JPH11336658A - 斜板式圧縮機 - Google Patents
斜板式圧縮機Info
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- JPH11336658A JPH11336658A JP10147439A JP14743998A JPH11336658A JP H11336658 A JPH11336658 A JP H11336658A JP 10147439 A JP10147439 A JP 10147439A JP 14743998 A JP14743998 A JP 14743998A JP H11336658 A JPH11336658 A JP H11336658A
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- swash plate
- piston
- peripheral wall
- crank chamber
- inner peripheral
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- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B27/00—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
- F04B27/08—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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- F04B27/1036—Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
- F04B27/1081—Casings, housings
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04B—POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
- F04B27/00—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
- F04B27/08—Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
- F04B27/0873—Component parts, e.g. sealings; Manufacturing or assembly thereof
- F04B27/0878—Pistons
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- F05C2203/00—Non-metallic inorganic materials
- F05C2203/08—Ceramics; Oxides
- F05C2203/0804—Non-oxide ceramics
- F05C2203/0856—Sulfides
- F05C2203/086—Sulfides of molybdenum
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-
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】片頭形のピストンの自転防止構造の損耗を防
ぐ。 【解決手段】片頭形のピストン１７の尾部に配設された
自転防止用の干渉面１７ｄと衝接するクランク室１４の
内周壁１４ａに、潤滑性被膜Ｃが形成されているので、
簡単な処理で効率的に焼付を防止することができる。
ぐ。 【解決手段】片頭形のピストン１７の尾部に配設された
自転防止用の干渉面１７ｄと衝接するクランク室１４の
内周壁１４ａに、潤滑性被膜Ｃが形成されているので、
簡単な処理で効率的に焼付を防止することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式圧縮機に係
り、詳しくはピストンの自転防止構造の改良に関する。
り、詳しくはピストンの自転防止構造の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】主として車両空調用に供される片頭形の
斜板式圧縮機は、シリンダブロックの内端面を覆蓋する
ハウジングによってクランク室が形成され、該クランク
室内で駆動軸に装着された斜板がシューを介して片頭形
のピストンと連係するようになされており、さらに可変
容量型の同圧縮機では、支点回りに傾動可能な斜板を装
備することによって、クランク室圧力の変化に基づくピ
ストンの両端面に作用するガス圧力の釣合により、斜板
の傾角変位、すなわちピストンストロークを制御するよ
う構成されている。
斜板式圧縮機は、シリンダブロックの内端面を覆蓋する
ハウジングによってクランク室が形成され、該クランク
室内で駆動軸に装着された斜板がシューを介して片頭形
のピストンと連係するようになされており、さらに可変
容量型の同圧縮機では、支点回りに傾動可能な斜板を装
備することによって、クランク室圧力の変化に基づくピ
ストンの両端面に作用するガス圧力の釣合により、斜板
の傾角変位、すなわちピストンストロークを制御するよ
う構成されている。
【０００３】そして、かかる斜板式圧縮機では、車両空
調用としてのあくなき軽量化要求からシリンダブロック
に加えて斜板やピストンにもアルミニウム合金の採用が
主流となってきている。したがって、過酷な摺動条件を
強いられる斜板のシューとの摺接面及びピストンのボア
との摺接面には、かねてより耐摩耗、耐焼付対策が検討
され、例えばピストンの摺接面に対するフッ素樹脂膜の
形成や斜板の摺接面に対する固体潤滑剤被膜の形成など
が知られている。
調用としてのあくなき軽量化要求からシリンダブロック
に加えて斜板やピストンにもアルミニウム合金の採用が
主流となってきている。したがって、過酷な摺動条件を
強いられる斜板のシューとの摺接面及びピストンのボア
との摺接面には、かねてより耐摩耗、耐焼付対策が検討
され、例えばピストンの摺接面に対するフッ素樹脂膜の
形成や斜板の摺接面に対する固体潤滑剤被膜の形成など
が知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記片頭形のピ
ストンは、斜板の回転運動からシューを介して変換され
た直線往復運動と同時に、シューとの摩擦力によって回
転モーメント、つまり自転作用を受けるため、その尾部
に設けられた自転防止用の干渉面が、クランク室の内周
壁と衝接することにより、ピストンの自転（回動）が抑
制されるように構成されている。
ストンは、斜板の回転運動からシューを介して変換され
た直線往復運動と同時に、シューとの摩擦力によって回
転モーメント、つまり自転作用を受けるため、その尾部
に設けられた自転防止用の干渉面が、クランク室の内周
壁と衝接することにより、ピストンの自転（回動）が抑
制されるように構成されている。
【０００５】しかし、共にアルミ合金が使用されるピス
トンとハウジングにあっては、かかる相対的な衝接部分
に生じる摩耗や焼付が当然に懸念され、上記ピストンの
干渉面にさまざまな表面処理を施すといった対策も試み
られてはいる。ところが上述のように、ピストンのボア
との摺接面にはフッ素樹脂などの被膜形成が既に定着さ
れており、これに該干渉面の処理加工が加わると、多気
筒圧縮機のピストンだけに、生産性の面からも軽視でき
ない負担増しとなる。
トンとハウジングにあっては、かかる相対的な衝接部分
に生じる摩耗や焼付が当然に懸念され、上記ピストンの
干渉面にさまざまな表面処理を施すといった対策も試み
られてはいる。ところが上述のように、ピストンのボア
との摺接面にはフッ素樹脂などの被膜形成が既に定着さ
れており、これに該干渉面の処理加工が加わると、多気
筒圧縮機のピストンだけに、生産性の面からも軽視でき
ない負担増しとなる。
【０００６】本発明は、ごく簡潔な処理でピストンの自
転防止構造の損耗を防ぎ、圧縮機の信頼性の向上を図る
ことを解決課題としている。
転防止構造の損耗を防ぎ、圧縮機の信頼性の向上を図る
ことを解決課題としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項１記載の発明に係る斜板式圧縮機は、機体軸心に駆動
軸を支承し、同軸心周りに複数のボアを並設したシリン
ダブロックと、該シリンダブロックに結合されて内部に
クランク室を形成したハウジングと、上記駆動軸と共に
回転する斜板と連係して上記ボア内を直動する片頭形の
ピストンとを備え、該ピストンの尾部に配設された自転
防止用の干渉面と衝接する上記クランク室の内周壁に
は、潤滑性被膜が形成されていることを特徴としてい
る。
項１記載の発明に係る斜板式圧縮機は、機体軸心に駆動
軸を支承し、同軸心周りに複数のボアを並設したシリン
ダブロックと、該シリンダブロックに結合されて内部に
クランク室を形成したハウジングと、上記駆動軸と共に
回転する斜板と連係して上記ボア内を直動する片頭形の
ピストンとを備え、該ピストンの尾部に配設された自転
防止用の干渉面と衝接する上記クランク室の内周壁に
は、潤滑性被膜が形成されていることを特徴としてい
る。
【０００８】したがって、クランク室の内周壁に形成さ
れた上記潤滑性被膜が、その優れた潤滑性能により、特
に無潤滑状態で衝接するピストンの干渉面との焼付を良
好に防止する。この場合、多気筒圧縮機では５〜７個と
ピストンの使用個数が多いだけに、干渉面のそれぞれに
施される処理に比べて頗る有利である。とりわけ請求項
２記載の発明のように、二硫化モリブデンを含む固体潤
滑剤を必須の被膜要素とするものでは特に有効である。
れた上記潤滑性被膜が、その優れた潤滑性能により、特
に無潤滑状態で衝接するピストンの干渉面との焼付を良
好に防止する。この場合、多気筒圧縮機では５〜７個と
ピストンの使用個数が多いだけに、干渉面のそれぞれに
施される処理に比べて頗る有利である。とりわけ請求項
２記載の発明のように、二硫化モリブデンを含む固体潤
滑剤を必須の被膜要素とするものでは特に有効である。
【０００９】さらに、請求項３記載の発明のように、ク
ランク室の内周壁に形成される潤滑性被膜を転写方式に
よって被装すれば、被膜材料の節約ばかりでなく、膜厚
管理の面からもきわめて有利である。また、請求項４記
載の発明のように、ピストンの干渉面と衝接するクラン
ク室の内周壁のうち、各干渉面と対向する領域の周方向
中央部分が軸方向に延びる油溝として凹刻されているも
のでは、斜板の回転に基づく遠心力で飛散した潤滑油
が、クランク室の内周壁と当接しない側の干渉面との間
に形成される隙間を介して油溝内に流入し、同じく軸方
向から流入した潤滑油と共にこの油溝内に貯溜されるの
で、相互の衝接摺動部分に対する潤滑が確保される。
ランク室の内周壁に形成される潤滑性被膜を転写方式に
よって被装すれば、被膜材料の節約ばかりでなく、膜厚
管理の面からもきわめて有利である。また、請求項４記
載の発明のように、ピストンの干渉面と衝接するクラン
ク室の内周壁のうち、各干渉面と対向する領域の周方向
中央部分が軸方向に延びる油溝として凹刻されているも
のでは、斜板の回転に基づく遠心力で飛散した潤滑油
が、クランク室の内周壁と当接しない側の干渉面との間
に形成される隙間を介して油溝内に流入し、同じく軸方
向から流入した潤滑油と共にこの油溝内に貯溜されるの
で、相互の衝接摺動部分に対する潤滑が確保される。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
図面に基づいて説明する。図１は可変容量型斜板式圧縮
機の縦断面図、図２は片頭形のピストンを示す正面図、
図３は同ピストンに形成された自転防止用の干渉面を示
す側面図であって、シリンダブロック１０の前端側はフ
ロントハウジング１１によって閉塞され、同後端側は弁
板１２を介してリヤハウジング１３によって閉塞される
とともに、これらは通しボルトにより共締めされてい
る。シリンダブロック１０とフロントハウジング１１と
によって形成されるクランク室１４内には軸心方向に延
在する駆動軸１５が収容されて、ラジアル軸受により回
転自在に支持されている。そしてシリンダブロック１０
には該駆動軸１５を囲繞する位置に複数個のボア１６が
穿設されており、各ボア１６には片頭形のピストン１７
がそれぞれ往復動可能に嵌挿されている。
図面に基づいて説明する。図１は可変容量型斜板式圧縮
機の縦断面図、図２は片頭形のピストンを示す正面図、
図３は同ピストンに形成された自転防止用の干渉面を示
す側面図であって、シリンダブロック１０の前端側はフ
ロントハウジング１１によって閉塞され、同後端側は弁
板１２を介してリヤハウジング１３によって閉塞される
とともに、これらは通しボルトにより共締めされてい
る。シリンダブロック１０とフロントハウジング１１と
によって形成されるクランク室１４内には軸心方向に延
在する駆動軸１５が収容されて、ラジアル軸受により回
転自在に支持されている。そしてシリンダブロック１０
には該駆動軸１５を囲繞する位置に複数個のボア１６が
穿設されており、各ボア１６には片頭形のピストン１７
がそれぞれ往復動可能に嵌挿されている。
【００１１】クランク室１４内において、駆動軸１５に
はロータ２０がフロントハウジング１１との間にスラス
ト軸受を介して同期回転可能に結合され、ロータ２０の
後方には斜板１８が嵌合されている。そして、該斜板１
８はロータ２０との間に介装された押圧ばね２１により
常に後方に向け付勢されている。斜板１８には、両端面
外周側に平滑な摺接面１８ａが形成され、該摺接面１８
ａにはシュー１９、１９が当接されており、これらシュ
ー１９、１９のそれぞれはピストン１７の半球面座１７
ｃ、１７ｃと係合されている。また、斜板１８とロータ
２０との間には、相対的なヒンジ機構Ｋが設けられてお
り、屈折状の貫孔１８ｂを介して駆動軸１５に嵌合され
ている斜板１８は、ピストン１７の上死点位置を不動に
保ちながら傾角変位可能に構成されている。
はロータ２０がフロントハウジング１１との間にスラス
ト軸受を介して同期回転可能に結合され、ロータ２０の
後方には斜板１８が嵌合されている。そして、該斜板１
８はロータ２０との間に介装された押圧ばね２１により
常に後方に向け付勢されている。斜板１８には、両端面
外周側に平滑な摺接面１８ａが形成され、該摺接面１８
ａにはシュー１９、１９が当接されており、これらシュ
ー１９、１９のそれぞれはピストン１７の半球面座１７
ｃ、１７ｃと係合されている。また、斜板１８とロータ
２０との間には、相対的なヒンジ機構Ｋが設けられてお
り、屈折状の貫孔１８ｂを介して駆動軸１５に嵌合され
ている斜板１８は、ピストン１７の上死点位置を不動に
保ちながら傾角変位可能に構成されている。
【００１２】本実施形態では、シリンダブロック１０、
フロントハウジング１１（以下、単にハウジングとい
う）及びピストン１７はアルミ系金属、例えば過共晶ア
ルミニウム硅素合金が使用され、ピストン１７は頭部に
所要の嵌合長を有してボア１６に嵌入する摺接面１７ａ
と、尾部に斜板１８を跨ぐ凹所１７ｂをもち、該凹所１
７ｂの背面側には大きな曲率半径を有してクランク室１
４の内周壁１４ａと（具体的には後述する潤滑性被膜Ｃ
面）と対向する自転防止用の干渉面１７ｄが間隙Ｓを容
して設けられている。
フロントハウジング１１（以下、単にハウジングとい
う）及びピストン１７はアルミ系金属、例えば過共晶ア
ルミニウム硅素合金が使用され、ピストン１７は頭部に
所要の嵌合長を有してボア１６に嵌入する摺接面１７ａ
と、尾部に斜板１８を跨ぐ凹所１７ｂをもち、該凹所１
７ｂの背面側には大きな曲率半径を有してクランク室１
４の内周壁１４ａと（具体的には後述する潤滑性被膜Ｃ
面）と対向する自転防止用の干渉面１７ｄが間隙Ｓを容
して設けられている。
【００１３】次に本発明の最も特徴とするハウジング１
１の表面処理について説明する。ハウジング１１には上
述のようにクランク室１４が形成されており、その内周
壁１４ａには、固体潤滑剤として選択された二硫化モリ
ブデン及びグラファイトと、バインダとしてポリアミド
等未硬化の熱硬化性樹脂とを含む被膜材料Ｃを被装した
のち、これを加熱硬化させた被膜Ｃが形成されている。
勿論、被膜材料としては、低摩擦樹脂又はこれに固体潤
滑剤、硬質金属粒子、セラミックス粒子等を混在させた
ものも使用できる。また、被装方法は簡単なスプレー方
式も可能ではあるが、密着強度及び膜厚管理の面から以
下に述べる転写方式（ロール転写）が望ましい。
１の表面処理について説明する。ハウジング１１には上
述のようにクランク室１４が形成されており、その内周
壁１４ａには、固体潤滑剤として選択された二硫化モリ
ブデン及びグラファイトと、バインダとしてポリアミド
等未硬化の熱硬化性樹脂とを含む被膜材料Ｃを被装した
のち、これを加熱硬化させた被膜Ｃが形成されている。
勿論、被膜材料としては、低摩擦樹脂又はこれに固体潤
滑剤、硬質金属粒子、セラミックス粒子等を混在させた
ものも使用できる。また、被装方法は簡単なスプレー方
式も可能ではあるが、密着強度及び膜厚管理の面から以
下に述べる転写方式（ロール転写）が望ましい。
【００１４】図４は、転写装置を示す模式図であって、
該転写装置５０は、図示矢印方向に回転可能な転写ロー
ラ５１と、その上方に所定の間隙を容して配置された膜
厚調整用のコンマローラ５２と、該コンマローラ５２か
ら転写ローラ５１の回転方向後方側に離隔配置された堰
５３とを備え、これらは上記ピストン１７の干渉面１７
ｄのストロークに適応しうる軸長を有して設置されてい
る。なお、５４は、コンマローラ５２と堰５３の挟間に
被装材料Ｃを供給するディスペンサである。
該転写装置５０は、図示矢印方向に回転可能な転写ロー
ラ５１と、その上方に所定の間隙を容して配置された膜
厚調整用のコンマローラ５２と、該コンマローラ５２か
ら転写ローラ５１の回転方向後方側に離隔配置された堰
５３とを備え、これらは上記ピストン１７の干渉面１７
ｄのストロークに適応しうる軸長を有して設置されてい
る。なお、５４は、コンマローラ５２と堰５３の挟間に
被装材料Ｃを供給するディスペンサである。
【００１５】一方、ハウジングワーク１１ｗは、転写ロ
ーラ５１と逆向き、かつ同調した速度で回転する駆動手
段（図示せず）に着脱自在に取付けられ、駆動手段は軸
方向への進退動と共に図示矢印方向への移動も可能なる
よう構成されている。したがって、駆動手段に取付けら
れたハウジングワーク１１ｗをまず軸方向へ進動させ、
クランク室１４の所定位置まで転写ローラ５１を導入さ
せ、次いで該ハウジングワーク１１ｗをＡ矢印方向へ移
動させて、図示のようにクランク室１４の内周壁１４ａ
を転写ローラ５１に接触させる一方、ディスペンサ５４
によってコンマローラ５２と堰５３との間に被膜材料Ｃ
を供給する。
ーラ５１と逆向き、かつ同調した速度で回転する駆動手
段（図示せず）に着脱自在に取付けられ、駆動手段は軸
方向への進退動と共に図示矢印方向への移動も可能なる
よう構成されている。したがって、駆動手段に取付けら
れたハウジングワーク１１ｗをまず軸方向へ進動させ、
クランク室１４の所定位置まで転写ローラ５１を導入さ
せ、次いで該ハウジングワーク１１ｗをＡ矢印方向へ移
動させて、図示のようにクランク室１４の内周壁１４ａ
を転写ローラ５１に接触させる一方、ディスペンサ５４
によってコンマローラ５２と堰５３との間に被膜材料Ｃ
を供給する。
【００１６】その結果、転写ローラ５１の回転につれて
移送される被膜材料Ｃは、コンマローラ５２によって膜
厚が調整されたのち、ハウジングワーク１１ｗのクラン
ク室内周壁１４ａに被装（転写）される。被装を終える
と被膜材料Ｃの供給中断と同時に、ハウジングワーク１
１ｗをＢ矢印方向へ移動させ、さらにこれを軸方向に退
動させることによって、転写ローラ５１をクランク室１
４から相対的に脱出させる。駆動手段から取外されたハ
ウジングワーク１１ｗは、その後の乾燥、焼成工程を経
ることによりクランク室１４の内周壁１４ａには密着し
た被膜Ｃが形成される。そして必要に応じ被膜Ｃ面には
研削加工が施されて寸法精度が整えられる。
移送される被膜材料Ｃは、コンマローラ５２によって膜
厚が調整されたのち、ハウジングワーク１１ｗのクラン
ク室内周壁１４ａに被装（転写）される。被装を終える
と被膜材料Ｃの供給中断と同時に、ハウジングワーク１
１ｗをＢ矢印方向へ移動させ、さらにこれを軸方向に退
動させることによって、転写ローラ５１をクランク室１
４から相対的に脱出させる。駆動手段から取外されたハ
ウジングワーク１１ｗは、その後の乾燥、焼成工程を経
ることによりクランク室１４の内周壁１４ａには密着し
た被膜Ｃが形成される。そして必要に応じ被膜Ｃ面には
研削加工が施されて寸法精度が整えられる。
【００１７】このように、クランク室１４の内周壁１４
ａに耐摩耗、耐焼付性に優れた固体潤滑剤の被膜Ｃが形
成されているので、ピストン１７の自転（回動）が生じ
た場合でも、その干渉面１７ｄが滑らかに該被膜Ｃ面に
接触して、ピストン１７の回動を抑制することができ
る。図５及び図６に示す他の実施形態は、上記クランク
室１４の内周壁１４ａのうち、上記ピストン１７の各干
渉面１７ｄと対向する領域の周方向中央部分が軸方向に
延びる油溝１４ｂとして凹刻されている。この油溝１４
ｂはハウジング１１の成形時に得られる鋳肌面で構成す
ることもでき、その形状についても適宜変更することが
可能である。
ａに耐摩耗、耐焼付性に優れた固体潤滑剤の被膜Ｃが形
成されているので、ピストン１７の自転（回動）が生じ
た場合でも、その干渉面１７ｄが滑らかに該被膜Ｃ面に
接触して、ピストン１７の回動を抑制することができ
る。図５及び図６に示す他の実施形態は、上記クランク
室１４の内周壁１４ａのうち、上記ピストン１７の各干
渉面１７ｄと対向する領域の周方向中央部分が軸方向に
延びる油溝１４ｂとして凹刻されている。この油溝１４
ｂはハウジング１１の成形時に得られる鋳肌面で構成す
ることもでき、その形状についても適宜変更することが
可能である。
【００１８】圧縮機の運転中、図６に示す矢印方向の回
転モーメントがピストン１７に作用した場合、斜板１８
の回転に基づく遠心力で飛散した潤滑油が、クランク室
１４の内周壁１４ａ（具体的には被膜Ｃ面）と当接しな
い側の干渉面１７ｄとの間に形成される隙間を介して、
Ｑ矢印方向から油溝１４ｂ内へ流入し、同じく軸方向か
ら流入した潤滑油と共に油溝１４ｂ内に貯溜される。そ
してこの油溝１４ｂのもつ油溜め機能が、クランク室内
周壁１４ａとピストン干渉面１７ｄとの実質的な衝接摺
動部分への給油を果し、十分な潤滑を確保する。
転モーメントがピストン１７に作用した場合、斜板１８
の回転に基づく遠心力で飛散した潤滑油が、クランク室
１４の内周壁１４ａ（具体的には被膜Ｃ面）と当接しな
い側の干渉面１７ｄとの間に形成される隙間を介して、
Ｑ矢印方向から油溝１４ｂ内へ流入し、同じく軸方向か
ら流入した潤滑油と共に油溝１４ｂ内に貯溜される。そ
してこの油溝１４ｂのもつ油溜め機能が、クランク室内
周壁１４ａとピストン干渉面１７ｄとの実質的な衝接摺
動部分への給油を果し、十分な潤滑を確保する。
【００１９】
【発明の効果】以上、詳述したように、請求項１記載の
発明は、片頭形ピストンの自転防止用干渉面と衝接する
クランク室の内周壁に潤滑性被膜を形成したので、特に
無潤滑状態で衝接するピストン干渉面との焼付を良好に
防止する。しかも多気筒圧縮機ではピストンの使用個数
が多いだけに、ピストン干渉面のそれぞれに施される処
理に比べて頗る有利であり、加えてクランク室の遮音と
いった副次的効果も付随する。とくに請求項２記載の発
明のように、二硫化モリブデンを含む固体潤滑剤を必須
の被膜要素とするものでは一層有効である。
発明は、片頭形ピストンの自転防止用干渉面と衝接する
クランク室の内周壁に潤滑性被膜を形成したので、特に
無潤滑状態で衝接するピストン干渉面との焼付を良好に
防止する。しかも多気筒圧縮機ではピストンの使用個数
が多いだけに、ピストン干渉面のそれぞれに施される処
理に比べて頗る有利であり、加えてクランク室の遮音と
いった副次的効果も付随する。とくに請求項２記載の発
明のように、二硫化モリブデンを含む固体潤滑剤を必須
の被膜要素とするものでは一層有効である。
【００２０】さらに請求項３記載の発明のように、クラ
ンク室の内周壁に形成される潤滑性被膜を転写方式で被
装すれば、膜厚管理の面からもきわめて有利である。ま
た、請求項４記載の発明のように、クランク室の内周壁
のうち、ピストンの各干渉面と対向する領域の周方向中
央部分が軸方向に延びる油溝として凹刻されているもの
では、該油溝の油溜め機能によって、相互の衝接摺動部
分に対する給油も十分確保することができる。
ンク室の内周壁に形成される潤滑性被膜を転写方式で被
装すれば、膜厚管理の面からもきわめて有利である。ま
た、請求項４記載の発明のように、クランク室の内周壁
のうち、ピストンの各干渉面と対向する領域の周方向中
央部分が軸方向に延びる油溝として凹刻されているもの
では、該油溝の油溜め機能によって、相互の衝接摺動部
分に対する給油も十分確保することができる。
【図１】本発明の実施形態に係る片頭形斜板式圧縮機の
断面図。
断面図。
【図２】同圧縮機に使用される片頭形ピストンの正面
図。
図。
【図３】同ピストンの干渉面とクランク室の内周壁との
関係を示す部分断面図。
関係を示す部分断面図。
【図４】クランク室内周壁の転写装置を示す模式図。
【図５】クランク室内周壁の他の実施形態を示す部分断
面図。
面図。
【図６】同要部の拡大説明図。
１０はシリンダブロック、１１はフロントハウジング、
１４はクランク室、１４ａは内周壁、１４ｂは油溝、１
５は駆動軸、１７はピストン、１７ｄは干渉面、１８は
斜板、１９はシュー、Ｃは潤滑性被膜
１４はクランク室、１４ａは内周壁、１４ｂは油溝、１
５は駆動軸、１７はピストン、１７ｄは干渉面、１８は
斜板、１９はシュー、Ｃは潤滑性被膜
Claims (4)
- 【請求項１】機体軸心に駆動軸を支承し、同軸心周りに
複数のボアを並設したシリンダブロックと、該シリンダ
ブロックに結合されて内部にクランク室を形成したハウ
ジングと、上記駆動軸と共に回転する斜板と連係して上
記ボア内と直動する片頭形のピストンとを備え、該ピス
トンの尾部に配設された自転防止用の干渉面と衝接する
上記クランク室の内周壁には、潤滑性被膜が形成されて
いることを特徴とする斜板式圧縮機。 - 【請求項２】上記潤滑性被膜は、二硫化モリブデン又は
二硫化モリブデンとフッ素樹脂、二硫化タングステン、
グラファイトの少なくとも一種からなる固体潤滑剤を含
む被膜であることを特徴とする請求項１記載の斜板式圧
縮機。 - 【請求項３】上記クランク室の内周壁に形成される潤滑
性被膜は、転写方式によって被装されていることを特徴
とする請求項１又は２記載の斜板式圧縮機。 - 【請求項４】上記クランク室の内周壁のうち、上記ピス
トンの各干渉面と対向する領域の周方向中央部分が、軸
方向に延びる油溝としてて凹刻されていることを特徴と
する請求項１、２又は３記載の斜板式圧縮機。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10147439A JPH11336658A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | 斜板式圧縮機 |
| EP99109149A EP0961030A2 (en) | 1998-05-28 | 1999-05-08 | Lubrication for pistons in the crankcase of a swash plate type compressor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10147439A JPH11336658A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | 斜板式圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11336658A true JPH11336658A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15430371
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10147439A Pending JPH11336658A (ja) | 1998-05-28 | 1998-05-28 | 斜板式圧縮機 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0961030A2 (ja) |
| JP (1) | JPH11336658A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012013049A (ja) * | 2010-07-05 | 2012-01-19 | Sinlin Automotive Co Ltd | 可変容量斜板式圧縮機 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6367368B1 (en) * | 1999-12-29 | 2002-04-09 | Visteon Global Technologies, Inc. | Variable displacement compressor having piston anti-rotation structure |
| JP2001221153A (ja) * | 2000-02-04 | 2001-08-17 | Toyota Autom Loom Works Ltd | 圧縮機 |
-
1998
- 1998-05-28 JP JP10147439A patent/JPH11336658A/ja active Pending
-
1999
- 1999-05-08 EP EP99109149A patent/EP0961030A2/en not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012013049A (ja) * | 2010-07-05 | 2012-01-19 | Sinlin Automotive Co Ltd | 可変容量斜板式圧縮機 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0961030A2 (en) | 1999-12-01 |
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