JP2008215176A - 斜板式圧縮機用シューおよびそれが配設された斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化樹脂からなるシューで発生することがある強化材の悪影響を低減することができる斜板式圧縮機用シューを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の斜板式圧縮機用シューは、斜板式圧縮機において斜板とピストンとの間で摺動する斜板式圧縮機用シューであって、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなるシュー本体20と、シュー本体20の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜21と、を含むことを特徴とする。
硬質炭素皮膜21が強化樹脂からなるシュー本体20の表面の少なくとも一部を被覆することで、樹脂マトリックスからの強化材の脱離を防止できる。また、硬質炭素皮膜21によりシュー本体20の表面が保護されるため、表面に強化材が表出して発生する相手材の摩耗を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用空調システム等に用いられる斜板式圧縮機に関するものである。
車両用空調システムに用いられる冷凍回路には、冷媒ガスを圧縮するための圧縮機が組み込まれている。一般的な圧縮機である斜板式圧縮機は、ハウジング内にシリンダボア、クランク室、吸入室および吐出室が区画形成され、各シリンダボア内にピストンが往復動可能に収容されている。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支承される。また、駆動軸には、駆動軸に対して傾いた面を有する斜板が駆動軸と同期回転可能に支承される。ピストンと斜板との間には、斜板にピストンを従動させる半球状のシューが設けられている。斜板式圧縮機では、外部駆動源により駆動軸が駆動されると、斜板が同期回転することで揺動するシューを介して、ピストンがシリンダボア内を往復動し、冷媒ガスが圧縮される。
近年、圧縮機の小型化・高性能化が求められており、そのために、圧縮機を高い回転トルクで駆動する必要性が生じている。従来よりも高い回転トルクで斜板が駆動されても安定した回転制御を可能とするためには、シューの軽量化が必要である。
そこで、特許文献1(たとえば[0017]段落参照)には、外表面全体にニッケル系メッキが施されたアルミニウム合金製の母材からなる金属製のシューが開示されている。このシューの母材は、アルミニウム合金製であるため、比較的軽量で駆動時の回転の安定性が高い。また、特許文献2には、金属のかわりに樹脂を用いた樹脂製のシューが開示されており、さらなる軽量化が図られている。また、耐摩耗性を向上させるために、樹脂にカーボン繊維やガラス繊維を分散させることも記載されている(特許文献2[0010]段落参照)。
特開2003−138287号公報 特開2000−89441号公報
しかしながら、樹脂にカーボン繊維のような強化材が分散された強化樹脂からなるシューは、摺動条件によっては、シューの表面から強化材が脱離し、強化材が摺動面で異物としてはたらくことで、摺動面の摩耗が促進されることがある。また、強化樹脂の成形体では、多くの場合、強化材は樹脂に被覆されるため、強化材が成形体の表面に露出することはない。しかしながら、摺動条件によっては、樹脂が摩滅することでシューの表面に強化材が表出し、表出した強化材が相手材を摩耗させることも考えられる。
本発明は、上記の問題点に鑑み、強化樹脂からなるシューで発生することがある強化材の悪影響を低減することができる斜板式圧縮機用シューを提供することを目的とする。
本発明の斜板式圧縮機用シューは、斜板式圧縮機において斜板とピストンとの間に配設される斜板式圧縮機用シューであって、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなるシュー本体と、該シュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜と、を含むことを特徴とする。
さらに、前記シュー本体と前記硬質炭素皮膜との間に、中間層が形成されていてもよい。
また、本発明の斜板式圧縮機は、内部にクランク室、吸入室および吐出室とこれらと連通するシリンダボアとを区画形成するハウジングと、該シリンダボア内に往復動可能に収容されたピストンと、該ハウジングに回転可能に支持される駆動軸と、該クランク室内に配設され該駆動軸と一体的に回転するとともに該駆動軸に対して傾いた傾斜面を有する斜板と、該斜板と該ピストンとの間で摺動し該斜板の回転とともに揺動して該ピストンを従動させるシューと、を備えた斜板式圧縮機において、
前記シューは、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなるシュー本体と、該シュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜と、を含むことを特徴とする。
本発明の斜板式圧縮機用シューのシュー本体は、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなる。シュー本体に強化樹脂を用いることにより、斜板式圧縮機用シューは、金属からなるシューと比較して軽量化が図れるだけでなく、耐蝕性、静音性に優れる。さらに、斜板式圧縮機用シューは、強化材により強度が向上するだけでなく、耐摩耗性が向上したり、熱膨張係数が小さくなったりする。
また、本発明の斜板式圧縮機用シューは、強化樹脂からなるシュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜をもつ。硬質炭素皮膜は、潤滑性に優れるため、シュー本体の表面に形成されることにより、相手材との摺動性を高める摺動層としてはたらく。さらに、硬質炭素皮膜が強化樹脂からなるシュー本体の表面の少なくとも一部を被覆することで、樹脂マトリックスからの強化材の脱離を防止できる。そして、硬質炭素皮膜によりシュー本体の表面が保護されるため、表面に強化材が表出して発生する相手材の摩耗を防止することができる。
したがって、本発明の斜板式圧縮機用シューが配設された斜板式圧縮機は、斜板が高速で回転しても、安定した回転制御が可能となるとともに摺動性に優れる。
以下に、本発明の斜板式圧縮機用シューおよびそれが配設された斜板式圧縮機を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の斜板式圧縮機用シューは、斜板式圧縮機において斜板とピストンとの間に配設され、主として、シュー本体と硬質炭素皮膜とから構成される。本発明の斜板式圧縮機用シューの一実施形態を模式的に示す断面図を、図1に示す。
本発明の斜板式圧縮機用シュー10は、斜板式圧縮機の斜板とピストンとの間に配設されるため、通常、ピストンと摺接する凸球面(10q)をもつピストン側摺接部(1q)と、斜板と摺接する平面(10p)をもつ斜板側摺接部(1p)と、を備える球冠状である。すなわち、シュー本体(20)は、その外表面の一方が凸球面をなす球面部と、他方が略平面をなす平面部と、を有する球冠状形状であるとよい。なお、本発明の斜板式圧縮機用シューは、その表面部に潤滑油を保持する油保持溝を有してもよく、たとえば、図1に示すように、ピストン側摺接部(1q)の頂部には円形の凹部(10a)が形成される。シュー本体(20)の表面の少なくとも一部は、硬質炭素皮膜(21)により被覆される。硬質炭素皮膜(21)は、図1に示すようにシュー本体(20)の全体を被覆してもよいし、斜板またはピストンと摺接する面のみを被覆してもよい。また、必要に応じて、シュー本体(20)と硬質炭素皮膜(21)との間に中間層(22)が形成されてもよい。以下に、シュー本体、硬質炭素皮膜および中間層について、それぞれ説明する。
シュー本体は、強化樹脂からなる。強化樹脂は、樹脂マトリックスに強化材が分散されてなる。樹脂マトリックスとしては、高い強度と耐熱性を有する樹脂材料、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、コプナ樹脂などの高強度で高い耐熱性をもつ樹脂が挙げられるが、樹脂マトリックスは熱硬化性樹脂からなるのが好ましい。
熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比べ温度(室温〜200℃)に対する安定性が高い。たとえば、熱硬化性樹脂は、高温下で使用しても軟化したり溶損したりしない。また、熱硬化性樹脂は、高温クリープ性に優れ、使用温度が高温になっても曲げ強さや弾性率が大きく低下することが無い。また、寸法変化率も小さい。そのため、使用中の発熱により高温となるとともに強度や寸法精度が摺動性に影響する斜板式圧縮機用シューを構成する樹脂材料として好適である。
また、樹脂マトリックスには強化材が分散されるが、熱可塑性樹脂を含む強化樹脂では強化樹脂100重量%に対して強化材を40重量%程度しか配合できないのに対し、熱硬化性樹脂ではより多くの強化材を配合させることができる。具体的には、熱硬化性樹脂は、強化樹脂100重量%に対して、強化材を90重量%程度まで保持できる。シュー本体においては、強化樹脂全体を100重量%としたとき、強化材を10〜80重量%含むのが好ましく、さらに好ましくは30〜60重量%である。
本発明の斜板式圧縮機用シューにおいて、樹脂マトリックスとしては、上記の特性を有する熱硬化性樹脂の中でも、特に優れた特性を示すフェノール樹脂が好適である。
樹脂マトリックス中に分散する強化材は、その種類に特に限定はない。たとえば、強化材の形状としては、球状、繊維状のほか、不定形の強化材を使用してもよい。また、強化材は、ガラス、ホウ素、アルミナ、炭化ケイ素、シリカ、タルク、マイカなどの無機系フィラー、アルミニウム、鋼などの金属系フィラーの他、炭素、アラミド等であってもよい。具体的には、補強効果の高い繊維状フィラーを強化材として用いた繊維強化樹脂であるのが好ましく、繊維状フィラーとしては、ガラス繊維や炭素繊維が好適である。なお、強化材は、上記のうちの1種または2種以上を併用してもよい。
シュー本体は、たとえば、強化材を配合した樹脂を図1に示すような形状に成形することにより得られる。シュー本体の成形方法としては、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形など、いずれの方法を用いてもよいが、圧縮成形により成形するのが望ましい。圧縮成形で成形されたシュー本体であれば、強化材として繊維状フィラーのような異方性をもつ充填材を用いても、樹脂マトリックス中で充填材が配向することが無く、強度などの特性に異方性が生じにくい。
硬質炭素皮膜は、シュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する。硬質炭素皮膜は、少なくとも相手材と摺接する面に形成されていればよいが、シュー本体の表面全体を被覆するのがよい。硬質炭素皮膜は、炭素を主成分とする非晶質炭素(ダイアモンドライクカーボン)からなる非晶質硬質炭素皮膜であるのが好ましく、たとえば、水素の他、窒素、ケイ素、フッ素、ヨウ素、チタン、クロム、タングステンなどの元素を含んでもよい。ケイ素やフッ素などを含む非晶質炭素は、硬質であるとともに優れた潤滑性を有する。非晶質炭素は、上記の元素のうちの少なくとも1種が含まれるとよい。
また、硬質炭素皮膜の膜厚に特に限定はないが、シュー本体の表面粗さよりも厚いことが好ましい。具体的には、0.8μm以上さらには1μm以上であるとよい。硬質炭素皮膜の厚さを0.8μm以上とすることで、摺動面の平滑性が向上するとともに優れた耐摩耗性を示す。硬質炭素皮膜は、その厚さが厚いほど耐摩耗性に優れるが、膜厚が10μmを超えると、皮膜の内部応力が高くなるためシュー本体から皮膜が剥離しやすくなる。そのため、硬質炭素皮膜は、10μm以下さらには5μm以下の膜厚とするのがよい。
硬質炭素皮膜の硬さに特に限定はなく、相手材の材質に応じて選択するのがよい。斜板式圧縮機用シューの表面の硬さは、相手材である斜板やピストンの表面の硬さと同等以上2倍以下が望ましい。具体的には、硬質炭素皮膜が形成されたシュー表面の硬さがビッカース硬度(Hv)で200〜2000さらには400〜1800の範囲にあるとよい。なお、アルマイト処理された金属製の相手材の表面はHv200程度、Ni−Pめっき処理された金属製の相手材の表面はHv900程度の硬さである。
中間層は、必要に応じて、シュー本体と硬質炭素皮膜との間に形成されるとよい。中間層により、硬質炭素皮膜の剥離が抑制される。中間層としては、ケイ素、チタンあるいはクロムの窒化物膜、炭化物膜、炭窒化物膜、ケイ素膜、チタン膜またはクロム膜であるのが好ましい。ケイ素、チタンあるいはクロムの窒化物膜、炭化物膜および炭窒化物膜の具体例としては、SiC膜、CrN膜、TiN膜、TiCrN膜またはこれらの積層膜などが挙げられる。また、中間層の膜厚に特に限定はないが、0.1〜1.0μmであるとよい。
硬質炭素皮膜および中間層は、強化樹脂製のシュー本体に成膜可能な成膜方法で形成されれば、物理的蒸着であっても化学的蒸着であってもよい。たとえば、プラズマCVD、スパッタリング、イオン化蒸着、イオン注入など、シュー本体の表面温度の上昇が少なく、比較的低温で成膜が可能な方法であればよい。
本発明の斜板式圧縮機用シューは、斜板式圧縮機において斜板とピストンとの間に配設されて用いられる。具体的には、ハウジングと、主として駆動軸、斜板、シュー(斜板式圧縮機用シュー)およびピストンと、を備える斜板式圧縮機である。ハウジングは、内部にクランク室、吸入室および吐出室とこれらと連通するシリンダボアとを区画形成する。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支持される。ピストンは、シリンダボア内に往復動可能に収容される。そして、斜板は、駆動軸に対して傾いた傾斜面を有する。斜板は、クランク室内に配設され、駆動軸と一体的に回転する。シューは、斜板とピストンとの間で摺動する。シューは、斜板の回転とともに揺動するため、ピストンはシューに従動して往復動する。
本発明の斜板式圧縮機用シューは斜板とピストンとの間で摺動するが、斜板およびピストンは、斜板式圧縮機に用いられる通常の形状および材質であればよい。少なくともシューとの摺接面は、シュー本体を被覆する硬質炭素皮膜と同様の硬質炭素皮膜が形成されているのが望ましい。また、斜板式圧縮機は、容量固定型のものの他、容量可変型のものであってもよいし、片側斜板式のものであっても両頭斜板式のものであっても、いずれの形態であってもよい。
以上、本発明の斜板式圧縮機用シューおよびそれが配設された斜板式圧縮機の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
なお、本発明の斜板式圧縮機用シュー(シュー99)が用いられる容量可変型の片側斜板式圧縮機の具体例を図2に示す。図2において、シリンダブロック92の軸方向の一端面(図2の左側の端面)には、フロントハウジング91が取り付けられ、他方の端面(図2の右側の端面)には、リヤハウジング93がバルブプレート94を介して取り付けられている。フロントハウジング91、リヤハウジング93およびシリンダブロック92等により斜板式圧縮機のハウジングが構成されている。
シリンダブロック92の中心軸線周りの一円周上には、軸方向に延びる複数のシリンダボア95が形成されている。シリンダボア95の各々には、片頭ピストン96(以下、ピストン96と略称する)が往復動可能に収容されている。リヤハウジング93とバルブプレート94との間には、吸入室や吐出室が区画形成され、図示しない吸入ポートや供給ポートを経て冷凍回路に接続される。また、バルブプレート94には、図示しない吸入孔、吸入バルブ、吐出孔、吐出バルブ等が設けられている。シリンダブロック92とフロントハウジング91との間にはクランク室が区画形成され、クランク室、吸入室および吐出室は、シリンダボア95と連通する。
上記ハウジング内には、駆動軸90が、シリンダブロック92の中心軸線を回転軸線として回転可能に設けられている。駆動軸90は、その両端部においてそれぞれフロントハウジング91とシリンダブロック92にベアリングを介して回転可能に支承されている。駆動軸90の端部は、フロントハウジング91側で駆動源に連結され、駆動軸90は中心軸のまわりに回転する。
駆動軸90には、中心軸に対して傾いた傾斜面98pを有する斜板98が軸方向に相対移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板98には、中心線を通る貫通穴が形成され、この貫通穴を駆動軸90が貫通している。駆動軸90には、回転板90aが固定され、スラストベアリングを介してフロントハウジング91に受けられている。斜板98は、ヒンジ機構90bにより、駆動軸90と一体的に回転するとともに、軸方向の移動を伴う傾動が可能となる。
ピストン96は、斜板98の外周部を跨ぐ状態で係合する係合部と、係合部と一体に設けられ、シリンダボア95に摺動可能に嵌挿される頭部とを備えている。ピストン96の頭部、シリンダボア95およびバルブプレート94により圧縮室が区画されている。
図2に示される斜板式圧縮機において、球冠状のシュー99は、ピストン96の係合部と斜板98の外周部との間を摺動可能に連結する。シュー99は、1つのピストンに対して一対で用いられ、斜板98の外周部を挟持する。ピストン96の係合部は、一対のシュー99を介して、斜板98に係合する。このとき、斜板98の傾斜面98pとシュー99の平面99p、ピストン96の係合部の摺動面96qとシュー99の凸球面99q、とが当接する。ピストン96、斜板98およびシュー99は、98p/99p間、96q/99q間で摺動することで、斜板98の回転運動が、シュー99を介してピストン96の往復直線運動に変換される。
本発明の斜板式圧縮機用シューの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の斜板式圧縮機用シューが用いられる容量可変型片側斜板式圧縮機を示す説明図である。
符号の説明
10:斜板式圧縮機用シュー
1p:斜板側摺接部 10p:平面
1q:ピストン側摺接部 10q:凸球面
20:シュー本体
21:硬質炭素皮膜 22:中間層
96:ピストン
98:斜板
99:シュー

Claims (13)

  1. 斜板式圧縮機において斜板とピストンとの間に配設される斜板式圧縮機用シューであって、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなるシュー本体と、該シュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜と、を含むことを特徴とする斜板式圧縮機用シュー。
  2. 前記樹脂マトリックスは、熱硬化性樹脂からなる請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  3. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂である請求項2記載の斜板式圧縮機用シュー。
  4. 前記強化樹脂全体を100重量%としたとき、前記強化材を10〜80重量%含む請求項2記載の斜板式圧縮機用シュー。
  5. 前記強化樹脂は、前記強化材として繊維状フィラーを含む繊維強化樹脂である請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  6. 前記繊維状フィラーは、ガラス繊維および/または炭素繊維である請求項5記載の斜板式圧縮機用シュー。
  7. 前記硬質炭素皮膜は、炭素を主成分とし、ケイ素および/またはフッ素を含む非晶質炭素からなる非晶質硬質炭素皮膜である請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  8. 前記硬質炭素皮膜の膜厚は、0.8〜10μmである請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  9. 前記硬質炭素皮膜が形成された表面の硬さがビッカース硬度(Hv)で200〜2000の範囲にある請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  10. 前記シュー本体と前記硬質炭素皮膜との間に中間層が形成されている請求項1記載の斜板式圧縮機用シュー。
  11. 前記中間層は、ケイ素、チタンあるいはクロムの窒化物膜、炭化物膜、炭窒化物膜、ケイ素膜、チタン膜またはクロム膜である請求項10記載の斜板式圧縮機用シュー。
  12. 前記中間層の膜厚は、0.1〜1.0μmである請求項10記載の斜板式圧縮機用シュー。
  13. 内部にクランク室、吸入室および吐出室とこれらと連通するシリンダボアとを区画形成するハウジングと、該シリンダボア内に往復動可能に収容されたピストンと、該ハウジングに回転可能に支持される駆動軸と、該クランク室内に配設され該駆動軸と一体的に回転するとともに該駆動軸に対して傾いた傾斜面を有する斜板と、該斜板と該ピストンとの間で摺動し該斜板の回転とともに揺動して該ピストンを従動させるシューと、を備えた斜板式圧縮機において、
    前記シューは、樹脂マトリックスに強化材が分散された強化樹脂からなるシュー本体と、該シュー本体の表面の少なくとも一部を被覆する硬質炭素皮膜と、を含むことを特徴とする斜板式圧縮機。
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