明細書 発明の名称
繊維製品処理剤組成物 技術分野
本発明は繊維製品処理剤組成物に関する。
背景技術
近年、 香り に対する意識の高まりから、 衣料用洗浄剤や仕上げ剤など の繊維製品処理剤に残香性のある香料を用いて、 洗濯終了後にも繊維製 品に香りが持続する技術が開発されている。 これらは、 親油性の高い揮 発蒸散しにく い香料成分を用いる技術が一般的であるが、 このような香 料成分は匂い立ちが悪く 、 重厚な香り の香料成分が多いため、 残る香調 はこれらの香りで決定されてしまう。 一方、 親水性の高い香料、 或いは 比較的親水性の香料成分は匂い立ちに優れ、 親油性の香料成分に比べ素 材数が多く あることから、 さまざまな香りの設計が可能である。 しかし、 繊維製品 の吸着性が乏しいため、 処理された繊維製品の香りが弱く 、 更に持続性も弱くなつてしまう事から、 親水性の高い香料、 或いは比較 的親水性の香料成分の吸着性を改善し、 繊維製品に残留する香調のバリ エーシヨ ンを広げる技術が強く求められている。
一方、 ケィ酸エステル化合物は残香性を付与する技術として知られて いる。 ケィ酸エステルを含有する繊維製品処理剤は、 JP-A 5 4— 5 9 4 9 8、 JP-A 5 4— 9 3 0 0 6、 JP-A 5 5 — 1 2 7 3 1 4、 JP-A 2 0 0 3 — 5 2 6 6 4 4等に開示されており、 特に JP-A 2 0 0 3 - 5 2
6 6 4 4には香料組成物との併用が記載されている。
発明の概要
本発明は、 下記 ( a ) 成分及び ( b l ) 成分を、 ( a ) 成分ノ ( b 1 ) 成分 = 9 8 Z 2〜 2 0 / 8 0の質量比で含有する繊維製品処理剤組成物 を提供する。
( a ) : —般式 ( 1 ) で表される化合物
〔式中、 Xは一 ΟΗ、 - R 1 (R 1は置換基としてフエニル基、 水酸基又 はアルコキシ基を有していても良い総炭素数 1〜 2 2の脂肪族炭化水素 基) 又は— O R2 (R2 は炭素数 6〜 2 2の炭化水素基)、 Υは X又は一 O S i (X) 3、 nは平均値を示す 0〜 1 5の数である。 複数個の X及び Yはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、 一分子中に—〇 R2 を少 なく とも 1つ有する。〕
( b 1 ) : 1 o g P ow力 S 3. 0以上、 5. 0以下の香料。
本発明は、 上記組成物を、 水を媒体として繊維製品に接触させる、 ( b 1 ) 成分の繊維製品への吸着を促進させる方法を提供する。
本発明は、 下記 A工程の後、 B工程を行う繊維製品に香り を付与する繊 維製品処理方法、 又は A工程と B工程を同時に行う繊維製品に香り を付 与する繊維製品処理方法を提供する。
A工程 : 上記組成物で繊維製品を処理する工程
B工程 : 繊維製品を加熱処理する工程
発明の詳細な説明
JP-A 5 4— 5 9 4 9 8、 JP-A 5 4— 9 3 0 0 6、 JP-A 5 5— 1 2 7 3 1 4、 JP-A 2 0 0 3 - 5 2 6 6 4 4に記載されている技術は、 ケィ酸エステルの加水分解物が香料成分と して用いられ、 繊維製品に付 着したゲイ酸エステルが徐々に加水分解するこ とで香りの持続性を向上 させる技術であるため 、 アルコール系の香料成分に限られる点や、 水が 存在しなければ香 Όがしないなどの課題がある。 ケィ酸エステルの賦香 技術で用いられるァルコール系の香料は種類に限りがあり、 衣類に残る 香りのバリエーシ 3 ンを広げることはケィ酸エステルの賦香技術だけで は対応できない。 また 、 特定のケィ酸エステルが比較的親水性の香料成 分の繊維製品への吸着性を向上させる点については示唆するものではな い
JP-A 2 0 0 3 - 5 2 6 6 4 4は他の香料成分との併用が具体的に例 示されている力 これらは香料の一部としてケィ酸エステル化合物を用 いる技術であ り、 比較的親水性の香料成分とケィ酸エステルを特定の比 率で含有させた場合の効果については示唆するものではない。
従って本発明は、 衣料用洗浄剤や仕上げ剤等の繊維製品処理剤を用い て繊維製品を処理した場合に香料の吸着性、 特に比較的親水性の香料の 吸着性を高めることができ、 繊維製品に残存する香調のバリエーショ ン を広げ、 さまざまな香り を長時間にわたり強く賦香する事ができる繊維 製品処理剤組成物を提供する。
本発明によ り、 香料の吸着性、 特に比較的親水性の香料の繊維製品へ の吸着性を高めるこ とができ、 繊維製品に残る香りのバリエーショ ンを
広げ、 さ らにその香り を長時間にわたり強く賦香する事ができる。
[( a ) 成分]
本発明の ( a ) 成分は、 上記一般式 ( 1 ) で表される化合物である。 一般式 ( 1 ) において、 Xは— O H、 — R l又は— O R2、 Yは X又は - O S i (X) 3、 nは平均値を示す 0〜 1 5の数であり、 複数個の X及 び Yはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、 一分子中に一 O R2 を 少なく とも 1つ有する。
R 1は置換基と してフエニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していて も良い総炭素数 1〜 2 2の脂肪族炭化水素基を示すが、 置換基としてフ ェニル基、 水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数 1〜 2 2の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ま しく 、 nが 0 の場合には、 炭素数 6〜 1 8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ま しく 、 n —へキシル基、 n—才クチル基、 n _デシル基、 n— ドデシル 基、 n—へキサデシル基、 n —ォク夕デシル基等の炭素数 6〜 1 8の直 鎖アルキル基が更に好ましく 、 炭素数 1 0〜 1 8 の直鎖アルキル基が更 により好ましい。
R2は炭素数 6〜 2 2、 好ま しく は 6〜 1 5、 より好ましく は 8〜 1 5 の炭化水素基を示すが、 炭化水素基と してはアルキル基、 アルケニル基 又はアルキルァリール基が好ましく、 特に分岐構造を有するアルキル基 及びアルケニル基から選ばれる基が、 繊維製品への ( b l ) 成分の吸着 性を向上させる観点から好適である。
一般式 ( 1 ) において、 nが 0の場合には、 4個の Xのうち 2〜 4個、 好ましく は 3又は 4個が一〇 R 2であり、 残りが一 R 1である化合物が好 適である。
n = 0の場合の好ましい化合物としては、 下記式 ( 1 _ 1 ) 又は ( 1 一 2 ) で表される化合物が挙げられる。
〔式中、 R 1及び R.2は前記と同じ意味を示す。〕
一般式 ( 1 ) において、 nが 1〜 1 5の場合には、 nは平均値を示し、 全ての X及び Yに対して、 1 Z 1 0以上、 好ましくは 1 8以上が _〇 R 2であり、 残りが一 R 1である化合物が好適であり、 全ての X及び Y力 S 一 O R 2 である化合物が特に好ましい。 nとしては、 1〜 1 0が好まし く、 1〜 5がより好ましい。
nが 1〜 1 5の場合の好ましい化合物としては、 下記式 ( 1 一 3 ) 又 は ( 1 — 4 ) で表される化合物が挙げられる。
〔式中、 R 1及び R2は前記と同じ意味を示す。 mは 1〜 1 5の数を示し、 Tは、 一 O R2又は一 R 1を示す。〕
一般式 ( 1 ) で表される化合物は、 JP-A 5 4 — 5 9 4 9 8や JP-A 2 0 0 3 — δ 2 6 6 4 4などに記載されている方法で入手することができ る。
[( b 1 ) 成分及びその他の香料成分]
本発明の ( b l ) 成分は 1 o g Pow力 S 3. 0以上、 5. 0以下の香料 である。 ( b l ) 成分は一般的には香り立ちに優れ、 素材数が多く あるこ とから、 さまざまな香り を繊維製品に付与でぎるが、 繊維製品処理時に 繊維製品に吸着し難く 、 これら香料成分の吸着性を向上させることが重 要である。 本発明は ( b l ) 成分の吸着性を向上させる技術として特に 優れるものである。
ここで 1 o g Powとは、 化学物質の 1 一才クタノールノ水分配係数で、 f 値法 (疎水性フラグメン ト定数法) により計算で求められた値をいう。 具体的には、 化合物の化学構造を、 その構成要素に分解し、 各フラグメ ントの有する疎水性フラグメン ト定数 ( f 値) を積算して求めることが
でき、 CLOGP3 Reference Manual Daylight Software 4.34, Albert Leo, David Weininger, Version 1, March 1994を参考にするこ とができる。
( 1 ) 成分と しては、 i ) a— ピネン (4.18)、 )8 —ピネン (4.18)、 カンフェン (4.18)、 リモネン (4.35)、 テルピノーレン (4.35)、 ミルセ ン (4.33)、 p —サイ メ ン (4.07) から選ばれる炭化水素系香料、 ii) サ ンダルマイソールコア (3.9)、 サン夕ロール (3.9)、 1 一メン トール (3.2)、 シ トロネロール (3.25)、 ジヒ ドロミルセノール (3.03)、 ェチルリナル ール (3.08)、 ムゴール (3.03)、 ネロ リ ドール (4.58) から選ばれるァ ルコール系香料、 iii) アルデヒ ド C— 1 1 1 (4.05)、 グリーナール(3.13)、 マンダリ ンアルデヒ ド(4.99)、シ 卜ラール(3.12)、シ ト ロネラール(3.26)、 ァミルシンナミ ックアルデヒ ド ( 4.32)、 へキシルシンナミ ックアルデヒ ド (4.85)、 リ リアール (3.86)、 ジヒ ドロジヤスモン (3.13)、 1 —カル ボン、 ィオノ ン α (3.71) , メチルイオノ ン α (4.24)、 メチルイオノ ン G (4.02) から選ばれるアルデヒ ド、 ケ ト ン系香料、 iv) へプチルァセ テー ト (3.36)、 シ トロネリルアセテー ト (4.20)、 ゲラニルアセテー ト (3.72)、 リナリルアセテー ト (3.50)、 ェチルシンナメー ト (3.0)、 ベ ンジルサリ シレー ト (4.2)、 イソブチルサリ シレー ト (3.92) から選ば れるエステル系香料、 V ) チモール (3.40)、 バニ トロ一プ (3.11) から 選ばれるフエノール系香料、 vi) セ ドロキサイ ド (4.58)、 シ トロネリル ェチルエーテル (4.36)、 ァネ トール (3.31)、 ネロリ ンャラャラ (3.24)、 エステラゴール (3.1)、 メチルイソオイゲノール (3.0) から選ばれるェ —テル系香料を挙げることができる。 なお、 ( ) 内は 1 o g P ow 値で ある。
特に ( b 1 ) 成分として、 リモネン (4.35)、 エス トラゴール (3.1)、
1 一メン トール (3.2)、 シ ト ロネロール (3.25)、 シ トラ一ル (3.12)、 シ トロネラール (3.26)、 イソプチルサリ シレー ト (3.8)、 ァミルシンナ ミ ックアルデヒ ド(4.32)、ジヒ ドロジャスモン(3.13)、ィオノ ン α (3.71)、 メチルイオノ ンひ (4.24) , メチルイオノ ン G (4.02) , ベンジルサリ シ レー ト (4.2) が香り立ちがよいため、 また爽やかな香り を繊維製品に付 与できるため好適である。
本発明では、 ( b 1 ) 成分以外の香料成分を含有する香料組成物として 使用することが出来る。 比較的親油性の高い 1 o g Powが 5を超える香 料成分 〔以下 ( b 2 ) 成分という〕 と しては、 )6 —力 リオフィ レン (6.45)、 ト リ メチルゥンデセナール (5.16)、 へキシルサリ シレー ト (5.09)、 ァ ンブロキサン (5.27)、 テン夕ローム (5.7)、 パールライ ド (5.7) 等を挙 げることができる。
さ らに、 親水性の高い l o g Pow が 3未満の香料成分 〔以下 ( b 3 ) という〕 としては、 テルビネオール (2.6)、 ゲラニオール (2.77)、 リ ナ ロール (2.55)、 ミルセノール (2.61)、 ネロール (2.77)、 シス—ジャス モン (2.64)、 フエニルェチルアセテー ト (2.13)、 ァ リルアミルグリ コ レー ト (2.51)、 リ ファ ロ一ム (2.26)、 シス一 3 _へキシルアセテー ト (2.34)、 スチラ リルアセテー ト (2.27)、 o— t ーブチルシク ロへキサ ノ ン (2.27)、 p— t —ブチルシクロへキサノ ン (2.27)、 ァセチルオイ ゲノール (2.83)、 シンナミルアセテー ト (2.35)、 オイゲノール (2.40)、 イソオイゲノール (2.58)、 モスシンス (2.94)、 ァニソール (2.06)、 メ チルオイゲノール (2.78)、 クマリ ン (1.4) 等を挙げることができる。 本発明の ( b l ) 成分を含有する香料と しては、 少なく とも ( b l ) 成分と ( b 2 ) 成分を含有するものが好ましく、 (b 2 ) 成分の香り と、
( b 1 ) 成分の香りが相まって、 種々な香り を繊維製品に残香させるこ とが可能となる。 全香料中の香料成分 (b l ) の含有量は、 3 0質量% 以上が好ましく、 5 0質量%以上が更に好ましい。 また、 全香料中の (b 2) 成分の含有量は、 1 0〜 5 0質量%が好ましく、 2 0〜 3 0質量% がより好ましく、 残りが ( b 3 ) 成分である香料が最も好適である。 ( b 1 ) 成分と (b l ) + ( b 2 ) 成分の質量比は、 1 0ノ 9 0〜 ; L Z 1が 好ましく 、 2 0 Z 8 0〜 : 1 1がより好ま しく 、 3 0ノ 7 0〜 : 1 1が 更に好ましい。以下、 (b l )、 ( b 2 )および( b 3 )成分の混合物を( b ) 成分という。
[繊維製品処理剤組成物]
本発明の繊維製品処理剤組成物は、 ( b 1 ) 成分の繊維製品への吸着性 を向上させ、 香り立ちに優れ、 ノ リエーシヨ ンの広い香り を持続させる 観点から、 ( a) 成分と ( b l ) 成分とを、 ( a) 成分 (b l ) 成分 = 9 8Z 2〜 2 0 8 0の質量比で含有する。 ( a) 成分 Z (b l ) 成分の 質量比は、 S O Z I O S O Z T Oが好ま しく 、 8 5ノ 1 5〜 4 0 Z 6 0がより好ま しい。
本発明の繊維製品処理剤組成物は香料の希釈剤や保留剤を含有するこ とが出来る。 希釈剤、 保留剤の好適な例としては、 ジプロピレングリ コ —ル、 パルミチン酸イソプロピルエステル、 ジェチルフ夕レー ト、 ペン ジルベンゾェ一 ト、 流動パラフィ ン, イソパラフィ ン、 油脂等を挙げる ことができる。 (b) 成分と保留剤の合計に対する保留剤の割合は 0〜 2 0質量%が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、 柔軟剤、 賦香剤、 糊剤、 スタイル ケア剤等に香りのコン トロールを目的として応用することが出来る。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、 一般家庭における洗濯工程のすす ぎの段階で濯ぎ水に添加される繊維製品処理剤と して用いられるのが好 ましく、 具体的には柔軟剤組成物に応用することが好ましい。
本発明を柔軟剤組成物に応用する場合には、 ( C ) 成分と して柔軟基剤 を含有するこ とが好ましい。 柔軟基剤としては、 炭素数 1 0〜 2 2の炭 化水素基を 1 〜 3個有する 3級ァミ ン又はその酸塩もしく はその 4級化 物 〔以下 ( c 1 ) 成分という〕、 及び ( a ) 成分以外のシリ コーン化合物 〔以下 ( c 2 ) 成分という〕 から選ばれる化合物が好ましい。
( c 1 ) 成分と しては、 エステル結合又はアミ ド結合を有していても 良い炭素数 1 2〜 2 2の炭化水素基を 1〜 3個と残りが炭素数 1〜 3 の アルキル基及び/又はヒ ドロキシアルキル基である 3級ァミ ン又はその 酸塩もしく はその 4級化物が好ましい。 ( c 1 ) 成分の具体例としては、 下記 ( c 1 1 ) 〜 ( c 1 3 ) の化合物を挙げるこ とができる。
( c 1 1 ) 炭素数 1 2〜 2 2、 好ましく は炭素数 1 4〜 2 0、 より好 ましく は炭素数 1 6〜 1 8のアルキル基又はアルケニル基を 2個と残り が炭素数 1〜 3のアルキル基又はヒ ドロキシアルキル基である 4級アン モニゥム塩 (塩と してはクロル塩、 炭素数 1〜 1 2の脂肪酸塩、 炭素数 1〜 3のアルキル硫酸エステル塩)
( c 1 2 ) アルカノィル基又はアルケノィル基の炭素数 1 1〜 2 1 、 好ましく は 1 3〜 1 9、 よ り好ましく は 1 5から 1 7であるアルカノィ ル (アルケノィル) ォキシェチル基、 もしく はアルカ ノィル (アルケノ ィル) ァミ ノ プロピル基を 1又は 2個と残りが炭素数 1〜 3のアルキル 基又はヒ ドロキシアルキル基である 3級ァミ ン又はその酸塩 (酸塩と し ては塩酸塩、 硫酸塩、 リ ン酸塩、 炭素数 1〜 1 2の脂肪酸塩)
( c 1 3 ) ト リエタノールァミ ンと、 炭素数 1 2〜 2 2、 好ま しく は 1 4〜 2 0、 特に好ましく は 1 6〜 1 8の脂肪酸、 又は脂肪酸低級アル キルエステル、 脂肪酸クロ リ ドから選ばれる脂肪酸誘導体、 好ましく は 脂肪酸とのエステル化反応生成物をアルキル化剤、 好ましく はメチルク ロ リ ド、 ジメチル硫酸又はジェチル硫酸によ り 4級化した 4級アンモニ ゥム塩 (塩と してはク ロル塩、 炭素数 1〜 1 2の脂肪酸塩、 炭素数 1 〜 3のアルキル硫酸エステル塩)。
( c 2 ) 成分としては、 水不溶性のシリ コーン化合物が好適である。 ここで水不溶性化合物とは 2 0 のイオン交換水 1 Lに溶解する量が 1 g以下の化合物である。 具体的にはジメチルポリ シロキサン、 4級アン モニゥム変性ジメチルポリ シロキサン、 ァミ ノ変性ジメチルポリ シロキ サン、 アミ ド変性ジメチルポリ シロキサン、 エポキシ変性ジメチルポ リ シロキサン、 カルボキシ変性ジメチルポリ シロキサン、 ポリオキシアル キレン変性ジメチルポリ シロキサン、 フッ素変性ジメチルポリ シロキサ ン等のシリコーン化合物が挙げられる。 なお、 本発明の繊維製品処理剤 に任意成分の油剤として挙げるシリ コーン油を ( c 2 ) 成分と して用い てもよい。
本発明では特に分子量千〜 1 0 0万、 好ましく は 3千〜 1 0 0万、 特 に好ましくは 5千〜 1 0 0万、 2 5でにおける粘度が 2〜 1 0 0万 mm2 / s 、 好ましく は 5 0 0〜 1 0 0万 mm2Z s 、 特に好ましく は 1千〜 1 0 0万 m m 2Z s のジメチルポリ シロキサン、 ァミ ノ変性ジメチルポリ シ ロキサン、 アミ ド変性ジメチルポリ シロキサン、 ポリオキシアルキレン (ポリオキシエチレン及び/又はポリ オキシプロ ピレン、 好ま しく はポ リオキシエチレン) 変性ジメチルポリ シロキサンから選ばれる 1種以上
が好ましい。 ァミ ノ変性ジメチルポリ シロキサンのァミ ノ当量 (ァミ ノ 当量とは窒素原子 1個当たり の分子量) は、 1 , 5 0 0〜 4 0, 0 0 0 g Zm o l が好ま しく、 2, 5 0 0〜 2 0, O O O g Zm o l がよ り好 ましく、 3, 0 0 0〜 : L 0 , O O O g Zm o l が更に好ましい。
本発明では特に ( c l ) 成分と ( c 2 ) 成分を併用するこ とが好まし く ( c l ) 成分 Z ( c 2 ) 成分を質量比で 6 0 Z 1〜 : L / 5 0、 好ま し く は 6 0 Z 1〜 :! 2 0、 更に好ましく は 5 0Z 1〜 1ノ 1 0で含有す ることが好適である。
本発明の ( a ) 成分、 ( b ) 成分、 及び任意ではあるが柔軟剤組成物に 応用する場合には必要な成分である ( c ) 成分は水に対して不溶な化合 物であるため、 水性の組成物の形態と して用いる場合には、 組成物中に 安定に溶解、 分散、 乳化させる目的から非イオン界面活性剤 〔以下 ( d ) 成分という〕 を含有することが好適である。
( d ) 成分としては、 炭素数 8〜 2 0のアルキル基又はアルケニル基 を有するポリ オキシエチレンアルキルエーテルが好ま しく、 下記一般式 ( 2 ) で表される非イオン界面活性剤がよ り好ま しい。
R 2a- A - 〔(R2b〇) p— R2c〕 q ( 2 )
〔式中、 R2aは、 炭素数 8〜 1 8、 好ましく は炭素数 1 0〜 1 6のアル キル基又はアルケニル基であり、 R2bは、 炭素数 2又は 3のアルキレン 基、 好ましく はエチレン基であり、 R2cは、 炭素数 1〜 3のアルキル基 又は水素原子であり、 pは 2〜 1 0 0、 好ましく は 5〜 8 0、 より好ま しく は 5〜 6 0、 更に好ま しく は 1 0〜 6 0の数であり、 Aは一0—、
— C O O —、 一 C O N <、 一 C O N R x _、 一 N R x _又は一 N<であ り、 Aが—〇—、 一 C O O —、 一 C O N R x 、 — N R x —の場合 Qは 1 であり、 Aがー C O Nぐ又は一 Nぐの場合 Qは 2である。 R xは H、 又 は炭素数 1 〜 3のアルキル基である。〕
一般式 ( 2 ) の化合物の具体例としては、 以下の式 ( 2 — 1 ) 〜 ( 2 一 3 ) で表される化合物を挙げることができる。
R 2a- O - ( C 2H40 ) r一 H ( 2 — 1 )
〔式中、 R2aは前記の意味を示す。 rは 8 ~ 1 0 0、 好ましくは 1 0〜 6 0の数である。〕
R 2a- O - ( C 2H4〇) s/ ( C 3H60 ) t— H ( 2 — 2 )
〔式中、 R 2aは前記の意味を示す。 s及び t はそれぞれ独立に 2 〜 4 0 、 好ましく は 5 〜 4 0の数であり、 ( C 2H40 ) s/ ( C 3H60 ) t はラン ダム又はブロック付加体であってもよい。〕
〔式中、 R 2aは前記の意味を示す。 Aは— N <又は— C〇 N <であり、 u及び Vはそれぞれ独立に 0 〜 4 0の数であり、 u + vは 5 〜 6 0、 好
ましく は 5〜 4 0 の数である。 R 2d、 R 2eはそれぞれ独立に水素原子又 は炭素数 1 〜 3のアルキル基である。〕
本発明の繊維製品処理剤組成物を柔軟剤組成物に応用する場合には柔 軟効果を向上させる目的から脂肪酸 〔以下 ( e 1 ) 成分という〕 を含有 することが好適であり、 具体的にはラウリ ン酸、 ミ リスチン酸、 パルミ チン酸、 パルミ ト レイ ン酸、 ステアリ ン酸、 ォレイ ン酸、 リ ノール酸、 エル力酸、 ベへニン酸等の炭素数 1 2 〜 2 2 の飽和又は不飽和脂肪酸が 好ましく 、 特にパルミチン酸、 ステア リ ン酸、 ォレイ ン酸、 リ ノール酸 が好適である。
本発明の組成物は、 貯蔵安定性を向上させる 目的か ら必要に応じて
( f ) 成分と して無機塩を含有するこ とができる ハ、、機塩としては、 ¾ 化ナ ト リ ウム、 塩化カルシウム、 及び塩化マグネシゥムが貯蔵安定性の 点から好ましい。
本発明の組成物は、 貯蔵安定性を改善する目的で ( g ) 成分と して灰 素数 8 〜 2 2 の飽和又は不飽和脂肪酸と多価ァルコ一ルとのェステル化 合物を含有してもよい。 配合できる ( g ) 成分と しては、 卜 リ グリセラ イ ド、 ジグリセライ ド、 モノ ダリセライ ド、 ぺン夕ェリスリ 卜一ルのモ ノ、 ジ、 トリ脂肪酸エステル、 ソルビ夕ン脂肪酸ェステルを挙げるこ と ができる。
本発明の組成物は、 必要に応じて ( h ) 成分として溶剤を含有しても よい。 溶剤と しては、 エタノール、 イ ソプロパノ一ル 、 グリセリ ン、 ェ チレンダリコール、 プロピレングリ コールから選ばれる溶剤が好ましく、 特にエタノールが匂いの点から好ましい。
更に本発明の繊維製品処理剤組成物には、 必要に応じて(i)成分として
炭化水素油、 アルコール油、 エステル油、 シリ コーン油等の油剤を含有 することができる。 好ましく は、 (a) 成分の 2 0でにおける溶解度が 5 重量%以上である油剤としては、 2 0 でにおける水への溶解度が 5 重 量%未満で且つ (a) 成分の 2 0 tにおける溶解度が 5重量%以上である 油剤が好ましい。 ここで、 上記油剤と しては、 2 0でにおける水への溶 解度が 0 . 5 重量%未満であることがより好ましく、 0 . 1 重量 % ι であることが更に好ましい。
2 0でにおける水への溶解度が 5重量%未満で且つ (a) 成分の 2 0 における溶解度が 5重量%以上である油剤としては、 油剤の揮発性のハ占、、 から 2 0でにおける蒸気圧が 2 . 7 k P a以下であることが好まし < 、
1 k P a以下であることが更に好ましい。 炭化水素油としては、 灰素数
8以上の飽和又は不飽和の炭化水素油を挙げるこ とができる。 ェステル 油としては、 炭素数 1 4以上の脂肪酸と炭素数 1 以上のアルコ 一ルとの ェステル化物であるエステル油を挙げることができる。 シリコ一ン油と しては、 ジメチルシリ コーン、 メチルフエニルシリ コーンや、 フェ一ル 変性、 (ポリ) エーテル変性、 アルキル変性、 脂肪酸エステル変性 、 フッ 素変性、 ァミ ノ変性、 エポキシ変性、 カルボキシ変性、 カルビノ ―ル変 性 、 フエノール変性等の変性シリ コーン油を挙げることができる- これらの油剤の中では、 流動パラフィ ン、 炭素数 1 4 〜 2 0 の脂肪酸 と灰 数 1 〜 2 0 のアルコールとのエステル化物、 粘度 I m P a · s ~
1 0 0 0 m P a • S のジメチルシリ コーン等が好ましい。
本発明の繊維 品処理剤組成物を柔軟剤組成物に応用することができ る。 しの場合には 、 組成物中の ( a ) 成分の含有量は、 0 . 1 〜 6 . 0 質鼻 が好まし < 、 0 . 2 〜 3 . 0質量%がより好ましく 、 0 . 3 〜 1 .
0質量%が更に好ましい。 また、 組成物中の ( b 1 ) 成分の含有量は、 0. 0 2〜 ; L . 5質量%が好ましく、 0. 0 5〜 : I質量%がよ り好ま し く、 0. 0 8〜 0. 8質量%が更に好ましい。 また、 組成物中の ( b ) 成分の含有量は、 0. 1〜 : 1. 5質量%が好ましく、 0. 2〜 1質量% がより好ましく 、 0. 3〜 0. 8質量%が更に好ましい。 また、 (a) 成 分と (b) 成分の割合は、 (a) 成分 Z ( b ) 成分の質量比で 2 0Z 8 0 〜 9 0Z 1 0が好ま しく 、 3 0ノ 7 0〜 9 0 / 1 0がよ り好ま しく、 4 0Z6 0〜 9 0Z 1 0が更に好ましい。 さ らに組成物中の (c l ) 成分 の含有量は、 3〜 3 0質量%がよ り好ましく 、 3〜 2 5質量%がょり好 ましく、 3 ~ 2 0質量%が更に好ましい。 また、 組成物中の ( c 2 ) 成 分の含有量は、 0. 3〜 : L 5質量%が好ま しく、 0. 3〜 : 1 0質量%が より好ま しく 、 0. 5〜 8質量%が更に好ましい。 組成物中の (d) 成 分の含有量は、 0. 1〜 1 0質量%が好ましく 、 0. 2〜 9質量%がよ り好まし く、 0. 5〜 8質量%が更に好ましい。 保存安定性の観点から (a) 成分と (d) 成分の割合は、 (a) 成分 Z ( d ) 成分の質量比で 3 // 9 7〜 9 0 1 0が好ましく 、 5 / 9 5〜 5 0 5 0がより好ましく 、 1 0 / 9 0〜 3 0 7 0が更に好ましい。 また、 組成物中の ( e ) 成分 の含有量は、 0. 2〜 1 0質量%が好ましく 、 0. 2〜 5質量%がよ り 好ましく 、 0. 3〜 4質量%が更に好ましい。 組成物中の ( f ) 成分の 含有量は、 0. 0 0 0 5〜 5質量%が好ましく 、 0. 0 0 1〜 4質量% がより好ましく、 0. 0 0 5〜 3質量%が更に好ましい。 組成物中の ( g ) 成分の含有量は、 0. 0 1〜 1 5質量%が好ましく 、 0. 0 5〜 : L 0質 量%がよ り好ましく 、 0. 1〜 5質量%が更に好ましい。 組成物中の ( h ) 成分の含有量は、 0. 2〜 2 5質量%が好ましく 、 0. 3〜 ; 1 0質量%
がより好ましく、 0. 3〜 5質量%が更に好ましい。
[(b 1 ) 成分の繊維製品への吸着を促進させる方法]
本発明における (b 1 ) 成分の繊維製品への吸着を促進させる方法は、 本発明の繊維製品処理剤組成物を、 水を媒体として繊維製品に接触させ る方法である。
本発明の繊維製品処理剤組成物を繊維製品に接触させる工程としては、 一般家庭の洗濯工程のすすぎの段階が好ましく、 繊維製品 1 k gに対し て、 ( a) 成分及び (b l ) 成分の合計が 0. 0 1〜 0. 5 g、 更に 0. 0 2〜 0. 3 g、 特に 0. 0 3〜 0. 2 gになるように濯ぎ水に添加す ることが好ましい。
一般に ( a) 成分、 及び (b 1 ) 成分を含む (b) 成分は水に不溶の 化合物であるため、 濯ぎ水に添加する場合には、 ( a) 成分及び (b) 成 分を濯ぎ水に均一に溶解、 分散、 乳化させることが好適であり、 そのた めには (d) 成分が重要な役割を果たす。 本発明では (d) 成分を ( a) 成分と (b) 成分の合計に対して好ましくは 1 2 0 ~ 2 0 1の質量 比、 より好ましく は l Z l S l SZ lの質量比、 特に好ましくは 1 / 1 0〜 1 0Z 1の質量比で濯ぎ水に共存させることが好ましい。 洗濯ェ 程のすすぎの段階で繊維製品に接触させた後は通常の脱水ノ乾燥を行う。
これ以外の方法としては、 一般家庭の洗濯において洗剤と共に添加す る方法、 スプレーにより繊維製品に直接噴霧する方法、 ローラー等で塗 布する方法等が挙げられる。
もう一つの繊維製品の処理方法は以下の方法である。
[繊維製品の処理方法]
本発明の繊維製品の処理方法は、 上記 (b l ) 成分の繊維製品への吸
着を促進させる工程を含む A工程と加熱処理を行う B工程を行う方法で ある。 すなわち、 本発明の繊維製品処理方法は、 上記 ( a ) 成分及び ( b 1 ) 成分を含有する繊維製品処理剤組成物で繊維製品を処理する A工程、 及び繊維製品を加熱処理する B工程を含む。 好ましい方法は、 A工程の 後 B工程を行う方法、 または、 A工程と B工程を同時に行う方法である。
A工程において、 繊維製品処理剤組成物で繊維製品を処理する方法と しては、 下記 ( i ) 〜 (iii) の方法等が挙げられる。
( i ) 繊維製品の洗濯工程における洗浄又は濯ぎの段階で繊維製品処 理剤組成物を洗浄水又は濯ぎ水に添加する方法
(ii) ト リガー容器などの噴霧器を用いて繊維製品処理剤組成物を繊 維製品に噴霧する方法
(iii) 繊維製品処理剤組成物を含む担体を処理の対象である繊維製品 に接触させる方法。
( b 1 ) 成分の吸着促進、 作業の簡便性等の観点から、 好ましい A工程 の処理方法と しては ( i ) の方法が挙げられる。 ( i ) の方法を使用する 場合は、 浴比 (水 Z繊維製品の質量比) は、 3〜 3 0が好ましく 、 4〜 3 0がよ り好ましい。 ドラム型の洗濯機の使用においては、 これらの浴 比は、 通常、 洗濯物の重量に応じて自動的に設定される。 これらの浴比 などを考慮して、 繊維製品処理剤組成物が繊維製品に効率的に付着する ような洗浄条件又は濯ぎ条件を選定することが好適である。 この方法に おいては、 繊維製品 1 k gあたり繊維製品処理剤組成物が好ましく は 0. 0 0 5〜 1 5. 0 g、 より好ましく は 0. 0 5〜 ; 1 0. O gとなるよう に繊維製品処理剤組成物を使用するこ とが好適である。 また、 水に対す る繊維製品処理剤組成物の添加量は、 0. 0 0 1 〜 1 0 0 0 p p mとな
る割合が好ましく、 0. 0 1〜 1 0 0 p p mとなる割合がより好ましレ B工程において好ましぐは、繊維製品処理剤組成物で処理された繊維製 品を加熱処理する方法と しては、 熱源と直接接触させる方法 (接触加熱 方法)、 又は熱源との直接接触を行わず空気等の媒体を介して繊維製品を 加熱する方法 (非接触加熱方法) がある。
接触加熱方法としての熱源には、 アイ ロン、 プレス機などの加熱可能 な硬質表面を用いることができる。かけ面の表面温度は、 8 0〜 2 5 0 が好ましく、 9 0〜 2 4 0でがよ り好ましく 、 1 0 0〜 2 3 0 が更に 好ましい。 あて布をして、 かけ面を接触させてもよい。 熱処理時間は設 定温度により異なるが、 5秒〜 5分程度である。
非接触加熱方法としては、 加熱雰囲気下での加熱が挙げられ、 加熱乾 燥機、 加熱洗濯乾燥機などを用いることができる。 加熱雰囲気の温度は、 5 0〜 : 1 2 0 °Cが好ましく 、 5 0〜 : 1 1 0 °Cがよ り好ま しく、 5 0〜 1 0 0 °Cが更に好ましい。 熱処理時間は、 加熱雰囲気の温度等、 加熱乾燥 機、 加熱洗濯乾燥機の機能によるところが大きいが、 5〜 4 0 0分程度 である。
A工程の (iii) と B工程を同時に行う場合に、 ( a ) 成分及び (b 1 ) 成分を含有する繊維製品処理剤組成物を含む担体を繊維製品と共に高温 雰囲気下に入れ、 高温雰囲気下で A工程及び B工程を同時に行う こと も できる。 また、 前記繊維製品処理剤組成物を含む担体を繊維製品と共に 環境雰囲気下で接触させ、 その後加熱することで高温雰囲気下にする こ とで A工程及び B工程を同時に行う こ ともできる。 その際、 本願の繊維 製品処理組成物を含む担体と繊維製品が、 高い頻度で接触するように攪 拌するこ とが好ましい。 また、 本願の繊維製品処理組成物を含む担体と
接触させる繊維製品は、 水を含んでいる方が、 ( b l ) 成分が水を媒体 として繊維製品に吸着する点で好ましい。 繊維製品に含まれる水は繊維 製品に対して 3 0〜 3 0 0質量%である方が好ま しく 、 3 0〜 2 0 0質 量%がよ り好ましく 、 3 0〜 : 1 5 0質量%が更に好ま しく 、 3 0〜 : 1 0 0質量%が最も好ましい。
実施例 次の実施例は本発明の実施について述べる。 実施例は本発明の例示に ついて述べるものであり、 本発明を限定するためではない。 実施例及び比較例で用いた各配合成分をまとめて以下に示す。
( a ) 成分
( a— 1 ) :下記合成例 1で得られたォクチルケィ酸 ト リス ( 2 —フエ二 ルェチル) エステル
( a— 2 ) :下記合成例 2で得られたテ トラキス ( c i s — 3 —へキセニ ルォキシ) シラン
( a— 3 ) :下記合成例 3で得られたポリ ( 4ーメ トキシフエ二ルメ トキ シ) シロキサン
( a— 4 ) : 下記合成例 3で得られたポリ (ゲラニルォキシ) シロキサン
< ( a ' ) 成分 ( ( a ) 成分の比較品) >
( a ' - 1 ) : フエニルエチルアルコール
( a ' - 2 ) : c i s — 3 —へキセノール
( a ' - 4 ) : ゲラ二オール
( b ) 成分
( b l — 1 ) : エス トラゴール ( l o g P ow= 3. 1 )
( b 1 — 2 ) ·· イソブチルサリ シレー ト ( 1 o g P ow= 3. 8 )
( b l — 3 ) : ベンジルサリ シレー ト ( l o g Pow= 4. 2 )
( b 2— 1 ) : パールライ ド ( 1 o g P ow= 5. 7 )
( b 2 — 2 ) : テン夕ローム ( l o g Pow= 5. 7 )
( b 3— 1 ) : クマリ ン ( l o g Pow= l . 4 )
( b 3 _ 2 ) : オイゲノール ( l o g P ow= 2. 4 )
( c ) 成分
( c 1 - 1 ) : N - ( 3 —ァミ ノ プロピル) 一 N— ( 2 —ヒ ドロキシェ チル) 一 N—メチルァミ ンと硬化牛脂脂肪酸を 1 Z 1 . 9のモル比で公 知の方法に従って脱水縮合させ、 反応物中の脂肪酸含量が 5質量%にな つた時点で反応を終了させて得られた反応生成物であり、 下記式 ( 3 ) で表されるアミ ンを 9 5質量%含有するもの。
(式中、 Rは硬化牛脂脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基を示す。) その他の成分
( d— 1 ) :炭素数 1 2の飽和アルコールにエチレンォキシ ドを平均 2 0 モル付加させたもの
( f - 1 ) : 塩化カルシウム
( g— 1 ) : 硬化牛脂脂肪酸 1. 7モルとグリセリ ン 1モルの脱水縮合物 (脱水縮合物中の未反応脂肪酸含有量は 3質量% )
( h— 1 ) : エタノール
( i ) : シリ コーンェマルジヨ ン 信越化学工業 (株) K M _ 902 ( 5 0 万 mm2Zsのジメチルポリ シロキサンのェマルジョ ン))
合成例 1 : ォクチルケィ酸 ト リス ( 2 —フエニルェチル) エステル [ ト リス ( 2 —フエニルェチルォキシ) ォクチルシラン] の合成
3 0 O mLの四つ口フラスコにォクチル ト リエ トキシシラン 8 3. 0 1 ( 0. 3 0 m o l )、 フエニルエチルアルコール 1 2 7. 7 6 g ( 0. 8 3 m o l )、 2. 8 %ナ ト リ ウムメ トキシ ドメ夕ノール溶液 0. 8 5 7 mLを入れ、 窒素気流下エタノールを留出させながら 1 1 0〜 1 1 5 で 2. 5時間攪拌した。 2. 5時間後、 槽内の圧力を徐々に 8 k P a ま で下げ、 エタノールを留出させながら 1 1 0〜 1 1 9ででさらに 3時間 攪拌した。 3時間後、 冷却、 減圧を解除した後、 濾過を行い、 ォクチル ゲイ酸 ト リス ( 2 —フエニルェチル) エステルを含む 1 7 3. 6 1 gの 淡黄色油状物を得た。
合成例 2 : ケィ酸テ トラキス ( c i s — 3 _へキセニル) エステル [テ トラキス ( c i s _ 3 —へキセニルォキシ) シラン] の合成
2 0 O mLの四つ口フラスコにテ トラェ トキシシラン 3 5. 4 δ g ( 0. 1 7 m o l )、 c i s — 3 —へキセノール 6 4. 7 4 g ( 0. 6 5 m o 1 ) , 2. 8 %ナ ト リ ウムメ トキシ ドメ夕ノール溶液 1 . 3 4 mLを入れ、 窒 素気流下エタノールを留出させながら 1 1 8〜 1 2 0でで約 2時間攪拌 した。 2時間後、 槽内の圧力を徐々に 8 k P aまで下げ、 エタノールを 留出させながら 1 1 2〜 1 1 9ででさ らに 3時間攪拌した。 3時間後、 冷却、 減圧を解除した後、 濾過を行い、 テ トラキス ( c i s — 3 —へキ セニルォキシ) シランを含む 6 6. 1 7 gの薄茶色油状物を得た。
合成例 3 : ポリ (4ーメ ドキシフエニルメ トキシ) シロキサンの合成
1 0 O mLの四つ口フラスコにテ トラエ トキシシラン 7 2. 9 6 と 水酸化カ リウム 0. 2 4 g、 イオン交換水 0. 4 mLを入れ、 窒素気流 下 1 2 0〜 : 1 2 5で、 3 3 k P a〜 ; L O l k P a (常圧) で約 3 7時間 反応を行った。 この間イオン交換水を 0. 4 mL追加した。 反応後、 3 3 k P aで更に 2時間反応させた後、 冷却、 濾過を行い、 6 7. 2 9 g のエトキシシランの縮合物を淡黄色液体として得た。
続いて、 1 0 O mLの四つ口フラスコに先のテトラエ トキシシラン縮 合物 2 5. 0 0 g と 4—メ トキシフエ二ルメタノール 5 6. 3 9 g、 4. 8 %水酸化ナ ト リ ウム水溶液 0. 1 7 gを入れ、 エタノールを留出させ ながら 9 5〜 1 1 9 でさ らに 2時間攪拌した。 2時間後、 槽内の圧力 を徐々に 8 k P aまで下げ、 エタノールを留出させながら 1 1 6〜 1 1 9 X:でさ らに 3時間攪拌した。 3時間後、 冷却、 減圧を解除した後、 濾 過を行い、 5 8. 8 3 gのポリ ( 4ーメ トキシフエ二ルメ トキシ) シロ キサンを淡黄色油状物として得た。
合成例 4 : ポリ ( 3, 7 —ジメチルー r a /3 s _ 2 , 6 —才ク夕ジ ェニルォキシ) シロキサンの合成
1 0 O m Lの四つ口フラスコにテ トラエ トキシシラン 7 2. 9 6 g と 水酸化カ リ ウム 0. 2 4 g、 イオン交換水 0. 4 mLを入れ、 窒素気流 下 1 2 0〜 ; L 2 5で、 3 3 k P a〜 :! O l k P a (常圧) で約 3 7時間 反応を行った。 この間イオン交換水を 0. 4 mL追加した。 反応後、 3 3 k P aで更に 2時間反応させた後、 冷却、 濾過を行い、 6 7 . 2 9 g のエ トキシシランの縮合物を淡黄色液体と して得た。 続いて、 1 0 0 m Lの四つ口フ ラスコにテ トラエ トキシシラン縮合物 2 5. 0 0 gと 3 , Ί 一ジ:^チ^— t r a n s— 2 , 6 _ォク夕ジェン一 1 —オール (ゲラ
二オール) 6 2 . 9 5 g 、 4 . 8 %水酸化ナトリ ウム水溶液 0 . 1 7 g を入れ、 エタノールを留出させながら 9 7〜 1 2 1 で 2時間攪拌した。 2時間後、 槽内の圧力を徐々に 8 k P aまで下げ、 エタノールを留出さ せながら 1 1 8 〜 1 2 1 でさ らに 3時間攪拌した。 3時間後、 冷却、 減圧を解除した後、 濾過を行い、 6 5 . 3 6 gのポリ ( 3 , 7 —ジメチ ) — t r a n s — 2 , 6 —ォクタジェニルォキシ) シロキサンを淡黄色 油状物として得た。 実施例 1 〜 3及び比較例 1 〜 4
最終の繊維製品処理剤組成物が 3 0 0 gになるように、 表 1 に示す配 合成分を表 1 に示す割合で用い、 下記方法により表 1 に示す組成の繊維 製品処理剤組成物 1 〜 4を調製した。
<繊維製品処理剤組成物の調製法 >
一枚の長さが 2 . 5 c mのタービン型羽根が 3枚ついた攪拌羽根をビ 一力一底面より 1 c m上部に設置した、 5 0 O m Lのガラスビーカーに 必要量の 9 5質量%イオン交換水を入れ、 ウォー夕一バスで 6 2でまで 昇温した。 5 0 0 r p mで攪拌しながら、 融解した ( d ) 成分を添加し た。 次に ( c ) 成分と、 ( g ) 成分及び (h ) 成分を予め予備混合し、 7 0 °Cで溶融させた予備混合物を添加した。 次に所定の p Hにするのに必 要な量の 3 5 %塩酸水溶液及び Z又は 4 8 %水酸化ナ ト リウム水溶液を 添加し、 5分間攪拌した後、 5でのウォー夕一バスで 3 0 °Cまで冷却し、 ( f ) 成分を添加し更に 5分間混合した。 更に、 ( a ) 成分および ( b ) 成分を攪拌しながら添加し、 最後に再度 p Hを確認し、 必要に応じて 3 5 %塩酸水溶液及び Z又は 4 8 %水酸化ナ ト リウム水溶液を用いて p H
を調整した。 表 1の組成においては、 ( c 1 一 1 ) は、 ほぼすベて塩酸塩 の状態で組成物に存在する。 なお、 表 1 中、 ( c 1 一 1 ) の数値はそれ自 体 (有効分) の配合量である。
表 1
上記方法で得られた繊維製品処理剤組成物を用い、 下記方法で繊維製 品に処理し、 香料吸着率を測定した。 結果を表 2 に示す。
<繊維製品処理剤組成物による処理および香料吸着率の測定方法 > ( 1 ) 前処理
あらかじめ、 市販の弱アルカ リ性洗剤 (花王 (株) 製 アタ ック) を
用いて、 木綿夕オル 2 4枚を日立全自動洗濯機 NW-6CYで 5回洗浄を繰 り返し、 室内乾燥するこ とによって、 過分の薬剤を除去した (洗剤濃度 0 . 0 6 6 7 質量%、 水道水 4 7 L使用、 水温 2 0 、 洗浄 1 0分、 た め濯ぎ 2 回)。
( 2 ) 繊維製品への組成物の処理
National 電気バケツ N-BK2-A に、 5 L の水道水を注水し、 繊維製品 処理剤組成物を 1 0 g Z衣料 1. 0 k gとなるように溶解 (処理浴の調 製) させ、 上述の方法で前処理を行った 2枚の木綿夕オルを 5分間浸漬 し、 攪拌処理した。 その後、 家庭用二槽式洗濯機で 1分間脱水した。 香料の吸着率は、 処理前の処理浴中の香料含有量 ( X ) と処理後の香 料含有量 ( y ) の差分 〔( x ) — ( y )〕 を夕オルに吸着している量と し て、 処理前の香料含有量 ( X ) に対する割合 (百分率)、 すなわち、 〔( x ) 一 ( y)〕 / ( X ) X I 0 0 を香料の吸着率とする。 その結果を表 2 に示 す。 なお、 処理前後の試験用処理液中の香料の含有量は、 下記の液体ク 口マ トグラフィー装置を用いて測定した。
液体クロマ トグラフィー装置 : H I T A C H I L — 6 0 0 0 カラム : L i c h r o s p h e r 1 0 0 R P — 1 8 ( e ) u rn 1 2 o mm X 4 (/)
カラム温度 : 4 O t:
溶離剤 : ァセ トニ ト リルノ水 = 7 Z 3 (質量比) の混合溶液
流 : 1 . 0 m L / m i n
検出器 : U V ( 2 2 0 n m)
2
実施例 4
表 3 に示す組成の香料 1〜 3 を用いて、 表 4〜 6 に示す組成の繊維製 品処理剤組成物を調製した。 得られた繊維製品処理剤組成物を用い、 実 施例 1 と同様の方法で前処理をした木綿タオルについて同様に柔軟処理 を行った。 処理後の木綿夕オルを、 2 5 t、 4 0 % RHにて 2 4時間乾燥 させ、 残香性の比較官能評価を行った。 官能評価結果は、 ( a ) 成分を配 合していない組成物 (ブランク 1 ) と比較して香り強度が強いと答えた パネラーの人数 ( 1 0人) で示した。 なお、 表 4では、 ( a ) 成分の代 わりに、 (a— 1 ) 成分を合成する際に使用した香料であるフエ二ルェチ ルアルコールを加えた組成物 (ブランク 2 ) に対しても、 同様の香り強 度の評価を行った結果を示した。
表 3
表 5
表 6
以上の結果より、 ( a ) 成分を配合することにより、 (b l ) 成分の吸 着率が向上し、 その残香性は官能評価においても認識されることが明ら かになった。
実施例 5、 比較例 5
最終の繊維製品処理剤組成物が 3 0 0 gになるように、 表 7に示す配 合成分を表 7 に示す割合で用い、 実施例 1〜 3及び比較例 1〜 4と同様 に組成の繊維製品処理剤組成物 1 0及び 1 1 を調製した。 得られた繊維 製品処理剤組成物を、 上記した処理方法で繊維製品に処理し、 下記方法 で乾燥および残香性の官能評価を行った。
ぐ乾燥方法 >
処理方法 1 : 上記方法で処理された木綿夕オルを、 National 洗濯乾燥 機 N H-D 5 0 2 (乾燥機内温度 6 8 ) で 2時間加熱処理し、 その後 2 0で / 6 0 % R Hの恒温室内でハンガーに吊り下げて 2 2時間放置し た。
処理方法 2 : 上記方法で処理された木綿夕オルを、 洗濯乾燥機を用い ることなく、 2 O X:/ 6 0 % R Hの恒温室内でハンガーに吊り下げて 2 4時間放置した。
ぐ残香性の官能評価 >
上記処理方法 1 (洗濯乾燥機での処理あり) で加熱処理した木綿夕ォ ルと、 処理方法 2 (洗濯乾燥機での処理なし ; 自然乾燥) で処理した木 綿夕オルについて 1 0人のパネラーによる残香性の官能評価を行った。 評価結果は、 香り強度が強いと答えたパネラーの人数で示した。 結果を 表 7 に示す。
7
実施例 6および比較例 6
最終の繊維製品処理剤組成物が 3 0 0 gになるように、 表 8 に示す配 合成分を表 8 に示す割合で用い、 下記の調製法で、 組成の繊維製品処理 剤組成物 1 2 〜 1 5 を調製した。 得られた繊維製品処理剤組成物を、 ガ ラス瓶で貯蔵し 4 0 の恒温槽にて 1 ヶ月保存した後、 下記処理方法で 繊維製品に処理し、上述した方法で繊維製品上への(b 1 — 3 )成分の吸着 率を測定した。 結果を表 8 に示す。
( 1 ) 繊維製品処理剤組成物の調製法
一枚の長さが 2 . 5 c mのタービン型羽根が 3枚ついた攪拌羽根をビ 一力一底面より 1 c m上部に設置した、 5 0 O m Lのガラスビーカーに 必要量の 9 5質量%イオン交換水を入れ、 ウォー夕一バスで 6 2でまで 昇温した。 5 0 0 r p mで攪拌しながら、 融解した ( d ) 成分を添加し た。 次に ( c ) 成分と、 ( g ) 成分及び (h ) 成分を予め予備混合し、 7 0。Cで溶融させた予備混合物を添加した。 次に所定の p Hにするのに必 要な量の 3 5 %塩酸水溶液及び 又は 4 8 %水酸化ナトリ ウム水溶液を 添加し、 5分間攪拌した後、 5 のウォー夕一バスで 3 0 °Cまで冷却し、
( f ) 成分を添加し更に 5分間攪拌した。 更に、 ( a ) 成分および ( b ) 成分を攪拌しながら添加し 5分間攪拌した。 ( i ) 成分を含有させる場合 には、 この段階で添加し更に 5分間攪拌した。 最後に再度 p Hを確認し、 必要に応じて 3 5 %塩酸水溶液及び Z又は 4 8 %水酸化ナ トリ ウム水溶 液を用いて P Hを調整した。 表 8の組成においては、 ( c 1 一 1 ) は、 ほ ぼすベて塩酸塩の状態で組成物に存在する。 なお、 表 8中、 ( c 1 - 1 ) の数値はそれ自体 (有効分) の配合量である。
( 2 ) 前処理
あらかじめ、 市販の弱アルカ リ性洗剤 (花王 (株) 製 アタ ック) を 用いて、 木綿メ リヤス ( 4 5 c m X 7 0 c m) 2 4枚を日立全自動洗濯 機 NW-6CYで 5回洗浄を繰り返し、 室内乾燥することによって、 過分の 薬剤を除去した (洗剤濃度 0. 0 6 6 7質量%、 水道水 4 7 L使用、 水 温 2 0 、 洗浄 1 0分、 ため濯ぎ 2回)。
( 3 ) 繊維製品への組成物の処理
National 電気バケツ N-BK2-A に、 5 L の水道水を注水し、 繊維製品 処理剤組成物を 1 0 g Z衣料 1. 0 k gとなるよ うに溶解 (処理浴の調 製) させ、 上述の方法で前処理を行った 2枚の木綿メ リヤスを 5分間浸 漬し、 処理した。
8