JP2004143655A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 以下の(A)〜(D)を必須成分として含有する液体柔軟剤組成物である。(A)特定のカチオン性界面活性剤、(B)エチレングリコール、プロピレングリコールおよびジエチレングリコールからなる群から選ばれる1種以上の親水性溶剤、(C)水溶性無機塩、(D)天然タンパク質を加水分解して得られるペプチド。
【選択図】なし
Description
例えば、ジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロライドは、優れた柔軟性と帯電防止能を有するため広く使用されているが、これらを使用した場合、繊維表面が撥水化されてしまうため、繊維の吸水性が悪くなり、着用の際に汗の吸い取りが悪いなどの欠点を有していた。一方、吸水性の優れた柔軟基剤の一つとして知られているジオレイルジメチル第4級アンモニウム塩は、吸水性は改良されたが柔軟性が不十分であり、柔軟性を改良するためにタンパク質を加水分解して得られたペプチドを含む柔軟性組成物(例えば特許文献1参照)や柔軟剤成分とセリシンからなる柔軟剤(例えば特許文献2参照)が提案されている。
本発明は、布地への柔軟性付与効果に優れ、かつ吸水性および配合安定性に優れた衣料用液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
(A):下記一般式(1)で示されるカチオン性界面活性剤(A1)および下記一般式(2)で示されるカチオン性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上のカチオン性界面活性剤
(B):グリコール系溶剤および炭素数1〜4のアルコールからなる群から選ばれる1種以上の親水性溶剤
(C):水溶性無機塩
(D):天然タンパク質を加水分解して得られるペプチド
一般式(1)における2個のR2は同一であっても異なっていてもよい。
(A1)は、一般式(1)におけるR2のうちの少なくとも一部が炭素数8〜24のアルケニル基、特に、ヘプタデセニル基、ペンタデセニル基またはトリデセニル基であることが好ましく、ヘプタデセニル基であることがとりわけ好ましい。(A2)は、一般式(2)におけるR3のうちの少なくとも一部、またはZ1を構成するR3のうちの少なくとも一部が炭素数8〜24のアルケニル基、特に、ヘプタデセニル基、ペンタデセニル基またはトリデセニル基であることが好ましく、ヘプタデセニル基であることがとりわけ好ましい。
(A)は、ヨウ素価が、通常0〜140、好ましくは20〜120、さらに好ましくは40〜100、特に好ましくは50〜90である。 ヨウ素価が20以上であれば吸水性がさらに良好になり、120以下であれば、さらに柔軟性が向上しやすい。
(A11)R1=メチル基、R2=ヘプタデセニル基、Xf-=CH3SO4 - 、f=1
(A12)R1=メチル基、R2=ヘプタデセニル基/ヘプタデシル基(60/40質量%;以下において特に限定しない限り、%は質量%を表す)、Xf-=CH3SO4 - 、f=1
(A13)R1=β−ヒドロキシエチル基、R2=ペンタデシル基/ヘプタデセニル基(30/70%)、Xf-=CH3SO4 - 、f=1
(A14)R1=メチル基、R2=ペンタデシル基/ヘプタデシル基(40/60%)、Xf-=Cl- 、f=1
(A15)R1=エチル基、R2=ペンタデシル基、Xf-=C2H5SO4 - 、f=1
一般式(2)で示されるカチオン性界面活性剤(A2)のうち好ましいものの例としては、R4がメチル、エチル、ブチルまたはβ−ヒドロキシエチル基、R3がペンタデシル、ヘプタデシル、ヘプタデセニルおよび/または2−ヒドロキシオクチル基、Z1が水素、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイルおよび/またはオレオイル基、並びにQがメチル、エチルまたはβ−ヒドロキシエチル基のもの、具体的には以下に示す(A21)〜(A24)があげられる。
(A21)R4=メチル基、R3=ヘプタデシル基/ヘプタデセニル基(37/63%)、Z1=ステアロイル基/オレオイル基(37/63%)、Q=β−ヒドロキシエチル基、Xf-=CH3SO4 - 、f=1
(A22)R4=メチル基、R3=ヘプタデセニル基、Z1=オレオイル基、
Q=β−ヒドロキシエチル基、Xf-=CH3SO4 - 、f=1
(A23)R4=エチル基、R3=ペンタデシル基、Z1=ステアロイル基、
Q=メチル基、Xf-=C2H5SO4 - 、f=1
(A24)R4=メチル基、R3=ペンタデシル基/ヘプタデシル基(40/60%)、Z1=パルミトイル基/ステアロイル基(40/60%)、
Q=β−ヒドロキシエチル基、Xf-=Cl-
グリコール系溶剤としては総炭素数2〜10のグリコール系溶剤、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコールおよび1,3−ブチレングリコー等のグリコール、モノアルキルエーテル{エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルなど}、並びにジアルキルエーテル{エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、およびジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルなど}が挙げられる。
炭素数1〜4のアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールおよびt−ブチルアルコール等が挙げられる。
(B)のうち好ましいのはグリコール系溶剤であり、さらに好ましいのはグリコール、特にエチレングリコール、プロピレングリコールおよびジエチレングリコール、とりわけ好ましいのはプロピレングリコールである。また、2種以上を併用する場合の比率は特に限定されない。
これらのうち好ましくは、アルカリ金属塩、特に塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムである。
天然タンパク質としては、牛皮もしくは豚皮等の動物由来のコラーゲン[例えば、「コラプトンS」川研ファインケミカル(株)製]、野菜または大豆由来のタンパク質[例えば、「ハイドロソラナム」および「ライゾソル」など:クローダジャパン(株)製]、および絹もしくは羊毛等の天然繊維由来のタンパク質などがあげられる。これらのうち好ましくは絹由来のタンパク質である。
絹を加水分解して得られたタンパク質の例としては、「クロシルクリキッド」クローダジャパン(株)製、「プロモイスシルク−1000」(株)成和化成製および「シルクゲンGソルブル」一丸ファルコス(株)製などが挙げられる。
R6としては、前述のR1およびR4で挙げたアルキル基およびアルケニル基のうちの炭素数8〜24のもの、アルカジエニル基としては、たとえばリノレイル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばエチルシクロへキシル基、プロピルシクロヘキシル基、オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基などが挙げられる。多環式炭化水素としては、たとえばアダマンチル基などが挙げられる。これらのうち好ましいものはアルキル基およびアルケニル基、さらに好ましいものは炭素数10〜18のアルキル基および炭素数14〜20のアルケニル基である。
脂肪族系アルコールの水酸基は1級または2級であることが好ましく、1級が特に好ましい。また、アルキル基部分は直鎖状でも分岐状でもよい。脂肪族アルコールとして特に好ましいものはドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコールおよびオレイルアルコールである。
(m+n+p)は、平均が通常3〜81、好ましくは11〜51の整数である。(m+p)/(m+n+p)は通常0.5以上、好ましくは0.7〜0.99である。[(C2H4O)m/(AO)n]の部分は、ブロック付加〔(C2H4O)m、(AO)nの順〕でもランダム付加でも良いが、好ましくはブロック付加である。
(E)は好ましくはMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が下記関係式(4)または(5)を満たすものである。
Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.010 (4)
(但し、v<10の場合に適用)
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.139 (5)
(但し、v≧10の場合に適用)
上記式(4)またな(5)で、Ln(v)はvの自然対数を意味し、vは脂肪族系アルコール1モル当たりに付加したAOの平均付加モル数を表し、前記一般式(3)での各AOの付加モル数であるmとnとpの合計の平均に相当する。
関係式(4)または(5)を満たす場合、すなわち分子量分布が狭くなるとさらに充分な界面活性能が得られる。
また、Mw/Mnは下記関係式(4’)または(5’)を満たすことがより好ましい。
Mw/Mn≦0.030×Ln(v)+1.000 (4')
(但し、v<10の場合に適用)
Mw/Mn≦−0.026×Ln(v)+1.129 (5')
(但し、v≧10の場合に適用)
cは、下記Weibullの分布則の式(6)から導き出される関係式(7)から求めることができる。
cはさらに好ましくは1.5以下、とくに好ましくは1.0以下である。関係式(7)において、分布定数cの値が小さい、すなわち未反応の脂肪族系アルコールの含有量が少ないほど分子量分布が狭いことを意味する。 なお、この式は、未反応の脂肪族系アルコールの量が検出限界(0.001質量%)以上の場合に適用される式であり、AOの平均付加モル数が12モルまで適用可能である。
v=c×Ln(n00/n0)−(c−1)×(1−n0/n00) (6)
c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (7)
これらの式で、Ln(n00/n0)は(n00/n0)の自然対数を意味し、vは上記に同じ、n00は反応に用いた脂肪族系アルコールのモル数、n0は未反応の脂肪族系アルコールのモル数を表す。
また、(F)の含有量は、液体柔軟剤組成物の質量に基づいて好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.2〜3%、特に好ましくは0.5〜2%である。この範囲内のものが性能(吸水性、長期保存安定性)がとくに優れる。
(G1)としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリット脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよび脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは、ソルビタン脂肪酸エステルである。
(G2)としては、脂肪酸AO付加物、高級アルキルアミンAO付加物、多価アルコール(ソルビタンなど)脂肪酸エステルのエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドはEOと略記)付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいのはソルビタン脂肪酸エステルのEO付加物である。
である。
また、本発明の液体柔軟剤組成物の有効成分濃度[液体柔軟剤組成物の質量に基づく、水と(B)以外の成分の質量百分率]は、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜40%である。
本発明の液体柔軟剤組成物の25℃における粘度は、好ましくは1,000mPa・s、さらに好ましくは10〜500mPa・s、特に好ましくは10〜300mPa・sである。
天然繊維としては、木綿、麻、羊毛などが挙げられ、化合繊繊維としてはレーヨン、アセテートなどの再生セルロース繊維、ポリエステル、ポリアミド繊維、アクリル、スパンデックスなどの合成繊維が挙げられる。これらの混紡交編繊繊維としては、木綿や麻と他の繊維(羊毛、ポリエステル、ポリアミド、アクリルなど)、羊毛と他の繊維(ポリエステル、ポリアミド、アクリルなど)、ポリエステル繊維と他の繊維(レーヨン、アセテート、ポリアミド、アクリル、スパンデックスなど)、ポリアミド繊維と他の繊維(レーヨン、アセテート、アクリル、スパンデックスなど)が挙げられる。
繊維の形態としては、布、不織布、編織物および衣服などが挙げられる。
以下、実施例および製造例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、部は質量部を示す。
加熱冷却装置、撹拌装置、温度計、窒素導入官、窒素排出管、滴下ロートを装着したガラス製耐圧容器にオレイン酸メチル600部、ジエチレントリアミン104部および次亜燐酸1部を仕込み、液中に窒素を通じながら150℃まで昇温する。密閉にしてから徐々に減圧にした後、メタノールおよび水を留去しながら150℃で約5時間反応させた。100℃に冷却後、プロピレングリコール243部を仕込み、75〜85℃でジメチル硫酸129部を徐々に滴下して、カチオン性界面活性剤(A11)75%とプロピレングリコール25%からなる溶液(A11P)を得た。
製造例1と同様の耐圧容器にオレイン酸360部、ステアリン酸240部、ジエチレントリアミン104部および次亜燐酸1部を仕込み、液中に窒素を通じながら150℃まで昇温する。徐々に減圧にした後、水を留去しながら150℃で5時間反応させた。100℃に冷却後、プロピレングリコール243部を仕込み、75〜85℃でジメチル硫酸129部を徐々に滴下して、カチオン性界面活性剤(A12)75%とプロピレングリコール25%からなる溶液(A12P)を得た。
以下の成分を、表1および表2の部数使用し、水を加えて100部となるように室温で配合し、液体柔軟剤組成物を作製した。
(A11P)、
(A12P)、
(A23P):(A23)75%とプロピレングリコール25%からなる溶液、
(A24P):(A24)75%とプロピレングリコール25%からなる溶液、
(X1):ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、
(X2):ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、
(D1):「クロシルクリキッド」 クローダジャパン(株)製、
(D2):「シルクゲンGソルブル」 一丸ファルコス(株)製 、
(D3):「コラプトンS」 川研ファインケミカル(株)製、
非イオン性界面活性剤(E1)〜(E3):下記表1に記載のもの、
プロピレングリコール、硫酸ナトリウムおよびグリセリン。
実施例1〜16および比較例1〜4の柔軟剤を40℃の恒温槽にて1カ月静置し、配合安定性を評価した。その結果を表2および3に示した。
<評価基準>
各試料を下記基準で評価した。
○:均一に乳化 △:わずかに不均一層あり ×:二層に完全分離
実施例1〜14および比較例1〜3の柔軟剤について、下記の試験条件で柔軟性の評価を行った。その結果を表2および3に示した。
<処理条件>
濃度が0.03%になるように柔軟剤組成物を水で希釈し、試験液1,000部を作成した。それに試布(綿ブロード24×24cm)を入れ5分間浸せきした(浴比1:30)。次いで、遠心脱水機で絞り(絞り率100%)、さらに風乾して試料とした。
<柔軟性評価方法>
各試料を、水のみで処理した試布と比較し、触感にて下記基準で評価した。
(評価基準)
◎:弾力性および柔軟性に優れる
○:弾力性および柔軟性が良好
△:弾力性および柔軟性が水で処理したものよりわずかに良好
×:弾力性および柔軟性不良(水で処理したものと同レベル)
<吸水性評価方法>
各試料を1×24cmに裁断し、垂直につるして底部を端から1cm、25℃の水溶液に漬けた状態で10分後の上昇した水の高さ(mm)を測定する。
Claims (7)
- 以下の(A)〜(D)を必須成分として含有する液体柔軟剤組成物。
(A):下記一般式(1)で示されるカチオン性界面活性剤(A1)および下記一般式(2)で示されるカチオン性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上のカチオン性界面活性剤
(B):グリコール系溶剤および炭素数1〜4のアルコールからなる群から選ばれる1種以上の親水性溶剤
(C):水溶性無機塩
(D):天然タンパク質を加水分解して得られるペプチド - (A)が5〜25質量%、(B)が1〜15質量%、(C)が0.1〜2質量%、(D)が0.001〜3質量%であり、且つ25℃において10〜500mPa・sの粘度を有する請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
- さらに、下記一般式(3)で示されるノニオン性界面活性剤(E)を含有する請求項1または2記載の液体柔軟剤組成物。
R5O−[(C2H4O)m/(A1O)n]−(C2H4O)p−H (3)
[式中、R5は炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基;A1は炭素数3〜8のアルキレン基;mは平均が0〜8となる0または1以上の整数、nは平均が1〜3となる0または1以上の整数、pは平均が1〜80となる0または1以上の整数であり、(m+n+p)は平均が3〜81となる整数であり、(m+p)/(m+n+p)は平均0.5以上である。[(C2H4O)m/(A1O)n]は、m≠0、n≠0のときブロック付加またはランダム付加を表す。] - (E)が脂肪族系アルコール(a1)にアルキレンオキサイド(b1)を付加して製造され、下記(i)および(ii)を満たすノニオン性界面活性剤(E1)である請求項3記載の液体柔軟剤組成物。
(i)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mnが下記関係式(4)または(5)を満たす。
Mw/Mn≦0.030Ln(v)+1.010 (但し、v<10)(4)
Mw/Mn≦−0.026Ln(v)+1.139(但し、v≧10)(5)
{但し、vは脂肪族系アルコール(a1)1モル当たりに付加したアルキレンオキサイド(b1)の平均付加モル数を示す。}
(ii)下記式(6)から求められる分布定数cが2.0以下である。
c=(v+n0/n00−1)/[Ln(n00/n0)+n0/n00−1] (6)
{但し、vは式(4)または(5)に同じ、n00は反応に用いた脂肪族系アルコール(a1)のモル数、n0は未反応の脂肪族系アルコール(a1)のモル数を示す。} - (A)が、分子中に少なくとも1種のアルケニル基を有し、20〜120のヨウ素価を有する請求項1〜4のいずれか記載の柔軟剤組成物。
- (D)が、シルク繊維を加水分解して得られたペプチドである請求項1〜5のいずれか記載の液体柔軟剤組成物。
- さらに、3価以上の多価アルコール(F)を含有する請求項1〜6のいずれか記載の液体柔軟剤組成物。
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