JP2007048856A - 配線基板及びそれを用いた構造部材 - Google Patents
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Abstract
配線基板の金属配線において、電気の流れや熱により引き起こされるマイグレーションを抑制し、配線の長期信頼性を高めることを目的とする。
【解決手段】
絶縁基板に金属からなる配線が形成されている配線基板において、該配線表面に無機粒子とバインダーからなる層が形成されており、前記無機粒子は酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成され、前記バインダーが珪素化合物から形成されることを特徴とする配線基板の構成、及びこのような金属層を有する構造部材の構成をとる。
【選択図】図1
Description
nm以下である構成をとる。また、前記抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有する構成をとる。また、前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下である構成をとる。
[1]配線基板
本発明の配線基板の断面模式図を図1に示す。絶縁基板1の上に配線2、その上に加水分解性基を有する珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる層(金属マイグレーション抑制層)3が形成されている。
(1)絶縁基板
絶縁基板は材料としてはエポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,ポリイミド樹脂をはじめとする有機樹脂、これに無機の微粒子や無機の繊維を含有させたものが挙げられる。これら無機の微粒子,繊維としては酸化ケイ素,酸化チタン等が挙げられる。
(2)金属配線
配線を形成する金属は導電性の高いもの、或いは導電性の高い金属を含む合金を選ぶ。具体的には銀,鉛,銅,スズ,金,鉄,パラジウム,白金といった金属元素、及びこれらの合金である。合金としてはスズと鉛の合金,スズと銀の合金等である。またこれ以外にスズとインジウムの合金,スズと銅の合金,スズとアンチモンの合金,スズとアルミニウムの合金等が挙げられる。
(3)(金属マイグレーション抑制層)
本層は珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる。この層が金属配線のマイグレーションを抑制する理由は、添加した粒子によってこの層の金属配線との界面に微細な凹凸が形成され、この凹凸が金属原子の移動を押えるためと考えられる。
(a)バインダー材料
アルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基は水分等の影響によりアルコールやハロゲン原子が脱離し珪素に水酸基が結合した構造に変化する。これが別のアルコキシシシラン基,ハロゲン化シリル基と反応しアルコール,ハロゲン化水素が脱離すると同時に珪素−酸素−珪素の結合を形成する。この反応が進むとアルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基は酸化ケイ素に変化する。こうしてバインダーが形成する。即ちアルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基より形成されるバインダーは酸化ケイ素である。
(分子量数万以上の場合)用いる溶媒に不溶となるため塗料化したとき、析出するという問題を生じる。
(b)無機粒子
無機粒子としては絶縁性の高い材料からなる粒子が望ましい。その点で、酸化ケイ素,窒化珪素,窒化ホウ素等の材料が好適である。特に多くの用途で用いられており、微細な粒子径まで入手可能な点で酸化ケイ素がより好適である。
(c)溶媒
塗料の溶媒はバインダーを溶解、或いは一様に分散できるものが有効である。バインダー材料として前述のシリカゾルと、酸化ケイ素微粒子を有する塗料の場合はアルコール系の溶媒が好適である。具体的にはエタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,tert−ブタノール,n−ペンタノール,イソペンタノール,tert−ペンタノール等が挙げられるアルコール系溶媒については炭素数の大きなアルコールは沸点が高くなる傾向がある。また枝分かれが多くなるほど沸点は低くなる傾向がある。
(4)防水層
マイグレーション抑制層は酸化ケイ素からなる。またアルコキシシラン基の重合によって層が形成される際に脱アルコール反応が起こるため、膜の密度が低下する。そのため防水性は高くない。そこで高湿環境下に長く置くと、次第に水分が浸入し、金属配線を酸化させる恐れがある。そこで高湿環境下でも金属配線の耐久性を向上させるため、マイグレーション抑制層の上に防水層を設けることが好ましい。
(INTスクリーン社製)等が挙げられる。これらを溶媒で希釈後、塗布し、加熱することにより溶媒を揮発させ、場合によっては熱硬化させることにより製膜する。これら以外では溶媒に可溶型のシクロオレフィン系樹脂も挙げられる。この範疇に入る材料としては日本ゼオン製ゼオノア,ゼオネックス,JSR製アートン,ポリプラスチックス社製
TOPAS等が挙げられる。これらはシクロヘキサン等の溶媒に溶解し、金属マイグレーション抑制層の上に塗布し、その後溶媒を揮発させることで製膜できる。そのほか溶媒可溶型のシリコン系樹脂等も有効である。
[3]用途
本発明の配線基板は多方面に及ぶ。具体的には半導体関係の回路,各種機器の制御回路等、例えばパソコン,プリンター,スキャナー,各種メモリ等のOA機器,テレビ,オーディオ関係,掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,炊飯器等の家電機器,自動車,鉄道車両,船舶,航空機等の輸送機器等が挙げられる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
15nm、固形分濃度は30重量%)を1:5の割合で混合した溶液を調製する。配線を形成した基板のうち1個にこの溶液をスプレー法で配線部分が形成している表面上に塗布後、160℃で10分間加熱する。こうして珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる層、即ち金属マイグレーション抑制層が形成される。膜厚は塗料濃度とスプレー時間を制御することで平均膜厚をそれぞれ40nm,50nm,100nm,200nm,240nmに制御したものを作製した。
Claims (10)
- 絶縁基板と、
該絶縁基板上に形成される金属配線と、
該金属配線を覆う抑制層とを有し、
該抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である
配線基板。 - 前記無機粒子は、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成される請求項1に記載の配線基板。
- 前記抑制層の厚さが50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 前記抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 絶縁基板と、
該絶縁基板上に形成される第一の抑制層と、
該第一の抑制層上に形成される金属配線と、該金属配線を覆う第二の抑制層とを有し、
前記第一及び第二の抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である
配線基板。 - 前記無機粒子は、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成される請求項6に記載の配線基板。
- 前記第二の抑制層の厚さが50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
- 前記第二の抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有することを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
- 前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
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