JP2007047605A - 光散乱膜用組成物、およびそれを用いた光散乱膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屈折率が1.30以上1.50以下、平均粒子径が0.8μm以上5.0μm以下の微粒子と、平均長径が0.01μm以上0.30μm以下、アスペクト比が好ましくは2以上25以下の針状酸化チタンと、屈折率が1.50以上1.70以下の透明樹脂と、必要に応じてエチレン性不飽和化合物とを含む光散乱膜用組成物、および該光散乱膜用組成物を用いて形成された光散乱膜。
【選択図】なし
Description
例えば、反射型液晶表示装置においては、視認性向上のため、基材樹脂中に基材樹脂とは異なる屈折率の微粒子を分散させてなる、反射防止膜、光拡散膜、光散乱膜等を設け、光の反射、拡散、散乱を制御することが行われている。
液晶表示装置のコントラストを向上させるためには、カラーフィルターのコントラストを向上させることが行われているが、カラーフィルターと併用して使用される光散乱膜のコントラストが低いと、液晶表示装置のコントラストが低くなる。
従来の光散乱膜は、光の散乱特性及びコントラストの点で、充分に満足するものではなかった。
また、本発明の光散乱膜は、上記組成物を用いて形成されたものである。
したがって、本発明の光散乱膜用組成物を用いることにより、光散乱機能と表面平滑性に優れ、コントラストが高い光散乱膜を形成することができる。
本発明の光散乱膜用組成物は、屈折率が1.30以上1.50以下、平均粒子径が0.8μm以上5.0μm以下の微粒子と、平均長径が0.01μm以上0.30μm以下の針状酸化チタンと、屈折率が1.50以上1.70以下の透明樹脂とを含むものである。
前記微粒子の含有量が1重量部未満の場合には、充分な光散乱機能が得られず、300重量部を超える場合には、平滑な光散乱膜が得られない。
酸化チタンの結晶形としては、アナタース型(屈折率 2.52)およびルチル型(屈折率 2.71)があるが、高屈折率のルチル型の方が光散乱能に優れている。
さらに、針状酸化チタンの平均短径は、0.005μm以上0.10μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.02μm以下であることがより好ましい。
前記の好ましいアスペクト比および/または平均短径の針状酸化チタンを含有する組成物を用いて形成される光散乱膜は、コントラストが高い。
針状酸化チタンの含有量は、透明樹脂100重量部に対して、0.1〜200重量部であることが好ましい。針状酸化チタンの含有量が0.1重量部未満の場合には充分な光散乱機能が得られず、200重量部を超える場合には、充分なコントラストが得られない。
また、光散乱膜用組成物をリソグラフィ法によりパターニングする際にアルカリ現像する場合には、屈折率が1.50以上1.70以下の高屈折率透明樹脂として、アルカリ可溶性のもの、例えば、フルオレン樹脂や、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂等を用いることが好ましい。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
各種添加剤は、透明樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部の量で用いることができる。
光散乱膜用組成物は、各成分を混合し、シェーカー、デスパー、サンドミル、アトライター等の各種分散装置を用いて分散することにより製造することができる。酸化チタンを分散する場合には、通常はサンドミル等の湿式分散機が用いられるが、粉砕を目的としてステンレスビーズを使用したアトライター乾式処理機で処理した後、湿式分散することが好ましい。酸化チタンを乾式処理したのち湿式分散して製造される光散乱膜用組成物を使用して形成される光散乱膜は、コントラストが高い。
光散乱膜用組成物は、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
光散乱膜は、ガラス板等の透明基板上に、スピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により光散乱膜用組成物を塗布、乾燥し、必要に応じて活性エネルギー線を照射することにより作成される。光散乱膜をパターニングにより形成する場合には、光散乱膜用組成物を塗布、乾燥後に、フォトマスクを介して組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射し、溶剤またはアルカリ現像液に漬浸するかスプレーなどにより現像液を噴霧して未照射部、すなわち未硬化部を除去して現像を行い、所望の形状のパターンを形成する。
光散乱膜用組成物の塗布膜厚は、0.2〜5.0μm(乾燥時)の範囲であることが好ましく、塗工性と光散乱特性のバランスが良好なことから0.5〜3.5μmの範囲であることがより好ましい。
なお、活性エネルギー線による露光感度を上げるために、光散乱膜用組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、組成物塗布面側から活性エネルギー線を照射することもできる。
まず、実施例および比較例で用いる酸化チタン分散体を作成した。
酸化チタンの平均短径および平均長径は、電子顕微鏡写真の粒子50個の短径および長径を実測し、平均して求めた。また、酸化チタンのアスペクト比は、平均長径を平均短径で除して算出した。
針状酸化チタン(石原産業(株)製「TTO-S-3」、屈折率2.7、平均短径0.015μm、平均長径0.075μm)100部に対して、シランカップリング剤(チッソ(株)製「S710」)13部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK180」)13部、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(共栄社化学(株)製「UA-306T」)50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート155部を加え、アイガー・モーターミル(アイガージャパン(株)社製「M-50VSE-EXJ MKII」を用い、1mmφジルコニアビーズをメディアとして、4000rpmで2時間分散し、酸化チタン分散体を得た。酸化チタンの平均短径は0.015μm、平均長径は0.075μm、アスペクト比は5であった。
針状酸化チタン(石原産業(株)製「TTO-V-3」、屈折率2.7、平均短径0.01μm、平均長径0.06μm)100部に対して、シランカップリング剤(チッソ(株)製「S710」)13部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK180」)13部、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(共栄社化学(株)製「UA-306T」)50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート155部を加え、アイガー・モーターミル(アイガージャパン(株)製「M-50VSE-EXJ MKII」を用い、1mmφジルコニアビーズをメディアとして、4000rpmで2時間分散し、酸化チタン分散体を得た。酸化チタンの平均短径は0.01μm、平均長径は0.06μm、アスペクト比は6であった。
針状酸化チタン(石原産業(株)製「TTO-V-3」、屈折率2.7、平均短径0.01μm、平均長径0.06μm)100部に対して、シランカップリング剤(チッソ(株)製「S710」)12.5部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK180」)12.5部を加え、3/8インチのステンレスビーズを用いてアトライターで粉砕した。粉砕処理した針状酸化チタン100部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(共栄社化学(株)製「UA-306T」)40部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部を加え、アイガー・モーターミル(アイガージャパン(株)製「M-50VSE-EXJ MKII」を用い、1mmφジルコニアビーズをメディアとして、4000rpmで2時間分散し、酸化チタン分散体を得た。酸化チタンの平均短径は0.01μm、平均長径は0.04μm、アスペクト比は4であった。
球状酸化チタン(石原産業(株)製「TTO-51(A)」、屈折率2.7、平均粒子径0.02μm)100部に対して、シランカップリング剤(チッゾ(株)製「S710」)13部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK180」)13部、ペンタエリスリトールトリアクリレートとトルエンジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(共栄社化学(株)製「UA-306T」)50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート155部を加え、アイガー・モーターミル(アイガージャパン(株)製「M-50VSE-EXJ MKII」を用い、1mmφジルコニアビーズをメディアとして、4000rpmで2時間分散し、酸化チタン分散体を得た。酸化チタンの平均粒子径は0.02μmであった。
下記の光散乱膜用組成物処方の組成物をマルチシェーカー(アイラー社製「MMS-310」)を用いて混合し、100mm×100mm×1.1mmのガラス板にスピンコーターで塗工し、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJで紫外線露光した。その後、230℃で1時間加熱し、厚さ約3μmの光散乱膜を形成した。
アクリル樹脂微粒子 6.7%(綜研化学(株)製「FXS−180CF」、平均粒子径1.8μm、屈折率1.45)
酸化チタン分散体(1) 5.0%
フルオレン樹脂(屈折率1.6、重量平均分子量4000)のプロピレングリコールモノメ チルエーテルアセテート溶液(固形分60%) 51.5%
ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート
(東亞合成(株)製「アロニックスM-402」) 7.5%
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア907」) 0.9%
シリコーン界面活性剤
(日本ユニカー(株)製「FZ-2122」)シクロヘキサノン1%溶液 1.0%
シクロヘキサノン 7.4%
実施例1の光散乱膜組成物処方において、酸化チタン分散体(1)の代わりに酸化チタン分散体(2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ約3μmの光散乱膜を形成した。
(実施例3)
実施例1の光散乱膜組成物処方において、酸化チタン分散体(1)の代わりに酸化チタン分散体(3)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ約3μmの光散乱膜を形成した。
(比較例1)
実施例1の光散乱膜組成物処方において、酸化チタン分散体(1)の代わりに酸化チタン分散体(4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ約3μmの光散乱膜を形成した。
[光散乱膜のコントラスト比の測定法]
液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布された光散乱膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板(3)により遮断される。偏光板が平行のときの輝度および直行のときの輝度を、色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)を用いて測定し、得られた値から下記式でコントラスト比を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
なお、偏光板としては、日東電工社製「NPF−G1220DUN」を用いた。また、輝度の測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
2 マスク
3 偏光板
4 光散乱膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット
Claims (4)
- 屈折率が1.30以上1.50以下、平均粒子径が0.8μm以上5.0μm以下の微粒子と、平均長径が0.01μm以上0.30μm以下の針状酸化チタンと、屈折率が1.50以上1.70以下の透明樹脂とを含むことを特徴とする光散乱膜用組成物。
- 針状酸化チタンのアスペクト比が、2以上25以下であることを特徴とする請求項1に記載の光散乱膜用組成物。
- さらに、エチレン性不飽和化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光散乱膜用組成物。
- 請求項1ないし3いずれか1項に記載の光散乱膜用組成物を用いて形成された光散乱膜。
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