JP2007047435A - 印字用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 紙基材、粘着剤層及び剥離材が順に積層されており、粘着剤層が設けられている紙基材の反対側の面に水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合物が乾燥後の塗布量が0.05〜3.0g/m2になるように塗布され、乾燥されたコート層が設けられ、23℃で50%Rhの雰囲気下でのコート層のコート面と剥離材裏面との静摩擦係数が0.20〜0.55であり、かつ動摩擦係数が0.15〜0.50である印字用粘着シート。
【選択図】 なし
Description
近年電子写真方式は、省電力の観点からトナーの熟定着時の熱量が低い機種が普及し、紙基材、粘着剤層及び剥離材からなる印字用シートに印字した際にトナー定着性が劣り、記録した情報が脱落する不具合が発生している。
一方、トナー定着性を向上させるため、樹脂を塗布する手法(特許文献1参照)があるが、トナー定着時のヒートロールからの離型性が低下し、ヒートロールに巻きこまれることによる走行不良が認められている。
また、この印字用粘着シートは、物流管理ラベルとして屋外環境である多湿下で使われており、そのような雰囲気下では表面基材等が吸湿し、摩擦係数が上昇しプリンタ走行性に不具合が認められている。
また、本発明は、上記印字用粘着シートにおいて、上記水分散性ワックス系滑剤の含有量が、水分散性アクリルスチレン樹脂100質量部に対して5〜70質量部である印字用粘着シートを提供するものである。
さらに、本発明は、上記印字用粘着シートにおいて、紙基材中に紙用繊維100質量部に対して無機填料が1〜20質量部内添されている印字用粘着シートを提供するものである。
紙基材は、内添填料を含有させることが好ましい。内添填料としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、クレー等一般の紙製造に用いられる無機填料などの内添填料が挙げられる。内添填料は、1種単独または2種以上併用して使用することができる。
この紙基材は、プリンタ走行性の面から坪量25〜200g/m2のものが用いられ、好ましくは30〜125g/m2のものが用いられる。
本発明に用いる水分散性アクリルスチレン樹脂は、(メタ)アクリル系単量体とスチレン系単量体との共重合体である。(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸とアルキル基の炭素数が10以下のアルコールとのエステルから成る(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用により、トナー定着時の熱量が低いプリンタでのトナー定着性を向上させることができる。
また、スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレン等が公知のスチレン化合物が用いられる。
水分散性アクリルスチレン樹脂は、スチレン系単量体及びアクリル系単量体以外にも、他の単量体を共重合させてもよい。
水分散性ワックス系滑剤の含有量は、水分散性アクリルスチレン樹脂100質量部に対して5〜70質量部が好ましく、10〜50質量部が特に好ましい。5質量部未満の場合、印字時の走行性に劣り、また、70質量部を越えると印字性の低下を引き起こす傾向がある。
水分散性アクリルスチレン共重合体と水分散性ワックス系滑剤の混合物には、必要に応じ、デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の糊剤バインダー、染顔料、消泡剤等を適宜併用することができる。
塗布されたコート層は、乾燥されるが、乾燥温度は、適宜選定すればよく、例えば、60〜150℃で乾燥されるのが好ましい。
さらに、好ましくは、30℃で80%Rhの雰囲気下でのコート層のコート面と剥離材裏面との静摩擦係数が0.20〜0.70であり、かつ動摩擦係数が0.15〜0.65であることである。
静摩擦係数及び動摩擦係数を上記範囲にすることにより、プリンタでの重送(用紙の2枚送り)の防止ができ、安定したプリンタ走行性を得ることができる。
本発明の印字用粘着シートにおいて、剥離材は、表面が剥離性を有するものであれば、特に限定されることはなく、紙基材やフィルム基材の表面に剥離層が設けられたものなどが好ましく挙げられる。紙基材としては、グラシン紙や、クレーコート紙、上質紙などが使用できる。また、フィルム基材では、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などのフイルムが挙げられる。また、フィルム基材や紙基材に填料などの充填剤を添加したフィルムや合成紙などが使用できる。
実施例及び比較例の印字用粘着シートの評価は、以下に示す方法により行った。
得られた印字用シートのラベル10枚を富士ゼロックス製レーザープリンタDocucentre350FSにて印字テストを行い、トナー定着性を爪による印刷面の耐擦り傷性テスト(以下、スクラッチテストという)にて、下記の基準により評価した。
○ トナーの脱落無し
× トナーの脱落有り
得られた印字用シートのラベル100枚をキヤノン社製レーザープリンタLBP−930EXにて印字テストを行い、23℃×50%Rhおよび30℃×80%Rh雰囲気下の走行性を評価した。数字は、走行性不良の発生した割合を表す。
<摩擦係数>
得られた印字用シート表面(コート層のコート面)と剥離紙裏面の摩擦係数を、23℃×50%Rhおよび30℃×80%Rh雰囲気下で摩擦係数を測定した。測定はハーフカットを入れていないものを用い、JIS K7125に準じて実施した。
<水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合液の調製>
水100質量部に対して、日澱化学(株)製のタピオカデンプンZP−2を1.5質量部、星光PMC(株)製の水分散性アクリルスチレン樹脂SE−2702を1.5質量部、明成化学工業(株)製の水分散性ワックス系滑剤メイカテックスSO(ポリエチレンワックス)を0.2質量部混合し、水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合液を調製した(固形分濃度7質量%)。
NBKP/LBKPの質量比が1/9の原料繊維を叩解度450mlC.S.F.になるようにパルプ分散液として調整した。このパルプ分散液のパルプ固形分100質量部に対し日本曹達(株)の蛍光染料ケイコールBULを0.4質量部、日本化薬(株)の青色染料K
Blue Bを対パルプ0.001質量部、二酸化チタンを対パルプ4質量部、東ソー・シリカ(株)のニップシールE−200(シリカ)を対パルプ4質量部、硫酸バンドを対パルプ1.5質量部、王子コーンスターチ(株)のカチオン化デンプン王子エースK−100を0.6質量部、荒川化学工業(株)のエマルションロジンサイズパインN−775を0.1質量部添加、撹拌し、スラリーを作製した。このスラリーを用い長網抄紙機で、米坪量55g/m2のウェブを形成した。更に、オンマシンのサイズプレスコーターにて上記水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合液を塗布し、110℃で30秒間乾燥した。乾燥後のその混合物の塗布量は、2g/m2であった。
東レダウコーニング社製シリコーン樹脂SRX−211の100質量部に同社製剥離コントロール剤BY24−843を10質量部添加し、触媒にSRX212を0.6質量部と希釈溶剤を適当量加えてシリコーン塗液とした。
リンテック(株)製のグラシン系剥離紙原紙4BC上に上記剥離剤をグラビアコーターを用いて、乾燥後の塗布量が0.8g/m2となるように塗布し、140℃で1分間乾燥して、坪量46g/m2の剥離材を作成した。
次に、アクリル系粘着剤(東洋インキ製造(株)製、強力接着剤BPW5175)を、リバースコーターを用いて乾燥後の塗布量が25g/m2になるように塗布して、100℃で1分間乾燥し、上記紙基材をラミネートして巻き取りを行い粘着シートのロールを作成した。剥離材と粘着剤層との剥離力は、0.3m/minの剥離速度条件で710mN/50mmであった。
次に、この粘着シートのロールを210mm幅にロールスリット後、印刷加工機にて38mm×69mmの20面のハーフカットを入れA4サイズの平判とし、印字用粘着シートとした。
実施例1において、明成化学工業(株)製の水分散性ワックス系滑剤メイカテックスSO(ポリエチレンワックス)を0.6質量部にした以外は、実施例1と同様にして、印字用粘着シートを作成した。
(実施例3)
水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合液の乾燥後の塗布量を0.1g/m2にした以外は、実施例1と同様にして、印字用粘着シートを作成した。
実施例で得られた印字用粘着シートの物性評価を、表1に示した。
実施例1において、水分散性ワックス系滑剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、印字用粘着シートを作成した。
(比較例2)
実施例1において、水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合液の代わりに、水100質量部に対して、日澱化学(株)製のタピオカデンプンZP−2を1.5質量部、日本ゼオン(株)製の水分散性SBRラテックスPT−1004Aを1.5質量部、東ソー・シリカ(株)製のニップジェルBY−001(シリカ)を7質量部混合して得られる混合液を使用した以外は、実施例1と同様にして、印字用粘着シートを作成した。
比較例で得られた印字用粘着シートの物性評価を、表2に示した。
一方、比較例1は、摩擦係数が高く重送やプリンタ走行性が劣ることが認められた。また比較例2は、プリンタ走行不良が発生するだけでなく、トナー定着性にも劣ることが確認された。
Claims (4)
- 紙基材、粘着剤層及び剥離材が順に積層されており、粘着剤層が設けられている紙基材の反対側の面に水分散性アクリルスチレン樹脂と水分散性ワックス系滑剤の混合物が乾燥後の塗布量が0.05〜3.0g/m2になるように塗布され、乾燥されたコート層が設けられ、23℃で50%Rhの雰囲気下でのコート層のコート面と剥離材裏面との静摩擦係数が0.20〜0.55であり、かつ動摩擦係数が0.15〜0.50であることを特徴とする印字用粘着シート。
- 上記水分散性ワックス系滑剤の含有量が、水分散性アクリルスチレン樹脂100質量部に対して5〜70質量部である請求項1に記載の印字用粘着シート。
- 30℃で80%Rhの雰囲気下でのコート層のコート面と剥離材裏面との静摩擦係数が0.20〜0.70であり、かつ動摩擦係数が0.15〜0.65である請求項1又は2に記載の印字用粘着シート。
- 紙基材中に紙用繊維100質量部に対して無機填料が1〜20質量部内添されている請求項1〜3のいずれかに記載の印字用粘着シート。
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JPH03179071A (ja) * | 1989-09-07 | 1991-08-05 | Kanzaki Paper Mfg Co Ltd | 粘着シート及びその製造方法 |
JPH09319131A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-12-12 | Canon Inc | 電子写真用光透過性被記録材及び加熱定着方法 |
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