JP2007056703A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易な適合により、運転者の感性に訴求できる駆動力制御を実現する。
【解決手段】 駆動力制御装置は、人間の感性に関係する特性を調整する機能ブロックであるドライバモデル100と、車両のハードウェア特性を調整する機能ブロックであるパワトレマネージャ200とを含む。ドライバモデル100は、ベース駆動力マップ等を用いてアクセル開度から目標駆動力を算出する目標ベース駆動力算出部(静特性)110と、OWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111と、むだ時間を含む伝達関数で表わされる過渡特性を用いて目標駆動力から最終目標駆動力を算出する目標過渡特性付加演算部120とを含む。目標過渡特性付加演算部120においては、2次遅れ系+むだ時間で表わされる過渡特性におけるむだ時間Lが、ワンウェイクラッチの同期に必要な時間に基づいて設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンと自動変速機とを有するパワートレーンが搭載された車両の制御装置に関し、特に、運転者の要求駆動力に対応する駆動力を出力できる駆動力制御装置に関する。
運転者のアクセルペダル操作とは独立にエンジン出力トルクを制御することが可能なエンジンと自動変速機とを備えた車両において、運転者のアクセルペダル操作量や車両の運転条件等に基づいて算出された正負の目標駆動トルクを、エンジントルクと自動変速機の変速ギヤ比で実現する「駆動力制御」という考え方がある。また、「駆動力要求型」や「駆動力ディマンド型」と呼ばれる制御手法もこれに類する。
この駆動力制御においては、目標駆動トルクの作成によって車両の動特性を容易に変えることが可能である。しかしながら、加減速時(過渡応答時)には自動変速機の変速ギヤ比の時間的変化に対応したイナーシャトルクだけでなく、車輪速の時間的変化に対応したイナーシャトルクによっても駆動トルクが目標値からずれるので、トルクを補正する必要がある。
さらに、スロットル開度と車速とによる変速マップに基づいて変速判断する場合においては、以下に示す問題点がある。車両の駆動源がエンジンである場合、発生トルクはスロットル開度の増加に応じて増加する。このため、運転者の操作により駆動力要求が増大した場合に、スロットル開度を大きくすることにより駆動力の増大を実現することが基本的には可能である。しかしながら、スロットル開度がある程度まで大きくなると、エンジンから発生する駆動力は飽和するという特性を有する。これは、スロットル開度を大きく変化させても駆動力は小さくしか変化しない(増大しない)ことを意味する(線形ではなく非線形性の特性を有することを意味する)。したがって、比較的大きな駆動力がエンジンから発生している状態で、駆動力がわずかに増大するような駆動力要求があっても、スロットル開度が大きく変化する。その結果、スロットル開度が大きく変化して変速マップ上の変速線と交錯して変速が行なわれる。このような場合において、目標駆動トルクと発生トルクとが乖離して、運転者の意図する車両挙動が実現されない。
特開2002−87117号公報(特許文献1)は、駆動力の定常目標と過渡目標をエンジントルクと変速比の同調制御により実現する制御仕様とすることで、運転者の要求通りの駆動力を実現でき、動力性および運転性を大幅に改良できる駆動力制御装置を開示する。
この公報に開示された駆動力制御装置は、エンジンと変速機を有するパワートレーンにおいて、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、検出されたアクセル操作量と車速から静的な目標駆動力を演算する目標駆動力演算手段と、目標駆動力の変化のパターンを演算する駆動力パターン演算手段と、目標駆動力に基づいてエンジントルク定常目標値を演算し、検出されたアクセル操作量と車速から変速比定常目標値を演算する定常目標値演算手段と、目標駆動力の変化パターンに基づいて、エンジントルク過渡目標値と変速比過渡目標値を演算する過渡目標値演算手段と、エンジントルク定常目標値とエンジントルク過渡目標値を実現する目標エンジントルク実現手段と、変速比定常目標値と変速比過渡目標値を実現する目標変速比実現手段とを備える。
この駆動力制御装置によると、走行時、目標駆動力演算手段において、アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作量と、車速検出手段により検出された車速から静的な目標駆動力が演算され、駆動力パターン演算手段において、目標駆動力の変化のパターンが演算される。そして、定常目標値演算手段において、目標駆動力に基づいてエンジントルク定常目標値が演算され、検出されたアクセル操作量と車速から変速比定常目標値が演算され、過渡目標値演算手段において、目標駆動力の変化パターンに基づいて、エンジントルク過渡目標値と変速比過渡目標値が演算される。そして、目標エンジントルク実現手段において、エンジントルク定常目標値とエンジントルク過渡目標値が実現され、目標変速比実現手段において、変速比定常目標値と変速比過渡目標値が実現される。すなわち、変速機の変速遅れや回転変化に伴うイナーシャトルクの発生をすべてエンジントルクによって補償するのではなく、駆動力の定常目標と過渡目標をエンジントルクと変速比の同調制御により実現する制御仕様としている。よって、運転者の要求通りの駆動力を実現でき、動力性・運転性を大幅に改良することができる。
特開2002−87117号公報
しかしながら、特許文献1に開示された駆動力制御装置においては、運転者の操作であるアクセル操作量に基づいて静的な目標駆動力を演算して、目標駆動力の変化パターンに車両各部において発生する遅れを加味して過渡特性を算出して目標駆動力を演算する。このため、運転者の操作と車両各部における特性(遅れ特性)とが互いに関連付けられて算出される。このため、運転者の感性に訴求する加速感や減速感を実現するためには車両に発生する加速度の過渡特性を安定して実現させることが必要不可欠である。
上述した公報に開示された駆動力制御装置においては、
1)運転者の操作と車両各部における特性(遅れ特性)とが互いに関連付けられているので、運転者の特性に基づく適合が困難である、
2)車両各部における遅れ特性等の動的特性変化(過渡特性変化)の非線形性が大きいので、運転者の要求する目標駆動力を実現することが困難である、
という問題を解決することができない。
さらに、自動変速機には、所定の変速比が選択されている状態での惰性走行時にエンジンブレーキが作用しないように一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)が動力伝達経路上に設けられている。このため、惰性走行からの加速時には、このワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)から駆動状態(同期状態)に変化するまで、動力が伝達されない時間が存在する。この時間を考慮していない上述した公報に開示された駆動力制御装置においては、適切な目標駆動力の変化特性を実現できない可能性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)を有する場合であっても、運転者が要求する駆動力を実現でき、アクセルオフからアクセルオンへ移行した場合に良好な加速特性を発現する、車両の駆動力制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、動力源と動力源に接続された変速機とを備え、変速機を含む動力伝達経路には一方向クラッチが介設された車両の駆動力制御装置である。この制御装置は運転者の操作に基づいて目標駆動力を設定するための目標駆動力設定手段と、目標駆動力設定手段から出力された目標駆動力に基づいて、動力源および変速機を制御するための制御手段とを含む。この制御手段は、動力源の過渡特性を補償するための補償手段を含む。この補償手段は、一方向クラッチの作動状態に基づいて、過渡特性を設定するための手段を含む。
第1の発明によると、補償手段は、一方向クラッチの作動状態に基づいて、過渡特性を設定する。たとえば、過渡特性を、むだ時間要素を含む伝達関数により設定する。このとき、一方向クラッチの差回転があると、この差回転が大きいほど、むだ時間が大きくなるように算出する。このようにすると、差回転が大きいほど、一方向クラッチが同期状態(駆動状態)になるまでに時間を必要とすることを補償することができる。このように、一方向クラッチの作動状態に基づいて過渡特性を補償したので、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)からの加速であっても、良好に過渡特性を付加することができる。その結果、ワンウェイクラッチを有する場合であっても、運転者が要求する駆動力を実現でき、アクセルオフからアクセルオンへ移行した場合に良好な加速特性を発現する、車両の駆動力制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、一方向クラッチが非駆動状態であるときに、非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を算出するための手段をさらに含む。補償手段は、必要な時間に基づいて、過渡特性のパラメータを設定するための手段を含む。
第2の発明によると、一方向クラッチが非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を、たとえばむだ時間として設定する。このようにすると、一方向クラッチの作動状態に基づいて過渡特性を補償したので、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)からの加速であっても、良好に過渡特性を付加することができる。
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、過渡特性は、むだ時間をパラメータとするむだ時間特性を含む、2次遅れ特性である。
第3の発明によると、たとえば、一方向クラッチが非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を、むだ時間として設定するので、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)からの加速であっても、良好に過渡特性を付加することができる。
第4の発明に係る制御装置は、第3の発明の構成に加えて、一方向クラッチが非駆動状態であるときに、非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を算出するための手段をさらに含む。補償手段は、必要な時間に基づいて、むだ時間を設定するための手段を含む。
第4の発明によると、一方向クラッチが非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を、むだ時間として設定するので、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)からの加速であっても、良好に過渡特性を付加することができる。
第5の発明に係る制御装置は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、一方向クラッチが駆動状態であるときに用いられる第1の制御手段と、一方向クラッチが非駆動状態であるときに用いられる第2の制御手段と、一方向クラッチの状態に基づいて、第1の制御手段および第2の制御手段のいずれかを択一的に選択するための手段とを含む。
第5の発明によると、一方向クラッチの状態により、第1の制御手段と第2の制御手段(いずれの制御手段もパワトレマネージャ)とを切り替えて、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)のときには、第2の制御手段を用いて、一方向クラッチ非駆動状態(浮動状態)から駆動状態(同期状態)になるときのショックを低減するように要求エンジントルクを算出する。このようにすると、一方向クラッチが非駆動状態(浮動状態)のときであっても第1の制御手段で制御すると、一方向クラッチの同期時にショックが発生して、かつ、目標駆動力設定手段で決定された目標駆動力が発現されない場合がある。一方向クラッチが非駆動状態であるときには第2の制御手段に切り替えて、要求エンジントルクを算出するので、一方向クラッチの同期時にショックが発生して、かつ、目標駆動力設定手段で決定された目標駆動力が発現されないことを回避できる。その結果、ワンウェイクラッチを有する場合であっても、運転者が要求する駆動力を実現でき、アクセルオフからアクセルオンへ移行した場合に良好な加速特性を発現する、車両の駆動力制御装置を提供することができる。
第6の発明に係る制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、動力源は内燃機関であり、制御手段は、目標駆動力設定手段により設定された目標駆動力に基づいて内燃機関の目標トルクを算出するための手段と、算出された目標トルクに基づいて内燃機関の目標スロットル開度を算出するための手段とを含む。制御装置は、車両の運転者の要求を優先させる場合には、第2の制御手段に代えて、目標駆動力に基づいて内燃機関の目標スロットル開度を算出するための手段を選択するための手段をさらに含む。
第6の発明によると、一方向クラッチが非駆動状態であってむだ時間により過渡特性が補償される場合であって、かつ、運転者の要求が優先される場合には(たとえば、アクセルペダルを踏み込む操作に対して即座に内燃機関がトルク上昇させるスポーツモードが選択されている場合には)、第2の制御手段で要求エンジントルクを算出して、むだ時間要素を付加して過渡応答を補償して、内燃機関に要求エンジントルクを出力して、目標スロットル開度を算出していたのでは、アクセル操作に対する内燃機関のトルク上昇が遅れる。このような場合には、内燃機関のスロットル開度要求量を直接的に算出するようにした。このため、処理時間を短縮することができ、運転者の要求に対する内燃機関のトルク上昇の応答性を向上させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本実施の形態に係る駆動力制御装置の制御ブロック図を示す。この駆動力制御装置は、車両に実装された、CPU(Central Processing Unit)を含むECU(Electronic Control Unit)において、そのCPUで実行されるプログラムにより実現される。
図1に示すように、この駆動力制御装置は、最終的に、エンジン300に要求エンジントルクを出力するとともに、ECT(Electronically Controlled automatic Transmission)400に要求ギヤ段を出力する。なお、ECT400は、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)であってもよく、その場合の出力は、要求ギヤ段ではなく要求ギヤ比になる。
以下、図1を参照して、本実施の形態に係る駆動力制御装置の構成について詳しく説明する。なお、以下に示す、マップ、伝達関数、係数、パラメータの種類は一例であって、本発明がこれらに限定されるものではない。
この駆動力制御装置は、ドライバモデル100とパワトレマネージャ200とを含み、ドライバモデル100に含まれる目標過渡特性付加演算部120において車両のハードウェア特性以外の人間の感性に関するチューニングを行ない、パワトレマネージャ200に含まれる特性補償器220において人間の感性以外の車両のハードウェア特性に関するチューニングを行なうようにして、人間の感性と車両のハードウェア特性とを区別している。また、車両のハードウェア特性の非線形性による過渡特性のチューニングを容易にしている。以下、駆動力制御装置について、ドライバモデル100、パワトレマネージャ200の順で説明する。
図1に示すように、ドライバモデル100は、目標ベース駆動力算出部(静特性)110と、OWC(ワンウェイクラッチ)浮動(非駆動)→同期(駆動)移行時むだ時間演算部111と、目標ベース駆動力算出部(静特性)110から出力された目標駆動力に基づいて最終目標駆動力を算出する目標過渡特性付加演算部120とを含む。
OWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111は、ワンウェイクラッチのドリブン側回転数Ninがドライブ側回転数Noutよりも小さい場合において、その差回転Nd=Nout−Ninを用いて、目標過渡特性付加演算部120における伝達関数のむだ時間Lを算出する。このとき、むだ時間Lは、f(Nd、x)(xは車速や加速度等のパラメータ)により算出される。なお、差回転Ndが大きいほど、むだ時間Lが大きくなる傾向を有する。
目標ベース駆動力算出部(静特性)110は、たとえば、図1のベース駆動力MAP等として示すように、アクセル開度をパラメータとして、車速により目標駆動力が決定されるマップに基づいて目標駆動力を算出する。すなわち、この目標ベース駆動力算出部(静特性)110においては、運転者により操作されたアクセル開度とそのときの車両の速度(車速)とにより目標駆動力が算出されることになる。
目標過渡特性付加演算部120は、人間の感性の立場に基づいて(車両のハードウェア特性とは切り離して)、どのような過渡特性にするのかを決定する演算を行なう部分である。この目標過渡特性付加演算部120は、たとえば図1の「目標駆動力過渡特性MAP等」として示すように、時系列で与えられたり、伝達関数F(s)(2次遅れ+むだ時間)で与えられたりする。この目標過渡特性付加演算部120がこのような時系列や伝達関数で与えられることにより(後述する特性補償器220が正常に動作していることが前提となるが)、車両のハードウェア特性に依存することなく、目標駆動力過渡特性MAPにおける目標応答性を調整することにより、アクセル開度に対する車両加速度特性(静特性および動特性)をチューニング(カスタマイズ)することが可能になる。以下においては、「目標駆動力過渡特性MAP等」が伝達関数で与えられる場合について説明する。
目標過渡特性付加演算部120は、図1に示すように、伝達関数F(s)=K/(Ts+1)2・Exp-Lsが用いられる。ここでパラメータL(むだ時間)は、上述したOWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111により算出される。また、パラメータTは周期であって、応答速さを表わす。このパラメータTが小さいほど、過渡特性における駆動力の増加勾配が大きくなり(急になり)、パラメータTが大きいほど、駆動力の増加勾配が小さくなる(緩やかになる)。
このように、むだ時間要素を含む伝達関数F(s)としたため、ワンウェイクラッチの差回転Ndがあると、むだ時間Lを含んだ伝達関数により過渡応答が付加される。このとき、ワンウェイクラッチの差回転Ndが大きいほど、むだ時間Lが大きくなるように算出される。差回転Ndが大きいほど、ワンウェイクラッチが同期状態(駆動状態)になるまでに時間を必要とするためである。
このときの状態を図2に示す。図2の時刻t(1)で、アクセルペダルが踏み込まれた場合、ワンウェイクラッチが駆動状態(同期状態)から加速した場合には、むだ時間が発生することなく時刻t(1)から発生駆動力が上昇する。一方、ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)から加速した場合には、むだ時間Lの経過後である時刻t(3)から発生駆動力が上昇する。
このように目標過渡特性付加演算部120において、むだ時間要素を用いてワンウェイクラッチの非駆動状態(浮動状態)からの加速であっても、良好に過渡特性を付加することができる。
図1に示す伝達関数は、上述したように、2次遅れ要素+むだ時間要素から構成されている一例である。目標駆動力の変化をステップ状の変化として(アクセルペダルをステップ状に踏込んだ場合等)、時間領域において、この伝達関数によりむだ時間を含む2次遅れ系の過度応答となる。この点からは、要求駆動力に対して2次遅れ系のフィルタが設けられているともいえる。
実際の調整(チューニング)の具体例としては、上述した伝達関数における、パラメータωnとパラメータζとをチューニングする。この伝達関数のステップ応答の波形を解析すると以下のようなことがわかる。なお、以下の説明は、K/(Ts+1)2を、K・ωn/(s2+2ζωn+ωn2)に、伝達関数を表わす式を変換した場合について説明する。
パラメータζは、0<ζ<1(不足制振)ではオーバシュートを発生して、パラメータζが小さいほど大きく振動する。ζ>1(過制振)では振動しないでパラメータζが大きくなるに従って、より緩やかに目標値に漸近する。ζ=1(臨界制振)では、振動することなく目標値に収束する。
0<ζ<1(不足制振)の場合の行き過ぎ量Φについては以下のようなことがわかる。不足制振ではオーバシュートとアンダーシュートとを繰り返す振動が発生するので、実際にパラメータζをこの0<ζ<1(不足制振)の領域に設定することができない。そこで、パラメータζについては、以下のような方針に基づいてチューニングすることになる。
まろやか感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてファミリーカー的なチューニングが求められ場合には、パラメータζ(>1)は、より大きくなるように調整する、すなわち、ζ=2.0やζ=4.0のように、緩やかな立ち上がりを実現させる。
他方、ダイレクト感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてスポーティカー的なチューニングが求められる場合には、パラメータζは限りなく1に近い値であって、1よりも大きい値に調整することになる。すなわち、ζ=1.0を限界として1に近い値である。ζ=1.0の場合に示すように、速やかな立ち上がりを実現させることができる。
次に、パラメータωnのチューニングについて説明する。パラメータωnは、2次遅れ系のステップ応答における、変曲点に至るまでの応答曲線の形状に影響を与える。パラメータζを1とした場合において、パラメータωnを大きくすると、上述した応答曲線の形状がすぐに直線になり、パラメータωnを小さくすると緩やかに(丸みを帯びて)直線になる。そこで、パラメータωnについては、以下のような方針に基づいてチューニングすることになる。
まろやか感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてファミリーカー的なチューニングが求められる場合には、パラメータωnは小さくなるように調整する。すなわち、変曲点近傍において丸みを帯びた緩やかな立ち上がりを実現させる。
他方、ダイレクト感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてスポーティカー的なチューニングが求められる場合には、パラメータωnは大きくなるように調整する。すなわち、変曲点近傍において丸みを帯びない速やかな立ち上がりを実現させる。
このように、まろやか感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてファミリーカー的なチューニングが求められる場合には、パラメータζ(>1)は大きくなるように、パラメータωnは小さくなるように、それぞれ調整する。ダイレクト感のある加速度変化を運転者が求める場合や、車両のコンセプトとしてスポーティカー的なチューニングが求められる場合には、パラメータζ(>1)を限りなく1に近くなるように、パラメータωnは大きくなるように、それぞれ調整する。なお、これらのパラメータおよびパラメータの調整方法は一例であって、本発明がこれらに限定されるものではない。
上述したように、図1に示すような伝達関数で目標駆動力過渡特性を与えると、適合者が容易に、運転者の感性や車両のコンセプトに容易に合致させることができるチューニングを実現することができる。このように、後述するパワトレマネージャ200の特性補償器220で車両のハードウェア特性(特に非線形特性)に関する補償器を構成して、ドライバモデル100においては、このような車両のハードウェア特性に影響しない人間の感性に影響する因子のみを、車両のハードウェア特性とは別にして調整できるようにしている。
次に、パワトレマネージャ200は、目標エンジントルク&ATギヤ段演算部210と、目標エンジントルク&ATギヤ段演算部210から出力された目標エンジントルクに基づいて要求エンジントルクを算出する特性補償器220とを含む。この特性補償器220は、車両に発生する加速度である車両Gの応答性であって、車両のハードウェア特性に依存する部分を補償する。
この特性補償器220は、本発明においては任意的な要素であって、人間の感性の立場を切り離して、車両のハードウェア特性であって、特に非線形性の強い部分について、実車または詳細シミュレーションモデルを同定することによって求めたエンジンスロットル開度から車両加速度までの伝達関数の逆関数に基づいて設計される。このような構成とすることにより、車両のハードウェア特性に大きく影響されることなく、アクセル開度−車両加速度特性(静特性、動特性)を一定に保持することができる。これにより、常に、上述した目標過渡特性付加演算部120と相まって、満足度の高い加速度特性をユーザに提供することができる。
目標エンジントルク&ATギヤ段演算部210から出力された要求ギヤ段はECT400に入力され、変速機の油圧回路が制御されて、要求ギヤ段を変速機で形成させる。
さらに、図1に示すように、この特性補償器220においては、目標G(目標エンジントルク)から実G(要求エンジントルク)までのトータルの伝達関数G(s)(スロットル開度→車両Gの動特性モデルの逆関数を含む)が「G(s)=1」になるように設計している。このようにすると、高周波数領域においても(急にアクセル開度が変化した場合においても)、良好な応答性を維持することができる。なお、スロットル開度→車両Gの動特性モデルは、エンジン、トルクコンバータ、車両の動特性モデルに基づいて作成されるものである。
なお、このトータルな伝達関数G(s)においては、運転領域を複数の領域に分けて、それぞれの領域毎に部分線形化する等により、スロットル開度→車両Gの動特性モデルの逆関数が算出できるようにするようにしてもよい。さらに、この特性補償器220は、車両運転状態情報(エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、出力軸回転数No、車速)でその特性を変化させたり切り替えたりするようにしてもよい。このようにすると、動特性モデル自体を変更するような効果がある。
図1に示すように、目標過渡特性付加演算部120をパワトレマネージャ200よりも前に出して、このパワトレマネージャ200を目標過渡特性付加演算部120とは別の機能ブロックとした。目標過渡特性付加演算部120を人間の感性とは関係がある部分のみを処理する機能ブロックとして構成するとともに、パワトレマネージャ200を車両のハードウェア特性に依存する部分のみを処理する機能ブロックとして構成した。
以上のようにして、本実施の形態に係る駆動力制御装置においては、人間の感性や車両のコンセプトに関係する感性に影響を与える機能ブロック(目標過渡特性付加演算部)と、車両のハードウェア特性に影響を与える機能ブロック(特性補償器)とに分けて構成した。目標過渡特性付加演算部においては、目標駆動力から最終目標駆動力への伝達関数を適合者が感覚的にチューニングしやすい、たとえば、2次遅れの伝達関数で表わすようにした。これにより、アクセルペダルをステップ状に踏んでからの立ち上がり特性等の時間領域における過渡特性を調整することが容易になった。また、特性補償器においては、スロットル開度から車両Gの動特性モデルの逆関数を含むトータルの伝達関数G(s)についてG(s)=1として規定することにより、非線形性を排除して目標エンジントルクから要求エンジントルクを算出できるようにした。この結果、人間の感性に関するチューニングを適合者が容易に実行できるとともに、非線形性の制御特性を有する車両のハードウェア特性に関わらずハードウェア特性を補償することができるようになる。
特に、本実施の形態においては、OWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111において、ワンウェイクラッチの差回転Ndを用いてむだ時間Lを算出する。目標過渡特性付加演算部120において伝達関数を2次遅れ要素+むだ時間要素とした。OWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111において算出されたむだ時間Lを、目標過渡特性付加演算部120のむだ時間要素のむだ時間Lに代入している。このようにすることにより、むだ時間要素Lにより過渡特性に、ワンウェイクラッチの同期に必要な時間が考慮されることになり、加速時のショックが発生することを回避できる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同じ機能については同じ参照符号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る駆動力制御装置は、前述の第1の実施の形態におけるOWC浮動→同期移行時むだ時間演算部111を有さないで、パワトレマネージャ200と並列的にOWC同期時パワトレマネージャ201およびドライバ要求優先処理部203を有する。なお、OWC同期時パワトレマネージャ201は、ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)において用いられる機能ブロックである。
図3に示すように、ドライバモデル100から出力された最終目標駆動力は、パワトレマネージャ200、OWC同期時パワトレマネージャ201およびドライバ要求優先処理部203のいずれかに出力される。
OWC同期時パワトレマネージャ201においては、最終目標駆動力に基づいて算出された要求エンジントルクをエンジン300に出力するとともに、OWC同期予測時間Lowcを目標過渡特性付加演算部120に出力する。
OWC同期時パワトレマネージャ201は、目標エンジン回転数または回転数変化率、目標同期時間等により、最終目標駆動力から要求エンジントルクを算出する。
ドライバ要求優先処理部203は、目標エンジン回転数または回転数変化率、目標同期時間等を用いて、最終目標駆動力からエンジンスロットル開度要求量を算出して、エンジン300に直接的に(トルクを介さないで)出力する。
図4を参照して、本実施の形態に係る駆動力制御装置で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、駆動力制御装置は、アクセルペダル操作量を検知する。S110にて、駆動力制御装置は、ECT400内に設けられたワンウェイクラッチの状態(駆動状態/非駆動状態)や、ロックアップクラッチの状態(係合状態/スリップ状態/解放状態)、エンジン発生トルク、トルクコンバータの速度比等に基づいて、現在発生駆動力を算出する。
S120にて、駆動力制御装置(具体的には目標ベース駆動力算出部110)は、目標ベース駆動力を算出する。これが、静特性となる。S130にて、駆動力制御装置(具体的には目標過渡特性付加演算部120)は、目標ベース駆動力に目標過渡特性を付加する演算を実行する。これが、過渡特性であって、上述した第1の実施の形態と同じく、2次遅れ要素+むだ時間要素で表わされる。
S140にて、駆動力制御装置は、ワンウェイクラッチが同期しているか否かを判断する。このとき、駆動力制御装置は、ワンウェイクラッチのドリブン側回転数Ninとドライブ側回転数Noutとの差回転Nd=Nout−Ninがしきい値よりも小さいと同期していると判断する。また、この判断は他の方法によるものであってもよい。ワンウェイクラッチが同期していると(S140にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S140にてNO)、処理はS150へ移される。
S150にて、駆動力制御装置は、ドライバ要求を優先して処理するか否かを判断する。たとえば、スポーツ走行スイッチが押されていてスポーツモードが選択されていると、ドライバ要求を優先して処理すると判断する。ドライバ要求を優先して処理すると判断されると(S150にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S150にてNO)、処理はS300へ移される。
S200にて、駆動力制御装置は、パワトレマネージャ200により、要求エンジントルクを算出する。
S300にて、駆動力制御装置は、OWC同期時パワトレマネージャ201により、要求エンジントルクを算出する。
S400にて、駆動力制御装置は、ドライバ要求優先処理部203により、エンジンスロットル開度要求量を算出する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る駆動力制御装置を搭載した車両の動作について説明する。
運転者によりアクセルペダルが踏まれるとその操作量が検知される(S100)。ドライバモデル100において最終目標駆動力が算出される。
ワンウェイクラッチが駆動状態(同期状態)であると(S140にてYES)、第1の実施の形態と同じように、パワトレマネージャ200により要求エンジントルクが算出される(S200)。このとき、むだ時間Lは0と算出される。
ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)であって(S140にてNO)、かつ、ドライバ要求優先状態でない(S150にてNO)、OWC同期時パワトレマネージャ201により要求エンジントルクが算出される(S200)。このとき、たとえば、むだ時間Lが差回転Ndの関数として算出される。
ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)であって(S140にてNO)、かつ、ドライバ要求優先状態である(S150にてYES)、ドライバ要求優先処理部203により要求エンジンスロットル開度要求量が算出される(S400)。
以上のようにして、ワンウェイクラッチの作動状態によりパワトレマネージャを切り替えて、ワンウェイクラッチ非駆動状態(浮動状態)から駆動状態(同期状態)になるときのショックを低減するように要求エンジントルクを算出する。これは、ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)であると、エンジンにおいて発生したトルクの駆動輪までの伝達が、線形または伝達関数で表わされる場合ではなくなる。たとえば、ECT400のギヤ段が1stであって被駆動状態にあると、ワンウェイクラッチが非駆動状態(浮動状態)となり、エンジンと駆動輪とが断絶されてしまう。このような場合に、パワトレマネージャ200で制御した場合には、ワンウェイクラッチの同期時にショックが発生して、かつ、ドライバモデルで決定された目標駆動力が発現されない場合があることを示す。ところが、本実施の形態のように、ワンウェイクラッチの作動状態に基づいてパワトレマネージャを切り替えて、要求エンジントルクを算出するので、ワンウェイクラッチの同期時にショックが発生して、かつ、ドライバモデルで決定された目標駆動力が発現されないことを回避できる。
さらに、運転者の要求が優先される場合には、パワトレマネージャで要求エンジントルクを算出して、エンジン300に要求エンジントルクを出力して、エンジンスロットル開度を算出するのではなく、ドライバ要求優先処理部203においてエンジンスロットル開度要求量を直接的に算出するようにした。このため、処理時間を短縮することができ、運転者の要求に対する応答性を向上させることができる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ機能については、ステップ番号を含めて同じ参照符号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る駆動力制御装置においては、第2の実施の形態に係る駆動力制御装置とは、その一部が異なるプログラムを実行する。
図5を参照して、本実施の形態に係る駆動力制御装置で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図5に示すフローチャートの中で、前述の図4のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
S230にて、駆動力制御装置(具体的には目標過渡特性付加演算部120)は、OWC同期時パワトレマネージャ201から受信した同期予測時間Lowcを用いてむだ時間系を設計して、目標ベース駆動力に目標過渡特性を付加する演算を実行する。これが、過渡特性であって、2次遅れ要素に、同期予測時間Lowcをむだ時間Lとしたむだ時間要素で表わされる。
このように、目標過渡特性付加演算部120において付加される過渡特性のむだ時間要素におけるむだ時間Lは、ワンウェイクラッチの同期予測時間Lowcであるので、むだ時間要素Lにより表わされる過渡特性に、ワンウェイクラッチの同期に必要な時間が考慮されることになり、加速時のショックが発生することを回避できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置において実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る制御装置において実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
100 ドライバモデル、109 現在発生駆動力演算部、110 目標ベース駆動力算出部(静特性)、120 目標過渡特性付加演算部、200 パワトレマネージャ、210 目標エンジントルク&ATギヤ段演算部、220 特性補償器、300 エンジン、400 ECT、410 ロックアップクラッチ。

Claims (6)

  1. 動力源と前記動力源に接続された変速機とを備え、前記変速機を含む動力伝達経路には一方向クラッチが介設された車両の駆動力制御装置であって、
    運転者の操作に基づいて目標駆動力を設定するための目標駆動力設定手段と、
    前記目標駆動力設定手段から出力された目標駆動力に基づいて、前記動力源および前記変速機を制御するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、前記動力源の過渡特性を補償するための補償手段を含み、
    前記補償手段は、前記一方向クラッチの作動状態に基づいて、前記過渡特性を設定するための手段を含む、車両の駆動力制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記一方向クラッチが非駆動状態であるときに、非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を算出するための手段をさらに含み、
    前記補償手段は、前記必要な時間に基づいて、前記過渡特性のパラメータを設定するための手段を含む、請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
  3. 前記過渡特性は、むだ時間をパラメータとするむだ時間特性を含む、2次遅れ特性である、請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記一方向クラッチが非駆動状態であるときに、非駆動状態から駆動状態になるまでに必要な時間を算出するための手段をさらに含み、
    前記補償手段は、前記必要な時間に基づいて、前記むだ時間を設定するための手段を含む、請求項3に記載の車両の駆動力制御装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記一方向クラッチが駆動状態であるときに用いられる第1の制御手段と、
    前記一方向クラッチが非駆動状態であるときに用いられる第2の制御手段と、
    前記一方向クラッチの状態に基づいて、前記第1の制御手段および前記第2の制御手段のいずれかを択一的に選択するための手段とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の駆動力制御装置。
  6. 前記動力源は内燃機関であり、
    前記制御手段は、
    前記目標駆動力設定手段により設定された目標駆動力に基づいて前記内燃機関の目標トルクを算出するための手段と、
    前記算出された目標トルクに基づいて前記内燃機関の目標スロットル開度を算出するための手段とを含み、
    前記制御装置は、前記車両の運転者の要求を優先させる場合には、前記第2の制御手段に代えて、目標駆動力に基づいて前記内燃機関の目標スロットル開度を算出するための手段を選択するための手段をさらに含む、請求項5に記載の車両の駆動力制御装置。
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