JP2007042783A - 酸化物半導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】両方の導電形をとり得る新たな酸化物半導体を提供する。
【解決手段】ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物に、不純物としてニオブ(Nb)が添加されたものである。ビスマス(Bi)とチタン(Ti)と酸素とから構成された金属酸化物は、例えば、Bi4Ti3O12である。Bi4Ti3O12において、Nbは、Tiの格子点に入り、等極結合を作る際に近隣の他のTiイオンに対して電子を放出してイオン化するドナーである。従って、Nbが添加されたBi4Ti3O12は、n形の半導体となる。
【選択図】 図1
【解決手段】ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物に、不純物としてニオブ(Nb)が添加されたものである。ビスマス(Bi)とチタン(Ti)と酸素とから構成された金属酸化物は、例えば、Bi4Ti3O12である。Bi4Ti3O12において、Nbは、Tiの格子点に入り、等極結合を作る際に近隣の他のTiイオンに対して電子を放出してイオン化するドナーである。従って、Nbが添加されたBi4Ti3O12は、n形の半導体となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属酸化物から構成されてn形及びp形の両方の導電形の状態が得られる酸化物半導体に関する。
In2O3,ZnO,SnO2などのバンドギャップエネルギーの大きな酸化物半導体は、例えば透明電極などに利用され、特に、直接遷移型の半導体となるZnOは、発光素子や受光素子の材料として研究されている。このような特徴を備えた酸化物半導体として、n形になる材料は、上述したIn2O3、ZnO、SnO2に加え、CdO,SrTiO3などがある。これらは、最も安定な酸化数よりも1つ低い酸化数でもほぼ安定な金属の酸化物であり、このような金属酸化物であれば、n形となり得る。また、p形になる酸化物半導体としては、NiO,CoO,MnO,Bi2O3,Cr2O3などがある。これらは、最も安定な酸化数よりも1つ大きい酸化数でもほぼ安定な金属の酸化物であり、このような金属酸化物であれば、p形となり得る。これら酸化物半導体の適用例として、例えば、SrTiO3を用いてトランジスタを構成した例が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上述した酸化物半導体では、不純物の添加により導入されるキャリアの種類は、酸素欠損による補償効果のため、構成元素によりほぼ決定され、いずれか一方の導電形しか得られていない。このため、上述した従来よりある酸化物半導体でpn接合を構成しようとすると、異なる材料を組み合わせる必要があり、良質の接合界面を実現することが容易ではなく、応用の範囲が限定されるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、両方の導電形をとり得る新たな酸化物半導体を提供することを目的とする。
本発明に係る酸化物半導体は、ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物と、この金属酸化物に添加された不純物とから構成され、不純物はニオブ,バナジウム,及びカルシウムの少なくとも1つである。この酸化物半導体において、不純物が、ニオブ及びバナジウムの少なくとも1つであれば、金属酸化物はn形の半導体となる。また、不純物が、カルシウムであれば、金属酸化物はp形の半導体となる。なお、金属酸化物は、Bi4Ti3O12である。
以上説明したように、本発明によれば、ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物に、ニオブ,バナジウム,及びカルシウムの少なくとも1つを不純物として添加するようにしたので、両方の導電形をとり得る新たな酸化物半導体が得られるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における酸化物半導体の構成例を示す説明図である。図1に示す酸化物半導体は、ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物に、不純物としてニオブ(Nb)が添加されたものである。ビスマス(Bi)とチタン(Ti)と酸素とから構成された金属酸化物は、例えば、Bi4Ti3O12である。Bi4Ti3O12において、NbはTiの格子点に選択的に入り、等極結合を作る際に近隣の他のTiイオンに対して電子を放出してイオン化するドナーである。従って、Nbが添加されたBi4Ti3O12は、n形の半導体となる。添加されたNbより放出された電子(e-)は、キャリアとなり、例えば電界が印加されることにより、図1(b)に示すように、さらに隣のTiイオンに移動し、Ti4+をTi3+とする。
Nbは、例えば、イオン注入法により添加することができる。また、例えばスパッタ法によりBi4Ti3O12を形成するときに、Nbが添加されているターゲットを用いることで、Nbが添加されたBi4Ti3O12の薄膜が形成可能である。同様に、抵抗化熱真空蒸着法によりBi4Ti3O12を形成するときに、蒸着源にNbも加えることで、Nbが添加されたBi4Ti3O12の薄膜が形成可能である。不純物として導入されるNb(Nb5+)は、イオン半径が0.064nmであり、Ti(Ti4+)のイオン半径(0.060nm)と近いため、結晶構造を歪ませることが抑止される。なお、Nbの代わりに、バナジウム(V)を添加することでも、ビスマスとチタンと酸素とから構成されたn形の酸化物半導体が得られる。VはNbと同様に、5価の陽イオンとなり、イオン半径が0.054nmであり、上述したNbの場合と同様である。
また、図2に示すように、ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物に、不純物としてカルシウム(Ca)が添加された状態とすることで、p形の酸化物半導体が得られる。例えば、Bi4Ti3O12において、CaはBiの格子点に選択的に入り、等極結合を作る際に近隣の他のBiイオンより電子を奪ってイオン化するアクセプタである。従って、Caが添加されたBi4Ti3O12は、p形の半導体となる。添加されたCaに電子が奪われて形成されて正孔は、キャリアとなり、例えば電界が印加されることにより、図2(b)に示すように、さらに隣のイオンに移動し、Bi3+をBi5+とする。
Caは、例えば、イオン注入法により添加することができる。また、例えばスパッタ法によりBi4Ti3O12を形成するときに、Caが添加されているターゲットを用いることで、Caが添加されたBi4Ti3O12の薄膜が形成可能である。同様に、抵抗化熱真空蒸着法によりBi4Ti3O12を形成するときに、蒸着源にCaも加えることで、Caが添加されたBi4Ti3O12の薄膜が形成可能である。不純物として導入されるCa(Ca2+)は、イオン半径が0.100nmであり、Bi(Bi3+)のイオン半径(0.102nm)と近いため、結晶構造を歪ませることが抑止される。
上述したように、Bi4Ti3O12は、導入する(添加する)不純物により、n形の酸化物半導体及びp形の酸化物半導体のいずれかの状態をとり得る。Bi4Ti3O12を構成するTiは、電子を生成し、Biは正孔を生成する。これら元素の性質により、Bi4Ti3O12は、「Bi3+ 4(Ti4+ 1-yTi3+ y)3O2- 12-1.5y」と「(Bi3+ 1-xBi5+ x)4Ti4+ 3O2- 12+4x」との2つの状態が熱的に安定して存在する。前者はn形となり、後者はp形となる。これらの状態を安定に実現するためには、前者には、NbもしくはVが添加され、後者にはCaが添加されていればよい。
次に、不純物の添加量とキャリア濃度との関係について説明する。図3は、Nbが添加されたBi4Ti3O12における不純物の添加量とキャリア濃度との関係を示す特性図であり、添加されるNbの量が増加するに従い、キャリア密度が増加している。また、図4は、Caが添加されたBi4Ti3O12における不純物の添加量とキャリア濃度との関係を示す特性図であり、添加されるCaの量が増加するに従い、キャリア密度が増加している。これらのように、図1,2に示す酸化物半導体によれば、添加される不純物の濃度によりキャリアの密度が制御可能である。
Claims (4)
- ビスマスとチタンと酸素とから構成された金属酸化物と、
この金属酸化物に添加された不純物とから構成され、
前記不純物はニオブ,バナジウム,及びカルシウムの少なくとも1つである
ことを特徴とする酸化物半導体。 - 請求項1記載の酸化物半導体において、
前記不純物は、ニオブ及びバナジウムの少なくとも1つであり、
前記金属酸化物はn形の半導体である
ことを特徴とする酸化物半導体。 - 請求項1記載の酸化物半導体において、
前記不純物は、カルシウムであり、
前記金属酸化物はp形の半導体である
ことを特徴とする酸化物半導体。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物半導体において、
前記金属酸化物は、Bi4Ti3O12である
ことを特徴とする酸化物半導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005224062A JP2007042783A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 酸化物半導体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005224062A JP2007042783A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 酸化物半導体 |
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Family
ID=37800505
Family Applications (1)
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JP2005224062A Pending JP2007042783A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 酸化物半導体 |
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JP (1) | JP2007042783A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020098934A (ja) * | 2013-06-28 | 2020-06-25 | 株式会社リコー | 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置及びシステム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11251593A (ja) * | 1997-12-24 | 1999-09-17 | Texas Instr Inc <Ti> | ゲルマニウム層を使用した大誘電率ゲートの構造と方法 |
JP2003060170A (ja) * | 2001-08-16 | 2003-02-28 | Canon Inc | 酸化物半導体を用いた強誘電体メモリ素子 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224062A patent/JP2007042783A/ja active Pending
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JPH11251593A (ja) * | 1997-12-24 | 1999-09-17 | Texas Instr Inc <Ti> | ゲルマニウム層を使用した大誘電率ゲートの構造と方法 |
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