JP4584072B2 - ワッブル型圧縮機 - Google Patents
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Description
より詳しくは、ワッブルプレートはハウジング内のクランク室に収容され、駆動軸に揺動自在に支持されている。駆動軸にはロータが取付けられており、このロータはワッブルプレートにリンク機構を介して結合され、駆動軸とともに回転する。リンク機構はロータの回転をワッブルプレートの揺動運動に変換する。
特許文献1の装置はワッブルプレートの外周部内に形成した円筒孔を含み、この円筒孔はワッブルプレートの径方向に延び、そして、ワッブルプレートの外周面に開口する一方、ワッブルプレートの両面にそれぞれ径方向スロットを介して開口している。円筒孔内には円筒状のスライダが嵌合されている。このスライダは割溝を有し、この割溝はスライダの軸線方向に延び、径方向スロットに合致して位置付けられている。
特許文献2の装置は、特許文献1のスライダ及びガイドレールに代えてガイドボール及びガイドロッドを備えている。このガイドボールは、ガイドロッドに摺動自在に取付けられ、一対のガイドシューを介してワッブルプレートの円筒孔内に収容されている。特許文献2の場合、ワッブルプレートが揺動されたとき、ガイドボールはガイドロッドに沿って摺動する一方、円筒孔内をガイドシューとともにワッブルプレートの径方向に移動する。この結果、ワッブルプレートの自転はガイドロッド及びガイドボールにより阻止される。
また、特許文献1の装置の場合、ワッブルプレートの円滑な揺動運動を得るためには、ガイドレール及びスライダの割溝が高精度に加工されていなければならない。
摺動ボールの成形後、摺動ボールの外面に分離線に沿ってバリを生じることがある。このようなバリがギャップに収まる程度の大きさである限り、バリは上述した摺動ボールの回転を妨げることはない。それ故、分離線が上述の面内に位置付けられている場合、三日月形状のギャップ内にて、分離線と円筒孔の内面との間の距離は最大となり、ギャップは比較的大きなバリの受け入れを許容する。
更に、回転阻止装置は、円筒孔の内面と摺動ボールの外面との間に配置され、摺動ボールを挟み込む一対のブッシュを更に含むことができ、各ブッシュは円筒面の一部から形成され、円筒孔の内面に合致する外面と、摺動ボールの外面に合致する半球状の内面とを有する(請求項9)。この場合、ワッブルプレートが揺動されたとき、摺動ボールは、円筒孔の内面に対してはブッシュの外面を介して摺接し、そして、ブッシュの内面に対しては転接する。
更に、上述したクランク室の両端がワッブル型圧縮機のシリンダブロックとフロントケーシングの内端面とにより仕切られている場合、ガイドロッドは、シリンダブロック内に圧入された一端と、フロントケーシング内に摺動自在に挿入された他端とを有することができる(請求項8)。
請求項2〜5の圧縮機の場合、摺動ボールの分離線に沿ってバリが発生しても、このバリが三日月形状のギャップ内に収まる程度の大きさであれば、摺動ボールの成形後、成形ボールからバリを取り除くための後処理が不要となる。また、摺動ボールがグラファイト粉末又は粉末状のガラスボールが混入されたフェノール樹脂から形成されていれば、摺動ボールは成形後におけるサイズ変化を殆ど受けず、摺動ボールの研磨加工が不要となる。更に、摺動ボールはガイドロッドよりも柔らかいので、ガイドロッドのコーティングが不要となる。
請求項8の圧縮機の場合、ガイドロッドがシリンダブロックに予め組付けられているので、圧縮機への回転阻止装置の組付けを容易に行うことができる。
圧縮機2は円筒状のハウジング4を備え、このハウジング4は図1みて右側からフロントケーシング6及びシリンダブロック8を含む。シリンダブロック8はフロントケーシング6に向けて延びる円筒状のクランクケーシング10を一体に有し、このクランクケーシング10及びフロントケーシング6はガスケット及び複数の連結ボルト12を介して互いに連結されている。
クランク室14内の中央には駆動軸16が配置されている。駆動軸16はシリンダブロック8からフロントケーシング6に向けて延び、フロントケーシング6のボス18を気密に貫通して圧縮機2の外側に突出している。駆動軸16はシリンダブロック8及びフロントケーシング6のボス18のそれぞれにニードル軸受20を介して回転自在に支持されている。
更に、駆動軸16にはディスク状の傾斜プレート32が取付けられ、この傾斜プレート32は駆動軸16の軸線と交差する水平軸線34を中心に揺動可能である。傾斜プレート32とシリンダブロック8との間には圧縮コイルばね36が駆動軸16を囲むようにして配置され、この圧縮コイルばね36は傾斜プレート32をフロントケーシング6の内端面に向けて付勢する。一方、傾斜プレート32は駆動リンク38を介してロータ28に連結され、この駆動リンク38は傾斜プレート32の傾動を許容しつつ、ロータ28の回転を傾斜プレート32に伝達する。従って、傾斜プレート32はロータ28とともに回転する。
各シリンダボア48内にはピストン50がそれぞれ挿入され、これらピストン50は連結ロッド52を介してワッブルプレート42の外周部に連結されている。より詳しくは、連結ロッド52の両端は球面継手56を介してピストン50及びワッブルプレート42の双方に連結されている。従って、ワッブルプレート42が揺動されたとき、各ピストン50はそのシリンダボア48内にて図1中矢印方向Sに往復運動する。ピストン50のストロークはワッブルプレート42の揺動角、即ち、傾斜プレート32の傾斜角により決定される。なお、図2から明らかなように、この実施例の圧縮機2はピストン50を7個備えている。
吐出室70は、前述した冷凍回路の冷媒経路72を介して吸入室68に接続されており、冷媒経路には吐出室70側から凝縮器74、レシーバ76、膨張弁78及び蒸発器80等が順次介挿されている。
図1及び図3に示されているように、ワッブルプレート42の外周部内には円筒孔84が形成され、この円筒孔84はワッブルプレート42の外周面に開口し、且つ、ワッブルプレート42の径方向に延びている。ワッブルプレート42の両面には円筒孔84に沿って延びる径方向スロット86がそれぞれ形成され、これら径方向スロット86は円筒孔84をワッブルプレート42の両面にて開口させる。
更に、図5から明らかなように摺動ボール88はその外面に、センタ孔88aと同心の円筒面96を有する。この円筒面96は摺動ボール88の直径よりも小さいな直径を有し、センタ孔88aの軸線方向でみて摺動ボール88の中央に位置付けられている。
上述した回転阻止装置46によれば、ワッブルプレート42が揺動するとき、摺動ボール88はガイドロッド90上を摺動すると同時に、円筒孔84内にてガイドロッド90の軸線回りに回転しながらワッブルプレート42の径方向に移動する。従って、回転阻止装置46はワッブルプレート42の揺動を許容する一方、ワッブルプレート42の自転を阻止する。
例えば、図8に示されるように、回転阻止装置46は、円筒孔84の内面と摺動ボール88との間に配置された一対のブッシュ100を含むことができる。これらブッシュ100は、円筒孔84の内面に合致する円弧状の外面と、摺動ボール88の外面に合致する半球状の内面とを有する。ブッシュ100は、摺動ボール88と同様に前述したフェノール樹脂から形成されているのが望ましい。図8中に一対のギャップGは示されていないが、これらギャップGは摺動ボール88とブッシュ100との間に確保される。
図9に示されるように、摺動ボール88は前述したフェノール樹脂に代えて、焼結金属から形成することも可能である。この場合、図10に示されるようにガイドロッド90は、耐摩耗性のコーテング102を有しているのが好ましい。
6 フロントケーシング
8 シリンダブロック
14 クランク室
42 ワッブルプレート
46 回転阻止装置
48 シリンダボア
50 ピストン
84 円筒孔
86 径方向スロット
88 摺動ボール
90 ガイドロッド
96 円筒面
98 バリ(分離線)
100 ブッシュ
102 耐摩耗性コーテング
G ギャップ
Claims (11)
- シリンダボアを有するシリンダブロック、フロントケーシング及びクランク室とを含み、前記クランク室の両端が前記シリンダブロック及び前記フロントケーシングの内端面により仕切られている、ハウジングと、
前記シリンダブロックの前記シリンダボアに挿入されたピストンと、
前記クランク室内に収容され、前記ピストンを往復運動させるべく揺動可能なワッブルプレートと、
前記ワッブルプレートの自転を阻止する回転阻止装置と
を備え、
前記回転阻止装置は、
前記ワッブルプレートの外周部に形成され、前記ワッブルプレートの径方向内側に延びる円筒孔と、
前記ワッブルプレートの両面にそれぞれ形成され、前記円筒孔に沿って前記径方向に延び且つ前記円筒孔を前記クランク室内に開口させる径方向スロットと、
前記シリンダブロックから前記フロントハウジングの前記内端面に亘って前記ワッブルプレートの軸線と平行に延び、前記径方向スロットを通じて前記円筒孔を横断する円柱状のガイドロッドと、
前記ガイドロッドを貫通させた状態で、前記円筒孔内にこの円筒孔に沿って摺動自在に嵌合され、前記ガイドロッドの軸線方向に摺動自在であるともに前記円筒孔内にて前記ガイドロッドの軸線回りに回転自在な摺動ボールと
を含み、
前記摺動ボールは、前記ガイドロッドの軸線方向でみて、その中央に前記摺動ボールの直径よりも小さく且つ前記ガイドロッドの軸線と同心の円筒面を有し、この円筒面は前記摺動ボールと前記円筒孔の内面との間に三日月形状の一対のギャップを確保することを特徴するワッブル型圧縮機。 - 前記摺動ボールは2つの型を使用して成形され、前記円筒面に前記型間の分離面により形成される円形の分離線を有することを特徴とする請求項1に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記分離線は、前記円筒孔の軸線を含み且つ前記ガイドロッドを横断する面内に位置付けられていることを特徴とする請求項2に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記摺動ボールは、グラファイト粉末及び粉末状のガラスボールの何れかが混入されたフェノール樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のワッブル型圧縮機。
- 前記摺動ボールは、射出成形、射出・圧縮成形及び圧縮成形の何れかのプロセスを使用して形成されていることを特徴する請求項2〜4の何れかに記載のワッブル型圧縮機。
- 前記摺動ボールは焼結金属から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記ガイドロッドは、耐摩耗性のコーティングを有することを特徴とする請求項6に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記ガイドロッドは、前記シリンダブロック内に圧入された一端と、前記フロントケーシング内に摺動自在に挿入された他端とを有することを特徴とする請求項1に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記回転阻止装置は、前記円筒孔の内面と前記摺動ボールの外面との間に配置され、前記摺動ボールを挟み込む一対のブッシュを更に含み、前記各ブッシュは円筒面の一部から形成され、前記円筒孔の内面に合致する外面と、前記摺動ボールの外面に合致する半球状の内面とを有することを特徴とする請求項1に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記ブッシュは、グラファイト粉末及び粉末状のガラスボールの何れかが混入されたフェノール樹脂から形成されていることを特徴とする請求項9に記載のワッブル型圧縮機。
- 前記ブッシュは、射出成形、射出・圧縮成形及び圧縮成形の何れかのプロセスを使用して形成されていることを特徴とする請求項10に記載のワッブル型圧縮機。
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