JP2007045749A - 腎機能低下予防・改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果に優れ、日々摂取することで、様々な要因からくる腎機能の低下を効果的に予防・改善することが可能な薬剤または飲食品を提供する。
【解決手段】アスパラガスをブレンダーで細断し、水を混合して、オートクレーブで100℃、1時間熱処理を行い、得られた処理液を濾過し、得られた薄茶色の抽出液を減圧濃縮した後、凍結乾燥して得られた、アスパラガスから得られる組成物を含有する腎機能障害予防・改善剤、好ましくはアスパラガスから得られる組成物が、アスパラガスにγ−アミノ酪酸の含有量を高めるための富化処理を施したものである前記の腎機能障害予防・改善剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、腎機能低下予防・改善剤またはそれを含有する飲食品に関するものである。
腎臓は、尿の産生器官である。血液が、腎動脈から腎細動脈を通って、籠状の毛細血管網である糸球体に入ると、圧力がかかり糸球体を包む袋状のボーマン嚢に尿として入り込み、さらに尿細管、尿管を通過して膀胱に溜まり、尿として排出される。糸球体からボーマン嚢に流れ込んだ尿は原尿と呼ばれ、尿細管を通過する間に水分の99%以上と、ブドウ糖やアミノ酸の生体に必要な成分が再吸収される。これらの機構を通して、腎臓は体内の水分量調節、ナトリウムやカリウムといった電解質濃度調節、血圧調節、老廃物の排出といった機能を持つ。
従来、腎疾患患者、腎不全患者の治療法としては、薬剤投与、人工透析或いは腎移植がある。腎疾患には様々な症状と原因があるが、現在用いられている腎機能改善剤としては、症状に応じて副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤、非ステロイド系消炎剤、降圧利尿剤などが用いられている。これらの薬剤は、腎機能そのものの回復というよりは、腎機能低下によって生じる症状の緩和という対症療法的なものが多く、また、薬効が優れていても、強い副作用が起こりやすく使用方法に制限があった。また、天然物質からなる腎機能改善剤として、マメ科植物の含有するフラボノイド、サポニン又はそれらの配糖体からなる群から選ばれた少なくとも1つを有効成分として含有する尿素窒素代謝改善剤(例えば、特許文献1参照)、ビフィジス菌の醗酵代謝物を有効成分とする腎機能改善剤(例えば、特許文献2参照)等が開示されているが、効果としては満足いくものではなかった。
また、腎機能が極度に低下した腎不全に対しては、特に有効な薬物療法はなく、苦痛を伴う人工透析か腎移植しか手段がなくなる。人工透析は、患者が人工透析施設に週数回通院し、数時間拘束されねばならない。さらに、費用も高額で、食事も大幅に制限せねばならず、患者に対して重度の負担をもたらす。腎移植に至っては、臓器適合の問題から治療の機会すらほとんど無い。
このような背景から、より安全で、効果があり、日々摂取することで腎機能低下を予防または改善できる薬剤または飲食品の開発が望まれていた。
一方、γ−アミノ酪酸(以下、GABAと略称する。)は、アミノ酸の1種であり哺乳類の脳や脊髄に存在する抑制性の神経伝達物質であり、その血圧降下作用が良く知られているが、腎機能低下予防改善効果も示唆されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
また、アスパラガスは、アスパラギン酸、グルタチオン、葉酸、ルチンを含有することが知られており、代謝促進、肝機能促進、貧血、血管強化等の機能が期待されている。本発明者らは先に、アスパラガスがGABAを含有することをはじめて明らかにした(特願2004−301557号)が、アスパラガスに腎機能の低下を予防または/および改善する作用があることは知られていなかった。
特公平8−32632号公報 特開平1−163128号公報 Food.Chem.Toxicol.(2004)、42(12)、2009〜2014 紅茶会報、日本紅茶協会発行(2004)、283、1〜3
本発明は、安価な材料から得られ、日々摂取することで様々な要因からくる腎機能の低下を効果的に予防・改善することができる腎機能低下予防・改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題について鋭意検討等の結果、アスパラガスから得られる組成物に強い腎機能低下予防改善効果があること、しかもその組成物中に含まれるGABAと同量のGABAを単独で摂取した場合よりも効果が優れていること、さらにアスパラガス抽出液中のGABA含量を富化させてやると、腎機能低下予防改善効果がさらに高まることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一は、アスパラガスから得られる組成物を有効成分とすることを特徴とする腎機能低下予防・改善剤を要旨とするものであり、好ましくは、アスパラガスから得られる組成物が、アスパラガスにGABAの含有量を高めるための富化処理を施したものである。
また、本発明の第二は、前記の腎機能低下予防・改善剤を含有することを特徴とする飲食品を要旨とするものである。
本発明によれば、様々な要因からくる腎機能の低下を、効果的に予防・改善することが可能となる。
本発明で用いられるアスパラガスは、本発明の効果を損なうものでない限りいかなるものでもよい。アスパラガスには日光に当てて栽培するグリーンアスパラガス、土などで遮光しながら栽培するホワイトアスパラガス、細く短いうちに刈り取りを行うミニアスパラガス、グリーンアスパラガスとは別種で紫色を呈するムラサキアスパラガスなどがあるが、これらの中ではアミノ酸やルチン等の栄養成分に富むグリーンアスパラガス、ムラサキアスパラガスが好ましく、コストが安いグリーンアスパラガスがさらに好ましい。
アスパラガスの産地は特に限定されず、国産でも海外からの輸入品でもよい。使用する部位も特に限定されず、若茎、地上茎、貯蔵根が使用できるがこれらの中で若茎が好ましい。若茎は根元部分でも先端部分でもよいが、商品となるアスパラガスの長さを揃える時にカットされた根元部分は安価で入手できることから最も好ましい。アスパラガスはそのまま使用してもよいし、破砕、切断、凍結乾燥、脱水などの処理を行った後に使用してもよい。
本発明で用いるアスパラガスから得られる組成物とは、アスパラガスから得られるGABAを含有する組成物をいい、例えば、アスパラガスを直接、粉砕・細断・脱水・凍結乾燥・真空乾燥・噴霧乾燥等の公知技術のいずれか1つあるいは2つ以上組み合せて処理することにより得ることができる。
粉砕・細断は物理的にアスパラガスを細かく破砕する方法であり、粉砕は衝撃により、細断は切断によって破砕する。粉砕・細断は乳鉢や包丁、カッターナイフ、ハサミなどを用いて手作業で行っても良いが、大量のアスパラガスを短時間で処理しようとする場合には装置を使用する。そのような装置としては、例えば、ミル、ハンマー式粉砕機、ミキサー、ブレンダーなどが挙げられ、また野菜用の細断機を用いてもよい。粉砕・細断されたアスパラガスの大きさは特に限定されないが、2cm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。
脱水は、アスパラガス中の水分を除く操作であり、圧搾、濾過、静置による沈殿の分離、遠心分離、加熱蒸発、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。このうち、成分の損失、分解、変質の可能性が少ないという点で、凍結乾燥が好ましい。
凍結乾燥、真空乾燥は、気圧を低下させて沸点を低下させ、水分を気化させる方法である。噴霧乾燥は、溶液を微粒化して熱風と接触させる事で短時間での乾燥を可能にする操作である。
上記した処理の組み合わせの好ましい例としては、アスパラガスを凍結乾燥した後、ミル等で粉砕したものが好ましい。
また、本発明におけるアスパラガスから得られる組成物は、上記の処理のほか、アスパラガスから水抽出、溶媒抽出、圧搾、酵素分解、超臨界抽出、濃縮、希釈、固液分離、精製等の公知の技術を単独あるいは組み合せて得られるものであってもよい。以下、これらの操作について説明する。
水抽出は、水を加えてそこに成分を溶出させる方法である。加える水の量は特に限定されないが、アスパラガスに対して0.01〜100倍量が好ましく、0.5〜5倍量がより好ましい。水の量が0.01倍より少ないと抽出効率が落ち、100倍より多いと薄い抽出液しか得られず後に濃縮操作が必要になる場合がある。また、使用する水の温度は0℃〜100℃が好ましく、10℃〜80℃がより好ましい。水の温度が0℃より低い場合には抽出効率が低下する傾向があり、抽出温度が100℃より高い場合にはGABA以外の有効成分が分解してしまうおそれが生じる。
溶媒抽出は、アルコール類、炭化水素類、脂質類等の有機溶媒を用いて抽出する方法であり、使用する有機溶媒は本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、単独で用いてもよいし、他の溶媒と混合して使用してもよいし、水と混合して使用してもよい。好ましい有機溶媒の例としては、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、アセトン、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチルエーテル、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)が挙げられ、さらに好ましくは、エタノール、ヘキサン、アセトン、DMSO、グリセリンが挙げられる。加える有機溶媒の量は有機溶媒の種類にもより特に限定されないが、アスパラガスに対して0.01〜100倍量が好ましく、0.5倍〜5倍がより好ましい。有機溶媒の量が0.01倍より少ないと抽出効率が落ち、100倍より多いと薄い抽出液しか得られず後に濃縮操作が必要になる場合がある。また、使用する有機溶媒の温度は−20℃〜200℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましい。有機溶媒の温度が−20℃より低い場合には抽出効率が低下する傾向があり、抽出温度が200℃より高い場合には有効成分が分解してしまうおそれが生じる。
圧搾とは、アスパラガスに物理的な圧力をかけて、液を搾り出し、GABAを搾汁に移行せしめる方法である。圧力は一方向のみにかけてもよいし、二以上の方向からかけてもよく、せん断力を伴わせることもできる。圧搾の操作は市販の圧搾機を用いれば容易であるが、手搾り、足踏み搾りなど機械を用いない方法で行ってもよい。このとき、アスパラガスに水や湯を加えて圧搾してもよい。
酵素分解は、アスパラガスに酵素を作用させた後、固液分離してGABAをろ液に移行せしめる方法である。ここで酵素としては、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、食品用途として使用することを考慮すれば、食品用に使用できる酵素が好ましい。酵素の種類としては、特に限定されないが、アスパラガスの繊維質、ペクチン、多糖類などを分解し、効率良くGABAを取り出せるために、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、アラバナーゼ、アミラーゼ、グルカナーゼ、デキストラナーゼなどが、蛋白質を分解し、遊離アミノ酸を多く回収するために、プロテアーゼ、ペプチダーゼなどが、グルタミン酸をGABAに変換するために、グルタミン酸デカルボキシラーゼなどが、グルタミンをグルタミン酸に変換するために、グルタミナーゼなどが使用できる。本発明における酵素分解においては、上記した酵素を一種類だけ用いてもよいし、二種以上を同時に又は連続して用いてもよい。
超臨界抽出とは、二酸化炭素や水を気液臨界点以上の圧力、温度にし、分子運動の盛んな超臨界流体とせしめ、これを抽出溶媒として使用するものである。本発明においては、超臨界流体は二酸化炭素が好ましい。超臨界抽出を行う際の温度は、31℃〜150℃が好ましく、31℃〜100℃がより好ましい。温度がこの範囲より高い場合、有用成分が分解する可能性があり、この範囲より低い場合、抽出効率が低下する問題がある。また、超臨界抽出を行う際の圧力は、7MPa〜50MPaが好ましく、7MPa〜30MPaがより好ましい。圧力がこの範囲より高い場合、有用成分の分解やコスト高、安全性に問題があり、圧力がこの範囲より低い場合には抽出効率が低下する傾向がある。
濃縮は、他の成分を減少させること無く水分量を減らす操作であり、減圧濃縮、加熱濃縮、濾過膜を用いた濃縮などいかなる方法で行ってもよいが、20℃〜60℃の範囲での減圧濃縮を行うことが好ましい。
固液分離とは、溶媒およびそこに溶解している成分と、不溶性の固形分を分離する方法であり、分離方法としては、例えばフィルターろ過、圧搾ろ過、遠心分離、デカンテーションなどあらゆる方法が使用できる。清澄なGABA含有組成物を得る場合には、珪藻土などのろ過助剤を使用したフィルターろ過を行うことが好ましい。また、さらに清澄な液を得る場合や微生物の除去を行う場合には、これをさらに1μm未満の孔径のメンブランフィルターろ過を行うことが好ましい。
精製とは、目的の成分を他の成分と分離する操作であり、方法としては、電気泳動分離、密度勾配遠心分離、逆浸透・限外濾過・透析等の膜分離、ゲル濾過・イオン交換・アフィニティー等のクロマトグラフィーが挙げられる。これら精製方法は本発明の効果を損なわない限りいかなるものでもよいが、GABA含量を高めるための精製には、強酸性陽イオン交換樹脂を用いたクロマトグラフィーが収率の高さ、簡便性といった点から最も望ましい。
以上のような処理により得られる、本発明におけるアスパラガスから得られる組成物の形態としては、水溶液、クリーム、懸濁液、ゲル、粉末、錠剤、カプセルなどが挙げられる。例としては、アスパラガスの茎最下部に水を1〜2倍量加え、70〜90℃で30〜60分間抽出を行った後、珪藻土などの濾過助剤を使用したフィルター濾過を行って得られた清澄濾液、あるいはこれを乾燥した粉末が好ましい。
本発明におけるアスパラガスから得られる組成物には、GABAをはじめ、その他のアミノ酸、多糖類、オリゴ糖類、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース等の単糖類、タンパク質、ペプチド類、サポニン類、ポリフェノール類等が含有される。アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、イソロイシン、リジン、アラニン、セリン、プロリンなどが比較的多く含まれる。
以上のようにして得られたアスパラガスから得られる組成物中に含まれるGABAの重量%は、0.05重量%〜99.5重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜95重量%、更に好ましくは5重量%〜90重量%が好ましい。GABA重量%が0.01重量%を下回ると、効果を発揮するためには多量に摂取する必要があり、また、99.5重量%を上回ると、腎機能低下予防・改善効果に相乗相加効果をもたらす物質の含有量が低くなり、好ましくない。
また、アスパラガスから得られる組成物は、GABAの含有量を高めるため、アスパラガスに富化処理を施したものであるのが好ましい。この富化処理としては、公知の精製技術を利用する方法、市販のGABA純品(例えば、協和発酵社「GABA協和」)やGABA含有組成物(例えば、オリザ油化社「オリザギャバエキスHC−90」、ファーマフーズ研究所「ファーマギャバ」)を添加する方法、GABA生産菌を利用する方法、アスパラガスの内在酵素を利用する方法等が挙げられる。このうち、GABAと相乗・相加効果を発揮する成分が除かれる事が無い、コストが低い、といった点で、アスパラガス内在酵素を利用する方法が最も好ましい。
アスパラガス内在酵素を利用する方法とは、アスパラガス及び/又はアスパラガス抽出液を10℃〜50℃の環境下で処理する方法、アスパラガス及び/又はアスパラガス抽出液にグルタミン酸、グルタミン酸塩、ピリドキサルリン酸塩、塩酸ピリドキシンから選ばれる少なくとも1種類を添加し、10℃〜50℃の環境下で処理する方法等が挙げられる。
このような富化処理を施すことにより、組成物中は、前記成分のうちGABAの占める割合が増えることになり、また、添加した成分も含まれることになる。
本発明の腎機能低下予防・改善剤組成物は、上記ようにして得られた組成物をそのまま、あるいは他の成分とともに含むものである。本発明の腎機能低下予防・改善剤組成物中に、アスパラガスから得られる組成物はそのGABA含有量にもよるが、0.1重量%〜100重量%、より好ましくは1重量%〜95重量%、更に好ましくは10重量%〜90重量%含有するのがよい。アスパラガスから得られる組成物の含有量が0.1重量%を下回ると、効果を発揮するためには多量に摂取する必要があり、好ましくない。
本発明の腎機能低下予防・改善剤に含めることができる他の成分としては、各種腎機能低下・予防作用を有する活性成分が好ましく、具体例としては、アラビアゴム、オリゴ糖等の一部食物繊維、酵母細胞壁画分、ビフィジス菌醗酵代謝物、VAAM、柴胡エキス、マメ科植物の含有するフラボノイド、サポニン又はその配糖体等が挙げられる。
本発明の腎機能低下予防・改善剤に含まれるGABAと、GABA以外のアスパラガスから得られる組成物の共存重量比率は、(GABA):(GABA以外のアスパラガスから得られる組成物)が1:0.005〜1:100が好ましく、より好ましくは1:0.05〜1:40、さらに好ましくは、1:0.1〜1:10である。GABA以外のアスパラガスから得られる組成物のGABAに対する比率が0.005を下回れば、相加相乗効果はほとんど得られず、100を上回れば、GABAの効果を発揮するためには多量に摂取する必要が生じてしまう。
本発明の腎機能低下予防・改善剤は、その効果を損なわない限り、薬学的に許容される担体と共に、種々の剤形に製剤化できる。剤形としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤等の経口用固形製剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの経口液体製剤が挙げられる。
経口用固形製剤を調整する際には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着色剤等常法で用いられているものを用いればよく、そのような担体の例としては、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、デキストリン、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、プルラン、無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等を、結合剤としては結晶セルロース、白糖、マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、水、エタノール等を、崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、結晶セルロース等を、滑沢剤としてはステアリン酸およびその金属塩、タルク、ホウ酸、脂肪酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、無水ケイ酸等を、矯味矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
経口用液体製剤を調整する際には、緩衝剤、安定化剤、矯味矯臭剤等常法で用いられているものを用いればよく、緩衝剤としてはクエン酸塩、コハク酸塩等を、安定化剤としてはレシチン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロースを、矯味矯臭剤としては上記したものを例示できる。
本発明の腎機能低下予防・改善剤を使用する場合は、それに含まれるGABAの量が50mg〜2000mg/日/人、特に好ましくは300mg〜1000mg/日/人となるように、調節すればよい。この範囲内にあれば、腎機能低下予防・改善効果が十分に得ることができる。
本発明の第二の飲食品は、上記した本発明の第一の腎機能低下予防・改善剤を含有するものであり、腎機能低下予防・改善剤それ自体あるいは既存の飲料又は食品に含ませることにより得ることができる。
本発明の腎機能低下予防・改善剤それ自体を飲食品とする場合は、例えば、上記した担体等を添加した後、常法により、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ゲル状、ペースト状、乳状、懸濁状、液状、飲料等の食用に適した形態に成形すればよい。また、味質の改善のために、本発明の効果を損なわない範囲で糖類、糖アルコール類、塩類、油脂類、アミノ酸類、有機酸類、果汁、野菜汁、香料、アルコール類、グリセリン等を添加することができる。
本発明の腎機能低下予防・改善剤を既存の飲料又は食品に含ませる場合は、ベースとなる飲料又は食品としては特に限定されないが、例えば、うどんやパスタ等の加工麺、ハム・ソーセージ等の食肉加工食品、かまぼこ・ちくわ等の水産加工食品、バター・粉乳・醗酵乳等の乳加工品、ゼリー・アイスクリーム等のデザート類、パン類、菓子類、調味料類等の加工食品、および、清涼飲料水、アルコール類、果汁飲料、野菜汁飲料、乳飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料、アルコール類等の飲料が好ましい。
本発明の飲食品におけるアスパラガスから得られる腎機能低下予防・改善剤の含有量は、特に限定されないが、GABAに換算して、50mg〜2000mg/日/人、特に好ましくは300mg〜1000mg/日/人となるように、調節すればよい。この範囲内にあれば、腎機能低下予防・改善剤が十分に得ることができ、かつ、経済性においても優れている。
本発明の飲食品に含ませるアスパラガスから得られる腎機能低下予防・改善剤の形態は特に限定されず、飲料、グミ、キャンデーなどにおいては液体状の物を、錠剤、顆粒、カプセルなどにおいては粉末状の物を使用するなどすればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、GABA及びアミノ酸の含有量は、以下の方法により求められた値である。すなわち、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)により以下の条件で測定し、蛍光検出器を用いて検出した。
HPLC:島津製作所(株)製LC−9A
カラム:Shim−pack ISC−07/S1504
移動相:0.2規定クエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)
流速:0.3ml/分
温度:55℃
反応液:オルト−フタルアルデヒド
検出波長:励起波長348nm、蛍光波長450nm
製造例1
アスパラガス(秋田産)1kgを5mm以下にブレンダーで細断し、水2Lを導入して、オートクレーブで100℃、1時間熱処理を行った。得られた処理液は濾過助剤に珪藻土を用い、ろ紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、薄茶色の抽出液を得た。得られた濾液を卓上エバポレーター(EYELA社製)により10倍に減圧濃縮した後、凍結乾燥して、アスパラガス抽出物37.7gを得た。アミノ酸及びGABAの含有量は表1に示したとおりであった。
製造例2
アスパラガス若茎(秋田産)1kgをミキサーで破砕し、水2Lを導入した。そこにグルタミン酸ナトリウム50gを添加してよく攪拌して溶解した。これを振とう式インキュベーターを用いて25℃、24時間振とうしGABA富化処理を行った。得られた処理液は濾過助剤に珪藻土を用い、ろ紙(ADVANTEC東洋製No.5C)を用いて吸引濾過を行い、得られた濾液を卓上エバポレーター(EYELA社製)により10倍に減圧濃縮した後、凍結乾燥して、アスパラガス抽出物74.4gを得た。GABA及びアミノ酸の含有量は表1に示したとおりであった。
実施例1〔グリセロール誘発腎障害モデルにおける評価〕
実験動物:Std(クリーン):Wistar系ラット(雄)(日本エスエルシー社、約180g)、6週齢、30匹
通常試料:ラボMRストック(日本農産工業)
方法:ラットは、室温25℃±1℃、湿度60%±5%、12時間明期12時間暗期(明期7時〜19時)の条件下で飼育した。試料投与前に1週間通常飼料を与え、また、生理食塩水を1日1回2ml/kgで胃ゾンデで投与し、馴化を行った。実験開始7日目に、6時間絶食(水も不可)させた後、50%グリセリン溶液(v/v)を10ml/kgで後肢に筋肉注射し、急性腎不全を誘発した。その後、5群に分け、表2にあるA〜Eの試料を2ml/kgになるよう生理食塩水に溶解し、胃ゾンデで12時間おきに投与した。グリセリン注射から60〜72時間後に尿を採取し、直後に採血を行った。尿中および血清中の尿素窒素(UN)とクレアチニン(Cr)の濃度を、ネスコートVLII BUN、ネスコートVLII CRE(アルフレッサ ファーマ社)を用いて測定した。また、クレアチニン濃度より、以下の式を用いてクレアチニンクリアランス(CCr)も測定した。
Cr(ml/min/kg体重)={尿中Cr(mg/dl)×尿量(ml)/血清中Cr(mg/dl)}×{1000/体重(g)}×{1/1440(min)}
尿素窒素(UN)とクレアチニン(Cr)は含窒素物質の最終代謝産物であり、主として腎臓を通じて体外に排出される。よってUNやCr濃度は、腎臓機能が低下すると、血清中の濃度が高くなる。クレアチニンクリアランス(CCr)は、単位体重、単位時間当たり排出される血中クレアチニン量を表す指標であるため、この値が低下すれば、腎機能低下と評価される。
結果:血清中のUN、Cr濃度及びCCrの結果は表3の通りである。なお、結果は平均値±標準偏差で示した。
表3から明らかな通り、アスパラガス抽出物、GABA富化アスパラガス抽出物にグリセリン投与による腎不全を改善する効果を持つことが分かった。また、アスパラガス抽出物、GABA富化アスパラガス抽出物投与群では、抽出物中に含まれるGABAと同量のGABA単独投与と比較して、高い腎不全改善効果を持つことが分かった。
実施例2〔食塩投与腎障害モデルにおける評価〕
実験動物:Dahl食塩感受性ラット(雄)(成和実験動物研究所、約180g)、6週齢、30匹
通常試料:食塩添加(8%)粉末食(CE−2)(日本クレア)
方法:ラットは、室温25℃±1℃、湿度60%±5%、12時間明期12時間暗期(明期7時〜19時)の条件下で飼育した。試料投与前に1週間高食塩食を与え、また、生理食塩水を1日1回2ml/kgで胃ゾンデで投与し、馴化を行った。その後、5群に分け、表2にあるA〜Eの試料を2ml/kgになるよう生理食塩水に溶解し、胃ゾンデで1日1回投与した。実験開始30日目に尿を採取し、直後に採血を行った。実施例1に従って、尿中および血清中の尿素窒素(UN)とクレアチニン(Cr)の濃度、クレアチニンクリアランスを算出した。
結果:血清中のUN、Cr濃度及びCCrの結果は表4の通りである。なお、結果は平均値±標準偏差で示した。
表4から明らかな通り、アスパラガス抽出物、GABA富化アスパラガス抽出物に慢性食塩投与による腎機能低下を抑止する効果を持つことが分かった。また、アスパラガス抽出物、GABA富化アスパラガス抽出物投与群では、抽出物中に含まれるGABAと同量のGABA単独投与と比較して、高い腎機能低下抑止効果を持つことが分かった。
実施例3
製造例2で製造したGABA富化アスパラガス抽出物を凍結乾燥した後粉砕した。得られた粉末を用いて、以下の配合割合でよく混合、造粒した後、1粒500mgで打錠し、錠剤を製造した。なお、%は、質量%を示す。
原料 GABA富化アスパラガス抽出物 50%
結晶セルロース 15%
還元麦芽糖 30%
ショ糖脂肪酸エステル 5%
実施例4
製造例2と製造したGABA富化アスパラガス抽出物を凍結乾燥した後粉砕した。得られた粉末100gを日本粉末薬品(株)製「ウーロン茶エキスパウダー」900gと混合し、GABA含有肝機能障害予防・改善ウーロン茶粉末を製造した。このGABA含有ウーロン茶粉末5gを水500mlに溶解し、GABA含有腎機能障害予防・改善ウーロン茶を製造した。

Claims (3)

  1. アスパラガスから得られる組成物を有効成分とすることを特徴とする腎機能低下予防・改善剤。
  2. アスパラガスから得られる組成物が、アスパラガスにγ−アミノ酪酸の含有量を高めるための富化処理を施したものである請求項1記載の腎機能低下予防・改善剤。
  3. 請求項1又は2記載の腎機能低下予防・改善剤を含有することを特徴とする飲食品。
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