JP2008255930A - 揺動斜板型コンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】斜板の駆動軸と垂直な状態からの傾斜角度が小さい状態では当該傾斜角度を増やす側に制御しやすくなるとともに、傾斜角度が大きい状態では当該傾斜角度を減らす方向に制御しやすくなる揺動斜板型コンプレッサを得る。
【解決手段】ジャーナル100に径方向に沿って形成したレール211に、バランスウエイト130の溝部212を嵌合し、ワイヤ220の一端部221をフロントシャフト7の後端部71のピン74に係止し、中間部222をリヤシャフト140の継手部143のピン145に周回し、他端部223をバランスウエイト130のピン134に係止することにより、最小斜板角状態ではワイヤ220が後方に移動したリヤシャフト140に引っ張られてバランスウエイト130をジャーナル100の径方向内側に移動させ、最大斜板角状態ではリヤシャフト140が前方に移動して、バランスウエイト130をジャーナル100の径方向外側に移動させる。
【選択図】図1
【解決手段】ジャーナル100に径方向に沿って形成したレール211に、バランスウエイト130の溝部212を嵌合し、ワイヤ220の一端部221をフロントシャフト7の後端部71のピン74に係止し、中間部222をリヤシャフト140の継手部143のピン145に周回し、他端部223をバランスウエイト130のピン134に係止することにより、最小斜板角状態ではワイヤ220が後方に移動したリヤシャフト140に引っ張られてバランスウエイト130をジャーナル100の径方向内側に移動させ、最大斜板角状態ではリヤシャフト140が前方に移動して、バランスウエイト130をジャーナル100の径方向外側に移動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、駆動軸に傾動可能に支持されたジャーナルに斜板が回転可能に支持されるとともに当該ジャーナルにバランスウエイトが設けられてジャーナルの遠心力が増大された揺動斜板型コンプレッサに関する。
従来の揺動斜板型コンプレッサとして、駆動軸に傾動可能に支持されるジャーナルと斜板とが一体となって回転することにより斜板が回転しながら揺動し、当該揺動する斜板の周縁部に摺動可能に係合されたピストンが、シリンダボア内で往復運動するように構成されたものが知られている。
さらに、近年では、摺動摩擦抵抗を低減するため、斜板をベアリングを介してジャーナルに回転可能に取り付けた揺動斜板型コンプレッサが具現化されている。
上記揺動斜板型コンプレッサでは、駆動軸に傾動可能に支持されるジャーナルには、その回転に伴って生じる遠心力によって、当該ジャーナルひいては斜板の傾斜角度(駆動軸と垂直な状態からの傾斜角度)を減らす方向(すなわち、斜板の姿勢を駆動軸に対して略直角にしようとする方向)のモーメントが作用することになるが、後者のタイプでは、斜板がジャーナルに対して回転可能に取り付けられていて斜板の回転数が減るため、前者のタイプに比べて、当該斜板の分だけ揺動支持される部分に作用する遠心力、ひいてはジャーナルおよび斜板の傾斜角度を減らす方向のモーメントが減少することになる。
したがって、後者のタイプでは、ジャーナルおよび斜板の傾斜角度を減らす方向のモーメントが小さくなって、斜板の傾斜角度を減らす側には制御しにくくなってしまう。
その対策として、ジャーナルにバランスウエイトを取り付けることで、当該ジャーナルの遠心力ひいてはジャーナルおよび斜板の傾斜角度を減らす方向のモーメントを増大させた揺動斜板型コンプレッサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−293388号公報
しかしながら、上記特許文献1のようにバランスウエイトを設けると、今度は、斜板の駆動軸と垂直な状態からの傾斜角度を増やす側に制御しにくくなってしまう場合がある。
特に、斜板の傾斜角度が小さい状態(吐出容量が小さい状態)で揺動斜板型コンプレッサを起動させた場合には、当初はシリンダボアの内圧が上昇しにくい分、ピストンの圧縮反力によって斜板およびジャーナルに作用する傾斜角度を増やす方向のモーメントが小さいのに対し、駆動軸の回転数に応じてジャーナルの遠心力、ひいては傾斜角度を減らす方向のモーメントが生じるため、斜板の傾斜角度を増やす側に制御しにくくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、斜板の駆動軸と垂直な状態からの傾斜角度が小さい状態では当該傾斜角度を増やす側に制御しやすくなるとともに、傾斜角度が大きい状態では当該傾斜角度を減らす方向に制御しやすくなる揺動斜板型コンプレッサを得ることを目的とする。
請求項1の発明にあっては、内部にクランク室(3)、シリンダボア(4)、吸入室(5)および吐出室(6)が配置されたハウジング(2)と、前記クランク室(3)内に配置されるとともに、駆動軸(7)に傾動可能に連結されて回転駆動されるジャーナル(100)と、前記ジャーナル(100)に回転可能に嵌着されて該ジャーナル(100)の傾動回転に伴って揺動する斜板(110)と、前記斜板(110)の外周部に摺動可能に係合されて往復運動し、前記シリンダボア(4)に摺動可能に挿入されるピストン(120)と、前記ジャーナル(100)に設けられて該ジャーナル(100)と一体に回転するバランスウエイト(130)と、を備えた揺動斜板型コンプレッサ(1)において、前記斜板(110)の駆動軸(7)と垂直な状態からの傾斜角度が小さいほど前記バランスウエイト(130)を径方向内側に移動させるウエイト移動機構(200)を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明にあっては、前記ウエイト移動機構(200)は、前記バランスウエイト(130)をジャーナル(100)に径方向移動可能に取り付けるスライド機構(210)と、一端部(221)が前記駆動軸(7)に固定され、中間部(222)がジャーナル(100)の中央部に設けられたヒッチ部(145)に周回され、かつ他端部(223)が前記バランスウエイト(130)に固定されたストリング(220)と、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ウエイト移動機構を設けて、斜板の駆動軸と垂直な状態からの傾斜角度が小さいほどバランスウエイトを径方向内側に移動させるようにしたので、斜板の傾斜角度が小さい状態ではバランスウエイトが径方向内側に配置されて当該傾斜角度を増やす側に制御しやすくなる一方、傾斜角度が大きい状態ではバランスウエイトが径方向外側に配置されて斜板角度を減らす側に制御しやすくなる。
請求項2の発明によれば、ジャーナルおよび斜板の傾動に伴う駆動軸、ヒッチ部、およびバランスウエイトの位置関係の変化によって、傾斜角度が小さい状態では駆動軸とヒッチ部との距離が長くなる分ストリングのヒッチ部とバランスウエイトとの間の距離が短くなってバランスウエイトが当該ストリングによってヒッチ部側すなわち径方向内側に引っ張られ、傾斜角度が大きい状態では駆動軸とヒッチ部との距離が短くなる分ストリングのヒッチ部とバランスウエイトとの間の距離が長くなってバランスウエイトが遠心力によって径方向外側に配置されるようになる。すなわち、かかる構成により、ウエイト移動機構を比較的簡素な構成として得ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる揺動斜板型コンプレッサの駆動軸の軸心を含む断面図であって、斜板角度が最小となっている状態を示す図、図2は、揺動斜板型コンプレッサの駆動軸を含む断面図であって、斜板角度が最大となっている状態を示す図、図3は、ジャーナルと移動部材との結合部分の分解斜視図、図4は、ウエイト移動機構の分解斜視図、図5は、揺動斜板型コンプレッサのジャーナルに作用するモーメントを示す説明図、図6は、ウエイト移動機構の作動状態を示す説明図である。
なお、本実施形態では、揺動斜板型コンプレッサ1が自動車の空調装置の冷凍サイクルに用いられる場合について例示する。この場合、揺動斜板型コンプレッサ1で圧縮される流体は冷凍サイクルの冷媒である。
揺動斜板型コンプレッサ1では、図1,図2に示すように、2点鎖線で示す密閉構造のハウジング2内に、クランク室3、シリンダボア4、吸入室5、および吐出室6が配置されている。
ハウジング2の前端壁21の中央部に形成されたボス部22内には駆動軸としてのフロントシャフト7が挿通されており、このフロントシャフト7がクランク室3に挿入される後端部71に円盤状の駆動板8が一体となって回転するように結合されている。この駆動板8の周縁部は前端壁21の内面にスラスト軸受81を介して回転可能に支持されている。フロントシャフト7はエンジン動力または電動モータ等によって駆動(回転)される。
また、クランク室3内では、駆動板8に対向して短円柱状のジャーナル100が配置されている。このジャーナル100は、フロントシャフト7に傾動可能に結合されている。本実施形態では、駆動板8の周縁部から突設されたアーム82と、ジャーナル100が駆動板8に対向する端部から突設されたアーム101とが、ピン83,102を介してジャーナルリンク103によって回動可能に連結されており、これらの連結によって、ジャーナル100が、フロントシャフト7に対して略垂直な姿勢(図1)から、アーム101の反対側(図1,図2では下側)が前端壁21側に近付く傾斜姿勢(例えば図2)に傾動できるようになっている。
そして、このように、駆動板8とジャーナル100とが連結されることで、フロントシャフト7の回転が駆動板8およびジャーナルリンク103を介してジャーナル100に伝達され、以て、当該ジャーナル100がフロントシャフト7と一体となって回転することになる。
なお、図1は、ジャーナル100の傾動角が最も小さい状態(最小斜板角状態)を示し、図2は、傾動角が最も大きい状態(最大斜板角状態)を示している。図1の最小斜板角状態では、ジャーナル100が駆動板8から最も離れて、ジャーナル100の軸芯とフロントシャフト7の軸芯とが略一致した状態となる。一方、図2の最大斜板角状態では、ジャーナル100が駆動板8に最も近接して、ジャーナル100の軸芯がフロントシャフト7の軸芯に対して最も大きく傾斜した状態となる。
また、ジャーナル100の外周には、ラジアル軸受111およびスラスト軸受112を介して円盤状の斜板110が回転可能に支持されており、これら軸受111,112によってジャーナル100と斜板110との間に回転方向の滑り(相対回転)を生じさせている。そして、斜板110の周縁部にはピストン120のコ字状取付部121が球状部122を介して摺動可能に係合されている。
そして、ジャーナル100が駆動板8に対向する端部には、ジャーナルリンク103の配置側とは中心を挟んで対向する側に、ジャーナル100の径方向に移動可能なバランスウエイト130が設けられている。
ところで、シリンダボア4は、ハウジング2の内周面に沿って周方向に等間隔をもって複数(例えば5個)配設されており、それぞれのシリンダボア4にピストン120が摺動可能に密接嵌合されている。したがって、シリンダボア4の数に対応して斜板110の周縁部に係合されるピストン120は、それぞれ斜板110の周縁部に等間隔をもって配置されることになる。
そして、例えば図2のように傾斜姿勢にあるジャーナル100は、アーム101に近い部分がシリンダボア4側に位置し、かつアーム101に対して回転中心の反対側となる部分が前端壁21側に位置する姿勢で、回転することになる。そして、上述したように、斜板110は、ジャーナル100に対して相対回動可能に構成されるとともにピストン120に係合しているため、実質的に回転はしないが、ジャーナル100の姿勢変化に応じて揺動することになる。
したがって、ジャーナル100と斜板110がフロントシャフト7の回転に伴ってこのように動作することにより、複数のピストン120がシリンダボア4の周方向の設置角度差分の回転位相差(等間隔5筒の場合72°)をもって順次シリンダボア4内を往復動することになる。
また、ジャーナル100は、フロントシャフト7から分離されて該フロントシャフト7と同軸配置されるリヤシャフト140によって回転支持されるようになっている。このリヤシャフト140は、環状に配置された複数のシリンダボア4の配列中心部、つまり、ハウジング2の中心部に形成される軸受部23内に回転可能かつ軸方向の摺動を可能に嵌挿される。
リヤシャフト140は、図3に示すように、円筒状のシャフト本体141と、このシャフト本体141の前端部に取り付けられてジャーナル100を回動可能に連結する取付部材142と、を備える。そして、この取付部材142の先端部に設けた二股状の継手部143が、ジャーナル100の中心部に形成した矩形状の取付穴104に遊嵌され、継手部143の取付穴144とジャーナル100の取付穴105とにピン145が挿通されて、そのピン145を中心としてジャーナル100とリヤシャフト140とが相対回動可能となっている。
このとき、ジャーナル100の取付穴105は、ジャーナル100の中心とアーム101とを結ぶ直線に対して直角方向に穿設されており、これにより、ジャーナルリンク103を中心としてジャーナル100が傾斜する方向と、ピン145を中心としてジャーナル100が回動する方向とが一致するように構成されている。
また、図1,図2に示すように、所定の間隔をあけて離間配置されるフロントシャフト7とリヤシャフト140との間には、圧縮スプリング150と、この圧縮スプリング150の受け駒151と、が設けられている。
圧縮スプリング150の前端部はフロントシャフト7の後端部71に嵌着される一方、その後端部は受け駒151に嵌着されている。そして、受け駒151の後端はリヤシャフト140の継手部143の先端に当接され、圧縮スプリング150の付勢力によってリヤシャフト140が軸受部23に押し込まれるようになっている。
また、図4に示すように、受け駒151の軸方向中央部には鍔部152が形成され、その鍔部152の前面に配置されたワッシャ153が圧縮スプリング150の受け座となり、鍔部152の後面はジャーナル100に形成された取付穴104の周縁部に当接される。なお、受け駒151には、周方向の一部を中心部まで切欠いた切欠部154が形成されている。
ところで、吐出室6は、ハウジング2の後端壁24の内側中央部に突出した環状壁25の内側に形成される一方、吸入室5はその環状壁25の外側に形成されている。そして、それら吸入室5および吐出室6は、隔成板26によってシリンダボア4と隔成されている。
隔成板26の吸入室5に対応する周辺部分には、各シリンダボア4に対応して吸入口51が形成され、それら吸入口51を介してシリンダボア4と吸入室5とが連通されるとともに、各吸入口51には吸入室5からシリンダボア4内へは冷媒の移動を許容し逆方向には冷媒の移動を規制するリード弁(図示せず)が設けられている。
また、隔成板26の吐出室6に対応する中心部分には、各シリンダボア4に対応して吐出口61が形成され、それら吐出口61を介してシリンダボア4と吐出室6とが連通されるとともに、各吐出口61にはシリンダボア4から吐出室6へは冷媒の移動を許容し逆方向には冷媒の移動を規制するリード弁62が設けられている。なお、リード弁62の背面には弓形かつ板状のリテーナ63が設けられている。吐出室6に吐出された圧縮冷媒は、図示しない冷凍サイクルへと供給されるようになっており、一方、吸入室5には当該冷凍サイクルから低圧冷媒が導入されるようになっている。
そして、このように構成された揺動斜板型コンプレッサ1では、その稼働時において、ジャーナル100および斜板110が図5に示すモーメントの釣合い位置に傾動され、当該傾斜角度によって揺動斜板型コンプレッサ1における冷媒の吐出容量(吐出量)が制御されるようになっている。
すなわち、ピストン120に作用する冷媒圧モーメントMgと、ピストン120の慣性力モーメントMpとが、ジャーナル100および斜板110のフロントシャフト7と垂直な姿勢からの傾動量(傾斜角度)を増やす方向に作用する一方、バランスウエイト130を含むジャーナル100の遠心力による回転体モーメントMiと、クランク室3に導入される背圧モーメントMcと、圧縮スプリング150によるばねモーメントMsとが、当該傾動量を減らす方向に作用し、ジャーナル100および斜板110がこれらMg+MpとMi+Mc+Msとが釣り合う位置に傾動される。なお、図示しない制御弁によってクランク室3内の流体の圧力(吐出圧と吸入圧の中間圧)を調整することで背圧モーメントMcが制御され、以て、ジャーナル100および斜板110の傾動量(傾斜角度)、すなわち揺動斜板型コンプレッサ1の吐出容量を制御することができる。
ここで、本発明にあっては、図1,図2に示すように、ジャーナル100に設けたバランスウエイト130を、斜板110の傾斜角に応じてジャーナル100の径方向に移動させるウエイト移動機構200を設けてある。なおGは、バランスウエイト130の重心である。
このウエイト移動機構200は、図4にも示すように、バランスウエイト130を径方向移動可能にジャーナル100に取り付けるスライド機構210と、一端部221がフロントシャフト7に固定され、中間部222がジャーナル100の中央部に設けられたヒッチ部としてのピン145に周回され、かつ他端部223がバランスウエイト130に固定されるストリングとしてのワイヤ220と、を備えて構成されている。
このうち、スライド機構210は、ジャーナル100がフロントシャフト7に対向する前面のうちジャーナル100の中心に対してアーム101とは反対側となる領域に形成される一対の平行なレール211,211と、バランスウエイト130のジャーナル100に対向する後面に形成されて一対のレール211,211に摺動可能に嵌合される一対の溝部212,212と、を備えている。
一対のレール211,211の中間線213は、ジャーナル100の径方向に略沿って設定されており、バランスウエイト130がジャーナル100の径方向に移動できるようになっている。なお、レール211とバランスウエイト130の溝部212とは蟻溝嵌合されている。
一方、バランスウエイト130は、一対の溝部212,212が形成された両側部分131,131を有する略U字状に形成されており、それら両側部分131,131間にU字状空間部132が設けられている。
ワイヤ220の一端部221および他端部223はそれぞれ輪状に形成される。そして、一端部221は、フロントシャフト7の後端部71に形成された直径方向の溝72に配置された状態で、当該後端部71の挿通穴73に嵌挿されるピン74に挿通されることで、当該フロントシャフト7に固定される。
そして、このワイヤ220の一端部221側は、圧縮スプリング150、ワッシャ153および受け駒151の切欠部154に挿通される。また、ワイヤ220の中間部222は、リヤシャフト140の継手部143とジャーナル100とが連結するピン145に周回される。
一方、他端部223は、バランスウエイト130のU字状空間部132に配置された状態で、両側部分131,131の挿通穴133に嵌挿されるピン134に挿通されることで、バランスウエイト130に固定される。
ここで、ワイヤ220は緊張状態で配索されるのであるが、好適には伸縮性のより少ない材質のものが選択される。
かかる構成では、図6に示すように、ジャーナル100および斜板110が、最大斜板角状態(A;図2に対応)から最小斜板角状態(B;図1に対応)に移動すると、ジャーナル100に固定されたピン145がフロントシャフト7から離間し(距離:L1→L2:L1<L2)、これに伴って、ワイヤ220が後方(図中右方)に移動したピン145に引っ張られ、バランスウエイト130がワイヤ220に径方向内側に引っ張られる。このとき、ピン145とフロントシャフト7との距離が長くなった分だけ、ワイヤ220の当該ピン145とバランスウエイト130との間の距離が短くなり(距離:d1→d2;d1>d2)、以て、このワイヤ220によってバランスウエイト130がジャーナル100の径方向内側に引かれて、回転の軸心Cからの距離も短くなる(距離r1→r2;距離r1>r2)。
すなわち、かかる構成によれば、傾斜角度が小さいほどバランスウエイト130(重心G)が径方向内側に配置されることになって、当該バランスウエイト130による遠心力が小さくなる。換言すれば、傾斜角度が大きいほどバランスウエイト130(重心G)が径方向外側に配置されることになって、当該バランスウエイト130による遠心力が大きくなる。
なお、バランスウエイト130による遠心力は、ジャーナル100との接触部分ならびにワイヤ220およびピン145を介して当該ジャーナル100に作用することになる。また、斜板角度によらず、フロントシャフト7が回転している状態では、バランスウエイト130に遠心力が作用して、ワイヤ220にはバランスウエイト130から張力が作用することになるため、ワイヤ220が弛緩することは無い。
以上の構成により本実施形態の揺動斜板型コンプレッサ1によれば、ウエイト移動機構200を設けて、斜板110のフロントシャフト7と垂直な状態からの傾斜角度が小さいほどバランスウエイト130を径方向内側に移動させることができるため、斜板110の傾斜角度が小さい状態ではバランスウエイト130が径方向内側に配置されて当該傾斜角度を増やす側に制御しやすくなる一方、傾斜角度が大きい状態ではバランスウエイト130が径方向外側に配置されて斜板角度を減らす側に制御しやすくなる。
このため、傾斜角度が大きいときにはバランスウエイト130の遠心力を有効に利用して斜板角度を小さく制御しやすくすることができ、一方、傾斜角度が小さいときにはバランスウエイト130の遠心力によって傾斜角度を大きく制御しにくくなる不具合を低減することができる。
また、本実施形態によれば、ジャーナル100および斜板110の傾動に伴うフロントシャフト7、ピン145、およびバランスウエイト130の位置関係の変化によって、傾斜角度が小さい状態ではフロントシャフト7とピン145との距離が長くなる分ワイヤ220のピン145とバランスウエイト130との間の距離が短くなってバランスウエイト130が当該ワイヤ220によってピン145側すなわち径方向内側に引っ張られ、傾斜角度が大きい状態ではフロントシャフト7とピン145との距離が短くなる分ワイヤ2220のピン145とバランスウエイト130との間の距離が長くなってバランスウエイト130が遠心力によって径方向外側に配置されるようになる。すなわち、かかる構成により、ウエイト移動機構200を比較的簡素な構成として得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々に変形することが可能である。例えば、冷凍サイクルの冷媒を圧縮するのみならず、それ以外の流体を圧縮する揺動斜板型コンプレッサとしても本発明を実施することができる。
また、ストリングや、ヒッチ部、ウエイト移動機構の具体的な構成も、上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
1 揺動斜板型コンプレッサ
2 ハウジング
3 クランク室
4 シリンダボア
5 吸入室
6 吐出室
7 フロントシャフト(駆動軸)
100 ジャーナル
110 斜板
120 ピストン
130 バランスウエイト
145 ピン(ヒッチ部)
200 ウエイト移動機構
210 スライド機構
220 ワイヤ(ストリング)
221 一端部
222 中間部
223 他端部
2 ハウジング
3 クランク室
4 シリンダボア
5 吸入室
6 吐出室
7 フロントシャフト(駆動軸)
100 ジャーナル
110 斜板
120 ピストン
130 バランスウエイト
145 ピン(ヒッチ部)
200 ウエイト移動機構
210 スライド機構
220 ワイヤ(ストリング)
221 一端部
222 中間部
223 他端部
Claims (2)
- 内部にクランク室(3)、シリンダボア(4)、吸入室(5)および吐出室(6)が配置されたハウジング(2)と、
前記クランク室(3)内に配置されるとともに、駆動軸(7)に傾動可能に連結されて回転駆動されるジャーナル(100)と、
前記ジャーナル(100)に回転可能に嵌着されて該ジャーナル(100)の傾動回転に伴って揺動する斜板(110)と、
前記斜板(110)の外周部に摺動可能に係合されて往復運動し、前記シリンダボア(4)に摺動可能に挿入されるピストン(120)と、
前記ジャーナル(100)に設けられて該ジャーナル(100)と一体に回転するバランスウエイト(130)と、を備えた揺動斜板型コンプレッサ(1)において、
前記斜板(110)の駆動軸(7)と垂直な状態からの傾斜角度が小さいほど前記バランスウエイト(130)を径方向内側に移動させるウエイト移動機構(200)を設けたことを特徴とする揺動斜板型コンプレッサ。 - 前記ウエイト移動機構(200)は、
前記バランスウエイト(130)をジャーナル(100)に径方向移動可能に取り付けるスライド機構(210)と、
一端部(221)が前記駆動軸(7)に固定され、中間部(222)がジャーナル(100)の中央部に設けられたヒッチ部(145)に周回され、かつ他端部(223)が前記バランスウエイト(130)に固定されたストリング(220)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の揺動斜板型コンプレッサ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014194178A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Toyota Industries Corp | 容量可変型斜板式圧縮機 |
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2007
- 2007-04-06 JP JP2007100549A patent/JP2008255930A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014194178A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Toyota Industries Corp | 容量可変型斜板式圧縮機 |
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