JP4676040B2 - 組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、新規な組成物、詳細には、パフィア(Pfaffia)属に属する植物の加工物とフラボノイドを含んでなる新規な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人類が罹患する疾患の多くは、西洋医学の飛躍的な進歩により比較的容易に治療できるようになった。しかしその一方で、西洋医学による治療法は、逆効果や深刻な副作用を呈する場合もあり、必ずしも所期の効果を十分に発揮すると言えるものではない。昨今の健康に対する気運の高まりとも相まって、常用しても人体に悪影響を及ぼさず、かつ、健康の維持・増進ならびに、疾患の治療・予防に有用な組成物の確立に、極めて強い期待が寄せられている。斯かる要望に応えるものとして、古来より人類が経験に基づいて利用してきた、いわゆる民間療法薬が近年再び注目を集めている。然るに民間療法薬は、一般に薬効が顕著ではないという点で問題がある。
【0003】
民間療法薬からの有効成分の単離や、有効成分以外の成分の除去は、斯かる問題点を解決するに有効な策の一つと考えられる。しかしながら民間療法薬の薬効は一般に、限られた特定の成分のみにより発揮されるものではなく、したがってほとんどの場合は、たとえ有効成分と思われる特定成分を単離したとしても期待されるような顕著な薬効を示さないというのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、この発明の課題は、副作用が低く、健康の維持・増進ならびに疾患の治療・予防に著効を発揮する組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、古来より世界各地で用いられてきた民間療法薬と、古来より食経験のある植物に着目し、上記課題を解決し得る組成物を天然界より広く鋭意検索した。その結果、南米に自生し、当地では古くから民間療法薬として用いられてきたパフィア(Pfaffia)属に属する植物に、フラボノイドを添加せしめて組成物としたとき、通常一般の民間療法薬に比べて際だって顕著な免疫増強作用や抗アレルギー作用等を示すことを見出した。さらに当該組成物は、極めて毒性が低く、またパフィアが本来有している苦味・えぐ味等が低減されているために経口摂取が極めて容易であり、健康の維持・増進ならびに疾患の治療・予防に有用であることを確認して本発明を完成した。
【0006】
すなわち、この発明は、上記の課題を、パフィア(Pfaffia)属に属する植物の加工物及びフラボノイドを含んでなる組成物により解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の組成物は、パフィア(Pfaffia)属に属する植物(以下、単に「パフィア」と記す場合がある。)の加工物及びフラボノイドを含んでなる。この発明で用いるパフィアの加工物とは、パフィア属に属する植物の物理的及び/又は化学的処理による加工物全般を包含し、原料・製造方法は問わない。パフィア属に属する植物としては、例えば、パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)、パフィア・イレジノイデス(Pfaffia iresinoides)、パフィア・ジュバータ(Pfaffia jubata)、パフィア・パニキュラータ(Pfaffia paniculata)、パフィア・プルベルレンタ(Pfaffia pulverulenta)及びパフィア・スピカータ(Pfaffia spicata)などを挙げることができる。物理的及び/又は化学的処理による加工物とは、例えば、細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物及び/又は抽出物を挙げることができる。当該加工物は、通常、エクジステロン及び/又はその誘導体、例えば、ルブロステロンやプテロステロンなどを含んでなる。
【0008】
この発明で用いるパフィアの加工物の製造方法について説明すると、先ず、その原料としては、パフィア属に属する上記の如き植物から選ばれる1又は複数や、これらを常法により育種して得られる変異株などを挙げることができる。斯かる植物は、自生植物や栽培植物などの植物体であっても、また、組織培養、カルス培養、細胞培養などにより得られる培養物であってもよい。植物体を原料として用いる場合、その植物体全体であっても、また、根、茎、葉、花冠、花弁、花粉、雄しべ、雌しべ、種子、胚乳、根毛などから選ばれる1又は複数の特定の器官などの、植物体全体から分離された一部分であっても、いずれも有利に用いることができる。また、原料は新鮮な、すなわち、水分を含む状態であっても、乾燥させた状態であってもよい。とりわけ、パフィア・グロメラータの乾燥させた根は、この発明に有利に用いることができる。
【0009】
以上の如き原料に、食品工業や医薬品工業などにおいて通常一般に用いられる、物理的及び/又は化学的処理を施すことによりこの発明で用いるパフィアの加工物は得ることができる。例えば、通常の、細断、破砕、磨砕、粉砕、圧搾、発酵、抽出などの処理や、さらに、濾過、濃縮、乾燥などの処理を適宜組み合わせことにより、この発明で用いる当該加工物としての細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物、抽出物は得ることができる。
【0010】
この発明で用いるパフィアの加工物としての、パフィア抽出物の製造方法についてさらに詳細に説明すると、通常は、上述の如き原料に細断、磨砕、破砕等の適宜の処理を施した後、適宜の溶媒を用いて通常の抽出処理を施す。抽出溶媒としては、水や、水以外の水溶性の有機溶媒、水不溶性の有機溶媒等、いずれも適宜に用いることができるが、とりわけ、水、水溶性の有機溶媒、ないしは当該有機溶媒の水溶液を抽出溶媒として用いるのが、この発明の実施に有用である。水溶性の有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトンなどを挙げることができる。これら有機溶媒の水溶液を抽出溶媒として用いる場合、当該有機溶媒の濃度は問わないが、有機溶媒が体積比で50%以下の水溶液はこの発明の実施に有用である。適宜の緩衝剤等により抽出溶媒を所望のpHに保つことも随意である。以上の如き抽出溶媒を、前述の原料に適量、通常望ましくは、重量比で0.1乃至30倍量添加し、必要に応じて、撹拌処理や加熱処理を施し抽出する。濾過、遠心分離、デカンテーションなどの適宜の方法で、液体部分と残渣に分け、液体部分を採取すれば、この発明で用いるパフィアの抽出物を得ることができる。残渣にさらに繰り返し同様の抽出処理を施し、採取されるそれぞれの液体部分を合一して抽出物を得ることも随意である。また原料及び残渣に、2回以上の抽出処理を施す場合、それぞれ異なる抽出溶媒を用いて所望の液体部分のみを採取したり、これらを合一することによっても、この発明で用いるパフィアの抽出物は得ることができる。
【0011】
当該抽出物に、さらに、適宜の精製処理を施し、パフィアの加工物として用いることも随意である。当該抽出物は、通常、アルカロイド、テルペノイド、ステロイド、フェノール類、色素などの二次代謝産物や、糖類、蛋白質、アミノ酸、核酸、ペプチド、脂質などを含み、これに斯界において通常用いられる精製手段のいずれかを適用すれば、これらから選ばれる1種又は2種以上の適宜の成分が精製される。目的とする成分の種類にもよるが、精製手段は、例えば、濾過、濃縮、遠心分離、晶析、溶媒分別、分別沈澱、透析、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー及び/又はイオン交換クロマトグラフィーなどから適宜の方法が選ばれる。
【0012】
以上のようにして得られるパフィアの加工物は、得られたそのままの形態でもこの発明に有利に用いることができるが、また、濃縮・乾燥等の処理をさらに施したり、さらには、後に詳述するような生理的に許容される適宜の成分を添加混合するなどして、液状、固状、粉状、ペースト状、半固状、乳液状、懸濁状等の適宜の形態として用いることも随意である。濃縮・乾燥には、通常の食品工業、医薬品工業などにおいて慣用の方法、例えば、真空濃縮、精密膜濃縮、逆浸透膜濃縮、限外濾過濃縮、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などはいずれも有利に適用することができる。
【0013】
以上の如き、この発明で用いるパフィアの加工物は、通常、エクジステロンを固形物換算で0.1乃至10%(w/w)の範囲で含む。また、当該加工物は、ルブロステロンやプテロステロンなどのエクジステロン誘導体を含む場合がある。当該加工物中のエクジステロン及び/又はその誘導体は、例えば、逆相クロマトグラフィーを適用する高速液体クロマトグラフィー等により検出することができる。加工物の固形物含量は、例えば、第一法規出版発行の『第十三改正日本薬局方』(1996年)、34頁に記載の乾燥減量試験法や、同じく第一法規出版発行の『第十三改正日本薬局方』(1996年)、51乃至55頁に記載のカールフィッシャー法などにより水分を求め算出することがきる。
【0014】
この発明で用いるフラボノイドには、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、シトロネチン、ヘスペリジン、ナリンジン、エリオジクチン、シトロニンなどのフラバノン類、ケルセチン、ミリセチン、ルチン、ミリシトリンなどのフラボノール類、バイカレイン、アピゲニン、バイカリン、アピインなどのフラボン類、ゲニステイン、ゲニスチンなどのイソフラボン類など、通常のフラボノイド全般に加え、さらに、以上の如きフラボノイドに、加水分解酵素や糖転移酵素などを作用させた酵素処理物も包含される。これらフラボノイドの出所・由来は問わない。例えば、柑橘類の植物などの天然の給源から得られるものであっても、また、例えば化学合成して得られるものであってもよい。
【0015】
この発明において以上の如きフラボノイドは、いずれも有利に用いることができるが、とりわけ、ヘスペリジン、ルチン、ナリンジン、エリオジクチン、ヘスペレチン、ケルセチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、酵素処理ヘスペリジン、酵素処理ルチン、酵素処理ナリンジン、酵素処理エリオジクチンなどの、ビタミンPとして知られているフラボノイドはこの発明に有利に利用される。ここでいう酵素処理物のうち、糖転移酵素等を作用させて得られる酵素処理物は、通常、フラボノイドに、グルコース、フラクトース及びガラクトースをはじめとする単糖類や、さらには、これら単糖類のうちの1種又は2種以上よりなる少糖類ないし多糖類を転移せしめてなるものであり、フラボノイド本来の性質を有している上、水に対する溶解性が酵素処理をしないものに比べて増しており、光に対する安定性なども向上しているので、この発明を実施する上で有用である。
【0016】
斯かる酵素処理物の調製方法は問わない。例えば、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、β−フラクトフラノシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどの酵素の作用によれば、斯かる酵素処理物を得ることができる。すなわち、用いる酵素に応じて、上記の如きフラボノイドから選ばれる1種又は2種以上と、適宜の糖類から選ばれる1種又は2種以上とを、適宜の溶媒例えば、水や有機溶媒の水溶液などの中で混合し、必要に応じて所望のpHに調整した上で、上記の如き酵素のいずれかを添加して、所望の温度で保持して反応せしめればよい。反応に用いる糖類、pH、温度は、用いる酵素の性質、すなわち、基質特異性、至適pH、pH安定性、至適温度及び、温度安定性等に応じて選択される。これら酵素の性質は、例えば、朝倉書店発行の『酵素ハンドブック』(1982年)などに記載されている。また、同じ出願人による特開平3−7593号公報、特開平3−115292号公報、特開平4−13691号公報、特開平4−312597号公報及び特開平5−32690号公報には、シクロマルトデキストリン・グルカノトランスフェラーゼを用いるこれら酵素処理物の調製方法が種々詳述されている。また、斯かる酵素処理物として、市販品、例えば、東洋精糖製の酵素処理ルチンや酵素処理ヘスペリジン(別名、「糖転移ヘスペリジン」又は「糖転移ビタミンP」。)などを用いることも有利に実施することができる。
【0017】
この発明の組成物は、さらに、カフェイン含有植物の加工物及び/又はインディカン含有植物の加工物を含んでなる場合がある。この発明で用いるカフェイン含有植物の加工物とは、植物体ないしは細胞内にカフェインを含有する植物の物理的及び/又は化学的処理による加工物全般を包含し、原料・製造方法は問わない。カフェイン含有植物としては、例えば、パウリニア(Paullinia)属、コフィア(Coffea)属、茶(Thea sinensis)属又はコラ(Cola)属に属する植物などを挙げることができる。斯かる植物の加工物は、通常、カフェイン及び/又はその誘導体を含んでなる。この発明で用いるインディカン含有植物の加工物とは、植物体内ないし細胞内にインディカンを含有する植物の物理的及び/又は化学的処理による加工物全般を包含し、原料・製造方法は問わない。インディカン含有植物としては、例えば、蓼(Percicaria)属又はコマツナギ(Indigofera)属に属する植物を挙げることができる。斯かる植物の加工物は、インディカン及び/又はその誘導体を含む場合がある。
【0018】
この発明で用いるカフェイン含有植物ならびにインディカン含有植物の加工物の製造方法について説明すると、先ず、その原料としては、上記の如き植物から選ばれる1又は複数や、これらを常法により育種して得られる変異株などを挙げることができる。斯かる植物は、自生植物や栽培植物などの植物体であっても、また、組織培養、カルス培養、細胞培養などにより得られる培養物であってもよい。植物体を原料として用いる場合、その植物体全体であっても、また、根、茎、葉、花冠、花弁、花粉、雄しべ、雌しべ、種子、胚乳、根毛などから選ばれる1又は複数の特定の器官などの、植物体全体から分離された一部分であっても、いずれも有利に用いることができる。また、原料は新鮮な、すなわち、水分を含む状態であっても、乾燥させた状態であってもよい。カフェイン含有植物としては、とりわけ、パウリニアに属するガラナ(Guarana)の乾燥させた種子が、また、インディカン含有植物としては、とりわけ、蓼属に属する藍の新鮮な葉及び/又は茎が、この発明の実施に有用である。
【0019】
以上の如き原料に、食品工業や医薬品工業などにおいて通常一般に用いられる、物理的及び/又は化学的処理を施すことによりこの発明で用いるカフェイン含有植物及び/又はインディカン含有植物の加工物は得ることができる。例えば、通常の、細断、破砕、磨砕、粉砕、圧搾、発酵、抽出などの処理や、さらには、濾過、濃縮、乾燥などの処理を適宜組み合わせことにより、この発明で用いる当該加工物としての細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物、抽出物は得ることができる。
【0020】
この発明で用いるカフェイン含有植物及び/又はインディカン含有植物の加工物としての当該植物の抽出物の製造方法についてさらに詳細に説明すると、通常は、上述の如き原料に細断、磨砕、破砕等の適宜の処理を施した後、適宜の溶媒を用いて通常の抽出処理を施す。抽出溶媒としては、水や、水以外の水溶性の有機溶媒、水不溶性の有機溶媒等、いずれも適宜に用いることができるが、とりわけ、水、水溶性の有機溶媒、ないしは当該有機溶媒の水溶液を抽出溶媒として用いるのが、この発明の実施に有用である。水溶性の有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトンなどを挙げることができる。これら有機溶媒の水溶液を抽出溶媒として用いる場合、当該有機溶媒の濃度は問わないが、有機溶媒が体積比で70%以下の水溶液はこの発明の実施に有用である。適宜の緩衝剤等により抽出溶媒を所望のpHに保つことも随意である。以上の如き抽出溶媒を、前述の原料に適量、通常望ましくは、重量比で0.1乃至50倍量添加し、必要に応じて、撹拌処理や加熱処理を施し抽出する。濾過、遠心分離、デカンテーションなどの適宜の方法で、液体部分と残渣に分け、液体部分を採取すれば、この発明で用いるカフェイン含有植物及び/又はインディカン含有植物の抽出物を得ることができる。残渣にさらに繰り返し同様の抽出処理を施し、採取されるそれぞれの液体部分を合一して抽出物を得ることも随意である。また原料及び残渣に、2回以上の抽出処理を施す場合、それぞれ異なる抽出溶媒を用いて所望の液体部分のみを採取したり、これらを合一することによっても、この発明で用いる当該抽出物は得ることができる。
【0021】
当該抽出物に、さらに、適宜の精製処理を施し、カフェイン含有植物及び/又はインディカン含有植物の加工物として用いることも随意である。当該抽出物は、通常、アルカロイド、テルペノイド、ステロイド、フェノール類、色素などの二次代謝産物や、糖類、蛋白質、アミノ酸、核酸、ペプチド、脂質などを含み、これに斯界において通常用いられる精製手段のいずれかを適用すれば、これらから選ばれる1種又は2種以上の適宜の成分が精製される。目的とする成分の種類にもよるが、精製手段は、例えば、濾過、濃縮、遠心分離、晶析、溶媒分別、分別沈澱、透析、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー及び/又はイオン交換クロマトグラフィーなどから適宜の方法が選ばれる。
【0022】
以上のようにして得られるカフェイン含有植物及び/又はインディカン含有植物の加工物は、得られたそのままの形態でもこの発明に有利に用いることができるが、また、濃縮・乾燥等の処理をさらに施したり、さらには、後に詳述するような生理的に許容される適宜の成分を添加混合するなどして、液状、固状、粉状、ペースト状、半固状、乳液状、懸濁状等の適宜の形態として用いることも随意である。濃縮・乾燥には、通常の食品工業、医薬品工業などにおいて慣用の方法、例えば、真空濃縮、精密膜濃縮、逆浸透膜濃縮、限外濾過濃縮、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などはいずれも有利に適用することができる。
【0023】
上記の如き、この発明で用いるカフェイン含有植物の加工物は、通常、カフェイン及び/又はその誘導体を固形物換算で0.1乃至20%(w/w)の範囲で含む。当該加工物中のカフェイン及び/又はその誘導体は、例えば、逆相クロマトグラフィーを適用する高速液体クロマトグラフィー等により検出することができる。当該加工物の固形物含量は、例えば、第一法規出版発行の『第十三改正日本薬局方』(1996年)、34頁に記載の乾燥減量試験法や、同じく第一法規出版発行の『第十三改正日本薬局方』(1996年)、51乃至55頁に記載のカールフィッシャー法などにより水分を求め算出することがきる。
【0024】
この発明の組成物は、上述のパフィアの加工物とフラボノイドとを混合せしめ、さらに、必要に応じて、上述のカフェイン含有植物の加工物及びインディカン含有植物の加工物から選ばれる1種又は2種以上を混合せしめることにより得られる。混合の方法に制限はなく、食品工業や医薬品工業等において通常一般の技術はいずれも有利に適用される。各成分の配合比にも特に制限はないく、いずれも有利に用いることができるが、後に詳述する、この発明の組成物の種々の作用を全般的に効果的に発揮せしめる上では、パフィアの加工物に対し固形物重量換算で、フラボノイドを0.001乃至1倍量混合せしめるのが望ましい。カフェイン含有植物の加工物及びインディカン含有植物の加工物をさらに混合せしめる場合も配合比に特に制限はなく、いずれも有利に用い得るが、パフィアの加工物に対し固形物重量換算で、それぞれ、0.01乃至10倍量及び0.0001乃至0.1倍量混合せしめてなる組成物は、当該組成物の作用をより効果的に発揮せしめる上でさらに有用である。
【0025】
一方、パフィアの加工物に対し、固形物重量換算で、フラボノイドを0.0005乃至0.05倍量混合せしめてなるこの発明の組成物は、後述の種々の作用のうち、とりわけ免疫増強作用や向精神作用が特に顕著となる。パフィアの加工物に対し、固形物重量換算で、フラボノイドを0.01乃至2倍量混合せしめてなるこの発明の組成物は、とりわけ抗アレルギー作用が特に顕著となる。また、この発明の組成物の強精作用は、パフィアの加工物に対し、固形物重量換算で1乃至10倍量のカフェイン含有植物を混合せしめるとき特に顕著となる。
【0026】
以上の如きこの発明の組成物は、フラボノイド及びエクジステロンを、通常、固形物換算でそれぞれ、0.01乃至20%(w/w)及び0.0001乃至2%(w/w)含んでなる。当該組成物がカフェイン含有植物の加工物を含んでなる場合には、カフェインを固形物換算で、通常、0.001乃至4%(w/w)含んでなる。当該組成物は、配合される成分の種類・形状や調製方法などにより、液状、粉状、固状、半固形状、ペースト状又は懸濁状等、種々の形状となるが、いずれも有利に用いることができる。
【0027】
斯くして得られるこの発明の組成物は、免疫増強作用、抗アレルギー作用、向精神作用及び強精作用を顕著に示す。また、この発明の組成物は、これに含まれるパフィアにおいて従来から知られている作用、例えば、橋本ら、『ブラジル産薬用植物辞典』(1996年)、アボック社出版局発行、24乃至27頁に記載されているような、強壮作用、緩下作用、痔・下痢・腸の炎症・皮膚の傷・潰瘍などの治癒作用をも顕著に発揮する。さらに、この発明の組成物は、パフィア本来の苦味・えぐ味等の呈味が改善されているので、健康の維持・増進ならびに、疾患の治療・予防に奏功する経口摂取物として有用である。上記のような個々の作用は、互いに阻害し合うことなく協調して働き、しかもこの発明の組成物は毒性が極めて低いので、生体の抵抗力を高めたり、肉体的及び/又は精神的活力を高める、いわゆる、強壮剤として極めて有用である。また、この発明の組成物が、後述のように、糖質などの栄養源を含む場合、当該組成物は滋養強壮剤として極めて有用である。この発明の組成物は上記したような作用故に、治療・予防のための免疫増強剤、抗アレルギー剤、向精神剤及び/又は強精剤としても有用である。
【0028】
ここでいう免疫増強作用とは、ヒトを含む温血動物の、免疫担当細胞の増殖の促進、当該細胞の伸展の促進、当該細胞の分化の促進及び、当該細胞の活性化等の作用の1種又は2種以上の作用を言い、具体的には、(1)マクロファージなどの食細胞の増殖及び/又は伸展、骨髄幹細胞からの当該細胞への分化、当該細胞の食作用による異物の消化の増強、(2)ナチュラル・キラー細胞による腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの致死効果の増強、(3)B細胞の増殖、造血幹細胞からの当該細胞への分化、当該細胞による抗体産生能の増強、(4)細胞障害性T細胞の増殖、造血幹細胞からの当該細胞への分化、当該細胞による腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの致死効果の増強、(5)ヘルパーT細胞の増殖、造血肝細胞からの当該細胞への分化、又は種々のサイトカイン産生の増強による免疫系の賦活化、などの作用のうちの1種又は2種以上が挙げられる。
【0029】
ここでいう抗アレルギー作用とは、いわゆる、I乃至IV型アレルギーの抑制作用の1種又は2種以上を言う。例えば、(1)IgE抗体の産生の抑制、当該抗体のIgEレセプターへの結合及び、それに引き続いて起こるヒスタミン遊離等の各種生体反応の抑制などによるI型アレルギーの抑制、(2)貪食細胞やキラー細胞による標的細胞の破壊の抑制によるII型アレルギーの抑制、(3)生体内に生じた免疫複合体への補体の結合や、それに引き続いて起こるアナフィラトキシン形成等の補体系の活性化を抑制することなどによるIII型アレルギーの抑制、(4)T細胞の抗原による感作の抑制や、感作されたT細胞からの炎症性のサイトカイン産生の抑制などによるIV型アレルギーの抑制、などの作用のうちの1種又は2種以上が挙げられる。これらのうち、とりわけ、この発明の組成物はI型アレルギーの抑制に著効を発揮する。
【0030】
ここでいう向精神作用とは、精神神経の不安定や精神神経疾患の改善及び治療作用等の1種又は2種以上を言い、例えば、この発明の組成物は、不安・緊張を和らげる、いわゆる抗不安作用、抑鬱気分を改善する、いわゆる抗鬱作用、及び/又は精神刺激作用を示す。とりわけ、赤面などの対人恐怖の改善ないしは抑制に有効である。
【0031】
ここでいう強精作用とは、ヒトを含む温血動物の、男性及び/又は女性の生殖能力の向上をもたらす作用を言い、例えば、この発明の組成物は、男性における陰萎の改善、精子の活力の向上、精子形成能の向上、男性及び/又は女性における発情の促進等に奏功して所期の効果を発揮する。
【0032】
斯くしてこの発明の組成物は、免疫系の増強、アレルギー反応の抑制、精神的な安定及び/又は、精力の増強に奏功して生体を強壮にするほか、更年期障害の治療・予防、さらには、感受性疾患、例えば、細菌・ウイルス・真菌などの外来性の異物の生体内への侵入や、腫瘍細胞やウイルス感染細胞など内因性の異物の生体内での発生に伴う諸疾患、鼻炎、アナフィラキシー、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息、自己免疫性溶血性貧血、グッドパスチャー症候群、血清病、過敏性肺臓炎、接触性皮膚炎、リウマチ、潰瘍性大腸炎などアレルギー反応に伴う諸疾患、情緒不安定、対人恐怖症及び赤面症などの精神・神経系の諸疾患、陰萎などの生殖能力の低下を伴う諸疾患の治療・予防に効果を発揮する。
【0033】
ところで、この発明の組成物は、通常一般の経口摂取物に配合された形態をも包含する。経口摂取物としては、例えば、キャンディー、トローチ、ゼリー、グミ、チューインガム、チョコレート、ジュース、清涼飲料水、アルコール飲料、乳酸菌飲料、スポーツドリンク、ジャム、クリーム、クッキー、ビスケット、煎餅、クラッカー、うどん、そば、ソーセージ、ハム、蒲鉾、竹輪、半平、佃煮、即席ジュース、即席スープなどを挙げることができる。
【0034】
また、この発明の組成物は、以上に述べた成分以外の成分、すなわち、生理的に許容される、例えば、担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、安定剤、さらには、必要に応じて、他の生理活性物質の1又は複数との組成物としての形態をも包含する。安定剤としては、例えば、血清アルブミンやゼラチンなどの蛋白質、グルコース、シュクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなどの糖質、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトールなどの糖アルコール及び、クエン酸塩若しくは燐酸塩を主体とする緩衝剤が、また、併用し得る他の生理活性物質としては、例えば、シクロスポリン、FK506、シクロフォスファミド、ナイトロゲンマスタード、トリエチレンチオフォスファミド、ブズルファン、フェラミンマスタード、クロランブシル、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、6−アザグアニン、8−アザグアニン、フルオロウラシル、シタラビン、メトトレキサート、アミノプテリン、マイトマイシンC、塩酸ダウノルビシン、アクチノマイシンD、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、塩酸ドキソルビシン、サイクロスポリンA、L−アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ヒドロキシウレア、塩酸プロカルバジン、副腎皮質ホルモン、ルミン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、アミノ酸、金製剤、臭化カリウム、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ヨウ化カリウム、還元鉄、ヘパリンナトリウム、抱水クロラール、メプロバネート、オキサゾラム、フェニトイン、エルシナン、ニコチン酸アミド、クロレラエキス、アロエエキス、プロポリスエキス、スッポンエキス、カキニクエキス、薬用人参エキス、乳酸菌、酵母、ローヤルゼリーなどの他に、インターフェロン、ツモアー・ネクロシス・ファクター、エリトロポエチン、インターロイキン、サイトカイン受容体、当該受容体のアンタゴニストなどが挙げられる。
【0035】
さらに、この発明の組成物は、投薬単位形態の薬剤をも包含する。その投薬単位形態の薬剤とは、パフィアの加工物及びフラボノイドを、例えば、1回当りの用量又はその整数倍(4倍まで)若しくはその約数(1/40まで)に相当する量を含んでなり、投薬に適する物理的に一体の剤型にある薬剤を意味する。このような投薬単位形態の薬剤としては、注射剤、液剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、舌下剤、点眼剤、点鼻剤、坐剤、外用剤などが挙げられる。この発明の組成物は経口的に投与しても非経口的に投与してもよく、いずれの場合にも、感受性疾患の治療・予防に効果を発揮する。感受性疾患の種類・症状や、当該免疫疾患剤の組成にもよるが、具体的には、患者の症状や投与後の経過を観察しながら、パフィアの加工物及びフラボノイドの総量として固形物重量で、成人当り約0.1mg乃至10g/回、望ましくは、約1mg乃至1g/回で1乃至4回/日又は1乃至5回/週の用量で1日乃至1年間に亙って経口投与するか、皮内、皮下、筋肉内又は静脈内に非経口投与すればよい。
【0036】
以下の実験例1乃至7を示してこの発明の組成物の作用、呈味及び毒性について具体的に説明する。
【0037】
【実験例1】
〈加工物の調製〉
【0038】
【実験例1−1】
〈パフィア抽出物〉
ブラジル産のパフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)塊根の乾燥チップ3kgと脱イオン水45lを100l容のステンレス製ジョッキにとり、直火にかけ沸騰後40分間保持した。ざるで濾して濾液28.8kgを得た。残渣は再び同じジョッキに回収し、脱イオン水20lを加え、直火にかけ沸騰後30分間保持した。再びざるで濾して得た濾液19.6kgと、先に得た濾液を合一した。バスケット型遠心濾過機(日立鉄工所製)で処理して不溶物を除去した後、逆浸透膜(東洋紡製『ホロセップ HR5155F1』)を用いて約30l/時間の透過速度で処理して濃縮して重量10.7kgとした。この液をジャケット付きステンレスタンク中で、80℃で21時間半保持してさらに濃縮し、重量2770gの、パフィアの加工物としての、液状のパフィア抽出物を得た。固形物濃度は約50%(w/w)であった。
【0039】
上記の方法で得たパフィア抽出物の一部にエヌ・、ニシモトら、『ファイトケミストリー(Phytochemistry)』、第32巻、1,527乃至1,530頁(1993年)、に記載のエクジステロンの精製方法を適用して、針状の結晶を得た。常法にしたがい分析したところ、本結晶の融点は240乃至242℃、比旋光度は[α]D+89゜であった。これらの値は、エヌ・ニシモトら、『ファイトケミストリー(Phytochemistry)』、第26巻、2505頁(1987年)に記載のエクジステロンの理化学的性質とよく一致したことから、本結晶をエクジステロンと同定した。
【0040】
この結晶標品1mgを体積比15:85のアセトニトリル・水混液に溶解して全量を2mlとし、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、さらに同じ溶媒で希釈することにより、500μg/ml、200μg/ml、100μg/ml、50μg/mlの、エクジステロンの標準溶液を調製した。これら標準溶液の20μlずつを以下のように高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と略記する。)で分析した。すなわち、カラムとして資生堂製の『Capcell pak C18 AG120』を、溶離液として体積比15:85のアセトニトリル・水混液を用い、カラムを35℃で保持し、流速を0.5ml/分とした。検出は紫外可視分光検出器(日本分光工業製『875−UV型』)を用いて、240nmにおける吸光度を測定した。検出結果は、データ処理器(島津製作所製『CR−4A』)で処理した。その結果、標準溶液はいずれも溶出時間約17分の位置に主たるピークを与えた。本ピークがエクジステロンである。それぞれのピーク面積に基づき標準曲線を作成した。
【0041】
次に、上記の方法で得たパフィア抽出物1gを取り、体積比15:85のアセトニトリル・水混液を加えて全量25mlとした後、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過して濾液を採取した。この濾液20μlを、上記のエクジステロン精製標品の場合と同様にしてHPLC分析した。上述の標準溶液の分析で認められたピークと保持時間の一致するピークを検出し、当該ピーク面積を、前記で得た標準曲線に内挿して、上記の方法で得たパフィア抽出物が、固形物換算で約1%(w/w)のエクジステロンを含むことを確認した。
【0042】
【実験例1−2】
〈ガラナ粉砕物〉
ガラナの加工物として、ガラナ粉砕物(オノブラス(ONOBRAS)製『パウダード・ガラナ(powdered GUARANA)』)を用いた。以下に示すようにHPLCで分析してカフェインを検出した。先ず、和光純薬製の無水カフェインの1mg/ml水溶液を調製し、当該溶液の希釈により、250μg/ml、100μg/ml、50μg/ml、25μg/ml、10μg/mlの標準溶液を調製した。これら標準溶液それぞれ20μlずつを、カラムとして東ソー製の『TSK gel ODS−80TM』(内径4.6mm×長さ15cm)を用い、溶離液として5mMオクタンスルホン酸ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液(pH6.5)とメタノールの体積比4:1の混液を用いるHPLCに供した。流速は1.0ml/分、カラム温度は40℃とし、溶出液の270nmにおける吸光度を、紫外可視分光検出器(日本分光工業製『875−UV型』)で検出した。検出結果はデータ処理器(島津製作所製『CR−4A』)で処理した。いずれの溶液も、溶出時間約7分の位置に主たるピークを与えた。本ピークがカフェインである。それぞれのピーク面積に基づき標準曲線を作成した。一方、前記の『パウダード・ガラナ』75mgを試験管にとり、約10mlの蒸留水を加えて約15分間煮沸し、冷却の後、さらに蒸留水を加えて全量を25mlとした。当該溶液を、10,000回転で5分間遠心分離し、上清を回収した。この上清を、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、濾液の20μlを、標準溶液の分析と同様にしてHPLCで分析した。標準溶液の分析で認められたピークと溶出時間の一致するピークを検出し、当該ピークの面積を、先に作成しておいた標準曲線に内挿したところ、『パウダード・ガラナ』は固形物換算で約4%(w/w)のカフェインを含むものであった。
【0043】
【実験例1−3】
〈藍抽出物〉
植生の藍の葉及び茎を含む地上部分を収穫し、生重量で約10kg得た。混入している枯葉や雑草などを取り除き、水道水で洗浄の後、脱水し、チョッパー(大道産業製『モデルOMC−12』)で処理し、藍破砕物約10kgを得た。このうち370gに、脱イオン水555gと混合し、ブレンダー(トリオサイエンス製『トリオブレンダー』)で2分間処理した。遠心濾過して上澄液688gをステンレス製ジョッキに採取し、121℃で10分間オートクレーブし、放冷の後、4℃、15,000rpm、20分間の条件で遠心分離して形成される上清619gを採取した。この上清の固形物濃度は約1.9%であった。これに脱イオン水を加え、固形物濃度約1.0%の藍抽出物を調製した。
【0044】
【実験例2】
〈免疫増強作用〉
実験例1−1の方法で得たパフィア抽出物と、フラボノイドとして、酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)及び酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)を適宜配合し、精製水で希釈し、膜濾過により滅菌して、表1に示す組成の5種類の試料(試料番号1乃至5)を調製した。
【0045】
【表1】
【0046】
この5種類の試料の免疫増強作用を以下の様にして調べた。すなわち、常法にしたがって、BALB/cマウスの腹腔からマクロファージを採取し、96ウェルのマイクロ・プレートに播種して付着させた。これに、予め調製しておいた、上記5種類の試料を、10%(v/v)牛胎仔血清及び10mM Hepes緩衝液(pH7.4)を含むRPMI1640培地で100倍希釈した溶液をそれぞれ別々のウェルに1ウェル当たり0.1mlずつ添加し、5%CO2 インキュベーター中で37℃で5時間インキュベートした。各ウェルごとに写真撮影し、それぞれの、全マクロファージ数に対する伸展したマクロファージ数の百分率(%)を求めた。対照として、上記の試料の希釈物に代えて、10%(v/v)牛胎仔血清及び10mM Hepes緩衝液(pH7.4)を含むRPMI1640培地のみを添加する系を設けた。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2に示される結果において、各試料(試料番号1乃至5)を添加した系で求められた値と、対照の系で求められた値の差を、各試料によるマクロファージ活性化効果として評価すると、パフィア抽出物やフラボノイドには、顕著なマクロファージ活性化効果があることがわかる。さらに、このマクロファージ活性化効果は、パフィア抽出物とフラボノイドの併用により相乗的に強まる。このことは、試料番号4及び5の組成の、この発明の組成物が顕著な免疫増強作用を示すことを表している。なお、この実験例で用いたフラボノイドの酵素処理物は、生体内でグルコシダーゼの作用により本来のフラボノイドに変換されることは周知であり、したがって、以上の結果は、酵素処理物ではないフラボノイドも同等にこの発明に用い得ることをも示している。
【0049】
実験例1−1の方法で得たパフィア抽出物、実験例1−2に記載のガラナ粉砕物及び実験例1−3の方法で得た藍抽出物と、フラボノイドとして、酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)及び酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)を適宜配合し、精製水で希釈し、膜濾過により滅菌して、表3に示す組成の10種類の試料(試料番号6乃至15)を調製した。
【0050】
【表3】
【0051】
これら10種類の試料の免疫増強作用を、上述と同じ方法で調べ、同様にして対照との差により評価した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
先の試料番号4及び5の組成に、藍抽出物及び/又はガラナ粉砕物をさらに添加することにより、マクロファージ活性化効果はさらに一段と相乗的に強まった。このことは、この発明の組成物がいずれも顕著な免疫増強作用を示すことを表している。
【0054】
以上に示した実験例2で用いたパフィア抽出物に代えて、常法にしたがい調製したドクダミ抽出物、イチョウ抽出物及びクロレラ抽出物のいずれかを用いて、同様に試験した。これら抽出物は各地で古来より民間療法薬として用いられてきたものである。これら抽出物には、フラボノイドや、ガラナ粉砕物、藍抽出物がそれ自体で示すマクロファージ活性化効果の増強する作用は認められなかった。この結果は、この発明の組成物が、民間療法薬と天然物との配合品でありながら、極めて顕著な薬効を発揮することを示している。
【0055】
【実験例3】
〈抗アレルギー作用〉
実験例1−1の方法で得たパフィア抽出物、フラボノイドとして酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)、実験例1−2に記載のガラナ粉砕物及び、実験例1−3の方法で得た藍抽出物を配合し、精製水で希釈し、膜濾過により滅菌して、表5に示す組成の8種類の試料(試料番号16乃至23)を調製した。
【0056】
【表5】
【0057】
この8種類の試料の、実験動物の受動的感作皮膚アナフィラキシーに対する影響を比較することにより、抗アレルギー作用を調べた。受動的感作皮膚アナフィラキシーは、福田英臣ら、廣川書店発行、『続医薬品の開発 第2巻 病態動物モデル』(1993年)、95乃至96頁に記載のように、抗アレルギー剤のスクリーニング法として広く用いられていることから、被検試料の抗アレルギー作用の検討にも有効といえる。
【0058】
先ず、30匹の6週齢のウイスター雄性ラット(日本チャールズ・リバー)を常法により1週間予備飼育した。これらラットの背部を剃毛し、抗2,4−ジニトロフェニレイテッド・アスカリス・エキストラクト血清(エル・エス・エル製。以下、『抗DNP−AS血清』と略記する。)を、それぞれの皮内3箇所に0.1mlずつ注射し、感作した。感作の47時間後に、ラット1匹当たり、先に調製した8種類の試料のいずれか1gを経口投与した。対照として、試料に代えて滅菌蒸留水を経口投与する系を設けた。同一の試料を3匹ずつに同じ手順で投与した。さらに感作の48時間後に0.5mg/ml 2,4−ジニトロフェニレイテッド・アスカリス・エキストラクト(エル・エス・エル製。以下、『DNP−AS』と略記する。)を含む0.5%(w/v)エバンスブルーを含む生理食塩水1mlを尾静脈から投与し、受動的感作皮膚アナフィラキシーを惹起させた。DNP−AS投与の30分後に、常法により、放血致死せしめ、背部皮膚を剥離し、色素斑を一定の大きさで切り取り、エス・カタヤマら、『マイクロバイオロジー・イムノロジー(Microbiology Immunology)』、第22巻、89乃至101頁(1978年)に記載の方法に準じて、青染部の漏出色素量を測定した。すなわち、各皮膚片に1mlの1.2N 苛性カリを加え、37℃で15時間以上加温して皮膚組織を溶解した後に、9mlの0.6Nリン酸・アセトン混合液(5:13)を加えて色素を抽出した。常法により遠心分離の後、上清の620nmにおける吸光度を測定し、測定結果に基づき漏出色素量を算出した。投与した試料毎の、漏出色素量の平均値を表6に示した。
【0059】
【表6】
【0060】
表6に示すように、受動的感作皮膚アナフィラキシー反応ラットからの色素の漏出はパフィア抽出物やフラボノイドにより有意に抑制された。この抑制は、パフィア抽出物とフラボノイドの併用により相乗的に強まる。ここに藍抽出物及び/又はガラナ粉砕物を添加することにより、この抑制はさらに一段と相乗的に強まる。また、フラボノイドとしてここで用いた酵素処理ヘスペリジンに代えて、酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)を用いた場合にも、ほぼ同等の結果が得られた。なお、この実験例で用いたフラボノイドの酵素処理物は、生体内でグルコシダーゼの作用により本来のフラボノイドに変換されることは周知であり、したがって、この結果は、酵素処理物ではないフラボノイドも同等にこの発明に用い得ることを示している。以上の結果は、この発明の組成物が、顕著な抗アレルギー作用を示すことを表している。
【0061】
以上に示した実験例3で用いたパフィア抽出物に代えて、常法にしたがい調製したドクダミ抽出物、イチョウ抽出物及びクロレラ抽出物のいずれかを用いて、同様に試験した。これら抽出物は各地で古来より民間療法薬として用いられてきたものである。これら抽出物には、フラボノイドや、ガラナ粉砕物、藍抽出物がそれ自体で示す抗アレルギー作用を増強する作用は認められなかった。この結果は、この発明の組成物が、民間療法薬と天然物との配合品でありながら、極めて顕著な薬効を発揮することを示している。
【0062】
【実験例4】
〈向精神作用〉
実験例1−1の方法で得たパフィア抽出物、フラボノイドとして酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)、実験例1−2に記載のガラナ粉砕物及び、実験例1−3の方法で得た藍抽出物を適宜配合して、精製水で希釈し、膜濾過により滅菌して、表7に示す組成の8種類の試料(試料番号24乃至31)を調製した。
【0063】
【表7】
【0064】
これらの試料の向精神作用を、森本ら、『日薬理誌』、第104巻、39乃至49頁(1994年)に記載の回転棒法に準じて調べた。すなわち、5週齢の雄性スプラギュー−ダウレイ(Sprague−Dawley)ラットを、毎分6回転する直径1.2cmの木製棒上に1匹につき5乃至6回乗せた。その後ラットが回転棒上から落下するまでの時間(以下、この実験例3においては「反応時間」という。)を測定し、2乃至3回の反応時間がほぼ一定のラットを選び、上記の試料を経口投与した。投与は、ラット1匹当たり1gとし、対照として滅菌蒸留水を同様に投与する系を設けた。同一の試料をそれぞれ3匹のラットに同一の手順で投与した。試料の投与の1時間後、各ラットの反応時間を測定し、試料毎の平均値を求めた。試料の投与前の各ラットの反応時間を1とし、各試料投与系の反応時間を相対的に表し対照と比較した。投与した試料毎の、反応時間の相対値の平均値を表8に示した。
【0065】
【表8】
【0066】
表8に示すように、ラットの反応時間はパフィア抽出物やフラボノイドにより、対照に比べて顕著に延長された。この、対照に対して延長された反応時間の長さは、パフィア抽出物とフラボノイドの併用により相乗的に増大する。ここに藍抽出物及び/又はガラナ粉砕物を添加することにより、この延長された反応時間はさらに一段と相乗的に増大する。また、フラボノイドとしてここで用いた酵素処理ヘスペリジンに代えて、酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)を用いた場合にも、ほぼ同等の結果が得られた。なお、この実験例で用いたフラボノイドの酵素処理物は、生体内でグルコシダーゼの作用により本来のフラボノイドに変換されることは周知であり、したがって、この結果は、酵素処理物ではないフラボノイドも同等にこの発明に用い得ることを示している。以上の結果は、この発明の組成物が、顕著な向精神作用を示すことを表している。
【0067】
【実験例5】
〈強精作用〉
実験例3で調製し、表5に示した組成の、8種類の試料(試料番号16乃至23)の、実験マウスにおける精子形成能を比較して強精作用を調べた。先ず、18週齢の雄性ICRマウスに、1匹当たり、1回当たり0.5gのいずれかの試料を経口投与した。投与は1週間5回のスケジュールで3週間続け、合計15回行った。対照として、滅菌蒸留水を同様に投与する系を設けた。同一の試料の投与を、それぞれをマウス3匹ずつに対して行った。試料の投与終了の翌日に、アマシャム製の細胞増殖検出キットに添付のブロモデオキシウリジン標識試薬を、マウス1匹当たり0.5ml腹腔内に投与し、その2時間後にマウスより睾丸を摘出し、10%緩衝ホルマリン液に2日間浸漬した。浸漬の後、常法により、パラフィン包埋切片を作成し、細胞増殖検出キット(アマシャム製)に添付の抗ブロモデオキシウリジン・モノクローナル抗体を用いて、添付のプロトコールに従い、細胞内に取り込まれたブロモデオキシウリジンを免疫組織化学染色により検出して増殖細胞数すなわち、各試料の精子形成能を調べた。増殖細胞は、顕微鏡(100倍)観察して一視野内に認められた、染色された細胞数をカウントし、試料毎の染色された細胞数の平均値を求め、対照を1とした相対値として表した。結果を表9に示す。
【0068】
【表9】
【0069】
表9に示すように、染色された細胞数はパフィア抽出物やフラボノイドの投与により顕著に上昇した。この上昇は、パフィア抽出物とフラボノイドの併用により相乗的に強まる。さらに、ここに藍抽出物及び/又はガラナ粉砕物を添加することにより、この上昇はさらに一段と相乗的に強まる。また、フラボノイドとしてここで用いた酵素処理ヘスペリジンに代えて、酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)を用いた場合にも、ほぼ同等の結果が得られた。なお、この実験例で用いたフラボノイドの酵素処理物は、生体内でグルコシダーゼの作用により本来のフラボノイドに変換されることは周知であり、したがって、この結果は、酵素処理物ではないフラボノイドも同等にこの発明に用い得ることを示している。以上の結果は、この発明の組成物が、顕著な強精作用を有することを示している。
【0070】
【実験例6】
〈組成物の呈味〉
実験例1−1の方法で得たパフィア抽出物と、フラボノイドとして、酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)及び酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPS』)、及びスクロースを適宜配合し、精製水で希釈し、膜濾過により滅菌して、表10に示す組成の7種類の試料(試料番号32乃至38)を調製した。
【0071】
【表10】
【0072】
この7種類の試料の呈味をパネルテストにより評価した。すなわち、先ず、室温24℃に保った室内に上記の試料を設置し、男性10名及び女性6名のパネラーに、個々にスプーン1杯程度のそれぞれの試料を適宜試飲させ、試飲後、各試料につき(A)全く抵抗なく経口摂取できる、(B)苦味・えぐ味はあるものの経口摂取は十分可能である、(C)苦味・えぐ味が強すぎて経口摂取がつらい、の3段階で評価させた。試料毎に、それぞれの評価を与えたパネラーの人数を合計した。結果を表11に示す。
【0073】
【表11】
【0074】
表11に示されるように、パフィア抽出物とフラボノイドを配合するすることにより、パフィア本来の呈味は著しく改善される。また、試料番号36及び37の組成に、さらにガラナ粉砕物や藍抽出物を配合して同様にパネルテストをしたところ、やはり経口摂取は容易であることが確認された。以上の結果は、この発明の組成物は、パフィア本来の苦味・えぐ味が著しく低減されていることを示している。
【0075】
【実験例7】
〈急性毒性〉
7週齢のdd系マウス(体重約19乃至21g)を使用して、実験例2で調製した試料番号8乃至15の組成の組成物及び、実験例3で調製した試料番号20乃至23の組成の組成物を凍結乾燥した上で、経口投与して急性毒性を試験したところ、いずれも1匹当たり0.5gの投与量までは死亡例は認められず、それ以上の投与は困難であった。以上のことは、この発明の組成物の毒性が極めて低いことを示している。
【0076】
以下に実施例を示し、この発明の組成物につき、さらに具体的に説明する。
【0077】
【実施例1】
〈粉末状組成物〉
実験例1−1に示す方法で得た、固形物濃度約50%の、液状のパフィア抽出物2770gに、トレハロース(林原製『トレハオース』)6879gを加え、万能混合撹拌機(ダルトン製『5DM』)を用いて5回に分けて処理して混合し、乾燥機(ヤマト製『DK83』)中で60℃で17時間保持し、さらに、真空乾燥機(ヤマト製)中で減圧下60℃で4時間半保持して乾燥させた。粉砕機(ダルトン製『パワーミル P−3』)を用いて粉砕し、パフィア抽出物含有粉末8645gを得た。
【0078】
酵素処理ヘスペリジン(東洋精糖製『αGヘスペリジンPA』)100gと、トレハロース(林原製『トレハオース』)900gとを、万能混合撹拌機(ダルトン製『5DM』)を用いて混合し、粉砕機(ダルトン製『パワーミルP−3』)を用いて粉砕し、フラボノイド含有粉末を得た。
【0079】
実験例1−3に示す方法で得た、固形物濃度約1.9%の、液状の藍抽出物619gに、トレハロース(林原製『トレハオース』)8636gを加えて混合し、室温下で15時間保持した。ダルトン製の粉砕機『パワーミルP−3』を用いて粉砕し、藍抽出物含有粉末9141gを得た。
【0080】
以上のようにして得た、パフィア抽出物含有粉末 700g、フラボノイド含有粉末 100g、藍抽出物含有粉末 100g及び、実験例1−2に記載のガラナ粉砕物 100gを万能混合機(ダルトン製『5DM』)で混合し、粉末状のこの発明の組成物を得た。実験例1−1及び1−3に記載の方法に準じて分析したところ、本品は、固形物換算で約0.05%(w/w)のエクジステロンと、約0.4%(w/w)のカフェインを含んでいた。
【0081】
本品は、パフィア本来の苦味・えぐ味が低減されており、なおかつトレハロースのまろやかな甘みを呈するので、経口摂取が容易である。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著な上、これら作用は互いに阻害し合うことなく協調して働くので、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。しかも、本品はトレハロースを含むことにより栄養豊富である上、毒性が極めて低い。以上の如き性質を有するこの発明の組成物は、健康の維持・増進や、免疫疾患、アレルギー疾患、精神神経疾患及び/又は性能力の低下などの感受性疾患の治療・予防・回復の促進などに、食品分野や医薬品分野において有利に利用できる。
【0082】
【実施例2】
〈タブレット状組成物〉
実施例1の方法で得た粉末状組成物と、日本感光色素研究所製の細胞賦活剤『ルミン』とを混合し、直径12mm、20R杆を用いて常法により打錠して、製品重量当たり約2%のルミンを含む、タブレット状のこの発明の組成物を得た。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著なことに加え、細胞賦活効果をも発揮し、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。しかも、本品はトレハロースを含むことにより栄養豊富である上、毒性が極めて低い。以上の如き性質を有するこの発明の組成物は、健康の維持・増進や、免疫疾患、アレルギー疾患、精神神経疾患及び/又は性能力の低下などの感受性疾患の治療・予防・回復の促進などに、食品分野や医薬品分野において有利に利用できる。
【0083】
【実施例3】
〈乳液状組成物〉
実験例1−1に示す方法で得た固形物濃度約50%の液状のパフィア抽出物1kgと、酵素処理ルチン50g(東洋精糖製『αGルチンPA』)とを均一に混合した後、凍結乾燥した。この凍結乾燥品100gに対し、トレハロース(林原製『トレハオース』)250g、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル50g、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール100g、親油型モノステアリン酸グリセリン100g、ベヘニルアルコール50g及びアボガド油100gの割合で加え、さらにビタミンE及び防腐剤の適量を加え、常法に従って加熱溶解し、これに1,3−ブチレングリコール500g、カルボキシビニルポリマー10g及び精製水8.5kgを加え、ホモゲナイザーにかけて乳化し、乳液状のこの発明の組成物を調製した。本品を皮膚や粘膜などに適用すれば、本品の有する免疫増強作用が発揮される。さらに本品は抗アレルギー作用を有しているので、安心して適用することができる。これら作用に加え、本品は保湿性にも優れているので、皮膚癌の治療・予防や、日焼け止め、色白剤などとして、化粧品分野や医薬品分野において有利に利用できる。
【0084】
【実施例4】
〈ハードキャンディー〉
トレハロース含有水飴(林原製『トレハスター』)300gに対し、還元麦芽糖水飴(水分25%)800gを加えて混合溶解し、減圧下で水分が2%未満になるまで濃縮し、これにクエン酸10g及び適量のレモン香料と着色料とを混和し、さらに、実施例3に示す方法で得た凍結乾燥品10gを加えて混和した。次いで、常法に従って成形し、この発明の組成物を含んでなるハードキャンディーを調製した。本品は、上品な甘味に加え適度の苦味を有し、吸湿性少なく、ダレを起こしにくい歯切れの良いハードキャンディーである。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著な上、これら作用は互いに阻害し合うことなく協調して働くので、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。過労、加齢、寒冷条件、栄養不良などに伴う種々の生体機能の減退時の滋養強壮や、他の治療方法による治療効果を促進するのに有用である。
【0085】
【実施例5】
〈清涼飲料〉
実施例1の方法で得た粉末状組成物100g、異性化糖50g、クエン酸0.5g及びL−アスコルビン酸0.5gに水を加えて全量を1kgとして、この発明の組成物を含んでなる清涼飲料を調製した。本品は、まろやかな甘味と適度の苦味に加え、さわやかな風味を呈する嗜好性に優れた製品である。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著な上、これら作用は互いに阻害し合うことなく協調して働くので、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。過労、寒冷条件、栄養不良などに伴う種々の生体機能の減退時の滋養強壮や、他の治療方法による治療効果を促進するのに有用である。
【0086】
【実施例6】
〈合成酒〉
30v/v%アルコール水溶液6518g、70%ぶどう糖水溶液600g、マルトテトラオース含有水飴(林原製『テトラップ』)50g、コハク酸11.1g、75%乳酸水溶液3.66g、グルタミン酸ナトリウム2.3g、グリシン1.2g、アラニン1.2g、コハク酸ナトリウム2.22g、食塩1.6g、天然塩1.4g、実施例1の方法で得た粉末状組成物200g及び水2500gを混合して、アルコール含量約20v/v%の原酒を得た。これを水で希釈して、アルコール含量15乃至16v/v%の、この発明の組成物を含んでなる合成酒を調製した。本品は、まろやかな甘みに加え、適度の苦味を有する上品な風味のアルコール飲料である。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著な上、これら作用は互いに阻害し合うことなく協調して働くので、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。過労、加齢、寒冷条件、栄養不良などに伴う種々の生体機能の減退時の滋養強壮や、他の治療方法による治療効果を促進するのに有用である。
【0087】
【実施例7】
〈チューインガム〉
実施例1の方法で得た粉末状組成物2重量部、グルコース6重量部及び、柔らかくなる程度に加熱溶融したガムベース2重量部を加えて混合し、さらに適量のハッカ香料を混合した後、常法にしたがってロールにより練り合わせ、成形することによってこの発明の組成物を含んでなるチューインガムを製造した。本品は、まろやかな甘味と適度の苦味に加え、さわやかな風味を呈するテクスチャーに優れた製品である。本品は、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用が顕著な上、これら作用は互いに阻害し合うことなく協調して働くので、摂取したとき肉体的・精神的に生体に活力が与えられる。過労、寒冷条件、栄養不良などに伴う種々の生体機能の減退時の強壮に有利に利用できる。
【0088】
【実施例8】
〈座剤〉
実験例1−1に示す方法で得た固形物濃度約50%の液状のパフィア抽出物1kgと、酵素処理ルチン(東洋精糖製『αGルチンPA』)5gとを均一に混合した後、凍結乾燥した。この凍結乾燥品100gに対し、ポリエチレングリコール#1000を720g、ポリエチレングリコール#4000を180gの割合で混合せしめ、常法にしたがって、座剤としてのこの発明の組成物を調製した。本品を投与すれば、その免疫増強作用により、大腸や直腸近傍の腫瘍性疾患、例えば、大腸癌や結腸癌などの治療・予防・回復の促進に著効を発揮する。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したごとく、この発明は、パフィアの加工物とフラボノイドとを含んでなる組成物が、免疫増強作用・抗アレルギー作用・向精神作用・強精作用を顕著に示し、健康の維持・増進や疾患の治療・予防に有効であるという全く独自の知見に基づくものである。この発明の組成物を生体に投与したとき、個々の作用は互いに阻害し合わず協調して働くので、肉体的及び/又は精神的に生体に活力が与えられる。さらに、この発明の組成物は、パフィア本来の苦味・えぐ味が低減されている上、毒性が極めて低い。したがって、この発明の組成物は経口的に用いる強壮剤として極めて有用である。また、糖類等の栄養源をさらに含んでなるこの発明の組成物は、滋養強壮剤として極めて有用である。この発明の組成物は、以上の如き顕著な作用を示すので、治療・予防のための感受性疾患剤としても極めて有用である。
【0090】
この発明は、斯くも顕著な作用効果を奏する発明であり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のある発明である。
Claims (11)
- パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)の加工物、並びにヘスペリジン及びルチンから選ばれるフラボノイドを含んでなる免疫増強剤及び/又は向精神剤としての組成物。
- パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)の加工物が、当該植物の根の細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物及び/又は抽出物である請求項1に記載の組成物。
- パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)の抽出物が、当該植物の根を水及び/又はアルコールで抽出して得られる請求項2に記載の組成物。
- パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)の加工物がエクジステロンを含んでなる請求項1、2又は3に記載の組成物。
- エクジステロンを固形物換算で0.0001乃至2%(w/w)含んでなる請求項4に記載の組成物。
- パフィア・グロメラータ(Pfaffia glomerata)の加工物に対し、ヘスペリジン及びルチンから選ばれるフラボノイドを固形物重量換算で0.0005乃至0.05倍量の範囲で含有せしめてなる請求項1、2、3、4又は5に記載の組成物。
- ガラナの加工物及び/又は藍の加工物をさらに含んでなる請求項1、2、3、4、5、又は6に記載の組成物。
- ガラナの加工物が、当該植物の種子の細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物及び/又は抽出物であり、藍の加工物が、当該植物の葉及び/又は茎の細断物、破砕物、磨砕物、粉砕物、圧搾物、発酵物及び/又は抽出物である請求項7に記載の組成物。
- ガラナの抽出物が、当該植物の種子を水及び/又はアルコールで抽出して得られ、藍の抽出物が当該植物の葉及び/又は茎を水及び/又はアルコールで抽出して得られる請求項8に記載の組成物。
- パフィア属に属する植物の加工物に対し、ガラナの加工物を固形物重量換算で0.01乃至10倍量の範囲で含有せしめてなる請求項8又は9に記載の組成物。
- パフィア属に属する植物の加工物に対し、藍の加工物を固形物換算で0.0001乃至0.1倍量の範囲で含有せしめてなる請求項8、9、又は10に記載の組成物。
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