JP2005308137A - スラストニードル軸受及びその軌道輪 - Google Patents

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Abstract

【課題】
コストを増大させることなく、寿命を確保できるスラストニードル軸受及びその軌道輪を提供する。
【解決手段】
スラストニードル軸受16A、16Bは、表面窒素濃度のバラツキが0.1重量%以内であるので、過酷な潤滑条件で使用されても早期摩耗を抑制でき、長寿命をはかることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カーエアコンのコンプレッサや、自動車用変速機等に用いられると好適なスラストニードル軸受及びその軌道輪に関する。
例えばカーエアコン用コンプレッサ(カークーラコンプレッサともいう)の一タイプとして、容量可変式のコンプレッサが知られている。一般的に、容量可変式のコンプレッサは、ハウジングに対して駆動軸をラジアル軸受により回転自在に支持し、この駆動軸に対して斜板を傾斜角度可変に連結し、この斜板に対し揺動板を摺動自在に取付けてある。斜板と揺動板との間にはスラスト軸受が配置されている。揺動板には、複数のピストンロッドの一端が円周方向等間隔に取付けてあり、このピストンロッドの他端はピストンに連結している。このピストンは、ハウジング内に設けられたシリンダの内部で摺動するように設けられ、このシリンダのボア内に流入される冷媒ガスを圧縮し吐出するようにしている。つまり、斜板が回転すると、揺動板が、いわゆるみそすり的動作をし、ピストンロッドを介してピストンを軸線方向に往復運動させ、冷媒ガスを圧縮し吐出するようになっている(特許文献1参照)。
特開2002−266754号公報 特許第3326834号公報 特開2002−339984号公報
ところで、カーエアコン用コンプレッサの動作時には、斜板を介して駆動軸は大きな力を受けるので、かかる駆動軸をハウジングに対してスラスト方向に支持するスラスト軸受と、ラジアル方向に支持するラジアル軸受とが必要となる。ここで、スラストニードル軸受はころを放射状に複数本配列し、アキシアル荷重を受けて回転するものであり、軸方向高さが低い(薄い)にもかかわらず、非常に大きな荷重を受けることができるという特徴を有しているので、カーエアコン用コンプレッサに用いられることが多い。
スラストニードル軸受において軌道輪であるレースは、薄いドーナツ形状をしており、このレースを熱処理して硬さを確保し、その後研磨加工やバレル加工等の後加工を施して、ころが転動する軌道面として使用可能なレベルの粗さに仕上げている。
ところが、かかるレースを熱処理すると変形が生じ、レースの大きさによっては無視できない量になる。例えば外径がφ100mm程度ともなると熱処理時の変形が最大0.1mm程度にもなる場合があるため、板厚が厚く反りが矯正されない場合、従来技術では後工程である研磨によって、この反りを解消すべく反り量以上研磨して、軌道輪表裏の平面度を確保することが求められていた。このような研磨加工を行う場合、時には部分的には多く削る必要があるが、窒素濃度は表面からの深さに依存するため、大きく削られた部分の窒素濃度は低く、削り代の小さな部分は窒素濃度が高くなるという問題が生じた。
しかるに、窒素濃度はスラストニードル軸受にとってはレースの摩耗現象、疲れ寿命の延長をする上で重要な要素となっており、この窒素濃度が低い場合には早期に摩耗やフレーキングというような損傷を引き起こすことが懸念される。従って、第1の課題は、いかなる範囲にレースの窒素濃度を抑えれば、早期摩耗を回避できるかということである。
しかしながら、熱処理時の変形を取り去らねば、スラストニードル軸受としての機能を満足することができない。そこで、レースを片面ずつ研削することも考えられるが、両面を研磨する場合には工程が2回になりコストアップ要因となるという問題がある。このコストを抑えるために両頭研削盤を用いて両面を同時に研磨するにしても、両面を同じ状態で削ることは難しく表裏での品質が安定しないといった別な問題が生じることとなる。従って、第2の課題は、いかにして反りを抑えた軌道輪を形成できるかということである。
尚、特許文献2,3には、窒素濃度を向上させて耐久性を向上させる技術が開示されているが、かかる技術では窒素濃度を向上させるために、熱処理時間を増やすことが必要になり、手間がかかると共に、変形量もさらに大きくなることが懸念され非効率である。
本発明は、上述したような課題を達成すべくなされたものであり、コストを増大させることなく、寿命を確保できるスラストニードル軸受及びその軌道輪を提供することを目的とする。
本発明のスラストニードル軸受は、複数のころと、前記ころを保持する保持器と、前記ころが転動する軌道輪とを有するスラストニードル軸受において、
前記軌道輪の表面窒素濃度のバラツキが0.1重量%以内であることを特徴とする。
本発明のスラストニードル軸受は、複数のころと、前記ころを保持する保持器と、前記ころが転動する軌道輪とを有するスラストニードル軸受において、前記軌道輪の表面窒素濃度のバラツキが0.1重量%以内であるので、前記軌道輪の軌道面における早期摩耗を回避し、スラストニードル軸受の寿命を確保することができる。本発明は、上述した従来技術と比較しても、窒素濃度を必要最低限確保し、軌道面の研磨量も最低量にすることでコストを低減し、短い加工時間で大きな効果が得られるという点で優れているものである。
窒化層(適切な窒素濃度及び硬さを有する層)の形成方法としては、塩浴等による液体窒化処理や、ガス窒化処理や、イオン窒化処理が挙げられる。このうち、イオン窒化処理は処理温度が比較的高く、母材の耐熱性を考慮しても十分な下地の硬度が得られにくかったり、前記少なくとも一つの部品の表面に均一な窒化層を形成させることが困難な場合があるため、塩浴窒化処理あるいはガス窒化処理によることが好ましい。なお、好ましい窒化処理温度は480℃以下とする。また、窒化層は、特に処理温度が高い場合に、その最表面に数ミクロン程度の脆弱な化合物層(ξ相あるいはε相単相からなる擬似セラミックス層)が膜状に形成される場合があるため、窒化処理温度はさらに好ましくは460℃以下とする。また、このように処理温度がより低いものであると、窒化層がより緻密なものとなって粗悪なポーラス層も生成しない。
前記軌道輪の表面窒素濃度が0.05〜0.5重量%以内であると好ましい。
前記軌道輪の平面度は、テーパ量が5/1000以下であると好ましい。ここで、テーパ量とは、測定面における基準点から距離x離れた位置の測定点が、基準点から距離yだけ高さが変化していたときに、x/yで表すものとする。
前記軌道輪の平面度は、うねりが100μm以下であると好ましい。ここで、「うねり」とは、軌道面の円周において最も高い位置と最も低い位置との差をいうものとする。
前記軌道輪は研削加工により形成されると好ましい。板材をプレスして形成される軌道輪の場合には、軌道輪が取り付けられる部位の平面度の影響を受けがちとなるためである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるニードル軸受が組み込まれたカーエアコンのコンプレッサの断面図であり、図2は、図1の構成をII方向に見た図である。
図1において、コンプレッサ1を構成するハウジング6は、中央の短円筒状の本体7をヘッドケース8と斜板ケース9とで軸線方向(図1の左右方向)両側から挟持し、更に複数本の結合ボルト(図示せず)により結合されて一体となっている。ヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高圧室11とが設けられている。尚、高圧室11内は勿論、低圧室10、10内も正圧である。又、本体7とヘッドケース8との間には平板状の隔壁板12が挟持されている。図1で複数に分割されている如く表されている低圧室10、10は互いに連通しており、ヘッドケース8の外面に設けられた単一の吸入ポート13(図2)に連通している。又、高圧室11は、ヘッドケース8に設けられた吐出ポート(図示せず)に通じている。吸入ポート13がエバポレータ(不図示)の出口に、不図示の吐出ポートをコンデンサ(不図示)の入口に、それぞれ連通させている。
ハウジング6内にはシャフト14を、本体7と斜板ケース9とに掛け渡す状態で、回転自在に支持している。より具体的には、シャフト14の両端部を1対のラジアルニードル軸受15A、15Bにより、本体7と斜板ケース9とに対して回転自在に支持すると共に、1対のスラストニードル軸受16A、16Bにより、このシャフト14に加わるスラスト荷重を支承自在としている。
本実施の形態にかかるスラストニードル軸受16Aは、複数のころ16aと、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪16b、16cと、ころ16aを保持する保持器16dとを有している。軌道輪16b、16cの表面は、窒素濃度0.05重量%以上であり、そのバラツキは0.1重量%以内に抑えられている。更に、本実施の形態にかかるスラストニードル軸受16Bは、複数のころ16eと、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪16f、16gと、ころ16eを保持する保持器16hとを有している。軌道輪16f、16gの表面は、窒素濃度0.05重量%以上であり、そのバラツキは0.1重量%以内に抑えられている。スラストニードル軸受16Bの拡大した断面図を、図3に示す。
ラジアルニードル軸受15Aは、複数のころ15aと、外輪(軌道輪)15bと、ころ15aを保持する保持器15cとを有している。ラジアルニードル軸受15Bは、複数のころ15dと、外輪(軌道輪)15eと、ころ15dを保持する保持器15fとを有している。
スラストニードル軸受16Aは、本体7の一部と上記シャフト14の一端部(図1の右端側)に形成した段部17との間に、皿ばね18を介して設けている。又、スラストニードル軸受16Bは、シャフト14の中間部外周面に外嵌固定した円板部19と斜板ケース9との間に配置している。ハウジング6を構成する本体7の内側でシャフト14の周囲部分には、複数(例えば図示の例では、円周方向等間隔に6個)のシリンダ孔20、20を形成している。この様に本体7に形成した、複数のシリンダ孔20、20の内側には、それぞれピストン21、21の先半部(図1の右半部)に設けた摺動部22、22を、軸方向の変位自在に嵌装している。
ここでは、シリンダ孔20、20の底面とピストン21、21の先端面(図1の右端面)との間に設けられた空間を、圧縮室23とする。又、斜板ケース9の内側に存在する空間は、斜板室24とする。シャフト14の中間部外周面でこの斜板室24内に位置する部分おいて、斜板25を、シャフト14に対して所定の傾斜角度を持たせて固定し、この斜板25がシャフト14と共に回転する様にしている。斜板25の円周方向複数個所と、各ピストン21、21とは、それぞれ1対ずつのスライディングシュー26、26により連結されている。この為、これら各スライディングシュー26、26の内側面(互いに対向する面)は平坦面として、同じく平坦面である斜板25の両側面外径寄り部分に摺接するようになっている。又、これら各スライディングシュー26、26の外側面(相手スライディングシュー26と反対側面)は球状凸面としている。更に、その内側面を斜板25の両側面に当接させた状態で、これら両スライディングシュー26、26の外側面を単一球面上に位置させている。一方、各ピストン21、21の基端部(前記隔壁板12から遠い側の端部で、図1の左端部)には、スライディングシュー26、26及び斜板25と共に、駆動力伝達機構を構成する連結部27、27を、各ピストン21、21と一体に形成している。そして、これら各連結部27、27に、一対のスライディングシュー26、26を保持する為の保持部28、28を形成している。又、これら各保持部28、28には、各スライディングシュー26、26の外側面と密に摺接する球状凹面を、互いに対向させて形成している。
又、本体7の一部内周面で、各連結部27、27の外端部に整合する部分には、各ピストン21、21毎にそれぞれ1対ずつのガイド面(図示せず)を、円周方向に離隔して形成している。各連結部27、27の外端部は、このガイド面に案内されて、ピストン21、21の軸方向(図1の左右方向)の変位のみ自在である。従って、各ピストン21、21も、各シリンダ孔20、20内に、斜板25の回転に伴う各ピストン21、21の中心軸回りの回転を防止されて、軸方向の変位のみ自在(回転不能)に嵌装されている。この結果、各連結部27、27は、シャフト14の回転による斜板25の揺動変位に伴って各ピストン21、21を軸方向に押し引きし、各摺動部22、22をシリンダ孔20、20内で軸方向に往復移動させる。
一方、低圧室10及び高圧室11と各シリンダ孔20、20とを仕切るべく、本体7とヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している隔壁板12には、低圧室10と各シリンダ孔20、20とを連通させる吸入孔29、29と、高圧室11と各シリンダ孔20、20とを連通させる吐出孔30、30とを、それぞれ軸線方向に貫通する状態で形成している。従って、各吸入孔29、29及び各吐出孔30、30の一端(図1の左端)でシリンダ孔20、20側の開口は、何れも各ピストン21、21の先端面と対向する。又、各シリンダ孔20、20内で、各吸入孔29、29の一端と対向する部分には、低圧室10から各シリンダ孔20、20に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吸入弁31、31を設けている。又、高圧室11内で、各吐出孔30、30の他端(図1の右端)開口と対向する部分には、各シリンダ孔20、20から高圧室11に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吐出弁32を設けている。この吐出弁32には、各吐出孔30、30から離れる方向への変位を制限する、ストッパ33を付設している。
上述の様に構成するコンプレッサ1のシャフト14は、車両のエンジン(不図示)により無端ベルト42を介して回転駆動される。この為に、図示の例の場合は、ハウジング6を構成する斜板ケース9の外側面(図1の左側面)中央に設けた支持筒部34の周囲に従動プーリ35を、複列ラジアル玉軸受36により、回転自在に支持している。この従動プーリ35は、断面コ字形で全体を円環状に構成しており、斜板ケース9の外側面に固定したソレノイド37を、従動プーリ35の内部空間に配置している。一方、シャフト14の端部で支持筒部34から突出した部分には取付ブラケット38を固定しており、この取付ブラケット38の周囲に磁性材製の環状板39を、板ばね40を介して支持している。この環状板39はソレノイド37への非通電時には、板ばね40の弾力により、図に示す様に従動プーリ35から離隔しているが、ソレノイド37への通電時にはこの従動プーリ35に向け吸着されて、この従動プーリ35からシャフト14への回転力の伝達を自在とする。即ち、ソレノイド37と環状板39と板ばね40とにより、従動プーリ35とシャフト14とを係脱する為の電磁クラッチ41を構成している。又、車両のエンジンのクランクシャフト(不図示)の端部に固定した駆動プーリと従動プーリ35との間には、無端ベルト42を掛け渡している。
本実施の形態にかかるカーエアコンのコンプレッサの動作について説明する。車室内の冷房或は除湿を行なう為、カーエアコンを作動させた場合には、電磁クラッチ41を動作させて従動プーリ35とシャフト14とを係合させ、それにより無端ベルト42を介して、車両のエンジンの動力をシャフト14に伝達し、これを回転駆動する。この結果、斜板25が回転して、複数のピストン21、21を構成する摺動部22、22をそれぞれシリンダ孔20、20内で往復移動させる。そして、この様な摺動部22、22の往復移動に伴って、吸入ポート13から吸引された冷媒ガスが、低圧室10、10内から各吸入孔29、29を通じて圧縮室23内に吸い込まれる。この冷媒ガスは、これら各圧縮室23内で圧縮されてから、吐出孔30、30を通じて高圧室11に送り出され、吐出ポートより吐出される。その後、高温・高圧の冷媒ガスはコンデンサで冷却され液冷媒となった後、急激に膨張させられ、低温・低圧の霧状冷媒となってエバポレータに流れ、ここで車室内に供給される空気を冷却し、その後冷媒ガスとなってコンプレッサに吸入される。
本実施の形態によれば、スラストニードル軸受16A、16Bは、上述したように表面が窒素濃度0.05重量%以上であり、且つ窒素濃度のバラツキが0.1重量%以内であるので、過酷な潤滑条件で使用されても早期摩耗を抑制でき、長寿命をはかることができる。
本発明者らが行った評価試験結果を以下に示す。供試したスラストニードル軸受の軌道輪において、実施例1〜5については、窒化処理後に、220℃以上260℃以下の温度でプレステンパー処理(軌道輪を型に押しつけて形状を矯正したままの状態で、所定の温度(テンパー温度)に保持する処理)を行い、更に研磨処理を施して所定の形状に仕上げた。一方、比較例1〜5については、同様な条件で窒化処理した後に、研磨処理を施して所定の形状に仕上げた。
かかる実施例1〜5と比較例1〜5について、ころが転動する軌道面において、任意の位置を基準とし周方向に等間隔に8点選び、各点の表面窒素濃度を測定したところ、表1,2に示す測定結果が得られた。実施例1〜5においては、最低窒素濃度は0.122重量%であり、その最大バラツキは0.089重量%であった。一方、比較例1〜5においては、最低窒素濃度は0.021重量%であり、その最大バラツキは0.204重量%であった。
Figure 2005308137
Figure 2005308137
更に、本発明者らは、実施例1〜5と比較例1〜5の軌道輪を組み込んだスラストニードル軸受において、以下の供試条件で耐久試験を行った。
供試条件
(1)使用軸受:内径φ70×外径φ100、ころ径φ3(mm)、
スラストニードル軸受
(2)回転数:1000min−1
(3)アキシアル荷重:7000N
(4)潤滑油:白灯油
(5)試験時間:120min
耐久試験後のスラストニードル軸受を分解して、その軌道輪の摩耗量を調査したところ、実施例1〜5には顕著な摩耗は観察されなかったが、比較例1〜5の軌道輪には顕著な摩耗が観察された。尚、比較例5に関しては、窒素濃度のバラツキは0.1重量%以内ではあるが、最低窒素濃度が0.032重量%であったことから、顕著な摩耗が発生したものと考察される。
更に、本発明者らは、窒素濃度とテンパー温度とを変更してプレテンパー処理を行った後、軌道輪の反りと、その摩耗量とを求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2005308137
表3において、各欄中の度合いを表す用語は、数値を用いて定義すると以下のようになる。
(窒素濃度)
少:0.05重量%未満
中:0.05重量%以上、0.15重量%未満
多:0.15重量%以上
(テンパー温度)
低:180℃以上200℃未満
中低:200℃以上220℃未満
中高:220℃以上240℃以下
高:240℃以上
(そり)
小:テーパ量が5/1000以下
中:テーパ量が5/1000を超え10/1000以下
大:テーパ量が10/1000を超えている
(うねり)
小:0.1mm以下
中:0.1mmを超え0.2mm以下
大:0.2mmを超えている
表3の結果によれば、テンパー温度が低いと、軌道輪の反りが大きくなって、研磨量が増大し、結果として窒素濃度が低くなり、また面内でのバラツキも大きくなるということがわかった。
図4は、本実施の形態にかかるニードル軸受が組み込まれた手動式変速機(常時噛み合い式変速機)の断面図である。図4において、メインシャフト101上に配置されたギヤG1〜G3のいずれかを、カウンターシャフト102上に配置されたギヤユニットGUのギヤGU1〜GU4のいずれかと動力伝達可能に噛合させることで、減速を実現するようになっている。本実施の形態にかかるスラストニードル軸受116は、ケース103と、ギヤユニットGUとの間に配置されて、スラスト力を受けるようになっている。
図5は、本実施の形態にかかるニードル軸受を含む車両の自動変速機の断面図である。図5において、各要素のスラスト力を受けるため、スラストニードル軸受201〜210が配置されている。以上のように、本発明のスラストニードル軸受は、カークーラコンプレッサに限らず、自動車用の有段変速機又は無断変速機の他、種々の機械に用いることができる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。
本実施の形態にかかるニードル軸受が組み込まれたカーエアコンのコンプレッサの断面図である。 図1の構成をII方向に見た図である。 スラストニードル軸受16Bの断面図である。 本実施の形態にかかるニードル軸受が組み込まれた手動式変速機(常時噛み合い式変速機)の断面図である。 本実施の形態にかかるニードル軸受を含む車両の自動変速機の断面図である。
符号の説明
1 カーエアコンのコンプレッサ
6 ハウジング
14 シャフト
15A、15B ラジアルニードル軸受
16A、16B、116、201〜210 スラストニードル軸受

Claims (6)

  1. 複数のころと、前記ころを保持する保持器と、前記ころが転動する軌道輪とを有するスラストニードル軸受において、
    前記軌道輪の表面窒素濃度のバラツキが0.1重量%以内であることを特徴とするスラストニードル軸受。
  2. 前記軌道輪の表面窒素濃度が0.05〜0.5重量%以内であることを特徴とする請求項1に記載のスラストニードル軸受。
  3. 前記軌道輪の平面度は、テーパ量が5/1000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラストニードル軸受。
  4. 前記軌道輪の平面度は、うねりが100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスラストニードル軸受。
  5. 前記軌道輪は研削加工により形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスラストニードル軸受。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のスラストニードル軸受に用いることを特徴とする軌道輪。
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