JP2005274164A - バイオセンサー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイオセンサー装置おいて、種々多様な原因によって生じる水晶振動子の共振周波数の変動により測定精度が悪化してしまうという問題を改善することを課題とする。
【解決手段】 標識物質として磁性微粒子42を用い、水晶振動子1のセンサー膜11に捕らえられた標識物質に対し、磁界22を印加しその強度を変化させることでと標識物質と水晶振動子1との結合状態を変化させ、この変化に同期した周波数変化量から目的物質を定量する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、表面検出型のバイオセンサー、特に水晶振動子等の圧電振動子の振動部分に設けた固相(吸着膜)への微量な質量の吸着により生じる圧電振動子の共振周波数の変化を検出することにより、吸着した物質の量を定量するバイオセンサー装置、特にATカット水晶振動子を利用したQuartz Crystal Microbalanceセンサー装置(以下QCMセンサー装置という。)に関する。
表面検出型のバイオセンサーには、QCM法やSPR法(Surface Plasmon Resonance:表面プラズモン共鳴)などが知られている。QCM法は水晶振動子の共振周波数変化をから、水晶振動子表面に吸着または結合した微量物質の質量を測定できる小型で高感度な質量検出器である。水晶振動子の共振周波数変化と、振動子表面に結合した物質の質量との関係は、水晶振動子共振周波数をf、質量変化をΔm、質量変化による共振周波数変化をΔfとすると、Sauerbreyの式(非特許文献2参照)に基づき
Δf=−K・f・Δm・・・(1)
(ただし、Kは水晶の材料の弾性定数、密度、および電極面積により決まる定数である。)で表される。水晶振動子としては通常、厚み滑り振動モードを有するATカット水晶振動子が用いられ、共振周波数としては5MHzから30MHz程度のものが用いられる。
前記(1)式の関係を用いれば、質量吸着の前後の水晶振動子の共振周波数の差Δfを測定することにより、逆に、吸着した質量Δmを求めることができる。(1)式に示すように、測定される共振周波数の差Δfは共振周波数fの2乗に比例するので、共振周波数の高い水晶振動子を用いれば、単位質量当たりの周波数変化(Δf/Δm)すなわち、検出感度の高い質量検出が原理的には可能となる。例えば、共振周波数9MHz程度の水晶振動子を用いると、1ngの質量変化に対し1Hz程度の周波数変化を生じることから、水晶振動子を発振回路で発振させ、その出力を周波数カウンターで計測することで手軽にしかも高感度に質量変化が測定でき、特定生体物質を計測するためのバイオセンサーとして注目を集めている(たとえば非特許文献1、2参照)。
バイオセンサー装置の応用例としては、免疫測定法と組み合わせて血液や唾液、尿など複雑な成分を有する生体試料のなかから、極微量の目的物質、たとえば血液成分、タンパク、糖、ウイルス、細菌等を検出する診断検査装置や分析装置などがある。免疫測定法では、放射線検出法や蛍光検出法などを目的物質の定量に用いている。たとえば蛍光免疫測定法で目的抗原を検出する場合、その目的抗原に対する抗体をポリスチレン製のウエルプレートの壁面などに固定化した固定相に、蛍光標識抗体と目的物質とを含む試料溶液を反応せせる。目的物質を介して蛍光標識抗体を固定相と結合しさせた後、未反応の蛍光標識抗体を除去して、蛍光強度測定装置を用いて蛍光強度を測定する。蛍光標識抗体が発する蛍光の強度は、目的物質の量に比例するので、あらかじめ検量線を求めておくことで定量性が得られる。
QCM法を免疫測定に利用する場合は、目的物質に対する抗体を水晶振動子の電極表面上に形成したものを固相として用いる。この水晶振動子をバッファー溶液で満たした容器の中に設置し、次に目的物質を含む試料溶液を添加する。目的物質は、水晶振動子の電極表面上の固相に形成した抗体に結合に結合して質量負荷となり、水晶振動子の共振周波数を低下させる。QCM法の利点は、周波数変化量から直接、質量変化量が得られるので検量線が不要な点である。
実際の測定では、水晶振動子をバッファー溶液中に設置してから共振周波数の変化をモニターして、共振周波数が安定してから、目的物質を含む試料を添加する。試料を添加すると、ある時間をもって一定周波数まで低下するので、この周波数の低下から結合した質量を求めることができる。
目的物質の質量が非常に小さい場合や、また試料中の目的物質の量が極端に少ない場合には、QCM法を用いても感度が不足することが予想される。このような状況では、目的物質に標識物質を結合させた上で、この複合体の質量をQCM法で測定する質量増感法も考えられる。ここで使用する標識物質には、目的物質に比べて質量が十分大きい物質、たとえば金コロイドやポリスチレンビーズなどを用いることができる。目的物質が全て標識物質と結合すると仮定すれば、目的物質の質量は、標識物質の質量との和に質量増幅され、高感度化が実現するはずである。実際に、ポリスチレンビーズをつかった例(特許文献1)や、磁性微粒子を使った例(特許文献2)が報告されている。
SPR法は、光学プリズムの表面に形成したセンサー膜に、プリズム側からレーザー光を入射し、その時のレーザー光の反射角度の変化により、センサー膜表面に付着した物質による屈折率の変化を求めて、吸着物質を定量する方法である。センサー膜はQCM法と同様に、センサー膜の表面で目的物質を捕獲する表面検出型の検出器であることから、QCM法と同様に免疫測定法などに応用することができる。
バイオセンサー装置を用いて生体物質等の検出を行なう場合、たとえばQCM法を用いる場合は、水晶振動子をバッファー溶液中に設置し、目的物質を含む試料溶液を添加する。試料溶液を添加する前の段階で水晶振動子の共振周波数を観察していると、数秒〜数分程度の時間スケールで生じるランダムな周波数変動と、数分〜数時間の時間スケールで生じる周波数ドリフト現象が見られる。このような周波数変動があると、せっかくの高感度が生かせなくなってしまう。たとえば、9MHzで電極面積5mm平方の水晶振動子は理論的には1Hz辺り270pgの感度だが、10Hzの周波数変動があれば分解能は2.7ngまで低下してしまう。
周波数変動の原因は種々考えられる。たとえば水晶振動子自体が温度依存性を有しているため、振動子自体の温度変化や、バッファー溶液の温度揺らぎにより共振周波数が変動する。またバッファー溶液の粘度は温度によっても変化するために、粘度変化と通して共振周波数が変動するケースも考えられる。さらにバッファー溶液の対流や液面振動、機械的振動、電磁的ノイズ等も周波数変動の要因として考えられる。
周波数変動の要因として、温度の変動を考えた場合、その対策として恒温槽を用いて測定装置全体の温度を一定に保つ方法がよく用いられるが、微小な温度変動を完全に無くすことは難しく、また測定装置が大型化したり、温度が安定するまでに時間がかかるといった欠点を生じる。さらに、槽内の温度分布や、バッファー溶液の温度分布や揺らぎはバッファー液体の性質に依存して微妙に異なり、温度を一定にするだけ周波数変動を解決できるとは限らない。
また温度変動の問題を改善するため、バッファー溶液の温度を温度センサーで検出して温度変動に基づく周波数変動を補正する試みが従来なされている(例えば特許文献3、特許文献4参照)。これら温度検出が付加されたQCMセンサー装置においては、温度センサーの出力に応じて、質量検出用の水晶振動子の出力が補正され、温度変化が質量検出用水晶振動子の共振周波数に与える変動をキャンセルするという原理により、質量変化の検出量が温度の影響を受けない温度補償が図られている。
ACOUSTIC WAVE SENSORS、ACADEMIC PRESS(ISBN 0−12−077460−7)p307−308、Examples of Biochemical Acoustic Wave Sensors BUNSEKI KAGAKU Vol.46、No.12、pp.917−930(1997):臨床検査のためのラテックス圧電素子イムノアッセイと圧電素子バイオセンサーの開発(918頁−929頁) 特開2002−310873号公報(図1、3頁) 特開平7−225233号公報(3頁、4頁) 特開平6−265459号公報(図1、3頁) 特開平9−229841号公報(図1、3頁)
しかし、これらの装置においては、温度の検出は質量検出用の水晶振動子とは別体である温度センサーにより行なうものであるから、質量検出用の水晶振動子の振動子表面での微妙な温度変化を捉えることは難しく、補正も不完全にならざるを得ない。また、温度変化に対して周波数変化が予め明らかな訳ではなく、例えば、温度変化に対して時間的な遅れをもって周波数に影響を及ぼすような状況も考えられる。さらに遅れ自体もさまざまな要因により変化することも考えられる。このような状況ではたとえ正確な温度を測定できても、温度だけで周波数を補償できるとは限らず、周波数の変動を無くすことは極めて困難である。同様の影響は、SPR法を用いたバイオセンサー装置においても同様に生じると考えられる。
本発明は、上記した従来のバイオセンサー装置において生じることのある問題点すなわち、種々多様な原因によってもたらされる水晶振動子の共振周波数の変動により測定精度が悪化してしまうという問題を改善することを目的とする。
上記の課題を解決するためにその第1の手段として本発明は、目的物質を磁性粒子で標識した複合体をセンサーの表面に結合させて、目的物質を定量するバイオセンサー装置において、前記複合体に磁界を印加する磁界発生装置を有し、前記磁界を変化させた時の前記センサーの出力の変化量から前記目的物質を定量することを特徴とする。
上記の課題を解決するためにその第2の手段として本発明は、前記磁界発生装置は電磁石であり、該電磁石を制御することで前記磁界を変化させることを特徴とする。
上記の課題を解決するためにその第3の手段として本発明は、前記磁界発生装置は永久磁石であり、該永久磁石と前記センサーとの相対位置を変化させることにより前記磁界を変化させることを特徴とする。
上記の課題を解決するためにその第4の手段として本発明は、前記センサーは、振動子表面に前記複合体を補えるためのセンサー膜を有した圧電振動子であり、該圧電振動子の共振周波数変化から前記目的物質を定量することを特徴とする。
上記の課題を解決するためにその第5の手段として本発明は、前記圧電振動子は、ATカット水晶振動子であることを特徴とする。
本発明によれば、種々多様な原因によってもたらされる水晶振動子の共振周波数の変動を取り除くことが可能となり、従来よりも質量の検出精度を向上させることができる。
本発明の基本原理は、標識物質を用いて目的物質を質量増幅する検出法を基本に、水晶振動子が不可避的に発生する周波数変動よりも小さい周波数変化を捕らえることができるように改良を加えたものである。そのために、本発明では標識物質として磁性微粒子を用い、水晶振動子のセンサー膜に捕らえられた標識物質に対し、外部より磁界を印加してその強度を変化させることで標識物質と水晶振動子との結合状態を変化させ、この変化に同期した共振周波数の変化量から目的物質を定量するものである。
以下に、図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。図1は第1実施形態の係わるバイオセンサー装置の構成を示す構成図である。本バイオセンサー装置は、フローセル形の構成を採用している。主な構成要素は、質量検出用のセンサーとなる水晶振動子1、水晶振動子1の共振周波数を計測するための共振周波数計測手段2、測定結果を表示する表示手段3、磁界を印加するための磁界発生装置4(ここでは磁界発生装置4に電磁石を用いている。)、この電磁石を制御する電磁石電源5、バイオセンサー装置全体を制御する制御回路6、およびフローセル本体7である。フローセル内には流路8、8aと反応室19が設けられていて、ここに試料溶液を流して測定を行なう。
水晶振動子1は基板9上に接着剤10で固定され、同時に水晶振動子1裏面(基板9側)に試料溶液が漏れないように接着剤10で防水封止が施されている。水晶振動子1を駆動する電極は、基板9上に設けられた配線パターン12、13および配線12a、13aを介して共振周波数計測手段2に接続されている。磁界発生手段4は電磁石であり、強磁性体からなる磁気コア14とコイル15から構成され、電磁石電源5から供給される電力により磁界22を発生する。制御回路6はバイオセンサー装置全体の制御を行なうために設けられており、電磁石電源5および共振周波数計測手段2を制御し、共振周波数計測手段2で計測した情報を処理し、結果を数値あるいはグラフで表示手段3に表示する機能を持つ。
フローセル7は、例えばアクリル材等で作られており、流路8、8aおよび反応室9の内壁は試料溶液を流した時に、目的物質が吸着するのを防ぐ表面処理がなされている。水晶振動子1を実装した基板9は、フローセル7に防水パッキン16を介して固定されている。試料溶液はシリンジポンプ17から試料導入チューブ18を通して反応室19に導かれる。試料溶液は反応室19で水晶振動子1の電極表面上に形成されたセンサー膜11と反応し、試料排出チューブ20を通して廃液貯め21に排出される。
次に、本バイオセンサー装置を用いた生体試料の計測の手順を図2に基づいて説明する。図2(a)は、検出に用いる水晶振動子1を示したものである。水晶振動子1は、表電極31および裏電極32を有し、表電極31の表面にはセンサー膜11が形成されている。電極材料には通常、化学的安定性、およびチオール結合を利用した有機分子や生体分子の結合の容易さなどから金を用いる場合が多い。センサー膜11としては目的物質と特異的に結合するリガント分子34を、リンカー35を介して表電極31上に固定化する。通常は目的物質が抗原の場合は、その抗原に対する抗体をリガント分子として用いる。リンカー35には、たとえばPEG(ポリエチレン・グリコール)鎖などを利用することができる。リンカー35の長さは数nmから数100nmまでさまざまな長さの物を用いることができる。またリンカーを用いずに、リガトン分子を表電極31へ直接固定化することも可能である。一般に、長いリンカーを用いた方が、センサー膜11が目的物質を捕獲する確率が増加すると期待される。リンカー35の表電極31への固定化には、チオール結合による方法や、物理吸着による方法などが利用できる。
図2(b)はサンドイッチ法に用いる標識抗体41を示す図である。標識物質には、磁
性微粒子42を用いる。磁性微粒子42の表面には、目的物質に対して特異的に結合するリガント分子34を結合する。通常リガトン分子34は、目的物質が抗原の場合はその抗原に対する抗体を結合させておく。磁性微粒子42のサイズは数nmサイズのものから数ミクロンのものまでさまざまなサイズがあり、目的に応じて使い分けることができる。
次に試料溶液の調製を行なう。図2(c)は、調製した試料溶液を示した図である。試料溶液を作成する手順は、次の通りである。適当な容器50にバッファー溶液51を満たし、磁性微粒子42で標識した標識抗体41と目的物質52を添加し、十分反応させる。反応の結果、目的物質52は標識抗体41と結合し、複合体53が形成される。標識抗体41の濃度を、目的物質52より高くしておけば、目的物質52の大部分を複合体53にすることが可能である。
次にこの試料溶液を水晶振動子1上に形成したセンサー膜11に反応させる。フローセル7において、試料溶液をシリンジポンプ17にセットしてポンプを作動させて、反応室19に送りこみむ。試料溶液は反応室19でセンサー膜11と反応した後、試料排出チューブ20を通って、廃液容器21に排出される。反応室内19では、試料溶液中の複合体53を構成する目的物質がセンサー膜11上のリガント分子34と結合し、一方、未反応の複合体53は、そのまま反応室19の外へ排出される。
図2(d)は、目的物質52を介して、センサー膜11側のリガント分子34と標識抗体41側のリガント分子34が結合した状態を表した図である。水晶振動子1の共振周波数は、目的物質52と標識抗体41の合計質量に相当する共振周波数の低下を生じる。
次に、水晶振動子1の下面に設置した磁界発生装置4により磁界を発生させる。この磁界によりセンサー膜11に結合した磁性微粒子42は磁化され、図1に示す磁界22に引き付けられて下向きの力を受ける。図2(e)は、そのときの様子を示した概念図である。図2(e)では、リンカー35は下向きの力60を受けて縮み、同時に斜めに傾き、その結果、磁性微粒子42が水晶振動子1の表電極31に近づいているように示してある。この図はあくまでも概念図であるが、磁性微粒子42に下向きの力が働けば、結果的に磁性微粒子42と表電極31との結合の様子に変化を生じ、磁性微粒子42は表電極31に接近すると考えられる。この接近により、水晶振動子1は、直接的には、より質量に感応して共振周波数が低下し、間接的には、表電極31付近での密度変化、粘度変化を通して共振周波数の低下を生じることが容易に想像できる。以上のように、磁界22の印加により共振周波数の変化を生じ、その変化量は磁性粒子42の量に比例するので、結局、目的物質52の量に比例した共振周波数変化を得ることができる。
図3は印加する磁界22の大きさと共振周波数の変化の様子を示した図である。図3(a)は、横軸に時間、縦軸に印加した磁界22の強さを示している。時刻t1で磁界を発生させ、時刻t2で磁界を切り、以降、周期的に磁界をオン・オフを繰り返す。図3(b)は、そのときの水晶振動子1の共振周波数の変化を示す図である。時間t1で磁界のオンと同期して共振周波数が低下し、磁界のオフに同期してt2でもとに戻る。以降、磁界オン・オフの繰り返しにしたがって共振周波数も周期的に変化する。磁気変調における周波数変化量と、複合体の質量との間の関係をあらかじめ校正しておくことで、共振周波数の変化分から目的物質の量を求めることができる。図3(b)は、外乱がない理想的な状態を表しているが、次に図3(c)を用いて、温度変化やノイズ等の外乱があった場合の水晶振動子1の共振周波数の変化と、その状態から共振周波数の変化成分を取り出すシステムを説明する。
図3(c)は共振周波数のドリフト変動が大きく、しかも小刻みなノイズも多い場合を説明する図である。図において、共振周波数は小刻みなノイズが発生した状態で推移して
いるが、ドリフト変動により、時間t4付近までは共振周波数は上昇傾向を示し、t5以降は下降傾向を示している。このような上昇下降傾向は、例えば、温度ドリフトなどの外乱要因が原因である。磁界をかけている期間(t1〜t2、t3〜t4、t5〜t6)では、磁界に同期して共振周波数が低下し、かけていない期間(t2〜t3、t4〜t5、t6〜t7)では増加しているはずであるが、ノイズに埋もれているため、明瞭に読み取ることが出来ない。そこで、磁界をかけた区間において共振周波数が低下して到達するであろうと予測される下限ラインと、逆に磁界をかけない区間での共振周波数が増加して到達するであろうと予測される下限ラインとを考えてみる。図から推測すると、ライン71、ライン72のような上限ラインと下限ラインを考えることが出来る。磁界を掛けていない時の共振周波数はライン71のように変動していて、磁界を印加したときは点線72のラインに向かって共振周波数が変化していることが、読み取れるようになる。従って、共振周波数の変化量は、このライン71とライン72の差をグラフから読み取ることで共振周波数変化74を求めることができる。この図に示したように共振周波数にドリフト変動が発生すると、全体の変動量は変動量73となり、ドリフトによる変動が誤差となってしまう。
共振周波数変化74はこのようなグラフからも読み取れるがが、より正確に共振周波数変化量74を求めるためには、磁界変化の1周期分(図3の時間t1からt3)の共振周波数データに、次の1周期分(図3の時間t3からt5)の共振周波数データと、その次の1周期分(図3の時間t5からt7)のデータを移動してデータを平均化する。つまりすべての周期のデータを図3(d)に示すように最初の時間t1からt3へ移動してデータを平均化することで、印加磁界の周期に同期した共振周波数変化成分のみを取り出すことが可能となる。
この方式によれば、磁気変調に同期していない共振周波数変化(温度ドリフトなど)は、平均化の回数を増やせば、それに比例して小さくすることが可能となり、必要なS/N比が得られるまで平均化処理を行なうことで、分解能が向上し、実質的に高感度化が実現する。
図4は、前記した磁気変調周期に同期して共振周波数を平均化する回路の一例を示すブロック図である。水晶振動子1は水晶発振回路81により発振させることで、その共振周波数を求める。磁界発生装置4は電磁石電源5からの電力で駆動されるが、磁界22の発生と停止は、パルス発生器83の出力信号に基づき制御される。パルス発生器83は、磁界をオンオフする制御出力84を出力し、その制御出力84により電磁石電源5が制御されて磁界のオンオフと同時に、水晶発振回路81より出力された発振パルス82を、スイッチ回路86で切替て、磁界オン時はカウンター87に、磁界オフ時はカウンター88にそれぞれ加算する。カウンター87、88にはそれぞれ磁界オン期間、磁界オフ期間での水晶発振回路81のパルスがすべてカウントされ、平均化処理が行われる。あらかじめ決められた数の磁気オン・オフ回数に達したことをカウンター89で検出し、除算器91、92がそのときのカウンター86、87の値をカウンター88の値で除算することで、オン期間、オフ期間での共振周波数の平均値93、94が得られ、引算器95でその差を求め、表示手段3に磁界を加えたときの共振周波数の変化量を数値あるいはグラフで表示する。制御回路6は、以上の測定回路全体の制御を行なう。
前記した回路例では、磁界オン期間、オフ期間、それぞれの期間での周波数の平均値を求めているので、磁界オンあるいはオフした時の共振周波数の時間的変化を見ることは出来ないが、カウンターと除算器を多数用意して、図3(d)のt1からt3までの時間をさらに細分化して、それぞれの細分化された時間ステップでの共振周波数を平均化することで、時間的変化を示す測定カーブを得ることは容易である。
また、前記した回路例の一部はコンピュータを用いてソフトウエアで処理することも容易である。図5は共振周波数を求めるためにネットワークアナライザーやインピーダンスアナライザ等のアドミッタンス計測手段を使用して、磁気発生回路4の制御を含めてすべてをコンピュータ上で処理する場合の例である。アドミッタンス計測手段101により水晶振動子1の共振特性を測定し、その周波数特性データ102をコンピュータ103に読み込み、演算により共振周波数取得、平均化処理を行い、グラフあるいは数値結果を表示手段3に表示する。磁界制御は、コンピュータ103から電磁石電源5を制御し、磁界発生装置4による磁界のオン・オフを行なう。図4に示す制御回路6が受け持つ機能もコンピュータ103が兼ねている。コンピュータを制御あるいは演算処理に用いることで、磁界に対する共振周波数変化量だけでなく、その磁界強度依存や、磁界オン・オフ時の共振周波数変化の時間的変化の様子などを求めて表示することも容易に実現可能である。また磁界変化に対する共振周波数変化量と、実際の吸着質量の間の関係式、あるいは換算テーブルをコンピュータ上に用意しておけば、吸着質量や、吸着質量の時間変化などを求めて表示することも可能である。
次に、図面に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。図6は第2実施形態の係わるバイオセンサー装置の構成を示す図である。第1実施形態と異なるところは、磁界発生手段として永久磁石111を用いていることである。磁界強度の変調は、永久磁石を移動ステージ112上に設置して移動装置113によって水晶振動子1と永久磁石111との相対距離を変化させることで実現している。この実施例では永久磁石を垂直方向に移動させているが、水平方向の移動、あるいは水平方向の円運動で移動させることもできる。
以上の説明においては、試料溶液を調製し、その試料溶液をフローセルに流して測定して目的物質の定量を行なったが、目的物質を含まない試料溶液をフローセルに流して測定した場合の印加磁界に対する共振周波数の変化を求めておいて、測定結果を校正することが望ましい。
以上の説明においては、すべてQCM法によるフローセル型バイオセンサー装置を用いた場合であった。次にバッチ型セルを用いたQCM法によるバイオセンサー装置の場合を説明する。図7はバッチ型バイオセンサー装置を示す図である。フローセルの代わりに試料溶液を保持するアクリル製の反応容器120が基板9上に接着されている。バッチ型バイオセンサー装置を用いる場合は、測定の手順が若干異なる。
先ず、前記した方法を用いて試料溶液を調製する。調製した試料溶液を反応容器120にピペット122などを用いて導入し、水晶振動子上のセンサー膜に反応させる。試料溶液の調製自体を反応容器120内で行ってもよい。試料溶液をセンサー膜と十分反応させた後、試料溶液中の未反応の複合体を除去する。これは、もし未反応の複合体が反応容器120内に残っていると、外部から磁界を印加したとき、未反応複合体中の磁性微粒子も磁化して磁石に引き寄せられて水晶振動子のセンサー膜近傍に濃縮され、共振周波数に悪影響を及ぼしてしまうためである。フローセルの場合、未反応の複合体はそのままフローセル外へ排出されるがバッチ式の場合は、未反応の複合体はそのまま反応容器内に留まるので、除去が必要となる。除去は、単に反応容器120中の試料溶液を捨てて、新たにバッファー溶液を導入すればよい。そしてフローセルの場合と同様に、周期的な磁界を印加して水晶振動子の共振周波数の変化の測定を行い、目的物質の定量を行なう。
以上の説明はすべて、免疫測定法としてサンドイッチ法を適用した例を用いたが、競合法を用いても同様な測定が可能なことは明らかである。競合法を用いる場合は、試料溶液調製時に、磁性微粒子で標識した標識抗体を用いる代わりに、予め目的物質を磁性微粒子に結合させた競合物質を用い、バッファー溶液中に目的物質と競合物質を添加して試料溶液として用いればよい。
また、以上の説明はすべて、ATカット水晶振動子を用いたバイオセンサー装置に係わるものであるが、水晶振動子以外の圧電振動子を用いたセンサー装置に用いることが可能である。また、本発明は、QCM法以外にも、SPR法等の表面検出形バイオセンサーに適応することも可能である。
本発明の第1実施形態に係るバイオセンサー装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る計測手順を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る磁界強度と共振周波数の測定結果を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る計測回路の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る計測回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るバイオセンサー装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施例に係わるバッチ型QCMセンサー装置の構成を示す構成図である。
符号の説明
1 水晶振動子
2 共振周波数計測手段
3 表示装置
4 磁界発生装置
5 電磁石電源
6 制御回路
7 フローセル
8、8a 流路
9 基板
10 接着剤
11 センサー膜
12、13 配線パターン
12a、13a 配線
14 磁気コア
15 コイル
16 防水パッキン
17 シリンジポンプ
18 試料導入チューブ
19 反応室
20 試料排出チューブ
21 廃液貯め
22 磁界
30 水晶基板
31 表電極
32 裏電極
34 リガント分子
35 リンカー
41 標識抗体
42 磁性微粒子
50 容器
51 バッファー溶液
52 目的物質
53 複合体
60 力
81 水晶発振回路
82 発振パルス
83 パルス発生器
84 制御出力
86 スイッチ回路
87、88 カウンター
91、92 除算器
93、94 平均値
95 引算器
101 アドミッタンス計測手段
102 周波数特性データ
103 コンピュータ
111 永久磁石
112 移動ステージ
113 移動装置
120 反応容
122 ピペット

Claims (5)

  1. 目的物質を磁性粒子で標識した複合体をセンサーの表面に結合させて、目的物質を定量するバイオセンサー装置において、前記複合体に磁界を印加する磁界発生装置を有し、前記磁界を変化させた時の前記センサーの出力の変化量から前記目的物質を定量することを特徴とするバイオセンサー装置。
  2. 前記磁界発生装置は電磁石であり、該電磁石を制御することで前記磁界を変化させることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー装置。
  3. 前記磁界発生装置は永久磁石であり、該永久磁石と前記センサーとの相対位置を変化させることにより前記磁界を変化させることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー装置。
  4. 前記センサーは、振動子表面に前記複合体を補えるためのセンサー膜を有した圧電振動子であり、該圧電振動子の共振周波数変化から前記目的物質を定量することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のバイオセンサー装置。
  5. 前記圧電振動子は、ATカット水晶振動子である請求項4に記載のバイオセンサー装置。
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