JPH05231312A - 可変容量形片斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量形片斜板式圧縮機

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JPH05231312A
JPH05231312A JP4039187A JP3918792A JPH05231312A JP H05231312 A JPH05231312 A JP H05231312A JP 4039187 A JP4039187 A JP 4039187A JP 3918792 A JP3918792 A JP 3918792A JP H05231312 A JPH05231312 A JP H05231312A
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JP
Japan
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compressor
swash plate
shaft
capacity
tilt angle
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Application number
JP4039187A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kawashima
憲一 川島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車用冷房装置に使用される可変容量圧縮機
の操作によってエンジンにかかる負荷を最小とし、乗り
心地を改善する。 【構成】可変容量圧縮機の容量を0から所定の容量まで
を増加することのできる斜板傾転角規制装置,冷房装置
機動のためのスイッチを入れると同時にスタートする時
計、圧縮機容量を0とする方向に力が作用するばねを設
け、圧縮機機動前はばねによって常に圧縮機容量を0と
しておき、この状態で圧縮機を起動し、所定の時間経過
後、斜板傾転角規制装置を作動させ、圧縮機容量を所定
の値に増加させ、この後は、圧縮機が発生するガス圧力
に応じて圧縮機容量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷房熱負荷(以下、単
に熱負荷と称する)に応じて行程容積を自動的に制御す
る圧縮機に係り、特に、カーエアコンに使用される可変
容量型片斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧縮機では行程容積を変
化させるために必要な力として直接的、或いは、間接的
なかたちで圧縮機の吐出圧力を利用していた。従って、
圧縮機の起動直後から吐出圧力を利用するためには、圧
縮機起動時の行程容積を0にすることはできなかった。
このため、圧縮機の起動時にはエンジンに圧縮機の駆動
動力が作用するので、ブレーキが作用したような感覚に
なり、乗り心地を損なう欠点か有った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱負荷に応
じて行程容積を制御することができるタイプの圧縮機を
使用した冷凍サイクルに於いて、圧縮機起動時の行程容
積を常に0としておくことによって、エンジンに掛かる
動力を最小値から徐々に大きくし、これによって乗り心
地を改善するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では圧縮機に於い
て、圧縮機吸入圧力と吐出圧力とが等しい時には圧縮機
の行程容積が常に0の手段を圧縮機内に設けてこの状態
から圧縮機を起動し、設定された時間経過した後に熱負
荷に見合った行程容積に制御するようにした。
【0005】
【作用】この様な手段を講じることによって、エンジン
に急激な負荷が掛かるのを防止し、自動車の乗り心地を
良くすることが出来る。
【0006】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて説明する。図1
は本発明の一実施例を示すもので、HFC134a 等の弗化炭
化水素系冷媒と分子中に酸素を有する潤滑油を用いたカ
ーエアコンに用いられる可変容量型片斜板式圧縮機の概
略構造図である。
【0007】本圧縮機の駆動機構はシャフト1,ドライ
ブプレート2,支点ピン4,斜板5,スリーブ6,ピン
7とから構成される。シャフト1には圧入、或いは、ピ
ンなどでドライブプレート2を固定してある。ドライブ
プレートにはカム溝3が設けてあり、溝内に支点ピン4
がカム曲線に沿って移動可能に設けられ、同時に支点ピ
ン4は斜板5から突き出した耳(図には現われていな
い)に嵌合してある。又、ドライブプレート2のカム溝
が設けられた耳部と斜板耳部とは接触するような構造と
してある。これにより、シャフト1の回転によってドラ
イブプレートが回転すると、ドライブプレートの耳から
斜板5の耳に回転力が与えられ、斜板はシャフトに対し
てある角度をもって回転する。シャフト1にはスリーブ
6がシャフトに対して軸方向に滑動可能に組み込まれて
いる。スリーブと斜板とはピン7によってその相対的な
位置関係が規制されているが、斜板はスリーブに対して
ピン7の周りに回転自在に締結されている。従って、シ
ャフト1が回転すると斜板5はシャフトの回転軸回りに
揺動回転運動を行う。斜板5にはスラスト針状ころ軸受
8及びラジアル玉軸受9を介してピストンサポート10
が設置されている。
【0008】本圧縮機の回り止め機構について述べる。
ピストンサポート10の外周部には半径方向に突出する
ように回り止めピン11が圧入などの方法で固定されて
おり、ピンには回転と滑動が可能なスライドボール12
が設けてある。ピストンサポート10がシャフト1の回
転中心周りには回転しないように、ボール12をフロン
トカバー13の内側に設けられた軸方向のスリーブ溝1
4内に回り止めシュー15及びシューガイドスリーブ1
6を介して設置されている。本型式の圧縮機では圧縮機
駆動力の反力はすべてシューとシューガイドスリーブで
受ける。シューはシューガイドスリーブ内をシャフト1
回転について1往復し、そのストロークはピストンスト
ロークの2倍程度である。シュー15とシューガイドス
リーブ16との間の荷重及びすべり速度は圧縮機の運転
条件によって大きく変化するが、給油条件が悪化する
と、この部分の潤滑状態は非常に厳しくなる。そこで、
本圧縮機ではスライドボール12の全表面には二硫化モ
リブデンを焼き付けてあり、シューガイドスリーブ16
には、圧延鋼板の表面にまず真鍮の粉末を焼結し更にそ
の表面に弗素樹脂(商品名:テフロンなど)を含浸コー
ティングした、いわゆるDUメタルと称される大同メタ
ル製の樹脂被覆材料を使用している。
【0009】次に、本圧縮機の往復変換機構はアルミニ
ウム−シリコン合金製ピストンサポート10,両端に焼
き入れされた鋼製のボール17,18を有する複数のコ
ネクティングロッド19,複数のアルミニウム−シリコ
ン合金製ピストン20とから構成される。ピストンサポ
ート10の斜板とは反対側には複数の球面が凹設されて
おり、これにコネクティングロッド19の一端のボール
17が加締めなどの方法によって、ボール中心周りに回
転自在に取り付けられ、他端のボール18にはピストン
20の中心部に凹設された球面によってピストンが加締
めなどの方法によってボールの中心周りに回転自在に取
り付けられている。これらは一般にボール継ぎ手と称さ
れる。このボール継ぎ手の摺動部にはピストン前後の差
圧に起因する荷重,ピストンとシリンダとの摩擦力,ピ
ストンの往復運動による慣性力が複雑に作用する。ボー
ル継ぎ手はボールの半径が小さいので滑り速度は小さい
が、加重は大きく、給油条件が悪化すると、潤滑状態は
厳しい。そこで、ボール継ぎ手にはアルミニウム−シリ
コン合金部材の球面部即ち、ボールと摺動する面には固
体潤滑剤の二硫化モリブデンを1〜5μmの厚さで焼き
付けてある。
【0010】吸入圧縮機構は図2に示すように、複数の
ピストン20,シリンダブロック21に設けられた複数
のシリンダ22,各シリンダに一組ずつ対応する様に設
けられた吸入弁23,吐出弁24及び吐出弁リテーナ2
5,吸入ポート26及び吐出ポート27が設けられたシ
リンダヘッド28,吸入ポート26のみが開口し、圧縮
機の冷媒吸入口29と流路55で連通する低圧室31
と、吐出ポート27のみが開口し、圧縮機の吐出口(図
示せず)と連通する高圧室30とが設けられたリアカバ
ー32とで構成される。即ち、圧縮機の冷媒吸入口2
9,流路55,低圧室31,吸入ポート26,吸入弁2
3を通ってシリンダ22内に流入したガス冷媒はピスト
ン20の往復運動によってシリンダ内で圧縮され吐出ポ
ート27,吐出弁24,高圧室30を通って、図示しな
い圧縮機の冷媒吐出口から圧縮機外へ流出する。
【0011】次に、軸受装置について述べる。冷媒を圧
縮することによって生じる圧縮力はコネクティングロッ
ド19を介してピストンサポート10に伝わり、同ピス
トンサポート10とシャフト1との角度によって決まる
分力のうち、スラスト力はスラスト針状ころ軸受8,斜
板5,支点ピン4を介してドライブプレート2に伝達さ
れる。一方、ラジアル力はラジアル玉軸受9,ピン7及
びスリーブ6を介してシャフト1に伝達される。ドライ
ブプレート2に作用するスラスト力はドライブプレート
とフロントカバー間に設置されたスラスト針状ころ軸受
33で、又、シャフトに作用するラジアル力はフロント
カバー13及びシリンダブロック21に設置されたラジ
アル針状ころ軸受34,35で受ける。市場での使用条
件を想定した軸受荷重及び回転速度と、軸受の型式に依
って決まる定格荷重とから算出される軸受寿命がカーエ
アコンのライフサイクル10年を十分満足する様に各軸
受の仕様が決められている。
【0012】本圧縮機のシール装置について述べる。ま
ず、リア側から順に説明する。図2に示すように、リア
カバー32とシリンダヘッド28との間には圧延された
薄板鋼板の両面にゴムシートを貼りあわせたシートパッ
キン36が設置されており、リアカバー32とシリンダ
ブロック21の間にはOリング37が設置されている。
圧縮機内外のシールにはOリング37,低圧室31と高
圧室30のシールにはシートパッキン36が、容量制御
弁のパイロット弁38とフロントカバー13内部とを連
通する流路43と高圧室30とのシールにはシートパッ
キン36が用いられる。シリンダブロック21とフロン
トカバー13の間には図1に示すようにOリング44が
Oリング溝内に設置されており、リアカバー32,シー
トパッキン36,シリンダヘッド28,Oリング37,
シリンダブロック21をボルト(図示せず)で締め付け
ることによってこれら部品間のシールがなされる。フロ
ントカバー13とシャフト1の間には軸シール39が設
置されており、フロントカバー13と軸シール39の間
は同軸シール外周面に接着されたゴムで、また軸シール
とシャフト1の間は弗素樹脂で成形されたリップで圧縮
機内外の気密を保たれる。本圧縮機ではOリング,シー
トパッキン,軸シールに用いられるゴム材には水素添加
アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)或いは
エチレンプロピレンジエンポリマ(EPDM)を使用
し、HFC134a 及びPAGに対する劣化を回避している。
【0013】本圧縮機の容量制御機構を説明する。リア
カバー32の冷媒流路55の途中には圧縮機容量制御弁
40が設けられ、容量制御弁は圧縮機外部への飛び出し
を防止する目的で、止め輪41でリアカバーに固定され
ている。カーエアコンでは車室内温度が低下すると、蒸
発器内の圧力が低下する。例えば、冷媒の蒸発温度が0
℃となるような蒸発圧力まで低下すると、ベローズ周囲
の絶対圧力で作動するパイロット弁38が開いてリアカ
バー高圧室30から分岐された高圧ガスがメイン弁42
の背面に作用しメイン弁42が図の上方に押し上げられ
る。このため、冷媒流路面積が減少してシリンダ内の圧
力が低下する。一方、フロントカバー内部はシリンダブ
ロックのシリンダボア挟間に設けられたガス通路43で
メイン弁42の上流側と連通しているため、フロントカ
バー13内部は常に略蒸発圧力と等しい(蒸発器から圧
縮機に至る低圧ガス配管での圧力損失分だけ圧力が低下
する)。従って、ピストン頭頂部の圧力が低下すること
によってピストン前後の圧力バランスが崩れ、ピストン
20はこの圧力差に起因する力によって、図の右方向、
即ち、圧縮機の容量を減少させるように移動する。換言
すれば、ピストン前後の圧力バランスが常に一定値に保
たれるように即ち、蒸発圧力が一定値になるように圧縮
機容量を制御する。
【0014】ここで、圧縮機が取り得る最小容量につい
て述べる。圧縮機の容量制御には前述の通り、圧縮機で
発生する圧力を利用している。従って、単純に圧縮機の
最小容量を0とし、この状態から圧縮機を起動すると、
冷凍サイクル内に圧力差が発生しないので、いつまでも
容量0の状態で運転を続け、冷房が出来ない。そこで、
従来の圧縮機では最小容量を0とせず、最大容量の5〜
10%に設定していた。また、設計上の理由から、斜板
の重心とシャフトの回転中心とを合致させ得ないことに
よって生じる斜板傾転角を小さく或いは大きくする方向
に作用する力、ピストンサポート10(ラジアル玉軸受
9,スラスト針状ころ軸受8等を含む)及びコネクティ
ングロッド19等の往復運動部分の慣性モーメントによ
って生じる斜板傾転角を大きくする方向に作用する力、
ピストン1の頭頂部と背面に作用するガス圧力によって
斜板傾転角を大きくする方向に作用する力を釣り合わせ
るためにドライブプレート2とスリーブ6との間にコイ
ルばね45を設置してある。このコイルばね45は圧縮
機の大きさの面での制約があって、その発生力と材質の
疲労強度とを同時に満足させるためにはコイルばねの自
由長をスリーブが最大容量位置から最小容量位置までの
全移動長さまで長くすることは出来ない。従って、圧縮
機始動時の圧縮機行程容積は、前述のように、5〜10
%に設定された最小容量からコイルばねの自由長で決ま
る容量までの範囲内にある。この容量で圧縮機を起動す
ると、冷媒ガスを圧縮するに必要な動力がエンジンにか
かり、見かけ上ブレーキが掛かったと同様の状態となっ
て、搭乗者の乗り心地を損なう。本発明ではこれを回避
するために、圧縮機が取りうる最小容量を0として、こ
の状態で圧縮機を起動し、所定の時間経過後に圧縮機容
量を従来機の最小容量程度まで僅かに増加させ、この後
は圧縮機で発生するガス圧力を用いて熱負荷に見合った
容量に制御する様にしてある。以下、図1及び図2を用
いてそのための構造及び制御方法について述べる。
【0015】シャフト1のリア側端部には、電磁弁46
が設置されており、電磁弁46に通電すると弁部材47
は図の左方向へ移動するようにしてある。一方、シャフ
ト1の後端部にはシャフト外径と略同心の穴48が設け
てあり、この穴は窓49でシャフト外径部と連通してい
る。穴にはスピンドル50を挿入してあり、該スピンド
ルにはシャフトの窓49を通してピン51が貫通してあ
り、ピン51はスリーブ6の外径と略同一外径となるよ
うに設置されている。また、シャフト1の窓49の軸方
向長さは、スピンドル50が図の右方向に最大限に移動
したときにはピン51とスリーブ6が接触したときに決
まる圧縮機の容量が5〜10%となるようような位置
に、またスピンドル50が図の左方向に最大限移動した
ときには圧縮機の容量が0となるようなピンの位置に、
ピン51が移動できる長さにしてある。弁部材47には
軸方向の貫通孔52が設けてあり、弁部材47の右側は
リアカバー32の高圧室30と連通している。従って、
圧縮機運転中は常に、スピンドル両端の差圧によってス
ピンドル50を図の左方向に押しつけている。
【0016】尚、電磁弁46のコイル53とラジアル針
状ころ軸受35との間には軸封装置54を設置してあ
り、弁部材の貫通孔52を流過した高圧ガスが直にフロ
ントカバー内部へ流入しないようにしてある。これは、
高圧ガスの流入によって生じる様々な悪影響を回避する
ためのものである。即ち、フロントカバー内部の圧力が
上昇すると、(1)圧縮機容量が所望の容量以下にな
る。(2)フロントカバー内部からシリンダへの油の流
出が激しくなる。(3)フロントカバー内部からシリン
ダへのガスの流出が激しくなる。これらを回避し、圧縮
機の容量制御性を確実なものとし、耐久性を確保すると
共に体積効率,断熱効率の低下を解消する。また、スリ
ーブ6とドライブプレート2との間には圧縮機内部の圧
力が完全にバランスした時に、摩擦力に抗してスリーブ
が圧縮機容量0となる位置に移動できるだけの力を発生
するばねが、コイルばね45の機能を加え持つように
(例えば、円錐コイルばねのような型式)、設置してあ
る。電磁弁46には図示しない制御回路が設置されてお
り、制御回路は圧縮機の電磁クラッチ58に通電される
と同時にスタートする時計回路、スタート時から所定の
時間が経過後に電磁弁に作動電圧を加えるスイッチ回
路、これらの回路を作動させるための定電圧発生回路、
電磁弁へ作動電圧を加えるための電気回路とから構成さ
れている。
【0017】次に、本圧縮機の制御方法について述べ
る。圧縮機機動前は、圧縮機の内部の圧力は完全にバラ
ンスしているから、ばねの力によって斜板は図の左方向
即ち、圧縮機容量が0となる位置にある。この状態で、
搭乗者が空気調和装置のスイッチを入れると、図示しな
いクーリングユニットのファンが回転すると同時に圧縮
機の電磁クラッチ58及び電気回路に通電される。この
時点で圧縮機は回転を開始し、電気回路の時計回路が作
動し、時間のカウントを開始する。そして、所定の時間
経過後にスイッチ回路が作動して電磁弁46に通電す
る。この時、弁部材47は図の左方向へ移動してスピン
ドル50を押す。これにより、スピンドル50に設置さ
れたピン51がスリーブ6を図の左方向へ移動させ、圧
縮機の容量を設定された最大限の容量(本発明では5〜
10%)に増加させる。この結果、圧縮機は冷媒ガスの
圧縮を開始して、吸入圧力は低下し、吐出圧力は上昇す
る。この後は従来の圧縮機と同様に、蒸発圧力が常に略
一定値を保つように圧縮機容量を制御する。
【0018】このように、本発明に依れば圧縮機容量を
0から起動することができるので、圧縮機機動時のエン
ジン負荷を最小にでき、これによって乗り心地を改善で
きると云った効果がある。また、熱負荷が極めて小さく
しかも圧縮機回転速度が大きい場合には圧縮機容量が5
〜10%であっても熱負荷に対して冷房能力が勝ること
がある。このような場合にはピストン頂部と背面部の圧
力差によって斜板傾転角度か圧縮機容量5〜10%より
小さくなる方向に、即ち、スリーブ6を更に図の右方向
に移動させようとする力が生じる。本発明では、この力
に対抗する力はスピンドル50のフロント側とリア側の
端面に作用する圧力の差圧によって得ているため、この
力に比較してスリーブ6に圧縮機容量を小さくする方向
に作用する力が大きい場合には、圧縮機容量を5〜10
%より更に小容量で運転することができる。従って、圧
縮機の摺動部分に過大な荷重が掛かるのを回避できるの
で、圧縮機の信頼性を損なうことがないと云った効果が
ある。
【0019】次に、図3は本発明の他の実施例を示す図
で、本圧縮機は外部からの信号によって任意に圧縮機容
量を変化させることが可能な圧縮機に、本発明を適用し
たものである。即ち、この圧縮機では容量制御弁40の
メイン弁42を押し上げる力を得るためのパイロット弁
38の開弁力は、図1の実施例で述べたベローズ56の
周囲圧力(蒸発圧力に略等しい)によって生じる、パイ
ロット弁を開こうとする力を電磁弁57の力で弱めるよ
うにしてある。従って、図1に示した圧縮機では蒸発圧
力が略一定になるように容量制御したが、本圧縮機では
例えば、炎天下に置かれた車両に乗り込んだ直後のよう
に、熱負荷が極めて大きい場合には電磁弁の印加電圧を
大きくしてパイロット弁38を開きにくくする(これ
は、蒸発圧力を低下させることになる)ことによって、
圧縮機を最大容量で運転して冷媒流量を多くすると共に
蒸発温度を低下させ、車室内を急速冷房することができ
ると云った特徴を有している。この圧縮機に本発明を適
用することによって、斜板傾転角規制装置の制御回路と
蒸発圧力制御回路との定電圧回路を共用でき、しかもこ
れら回路を一体に形成できるので価格及び大きさの面で
比較的廉価にできると云った効果がある。また、熱負荷
が極端に低くしかも高速回転された場合、蒸発圧力制御
回路から電磁弁に印加される電圧を0としても尚、所望
の圧縮機容量が5〜10%以下である場合には前述のよ
うに、スリーブ6に対して圧縮機容量を小さくする方向
に作用する力がスピンドル50のフロント側とリア側の
端面に作用する圧力の差圧によって生じる力に打ち勝っ
て圧縮機容量を5〜10%より更に小容量で運転するこ
とができる。従って、前述のように、圧縮機の摺動部分
に過大な荷重が掛かるのを回避できるので、圧縮機の信
頼性を損なうことがないと云った効果がある他に容量制
御範囲を拡大できる。
【0020】図4は本発明の他の実施例を示す図であ
る。従来の圧縮機では、圧縮機を駆動することを目的と
して電磁クラッチ56を設けていたが、本発明ではこの
電磁クラッチ56を単なるプーリ59に置き換えてあ
る。従って、自動車のエンジンが始動すると同時にVベ
ルト(図示せず)を介して圧縮機が容量0で駆動され
る。搭乗者の要求により空気調和装置のスイッチが入る
と、クーリングユニット(図示せず)に組み込まれたフ
ァンが回転すると同時に電磁弁46に通電され、圧縮機
は回転速度と冷房熱負荷に対応した容量即ち、蒸発圧力
が略一定となる容量で運転される。
【0021】本発明によれば、空気調和装置のスイッチ
が入る迄の間は、圧縮機が空転する際の損失が生じる
が、これは略0に等しく、圧縮機の温度上昇など信頼性
を損なうことは無い。これに対して、電磁クラッチを単
なるプーリに置き換えたことに依り、Al系の材質を使
用できるので軽量化が図れ電磁コイルを使用しないので
安価な圧縮機が得られる。
【0022】尚、図4の実施例では図3に示した圧縮機
の電磁クラッチをプーリに置き換えた圧縮機を示した
が、図1に示した圧縮機の電磁クラッチをプーリに置き
換えても全く同様の効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば圧縮機容量を0から機動
できるので、冷凍サイクル始動時のエンジン負荷を最小
にでき、乗り心地を改善出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】本発明の斜板傾転角規制装置の詳細構造の断面
図。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】 1…シャフト、4…支点ピン、5…斜板、10…ピスト
ンサポート、11…回り止めピン、12…スライドボー
ル、13…フロントカバー、15…シュー、16…シュ
ーガイドスリーブ、17、18…ボール、20…ピスト
ン。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャフトの回転運動を圧縮機構の往復運動
    に換える往復変換機構、前記往復変換機構が前記シャフ
    トと共に回転するのを防止するための回り止め機構,冷
    媒圧縮機構,シール機構,容量制御機構を含む可変容量
    形片斜板式圧縮機において、 前記往復変換機構はシリンダブロックに複数設けられた
    シリンダの配置円の略中心部位置に設けられたシャフ
    ト、前記シャフトの中心より半径方向に離れた位置にあ
    り、前記シャフトに対して一定の軌道に沿って運動可能
    な支点ピン、前記支点ピン周りにシャフトの軸方向に揺
    動し、前記シャフトと共に回転する斜板、前記斜板に対
    して滑動可能に組み込まれたピストンサポート、両端に
    ボールを有するコネクティングロッドより構成され、 前記圧縮機構は前記シリンダブロックに形成された前記
    複数のシリンダ、前記シリンダ内に夫れ夫れ嵌合された
    ピストン、前記シリンダブロックのフロントカバーとは
    反対側に設置された吸入弁,シリンダヘッド,吐出弁,
    圧縮機外部と連通する低圧室及び高圧室を有するリアカ
    バーとで構成され、 回り止め機構は少なくとも前記ピストンサポートに設け
    られた回り止めピン,シュー、前記フロントカバーに設
    けられたシューガイドスリーブとで構成され、 前記シール機構は夫れ夫れの部品間に設置されたOリン
    グ,軸シールなどで構成され、 容量制御機構は少なくとも前記フロントカバーの内部と
    ピストン頭頂部の圧力差を制御するための圧力制御弁を
    有し、前記圧縮機の入り口冷媒圧力が所定の圧力以下に
    はならないように前記圧力差を制御して前記斜板の前記
    シャフトに対する角度即ち、圧縮機容量を制御すると共
    に、 前記斜板の前記シャフトに対する傾転角度の最小値を規
    制するための斜板傾転角規制装置を設け、前記規制装置
    は斜板角度を0から所定の値まで変更可能としたことを
    特徴とする可変容量形片斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の前記斜板傾転角規制装置
    は電磁弁で斜板角度を0から所定の値まで変更可能とし
    た冷凍機用可変容量型圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の前記斜板傾転角規制装置
    は少なくとも圧縮機起動直後から所定の時間は斜板傾転
    角度を0に保つ可変容量形片斜板式圧縮機。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の前記斜板傾転角規制装置
    は圧縮機起動前は電磁弁に通電せず斜板傾転角度を0に
    保ち、圧縮機起動から所定の時間経過後電磁弁に通電し
    て斜板傾転角度を所定の値とする可変容量形片斜板式圧
    縮機。
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