JP4764327B2 - 揺動板式圧縮機 - Google Patents
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Description
特許文献1等の揺動板式圧縮機においては、ラジアルベアリングとして、外輪が揺動板に圧入固定されたニードルベアリングが使用されている。斜板の回転時の動的バランスを取ると共に一体化した揺動板とニードルベアリングの斜板ボス部からの脱落を防止するために、揺動板の端面に摺接するバランスリングが止め輪を用いて斜板ボス部に外嵌合固定されている。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、円環板部と円環板部の中央に形成された筒状のボス部とを有し主軸に取り付けられて主軸により回転駆動される斜板と、スラストベアリングを介して斜板の円環板部に相対回転可能に係合すると共にラジアルベアリングを介して斜板のボス部に相対回転可能に外嵌合し斜板の回転によって揺動する揺動板と、揺動板に接続されて往復動するピストンとを備える揺動板式圧縮機であって、従来技術に比べて揺動機構部の部品数が少ない揺動板式圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る揺動板式圧縮機においては、斜板のボス部に係止した止め輪をボールベアリングの内輪の端面に摺接させて、一体化した揺動板とボールベアリングの斜板ボス部からの脱落を防止しているので、前記脱落を防止するためにバランスリングを配設する必要は無い。従って、斜板の周方向の質量分布を改善して、斜板の回転時の動的バランスを改善すれば、従来技術の揺動板式圧縮機において必要とされたバランスリングを廃止して揺動機構部の部品数を減らすことができる。
揺動板の内周縁部をボールベアリングの外輪の端面へ向けてかしめるためには、揺動板の内周縁部の肉厚をボールベアリングの外輪の幅よりも大きくする必要がある。揺動板の内周縁部の肉厚を内周縁部の全周に亙ってボールベアリングの外輪の幅よりも大きくすると、揺動板の重量が過大になる。揺動板の前記圧入方向後方側の端面の内周縁部に、周方向に互いに間隔を隔てて複数のリブを形成し、当該リブを外輪の前記圧入方向後方側の端面へ向けてかしめることにより、揺動板の重量増を抑制しつつ、ボールベアリングを揺動板に固定することが可能になる。
リブを、隣り合うピストンロッド枢着用ソケットの間に形成することにより、ソケットのかしめ作業時にリブがかしめ用工具に干渉するのを防止できる。
揺動板の、リブの径方向外方に隣接する部位の肉厚を、リブの周方向に隣接する部位の肉厚よりも減少させることにより、揺動板を軽量化できる。
図1に示すように、可変容量揺動板式圧縮機Aは、主軸10と、主軸10に固定されたローター11と、傾角可変に主軸10に支持された斜板12とを備えている。斜板12は、斜板12の傾角変動を許容するリンク機構13を介してローター11に連結され、ローター11ひいては主軸10に同期して回転する。斜板12は円環板部12aと円環板部12aの中央に形成された筒状のボス部12bとを有している。
スラストベアリングとして機能するローラーベアリング14を介して斜板12の円環板部12aに相対回転可能に係合すると共に、ラジアルベアリングとして機能するボールベアリング15を介して斜板12のボス部12bに相対回転可能に外嵌合し、斜板12の回転によって揺動する揺動板16が、斜板12に隣接して配設されている。
図2(b)、(c)に示すように、揺動板16の、リブ16bの径方向外方に隣接する部位16eの肉厚は、リブ16bの周方向に隣接する部位16fの肉厚よりも減少している。部位16fの肉厚は、外輪15aの幅よりも若干小さい。
図1に示すように、斜板12のボス部12bに係止された止め輪17が、ボールベアリング15の内輪15bの、前記圧入方向後方側の端面に摺接することにより、一体化した揺動板16とボールベアリング15の斜板ボス部12bからの脱落が防止されている。
ベアリング14、15、揺動板16、ガイド棒18により、揺動機構部が形成されている。
複数のソケット16dと、複数のピストンロッド19aと、複数のピストンヘッド19bと、複数のシリンダボア20aとが、周方向に互いに間隔を隔てて配設されている。
フロントハウジング22に取り付けられた図示しない動力伝達部材を介して図示しない外部駆動源から主軸10の先端部に回転動力が伝達される。
シリンダブロック20とシリンダヘッド23との間にシリンダボア20aに連通する吸入穴24aと吐出穴24bとが形成された弁板24が配設されている。弁板24に吸入弁と吐出弁とが装着されている。
フロントハウジング22とシリンダブロック20、シリンダブロック20と弁板24とシリンダヘッド23とは、それぞれ複数のボルトにより一体に組み付けられている。
斜板12の主軸10に対する傾角が可変制御されてピストンヘッド19bのストロークが可変制御され、可変容量揺動板式圧縮機Aの吐出容量が可変制御される。
10 主軸
12 斜板
15 ボールベアリング
16 揺動板
16b リブ
17 止め輪
19b ピストンヘッド
20a シリンダボア
23a 吸入室
23b 吐出室
Claims (4)
- 円環板部と円環板部の中央に形成された筒状のボス部とを有し主軸に取り付けられて主軸により回転駆動される斜板と、スラストベアリングを介して斜板の円環板部に相対回転可能に係合すると共にラジアルベアリングを介して斜板のボス部に相対回転可能に外嵌合し斜板の回転によって揺動する揺動板と、揺動板に接続されて往復動するピストンとを備え、ラジアルベアリングはボールベアリングであり、当該ボールベアリングは、外輪が揺動板に圧入され、圧入方向前方側の外輪の端面が前記圧入方向前方側の揺動板の端面に形成された内フランジに当接し、且つ揺動板の前記圧入方向後方側の端面の内周縁部が外輪の前記圧入方向後方側の端面へ向けてかしめられることにより揺動板に固定され、斜板のボス部に係止された止め輪がボールベアリングの内輪の前記圧入方向後方側の端面に摺接することにより、一体化した揺動板とボールベアリングの斜板ボス部からの脱落が防止されていることを特徴とする揺動板式圧縮機。
- 揺動板の前記圧入方向後方側の端面の内周縁部に、周方向に互いに間隔を隔てて複数のリブが形成されており、当該リブが外輪の前記圧入方向後方側の端面へ向けてかしめられていることを特徴とする請求項1に記載の揺動板式圧縮機。
- 揺動板の前記圧入方向後方側の端面の外周縁部に、周方向に互いに間隔を隔てて複数のピストンロッド枢着用ソケットが形成されており、前記リブは隣り合うソケットの間に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の揺動板式圧縮機。
- 揺動板の、前記リブの径方向外方に隣接する部位の肉厚が、前記リブの周方向に隣接する部位の肉厚よりも減少していることを特徴とする請求項3に記載の揺動板式圧縮機。
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