JP2002174168A - アルミシュー - Google Patents

アルミシュー

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JP2002174168A
JP2002174168A JP2000370057A JP2000370057A JP2002174168A JP 2002174168 A JP2002174168 A JP 2002174168A JP 2000370057 A JP2000370057 A JP 2000370057A JP 2000370057 A JP2000370057 A JP 2000370057A JP 2002174168 A JP2002174168 A JP 2002174168A
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Manabu Sugiura
学 杉浦
Shinobu Okubo
忍 大久保
Tomohiro Murakami
智洋 村上
Takahiro Sugioka
隆弘 杉岡
Akira Onoda
晃 小野田
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Toyota Industries Corp
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01BMACHINES OR ENGINES, IN GENERAL OR OF POSITIVE-DISPLACEMENT TYPE, e.g. STEAM ENGINES
    • F01B3/00Reciprocating-piston machines or engines with cylinder axes coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/0873Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた摺動性および耐久性を備えたアルミシュ
ーを得る。 【解決手段】圧縮機のシュー76は、アルミニウムを主
成分とする材料から成る母材146と、硬質層150
と、減摩層152とを備える。硬質層150は、金属を
主体とし、ビッカース硬さHV 300以上の層であり、
例えば、Ni−Pメッキ層が推奨される。減摩層152
は、固体潤滑剤158を含有した金属の層であり、例え
ば、固体潤滑剤158を含有するNi−Bメッキ層が推
奨される。母材146を母材146より硬い硬質層15
0,減摩層152で覆うことで耐久性が向上し、減摩層
152を固体潤滑剤158を含むものとすることで摺動
性も向上する。また、Ni−Bメッキ層等の減摩層15
2と母材146との間にNi−Pメッキ層等の硬質層1
50を介在させれば、減摩層152の母材146との固
着性が高まる。さらに、減摩層152の一部が摩滅して
も硬質層150が露出するのみであるため、母材146
とピストン,斜板との焼付きを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式圧縮機の斜
板とピストンとの間に配設されるシューに関するもので
あり、特に、アルミニウムを主成分とする材料から成
り、概して球冠状をなすアルミシューに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】斜板式圧縮機は斜板の回転をピストンの
往復運動に変換して、気体の圧縮を行うものであり、そ
のために斜板とピストンとの間にシューが配設される。
このシューは、ピストンと係合する側がほぼ球面とさ
れ、斜板と係合する側がほぼ平面とされるため、一般に
半球シューと称されているが、必ずしも厳密に球面や平
面とされるわけではなく、摺動性能の向上等を目的とし
て球面や平面から僅かに外れた形状とされることが多
い。また、可変容量型圧縮機用のものは半球より小さ
く、固定容量型圧縮機用のものは半球より大きくされる
のが普通である。可変容量型圧縮機においては、斜板の
両側に配設される一対のシューの両球面部がほぼ一球面
上に位置することが必要であるため、半球より斜板の厚
さの半分だけ小さくされる。また、固定容量型圧縮機に
おいては、上記のような制限がないため、シューの平面
部が摩耗した場合でも、摺動面の面積が減少しないよう
にする等の理由で、半球よりやや大きくされることが多
いのである。したがって、これらは厳密には半球シュー
とは言えないのであり、本明細書においては両タイプの
シューを総称して球冠状シューと称することとする。
【0003】また、シューを質量低減等の目的でアルミ
ニウムを主成分とする材料(アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金)から成るものとすることが、実開昭57−
42180号公報等により提案されている。このアルミ
ニウムを主成分とする材料から成るシューを以下アルミ
シューと称することとするが、斜板やピストンもアルミ
斜板やアルミピストンとされることが多い。そして、同
種の材料を主成分とする材料から成る部材同士を摺動さ
せる場合には、焼き付きが生じ易いため、摺動面の少な
くとも一方を、アルミニウム以外の材料から成る層によ
り覆うことが提案されている。本出願人も特開平10−
205442号公報において、アルミシューの表面に錫
を主成分とするメッキ層を形成し、さらにその上に二硫
化モリブデンやグラファイト等の固体潤滑剤を主成分と
するコーティング層を形成することを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】上記のように、錫を主成分とするメッキ層と固体潤
滑剤を主成分とするコーティング層とを形成したアルミ
シューは優れた摺動性、例えば、摺動抵抗の低減や焼付
きの防止等を示すのであるが、耐久性が不足する場合が
あることが、その後の研究により明らかになった。そこ
で、本発明は、摺動性と耐久性との両方に優れた球冠状
のアルミシューを得ることを課題としてなされたもので
あり、本発明によって、下記各態様のアルミシューが得
られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に
番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式
で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易に
するためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそ
れらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定される
と解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事
項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒
に採用しなければならないわけではない。一部の事項の
みを選択して採用することも可能なのである。
【0005】(1)アルミニウムを主成分とする材料か
ら成り、概して球面をなす球面部と、概して平面をなす
平面部とを備え、概して球冠状をなすアルミシューであ
って、前記球面部および前記平面部に、金属を主体と
し、ビッカース硬さHV 300以上の硬質層を形成する
とともに、それら球面部および平面部の少なくとも一方
の硬質層の外側に、固体潤滑剤を含有した金属の層であ
る減摩層を形成したことを特徴とするアルミシュー(請
求項1)。アルミニウムを主成分とする材料は一般に硬
度が低く、変形し易いため、摺動面の形状を維持するこ
とが困難であり、それが耐久性の低下につながるが、硬
質層を形成すれば形状の維持が容易となり、耐久性を向
上させ得る。また、アルミシューの球面部および平面部
に金属を主体とする層を形成し、その層の上に減摩層を
形成すれば、アルミシューの母材の表面に直接減摩層を
形成する場合に比較して、母材に対する減摩層の固着強
度が向上し、減摩層の剥離が良好に回避される。しか
も、その金属を主体とする層を、ビッカース硬さHV
00以上の硬質層(金属製硬質層と略称する)としてお
けば、耐摩耗性も向上する。その理由は、次のように推
測される。一時的に潤滑油が不足したり、面圧が増大し
たこと等によって、減摩層が局部的に除去され、金属製
硬質層が露出することがあるが、その金属製硬質層は容
易には摩耗しないため、球面部や平面部の摩耗が回避さ
れる。そして、一時的な潤滑油の不足や面圧の増大が解
消されれば、周辺の減摩層から固体潤滑剤、あるいは固
体潤滑剤を含有した金属が補給され、再び金属製硬質層
が固体潤滑剤や減摩層により覆われた状態に戻るため、
摺動性が回復し、それによっても球面部や平面部の摩耗
が回避されると推測されるのである。硬質層は、硬すぎ
れば硬質層が露出した場合にアルミシューと摺動する部
材を摩耗させたり、あるいは層を形成する材料の一部が
層から遊離した場合に他の部材を傷つけたりする可能性
もあるため、ビッカース硬さHV の上限を1500以下
とすることが望ましく、1100以下とすることがさら
に望ましい。なお、金属を主体とする硬質層は、金属含
有率が70重量%以上であることが望ましく、80重量
%以上,90重量%以上であることがさらに望ましい。 (2)前記硬質層がNi−P,Ni−B,Ni−P−B
−W,Co−P,硬質クロムメッキ等の硬質メッキ層を
含む(1) 項に記載のアルミシュー(請求項2)。 (3)前記固体潤滑剤がMoS2 ,BN,WS2 ,グラ
ファイト,ポリテトラフルオルエチレンのうちの少なく
とも一つを含む(1) 項または(2) 項に記載のアルミシュ
ー(請求項3)。 (4)前記固体潤滑剤を含有した金属の層が、Ni−
B,Ni−P−B−W,Co−P,硬質クロムメッキ等
の硬質メッキ層に固体潤滑剤が含有させられたものであ
る(1) 項ないし(3) 項のいずれかに記載のアルミシュ
ー。 本態様における金属製硬質層としてはNi−Pのメッキ
層が特に望ましい。Ni−Pのメッキ層は比較的安価に
形成し得、適度な硬度を有し、かつ、アルミシューの母
材との固着力も、固体潤滑剤を含有したNi−B,Ni
−P−B−W,Co−P,硬質クロムメッキ等の硬質メ
ッキ層との固着力も共に大きいからである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
車両用エアコンディショナに用いられる斜板式圧縮機用
のアルミシューを例に取り、図面に基づいて詳細に説明
する。図1に本実施形態における斜板式圧縮機を示す。
図1において、10はシリンダブロックであり、シリン
ダブロック10の中心軸線周りの一円周上には、軸方向
に延びる複数のシリンダボア12が形成されている。シ
リンダボア12の各々には、片頭ピストン14(以下、
ピストン14と略称する)が往復運動可能に配設されて
いる。シリンダブロック10の軸方向の一端面(図1の
左側の端面であり、前端面と称する)には、フロントハ
ウジング16が取り付けられ、他方の端面(図1の右側
の端面であり、後端面と称する)には、リヤハウジング
18がバルブプレート20を介して取り付けられてい
る。フロントハウジング16,リヤハウジング18,シ
リンダブロック10等により斜板式圧縮機のハウジング
が構成されている。リヤハウジング18とバルブプレー
ト20との間には、吸入室22,吐出室24が形成さ
れ、それぞれ、吸入ポート26,供給ポート28を経
て、図示しない冷凍回路に接続される。バルブプレート
20には、吸入孔32,吸入バルブ34,吐出孔36,
吐出バルブ38等が設けられている。
【0007】上記ハウジング内には、回転軸50が、シ
リンダブロック10の中心軸線を回転軸線として回転可
能に設けられている。回転軸50は、その両端部におい
てそれぞれフロントハウジング16,シリンダブロック
10にベアリングを介して回転可能に支持されている。
シリンダブロック10の中心部には、支持穴56が形成
されており、その支持穴56において上記ベアリングを
介して支持されているのである。回転軸50のフロント
ハウジング16側の端部は、図示しない駆動源としての
車両エンジンに、電磁クラッチ等のクラッチ装置を介し
て連結されている。したがって、車両エンジンの作動時
に、クラッチ装置によって回転軸50が車両エンジンに
接続されれば、回転軸50が自身の軸線まわりに回転さ
せられる。
【0008】回転軸50には、斜板60が軸方向に相対
移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板60
には、中心線を通る貫通穴61が形成され、この貫通穴
61を回転軸50が貫通している。貫通穴61は、両端
開口側ほど図1における上下方向に内のり寸法が漸増さ
せられ、それら両端部の横断面形状が長穴をなしてい
る。回転軸50にはまた、回転板62が固定され、スラ
ストベアリング64を介してフロントハウジング16に
受けられている。斜板60は、ヒンジ機構66により、
回転軸50と一体的に回転させられるとともに、軸方向
の移動を伴う傾動を許される。ヒンジ機構66は、回転
板62に固定的に設けられた支持アーム67と、斜板6
0に固定的に設けられ、支持アーム67のガイド穴68
にスライド可能に嵌合されたガイドピン69と、斜板6
0の貫通穴61と、回転軸50の外周面とを含むもので
ある。
【0009】前記ピストン14は、斜板60の外周部を
跨ぐ状態で係合させられる係合部70と、係合部70と
一体に設けられ、シリンダボア12に嵌合される頭部7
2とを備えている。本実施形態における頭部72は、中
空頭部とされて軽量化が図られている。頭部72,シリ
ンダボア12およびバルブプレート20が共同して圧縮
室を形成している。また、係合部70は一対の球冠状の
シュー76を介して斜板60の外周部と係合させられて
いる。シュー76については後に詳しく説明する。
【0010】斜板60の回転運動は、シュー76を介し
てピストン14の往復直線運動に変換される。ピストン
14が上死点から下死点へ移動する吸入行程において、
吸入室22内の冷媒ガスが吸入孔32,吸入バルブ34
を経てシリンダボア12内の圧縮室に吸入される。ピス
トン14が下死点から上死点へ移動する圧縮行程におい
て、シリンダボア12内の圧縮室の冷媒ガスが圧縮さ
れ、吐出穴36,吐出バルブ38を経て吐出室24に吐
出される。冷媒ガスの圧縮に伴ってピストン14には、
軸方向の圧縮反力が作用する。圧縮反力は、ピストン1
4,斜板60,回転板62およびスラストベアリング6
4を介してフロントハウジング16に受けられる。
【0011】シリンダブロック10を貫通して給気通路
80が設けられている。この給気通路80により、吐出
室24と、フロントハウジング16とシリンダブロック
10との間に形成された斜板室86とが接続されてい
る。給気通路80の途中には、電磁制御弁90が設けら
れている。この電磁制御弁90のソレノイド92への電
流供給が、コンピュータを主体とする制御装置(図示省
略)により、冷房負荷等の情報に応じて制御される。
【0012】回転軸50の内部には、排出通路100が
設けられている。排出通路100は、一端において前記
支持穴56に開口させられるとともに、他端において斜
板室86に開口させられている。支持穴56は排出ポー
ト104を経て吸入室22に連通させられている。
【0013】本斜板式圧縮機は可変容量型であり、高圧
側である吐出室24と低圧側である吸入室22との圧力
差を利用して斜板室86内の圧力が制御されることによ
り、ピストン14の前後に作用するシリンダボア12内
の圧縮室の圧力と斜板室86の圧力との差が調節され、
斜板60の傾斜角度が変更されてピストン14のストロ
ークが変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。具体
的には、電磁制御弁90の励磁,消磁の制御により、斜
板室86が吐出室24に連通させられたり、遮断された
りすることによって、斜板室86の圧力が制御される。
【0014】シリンダブロック10およびピストン14
は、金属の一種であるアルミニウム合金製のものとさ
れ、ピストン14の外周面には、フッ素樹脂のコーティ
ングが施されている。フッ素樹脂でコーティングすれ
ば、同種金属との直接接触を回避して焼付きを防止しつ
つシリンダボア12との嵌合隙間を可及的に小さくする
ことができる。ただし、シリンダブロック10やピスト
ン14の材料、コーティング層の材料等は、上述の材料
に限らず、他の材料であってもよい。
【0015】ピストン14の係合部70は、概してU字
形をなし、頭部72の中心軸線と直交する方向に互いに
平行に延びる一対のアーム部120,122と、これら
アーム部120,122の基端同士を連結する連結部1
24とを備えている。アーム部120,122の互いに
対向する側面には、それぞれ凹球面128が形成されて
いる。これら2つの凹球面128は同一球面上に位置し
ている。
【0016】前記一対のシュー76は、図2に示すよう
に、外表面の一方が概して凸球面をなす球面部132
と、他方が概して平面をなす平面部138とを有する球
冠状である。平面部138は、厳密には僅かに中高の曲
面(例えば、曲率半径がきわめて大きい凸球面)とされ
るとともに、外周部がテーパ値のきわめて大きいテーパ
面とされている。また、球面部132の平面部138に
近い側の部分が円筒面とされている。これら、中高の曲
面,テーパ面,円筒面および凸球面等の境界には比較的
曲率半径の小さい丸みが付けられている。一対のシュー
76は、球面部132においてピストン14の凹球面1
28に摺動可能に保持され、平面部138において斜板
60の外周部の両側面である両摺動面140,142に
接触し、斜板60の外周部を両側から挟持する。一対の
シュー76はその状態で球面部132の凸球面が同一球
面上に位置するように設計されている。つまり、本実施
形態におけるシュー76は、斜板60の厚さのほぼ半分
だけ小さい球冠状をなしているのである。
【0017】シュー76の母材146は、アルミニウム
を主成分とし、シリコンを含有するアルジル合金から成
る。また、斜板60は、鉄系材料の一種である鋼から成
り、シュー76の平面部138との両摺動面140,1
42にアルミニウムを主成分とする材料が溶射されると
ともに、固体潤滑剤を含む合成樹脂の減摩層が形成され
たものである。両摺動面140,142に焼き入れが施
されて、アルミニウムを主成分とする材料の溶射が省略
されることもある。あるいは、斜板60がアルミニウム
を主成分とする材料からなり、両摺動面140,142
に鉄系材料が溶射されたものとされる場合もある。斜板
60の材料は上述の材料に限らず、鉛青銅,黄銅等の銅
系材料でもよい。また、斜板60は、鉄系材料の表面
に、銅系材料が溶射あるいは焼結によって接合されたも
のでもよく、上記以外の材料の組み合わせであってもよ
い。
【0018】シュー76の母材146の上には、母材1
46の表面全体を覆う硬質層150が形成され、さら
に、硬質層150の上に硬質層150の外表面全体を覆
う減摩層152が形成されている。図2には、それら硬
質層150および減摩層152の厚みが、理解を容易に
するために誇大に示されている。硬質層150は、金属
を主体とし、ビッカース硬さHV 300以上の層であ
る。硬質層150は、例えば、Ni−P,Ni−B,N
i−P−B−W,Co−P,硬質クロムメッキ等の硬質
メッキ層とすることができる。本実施形態においては、
Ni−Pのメッキ層が形成されている。Ni−Pメッキ
層は、一般的にビッカース硬さHV 400〜550であ
る。Ni−Pメッキ層の組成は、Niが90〜92重量
%、Pが8〜10重量%である。減摩層152は、図3
に拡大して示すように、固体潤滑剤158を含有した金
属の層である。減摩層152としては、例えば、Ni−
B,Ni−P−B−W,Co−P,硬質クロムメッキ等
の硬質メッキ層中に、固体潤滑剤158として、MoS
2 (二硫化モリブデン),BN(窒化ホウ素),WS2
(二硫化タングステン),グラファイト,ポリテトラフ
ルオルエチレンの少なくとも一つが分散させられたもの
がある。本実施形態においては、固体潤滑剤158を含
有するNi−Bのメッキ層とされている。Ni−Pメッ
キ層,Ni−Bメッキ層,Ni−P−B−Wメッキ層お
よびCo−Pメッキ層は、全て無電解メッキ層(化学メ
ッキ層)であり、公知の化学メッキ法により形成され
る。この方法によれば、母材146に厚さが均一の2層
のメッキ層を容易かつ簡単な装置で形成することができ
る。
【0019】本実施形態によれば、硬質層150および
減摩層152の形成により、シュー76の球面部132
とピストン14の凹球面128との同種金属の摺動によ
る焼付き、およびシュー76の平面部138と斜板60
の両摺動面140,142との焼付きが良好に防止され
る。シュー76のピストン14および斜板60と摺動す
る摺動面である球面部132および平面部138が減摩
層152によって形成されることにより、シュー76の
耐摩耗性が向上する。減摩層152は、固体潤滑剤15
8を含有するものであり、シュー76の潤滑性の要求も
満たされる。したがって、摺動性に優れたシュー76が
得られる。また、アルミニウムを主成分とする材料から
成るシュー76の母材146が母材146より硬度の高
い硬質層150(Ni−Pメッキ層の場合、一般的にビ
ッカース硬さHV 400〜550)および減摩層152
(Ni−Bメッキ層の場合、一般的にビッカース硬さH
V700〜900)によって覆われることにより、シュ
ー76の強度が増し、シュー76の耐久性、ひいてはピ
ストン14を含む斜板式圧縮機の耐久性が向上する。
【0020】母材146と減摩層(本実施形態ではNi
−Bメッキ層)152との間に形成される硬質層(本実
施形態ではNi−Pメッキ層)150はまた、下地層と
して機能して母材146とNi−Bメッキ層との固着性
(密着性)を高め、Ni−Bメッキ層の母材146から
の剥離を防止する機能を果たす。Ni−Bは、一般的に
Ni−Pより硬度が高く、耐摩耗性に優れ、かつ、固体
潤滑剤158が分散させられたものとすることにより、
潤滑性の要求も満たされる。同じことは減摩層152を
Ni−P−B−Wメッキ層とする場合にも言える。ま
た、Ni−Pメッキ層は、Ni−Bメッキ層に衝撃が加
えられた時の緩衝層としても機能する。このように減摩
層152の母材146からの剥離や欠けが良好に防止さ
れることによっても、シュー76の摺動性および耐久性
が長期にわたって維持される。
【0021】また、万一減摩層152が摩滅した場合で
も、硬質層150が露出するのみで母材146が露出す
ることはない。長期間にわたって圧縮機の運転を継続し
ていると、シュー76の減摩層152の耐摩耗性が低下
し、シュー76への潤滑油不足や面圧が増加した場合に
局部的に摩滅することもある。この場合には、減摩層1
52が除去された部分から硬質層150が露出すること
になる。硬質層150は、母材146との密着性が高
く、また、耐摩耗性にも優れているため、硬質層150
が除去されて母材146が露出することはなく、シュー
76とピストン14および斜板60との焼付きが防止さ
れる。また、シュー76への面圧は斜板60の回転に伴
い周期的に変化し、シュー76への面圧が減少する間に
減摩層152が周囲から補給されて修復される。修復は
以下のように行われると推測される。摩擦力と摩擦熱と
により周囲の固体潤滑剤158を含む減摩層152が減
摩層152の摩滅あるいは剥離した部分に流れてくる。
これにより、減摩層152の摩滅あるいは剥離により硬
質層150が露出した部分が、再び減摩層152により
覆われて修復される。このようにシュー76への面圧が
減少する時に減摩層152が修復されるため、長期にわ
たって高い摺動性が維持されると推測される。本実施形
態におけるシュー76を備えた圧縮機においては、冷媒
ガスが圧縮機外部に漏れるなどして、圧縮機内が潤滑油
不足となった場合でも、シュー76の優れた摺動性が維
持され、シュー76、ひいては圧縮機の寿命低下が良好
に回避される。
【0022】必要に応じて、シュー76の球面部132
と平面部138とのいずれか一方にのみ減摩層152を
形成してもよい。例えば、図4に示すように、シュー2
00の母材146の表面全体に硬質層150を形成した
上に、球面部132のみに減摩層152を形成すること
ができる。あるいは、図5に示すように、シュー300
の母材146の表面全体に硬質層150を形成した上
に、平面部138のみに減摩層152を形成することも
できる。
【0023】本発明に係るシューを、斜板との係合部の
両側に頭部を有する両頭ピストンを備える斜板式圧縮機
等、固定容量型斜板式圧縮機に使用することも可能であ
り、その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする
課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様
を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改
良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるアルミシューを備え
た斜板式圧縮機を示す正面断面図である。
【図2】上記アルミシューを示す正面断面図である。
【図3】上記アルミシューの一部を拡大して示す正面断
面図である。
【図4】本発明の別の実施形態であるアルミシューを示
す正面断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施形態であるアルミシュ
ーを示す正面断面図である。
【符号の説明】 14:片頭ピストン 60:斜板 76:シュー
132:球面部 138:平面部 146:母材
150:硬質層 152:減摩層 158:固
体潤滑剤 200,300:シュー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 智洋 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 杉岡 隆弘 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小野田 晃 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB26 BB38 CC33 CC34 4K022 AA02 AA31 AA41 AA48 BA04 BA06 BA14 BA16 BA24 BA34 BA36 DA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを主成分とする材料から成
    り、概して球面をなす球面部と、概して平面をなす平面
    部とを備え、概して球冠状をなすアルミシューであっ
    て、 前記球面部および前記平面部に、金属を主体とし、ビッ
    カース硬さHV 300以上の硬質層を形成するととも
    に、それら球面部および平面部の少なくとも一方の硬質
    層の外側に、固体潤滑剤を含有した金属の層である減摩
    層を形成したことを特徴とするアルミシュー。
  2. 【請求項2】 前記硬質層がNi−P,Ni−B,Ni
    −P−B−W,Co−P,硬質クロムメッキ等の硬質メ
    ッキ層を含む請求項1に記載のアルミシュー。
  3. 【請求項3】 前記固体潤滑剤がMoS2 ,BN,WS
    2 ,グラファイト,ポリテトラフルオルエチレンのうち
    の少なくとも一つを含む請求項1または2に記載のアル
    ミシュー。
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