JP2007056426A - 柔軟仕上げ剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟効果に優れ、環境や人体に対する安全性が高く、かつ、性能の安定した柔軟仕上げ剤を提供すること
【解決手段】 柔軟仕上げ剤として、レシチン(例えば、大豆レシチンなど。)と、レシチンを可溶化、分散化させるための炭素数8〜22の脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸塩、オレイン酸塩など。)と、アルコール系溶剤(好ましくは、一価アルコール、二価アルコールおよび三価アルコールの混合溶剤)とを含有するものを使用する。
【効果】 上記柔軟仕上げ剤は、レシチンを主成分としていることから、排水後の生分解性が良好で、かつ、皮膚刺激性がないため、環境および人体にやさしく、しかも、吸水性が良好で、柔軟効果(ふっくら効果)および帯電防止効果に優れている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、柔軟仕上げ剤に関し、詳しくは、衣料品などの繊維製品に用いられる柔軟仕上げ剤に関する。
従来の柔軟仕上げ剤は、カチオン界面活性剤を主成分としている。それゆえ、殺菌性が強く、排水後の生分解性が乏しいことから、環境に対して好ましくない。しかも、カチオン界面活性剤には皮膚刺激性があることから、皮膚過敏症やアトピー性皮膚炎の症状を有する者にとって、炎症を生じさせる原因物質となるおそれがある。
一方、特許文献1には、レシチン(好ましくは、大豆レシチン)と、レシチンを水溶化するためのアルカリ系水溶化剤(好ましくは、アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミンなど)と、炭素数8〜22の脂肪酸(好ましくは、ステアリン酸)と、中和剤(好ましくは、酢酸)とを含有する柔軟仕上げ剤が記載されている。
特開2002−302873号公報
しかるに、特許文献1に記載の柔軟仕上げ剤は、従来のカチオン界面活性剤を主成分とする柔軟仕上げ剤に比べて、環境に対する安全性が高いものの、繊維製品に対する柔軟効果(ふっくら効果)が劣っている。
また、アルカリ系水溶化剤として、アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが用いられている場合には、柔軟仕上げ剤が刺激臭を持つことから、例えば、一般家庭での使用などに適さなくなる。しかも、アンモニア水は揮発性であることから、気温の低い環境下(例えば、冬季)において、柔軟剤の粘性が上昇して、流動性が失われるおそれがある。
さらに、中和剤として酢酸などが用いられていることから、レシチン(特に、大豆レシチン)が変色して、時間が経つにつれて柔軟剤の色が濃くなる。しかも、レシチンの変色により、繊維製品が着色されるといった不具合が生じるおそれもある。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決して、柔軟効果に優れ、環境や人体に対する安全性が高く、かつ、性能の安定した柔軟仕上げ剤を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1) レシチンと、炭素数8〜22の脂肪酸塩と、アルコール系溶剤とを含有していることを特徴とする、柔軟仕上げ剤、
(2) 前記レシチンが、大豆レシチンであることを特徴とする、前記(1)に記載の柔軟仕上げ剤、
(3) 前記炭素数8〜22の脂肪酸塩が、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪酸塩であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の柔軟仕上げ剤、
(4) 前記アルコール系溶剤が、一価アルコール、二価アルコールおよび三価アルコールの混合溶剤であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の柔軟仕上げ剤、
を提供するものである。
本発明の柔軟仕上げ剤は、レシチン、炭素数8〜22の脂肪酸塩およびアルコール系溶剤を主成分とすることから、排水後の生分解性が良好である。また、上記の成分を主成分とすることから、皮膚刺激性がなく、皮膚過敏症やアトピー性皮膚炎の症状が生じることを抑制することができる。それゆえ、本発明の柔軟仕上げ剤は、環境や人体に対する安全性に優れている。
また、本発明の柔軟仕上げ剤は、レシチンを、上記の脂肪酸塩とともに、アルコール系溶剤に溶解させていることから、例えば、アンモニア水などのアルカリ系水溶化剤を用いる必要がなく、それゆえ、刺激臭を低減でき、経時的な流動性の消失や変色を抑制することができる。しかも、本発明の柔軟仕上げ剤で処理することにより、静電気の発生を抑制でき、また、繊維製品の柔軟効果(ふっくら効果)や吸水性を良好なものとすることができる。
本発明の柔軟仕上げ剤は、レシチンと、炭素数8〜22の脂肪酸塩と、アルコール系溶剤とを含有している。
レシチンとしては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチンなどの天然レシチン、その水素添加物や精製物などの誘導体、または、植物油などが配合された混合物などが挙げられる。なかでも、好ましくは、大豆レシチンが挙げられる。
炭素数8〜22の脂肪酸塩は、レシチンを可溶化、分散化するために配合される。
炭素数8〜22の脂肪酸塩を形成する炭素数8〜22の脂肪酸としては、例えば、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸(ウンデカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸(トリデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、ヘプタデシル酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデカン酸、アラキン酸(イコサン酸)、ヘンイコサン酸、ベヘン酸(ドコサン酸)などの飽和脂肪酸、例えば、ウンデシレン酸(10−ウンデセン酸)、オレイン酸(シス−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(トランス−9−オクタデセン酸)、リノール酸(シス−9,シス−12−オクタデカジエン酸)、リノエライジン酸(トランス−9,トランス−12−オクタデカジエン酸)、α−リノレン酸(9,12,15−オクタデカトリエン酸)、γ−リノレン酸(6,9,12−オクタデカトリエン酸)、ステアロール酸(9−オクタデシン酸)、アラキドン酸(シス−5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)、エルカ酸(シス−13−ドコセン酸)、ブラシジン酸(トランス−13−ドコセン酸)、セトレイン酸(11−ドコセン酸)などの不飽和脂肪酸が挙げられる。これら炭素数8〜22の脂肪酸は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、炭素数8〜22の脂肪酸は、上記例示のなかでも、好ましくは、レシチンの構成脂肪酸でもある、パルミチン酸、ステアリン酸や、その他、ラウリン酸、オレイン酸が挙げられ、より好ましくは、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。
炭素数8〜22の脂肪酸塩の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの無機塩、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などの有機塩などが挙げられる。これらの塩は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記塩としては、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩が挙げられ、より好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アルコール系溶剤は、レシチンと、炭素数8〜22の脂肪酸塩とを溶解するために配合される。
アルコール系溶剤としては、常温で液体のものであれば特に限定されないが、具体的には、例えば、炭素数1〜8の、一価、二価または三価のアルコールが挙げられる。
炭素数1〜8の一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノールなどや、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)などのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、例えば、グリセリンジアルキルエーテルなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、炭素数2〜4の一価アルコールが挙げられ、より好ましくは、エチルアルコールが挙げられる。
炭素数1〜8の二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−オクチレングリコールなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。
炭素数1〜8の三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6−ヘキサントリオールなどが挙げられ、好ましくは、グリセリンが挙げられる。
上記例示のアルコール系溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、例えば、ペンタエリトリトールなどの四価(または四価以上)アルコールや、例えば、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどを併用してもよい。
アルコール系溶剤は、上記例示の中でも特に、レシチンおよび炭素数8〜22の脂肪酸塩についての溶解度が高く、かつ、水溶性が良好なものであることが好ましい。
レシチンおよび炭素数8〜22の脂肪酸塩を安定して溶解させるためには、一価アルコール、二価アルコールおよび三価アルコールを、それぞれ少なくとも1種ずつ組み合わせて用いることが好ましい。このような組合せとしては、特に限定されないが、例えば、レシチンとして大豆レシチンを用いる場合には、一価、二価および三価アルコールの組合せとして、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンの混合溶剤、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリンの混合溶剤などが挙げられる。
上記柔軟仕上げ剤には、さらに、水、各種香料、柔軟増強剤(例えば、層状ケイ酸塩など)、帯電防止剤、防カビ剤、防腐剤、防ダニ剤などを配合することができる。
上記柔軟仕上げ剤は、各上記成分を配合して、混合、分散することにより、または、各上記成分を精製水(蒸留水またはイオン交換水など)に配合して、混合、分散することにより得ることができる。
炭素数8〜22の脂肪酸塩の配合割合は、レシチン1重量部に対して、0.05〜0.75重量部、好ましくは、0.1〜0.3重量部である。
アルコール系溶剤の配合割合は、レシチン1重量部に対して、0.1〜1.5重量部、好ましくは、0.5〜1重量部である。
また、得られた柔軟仕上げ剤中の各上記成分の含有割合は、例えば、レシチンが3〜70重量%、好ましくは、5〜50重量%、炭素数8〜22の脂肪酸塩が1〜30重量%、好ましくは、2〜15重量%、アルコール系溶剤が10〜90重量%、好ましくは、20〜45重量%である。また、柔軟仕上げ剤の各上記成分が、精製水に配合される場合において、水の含有割合は、好ましくは、1〜30重量%、より好ましくは、3〜15重量%である。
なお、柔軟仕上げ剤中のレシチンの含有量が、3重量%より少ないと、柔軟効果(ふっくら効果)や帯電防止効果が十分に発現されなくなる場合がある。
そして、このようにして得られた柔軟仕上げ剤は、衣料品などの各種の繊維製品の柔軟仕上げに用いられる。上記柔軟仕上げ剤が適用される繊維は、特に制限はなく、例えば、天然繊維、合成繊維、混紡繊維など広く適用することができる。
また、上記柔軟仕上げ剤を用いて繊維製品を処理するには、例えば、上記柔軟仕上げ剤を所定量の水に希釈して処理液を調製し、その処理液に繊維製品を浸漬した後、乾燥すればよい。
上記柔軟仕上げ剤を水に希釈する割合は、例えば、上記柔軟仕上げ剤5〜30mLに対して、水30〜60Lである。また、繊維製品の乾燥は、基本的には、処理液である水が蒸発すればよいが、その水とともに、アルコール系溶剤が揮散することが好ましい。そのため、例えば、湿度、20〜80%RH、好ましくは、40〜60%RH、温度、5〜50℃、好ましくは、10〜40℃の条件で、1〜10時間、好ましくは、2〜6時間乾燥させる。
このような処理において、上記柔軟仕上げ剤は、処理時においてレシチンが炭素数8〜22の脂肪酸塩によって水溶化されているので、繊維製品が処理液に浸漬されると、その繊維製品にレシチンが良好に含浸される一方、乾燥後には、そのまま、繊維製品中に残って柔軟効果(ふっくら効果)および帯電防止効果を発現する。
より具体的には、通常の洗濯において、例えば、全自動洗濯機を用いる場合には、繊維製品および洗剤を洗濯槽に投入するとともに、上記柔軟仕上げ剤を、自動投入口から投入しておけばよい。そうすると、全自動洗濯機が最後のすすぎ工程において、上記柔軟仕上げ剤がすすぎ水に配合され、洗濯が終了した繊維製品に自動的に含浸される。その後、乾燥機などによって、上記した乾燥条件で乾燥させればよい。
本発明の柔軟仕上げ剤は、レシチンを主成分としているため、排水後の生分解性が良好で、かつ、皮膚刺激性がないため、環境および人体にやさしい。しかも、吸水性が良好であり、柔軟効果(ふっくら効果)および帯電防止効果に優れている。そのため、本発明の柔軟仕上げ剤によって処理された繊維製品は、ふっくらと仕上がり、また、静電気の発生や皮膚の炎症などを引き起こすことが防止されているので、例えば、幼児や皮膚の弱い者であっても、安全かつ心地よく肌身に着けることができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
大豆レシチン45重量部、ステアリン酸カリウム15重量部、エチルアルコール5重量部、エチレングリコール10重量部、ジエチレングリコール5重量部、プロピレングリコール10重量部およびグリセリン10重量部を配合して、攪拌混合することにより、柔軟仕上げ剤を調製した。
実施例2
大豆レシチン55重量部、ステアリン酸ナトリウム2重量部、オレイン酸カリウム8重量部、エチルアルコール10重量部、プロピレングリコール10重量部、ジプロピレングリコール10重量部およびグリセリン5重量部を配合して、攪拌混合することにより、柔軟仕上げ剤を調製した。
比較例1
大豆レシチン30重量部、ステアリン酸5重量部、アンモニア水(28vol%)3重量部、酢酸2重量部、精製水60重量部を配合して、攪拌混合することにより、柔軟仕上げ剤を調製した。
比較例2
カチオン界面活性剤が含有されている柔軟仕上げ剤の市販品を、比較例2として用意した。
柔軟効果試験
1) 前処理
試験布(綿100%の西洋白色タオル、幅約35cm、長さ約75cm)を全自動電気洗濯機に投入して、洗濯(1回)、注水すすぎ(1回)、ためすすぎ(1回)および脱水(1回)の全自動工程にて洗浄(前処理)した。前処理の洗濯工程では、市販の合成洗剤(商品名「トップ」(登録商標)、ライオン(株)製)を使用した。また、前処理において、柔軟剤や柔軟仕上げ剤は使用しなかった。
2) 洗濯、柔軟仕上げおよび乾燥処理
上記前処理により洗浄された試験布10枚を、再度、全自動電気洗濯機に投入して、洗濯(1回)、注水すすぎ(1回)、ためすすぎ(1回)および脱水(1回)の全自動工程にて洗浄した。なお、洗濯工程では、前処理時と同じ市販の合成洗剤を使用した。また、すすぎ工程時には、標準使用量(0.2mL/L)に希釈された上記実施例1〜2または比較例1〜2の柔軟仕上げ剤を、全自動電気洗濯機の自動注入口から、それぞれ自動で投入した。
上記全自動工程の終了後、脱水された試験布を、恒温恒湿室(20℃、65%RH)において、24時間乾燥させた。
3) 柔軟効果の評価
各実施例および比較例の柔軟仕上げ剤を用いて、上記洗濯、柔軟仕上げおよび乾燥処理が施された試験布を、幅方向で二つ折り、長さ方向で三つ折りとなるように折り畳んで、折り畳まれた状態のまま、一列に積み重ねた。こうして積み重ねられた試験布の積み重ね高さ(初期の積み重ね高さH(cm))を測定した(図1(a)参照)。
次いで、積み重ねられた試験布10の上面11に、2kgの錘(試験布の上面11全体を覆う大きさのもの)12を10秒間載置し(図1(b)参照)、さらに、上記錘を除去した直後の試験布の積み重ね高さ(「除去直後の積み重ね高さ」H0(cm))を測定した。また、上記錘を取り外してから30分経過した時の試験布の積み重ね高さ(「30分経過後の積み重ね高さ」H30(cm))を測定した。
上記測定値のうち、初期の積み重ね高さHと、除去直後の積み重ね高さH0とから、下記式(i)により、錘を除去した直後の積み重ね高さの回復率R0(%)を算出した。また、初期の積み重ね高さHと、30分経過後の積み重ね高さH30とから、下記式(ii)により、錘を除去してから30分経過後の積み重ね高さの回復率R30(%)を算出した。
回復率R0(%)=H0/H×100 …(i)
回復率R30(%)=H30/H×100 …(ii)
4) 官能試験
各実施例および比較例において、上記洗濯、柔軟仕上げおよび乾燥処理が施された試験布を、実際に手で触って、試験布のふんわり感と柔軟感を評価した。評価基準は、次のとおりである。
◎:ふんわり感および柔軟感が、いずれも良好であった。
○:ふんわり感および柔軟感が、概ね良好であった。
△:ふんわり感および柔軟感の少なくとも一方が、多少不十分であった。
×:ふんわり感および柔軟感が、いずれも不十分であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2007056426
表1に示すように、実施例1および2の柔軟仕上げ剤を用いて処理したときには、カチオン界面活性剤が含有されている市販の柔軟仕上げ剤を用いて処理したとき(比較例2)と同等またはそれ以上の回復率と、ふんわり感・柔軟感とを得ることができた。
また、実施例1および2の柔軟仕上げ剤を用いて処理したときの回復率およびふんわり感・柔軟感は、柔軟仕上げ剤による処理を行わなかったブランクや、炭素数8〜22の脂肪酸塩が配合されていない柔軟仕上げ剤を用いて処理した比較例1に比べて極めて優れており、顕著な効果の差異が観察された。
吸水性試験
1) 試験布の調製
綿金巾(100%)からなる試験布と、混紡ブロード(ポリエステル65%/綿35%)からなる試験布とを、それぞれ用意した(各2.5cm×40cm)。
各試験布を、標準使用量(0.2mL/L)に希釈された実施例2および比較例2の柔軟仕上げ剤にそれぞれ浸漬し、取り出した後、軽く絞り、風乾した。次いで、アイロンで仕上げたものを、さらに、恒温恒湿室(20℃、65%RH)において72時間静置することにより、供試用の試験布を調製した。
2) 試験方法
上記方法により調製された供試用の各試験布を、吸水速度B法(JIS L 1907:2004「繊維製品の吸水性試験方法 7.1 吸水速度 7.1.2 バイレック法」)に準拠して、恒温恒湿室(20℃、65%RH)内にて吊るした。次いで、供試用の試験布を吊るしてから10分後において、純水が吸い上げられた距離(mm)を、縦(鉛直)方向と、横(水平)方向の2方向で、自動型バイレック吸水速度試験機(型式:PW−5P−AT)により測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2007056426
表2から明らかなように、実施例2の柔軟仕上げ剤を用いて処理した試験布は、柔軟仕上げ剤による処理を行わなかった試験布(ブランク)と、概ね同程度の吸水性を有していた。一方、カチオン界面活性剤が含有されている市販の柔軟仕上げ剤(比較例2)を用いて処理した試験布は、実施例2の柔軟仕上げ剤を用いて処理した試験布や、上記ブランクに比べて、吸水性が著しく低かった。
剛軟性試験
上記吸水性試験と同様にして調製された各試験布の剛軟性を、JIS L 1096:1999「一般織物試験方法 8.19 剛軟性」に記載の8.19.7 G法(ドレープ係数)に準拠して、恒温恒湿室(20℃、65%RH)内にて、ドレープテスタ(型式:YD−100)により測定した。その結果を表3に示す。
なお、剛軟性とは、肌触り・風合いを示す指標である。上記G法では、剛性の最も大きいレベルを1として、ドレープテスタの試料台を3回上下に振動させた後のドレープ形状面積から、その試料のドレープ係数を求めており、数値が小さいほど、試験布が柔らかいことを示している。
Figure 2007056426
表3より明らかなように、実施例2の柔軟仕上げ剤を用いて処理した試験布では、柔軟仕上げ剤による処理を行わなかった試験布(ブランク)や、カチオン界面活性剤が含有されている市販の柔軟仕上げ剤(比較例2)を用いて処理した試験布に比べて、柔軟効果(ふっくら効果)が優れており、とりわけ、混紡ブロードに対する処理において、その効果の差異が顕著であることがわかった。
帯電性試験
1)試験布の調製
綿金巾(100%)からなる試験布を、標準使用量(0.2mL/L)に希釈した実施例2および比較例2の柔軟仕上げ剤にそれぞれ浸漬し、取り出した後、軽く絞り、風乾後、アイロンで仕上げたものを、さらに、恒温恒湿室(20℃、40%RH)において72時間静置することにより、供試用の試験布を調製した。
2)試験方法
上記方法により調製された供試用の各試験布の帯電性を、JIS L 1094:1997「織物及び編物の帯電性試験方法 5.1 半減期測定法」の記載に準拠して、摩擦帯電圧測定器(型式:RS−101D、Rotary Static Tester、NIPPON STATIC社製)を用いて、10kVの静電気を30秒間与えた後、帯電量が半減するまでの時間(半減期/秒)を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2007056426
表4から明らかなように、実施例2の柔軟仕上げ剤の帯電防止性能は、カチオン界面活性剤が含有されている市販の柔軟仕上げ剤(比較例2)と同等であった。
柔軟効果試験の試験方法を説明するための概略図である。
符号の説明
H 初期の積み重ね高さ

Claims (4)

  1. レシチンと、炭素数8〜22の脂肪酸塩と、アルコール系溶剤とを含有していることを特徴とする、柔軟仕上げ剤。
  2. 前記レシチンが、大豆レシチンであることを特徴とする、請求項1に記載の柔軟仕上げ剤。
  3. 前記炭素数8〜22の脂肪酸塩が、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩およびオレイン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の脂肪酸塩であることを特徴とする、請求項1または2に記載の柔軟仕上げ剤。
  4. 前記アルコール系溶剤が、一価アルコール、二価アルコールおよび三価アルコールの混合溶剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟仕上げ剤。

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