JP2007048856A - 配線基板及びそれを用いた構造部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
配線基板の金属配線において、電気の流れや熱により引き起こされるマイグレーションを抑制し、配線の長期信頼性を高めることを目的とする。
【解決手段】
絶縁基板に金属からなる配線が形成されている配線基板において、該配線表面に無機粒子とバインダーからなる層が形成されており、前記無機粒子は酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成され、前記バインダーが珪素化合物から形成されることを特徴とする配線基板の構成、及びこのような金属層を有する構造部材の構成をとる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種制御回路等に用いられる配線基板に関し、また高い光反射率を有する銀製反射膜のミラー等の構造部材に関する。
樹脂,セラミックス,カラエポ等の絶縁性基板の上に導電性の金属を配線とする配線基板は半導体関係の回路,各種機器の制御回路等多くの装置に用いられている。例えばパソコン,プリンター,スキャナー,各種メモリ等のOA機器,テレビ,オーディオ関係,掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,炊飯器等の家電機器,自動車,鉄道車両,船舶,航空機等の輸送機器等枚挙に暇が無い。配線基板は多くの場合、メッキ法により形成されている。最近、金属微粒子の分散液で配線を描画し、加熱等の処理を行うことによって配線パターンを形成する方法が開示されており、その際、金属微粒子の分散液はインクジェットヘッドにより基板に塗布する方法が提案されている。
配線に用いられる金属は銅が圧倒的に多い。しかし酸化しやすいため、金属微粒子の分散液としての安定性の点でインクジェット法に用いられる金属は銀が主である。
ここで、銀等を用いた配線の劣化を防止する技術としては、銀等の膜表面にトップコート層を設け腐食を抑制する発明が下記特許文献1に記載されている。
特開2002−256455
しかし、上記特許文献1では、リフレクタを高温化で使用した場合の、いわゆるマイグレーションによる反射膜の劣化については考慮していない。
本発明者は配線基板においては電気の流れることにより、銀等からなる配線において銀粒子の移動、いわゆるマイグレーションが起こり、配線が変形或いは近傍の配線と接触する等の変化が起こるという問題を見出した。マイグレーションは電気が流れる以外に、加熱によっても生じる。更に高湿環境によってその現象は加速される。そのため、断線、或いは短絡が起こり、それが装置の正常な動作を不可能にする、或いは破壊する等のトラブルに発展しかねない。銀に限らず、鉛等の金属でも同様のマイグレーションが起こるため、上記特許文献1のように反射層上に保護膜を形成する手段を用いても、マイグレーション抑制の完全な解決には至っていない。また銀ほどではないが、銅やスズ,金などの導電性の金属では程度の差こそあれ、マイグレーションは起こる。その現象は配線を流れる電流量が大きい場合に、高温の場合に、そして高湿の場合に顕著になる。そのため配線基板において配線部分の金属のマイグレーションは長期信頼性を考える上で大きな問題になっている。電気的マイグレーションは回路設計により回避可能であるが、環境により発生するマイグレーション、特に熱的なマイグレーションは、装置の使用環境が温度変化の激しい場合は大きな問題となる。
本発明では、配線のマイグレーションによる劣化を防止し、信頼性の高い配線基板を提供することを目的とする。
我々は種々の材料・方法を検討した結果、銀等の金属配線の上に珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる層が金属のマイグレーション、特に熱的なマイグレーションを抑制できることを見出し本発明に至った。
またこの層の上に防水層を設けることにより、耐水性も付与できることを見出した。
上記課題を解決するための手段を以下に示す。
解決手段の一つとして、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成される金属配線と、該金属配線を覆う抑制層とを有し、該抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である配線基板の構成をとる。また、前記無機粒子は、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成される構成をとる。また、前記抑制層の厚さが50nm以上200
nm以下である構成をとる。また、前記抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有する構成をとる。また、前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下である構成をとる。
また、他の解決手段として、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成される第一の抑制層と、該第一の抑制層上に形成される金属配線と、該金属配線を覆う第二の抑制層とを有し、前記第一及び第二の抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である配線基板の構成をとる。
本発明により、金属配線のマイグレーションを抑制することが可能になり、長期にわたって、短絡の生じない配線基板を形成することが可能になった。
まず本発明の概要を説明する。但し、発明の主旨を超えない限り、本発明は具体例に限定されるものではない。
[1]配線基板
本発明の配線基板の断面模式図を図1に示す。絶縁基板1の上に配線2、その上に加水分解性基を有する珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる層(金属マイグレーション抑制層)3が形成されている。
図2には、図1の改良形態の模式図が示されている。金属マイグレーション抑制性を高めるため絶縁基板と配線の間にも金属マイグレーション抑制層4が設けられている。
図3には、図1,図2の改良形態の模式図が示されている。配線を覆っている金属マイグレーション抑制層の上に防水層5が設けられている。これにより金属の水分への接触が抑制され、耐食性が向上する。
防水層は金属マイグレーション抑制層と役割が異なるので単独でも、併用でも機能を発揮する。
各層について以下に詳細を記述する。
(1)絶縁基板
絶縁基板は材料としてはエポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,ポリイミド樹脂をはじめとする有機樹脂、これに無機の微粒子や無機の繊維を含有させたものが挙げられる。これら無機の微粒子,繊維としては酸化ケイ素,酸化チタン等が挙げられる。
(2)金属配線
配線を形成する金属は導電性の高いもの、或いは導電性の高い金属を含む合金を選ぶ。具体的には銀,鉛,銅,スズ,金,鉄,パラジウム,白金といった金属元素、及びこれらの合金である。合金としてはスズと鉛の合金,スズと銀の合金等である。またこれ以外にスズとインジウムの合金,スズと銅の合金,スズとアンチモンの合金,スズとアルミニウムの合金等が挙げられる。
いわゆるイオンマイグレーションを起こしやすい銀,鉛,銅,スズ,金といった金属は電流が流れない場合も、湿度の影響を受けてマイグレーションを起こすことがあり、これらのマイグレーションを抑制することは長期環境安定性を図る点で重要である。
これらの配線は無電解メッキ法による形成が一般的である。こうして基板の上に金属の薄膜が形成される。次に配線のパターニングはその上へのホトレジスト製膜→露光→現像→レジスト除去→表面エッチングといったプロセスで形成される。
無電解メッキ法以外では、金属のナノ粒子を分散したインクをインクジェット法により、吐出させ、基盤上に配線描画後、加熱してナノ粒子を融着させることにより配線形成する方法も挙げられる。この場合用いる金属は銀,金,銅等が挙げられる。
(3)(金属マイグレーション抑制層)
本層は珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる。この層が金属配線のマイグレーションを抑制する理由は、添加した粒子によってこの層の金属配線との界面に微細な凹凸が形成され、この凹凸が金属原子の移動を押えるためと考えられる。
珪素化合物から形成されるバインダーは具体的にはアルコキシシシラン基を有するバインダー材料、或いはハロゲン化シリル基を有するバインダー材料であり、詳細は後述する。無機粒子としては酸化ケイ素,酸化アルミニウム,酸化チタン等が挙げられる。このうちマイグレーション抑制効果が高かったのは酸化ケイ素であった。金属マイグレーションを抑制する層はこれら材料を適切な液体(今後溶媒と記述)に溶解、或いは分散した塗料を塗布・硬化させることによって形成することが好ましい。この理由は塗布・硬化の工程は非真空プロセスのため、製造コスト低減につながるからである。塗料の各材料については以下に説明する。
(a)バインダー材料
アルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基は水分等の影響によりアルコールやハロゲン原子が脱離し珪素に水酸基が結合した構造に変化する。これが別のアルコキシシシラン基,ハロゲン化シリル基と反応しアルコール,ハロゲン化水素が脱離すると同時に珪素−酸素−珪素の結合を形成する。この反応が進むとアルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基は酸化ケイ素に変化する。こうしてバインダーが形成する。即ちアルコキシシシラン基、或いはハロゲン化シリル基より形成されるバインダーは酸化ケイ素である。
酸化ケイ素は絶縁性が高いので配線の絶縁被覆膜としての機能も有するという利点がある。
以下はアルコキシシシラン基を有する材料で説明する。ハロゲン化シリル基を有する材料も同類の処理である。バインダーの材料としてはシリカゾルが挙げられる。シリカゾルの一般的な調製方法は以下の通りである。テトラアルコキシシランを弱酸性条件で加温するとアルコキシ基が加水分解して水酸基となり、これが近傍のアルコキシシラン基と反応しケイ素−酸素−ケイ素の結合を形成しながら高分子量化したものを示す。一般に平均分子量は数千にする。平均分子量が低すぎると(分子量数百の場合)、その後の加熱で酸化ケイ素の膜を形成する際、一部が揮発する問題が生じる。また平均分子量が高すぎると
(分子量数万以上の場合)用いる溶媒に不溶となるため塗料化したとき、析出するという問題を生じる。
シリカゾルを作製する際用いられるテトラアルコキシシランとしてはテトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラプロポキシシラン,テトライソプロポキシシラン,テトライソブトキシシラン,テトラブトキシシラン等が挙げられる。これ以外にはアルコキシシラン基の代わりに塩素基を有するケイ素化合物、例えば四塩化ケイ素等も挙げられる。
シリカゾル以外に加水分解性残基を有するケイ素化合物としては、テトラアルコキシシラン以外に、アミノ基やクロル基,メルカプト基等を有する化合物を含まれる。具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。特にアミノ基,グリシジル基,ビニル基等を持ったシランカップリング剤は後述する微粒子との結合性が高いため、膜としての強度が向上する点で好ましい。更にアミノ基を有するシランカップリング剤は銀の酸化を抑制するのでより好適である。
(b)無機粒子
無機粒子としては絶縁性の高い材料からなる粒子が望ましい。その点で、酸化ケイ素,窒化珪素,窒化ホウ素等の材料が好適である。特に多くの用途で用いられており、微細な粒子径まで入手可能な点で酸化ケイ素がより好適である。
また金属配線のマイグレーションを抑制するには、金属マイグレーション抑制層と配線の接触面積が大きくなった方が効果的である。そのため添加する粒子の大きさは数ナノmの微細なものから数μmの大きさの粒子が混在していた方が好ましい。これにより界面がいわゆるフラクタル(自己相似)構造を有することになり、単位投影面積あたりの表面積が増大し、金属原子の移動を押える効果が大きくなる。
(c)溶媒
塗料の溶媒はバインダーを溶解、或いは一様に分散できるものが有効である。バインダー材料として前述のシリカゾルと、酸化ケイ素微粒子を有する塗料の場合はアルコール系の溶媒が好適である。具体的にはエタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノール,tert−ブタノール,n−ペンタノール,イソペンタノール,tert−ペンタノール等が挙げられるアルコール系溶媒については炭素数の大きなアルコールは沸点が高くなる傾向がある。また枝分かれが多くなるほど沸点は低くなる傾向がある。
(4)防水層
マイグレーション抑制層は酸化ケイ素からなる。またアルコキシシラン基の重合によって層が形成される際に脱アルコール反応が起こるため、膜の密度が低下する。そのため防水性は高くない。そこで高湿環境下に長く置くと、次第に水分が浸入し、金属配線を酸化させる恐れがある。そこで高湿環境下でも金属配線の耐久性を向上させるため、マイグレーション抑制層の上に防水層を設けることが好ましい。
防水層としては絶縁性が高いことも必要である。また塗布による製膜の方が金属マイグレーション抑制層との密着性も向上するので、金属配線を冒さない何らかの溶媒に溶解し、塗布・乾燥により製膜できることが望ましい。これらの要求を勘案すると溶媒可溶型のフッ素系樹脂が好ましい。具体的にはサイトップ(旭硝子社製)、INT304VC
(INTスクリーン社製)等が挙げられる。これらを溶媒で希釈後、塗布し、加熱することにより溶媒を揮発させ、場合によっては熱硬化させることにより製膜する。これら以外では溶媒に可溶型のシクロオレフィン系樹脂も挙げられる。この範疇に入る材料としては日本ゼオン製ゼオノア,ゼオネックス,JSR製アートン,ポリプラスチックス社製
TOPAS等が挙げられる。これらはシクロヘキサン等の溶媒に溶解し、金属マイグレーション抑制層の上に塗布し、その後溶媒を揮発させることで製膜できる。そのほか溶媒可溶型のシリコン系樹脂等も有効である。
防水性を発揮するには防水層は厚い方が望ましい。具体的には50nm以上、望ましくは100nm以上が好適である。また厚すぎると、物理的強度が低下する傾向があるため、層厚としては200nm以下が望ましい。防水性と物理的強度から勘案すると防水層の層厚は100〜200nmが望ましい。
[3]用途
本発明の配線基板は多方面に及ぶ。具体的には半導体関係の回路,各種機器の制御回路等、例えばパソコン,プリンター,スキャナー,各種メモリ等のOA機器,テレビ,オーディオ関係,掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,炊飯器等の家電機器,自動車,鉄道車両,船舶,航空機等の輸送機器等が挙げられる。
本発明の金属マイグレーション抑制層は金属の電気的マイグレーション抑制に加えて、熱的マイグレーション抑制効果も期待できる。そのため、放熱層や反射層等の金属薄膜の熱的マイグレーションによる変質も抑制することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
ガラス繊維をドープしたエポキシ樹脂基板表面に金属塩溶液と還元剤溶液を塗布し銀の無電解メッキ層を形成する。金属塩溶液はアンモニア性硝酸銀溶液,還元剤溶液はトリエタノールアミンを用いた。層厚は塗料濃度を制御することで平均膜厚を0.8μm に制御したものを製膜した。
次に市販の感光性ドライフィルムを金属層の上に貼り付ける。次にマスクを介して露光し、その後1%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、金属層の上にメッキレジストを形成する。マスクは配線幅10μm、配線間の距離が10μmになるように設計したものを用いた。
次に基板を水,希硫酸で洗浄後、無電解メッキを施しメッキレジスト非形成部に銀の配線層を形成する。メッキレジストを5%KOHで除去し、無電解メッキ層をエッチング液で除去することにより厚さ18μmの配線を形成した。
次に、固形分が約2重量%のシリカゾル溶液、及びコロイダルシリカ(粒子径10〜
15nm、固形分濃度は30重量%)を1:5の割合で混合した溶液を調製する。配線を形成した基板のうち1個にこの溶液をスプレー法で配線部分が形成している表面上に塗布後、160℃で10分間加熱する。こうして珪素化合物から形成されるバインダーと無機粒子からなる層、即ち金属マイグレーション抑制層が形成される。膜厚は塗料濃度とスプレー時間を制御することで平均膜厚をそれぞれ40nm,50nm,100nm,200nm,240nmに制御したものを作製した。
また配線のみ形成し、金属マイグレーション抑制層を形成しない配線基板も用意しておく。
これら配線基板を通電実験後、内部が160℃の恒温槽中に24時間放置した。その後再び通電実験をした。その結果を表1に示す。
Figure 2007048856
金属マイグレーション抑制層を形成しないものは短絡が確認された。顕微鏡で配線を観察すると、配線間に枝状のマイグレーションした金属が生成し、短絡が起きていることを確認できた。それに対して金属マイグレーション抑制層を形成したものは通電実験でも顕微鏡による観察でも短絡が確認されなかった。
次に金属マイグレーション抑制層の密着性をピール強度試験で調べた。結果を表1に併記する。膜厚が200nm以内では1000N/m以上であったが、それより厚くなるとピール強度が低下する傾向があった。よって金属マイグレーション抑制層の厚さは200nm以下が好ましいことがわかった。
恒温槽による加熱温度を160℃ではなく200℃に代える以外は実施例1と同様にして通電実験を行った。結果を表1に併記する。
層厚が40nmではマイグレーションに伴う短絡が生じたが、層厚が50nm以上になると、加熱温度が200℃でもマイグレーションが抑制された。よって層厚は50nm以上が望ましいことがわかった。
粒子径10〜15nmのコロイダルシリカの代わりに粒子径40〜50nmのコロイダルシリカを同量用いる以外は実施例1と同様にして溶液調製,塗布,加熱することにより配線上に、厚さが約100nmの金マイグレーション抑制層を形成した配線基板を作製した。
これら配線基板を通電実験後、内部が160℃の恒温槽中に24時間放置した。その後再び通電実験をした。
その結果、粒子径の異なるコロイダルシリカを用いた場合でも、金属マイグレーション抑制層を形成したものは通電実験でも顕微鏡による観察でも短絡が確認されなかった。
ガラス繊維をドープしたエポキシ樹脂基板表面に無電解メッキ層を形成する前に、層厚100nmの金属マイグレーション抑制層を設けておく以外は実施例1と同様にして配線基板を形成した。配線側の層厚は100nmである。この基板の配線は配線表面に加えて基板との界面に金属マイグレーション抑制層を設けることにより、マイグレーション抑制効果の向上が期待できる。
この配線基板を通電実験後、内部が240℃の恒温槽中に24時間放置した。その後再び通電実験をした。
その結果、配線表面側だけに金属マイグレーション抑制層を設けた場合は240℃加熱によりマイグレーションに伴う短絡が生じたが、配線基板側にも金属マイグレーション抑制層を設けることによって加熱温度が240℃でもマイグレーションが抑制された。よって金属マイグレーション抑制層は配線基板側にもあることが望ましいことがわかった。
実施例1と同様にして配線の上に厚さが約100nmの金属マイグレーション抑制層を形成した配線基板を作製した。
次にサイトップCTL−107M(旭硝子製)を付属の希釈溶媒で1%に希釈した溶液を調製する。この液を金属マイグレーション抑制層の上に塗布し後、加熱することにより金属マイグレーション抑制層の上に防水層を有する配線基板が作製される。なお、金属マイグレーション抑制層の上に防水層を設けない配線基板も用意しておく。
この配線基板を通電実験後、80℃、湿度80%RHの高湿恒温槽に100時間放置後、その後再び通電実験をした。
その結果、防水層を形成していないものは高湿・高温環境下に放置することによりマイグレーションに伴う短絡が生じたが、防水層を形成したものはマイグレーションの発生、及び短絡は認められなかった。
配線の金属を銀から鉛とスズの合金に代える以外は実施例1と同様にして配線基板を形成した。
これら配線基板を通電実験後、内部が160℃の恒温槽中に24時間放置した。その後再び通電実験をした。
その結果、金属マイグレーション抑制層を形成しないものは短絡が確認された。顕微鏡で配線を観察すると、配線間に枝状のマイグレーションした金属が生成し、短絡が起きていることを確認できた。それに対して金属マイグレーション抑制層を形成したものは通電実験でも顕微鏡による観察でも短絡が確認されなかった。
本発明の配線基板の断面模式図である。 本発明の配線基板の断面模式図である。 本発明の配線基板の断面模式図である。
符号の説明
1…絶縁基板、2…配線、3,4…金属マイグレーション抑制層、5…防水層。

Claims (10)

  1. 絶縁基板と、
    該絶縁基板上に形成される金属配線と、
    該金属配線を覆う抑制層とを有し、
    該抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である
    配線基板。
  2. 前記無機粒子は、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成される請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記抑制層の厚さが50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  6. 絶縁基板と、
    該絶縁基板上に形成される第一の抑制層と、
    該第一の抑制層上に形成される金属配線と、該金属配線を覆う第二の抑制層とを有し、
    前記第一及び第二の抑制層は珪素を含む薄膜中に無機粒子を有する層である
    配線基板。
  7. 前記無機粒子は、酸化珪素,酸化アルミニウム,酸化チタンのいずれかにより形成される請求項6に記載の配線基板。
  8. 前記第二の抑制層の厚さが50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
  9. 前記第二の抑制層上にフッ素系樹脂で構成される防水層を有することを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
  10. 前記防水層の厚さが100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の配線基板。
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