JP2008280918A - 斜板式可変容量コンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】他部品との干渉が生じにくい揺動部用のウエイトを有する斜板式可変容量コンプレッサを得る。
【解決手段】シャフト6とシリンダブロック3と揺動部14と斜板10とを備え、シャフト6の回転によって生じる斜板10の回転揺動に伴って複数のピストン11を往復動させることで、複数のシリンダボア3a内に流体を吸入して吐出させるようにした斜板式可変容量コンプレッサ1において、揺動部14に設けられるウエイト19を、テーパ状の外周面19aを有するリング状のものとした。よって、ウエイト19と他の部品との干渉を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】シャフト6とシリンダブロック3と揺動部14と斜板10とを備え、シャフト6の回転によって生じる斜板10の回転揺動に伴って複数のピストン11を往復動させることで、複数のシリンダボア3a内に流体を吸入して吐出させるようにした斜板式可変容量コンプレッサ1において、揺動部14に設けられるウエイト19を、テーパ状の外周面19aを有するリング状のものとした。よって、ウエイト19と他の部品との干渉を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、斜板式可変容量コンプレッサに関する。
従来の斜板式可変容量コンプレッサとして、特許文献1に開示されるものが知られている。
特許文献1に開示される可変容量コンプレッサでは、シャフトに回動可能に連結された揺動部(ドライブプレート)と、当該揺動部とは別部材として構成された斜板(揺動斜板)とを、ベアリングを介して相対回転可能とすることで、回転摺動に伴う摩擦抵抗を減らして、駆動トルクの低減を図っている。
しかし、かかる構成では、斜板を分離した分だけ揺動部の質量が小さくなる分、シャフトの回転に伴って揺動部に作用する遠心力が減り、その遠心力によって揺動軸心回りに生じる回転モーメントが減って、揺動部に作用する種々の回転モーメントのバランスが崩れて、傾斜角度を制御しづらくなってしまうという問題が生じていた。
そこで、特許文献1では、揺動部にウエイトを設けて遠心力を増やし、これにより揺動軸心回りの回転モーメントを増やして、揺動部の制御性を高めている。
特開2004−293388号公報
しかしながら、揺動部に付加したウエイトとピストン等の他の部品との干渉が生じやすくなって、コンプレッサ内部の仕様(部品の形状、配置等)によっては、ウエイトを設けにくくなる場合が生じていた。
そこで、本発明は、他部品との干渉が生じにくい揺動部用のウエイトを有する斜板式可変容量コンプレッサを得ることを目的とする。
本発明にあっては、回転駆動されるシャフト(6)と、前記シャフト(6)の回転軸心(C)の周方向に沿って当該回転軸心(C)と略平行な姿勢で同心円状に分散配置される複数のシリンダボア(3a)が形成されたシリンダブロック(3)と、前記各シリンダボア(3a)内に往復動可能に挿入されたピストン(11)と、前記シャフト(6)に、当該シャフト(6)の回転軸心(C)と略垂直な平面に沿う方向に伸びる揺動軸心(O)回りに所定角度範囲内で回動可能に連結された揺動部(14)と、前記揺動部(14)のシリンダブロック(3)側にベアリング(16,17)を介して当該揺動部(14)と相対回転可能に支持される斜板(10)と、を備え、前記シャフト(6)の回転によって生じる前記斜板(10)の回転揺動に伴って前記複数のピストン(11)を往復動させることで、前記複数のシリンダボア(3a)内に流体を吸入して吐出するようにした斜板式可変容量コンプレッサ(1)において、前記揺動部(14)に、テーパ状の外周面(19a)を有するリング状のウエイト(19)を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、リング状のウエイトの外周面をテーパ状に形成したため、傾斜角度が大きい場合および傾斜角度が小さい場合の双方について、ウエイトとピストン等の他の部品との干渉が生じにくくなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる斜板式可変容量コンプレッサの内部構成を示す縦断面図であって、斜板の傾斜角度が大きい状態(最大傾斜角度にある状態)を示す図、図2は、斜板式可変容量コンプレッサの内部構成を示す縦断面図であって、斜板の傾斜角度が小さい状態(最小傾斜角度にある状態)を示す図である。なお、本実施形態では、斜板式可変容量コンプレッサ1が、冷凍サイクルの圧縮機として用いられる場合について例示する。この場合、斜板式可変容量コンプレッサ1によって吸入され、吐出される流体(媒体)は冷媒となる。
図1および図2に示すように、本実施形態にかかる斜板式可変容量コンプレッサ1は、ハウジング2、シリンダブロック3、プレート4、およびヘッドブロック5がこの順に並べられた状態で、図示しないボルト等を用いて一体化されている。
ハウジング2は有底筒状に形成されており、その底壁2aの中央部に形成された貫通孔2bには、ベアリング7およびシール部材8を介して略円柱状のシャフト6が回転可能に挿通されている。なお、シリンダブロック3には、シャフト6の回転軸心Cに沿う中央貫通孔3bが形成されており、シャフト6の先端部は、この中央貫通孔3bに内嵌されたラジアルベアリング18に内嵌され、以て、シリンダブロック3に回転可能に支持されている。
ハウジング2の筒内は、回転部9や、斜板10、ピストン11等の可動部分が収容される可動部収容室Sとなっている。この可動部収容室S内には、図示しない経路を介して所定圧力の流体が導入されるようになっており、制御弁等でこの可動部収容室S内の流体の圧力を制御することで、斜板10(および揺動部14)の傾斜角度θを制御することができる。
回転部9は、駆動装置(例えばエンジン等)によって回転駆動されるシャフト6に一体的に結合されて当該シャフト6とともに回転する部分であり、基台部12と、この基台部12にリンク機構13を介して回動可能に連結される揺動部14とを備えている。
基台部12は、略円盤状に構成されており、ハウジング2の底壁2aにスラストベアリング15を介して回転可能に支持されている。
この基台部12の径外方向の端部の一箇所にはリンク機構13が連結されており、このリンク機構13によって、揺動部14が揺動軸心Oを中心として回動可能に基台部12に連結されている。この揺動軸心Oは、シャフト6の回転軸心Cと略直交する平面に沿う方向に伸びるように設定されている。なお、本実施形態では、リンク機構13の結合片13aが、その両端に設定された結節点13bで基台部12および揺動部14に回動可能に結合されており、揺動軸心Oは、揺動部14の姿勢に応じて回転軸心Cと略直交する平面に沿う方向に伸びる状態のまま僅かに平行移動することになる。
揺動部14は、略円筒状の筒状部14aと、筒状部の基台部12側から径外方向に張り出すフランジ部14bと、フランジ部14bに固定されたウエイト19と、を有するとともに、フランジ部14bの中央部にはシャフト6が挿通される貫通孔14cが形成されている。
斜板10は、揺動部14に相対回転可能に支持されている。すなわち、斜板10は、揺動部14とともに揺動する一方、シャフト6からの回転が伝達されないように構成されており、これによりシャフト6の回転に伴う摺動摩擦の低減が図られている。具体的には、斜板10は、フランジ部14bのフランジ面上に載置されたスラストベアリング16と、筒状部の外周面に外嵌されたラジアルベアリング17とを介して揺動部14に支持されている。
また、斜板10は、外周部10aと当該外周部10aから径外方向に突出する突起部10bとを備えており、突起部10bには、ピストン11を自在保持するための球状凸部10cが固定されている。
一方、シリンダブロック3には、回転軸心Cの周方向に沿って当該回転軸心Cと略平行な姿勢で同心円状に分散配置される複数(例えば6個)のシリンダボア3aが形成されており、各シリンダボア3aには、中空部を有する略円柱状のピストン11が往復動可能に挿入されている。
ピストン11の可動部収容室S側の基端部11aには、略球面状の球状凹部11bが形成されており、この球状凹部11bに球状凸部10cが回動可能に収容されることで、斜板10とピストン11とが回動自在に連結されている。
上記構成において、シャフト6が回転駆動されると、このシャフト6に一体化された回転部9も一緒に回転する。このとき、揺動部14は、そのときの姿勢(傾斜角度θ)のまま回転するため、図1のように、揺動部14が基台部12に対して傾斜した姿勢では、斜板10は揺動することになる。このときの斜板10の揺動は、シャフト6の回転に伴って、シリンダブロック3に近い上死点10Aと、当該上死点10Aに対して斜板10の中心を挟んで対向位置にあるハウジング2の底壁2a側に近い下死点10Bとが、ともに周方向に変化する動きとなって、この揺動に伴って複数のピストン11が順次シリンダボア3a内を往復動することになる。したがって、図1に示すように、斜板10の傾斜角度θが大きいほど、ピストン11の往復距離が増大して、斜板式可変容量コンプレッサ1による流体の吐出容量が増えることになり、逆に斜板10の傾斜角度θが小さいほど、ピストン11の往復距離が減少して、斜板式可変容量コンプレッサ1による流体の吐出容量が減ることになる。そして、上述したように、可動部収容室S内の流体の圧力を制御することで、斜板10の傾斜角度θを変化させ、以て、斜板式可変容量コンプレッサ1の吐出容量を変化させるようになっている。
なお、上述したように、二つのベアリング16,17によってシャフト6の回転は斜板10には伝達されないため、斜板10は、回転することなく、その姿勢を変化させることになる。ところで、斜板10の最小吐出容量時の姿勢からの傾斜角度θは、斜板10の法線Nと回転軸心Cとのなす角度(ただし、法線Nは回転軸心Cと交わるもの)として規定することができる。
プレート4およびヘッドブロック5には、シリンダボア3aへの流体の吸入ならびにシリンダボア3aからの流体の吐出を行うための、流体経路4a,4b,5a,5bや弁機構20が形成されている。
ここで、本実施形態では、リング状のウエイト19が、揺動部14のシリンダブロック3側に、図示しないボルト等で固定されている。このウエイト19は、筒状部14aまたはラジアルベアリング17の揺動部側の部分に一体的に固定されている。そして、ウエイト19は、先端側(この場合はシリンダブロック3側)ほど細くなるテーパ状の外周面19aを有しているため、図1のように傾斜角度θが大きくなった状態、および、図2のように傾斜角度θが小さくなった状態の双方について、より容易にかつより確実にピストン11との干渉を回避することができる。
図3および図4は、このウエイト19を揺動部14のシリンダブロック3とは反対側に設けた本実施形態の変形例を示しており、図3は、当該変形例にかかる斜板式可変容量コンプレッサの内部構成を示す縦断面図であって、斜板の傾斜角度が大きい状態(最大傾斜角度にある状態)を示す図、図4は、当該変形例にかかる斜板式可変容量コンプレッサの内部構成を示す縦断面図であって、斜板の傾斜角度が小さい状態(最小傾斜角度にある状態)を示す図である。なお、この変形例は、ウエイト19を設けた位置が異なる以外、図1および図2によって示した実施形態と全く同様の構成であるため、重複する説明を省略する。
これら図3および図4から明らかとなるように、ウエイト19は、リング状で、先端側(この場合は底壁2a側)ほど細くなるテーパ状の外周面19aを有しているため、揺動部14のシリンダブロック3とは反対側に設けた場合にあっても、図3のように傾斜角度θが大きくなった状態、および、図4のように傾斜角度θが小さくなった状態の双方について、より容易にかつより確実にピストン11との干渉を回避することができる。
このように、以上の実施形態では、リング状のウエイト19の外周面19aをテーパ状に形成したため、ウエイト19と他の部品との干渉を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
1 斜板式可変容量コンプレッサ
3 シリンダブロック
3a シリンダボア
6 シャフト
10 斜板
11 ピストン
14 揺動部
16,17 ベアリング
19 ウエイト
19a 外周面
C 回転軸心
O 揺動軸心
3 シリンダブロック
3a シリンダボア
6 シャフト
10 斜板
11 ピストン
14 揺動部
16,17 ベアリング
19 ウエイト
19a 外周面
C 回転軸心
O 揺動軸心
Claims (1)
- 回転駆動されるシャフト(6)と、
前記シャフト(6)の回転軸心(C)の周方向に沿って当該回転軸心(C)と略平行な姿勢で同心円状に分散配置される複数のシリンダボア(3a)が形成されたシリンダブロック(3)と、
前記各シリンダボア(3a)内に往復動可能に挿入されたピストン(11)と、
前記シャフト(6)に、当該シャフト(6)の回転軸心(C)と略垂直な平面に沿う方向に伸びる揺動軸心(O)回りに所定角度範囲内で回動可能に連結された揺動部(14)と、
前記揺動部(14)のシリンダブロック(3)側にベアリング(16,17)を介して当該揺動部(14)と相対回転可能に支持される斜板(10)と、
を備え、前記シャフト(6)の回転によって生じる前記斜板(10)の回転揺動に伴って前記複数のピストン(11)を往復動させることで、前記複数のシリンダボア(3a)内に流体を吸入して吐出するようにした斜板式可変容量コンプレッサ(1)において、
前記揺動部(14)に、テーパ状の外周面(19a)を有するリング状のウエイト(19)を設けたことを特徴とする斜板式可変容量コンプレッサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007125555A JP2008280918A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 斜板式可変容量コンプレッサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007125555A JP2008280918A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 斜板式可変容量コンプレッサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008280918A true JP2008280918A (ja) | 2008-11-20 |
Family
ID=40141951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007125555A Pending JP2008280918A (ja) | 2007-05-10 | 2007-05-10 | 斜板式可変容量コンプレッサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008280918A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104632574A (zh) * | 2013-11-13 | 2015-05-20 | 株式会社丰田自动织机 | 旋转斜盘式可变排量压缩机 |
-
2007
- 2007-05-10 JP JP2007125555A patent/JP2008280918A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104632574A (zh) * | 2013-11-13 | 2015-05-20 | 株式会社丰田自动织机 | 旋转斜盘式可变排量压缩机 |
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