JP2007056720A - 斜板式圧縮機 - Google Patents

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茂直 富松
Hiroshi Ono
博 大野
Masatoshi Sagiya
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Abstract

【課題】 斜板及びシューのうち少なくとも一方が、耐摩耗性、耐焼付き性及び密着性の向上したDLCからなる硬質膜を有する斜板式圧縮機を提供する。
【解決手段】 斜板式圧縮機においては、駆動軸の回転運動が前記駆動軸と一体に回転可能な斜板72及び当該斜板72に摺動するシュー78によりピストンの往復運動に変換される。斜板式圧縮機は、斜板72及びシュー78のうち少なくとも一方に他方と摺動する硬質膜86を備え、硬質膜86は、実質的に水素を含まないダイヤモンドライクカーボンからなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は斜板式圧縮機に関する。
例えば自動車用空調システムの冷凍回路等に適用される流体機械としての斜板式圧縮機は、駆動軸から斜板及びシューを介して動力供給を受けたピストンがシリンダボア内を往復運動するのに伴い、吸入室からシリンダボア内への作動流体としての冷媒の吸入工程、吸入した作動流体の圧縮工程及びシリンダボアから吐出室への圧縮した作動流体の吐出工程からなる一連のプロセスを実行する。
より詳しくは、駆動軸は環状の斜板を貫通し、斜板は駆動軸に対し傾斜して若しくは傾動可能にして固定されている。一方、各ピストンのテール部には、夫々が略半球状をなす1対のシューが配置され、1対のシューは互いの間に斜板の外周部を挟み込んでこの外周部に摺動する。
斜板及びシューの互いの摺動面は、冷媒に含まれる冷凍機油(潤滑油)からなる油膜により潤滑されるが、摺動面の耐摩耗性及び耐焼付き性を向上すべく、従来、斜板の摺動面にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる被膜が形成されていた。
そして、近年では、耐摩耗性及び耐焼付き性を更に向上させるべく、斜板及びシューの摺動面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)と称され、水素を含む非晶質炭素からなる被膜(DLC膜)を形成することが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2001-280236号公報 特開2001-271741号公報
しかしながら、特許文献1の斜板と特許文献2のシューとを組み合わせた場合、つまり、斜板及びシューの双方の摺動面に水素を含むDLC膜を形成した場合、DLC膜の異常摩耗や焼付きが発生する虞がある。これは以下の理由による。
低温下で且つ圧縮機の作動直後にその回転数が高い場合、油膜が冷媒により洗い流されてしまい、斜板及びシューの摺動面がドライ状態になり易い。このため、低温下で圧縮機が作動と停止を繰り返すような場合、油膜切れが生じてDLC膜同士が直接接触するようになる。
ここで、DLC膜の主成分は非金属である炭素原子であることから、金属膜同士が直接接触する場合に比べ、凝着による摩耗や焼付きは起き難いと考えられていた。しかしながら、現実には、水素を含むDLC膜同士が摺動する場合、面圧が低くても凝着によりDLC膜の異常摩耗や焼付きが発生してしまう。
そこで、本発明者らは、水素を含まないDLC膜を有する斜板及びシューの研究・開発を進め、水素を含まないDLC膜は互いに凝着しないのみならず、斜板及びシューの一方に適用した場合でも、水素を含むDLC膜に比べて同等以上の耐摩耗性及び耐焼付き性を有することを見出したが、この研究・開発過程では、斜板及びシューに水素を含まないDLC膜を十分な密着力をもって形成するのが困難であるという問題にも直面した。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、斜板及びシューのうち少なくとも一方が、耐摩耗性、耐焼付き性及び密着性の向上したDLCからなる硬質膜を有する斜板式圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明者らは、実質的に水素を含まないDLC膜を種々の条件にて斜板及びシューに形成し、これらのDLC膜の耐摩耗性、耐焼付き性及び密着性の評価を行った。そして、その結果として以下の発明に想到した。
すなわち、本発明によれば、駆動軸の回転運動が前記駆動軸と一体に回転可能な斜板及び当該斜板に摺動するシューによりピストンの往復運動に変換される斜板式圧縮機において、前記斜板及びシューのうち少なくとも一方に他方と摺動する硬質膜を備え、前記硬質膜は、鉄系合金製の基材上に形成され、且つ、実質的に水素を含まないダイヤモンドライクカーボンからなることを特徴とする斜板式圧縮機が提供される(請求項1)。
好適な態様として、前記基材はクロムモリブデン鋼及びステンレス鋼のうちから選択された一種からなり、前記硬質膜が形成される前記基材の表面領域には、ラジカル窒化処理により窒化層が形成され、前記窒化層は、1μm以下の平均表面粗さRa及び700〜1500の範囲のビッカース硬さHvを有する(請求項2)。
好適な態様として、前記硬質膜と前記基材との間に、窒化クロム及び窒化チタンのうち一方からなる中間膜を更に備える(請求項3)。
好適な態様として、前記斜板に前記硬質膜として設けられた第1硬質膜は1〜8μmの範囲の厚さを有し、前記第1硬質膜の硬度は、、前記硬質膜の厚さ方向でみて変化し、最も前記基材側の前記硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあり、最も表面側の前記硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にある(請求項4)。
好適な態様として、前記シューに前記硬質膜として設けられた第2硬質膜は、2〜8μmの範囲の厚さを有し、前記第2硬質膜の硬度は、前記第2硬質膜の厚さ方向でみて変化し、最も前記基材側の前記第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあり、最も表面側の前記第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にある(請求項5)。
好適な態様として、最も表面側の前記硬質膜の部位は、金属元素を更に含有している(請求項6)。
好適な態様として、前記斜板及びシューの双方に前記硬質膜を備え、前記斜板及びシューの双方に前記硬質膜を備え、最も表面側の前記第1硬質膜の部位の硬度は、最も表面側の前記第2硬質膜の部位の硬度よりも小さい(請求項7)。
請求項1に係る本発明の斜板式圧縮機によれば、斜板及びシューの少なくとも一方に、実質的に水素を含まないDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる硬質膜を形成したので、斜板とシューとの間の摺動部位において良好な耐摩耗性及び耐焼付き性が確保される。
その上、この圧縮機では、斜板及びシューの両方に硬質膜を形成した場合でも、硬質膜は実質的に水素を含まないDLCからなるので、硬質膜同士の凝着による異常摩耗や焼付きが防止される。このため、この斜板式圧縮機は、斜板とシューとの間での摺動状態が良好に保たれ、安定に動作する。
請求項2の斜板式圧縮機では、クロムモリブデン鋼及びステンレス鋼のうちから選択された一種からなる基材の表面に形成した窒化層が1μm以下の算術平均粗さRaを有するので、硬質膜の密着性が向上している。
すなわち、窒化層の算術平均粗さRaが1μm以下であれば、窒化層上に形成された硬質膜が平坦になり、摺動時に硬質膜に局所的に大きな応力が加わることがなくなる。この結果、硬質膜が局所的に変形して剥離するのが防止され、硬質膜の密着性が向上する。
また、この圧縮機では、窒化層が700〜1500の範囲のビッカース硬さHvを有することによっても、硬質膜の密着性が向上している。
すなわち、硬質膜を形成する基材の表面領域の硬度が低いと、摺動時に硬質膜が変形して剥離し易くなる。この圧縮機では、窒化層が700〜1500の範囲のビッカース硬さHvを有することで、摺動時に硬質膜の変形が防止され、硬質膜の密着性が向上する。
請求項3の斜板式圧縮機では、硬質膜と基材の窒化層との間に、窒化クロム及び窒化チタンのうち一方からなる中間膜を形成したことで、硬質膜の密着性が更に向上する。
請求項4の斜板式圧縮機では、斜板に硬質膜として1〜8μmの厚さの第1硬質膜が形成され、最も表面側の第1硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にあり、最も基材側の第1硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあることで、第1硬質膜の密着性が更に向上するとともに、第1硬質膜のせん断強さが増大して第1硬質膜の変形が防止される。この結果、斜板とシューとの間での摩擦トルクが低減され、圧縮機の消費動力が削減される。
請求項5の斜板式圧縮機では、シューに硬質膜として2〜8μmの厚さの第2硬質膜が形成され、最も表面側の第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にあり、最も基材側の第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあることで、第2硬質膜の密着性が更に向上するとともに、第2硬質膜のせん断強さが増大して第2硬質膜の変形が防止される。この結果、斜板とシューとの間での摩擦トルクが低減され、圧縮機の消費動力が削減される。
請求項6の斜板式圧縮機では、最も表面側の硬質膜の部位が金属元素を含有することにより、硬質膜の摩擦係数が小さくなる。この結果、、斜板とシューとの間での摩擦トルクが更に低減され、圧縮機の消費動力が更に削減される。
請求項7の斜板式圧縮機では、斜板の硬質膜の硬度が、シューの硬質膜の硬度よりも小さいことで、これら硬質膜の耐摩耗性及び耐焼付き性が一層向上する。
図1は、自動車用空調システムの冷凍回路に適用した一実施例の斜板式圧縮機を示す。
冷凍回路は、例えばR134a等のHFC冷媒(以下、単に冷媒と称す)が循環する循環流路2を有する。斜板式圧縮機は循環流路2に介挿され、冷媒の流れ方向でみて、斜板式圧縮機の下流には凝縮器4、膨張弁6及び蒸発器8が順次介挿されている。
斜板式圧縮機は容量可変型であって、シリンダブロック10を備え、シリンダブロック10の一端にはクランクケース12が設けられている。また、シリンダブロック10の他端にはバルブプレート14を介してシリンダヘッド16が設けられ、クランクケース12及びシリンダヘッド16は、シリンダブロック10及びバルブプレート14を貫通する連結ボルトにより互いに連結されている。
シリンダブロック10及びクランクケース12により区画されたクランク室18内には、その中央に駆動軸20が配置され、この駆動軸20の一端側はクランクケース12を貫通し、軸受22を介してクランクケース12に回転自在に支持されている。一方、駆動軸20の他端は、シリンダブロック10の中央を軸線方向に貫通して形成された中央孔24に進入し、軸受26を介してシリンダブロック10に回転自在に支持されている。
クランクケース12から突出した駆動軸20の一端には、電磁クラッチ28のドリブン側ユニットが固定され、電磁クラッチ28のドライブ側ユニットを構成するロータ30は、軸受32を介してクランクケース12に回転自在に支持されている。ロータ30はソレノイドを内蔵するとともに、その外周には駆動プーリ34が固定され、駆動プーリ34と車両のエンジン36との間にはベルト37が架け回されている。従って、駆動プーリ34は、エンジン36の作動中、ベルト37により回転駆動され、このとき電磁クラッチ28がオン作動されると、駆動プーリ34の回転が駆動軸20に伝達され、駆動軸20は一方向に回転される。
シリンダブロック10には、例えば7個のシリンダボア38が形成されている。これらシリンダボア38はシリンダブロック10の周方向に等間隔を存して配置され、各シリンダボア38は駆動軸20と平行にしてシリンダブロック10をその軸線方向に貫通している。
一方、シリンダヘッド16内には、その中央に吐出室40が区画され、吐出室40の回りに環状の吸入室42が区画されている。これら吐出室40及び吸入室42は、シリンダヘッド16の外壁に形成された吐出ポート及び吸入ポート(図示せず)を通じて循環流路2の往路及び復路にそれぞれ接続されている。
これらシリンダブロック10とシリンダヘッド16との間に挟まれたバルブプレート14には、各シリンダボア38と吐出室40及び吸入室42との間をそれぞれ連通する吐出孔44及び吸入孔46が形成され、これら吐出孔44及び吸入孔46は、逆止弁としてのリード弁48,50によりそれぞれ開閉される。
また、吐出室40とクランク室18との間には、シリンダブロック10及びバルブプレート14を貫通して高圧側流路52が形成され、シリンダブロック10内を延びる高圧側流路52の部分には、オリフィスフィルタ54が配置されている。オリフィスフィルタ54は、極小の内径を有するオリフィスチューブ56を有し、オリフィスチューブ56は、吐出室40の圧力をクランク室18に減圧して伝達可能である。また、オリフィスフィルタ54は、オリフィスチューブ56の目詰まりを防止すべく、吐出室40側のオリフィスチューブ56の端部を囲む筒状のフィルタ材58を有する。
一方、吸入室42とクランク室18との間は、シリンダヘッド10の中央孔24を一部に含む低圧側流路を通じて接続され、この低圧側流路は、中央孔24に配置された開閉弁60により所定の条件にて開閉される。より詳しくは、開閉弁60は、吸入室42の圧力が所定の上限値を超えたときに閉作動し、もってクランク室18の圧力を上昇させる一方、吐出室40の圧力が所定の上限値を超えたときに開作動し、もってクランク室18の圧力を低下させる。
前述した各シリンダボア38内にはピストン62が摺動自在に嵌合され、シリンダボア38内でのピストンの往復運動は、吸入室42からシリンダボア38への冷媒の吸入工程、シリンダボア38内での吸入した冷媒の圧縮工程及びシリンダボア38から吐出室40への圧縮した冷媒の吐出工程からなる一連のプロセスを実施する。換言すれば、ピストン62の往復運動は、循環流路2の復路から圧縮機への冷媒の吸入工程、圧縮機での冷媒の圧縮工程及び圧縮機から循環流路2への冷媒の吐出工程からなる一連のプロセスを実施する。
上述したピストン62に往復運動を付与すべく、駆動軸20にはベースロータ64が同心上に固定され、ベースロータ64とクランクケース12の端壁との間には、スラストベアリング66が配置されている。ベースロータ64には、ヒンジ68によりチルトロータ70が連結され、チルトロータ70の中央を駆動軸20は貫通している。チルトロータ70には、環状の斜板72が外側から嵌合され、斜板72は、ベースロータ64、ヒンジ68及びチルトロータ70を介して駆動軸20に対して傾動可能であるとともに、駆動軸20と一体に回転可能である。
なお、ベースロータ64とチルトロータ70との間には、駆動軸20に挿通されたコイルスプリング74が配置され、コイルスプリング74はチルトロータ70をシリンダブロック10に向けて押圧付勢している。
一方、シリンダブロック10からクランク室18に突出した各ピストン62の端部は、テール部76として形成されている。テール部76は、駆動軸20の方向及び周方向に開口したコの字形状をなし、ピストン62の軸線方向にて互いに離間した各テール部76の内面には、それぞれ半球状に凹んだ一対の球面座が形成されている。一対の球面座には、それぞれ半球状の一対のシュー78が配置され、これらシュー78間に斜板72の外周部が摺動自在に挟み付けられている。
より詳しくは、図2は、斜板式圧縮機の斜板72及びシュー78のみを模式的に示し、斜板72は、その厚さ方向両側に互いに平行な主面を有し、各主面の外周領域がシュー78に対しての摺動面になる。一方、シュー78は、斜板72の摺動面により摺動される円形かつ平坦な被摺動面と、被摺動面の外縁に連なり、球面座に合致可能な半球状の凸面とを有する。
なお、図2中、斜板及びシューの一部が切欠かれるとともに、7組のシューのうち1組のシューが省略されている。
図2の円内は、斜板72とシュー78とが互いに摺動する部位の断面を拡大して示し、斜板72及びシュー78の各々は、クロムモリブデン鋼であるSCM435製の基材80a,80bを有する。
基材80の表面には、基材80をラジカル窒化処理することにより、窒化鉄を主成分とする窒化層82a,82bが形成されている。窒化層82の厚さは、30μm以上80μm以下の範囲にあり、窒化層82のビッカース硬さHvは700以上1500以下の範囲にある。そして、窒化層82の算術平均粗さRaは、1μm以下である。
窒化層82a,82bの直上には中間膜84a,84bがPVD法により成膜されている。中間膜84a,84bは窒化クロム(CrN)からなり、中間膜84の厚さは2μm以上5μm以下の範囲にある。
中間膜84の直上には、実質的に水素を含まないDLC(ダイヤモンドライクカーボン)からなる硬質膜86a,86bが形成され、斜板72の硬質膜86aの厚さは、1μm以上8μm以下の範囲にあり、シュー78の硬質膜86bの厚さは、2μm以上8μm以下の範囲にある。
ここで、水素を実質的に含まないとは、硬質膜86の成膜時に水素を意図的には含有させなかったことをいい、定量的にいえば、硬質膜86での水素濃度が、不可避的不純物レベルとしての0.5質量%以下であることをいう。
そして、DLCとは、sp結合及びsp結合により短距離的に結合した炭素元素を主成分とし、全体としては非晶質構造を有する炭素材料をいう。
より詳しくは、各硬質膜86は積層構造を有し、中間膜84側から順に、下層88a,88b、中層90a,90b及び上層92a,92bの3層からなる。斜板72の硬質膜86aでは、最も基材80a側の下層88aのビッカース硬さHvは、1500以上3000以下の範囲にあり、最も表面側の上層92aのビッカース硬さHvは、700以上2000以下の範囲にある。そして、中層90aでのビッカース硬さHvは、下層88a及び上層92aのビッカース硬さHvの中間にある。つまり、硬質膜86aのビッカース硬さHvは、図3の実線Aに示したように、表面から中間層84aに近付くにつれて段階的に大きくなる。
一方、シュー78の硬質膜86bでは、下層88bのビッカース硬さHvは、1500以上3000以下の範囲にあり、上層92bのビッカース硬さHvは、700以上2000以下の範囲にある。そして、中層90bでのビッカース硬さHvは、下層88b及び上層92bのビッカース硬さHvの中間にある。つまり、硬質膜86bのビッカース硬さHvも、表面から中間層84bに近付くにつれて段階的に大きくなる。
なお、斜板72の上層92aでのビッカース硬さHvは、シュー78の上層92bでのビッカース硬さHvよりも小さく、上層92a,92b間でのビッカース硬さHvの差は500以上1000以下の範囲にある。
また、上層92a,92bは、層内に分散した状態で20原子%以上50原子%以下のCu元素を含有している。
上述した斜板72及びシュー78は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、所定形状に粗加工されたSCM435からなる鉄系合金材を用意し、硬質膜を形成する鉄系合金材の領域に、研削加工及びラップ加工のうち一方又は両方を施して表面粗さを調整し、基材80を得る。
次に、得られた基材80の表面に、ラジカル窒化処理により窒素を拡散させ、窒化層82を形成する。この後、PVD装置のチャンバに、中間膜(CrN)用、硬質膜(DLC)用及び上層92に分散されるCu用の3種類のターゲット材とともに基材80を配置してから、PVD法(物理的気相成長法)により、まず、窒化層82上に中間膜84を形成する。そして、成膜された中間膜84の上に、やはりPVD法によりDLCからなる硬質膜86を形成し、斜板72又はシュー78が得られる。
なお、硬質膜86を成膜する際には、成膜条件を段階的に変化させることで、下層88、中層90及び上層92を順次成膜する。そして、上層92の成膜時には、Cu用のターゲットもスパッタし、上層92内にCuを分散させる。
以下、上述した冷凍回路の動作について説明する。
この冷凍回路では、斜板式圧縮機がエンジン36から動力供給を受けて作動すると、圧縮機は、低温低圧のガス冷媒(HFC冷媒)を循環流路2の復路から吸入して圧縮し、高温高圧のガス冷媒を循環流路2の往路に吐出する。吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器4を通過する際に凝縮し、液化状態になる。液化した冷媒は、膨張弁6を通過する際に断熱膨張し、その温度及び圧力が低下し、気液混合状態になる。気液混合状態の冷媒が蒸発器8に流入すると、気液混合状態の冷媒のうち液冷媒が蒸発器8内で気化し、蒸発器8からはガス冷媒が流出する。そして、蒸発器8から流出したガス冷媒は、循環流路2の復路を通じて圧縮機に吸入される。
なお、凝縮器4及び蒸発器8のそれぞれ近傍には、これら凝縮器4及び蒸発器8の外側を通過する風を形成する凝縮器ファン及び蒸発器ファン(図示せず)がそれぞれ配置され、凝縮器4が送風を受けることで、凝縮器4を通過する冷媒が冷却される。また、蒸発器8を通過する送風は、蒸発器8内の液冷媒により気化熱を奪われて冷風になり、この冷風が車室に吹出すことで、車室が冷房される。
以下、斜板式圧縮機の動作について詳細に説明する。
斜板式圧縮機の駆動プーリ34には、エンジン36の作動時、ベルト37を介してエンジン36からの動力が伝達されており、このとき電磁クラッチ28がオン作動されると、駆動プーリ34と一体的に駆動軸20が回転駆動される。この駆動軸20の回転に伴って、ベースロータ64及びチルトロータ70を介して斜板72も回転駆動され、この斜板72の回転運動は、シュー78を介してピストン62の往復運動に変換される。各ピストン62の往復運動に伴い、吸入室42内の冷媒がリード弁50を介してシリンダボア38に吸入される吸入工程と、シリンダボア38内で冷媒が圧縮される圧縮工程と、圧縮された冷媒がリード弁48を介して吐出室40に吐出される吐出工程が実施される。
このように斜板式圧縮機が吸入、圧縮及び吐出工程を実行している間、開閉弁60の自律的な開閉作動によって、圧縮機から循環流路2の往路に吐出される圧縮冷媒の吐出量が増減される。
より詳しくは、例えばエンジン36の回転数上昇に伴い、吐出室40の圧力が所定の上限値を超えて上昇した場合、開閉弁60が閉作動してクランク室18と吸入室42との間が遮断され、クランク室18の圧力が低下する。これにより、クランク室18内の圧力(背圧)が、吸入室42内の圧力、即ち吸入工程を実行しているシリンダボア38内の圧力よりも大きくなると、そのピストン62に対して前方(バルブプレート14側)に向かう付勢力が加えられる。このためピストン62のストローク長が減少し、各シリンダボア38からの吐出室40内への圧縮冷媒の吐出量が減少する。
なお、ピストン62に加わる前方への付勢力はテール部76及びシュー78を介して斜板72にも伝達されるので、この付勢力によって、斜板72は、駆動軸20と直交する仮想面に対して平行に近づくように傾動される。つまり、図1には、冷媒吐出量が最小のときの圧縮機の断面が示されている。
一方、蒸発器8での熱負荷が大きくなって吸入室42の圧力が所定の上限値を超えて上昇した場合、開閉弁60が開作動してクランク室18と吸入室42とが連通し、クランク室18の圧力が吸入室42の圧力まで低下する。従って、ピストン62に加わる前方への付勢力が減少するので、ピストン62のストローク長が増大し、各シリンダボア38から吐出室40内への圧縮冷媒の吐出量が増大する。
なお、ピストン62に加わる前方への付勢力が減少するのに伴い、斜板72は、駆動軸20と直交する仮想面に対して傾斜するように傾動する。
また、斜板式圧縮機が、吸入、圧縮及び吐出工程を実行している間、高圧側流路26に配置されたオリフィスフィルタ54を通じて、吐出室40の底部に溜まった潤滑油がクランク室18に還流され、斜板72とシュー78との間での摺動部位、軸受22,26及びスラストベアリング66の潤滑に供される。
上述した斜板式圧縮機では、吐出室40の圧力、つまりシリンダボア38の圧力がおよそ3〜4MPaにも達し、斜板72とシュー78との間の摺動部位に非常に大きな圧縮反力が加わる。つまり、硬質膜86には非常に大きな面圧が加わるけれども、硬質膜86は水素を含まないDLCからなるので、硬質膜86同士の凝着が防止され、硬質膜86の異常摩耗や焼付きが防止される。この結果、この斜板式圧縮機は安定に動作し、優れた耐久性を有する。
本発明は上述した一実施例に限定されることはなく種々変更が可能である。
例えば、上述した一実施例の斜板式圧縮機を適用した冷凍回路では、冷媒としてHFC冷媒が循環していたけれども、冷媒の種類は特には限定されず、例えばCOのような自然系冷媒等を冷媒として用いてもよい。
上述した一実施例では、基材80がSCM435からなり、基材80の表面に窒化層82が形成されていたけれども、基材80の材質は特には限定されず、SCM他種、構造用炭素鋼、構造用合金鋼、構造用特殊鋼、軸受鋼、快削鋼等の鉄系合金を用いることができる。また、基材80の表面に窒化層82を形成しなくてもよい。
ただし、硬質膜86が形成される基材80の表面領域の硬度が低いと、摺動時に硬質膜86が変形して剥離し易くなる。このため、硬質膜86の密着性を向上させるべく、基材80の材質としては、熱処理(焼入れ−焼き戻し)、浸炭処理、窒化処理等により、表面から少なくとも0.5mmの深さまでの部位におけるHv(ビッカース硬さ)が550以上にされた鉄系合金を用いるのが好ましい。そして、基材80の表面にラジカル窒化処理により形成した窒化層82を更に形成するのが好ましい。
基材80の表面に形成した窒化層82の表面粗さは、特には限定されないが、1μm以下の算術平均粗さRaを有するのが好ましい。窒化層82の算術平均粗さRaが1μm以下であれば、窒化層82上に形成された中間膜84及び硬質膜86がそれぞれ平坦になり、摺動時に中間膜84及び硬質膜86に局所的に大きな応力が加わることがなくなる。この結果、硬質膜86が局所的に変形して剥離するのが防止され、硬質膜86の密着性が向上するからである。
また、窒化層82の硬さは、特には限定されないが、ビッカース硬さHvにて700以上1500以下の範囲にあるのが好ましく、局所的な凹みが防止される。この結果、硬質膜86が局所的に凹んで剥離するのが防止され、硬質膜86の密着性が向上するからである。
更に、窒化層82の厚さは、特には限定されないが、30μm以上80μm以下の範囲にあるのが好ましい。窒化層82の厚さが30μm以下では、硬質膜86の密着性が十分に向上せず、80μmを超えると硬質膜86の密着性は変わらなくなるからである。
なお、ラジカル窒化処理により窒化層82を形成する場合、基材80の材質としては、SCM435等のクロムモリブデン鋼及びSUS410等のステンレス鋼のうちから選択された一種を用いるのが好ましい。これらクロムモリブデン鋼及びステンレス鋼に対しては窒素が拡散し易いからである。
上述した一実施例では、硬質膜86と基材80の窒化層82との間に、窒化クロムからなる中間膜84が形成されていたが、斜板72とシュー78との間での摺動条件がマイルドな場合、中間膜84を形成しなくてもよい。ただし、中間膜84を介して基材80に対する硬質膜86の密着性が向上するため、中間膜84を形成するのが好ましい。また、中間膜84の材質としては、窒化クロムが好ましいが、窒化クロムに代えて窒化チタン(TiN)を用いてもよく、中間膜84の厚さは2μm以上5μm以下の範囲にあるのが好ましい。
上述した一実施例では、斜板72及びシュー78の双方に硬質膜86を形成したけれども、斜板72とシュー78との間での摺動条件がマイルドな場合、一方のみに硬質膜86を形成してもよい。ここで、斜板72のみに硬質膜86aを形成し、シュー78には硬質膜86bを形成しない場合、焼入れされたSUJ2等の鉄系合金製のシュー78を用いてもよい。また、斜板72の硬質膜86は、少なくともシュー78との摺動領域に形成されていればよい。
上述した一実施例では、硬質膜86が積層構造を有していたけれども、硬質膜86に代えて、膜厚方向で硬さが一定の単一構造の硬質膜を形成してもよい。あるいは、図4に示したように、表面から中間層84に近付くに連れて、ビッカース硬さHvが連続的に大きくなる傾斜構造の硬質膜94を形成してもよい。この硬質膜94のビッカース硬さHvは、図3中に破線Bで示されている。
ただし、硬質膜の構造としては、単一構造よりも積層構造や傾斜構造の方が好ましい。すなわち、斜板72の硬質膜86a,94aでは、最も表面側の部位(上層92)のビッカース硬さHvが700以上2000以下の範囲にあり、最も基材80a側に位置する部位(下層88)でのビッカース硬さHvが1500以上3000以下の範囲にあるのが好ましい。また、シュー78の硬質膜86b,94bでは、最も表面側の部位(上層92b)のビッカース硬さHvが700以上2000以下の範囲にあり、最も基材80b側に位置する部位(下層88b)でのビッカース硬さHvが1500以上3000以下の範囲にあるのが好ましい。
このような積層構造及び傾斜構造の硬質膜の場合、単一構造の硬質膜に比べて、硬質膜86,94内の残留応力が緩和され、基材80に対する硬質膜86,94の密着性が更に向上するとともに、硬質膜86,94のせん断強さが増大して摺動時の硬質膜86の変形が防止され、斜板72とシュー78との間での摩擦トルクが低減されるからである。
なお、斜板72及びシュー78の双方に硬質膜86を形成する場合、斜板72の上層92aでのビッカース硬さHvは、シュー78の上層92bでのビッカース硬さHvよりも小さいのが好ましく、斜板72とシュー78との間での上層92のビッカース硬さHvの差は、500以上1000以下の範囲にあるのがより好ましい。硬質膜86の耐摩耗性及び耐焼付き性が一層向上するからである。
そして、上層92、すなわち硬質膜86の最も表面側の部位は、Cuを少量含有していたが、斜板72とシュー78との間での摺動条件がマイルドな場合、Cuを含有していなくてもよい。ただし、硬質膜86の最も表面側の部位は、CuやAl等の金属元素を20原子%以上50原子%以下の範囲で含有しているのが好ましい。硬質膜86の表面側の部位が金属元素を含むことで、硬質膜86の摩擦係数が小さくなるからである。
なお、硬質膜86の全体の厚さは、特には限定されないけれども、斜板72での硬質膜86aの厚さは1μm以上8μm以下の範囲にあるのが好ましく、シュー78での硬質膜86bの厚さは、2μm以上8μm以下の範囲にあるのが好ましい。硬質膜86a,86bの厚さが1μm若しくは2μmよりも小さいと耐摩耗性及び耐焼付き性を十分に確保することが困難になり、硬質膜86の厚さが8μmを超えると、成膜に時間がかかるばかりでなく、硬質膜86の内部残留応力が増大し、硬質膜86の密着性低下を招くからである。
上述した一実施例では、基材80を用意する際の鉄系合金材の研削方法は、特には限定されず、図5(a)〜(c)に示したように、1つの直線方向(平行)、互いに交差する2つの直線方向(綾目)、周方向(同心円)及びこれらの方向を組み合わせて研削加工することができるが、綾目に研削加工するのが好ましい。
上述した一実施例では、硬質膜86を形成するPVD法は、特には限定されないが、例えば特開2000−119843号公報に開示されたUBMS(アンバランスドマグネトロンスパッタリング)法を用いるのが好ましい。
このUBMS法では、固体カーボンからなる円形のターゲット材の背面中央に設置される第1磁石と当該第1磁石の回りに配置された第2磁石とが異なる磁気特性を有することで、これら第1及び第2磁石により形成される磁力線の一部がターゲット材から基材80(中間層84)に向けて延びる。この磁力線の一部は、ターゲット材のスパッタ時に発生したプラズマの一部を中間層84の表面近傍にまで導き、中間層84の表面近傍に導かれたプラズマのイオンアシスト効果によって、より硬質なDLCからなる硬質膜86が中間層84上に容易に成膜される。
そして、UBMS法によれば、基材80に印加するバイアス電圧を増大することにより、硬質膜86の硬度を増大させることができる。
また、UBMS法によれば、中間膜84を形成した後、PVD装置のチャンバ内で引き続き硬質膜86を形成することで、中間膜84の表面が酸化されるのが防止され、中間膜84に対する硬質膜86の密着性が更に向上する。
上述した一実施例では、シュー78の被摺動面は、斜板72とシュー78との間での摺動部位での面圧(極圧)を低減させるべく、図6(a)に示したように平坦であるのが好ましいが、図6(b)に模式的に示したように、シュー78の被摺動面は、製法上の制約により1μm程度突出していてもよい。
上述した一実施例の斜板式圧縮機は、開閉弁60が自律的に開閉作動する内部制御タイプの容量可変型斜板式圧縮機であったけれども、本発明の斜板式圧縮機は、開閉弁60に代えて、外部に設けられた駆動回路により開閉作動される電磁開閉弁を備えた外部制御タイプの容量可変型斜板式圧縮機にも適用可能であり、更には、容量固定型斜板式圧縮機にも適用可能である。
最後に、本発明のの斜板式圧縮機は、自動車用空調システムの冷凍回路の他に、家庭用・業務用空調システムの冷凍回路、冷凍・冷蔵庫、ヒートポンプシステム等に適用可能であるのは勿論である。
自動車用空調システムの冷凍回路に適用した一実施例の斜板式圧縮機の縦断面を示す図である。 図1の圧縮機に適用された斜板及びシューの一部を切欠いて模式的に示した斜視図とともに、円内に、斜板とシューとの間での摺動部位の断面の一部を拡大して示す図である。 硬質膜における膜厚方向での位置とビッカース硬さHvとの関係を模式的に示した図である。 変形例の斜板とシューとの間での摺動部位の断面の一部を拡大して示す図である。 斜板に加工される鉄系合金材の研削方法を説明するための図であり、(a)は1つの直線方向にて研削された鉄系合金材、(b)は互いに交差する2つの直線方向研削された鉄系合金材、(c)は周方向で研削された鉄系合金材をそれぞれ示す。 シューを模式的に示した側面図であり、(a)は実施例のシュー、(b)は変形例のシューの側面を示す。
符号の説明
72 斜板
78 シュー
80,80a,80b 基材
82,82a,82b 窒化層
84,84a,84b 中間膜
86,86a,86b 硬質膜
88,88a,88b 下層
90,90a,90b 中層
92,92a,92b 上層

Claims (7)

  1. 駆動軸の回転運動が前記駆動軸と一体に回転可能な斜板及び当該斜板に摺動するシューによりピストンの往復運動に変換される斜板式圧縮機において、
    前記斜板及びシューのうち少なくとも一方に他方と摺動する硬質膜を備え、
    前記硬質膜は、鉄系合金製の基材上に形成され、且つ、実質的に水素を含まないダイヤモンドライクカーボンからなる
    ことを特徴とする斜板式圧縮機。
  2. 前記基材はクロムモリブデン鋼及びステンレス鋼のうちから選択された一種からなり、
    前記硬質膜が形成される前記基材の表面領域には、ラジカル窒化処理により窒化層が形成され、
    前記窒化層は、1μm以下の算術平均粗さRa及び700〜1500の範囲のビッカース硬さHvを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の斜板式圧縮機。
  3. 前記硬質膜と前記基材の前記窒化層との間に、窒化クロム及び窒化チタンのうち一方からなる中間膜を更に備えることを特徴とする請求項2記載の斜板式圧縮機。
  4. 前記斜板に前記硬質膜として設けられた第1硬質膜は1〜8μmの範囲の厚さを有し、
    前記第1硬質膜の硬度は、前記第1硬質膜の厚さ方向でみて変化し、最も前記基材側の前記第1硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあり、最も表面側の前記第1硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にあることを特徴とする請求項3記載の斜板式圧縮機。
  5. 前記シューに前記硬質膜として設けられた第2硬質膜は、2〜8μmの範囲の厚さを有し、
    前記第2硬質膜の硬度は、前記第2硬質膜の厚さ方向でみて変化し、最も前記基材側の前記第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが1500〜3000の範囲にあり、最も表面側の前記第2硬質膜の部位でのビッカース硬さHvが700〜2000の範囲にあることを特徴とする請求項3記載の斜板式圧縮機。
  6. 最も表面側の前記硬質膜の部位は、金属元素を更に含有していることを特徴とする請求項4又は5記載の斜板式圧縮機。
  7. 前記斜板及びシューの双方に前記硬質膜を備え、最も表面側の前記第1硬質膜の部位の硬度は、最も表面側の前記第2硬質膜の部位の硬度よりも小さいことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の斜板式圧縮機。
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