JP3194937B2 - 可変容量斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量斜板式圧縮機

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JP3194937B2
JP3194937B2 JP17741290A JP17741290A JP3194937B2 JP 3194937 B2 JP3194937 B2 JP 3194937B2 JP 17741290 A JP17741290 A JP 17741290A JP 17741290 A JP17741290 A JP 17741290A JP 3194937 B2 JP3194937 B2 JP 3194937B2
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    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば自動車空調機用冷媒圧縮機等に用い
られる容量制御斜板式圧縮機の構造に係り、特に圧縮機
の振動騒音の低減に好適な容量制御斜板式圧縮機に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の自動車空調用容量制御斜板式圧縮機は、例えば
特公昭58−4195号公報,実開昭61−142184号公報,特開
昭61−286591号公報に記載されている。上記従来の容量
制御斜板式圧縮機は、自動車エンジンより駆動力を入力
されて回転する主軸に固定された駆動ピンあるいは駆動
リングに動力が伝達されて、上記駆動ピンあるいは駆動
リングに係合しているリンク機構あるいはカム機構によ
つて主軸に対する傾斜角(斜板傾転角)が任意に変化す
る斜板が回転・揺動運動を行いピストンを往復運動させ
る構成となつていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術においては、主軸の回転に伴う回転部材
の遠心力の不つりあいは、前記駆動ピンあるいは駆動リ
ングの遠心力と斜板の遠心力不つりあいの和として発生
する。また、斜板に掛留して揺動運動する揺動板の重心
位置が斜板の傾転中心から離れている場合にも不つりあ
いが生じる。上記遠心力の不つりあいのうち、駆動ピン
あるいは駆動リングの遠心力は、斜板傾転角には無関係
に決まる。これに対して、斜板及び揺動板の遠心力は斜
板傾転角によつて斜板及び揺動板を構成する各要素部の
重心位置および主軸中心からの距離が変わるため、斜板
傾転角に対して変化する。したがつて、これらを合成し
た遠心力の不つりあいは同じ回転速度であつても斜板傾
転角に対して変化することになる。つまり、斜板傾転角
によつて遠心力の不つりあいが異なるため、最大斜板傾
転角(最大容量)あるいは最小斜板傾転角(最小容量)
時に遠心力の不つりあいが大きくなり、この遠心力の不
つりあいによつて、圧縮機が振動して車体の内・外の振
動・騒音が大きく、特にエンジンのアイドル回転時に顕
著に発生するという問題があつた。
本発明の目的は、上記従来技術のもつ欠点を解消し、
振動・騒音のすくない可変容量斜板式圧縮機を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、駆動源により回転駆動される主軸と、こ
の主軸に固定されたドライブプレートと、このドライブ
プレートと係合部により前記主軸に対して傾転可能に係
合されて回転する斜板本体と、この回転する斜板本体に
回転自在に支持されて揺動運動するピストンサポート
と、このピストンサポートに掛留してシリンダ内を往復
運動するピストンにより構成され、前記斜板本体の傾転
角を変えることにより容量制御を行なう可変容量斜板式
圧縮機において、前記斜板本体に備えられ、前記斜板と
共に傾転及び回転し、前記斜板本体の傾転角に対する遠
心力の増減を示す傾きの符号が斜板本体と異なる部材
と、前記ドライブプレートに設けられ、前記ドライブプ
レート、前記斜板本体及び前記部材とによる主軸に作用
する遠心力が零となる傾転角度を調整する付加質量とを
備えることにより達成される。また、上記目的は、駆動
源により回転駆動される主軸と、この主軸に固定された
ドライブプレートと、このドライブプレートと係合部に
より前記主軸に対して傾転可能に係合されて回転する斜
板本体と、この回転する斜板本体に回転自在に支持され
て揺動運動するピストンサポートと、このピストンサポ
ートに掛留してシリンダ内を往復運動するピストンによ
り構成され、前記斜板本体の傾転角を変えることにより
容量制御を行なう可変容量斜板式圧縮機において、前記
斜板本体ノーズ部に取り付けられ、前記斜板と共に傾転
及び回転し、この斜板本体の係合部側に設けられた付加
質量部を有し、前記斜板本体の傾転角に対する遠心力の
増減を示す傾きの符号が斜板本体と異なるバランスリン
グとを備えることにより達成される。
〔作用〕
本発明では、第1に、斜板本体の傾転角に対する遠心
力の増減を示す傾きの符号が斜板本体と異なる部材と、
ドライブプレートに設けられ、ドライブプレート、斜板
本体及び部材とによる主軸に作用する遠心力が零となる
傾転角度を調整する付加質量とを備えることにより、斜
板本体の傾転角に対する変化の割合を小さくすることが
できると共に、主軸に作用する遠心力を零とする傾転角
度を調整することができる。また、第2に、斜板本体ノ
ーズ部に取り付けられ、斜板と共に傾転及び回転し、こ
の斜板本体の係合部側に設けられた付加質量部を有し、
斜板本体の傾転角に対する遠心力の増減を示す傾きの符
号が斜板本体と異なるバランスリングとを備えることに
より、斜板本体の傾転角に対する変化の割合を小さくす
ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図〜第13図を用いて説明
する。第1図は本実施例による可変ストローク斜板式圧
縮機の全体構造を示したもので、斜板傾転角が最大、つ
まりピストンストロークが最大となつている状態を示し
ている。ハウジングはフロントハウジング1及びシリン
ダブロツク2とからなる。すなわち、円筒状のシリンダ
ブロツク2の一端側には、お椀状のフロントハウジング
1が設置されて固定されている。これらの断面中央部に
はラジアル針状コロ軸受18,19を介して主軸13が回転自
在に支承されている。フロントハウジング1内に斜板の
存在する斜板室10が形成されている。シリンダブロツク
2内には主軸13を中心として主軸13の軸線と平行に複数
のシリンダ33が円周方向に配置されている。
主軸13にはピン11または塑性結合などによりドライブ
プレート14が固定されている。このドライブプレート14
は斜板本体12と共に斜板を構成する。すなわち斜板をド
ライブプレート14と斜板本体12に分割し以下述べる構成
をとることにより斜板本体12の傾斜角(斜板傾転角)を
変化させるピストンのストロークを変化させることがで
きるものである。すなわち、このドライブプレート14に
は耳部141が形成され、この耳部141にカム溝142が設け
られている。カム溝142内には、斜板側のピボツトピン1
6が移動可能に取付けられている。またドライブプレー
ト14の耳部141と斜板耳軸121とは互いに側面が接触する
ような構造になつている。これにより、主軸13の回転に
よりドライブプレート14が回転すると、ドライブプレー
ト14上の耳部141から斜板耳軸121に回転力が与えられ、
斜板本体12が回転する。なお、ドライブプレート14に形
成されたカム溝142は一つの閉曲線からなる縁を有し、
ピボツトピン16がこのカム溝142内を移動してもピスト
ン31の上死点位置が変らないような曲線としてある。
主軸13には、スリーブ15が主軸13に対して軸方向に滑
動可能に組み込まれている。このスリーブ15と斜板本体
12とはスリーブピン17により連結され、スリーブ15に対
して斜板本体12がスリーブピン17の回りに回動自在なよ
うに締結されている。このときスリーブ15が図中右方向
に滑動すると斜板本体12の傾斜は小さくなる。なお、主
軸13の回転により、ドライブプレート14,斜板本体12,ス
リーブ15が共に回転する。したがつて、上記スリーブピ
ン17が斜板本体12の斜板傾転中心となる。
斜板本体12にはボールベアリング23を介してピストン
サポート21が接触するように保持されている。また、斜
板本体12のノーズ部122にはバランスリング24が止め輪2
2によつて、ボールベアリング23に与圧を付加するよう
に固定されており、ボールベアリング23が斜板本体12に
対し回転方向に相対的に移動しないようになつている。
さらに、ピストンサポート21は突起部211により、ボ
ールベアリング23に対して同図の右方向への移動を規制
され、しかも斜板本体12との間に設置されたスラストベ
アリング25により、同図の左方向への移動も規制されて
いる。また、ピストンサポート21の下側位置で、かつ半
径方向にサポートピン26が圧入,ねじ込み、あるいは塑
性結合などの方法が固定されている。このサポートピン
26にはスライドボール27,スライドボール27の外周面に
当節する内面が球面状であり、外周面が円筒形状のスラ
イドシユー28が装着され、サポートピン26は軸方向溝29
に対し回転及び滑動可能になつている。このようにし
て、このスライドシユー28は、フロントハウジング1の
内周底部に設けられた前記軸方向溝29を往復運動する。
これにより前記ピストンサポート21が主軸13の回りに回
転しないよう軸回りの運動を規制する。
ピストンサポート21には、コンロツド32の一端が保持
されている。すなわちコンロツド32は、1つのステム部
323の両端にボール部321,322が溶接等で結合されて形成
される。そしてこのコンロツド32の一端、すなわちボー
ル321がピストンサポート21の保持される。この保持は
ボール321の中心回りに回転自在におこなわれる。他
端、すなわちボール322も、同様にボール322の中心回り
に回転自在に、かしめ等の方法によつてピストン31に保
持されている。このようなコンロツド32とピストン31は
複数個存在する。
この複数個のピストン31は前記シリンダブロツク2に
設けられた複数のシリンダ33内に往復動自在に嵌合され
て組み込まれている。なおピストン31にはピストンリン
グ34,35が装着されている。
シリンダブロツク2の右側には吸入弁板5,シリンダヘ
ツド4,吐出弁板6,パツキン7,リアカバ3とが配置されて
いる。さらに、このシリンダブロツク2は、フロントハ
ウジング1と一体に、通しボルト(図示せず)などで固
定されている。フロントハウジング1とシリンダブロツ
ク2との気密はOリング38によつて保つている。リアカ
バ3とシリンダブロツク2とはOリング39で気密を保つ
ている。
リアカバ3には吸入口30と吐出口(図示せず)が設け
られている。この吸入口30は吸入通路301とつながり、
制御弁400を経て吸入室8につながつている。この吸入
室8および吐出室9はそれぞれ吸入弁板5と吐出弁板6
を介して各々吸入ポート401と吐出ポート402に通じてい
る。これらの吸入ポート401と吐出ポート402は各々シリ
ンダ33に対応してシリンダヘツド4に設けられている。
前記制御弁400の上流側とフロントハウジング1内の
斜板室10とは圧力を同じにするために連通されている。
すなわち、リアカバ3,止めピン75及びねじ部材202の中
心部に設けられた各々の連通路303,76及び203と主軸13
の中心部に設けられた連通131、この通路131に接続した
ドライブプレート14に半径方向に開口する通路143によ
り連通している。他方、制御弁400の下流側は吸入室8
に通じている。
この制御弁400は、圧縮機外部で制御するものであつ
てもよいし、第2図に示すようなものでもよい。
まず第2図に示す制御弁400の構造について述べる。
ピストン状のメインバルブ410は、吸入通路301と吸入
室8を結ぶ流路に設置され、メインバルブ410,メインバ
ルばね412とともに、メインバルブケース411内に挿入さ
れている。メインバルブケース411はOリング414,415及
びフタ35によつてリアカバ3に気密及び固定されてお
り、メインバルブ410とともに制御弁下流側の流路413を
形成している。前記メインバルブばね412によりメイン
バルブ410の弁開度が増加するように付勢されている。
メインバルブばね412の反対側には、ベローズ420を収納
するベローズ室421が形成されており、該ベローズ室421
と前記吸入通路301は均圧孔422で連通している。ベロー
ズ室421を形成しているケース423の外壁とリアカバ3に
は均圧路424が設けられており、リアカバ3に設けられ
た前記連通路303と連通している。したがつて、前記斜
板室10とベローズ室421及び吸入通路301は同じ圧力とな
り、該圧縮機の吸入圧力に保たれている。
パイロツトバルブ430は、パイロツトバルブばね431で
ベローズ420側に付勢されている。ベローズ420には、ベ
ローズばね425がベローズ420を縮める方向に付勢するよ
うに設置されている。パイロツトバルブばね431を介し
てヘツドスプリング451を有するプランジヤ450が設置さ
れており、プランジヤ450の回りに電磁コイル452が形成
されている。
パイロツトバルブ430が設けられているパイロツトバ
ルブ室432は、連通孔433,434及び304によつて吐出室9
と連通しているとともに、パイロツトバルブ430を介し
て、連通路440によつてメインバルブ410の頭部と連通し
ている。
次に、容量制御のメカニズムについて述べる。
蒸発器(図示せず)の熱負荷が減少すると、該圧縮機
の吸入圧力、すなわち吸入通路301内の圧力が低下する
ためベローズ420が伸長する。その結果、パイロツトバ
ルブ430が開いて、パイロツトバルブ室432の吐出圧力
が、連通路440を介してメインバルブ410の頭部に作用
し、メインバルブ410を押し下げる。よつて制御弁下流
側流路413が絞られるため、吸入室8内の圧力、すなわ
ち吸入ポート401直前の圧力が低下することになる。そ
の結果、ピストン31の左右の圧力差(斜板室10の圧力と
吸入ポート401直前の圧力との差)が増大するため、斜
板傾転角が減少し、ピストンストロークが減少する。
一方、蒸発器(図示せず)の熱負荷が増大した場合に
は、上記動作とは逆になる。つまり、熱負荷が増大して
吸入圧力が上昇し、ベローズ420が収縮してパイロツト
バルブ430が閉となる。その結果、メインバルブ410の頭
部圧力が低下するため、制御弁下流側流路413が開くの
で、ピストン31の左右の圧力差が減少し斜板傾転角が増
大してピストン31のストロークが大きくなる。
つぎに、外部制御による容量制御について述べる。
電磁コイル52の印加電圧を外部信号(例えば温度,圧
力等)によつて変化させて、圧縮機の吸入圧力をコント
ロールするものである。例えば、クールダウン時等の冷
力が必要な時には、電磁コイル452の印加電圧を下げる
と、プランジヤ450の吸引力が小さくなり、ヘツドスプ
リング451の押付荷重が大きくなるためにパイロツトバ
ルブ430が閉まる。その結果、メインバルブ410が全開と
なるため、該圧縮機は最大ストローク、すなわち最大容
量で運転され、圧縮機の吸入圧力が低下することにな
り、冷媒流量が増加する。
次に、斜板傾転角度の上限と下限を規制する構造につ
いて述べる。斜板傾転角が小から大なる方向に動作する
過程においては、スリーブ15は主軸13上を第1図で右か
ら左の方向にスライドする。これによつて斜板本体12は
スリーブピン17を中心に時計方向に傾転する。そして、
斜板傾転角が最大(ピストンストロークが最大)とな
る。斜板本体12には、主軸13に対して斜板耳軸121とは
反対側に傾転規制部123が軸対称に2カ所設けられてお
り、該傾転規制部123と前記ドライブプレート14の傾転
規制部144とが当接することによつて、最大傾転角すな
わち最大容量位置を決める。斜板本体12には、ガス圧縮
に伴うスラスト荷重がデイスク部124に作用する。この
スラスト荷重は変動しながらデイスク部124面上を移動
する。しかも荷重の中心が主軸13の中心より離れてい
る。したがつて、斜板本体12には、y軸(第5図におい
てI−I線に相当する軸)まわりに斜板本体12を回転さ
せるように働くモーメントが作用し、このモーメントは
圧縮機容量が大きくなるほど大きくなる。つまり、最大
傾転角時にはこのモーメントが最も大きくなる。
このモーメントを受ける方法として、従来は、(1)
ドライブプレート14とスリーブ15で受ける、(2)ドラ
イブプレート14と斜板本体12にてy軸の軸線上で、しか
も1カ所で受ける。としていたためスリーブピン穴の異
常摩耗やスリーブ15の破損といつた問題を招因してい
た。しかし、上記した最大容量規制構造、すなわち前記
斜板耳軸121とは主軸13に対して反対側の位置で、しか
も主軸13の中心からの距離が長く、さらにy軸に対して
左右2カ所で上記モーメントの反力を受ける構造として
いるため、反力を大幅に低減できるとともに安定した支
持ができるので従来の問題点を解消することができる。
ところで、最大容量時にはスリーブ15とドライブプレ
ート14及びピボツトピン16とカム溝142の上部には適当
な間隙を設けているため、各部材が接触することを回避
している。また、斜板傾転角が最小(ピストンストロー
クが最小)時には、主軸13上に設置した止め軸132及び
ばね部材133にスリーブ15の右端部を当接することによ
つて、最小ストロークの位置を規制している。主軸13上
にドライブプレート14とスリーブ15の間に設置したばね
134及び、スリーブ15と止め輪132の間に設置したばね部
材133は、それぞれピストンストロークを最小方向及び
最大方向に付勢するように設けられている。
ガスを圧縮する際に主軸13に作用する左方向のスラス
ト力(軸方向の力)は、前記ドライブプレート14を経て
フロントハウジング1の間に設置したスラストベアリン
グ42で支持される。また主軸13に作用するラジアル力
(半径方向の力)は、フロントハウジング1及びシリン
ダブロツク2の軸受ハウジング20内に設けられた2個の
ラジアル針状コロ軸受19及び18で支持される。主軸13の
右端部には、スラストベアリング201がねじ部材202によ
つてシリンダブロツク2の軸受ハウジング20内に固定さ
れている。前記スラストベアリング42に使用されている
スラストレースの厚さとねじ部材202の締付力によつ
て、該圧縮機のトツプクリアランス(ピストン31が上死
点にあるとき、ピストン31の頭部と吸入弁板5との間隙
として定義される)を調整できるようになつている。
以上述べた構成とすることによつて、エンジン(図示
せず)により、この圧縮機の主軸13に駆動力が入力され
ると、ドライブプレート14及び斜板本体12が回転し、主
軸13の回転軸に対しピストンサポート21が揺動運動す
る。この揺動運動はいわゆるみそすり運動とよばれるも
ので、丸い器の中に入つた液体に円運動を与えたときに
液面のおこなう運動に似ている。この揺動運動によつて
ピストン31がシリンダ33内を往復運動(主軸13の軸方向
に平行な直線運動)することになる。
冷凍サイクル(図示せず)から帰還した冷媒は、吸入
口30に流入し、制御弁400で適正な圧力に制御され低下
した後、吸入室8に導入され、シリンダヘツド4の吸入
ポート401,吸入弁板5を経てシリンダ33内に流入し、吸
入行程を終了する。
ピストン31により圧縮された冷媒は、シリンダヘツド
4の吐出ポート402,吐出弁板6を経てリアカバ3内に形
成された吐出室9に吐出され、吐出口(図示せず)から
冷凍サイクル(図示せず)に吐出される。
つぎに、第3図から第6図によりドライブプレート1
4,斜板本体12の形状を示す。
ドライブプレート14には、第3図および第4図に示す
ようにカム溝142を備えた耳部141が設けられている。こ
こで、第3図において遠心力の方向を定義する。主軸13
の中心に対して上方向を+y方向、下方向を−y方向、
右方向を+x方向、左方向を−x方向とする。上記カム
溝142を備えた耳部の位置は、y方向には正側、x方向
には負側に設けられている。この耳部141の不つりあい
量に対して、x方向にはバランス質量部147でほぼ不つ
りあい量を零としている。またy方向に対してはバラン
ス質量部146を設けることによつて、質量中心が負側に
なるようにしている。該バランス質量部146は扇形状に
形成されており、斜板傾転角が最大、すなわち最大容量
時に斜板本体12のデイスク部124を収納するように空間
部148が設けられるとともに、該空間部148には最大容量
時における斜板本体12の傾転位置を規制する傾転規制部
144が設けられている。
斜板本体12は第5図および第6図に示すようにスリー
ブピン17を回転自在に支持し、ピストンサポート14を支
持するノーズ部122と、斜板耳軸121,デイスク部124,傾
転規制部123からなる。ノーズ部122の先端部には、バラ
ンスリング24を取り付けるためのねじ部126が形成され
ており、調整ナツト99で前記ボールベアリング23に予圧
を与えると共に、バランスリング24を固定する。
斜板本体12は斜板耳軸121を除けばほぼ円板及び円筒
形状の組合せとなる。また、該耳軸121の不つりあい量
を減ずるために、デイスク部124の耳軸121側に凹所部12
7が形成されている。
つぎに、ピストンサポート21に形成される質量分布に
ついて述べる。
斜板本体12の回転に伴いスリーブピン17を中心として
揺動運動する部材は、ピストンサポート21,ボールベア
リング23の外輪,スラストベアリング25の斜板本体12側
のスラストレース並びにサポートピン26,スライドボー
ル27及びスライドシユー28から成る回り止め機構部から
構成されている。第7図はピストンサポート21の正面
図、第8図は第7図のI−I線断面図を示す。ピストン
サポート21には、前記コンロツド32の一端のボール部32
1を保持する凹所部212(a)〜212(f),ツバ部213
(a)〜213(f),給油孔214(a)〜214(f),前
記ボールベアリング23の外輪を収納する軸受ハウジング
部215,前記突起部211が形成されている。また、前記斜
板本体12の傾転中心、すなわち前記スリーブピン17の中
心より前記ピストン31側には付加質量部216(a)〜216
(e)及び217が形成されている。この付加質量部216
(a)〜216(e)及び217は、前記凹所部212(a)〜2
12(f)及び突起部へ211等によつてピストンサポート2
1の質量重心位置が前記スリーブピン17の中心より前記
ドライブプレート14側に存在していたものを前記スリー
ブピン17の中心に持つてくるために形成されるととも
に、回り止め機構部(第7図及び第8図ではサポートピ
ン26のみ開示)の慣性力を釣り合わせるために形成され
ている。なお、回り止め機構部の慣性力だけを釣り合わ
せるのであれば上記付加質量部216(b)及び216(d)
は削除して良いことは明らかである。付加質量部217は
回り止め機構部の主軸中心に対して対称な位置に設けら
れている。また、上記付加質量216(a)と216(d)及
び216(b)と216(e)はそれぞれ軸対称に形成されて
いる。
上記構成とすることによつて、ピストンサポート21の
質量重心位置がスリーブピン中心に合致するため該ピス
トンサポート21の揺動運動に伴うアンバランスをほぼ零
とすることができるとともに、サポートピン26を含む回
り止め機構部のアンバランスを釣り合わせることができ
る。
第9図及び第10図は本発明の他の実施例を示すもの
で、第9図は本発明によるピストンサポートの正面図、
第10図は第9図のI−I線断面図である。なお、前述し
た第7図及び第8図と構造が同じ部位には同一番号を付
しその構造の説明は省略する。
ピストンサポート21のスリーブピン17の中心より前記
ドライブプレート14側には凹所部へ218(a),218
(b),218(d),218(e)が前記主軸中心に対して対
称な位置に形成されているとともに、凹所219も上記同
様に、サポートピン26とは主軸に対して対称な位置に形
成されている。上記凹所部218(a)〜218(e)及び凹
所部へ219は、ピストンサポート21の質量中心を前記ス
リーブビン17中心にほぼ合致するように作用するととも
に、ピストンサポート21の質量を低減することができ
る。このピストンサポート21の質量を低減することがで
きれば、ピストンサポート21を含む往復動慣性質量を減
じることができるので、該圧縮機の荷量制御特性を向上
させることができる。
第11図及び第12図は本発明の他の実施例を示すもの
で、第11図は本発明によるピストンサポートの正面図、
第12図は第11図のI−I線断面図である。上記同様同一
構造の部分には同一符号を記して説明を省略する。
ピストンサポート21のスリーブピン17の中心より前記
ピストン31側(第11図において右方向側)には、ピスト
ンサポート21の比重より大きい比重の部材220(a),22
0(b),220(d),220(e)及び221が形成されてい
る。例えば、ピストンサポート21は通常アルミニウム合
金を使用しているため、上記部材220(a),220(b),
220(d),220(e)及び221は鋳物として鋳込み方式と
する手段が有効である。上記部材220(a)と220
(d),220(b)と220(e)及び221とサポートピン26
は、それぞれ主軸中心に対して対称な位置に設けられて
いる。
上記構成とすることによつて、比重の大きい部材を用
いることができるので、容易にピストンサポートの質量
重心位置を調整することができる。
なお、以上の実施例では、ピストンサポート21の重心
位置をスリーブピン17の中心に合わせたが、スリーブピ
ン17の中心をピストンサポート21の重心位置に合わせて
も良い。
又、サポートピン26の軸中心線上にスリーブピン17の
中心およびボール部321の中心がくるように構成するの
が望ましい。
以上のように構成した本実施例の効果を第13図に示
す。斜板傾転角αと遠心力Fyの関係から説明する。な
お、第13図は圧縮機回転速度Nc=900rpmにおける値を示
している。本実施例においては斜板本体12の耳軸121の
不つりあい量をデイスク部124の耳軸121側に凹所部127
を設けることによりバランスさせているので、斜板本体
の質量は小さくできる。そのため、斜板本体12の重心は
斜板本体の傾きにより主軸13の軸心からずれるが、その
遠心力の斜板傾転角αに対する傾きは、小さくなる。
また、前記したようにドライブプレート14のバランス
質量部146を大きくして、第13図に示すように斜板本体1
2によつて決まる遠心力を負側にシフトすることができ
る。
すなわち、本実施例では斜板本体12の付加質量を設け
ることなく、デイスク部124の耳軸121側に凹所部を設け
ることによりバランスをとつているので、斜板傾転角に
対する遠心力の傾きをさらに小さくし、ドライブプレー
ト14のバランス質量部を大きくして、最小容量側より最
大容量側で遠心力を小さくしたものである。この遠心力
の絶対値レベルを最大容量側で小さくするか、最小容量
側で小さくするかは、前述したようにドライブプレート
14あるいは電磁クラツチ137のどちらかでバランスをと
ることによりどのようにでも設定できる。本実施例にお
いて、最大容量側で遠心力による不つりあいを小さくし
たのは、例えば、(1)自動車用エンジンは低速回転時
の振動及び騒音が著しく低くなつてきている。(2)該
可変容量圧縮機は、自動車用エンジンによりVベルトで
駆動されるため、圧縮機の回転速度はほぼエンジンの回
転速度に等しい。ところで、該圧縮機の容量は自動車の
車室内の熱負荷によつて変化するが、エンジン回転速度
が低減、例えば、アイドリングや渋滞走行時などの状態
の方が、該圧縮機容量が最大で駆動される頻度が高い。
すなわち、該可変容量圧縮機は、低速回転時に最大容量
状態で運転される機会が多いことになる。などの理由に
よるものである。また、本実施例では、y軸方向の遠心
力だけでなくx軸方向の遠心力も非常に小さくなつてい
る。
つぎに、本実施例においては、第1図に示すようにピ
ストンサポート21の重量重心位置にピストンサポート14
の揺動中心、すなわちスリーブピン17の中心をあわせて
いる。ピストンサポート14の重心がスリーブピン17の中
心より離れている場合には、その偏心量にピストンサポ
ート重量を掛けあわせた量の不つりあい量がピストンサ
ポート21が揺動運動することによつて生じる。このピス
トンサポート21の不つりあい量を本実施例ではほぼ零と
している。また、本実施例では第1図において、サポー
トピン26の中心を通る軸線を延長したときにその軸線が
ピストンサポート側のコンロツドボール321の球中心を
通るように構成している。このような構成とすることに
よつて、ピストンサポート21の揺動運動に伴う不つりあ
い量を低減できる。
つぎに、第14図及び第15図を用いて、斜板傾転角αと
ピストンサポート側のコンロツド球中心の角度βについ
て説明する。ここで、斜板傾転角αとは、前述したよう
に斜板本体12の主軸13の軸線に対する傾き角、すなわち
スリーブピン17の中心を通り主軸13に垂直な面からの斜
板本体12の傾きを表わす。βはスリーブピン17の中心を
通り主軸13に垂直な面とピストンサポート21のコンロツ
ド球部321の中心とスリーブピン17の中心とを結ぶ延長
線とのなす角度である。第14図はα<β、第15図α=β
の時を示している。本発明においては、このαとβの関
係によつて、ピストンサポート12に付ける付加質量ある
いは凹所部の位置を決定するものである。つまり、α≦
βなる場合には、ピストンサポート21に前記機スリーブ
ピン17の中心を通る斜板傾転角を有する面よりピストン
31側に付加質量を設けるか、あるいは同面よりドライブ
プレート14側に凹所部を形成する。
また、α>βなる場合においては、上記面よりドライ
ブプレート側に付加質量を設けるか、あるいはピストン
側に凹所部を形成する。
以上の実施例は斜板室の圧力を一定にして制御弁によ
りシリンダ吸入口の圧力を斜板室の圧力よりも低下させ
ることにより斜板傾転角を変える方式の可変容量斜板式
圧縮機についてなされたものであるが、他の方式すなわ
ち特公昭58−4195号公報などに開示されているごとく、
シリンダ入口圧力を一定としてブローバイガスあるいは
吐出ガスを導いて斜板室の圧力を高めて、斜板傾転角の
制御をおこなう方式の可変容量斜板式圧縮機についても
同様の効果を得ることができる。
つぎに、本発明の他の実施例を第16図から第21図によ
り説明する。第16図から第21図によりドライブプレート
14,斜板本体12及びバランスリング24の形状を示す。こ
こで、遠心力の方向を定義する。第1図において、主軸
13の中心に対して上方向を+y方向、下方向を−y方向
とし、図の垂直方向をx方向とする。
第16図,第17図に示すドライブプレート14には、カム
溝142を備えた耳部141,連通部143を設けるための質量部
145及び傾転規制部144が主軸13の中心に対してy軸方向
に設置されている。一方、主軸13の中心に対して下部側
(−y軸方向)には、上記した耳部141,質量部145及び
傾転規制部144のy軸方向の遠心力に釣り合うようにバ
ランス質量部146が設けられている。また、主軸13の中
心に対してx軸方向の遠心力もほぼ釣り合うように構成
されている。したがつて、ドライブプレート14は、ドラ
イブプレート14単体で遠心力が釣り合うような構成とな
つている。
第18図,第19図に示す斜板本体12にはスリーブピン17
を回転自在に支持するノーズ部122と、斜板耳軸121,デ
イスク部124,傾転規制部123及び付加質量部125からな
る。偏心質量部125は、第19図に示すごとくデイスク部1
24の耳軸121とは反対側に設けられ、外周部に沿つた半
リング状部からなり、第1図に示すごとくドライブプレ
ート14のバランス質量部146の内周部とフロントハウジ
ング1により囲まれた空間に収まるよう形成されてい
る。斜板本体12の主軸13の中心に対してほぼ左右対称に
構成されていることからx軸方向の遠心力はほぼ釣り合
つている。しかしながら、主軸13の中心に対してy軸方
向の遠心力は、斜板本体12が傾転するために斜板傾転角
によつて変化する。
第20図,第21図に示すバランスリング24には、バラン
スリング24を斜板本体12のノーズ部122に位置決めする
ために突起部241が設けられており、主軸13の中心に対
してy軸方向、すなわち斜板本体12の耳軸121側に偏心
質量部242が形成されている。バランスリング24は主軸1
3の中心に対して左右対称に構成されているため、x軸
方向の遠心力は完全に釣り合つている。主軸13の中心に
対するy軸方向の遠心力は、偏心質量部242及びバラン
スリング24が斜板本体12に固定されていることから、斜
板傾転角によつて変化することになる。
第22図は、本実施例において圧縮機回転速度Nc=900r
pmにおけるy軸方向の遠心力Fyを前記ドライブプレート
14,斜板本体12及びバランスリング24を各要素に分割し
たときの各要素ごとの遠心力と合成した遠心力を傾板傾
転角αについて示す。すなわち、第22図において、直線
(1)及び(2)はドライブプレート14、直線(3)は
斜板本体12のノーズ部122、直線(4)は斜板本体12の
耳部121及びピボツトピン16、直線(5)は斜板本体12
のデイスク部124及び傾転規制部123、直線(6)は斜板
本体12の付加質量部125、直線(7)はバランスリング2
4のそれぞれのαに対する遠心力Fyを表わす。なお、前
述したようにx軸方向の遠心力Fyはほぼ釣り合いがとれ
ている。直線(1)及び(2)はαによらず一定であ
り、Fy1+Fy2=0となる。直線(2)〜(6)及び直線
(7)はαに対してある傾きをもつ直線となり、その傾
きの符号及び大きさは各要素によつて異なり、合成した
遠心力 は、最大斜板傾転角αmax(本実施例ではαmax=20度)
でFy=0.5kgf,αmin=0度でFy=−0.5kgfとなり、中間
の斜板傾転角αmean=10度で遠心力Fy=0となる。つま
り、斜板傾転角の中間値で該圧縮機に作用する遠心力を
バランスさせて、なおかつ、最大及び最小斜板傾転角度
において、遠心力を±0.5kgf以下になるように、ドライ
ブプレート14,斜板本体12及びバランスリング24の質量
分布を構成するものである。
ここで、該圧縮機に発生する最大遠心力を±0.5kgfと
設定したのは、該圧縮機の圧縮動作を休止させ、主軸13
上に慣性質量を付加したモデル機を車に搭載して、車室
内外の振動・騒音の実測及び聴感による評価試験を実施
して決めた値である。上記遠心力の値±0.5kgfは、エン
ジンそのものの振動が小さい時の値であり、したがつ
て、該圧縮機を搭載するエンジンによつてこの値は変化
する。
第23図は、第22図同様に圧縮機回転速度Nc=900rpmに
おいて、斜板傾転角αに対する遠心力Fy(各回転部材の
合成した遠心力)の関係を本発明の実施例と従来例I,II
の比較を示すものである。従来例Iでは、αmin=0に
おいてFy≦−0.5kgfとなつているが、αmaxにおいてFy
>0.5kgfとなつているため、Fy=0なるαがαmean(=
αmax/2)より小さくなつている。したがつて、αmax
すなわち圧縮機の最大容量側で遠心力が大なるため、こ
の遠心力による回転1次のアンバランスによる車室内外
の振動・騒音が大きくなる。一方、従来例IIは、αmax
でFyが0.5kgf以下となつているが、α=0でFy>0.5kgf
であるためFy=0なるαがαmeanより大となつている。
したがつて、最小容量側で該圧縮機が駆動されると、前
記同様遠心力による回転1次のアンバランスが生じ、振
動・騒音が大きくなる。
従来例I,IIにおいて、αmeanにおいてFy=0となるよ
うに、例えば電磁クラツチのアーマチヤ部に付加質量を
設けるなどの手段を講じても第23図において付加質量の
遠心力分だけ上・下に直線が平行移動するだけで、遠心
力による回転1次のアンバランスによる振動・騒音低減
にはならない。
第24図はドライブプレート及び斜板本体の質量分布に
よつてα=0時の遠心力を0とした場合である。該圧縮
機は高速回転時に容量制御され、斜板傾転角が小の領域
で運転される機会が多くなるため、特に高速回転時の振
動・騒音低減の効果がある。
第25図は、本発明の他の実施例を示す可変ストローク
斜板式圧縮機の全体構造を示すもので、前述した第1図
とは下記に示す構造が異なる。
つまり、ドライブプレート14の主軸13の中心に対して
下側に設けていたバランス質量部146がない構造であ
り、バランス質量部146の空間斜板本体12の付加質量部1
25を増大させたものである。この付加質量部125を増大
させることによつて、スリーブピン17回りの反時計方向
の斜板傾転モーメント(斜板変体12を立てようとする反
時計方向のモーメントとして作用する)を増大すること
ができる。その結果、ドライブプレート14単体でのy軸
方向の遠心力がアンバランスとなる。すなわち、ドライ
ブプレート14の遠心力は、y軸の正方向のみの遠心力+
Fydとなる。そこで、このFydに釣り合うように、電磁ク
ラツチ136のアーマチヤ部137に外部質量138を設けるこ
とである。
本実施例を第22図の斜板傾転角αと遠心力Fyの関係か
ら説明すると、第22図において、直線(2)が、本実施
例のアーマチヤ部137に設置した外部質量138による遠心
力となる(上記した−Fydに相当)。換言すれば、ドラ
イブプレート14単体で遠心力が完全にバランスされてい
なくても電磁クラツチに外部質量を付加させることで本
発明の目的を達成することができる。また、本実施例の
効果には、圧縮機外部で遠心力のアンバランスを調整で
き、しかも微小な調整も可能となることである。そし
て、遠心力による回転1次による振動・騒音低減の他
に、制御弁400での制御差圧を低減させる効果もある。
以上の実施例は斜板室の圧力を一定にして制御弁によ
りシリンダ吸入口の圧力を斜板室の圧力よりも低下させ
ることにより斜板傾転角を変える方式の可変容量斜板式
圧縮機についてなされたものであるが他の方式、すなわ
ち特公昭58−4195号公報などに開示されているごとく、
シリンダ入口圧力の圧力を一定としてブローバイガスあ
るいは吐出ガスを導いて斜板室の圧力を高めて、斜板傾
転角の制御をおこなう方式の可変ストローク斜板式圧縮
機についても同様の効果を得ることができる。
第26図,第27図はドライブプレート14の遠心力をほぼ
零とする場合の他の実施例を示す図であり、第26図はド
ライブプレート14の正面図、第27図は第26図のIV−IV線
断面図である。
ドライブプレート14にはカム溝142を形成した耳部141
が設けられており、該耳部141の遠心力を打ち消すよう
に、バランス質量部146及び傾転規制部144が設けられて
いる。ここで、該バランス質量部146は、主軸13の中心
に対して前記斜板本体(図示せず)が最大傾転した時斜
板本体下部に形成した偏心質量部(図示せず)と干渉し
ないように、中心部に空間を有した翼構造となつてい
る。すなわち、斜板本体の偏心質量部を包囲するように
前記バランス質量部が形成されているので、斜板本体の
偏心質量を有力(遠心力のみならず、斜板本体の傾転角
を小さくするように働く傾転モーメントが大となる)に
付加することができる。
したがつて、本実施例によつて、該圧縮機の主軸方向
の寸法を大きくしないで、本発明の目的を達成すること
ができるといつた効果がある。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、第1にピストンサポー
ト等の揺動部材の揺動運動に伴う回転1次のアンバラン
スを小さくできるので、圧縮機の全容量域において車体
の振動・騒音を低減することができる。
又、第2に回転機構部による不つりあい量を低減する
ことができるので、圧縮機の全容量域において車体の振
動・騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す可変容量斜板式圧縮
機の構造を示す縦断面図、第2図は本発明の他の実施例
を示す可変容量斜板式圧縮機の構造を示す縦断面図、第
3図及び第4図は第1図に示したドライブプレートを示
し、第3図は正面図、第4図は第3図のA矢視図、第5
図及び第6図は第1図に示した斜板本体を示し、第5図
は斜板本体の正面図、第6図は第5図のI−I線断面
図、第7図はピストンサポートの正面図、第8図は第7
図のI−I線断面図、第9図は発明の他の実施例を示す
ピストンサポートの正面図、第10図は第9図のI−I線
断面図、第11図は本発明の他の実施例を示すピストンサ
ポートの正面図、第12図は第11図のI−I線断面図、第
13図は本発明における斜板傾転角と遠心力との関係を示
す図、第14図及び第15図はα,βの関係を示す縦断面
図、第16図は本発明の他の実施例を示すドライブプレー
トの構造を示す正面図、第17図は、その横断面図、第18
図は本発明の実施例を示す斜板本体の構造を示す正面
図、第19図はその横断面図、第20図は本発明を示すバラ
ンスリングの構造を示す正面図、第21図はその横断面
図、第22図は本発明の実施例における斜板傾転角と遠心
力との関係を示す図、第23図は本発明と従来例の斜板傾
転角と遠心力の関係を示す図、第24図は本発明の他の実
施例の斜板傾転角と遠心力との関係を示す図、第25図は
本発明の他の実施例を示す可変ストローク斜板式圧縮機
の構造を示す縦断面図、第26図は本発明の他の実施例を
示すドライブプレートの構造を示す正面図、第27図はそ
の横断面図である。 12……斜板本体、13……主軸、14……ドライブプレー
ト、15……スリーブ、17……スリーブピン、21……ピス
トンサポート、31……ピストン、33……シリンダ、216,
217……付加質量、218,219……凹所部、220,221……部
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早瀬 功 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 高橋 由起夫 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (72)発明者 伊藤 勝 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 特開 昭59−46378(JP,A) 特開 昭63−243468(JP,A) 特開 昭51−106209(JP,A) 実開 平1−58779(JP,U) 実開 昭59−105625(JP,U) 特公 昭56−17552(JP,B2) 特公 昭55−31318(JP,B2)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源により回転駆動される主軸と、この
    主軸に固定されたドライブプレートと、このドライブプ
    レートと係合部により前記主軸に対して傾転可能に係合
    されて回転する斜板本体と、この回転する斜板本体に回
    転自在に支持されて揺動運動するピストンサポートと、
    このピストンサポートに掛留してシリンダ内を往復運動
    するピストンにより構成され、前記斜板本体の傾転角を
    変えることにより容量制御を行なう可変容量斜板式圧縮
    機において、前記斜板本体に備えられ、前記斜板と共に
    傾転及び回転し、前記斜板本体の傾転角に対する遠心力
    の増減を示す傾きの符号が斜板本体と異なる部材と、前
    記ドライブプレートに設けられ、前記ドライブプレー
    ト、前記斜板本体及び前記部材とによる主軸に作用する
    遠心力が零となる傾転角度を調整する付加質量とを備え
    た可変容量斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記斜板本体に設けら
    れる釣り合い部が前記主軸に対して前記係合部側に設け
    られたものであって、前記斜板本体のディスク部に形成
    される凹所部である可変容量斜板式圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記斜板本体に設けら
    れる釣り合い部が前記主軸に対して前記係合部とは反対
    側に設けられたものであって、前記斜板本体の外周部に
    沿った半リング状の付加質量部である可変容量斜板式圧
    縮機。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記主軸に作用する前
    記ドライブプレート、前記斜板本体及び前記部材とによ
    る遠心力が零となる傾転角度が最大傾転角度に近い方に
    前記付加質量の大きさを設定した可変容量斜板式圧縮
    機。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記主軸に作用する前
    記ドライブプレート、前記斜板本体及び前記部材とによ
    る遠心力が、前記斜板傾転角が大なるときよりも小なる
    ときの方が大きくなるように、前記付加質量の大きさに
    より調整する可変容量斜板式圧縮機。
  6. 【請求項6】駆動源により回転駆動される主軸と、この
    主軸に固定されたドライブプレートと、このドライブプ
    レートと係合部により前記主軸に対して傾転可能に係合
    されて回転する斜板本体と、この回転する斜板本体に回
    転自在に支持されて揺動運動するピストンサポートと、
    このピストンサポートに掛留してシリンダ内を往復運動
    するピストンにより構成され、前記斜板本体の傾転角を
    変えることにより容量制御を行なう可変容量斜板式圧縮
    機において、前記斜板本体ノーズ部に取り付けられ、前
    記斜板と共に傾転及び回転し、この斜板本体の係合部側
    に設けられた付加質量部を有し、前記斜板本体の傾転角
    に対する遠心力の増減を示す傾きの符号が斜板本体と異
    なるバランスリングとを備えた可変容量斜板式圧縮機。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記ピストンサポート
    の重心位置が前記斜板本体の傾転中心にほぼ合致させる
    よう構成した可変容量斜板式圧縮機。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記ピストンサポート
    の重心位置を前記斜板本体の傾転中心にほぼ合致させる
    構成は、前記斜板本体の傾転角(前記主軸に直角な面か
    らの角度)をαとし、前記ピストンサポートのコンロッ
    ド球中心と前記傾転中心を結ぶ線と前記主軸に直角な面
    とのなす角をβとしたとき、 α≦βなる場合は、前記ピストンサポートに前記傾転中
    心を通る前記斜板傾転角を有する面よりピストン側に付
    加質量を設け、 α>βなる場合は、前記面内よりドライブプレート側に
    付加質量を設ける可変容量斜板式圧縮機。
  9. 【請求項9】請求項7において、前記ピストンサポート
    の重心位置を前記斜板本体の傾転中心にほぼ合致させる
    構成は、前記斜板本体の傾転角(前記主軸に直角な面か
    らの角度)をαとし、前記ピストンサポートのコンロッ
    ド球中心と前記傾転中心を結ぶ線と前記主軸に直角な面
    とのなす角をβとしたとき、 α≦βなる場合は、前記ピストンサポートに前記αを有
    する面内より前記ドライブプレート側に凹所部を設け、 α>βなる場合は、前記αを有する面より前記ピストン
    側に凹所部を設ける可変容量斜板式圧縮機。
  10. 【請求項10】請求項1において、前記ドライブプレー
    トは傾転規制部を有するものであり、この傾転規制部に
    付加質量が設けられた可変容量斜板式圧縮機。
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