JP2003312286A - 車輪駆動力配分制御システム - Google Patents

車輪駆動力配分制御システム

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JP2003312286A
JP2003312286A JP2002120134A JP2002120134A JP2003312286A JP 2003312286 A JP2003312286 A JP 2003312286A JP 2002120134 A JP2002120134 A JP 2002120134A JP 2002120134 A JP2002120134 A JP 2002120134A JP 2003312286 A JP2003312286 A JP 2003312286A
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torque
throttle opening
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torque command
wheels
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Masaaki Wakao
昌亮 若尾
Kiyoshige Kato
清成 加藤
Toshimi Ito
聡美 伊藤
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Publication date
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K23/00Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for
    • B60K23/08Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles
    • B60K23/0808Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles for varying torque distribution between driven axles, e.g. by transfer clutch

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットル開度に係る検出信号が異常状態に
なった場合に、悪路を走行中であっても好適な対応が可
能な車輪駆動力配分制御システムを提供する。 【解決手段】 本発明の車輪駆動力配分制御システム9
0によれば、スロットル開度mに係る検出信号が異常状
態になった場合には、プレトルクTp(第1トルク指令
値)が無効化されて、前後輪14,15の回転速度差Δ
Nに係る回転差トルクTn(第2トルク指令値)のみに
基づく伝達トルクが後輪15,15に伝達される。これ
により、異常に対処しつつ、スリップした場合には、前
後輪14,15の回転速度差ΔNを抑えるように四輪が
駆動され、悪路に対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、状況に応じて自動
車の常時駆動輪以外の車輪への伝達トルクを変更する車
輪駆動力配分制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の四輪駆動車は、例えばエンジンと
後輪とを連結するプロペラシャフトの途中にトルク伝達
装置を備え、前輪を常時駆動する一方、後輪を状況に応
じて駆動する構成になっている。具体的には、スロット
ル開度に応じて第1トルク指令値を決定すると共に、前
後輪の回転速度差に応じて第2トルク指令値を決定し、
これら第1と第2のトルク指令値に基づいた伝達トルク
をトルク伝達装置にて後輪に伝達する制御を行ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、センサ或い
は配線上の不具合等により、スロットル開度に係る検出
信号が異常値になる場合がある。このような場合に、従
来では、トルク伝達装置によるトルク伝達を停止して、
完全な二輪駆動に切り換える制御を行っていた。このた
め、雪道等の悪路でスロットル開度の検出信号に異常が
生じた場合に、二輪駆動のままスリップを起こして、悪
路から抜け出せなくなる心配があった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、スロットル開度に係る検出信号が異常状態になった
場合に、悪路を走行中であっても好適な対応が可能な車
輪駆動力配分制御システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
なされた請求項1の発明に係る車輪駆動力配分制御シス
テムは、自動車の前後輪のうち常時駆動輪に連動して回
転する入力部と、常時駆動輪以外の車輪に連動して回転
する出力部とを有しかつ入力部から出力部への伝達トル
クを変更可能なトルク伝達手段と、自動車に備えたセン
サにより検出されたスロットル開度と前後輪の回転速度
とを取り込み、スロットル開度に応じて予め定められた
第1トルク指令値と、前後輪の回転速度差に応じて予め
定められた第2トルク指令値とを求め、これら第1及び
第2のトルク指令値に基づいた伝達トルクを、トルク伝
達手段により伝達させる伝達トルク制御手段と、所定の
基準に基づき、前記スロットル開度に係る検出信号が、
異常状態になったか否かを検出するスロットル信号異常
検出手段とを設け、伝達トルク制御手段は、スロットル
信号異常検出手段が異常状態を検出したときには、第1
トルク指令値を無効化し、第2トルク指令値のみに基づ
いた伝達トルクの制御を行うように構成したところに特
徴を有する。
【0006】なお、本発明における「常時駆動輪」と
は、自動車の走行時に常に駆動力を受けて駆動される車
輪をいう。また、「第1トルク指令値の無効化」は、第
1トルク指令値を0に保持することによって行うことが
できる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の車輪
駆動力配分制御システムにおいて、伝達トルク制御手段
は、スロットル開度に係る検出信号が異常状態から正常
状態に戻ったことをスロットル信号異常検出手段にて検
出した場合に、第1トルク指令値の無効化を解除すると
ころに特徴を有する。
【0008】請求項3の発明は、請求項2に記載の車輪
駆動力配分制御システムにおいて、伝達トルク制御手段
は、スロットル開度に係る検出信号が、異常状態から正
常状態に戻って所定時間経過したときに限り、第1トル
ク指令値の無効化を解除するところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>請求項1の
車輪駆動力配分制御システムでは、スロットル開度に係
る検出信号が異常状態になった場合には、第1トルク指
令値が無効化されて、前後輪の回転速度差に係る第2ト
ルク指令値のみに基づく伝達トルクが常時駆動輪以外の
車輪に伝達される。これにより、検出信号の異常に対処
することができかつ、スリップした場合には、前後輪の
回転速度差を抑えるように四輪が駆動され、悪路に対応
することができる。
【0010】<請求項2の発明>請求項2の車輪駆動力
配分制御システムでは、スロットル開度に係る検出信号
が異常状態から正常状態に戻った場合に、第1トルク指
令値の無効化が解除されて通常の制御に戻される。即
ち、異常が解消された場合に、本来の性能を十分活かし
た走行への迅速な切り換えが可能になる。
【0011】<請求項3の発明>請求項3の車輪駆動力
配分制御システムでは、スロットル開度に係る検出信号
が、異常状態から正常状態に戻って所定時間経過したと
きに限り、第1トルク指令値の無効化を解除するから、
制御方法が頻繁に切り換わることがなくなり、安定した
走行が可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】<第1実施形態>以下、本発明の
第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に
は、自動車の駆動系の主要部が示されている。この自動
車のフロント側(図1の左側)には、エンジン10に隣
接させてトランスアスクル11が設けられており、この
トランスアスクル11には、トランスミッション、トラ
ンスファー及びフロントディファレンシャル12が一体
に組み付けられている。そして、エンジン10の駆動力
が、トランスアスクル11のトランスミッション及びフ
ロントディファレンシャル12を介して前輪ドリブンシ
ャフト13,13に伝達され、前輪14,14が駆動さ
れる。即ち、本実施形態では、前輪14,14が、自動
車の走行時に常に駆動力を受けて駆動される本発明の
「常時駆動輪」に相当する。
【0013】また、トランスアスクル11のトランスフ
ァーにより、トランスミッションと前側プロペラシャフ
ト20の前端部とがギヤ連結されている。その前側プロ
ペラシャフト20の後端部は、自動車の前後方向の中間
部に位置し、トルク伝達装置30(本発明に係る「トル
ク伝達手段」に相当する)の入力部31(図2参照)に
固定されている。これにより、トルク伝達装置30の入
力部31が、常時駆動輪としての前輪14,14に連動
して回転する。
【0014】前側プロペラシャフト20の延長線上に
は、トルク伝達装置30を間に挟んで後側プロペラシャ
フト21が延びており、後側プロペラシャフト21の前
端部がトルク伝達装置30の出力部32(図2参照)に
固定されている。また、後側プロペラシャフト21の後
端部は、リヤディファレンシャル17に連結されてお
り、リヤディファレンシャル17から左右両方向に延び
た後輪ドリブンシャフト16,16の先端には、後輪1
5,15が取り付けられている。これにより、トルク伝
達装置30の出力部32が、本発明の「常時駆動輪以外
の車輪」としての後輪15,15に連動して回転する。
【0015】図2には、トルク伝達装置30の基本構成
が示されている。トルク伝達装置30の入力部31は、
前側(即ち、自動車のフロント側)に底壁33Tを有し
た一端有底の円筒状のアウターケース33を備え、その
底壁33Tの中心から前側に延設された軸部33Jの先
端に、前記前側プロペラシャフト20(図1参照)が固
定されている。一方、アウターケース33の開放端の内
側にはリヤカバー35が嵌合螺着されると共に、そのリ
ヤカバー35の中心に形成された貫通孔35Aには、出
力部32を構成するインナーシャフト34が液密状態に
貫通している。
【0016】インナーシャフト34は、軸方向の移動を
規制された状態でアウターケース33に対して回転可能
に軸支されており、インナーシャフト34の一端は、ア
ウターケース33の内側奥部まで延び、他端はアウター
ケース33から外側に突出して前記後側プロペラシャフ
ト21(図1参照)に固定されている。
【0017】アウターケース33内のリヤカバー35寄
り位置には、第1カム円板36がインナーシャフト34
に回転可能に嵌合されており、その第1カム円板36の
外周面には、複数のインナーパイロットクラッチ板37
がスプライン嵌合されている。また、アウターケース3
3の内周面のリヤカバー35寄り位置には、複数のアウ
ターパイロットクラッチ板38がスプライン嵌合され、
これらインナーとアウターの各パイロットクラッチ板3
7,38と交互に配置されて軸方向で対向している。さ
らに、リヤカバー35との間でこれら一群のパイロット
クラッチ板37,38を挟む位置には、円板状のアーマ
チャ49がアウターケース33の内周面にスプライン嵌
合されている。そして、常には、アーマチャ49とリヤ
カバー35との間で、インナーとアウターの各パイロッ
トクラッチ板37,38が互いに離間して互いに自由に
回転することができる。
【0018】アウターケース33の外側には、リヤカバ
ー35の後方に電磁コイル39が配置されている。この
電磁コイル39は、円環状のヨーク39Aの前面に形成
した円環溝の内部に収容されており、ヨーク39Aは図
示しない軸受にてリヤカバー35に回転可能に軸支され
ている。そして、電磁コイル39を励磁することで、ア
ーマチャ49と共にパイロットクラッチ板37,38が
リヤカバー35側に引き寄せられ、インナーとアウター
の両パイロットクラッチ板37,38が互いに摩擦係合
する。また、電磁コイル39の磁力を高くするに従い、
両パイロットクラッチ板37,38の係合が深まり、最
も係合が深まると両パイロットクラッチ板37,38が
一体的に結合した所謂、直結状態になる。上記した両パ
イロットクラッチ板37,38の摩擦係合又は直結によ
り、第1カム円板36がアウターケース33からの回転
トルクを受けて回転する。
【0019】第1カム円板36の前面には、周方向に沿
った複数箇所にV形凹部40が形成されている。図3
(A)には、V形凹部40を第1カム円板36の径方向
からみた断面図が示されており、同図に示すように、V
形凹部40は、幅方向(図3(A)の縦方向)の中央に
向かって徐々に深くなるようにV字形に陥没している。
また、第1カム円板36の前側(図2及び図3(A)の
左側)には、第2カム円板41がインナーシャフト34
の外面にスプライン嵌合されており、その第2カム円板
41には第1カム円板36のV形凹部40と対称的にV
形凹部42が形成されている。そして、これら両V形凹
部40,42の間に、カムボール43が挟まれて保持さ
れ、第1カム円板36が回転したときには、図3(B)
に示すように、カムボール43がV形凹部40,42に
おける浅い位置に移動して、第1及び第2のカム円板3
6,41を互いに離間させる方向に力が発生する。ま
た、第1カム円板36は、図示しない突き当て部により
軸方向への移動が規制されており、これにより、第1カ
ム円板36が回転したときには、第2カム円板41が前
側に押されて移動する。
【0020】図2に示すように、アウターケース33内
における第2カム円板41より前側には、複数のインナ
ーメインクラッチ板44がインナーシャフト34の外周
面にスプライン嵌合されると共に、複数のアウターメイ
ンクラッチ板45がアウターケース33の内周面にスプ
ライン嵌合されている。これらインナーとアウターの各
メインクラッチ板44,45は、交互に配置されて軸方
向で対向しており、常には、インナーとアウターの各メ
インクラッチ板44,45が互いに離間して自由に回転
可能な状態になっている。そして、前述のように電磁コ
イル39の磁力に起因して前側に移動した第2カム円板
41により、インナーとアウターの各メインクラッチ板
44,45がアウターケース33の底壁33T側に押さ
れて互いに摩擦係合し、これらメインクラッチ板44,
45を介してアウターケース33からインナーシャフト
34へのトルクが伝達される。また、電磁コイル39の
磁力を大きくすることに起因して、第2カム円板41の
押圧力が増し、メインクラッチ板44,45同士の摩擦
係合が深まる。そして、最も係合が深まると、メインク
ラッチ板44,45同士が一体的に結合した所謂、直結
状態になる。
【0021】以上を纏めると、トルク伝達装置30で
は、入力部31と出力部32とが、互いに自由に回転可
能な断絶状態と、入力部31と出力部32との間に回転
差を許容しつつ入力部31から出力部32へと所定のト
ルクを伝達する状態と、さらには、入力部31と出力部
32とが完全に結合した直結状態とに変更することがで
きる。
【0022】上記した電磁コイル39の駆動は、ECU
50(本発明の「伝達トルク制御手段」に相当する)に
より行われ、このECU50と前記トルク伝達装置30
とから、本発明に係る車輪駆動力配分制御システム90
(図1参照)が構成されている。
【0023】ECU50は、電磁コイル39への通電量
を制御し、状況に応じてトルク伝達装置30による伝達
トルクを適正な大きさにする。ここで、ECU50に
は、図1に示すように、スロットルセンサ60により検
出したスロットル開度mと、回転速度センサ61より検
出した前輪14,14の回転速度N1,N2及び後輪1
5,15の回転速度N3,N4とが取り込まれている。
【0024】ECU50は、図4に示したメインプログ
ラムMをROM71から取り出して所定周期でランす
る。同図に示すように、メインプログラムMでは、まず
は、スロットル開度mと車輪14,14,15,15の
回転速度N1〜N4とをECU50に取り込む(S
1)。そして、車速Vと前後輪の回転速度差ΔNとを演
算して求める(S2,S3)。ここで、車速Vは、例え
ば、次式に示すように、スリップの少ない従動輪である
後輪15,15の回転速度の平均値として求められる
(S2)。
【0025】V=(N3+N4)/2
【0026】一方、回転速度差ΔNは、次式に示すよう
に、2つの前輪14,14の回転速度の和から2つの後
輪15,15の回転速度の和を引いて2分することで求
められる(S3)。
【0027】ΔN=(N1+N2−N3−N4)/2
【0028】次いで、スロットル開度mが異常値である
か否かをチェックする(S4)。この処理(S4)は、
本発明に係る「スロットル信号異常検出手段」に相当
し、例えば、スロットル開度mが予め設定された規定範
囲に入っているか否かをもって、スロットル開度mが異
常値であるか否か、即ち、スロットル開度mに係る検出
信号が、異常状態であるか否かを検出する。より具体的
には、例えば、検出したスロットル開度mが、規定範囲
の下限値C1と上限値C2との間にあれば、即ち、以下
の式を満たせばスロットル開度mは正常値であると判断
する。
【0029】C1≦m≦C2
【0030】一方、スロットル開度mが、前記規定範囲
から外れていれば、即ち、上記式を満たさなければ、異
常値であると判断する。
【0031】ここで、スロットル開度mが異常値でなか
った場合には(S4でNo)、プレトルクTp(本発明
の「第1トルク指令値」に相当する)が求められる(S
6)。具体的には、ECU50に備えたROM(図示せ
ず)に記憶したマップから、スロットル開度mと車速V
とに対応したプレトルクTpが求められる。
【0032】次いで、回転差トルクTn(本発明の「第
2トルク指令値」に相当する)が求められる(S7)。
具体的には、ROM(図示せず)に記憶したマップか
ら、回転速度差ΔNと前記車速Vとに対応した回転差ト
ルクTnが求められる。
【0033】次いで、前記プレトルクTpと回転差トル
クTnとの和としてトルク指令値Ta(=Tp+Tn)
を求め、このトルク指令値Taに対応した伝達トルクが
トルク伝達装置30の入力部31から出力部32に伝達
されるように、電磁コイル39への通電量を制御する
(S8)。
【0034】さて、スロットル開度mが異常値であった
場合には(S4でYes)、プレトルクTpは、0に保
持される(S5)。そして、上述の如く、回転差トルク
Tnが求められると共に(S7)、プレトルクTp(=
0)と回転差トルクTnとの和としてトルク指令値Ta
(=0+Tn)を求められ、このトルク指令値Taに対
応した伝達トルクがトルク伝達装置30にて伝達され
る。即ち、本発明の第1トルク指令値としてのプレトル
クTpは無効化され、実質的に回転差トルクTnのみに
基づいた伝達トルクの制御が行われる。
【0035】本実施形態の構成は以上であり、次に、本
実施形態の作用効果について説明する。自動車を始動す
るとスロットルが開き、アクセルの踏み込み量等に応じ
たスロットル開度mがスロットルセンサ60によって検
出される。そして、スロットルセンサ60が出力した検
出信号が、ECU50に取り込まれる。ここで、スロッ
トル開度mに係る検出信号が、所定の規定範囲内に収ま
っていれば、そのスロットル開度mに対応したプレトル
クTnに基づく伝達トルクがトルク伝達装置30にて後
輪15に伝達される。これにより、前輪14と共に後輪
15が駆動される。
【0036】また、スリップした場合には、スロットル
開度mに対応したプレトルクTnと、前後輪14,15
の回転速度差ΔNに対応した回転差トルクTnとの和が
求められ、その和に基づく伝達トルクがトルク伝達装置
30により後輪15,15に伝達され、スリップを抑え
た走行が可能になる。
【0037】ところで、スロットルセンサ60の故障や
ノイズ或いは信号線の断線・ショート等より、スロット
ル開度mに係る検出信号が異常状態になる場合がある。
このような場合、スロットル開度mの検出信号が無効化
されて、前後輪14,15の回転速度差ΔNのみに基づ
く伝達トルクがトルク伝達装置30にて後輪15,15
に伝達される。これにより、前後輪14,15に回転速
度差が生じていないときには、二輪駆動の走行になる。
【0038】雪道等の悪路を走行中に、スロットル開度
mに係る検出信号が異常状態になることも考えられる。
しかしながら、本実施形態によれば、スリップして前後
輪14,15の間に回転速度差ΔNが生じると、その回
転速度差ΔNに基づいてトルク伝達装置30から後輪1
5,15が駆動トルクが伝達されて、四輪駆動走行にな
る。これにより、スロットル開度mに係る検出信号の異
常に対処しつつ、悪路を走破することが可能になる。
【0039】さらに、スロットル開度mの検出信号に関
する異常が排除されると、その後、ECU50がメイン
プログラムMをランしたときに、プレトルクTpの0へ
の保持が解除され、プレトルクTpと回転差トルクTn
とに基づく制御(以下、これを「通常の制御」という)
に戻る(S6〜S8)。これにより、本来の性能を十分
活かした走行への迅速な切り換えが可能になる。
【0040】このように本実施形態の車輪駆動力配分制
御システム90によれば、スロットル開度mに係る検出
信号に異常が発生しても、自動的に二輪駆動に切り換わ
って安定した走行を行うことができる。しかも、スリッ
プした場合には、四輪駆動になるから悪路にも対応する
ことができる。
【0041】<第2実施形態>本実施形態は、前記第1
実施形態のメインプログラムMの一部を変更したもの
で、異常に対処すべく、前後輪14,15の回転速度差
ΔNのみの制御に切り換わると、異常が解消されても、
通常の制御に自動的に戻らない構成になっている。具体
的には、本実施形態のメインプログラムM’は、図5に
示されており、スロットル開度mが異常値か否かをチェ
ックするステップS4の前に、異常発生フラグFが1に
セットされているか否かをチェックするステップS11
を設けてある。ここで、異常発生フラグFは、例えば、
エンジンを始動したときには、0に初期設定されてお
り、車内に設けたリセットボタンを押さない限り、1に
保持されるようになっている。
【0042】従って、エンジン始動直後にメインプログ
ラムM’をランしたときには、異常発生フラグFは0だ
から、スロットル開度mが異常値か否かがチェックされ
(S4)、異常値ではなかった場合には通常の制御が行
われる一方(S6〜S8)、異常値であった場合には
(S4でYes)、異常発生フラグFに1がセットされ
る(S12)。そして、プレトルクTpが0に保持され
(S5)、回転差トルクTnのみの基づいた伝達トルク
の制御が行われる(S7、S8)。
【0043】そして、一度、異常発生フラグFが1にセ
ットされると、その後でスロットル開度mが正常値に戻
っても、異常発生フラグFは1のままだから(S11で
Yes)、スロットル開度mが異常値か否かをチェック
するステップS4がパスされる。これにより、異常が解
消されても、プレトルクTpが0に保持されたまま、回
転差トルクTnのみの基づいた伝達トルクの制御が継続
して行われる(S7、S8)。
【0044】本実施形態の構成によれば、例えば、スロ
ットル開度mが正常値と異常値との間でハンチングを起
こした場合に、その影響を受けずに安定した走行を行う
ことができる。
【0045】<第3実施形態>本実施形態は、前記第1
実施形態のメインプログラムMの一部を変更したもので
ある。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説
明すると、本実施形態のメインプログラムM”は、図6
に示されており、スロットル開度mが異常値か否かをチ
ェックするステップS4の後に、スロットル開度mが正
常値であったときに(S4でNo)、スロットル開度m
が正常値に戻ってから所定時間経過したか否かをチェッ
クするステップS10を設けてある。具体的には、例え
ば、スロットル開度mが異常値から正常値に戻ったとき
に、ソフト上に設けたタイマーを始動して時間を計測
し、その計測時間が所定時間以上であるか否かをチェッ
クする。
【0046】なお、エンジン始動後においては、前記ソ
フト上のタイマーの計測時間は、所定時間以上の値に初
期設定され、これにより、エンジン始動直後にプレトル
クTpが、無条件で0に保持されることを防止してあ
る。
【0047】上記ステップ10を設けたことで、スロッ
トル開度mが正常値に戻って所定時間以上経過した場合
に限り(S10でYes)、通常の制御に戻される一方
(S6〜S8)、スロットル開度mが正常値に戻って
も、所定時間が経過していない場合には(S10でN
o)、プレトルクTpを0に保持したまま(S5)、回
転差トルクTnのみに基づいた制御が行われる(S7、
S8)。
【0048】この構成により、スロットル開度mが不安
定に変動した場合に、その影響を抑えて、安定した走行
が可能になると共に、異常が解消されて安定した場合に
は、本来の性能を十分活かした走行への迅速な切り換え
が可能になる。
【0049】<他の実施形態>本発明は、前記実施形態
に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するよ
うな実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、
下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更するこ
とで、実施することができる。 (1)前記第1乃至第3の実施形態では、前輪14を本
発明に係る「常時駆動輪」とし、後輪15を本発明に係
る「常時駆動輪以外の車輪」としていたが、その逆の構
成にしてもよい。
【0050】(2)前記第1乃至第3の実施形態では、
スロットル開度mが規定範囲内にあるか否かに基づい
て、スロットル開度mが異常値か否かを判別していた
が、その他の条件に基づいてスロットル開度mが異常状
態か否かを判別してもよい。例えば、スロットル開度が
規定範囲内であることに加えて、スロットル開度の変動
周期が所定値以上である場合に限り、スロットル開度が
異常状態ではないと判別してもよい。
【0051】(3)信号の入力手段に信号を、シリアル
信号などを用いている場合においても、所定の受信周期
内に信号が受信できないときに、同様の異常処理を行っ
てもよい。
【0052】(4)異常時に用いる回転差トルクは、通
常使用しているものでもよいが、異常時のために記憶し
ているマップに切り換えてもよい。また、通常使用して
いる回転差トルクにゲインをかけたものを使用してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車の駆動系を
示す概念図
【図2】トルク伝達装置の基本構成を示す側断面図
【図3】V形凹部の断面図
【図4】メインプログラムのフローチャート
【図5】第2実施形態のメインプログラムのフローチャ
ート
【図6】第3実施形態のメインプログラムのフローチャ
ート
【符号の説明】
14…前輪(常時駆動輪) 15…後輪(常時駆動輪以外の車輪) 30…トルク伝達装置(トルク伝達手段) 31…入力部 32…出力部 50…ECU(伝達トルク制御手段) 60…スロットルセンサ 61…回転速度センサ 90…車輪駆動力配分制御システム m…スロットル開度 Tp…プレトルク(第1トルク指令値) Tn…回転差トルク(第2トルク指令値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 聡美 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3D043 AA04 AA10 AB01 AB17 EA02 EA18 EA42 EB03 EB06 EE02 EE07 EF01 EF14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の前後輪のうち常時駆動輪に連動
    して回転する入力部と、前記常時駆動輪以外の車輪に連
    動して回転する出力部とを有しかつ前記入力部から前記
    出力部への伝達トルクを変更可能なトルク伝達手段と、 前記自動車に備えたセンサにより検出されたスロットル
    開度と前後輪の回転速度とを取り込み、前記スロットル
    開度に応じて予め定められた第1トルク指令値と、前記
    前後輪の回転速度差に応じて予め定められた第2トルク
    指令値とを求め、これら第1及び第2のトルク指令値に
    基づいた伝達トルクを、前記トルク伝達手段により伝達
    させる伝達トルク制御手段と、 所定の基準に基づき、前記スロットル開度に係る検出信
    号が、異常状態になったか否かを検出するスロットル信
    号異常検出手段とを設け、 前記伝達トルク制御手段は、前記スロットル信号異常検
    出手段が異常状態を検出したときには、前記第1トルク
    指令値を無効化し、前記第2トルク指令値のみに基づい
    た前記伝達トルクの制御を行うように構成したことを特
    徴とする車輪駆動力配分制御システム。
  2. 【請求項2】 前記伝達トルク制御手段は、前記スロッ
    トル開度に係る検出信号が異常状態から正常状態に戻っ
    たことを前記スロットル信号異常検出手段にて検出した
    場合に、前記第1トルク指令値の無効化を解除すること
    を特徴とする請求項1に記載の車輪駆動力配分制御シス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記伝達トルク制御手段は、前記スロッ
    トル開度に係る検出信号が、異常状態から正常状態に戻
    って所定時間経過したときに限り、前記第1トルク指令
    値の無効化を解除することを特徴とする請求項2に記載
    の車輪駆動力配分制御システム。
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