JP2007054041A - 養鶏飼料並びに卵 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 配合飼料1000kg当り、ヨウ素(Iとして)を28g〜130g含有する基礎配合飼料に、ヨウ素による鶏生体のストレス解消と産卵率向上を目的として、プロバイオティクスと、ビタミンBコンプレックスとを混合させた養鶏飼料。この飼料を鶏に投与して産出させた卵。
Description
その中で特に、高齢者の増加は、老人性認知症を伴う要介護者人口の増加を伴い、介護保険料の負担が、収入のない高齢者にも重い負担となっている。
不老長寿は、組織細胞が老化しなければ、長寿を保つ事を意味し、漢方薬を飲んでいた徳川家康(75才)と贅食の豊臣秀吉(62才)の寿命差は、食事と老化を改めて考えさせる。 老化とは何かを、改めて検討すると、代謝力低下に伴い栄養の組織細胞への供給が低下し、体組織細胞数の減少による機能低下、ということで説明される。
コレステロールは、リポ蛋白や組織細胞膜の構成分として体組織細胞の機能を維持し、胆汁酸や各種ホルモンの原材料になる。コレステロールは最終的には肝臓で胆汁酸として排出される。(日経バイオテクノロジー用語辞典、日経バイオテク1987年)。
血液中の高コレステロールは、血液の流動性を悪化させ、血管の細胞膜透過性を低下させ、これに付着し、繊維化され、更に石灰巣化から、動脈硬化、毛細血管血栓を招く。
この活性酸素が過剰になると、組織細胞の炎症、細胞障害が生じる。炎症により細胞の分裂制御遺伝子が傷つくと、細胞分裂の制御ができずガンになる。
老化は、運動量の低下からはじまる。消化吸収の低下から栄養不足となる。栄養不足は、エネルギー不足となり、運動不足を更に促す。
また、鶏の腸内細菌サルモレラ菌が卵中に入り込むことがあり、解決が強く要望されている。この発明は、鶏生体のストレス負担を軽くし、産卵率向上を図ることができ、前記サルモレラ菌を腸内で抑止し、卵にサルモレラ菌が移行することがないようにすること、のできる養鶏飼料を、提供することを目的としている。
発明の具体的な内容は次の通りである。
バチルスサブチルス 200gプラスマイナス10%、
乳酸菌 8gプラスマイナス10%、
ビール酵母 200gプラスマイナス10%、
である、前記(1)(2)のいずれかに記載された養鶏飼料。
ビタミンB1 32gプラスマイナス10%、
ビタミンB6 32gプラスマイナス10%、
ビタミンB12 0.01gプラスマイナス10%、
コリン 100gプラスマイナス10%、
葉酸 32gプラスマイナス10%、
イノシトール 100gプラスマイナス10%、
である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載された養鶏飼料。
ビタミンE 6mg〜12mg、
ビタミンB1 0.2mg〜0.3mg、
ビタミンB6 0.1mg〜0.2mg、
ビタミンB12 2.0μg〜3.0μg、
コリン 0.26g〜0.34g、
葉酸 0.1mg〜0.17mg、
イノシトール 18mg〜30mg、
の範囲で含有されている、前記(9)に記載された卵。
これによって、腸内におけるビタミンの合成、特に補酵素の活性化、ホルモンの正常分泌、免疫機能増強などによる、鶏体の健康増進による産卵率の向上が期待される。
またヨウ素の多量投与による鶏生体のストレスが改善される。ビタミンBコンプレックスは、この腸内のプロバイオティクスによる、ビタミン合成、補酵素の活性化に相乗的に作用して、鶏生体の組織細胞老化抑止に伴う健康増進、消化吸収改善に伴う栄養分の卵への移行の向上による、産卵率向上と、卵質の向上等が期待される。
プロバイオティクスは、鶏生体の腸内有害菌の産生を抑制するので、嫌な悪臭のない卵を採取することができる。また貴重な栄養素を、無駄なく鶏のエネルギーに変換し、卵への栄養移行を促進させる。
バチルスサブチルス(Bacillus Subtilis)は、蛋白質分解酵素、デンプン分解酵素の産生能力が高いので、鶏生体の胃腸内において消化力を高める。
ビール酵母は、非特異免疫機能の増強、鶏の健康改善、飼料要求率の改善、下痢の減少など、消化吸収を高めて鶏の健康を維持させる。同時に、これらプロバイオティクスの産生する消化酵素は、鶏生体の胃腸内での食物の消化力を高める。
コリンは、血液脳関門を通過できる数少ない物質で、体内に吸収されると、コリンは脳細胞に達し、神経線維を伝わる電気的興奮(インパルス)の伝達を補ける。これによって鶏の体組織細胞老化、精神的老化が抑止され、鶏の元気を維持させることができる。
またコリンは、イノシトールと相乗的に脂肪の酸化を抑止し、脂肪を乳化させて血管や肝臓にコレステロールの過度の沈着を抑止する。その結果、血中の脂質を卵へ効率良く移行させて卵質の向上をさせる。コリンは、イノシトール、ビタミンB12、葉酸との共働において活性が高まる。イノシトールはビタミンEの効果を向上させる。葉酸は、蛋白質の代謝を補け、細胞分裂に不可欠で、産卵率向上に寄与する。
老化、老人性認知症等の抑止ができるなら、要介護老人の絶対数を減少させること、介護保険料負担を減少させることができ、また老いても健康で生活を楽しむことができ、老人の保健と、国の保健行政に大きく寄与することができる。
(2) 卵のレシチンにコリンを多く含有させる。相乗効果をもたらすビタミンBコンブレックスを含有させる。
プロバイオティクス(Probiotics)とは、抗生物質(Antibiotics)に対比される言葉で、生物間の共生関係(Probiosis)を意味する生態学的用語を起源としている。
プロバイオティクスを定義すると、「腸内の細菌叢バランスを改善する、宿主に有益な作用をもたらす生きた微生物」、ということになる。
(1) 腸内への細菌やウイルスの侵入、増殖を抑止する。
(2) 乳酸や酢酸などの有機酸を作り、有害菌の産生抑制、腸内腐敗を防止する。
(3) 腸管内でビタミンB1、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミ ンE、ビタミンK、ホルモンなどを合成する。
(4) 免疫力を高め、癌の予防、老化防止。
(5) 腸の働きを活性化し、蠕動運動を促し、便秘を予防する。
(6) 発ガン物質などの有害物質を分解解毒する。(ニトロソアミンなどの分解)
乳酸菌(Lactic acid bacteria)は、糖類の発酵によりエネルギーを得て成育する1群の細菌類の総称。
一般的には、乳酸桿菌、乳酸球菌を含む。ヒトの腸管内や粘膜上にも自然フローラ(腸内細菌叢)として住み、古くから、発酵乳、チーズ、漬物、酒、ワイン、など多くの発酵食品の製造に使用される。(日経バイオテクノロジー用語辞典、日経バイオテク1987年)。
この乳酸菌は、鶏の大腸内で障害を生じさせるウエルシュ菌、クロストリジウム等の産生を抑止する。またその他有害細菌の増殖を抑止し、卵に付着して来る中毒性大腸菌の抑止や、卵の黄身に移行して産卵され、食中毒を生じさせることのあるサルモレラ菌を抑止する。
本願発明では、バチルスサブチルスの中でも非常に耐熱性に優れ、蛋白分解酵素やデンプン分解酵素の産生能力の高い菌(菌名ーBSTー9)を選択し、穀類をベースとして固形培養した生菌体(芽胞)と、培養基からなる生菌を使用した。生菌数1.0×109/g、耐熱芽胞菌数3.3×107/g。プロテアーゼ力価(pH=7)2,000IU/g、アミラーゼ力価(pH=7)3,800IU/g。
ビール酵母はβー1、3,βー、6グルカン(デンプン、グリコーゲン、セルロース、などDーグルコースを構成単位とする多糖の総称。)を含有しており、次のような作用がある。
(2) 鶏の健康改善。
(3) 飼料要求率の改善。
(4) 下痢の減少など。
有害菌が鶏の腸内で多く増殖すると、これらの悪臭が発生し、卵に嫌な臭いが移行してしまう。またビタミンを破壊したり、ホルモンの産生を減少させ、働きを悪化させる。
この中で一般的に知られているのは、B1(チアミン)、B6(ビリドキシン)、B12(シアノコバラミン)、B2(リボフラビン)、パントテン酸、ニコチン酸、ビオチンである。
このほかには、コリン、葉酸、イノシトールもビタミンBコンプレックスの1っにあげられている。また最近、パラアミノ安息香酸(PABA)も注目されている。
ビタミンB6は、体内でリン酸化合物レベルで相互転換をする。
ビタミンB12は、抗悪性貧血因子。肝臓に取込まれて補酵素に変換される。
ビタミンB2は、炭水化物、蛋白質を代謝する役割を担い、発育のビタミンといわれ、成長と生殖を補ける。(化学大事典、東京化学同人1989年)。
ニコチン酸は、種々の脱水素酵素の補酵素として酸化還元反応に関与している。欠乏すると、皮膚赤着色、湿疹、角質増多症など皮膚炎になる。(南山堂医学大事典、南山堂1954年)。
パラアミノ安息酸は、微生物の発育に必須の物質。パントテン酸、ニコチン酸、ビオチンについては、普通の食事で十分に摂れる。(日経バイオテクノロジー用語辞典、日経バイオテク1987年)。
このコリンは、レシチン等リン脂質の成分となり、細胞の重要な構成物質。動物では、胆汁、脳、副腎皮質、腸粘膜、肝臓、卵黄などに含まれている。(化学大事典、東京化学同人1989年)。自然卵では、可食部100gあたり0.2g程度含まれている。
また交感神経節での、リン脂質へのリン酸の取込みを促進し、クロム親和性細胞からのアミン類の放出を高める。(日経バイオテクノロジー用語辞典、日経バイオテク1987年)。
栄養性大赤血球性貧血、食欲不振を改善する。ビタミンB12 との共働は相乗効果が大きい。(ビタミン・バイブル、小学館2004年)。
イノシトールは活性酸素消去作用があり、またニコチン酸と結合して末梢血管拡張作用がある。(ステッドマン大医学事典、メジカルビュー社)
穀類(とうもろこし、マイロ) 56%、植物性油かす 23%、動物質性飼料(魚粉)3%、
そうこう類(ふすま、コーングルテンフィルド)3%、その他(炭酸カルシウム、動物性油脂、アルファルファミール、食塩、パプリカ抽出物、リン酸カルシウム、等)15%。
バチルスサブチルス 200g、
乳酸菌 8g、
ビール酵母 200g、
を添加混合した。この数値は基準なので、ビール酵母を除いて、それぞれ、プラスマイナス10%の範囲で実施することができる。
ビタミンB1 32g、
ビタミンB6 32g、
ビタミンB12 0.01g、
コリン 100g、
葉酸 32g、
イノシトール 100g、
を添加混合した。コリンは塩化コリンを選択した。この数値は基準なので、プラスマイナスそれぞれ10%の範囲で実施することができる。
この数値比較によると、明らかに産卵率が3.9%向上している。また卵への栄養の取込率も増加して、卵形の大型化が認められた。
また本件養鶏飼料を給餌した鶏につき、3か月にわたり、毎月ランダムに卵100個を抽出選択し、卵の外面における中毒性大腸菌の付着、卵黄におけるサルモレラ菌の有無を検査したが、発見できなかった。
脂質代謝ないし神経機能活性を目的とする成分、コリンは自然卵の約1.5倍、葉酸は自然卵の約3倍、イノシトールは自然卵の約1.2倍含有されている。
特に、コリン1.5倍、葉酸3倍、イノシトール1.2倍のように、3種の成分がこれだけ自然卵に比して高濃度に、積極的に含有された卵の先例はない。
葉酸の許容上限摂取量は1mg/日。ただし、ビタミンCにより葉酸は外へ排出される。異常出産防止、白血病、悪性貧血、など治療には4mg/日。
イノシトールの一般的な治療用摂取量は、250〜500mg/日とされている。
また、これにパントテン酸、ニコチン酸、ビオチン、パラアミノ安息香酸(PABA)等を、適宜含有させることができる。
コリン(ホスファチジルコリン)は、普通卵の可食部100g当り、およそ0.2g含有されているが、本発明卵は、前記のように コリンが0.26g〜0.34gも含有していることに特徴がある。
コリンとの相乗作用、効果を高めるためには、ヨウ素、コリン、葉酸が自然卵より高濃度に含有されたものは、目的により適切に沿う構成となる。更に高い相乗作用・効果を得るためにはイノシトールが複合含有される。
(1) ヒトの老齢による記憶障害の治療には、コリンを毎日の食事に補うことが必要。
(2) コリンは児童、成人、高齢者の脳の学習能力、記憶力の改善に役立つ。としている。
アルツハイマー病患者の脳内は、コリンが不足状態にあり、神経機能障害が起きているので、コリンを大量に供給することによって、脳の働きが改善された、としている。
本発明卵は、前記のように卵の可食部100g当り、コリンがおよそ0.3gも含有されているので、卵4個で、老人性認知症の予防、改善に効果があることが認められる。本願卵は、必要に応じて、コリンの含有量を、可食部100g当り0.5gまで増加させることは可能である。
ビタミンB12との相乗効果は、脳細胞の栄養となり、脳血管の活性化により栄養補給に加効する。イノシトールは、コリンと結合してレシチンを作る。レシチンにヨウ素が結合して卵に含まれる。これによって卵の栄養価を大きくしている。
ビタミンB1、B6、B12等の補酵素との相乗作用により、効果は高まる。これによって、卵の持つコレステロールが、人の身体において障害になりにくく、細胞の栄養として加効する。
ビタミンB12 は炭水加物と蛋白質を代謝する作用があり、発育のビタミンといわれ、細胞の再生に加効し、老化を抑止する。
このように、コリン、イノシトール、葉酸の相乗作用は、組織細胞の構成物質の代謝、核酸の代謝、細胞分裂の完全化、貧血の防止、脂質代謝、脳内栄養の補強が十分に行える等の相乗効果をもたらす。
Claims (10)
- 配合飼料1000kg当り、ヨウ素(Iとして)を28g〜130g含有する基礎配合飼料に、ヨウ素による鶏生体のストレス解消と産卵率向上を目的として、プロバイオティクスと、ビタミンBコンプレックスとを混合させたこと、を特徴とする養鶏飼料。
- 配合飼料1000kg当り、ヨウ素(Iとして)を28g〜130g、ビタミンEを130g〜150g含有する基礎配合飼料に、ヨウ素による鶏生体のストレス解消と産卵率向上を目的として、プロバイオティクスと、ビタミンBコンプレックスとを混合させたこと、を特徴とする養鶏飼料。
- 前記プロバイオティクスは、配合飼料1000kg当り、
バチルスサブチルス 200gプラスマイナス10%、
乳酸菌 8gプラスマイナス10%、
ビール酵母 200gプラスマイナス10%、
であること、を特徴とする請求項1.2のいずれかに記載された養鶏飼料。 - 前記ビタミンBコンプレックスは、配合飼料1000kg当り、
ビタミンB1 32gプラスマイナス10%、
ビタミンB6 32gプラスマイナス10%、
ビタミンB12 0.01gプラスマイナス10%、
コリン 100gプラスマイナス10%、
葉酸 32gプラスマイナス10%、
イノシトール 100gプラスマイナス10%、
であること、を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された養鶏飼料。 - 卵可食部100gあたり、ヨウ素1.2mg〜1.5mgを含有する卵に、ビタミンBコンプレックスから選択された、人の脂質代謝ないし神経機能活性組成物を、自然卵より高濃度に含有していること、を特徴とする卵。
- 前記脂質代謝ないし神経機能活性組成物として、卵可食部100gあたり、コリン0.26g〜0.34gが、ヨウ素との相乗効果を得る素材として含有されていることを特徴とする、請求項5に記載された卵。
- 前記脂質代謝ないし神経機能活性組成物として、卵可食部100gあたり、コリン0.26g〜0.34g、葉酸0.1mg〜0.17mgが、ヨウ素との相乗効果を得る素材として含有されていること、を特徴とする請求項5に記載された卵。
- 前記脂質代謝ないし神経機能活性組成物として、卵可食部100gあたり、コリン0.26g〜0.34g、葉酸0.1mg〜0.17mg、イノシトール18mg〜30mgが、ヨウ素の相乗効果を得る素材として含有されていること、を特徴とする請求項5に記載された卵。
- 前記脂質代謝ないし神経機能活性組成物として、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、コリン、葉酸、イノシトールが自然卵より高濃度で、ヨウ素の相乗効果を得る素材として含有されていること、を特徴とする請求項5に記載された卵。
- 前記脂質代謝ないし神経機能活性組成物として、卵可食部100gあたり、
ビタミンE 6mg〜12mg、
ビタミンB1 0.2mg〜0.3mg、
ビタミンB6 0.1mg〜0.2mg、
ビタミンB12 2.0μg〜3.0μg、
コリン 0.26g〜0.34g、
葉酸 0.1mg〜0.17mg、
イノシトール 18mg〜30mg、
の範囲で含有されていること、を特徴とする請求項9に記載された卵。
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