前記フローセルの各面にそれぞれ配置される電気
    音響変換器とを有し,前記電気音響変換器の振動周波数
    を時間的に変化させて定在波の節の位置を時間的に変化
    させることを特徴とする化学分析装置。
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