ところで、ICタグやICタグ付シートにおいて、アンテナ(アンテナ用導電体)と接続して基材上に配置されたICチップは、基材からICチップの厚み分だけ突出する。
したがって、保管や輸送のため、ICタグ付シートを巻き取り、あるいは、適当な長さのICタグ付シートを重ねた場合、荷姿が安定しない、ICチップに大きな荷重が負荷されICチップが破損される、ICチップとアンテナとの電気的接続が損なわれる、ICタグ付シートからICチップが脱落する、といった種々の不具合が生じる。
また、通常、ICタグの基材表面には該ICタグの製造ロットや製造者名等の製造情報が印刷等によって書き込まれる。しかしながら、ICチップの突出によって書き込み面である基材表面が平坦とならないため、書き込み時に、印字抜けやICチップを破損してしまう、といった不具合も生じる。
さらに、ICタグを製品等の貼付対象物(被搭載物)に貼り付ける場合には、その後のICチップの損傷を防止するため、ICタグのICチップ側の面が貼付対象物に対面するようにして貼り付けられる。しかしながら、ICチップが突出しているため、ICチップを貼付対象物に堅固かつ安定して貼り付けることが困難となる。また、そもそも、個々のICタグに対して、ICチップが突出した面に接着剤等を適切に塗布していくこと自体が煩雑かつ困難である。
これらの不具合はアンテナ上に固定されるインターポーザについても同様に生じている。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、最終的に貼付対象物に固定するまでのICタグの製造効率および作業効率を害することなく、ICチップの突出量を少なくとも低減させて、これにより、ICチップの突出に起因する種々の不具合を緩和させるようにすることを主目的とする。
本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、この主目的を十分に達成することができる、ICタグとICタグに付着した粘着層とを備えたICタグ粘着体、剥離シートと剥離シート上に設けられたICタグ粘着体とを備えたICタグ粘着体付剥離シート、ICタグ粘着体付剥離シートに用いられるICタグ粘着体付剥離シート用材料、ICタグ粘着体に用いられるICタグ粘着体用材料の巻体、ICタグ粘着体付剥離シートの製造方法、ICタグ粘着体付剥離シート用材料の製造方法、およびICタグ粘着体用材料の巻体の製造方法、並びに、インターポーザとインターポーザに付着した粘着層とを備えたインターポーザ粘着体、剥離シートと剥離シート上に設けられたインターポーザ粘着体とを備えたインターポーザ粘着体付剥離シート、インターポーザ粘着体付剥離シートに用いられるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料、インターポーザ粘着体に用いられるインターポーザ粘着体用材料の巻体、インターポーザ粘着体付剥離シートの製造方法、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料の製造方法、およびインターポーザ粘着体用材料の巻体の製造方法を発明した。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シートは、基材と、基材上に形成されたアンテナと、アンテナと電気的に接続され、基材から突出したICチップと、を有するICタグと、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面と、ICタグのICチップが突出している側と、の間に設けられた粘着層と、を備え、剥離シートおよび粘着層に、ICタグの突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなICタグ粘着体付剥離シートによれば、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICタグ粘着体付剥離シートにおけるICチップの突出量を低減することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シートを重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、ICタグを粘着層とともに剥離シートから簡単に剥がすことができ、貼付対象物に粘着層を介してICタグをそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができ、これにより、ICタグをより堅固かつ安定して貼付対象物に固定することができる。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シートにおいて、ICタグのICチップの厚みが、剥離シートおよび粘着層の合計厚み以下となっていることが好ましい。
また、本発明によるICタグ粘着体付剥離シートにおいて、ICタグがICチップとアンテナとを電気的に接続させる接続部材をさらに有し、貫通孔がICチップとともに接続部材を受けるようにしてもよい。
さらに、本発明によるICタグ粘着体付剥離シートにおいて、アンテナがアンテナの所定の部分間を短絡させるブリッジを有し、剥離シートおよび粘着層にブリッジを受ける貫通孔が形成されていてもよい。
さらに、本発明によるICタグ粘着体付剥離シートが、剥離シート上に、それぞれ別個の粘着層を介して設けられた複数のICタグを備えるようにしてもよい。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シートは、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであって、基材と、基材上に形成されアンテナに接続される接続部材と、接続部材と電気的に接続され基材から突出したICチップと、を有するインターポーザと、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面と、インターポーザのICチップが突出している側と、の間に設けられた粘着層と、を備え、剥離シートおよび粘着層に、インターポーザの突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなインターポーザ粘着体付剥離シートによれば、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけインターポーザ粘着体付剥離シートにおけるICチップの突出量を低減することができる。したがって、インターポーザ粘着体付剥離シートを重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、インターポーザを粘着層とともに剥離シートから簡単に剥がすことができ、アンテナ上に粘着層を介してインターポーザをそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができ、これにより、インターポーザをより堅固かつ安定してアンテナ上に固定することができる。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シートにおいて、インターポーザのICチップの厚みが、剥離シートおよび粘着層の合計厚み以下となっていることが好ましい。
また、本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シートが、剥離シート上に、それぞれ別個の粘着層を介して設けられた複数のインターポーザを備えるようにしてもよい。
本発明によるICタグ粘着体は、基材と、基材上に形成されたアンテナと、アンテナと電気的に接続され、基材から突出したICチップと、を有するICタグと、ICタグのICチップが突出している側に付着した粘着層と、を備え、粘着層に、ICタグの突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなICタグ粘着体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICタグ粘着体におけるICチップの突出量を低減することができる。これにより、ICタグをより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
本発明によるICタグ粘着体において、ICタグのICチップの厚みが、粘着層の厚み以下となっていることが好ましい。
また、本発明によるICタグ粘着体において、ICタグがICチップとアンテナとを電気的に接続させる接続部材をさらに有し、貫通孔がICチップとともに接続部材を受けるようにしてもよい。
さらに、本発明によるICタグ粘着体において、アンテナがアンテナの所定の部分間を短絡させるブリッジを有し、剥離シートおよび粘着層にブリッジを受ける貫通孔が形成されていてもよい。
本発明によるインターポーザ粘着体は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであって、基材と、基材上に設けられアンテナに接続される接続部材と、接続部材と電気的に接続され基材から突出したICチップと、を有するインターポーザと、インターポーザのICチップが突出している側に付着した粘着層と、を備え、粘着層に、インターポーザの突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなインターポーザ粘着体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけインターポーザ粘着体におけるICチップの突出量を吸収することができる。これにより、ICタグをより堅固かつ安定してアンテナ上に貼り付けることができる。
本発明によるインターポーザ粘着体において、インターポーザのICチップの厚みが、粘着層の厚み以下となっていることが好ましい。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シート用材料は、アンテナを有するICタグと、剥離シートと、ICタグと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたICタグ粘着体付剥離シートに用いられるICタグ粘着体付剥離シート用材料であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体と電気的に接続され、シート状基材から突出した複数のICチップと、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面と、シート状基材のICチップが突出している側の面およびアンテナ用導電体の少なくともいずれかと、の間に設けられた粘着層と、を備え、剥離シートおよび粘着層に、突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなICタグ粘着体付剥離シート用材料によれば、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICタグ粘着体付剥離シート用材料におけるICチップの突出量を吸収することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート用材料を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材(シート状基材)表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、ICタグ粘着体付剥離シート用材料をICチップ毎に切断するだけで、ICタグ粘着体付剥離シートを得ることができる。そして、このICタグ粘着体付剥離シートによれば、ICタグを粘着層とともに剥離シートから簡単に剥がすことができ、貼付対象物に粘着層を介してICタグをそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができ、これにより、ICタグをより堅固かつ安定して貼付対象物に固定することができる。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シート用材料において、ICチップの厚みが、剥離シートおよび粘着層の合計厚み以下となっていることが好ましい。
また、本発明によるICタグ粘着体付剥離シート用材料が、ICチップとアンテナ用導電体とを電気的に接続させる接続部材用導電体を、さらに備え、貫通孔がICチップとともに接続部材用導電体を受けるようにしてもよい。
さらに、本発明によるICタグ粘着体付剥離シート用材料において、アンテナ導電体がアンテナ用導電体の所定の部分間を短絡させるブリッジ用導電体を有し、剥離シートおよび粘着層にブリッジ用導電体を受ける貫通孔が形成されていてもよい。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、剥離シートと、インターポーザと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体付剥離シートに用いられるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数の接続部材を形成する接続部材用導電体と、接続部材用導電体と電気的に接続され、シート状基材から突出した複数のICチップと、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面と、シート状基材のICチップが突出している側の面および接続部材用導電体の少なくともいずれかと、の間に設けられた粘着層と、を備え、剥離シートおよび粘着層に、突出したICチップを受ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
このようなインターポーザ粘着体付剥離シート用材料によれば、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけインターポーザ粘着体付剥離シート用材料におけるICチップの突出量を吸収することができる。したがって、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材(シート状基材)表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料をICチップ毎に切断するだけで、インターポーザ粘着体付剥離シートを得ることができる。そして、このインターポーザ粘着体付剥離シートによれば、インターポーザを粘着層とともに剥離シートから簡単に剥がすことができ、アンテナ上に粘着層を介してインターポーザをそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができ、これにより、インターポーザをより堅固かつ安定してアンテナ上に固定することができる。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料おいて、ICチップの厚みが、剥離シートおよび粘着層の合計厚み以下となっていることが好ましい。
本発明によるICタグ粘着体用材料の巻体は、アンテナを有するICタグと、ICタグに付着した粘着層と、を備えたICタグ粘着体に用いられるICタグ粘着体用材料を巻き取ったものであって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体と電気的に接続され、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面から突出した複数のICチップと、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上およびアンテナ用導電体上の少なくともいずれかに設けられた粘着層と、を備え、粘着層に突出したICチップを受ける貫通孔が形成されているICタグ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取ったことを特徴とする。
このようなICタグ粘着体用材料の巻体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICタグ粘着体用材料におけるICチップの突出量を低減することができる。したがって、巻体の荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、ICタグ粘着体用材料の巻体からICタグ粘着体用材料を巻きほどくとともに、これをICチップ毎に切断するだけで、貼付対象物にそのまま貼り付けることができるICタグ粘着体を得ることができる。そして、このICタグ粘着体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。これにより、ICタグをより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
本発明によるICタグ粘着体用材料の巻体において、ICチップの厚みが、粘着層の厚み以下となっていることが好ましい。
また、本発明によるICタグ粘着体用材料の巻体において、ICタグ粘着体用シートがICチップとアンテナ用導電体とを電気的に接続させる接続部材用導電体をさらに備え、貫通孔がICチップとともに接続部材用導電体を受けるようになっていてもよい。
さらに、本発明によるICタグ粘着体用材料の巻体において、アンテナ用導電体がアンテナ用導電体の所定の部分間を短絡させるブリッジ用導電体を有し、粘着層に、ブリッジ用導電体を受ける貫通孔が形成されていてもよい。
本発明によるインターポーザ粘着体用材料の巻体は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、インターポーザに付着した粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体に用いられるインターポーザ粘着体用材料を巻き取ったものであって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数の接続部材を形成する接続部材用導電体と、接続部材用導電体と電気的に接続され、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面から突出したICチップと、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上および接続部材用導電体上の少なくともいずれかに設けられた粘着層と、を備え、粘着層に突出したICチップを受ける貫通孔が形成されているインターポーザ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取ったことを特徴とする。
このようなインターポーザ粘着体用材料の巻体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけインターポーザ粘着体用材料におけるICチップの突出量を低減することができる。したがって、巻体の荷姿を安定させることができるとともに、ICチップに負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、インターポーザ粘着体用材料の巻体からインターポーザ粘着体用材料を巻きほどくとともに、これをICチップ毎に切断するだけで、アンテナ上にそのまま貼り付けることができるインターポーザ粘着体を得ることができる。そして、このインターポーザ粘着体によれば、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。これにより、インターポーザをより堅固かつ安定してアンテナ上に貼り付けることができる。
本発明によるインターポーザ粘着体用材料の巻体において、ICチップの厚みが、粘着層の厚み以下となっていることが好ましい。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シートの製造方法は、アンテナを有する1つ以上のICタグと、剥離シートと、ICタグと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたICタグ粘着体付剥離シートを製造する方法であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に設けられ、切断されてまたはそのままで1つ以上のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、シート状基材上のアンテナ用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するICタグ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、ICタグ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、ICタグ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、ICタグ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、積層体と重ね合わされたICタグ付シート側から積層体の剥離シートまで入り込む切り込みをICチップ毎に形成して、基材と、アンテナ用導電体から形成されるアンテナと、アンテナに接続されたICチップと、を有するICタグであって積層体上に支持されたICタグを作製する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてICタグ粘着体付剥離シートが製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層を積層体の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体に貫通孔を設けることによって、剥離シートおよび粘着層の各々に互いに対して位置合わせされた貫通孔を一度に形成することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シートを安価かつ容易に製造することができる。また、製造されたICタグ粘着体付剥離シートにおいては、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シートの製造方法において、ICタグを作製する工程の後に、ICタグ付シートのICタグを形成する部分以外の部分を、この部分に対面する粘着層とともに、剥離シートから剥離させて取り除く工程を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シートの製造方法は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、剥離シートと、インターポーザと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体付剥離シートを製造する方法であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に設けられ、切断されてまたはそのままで1つ以上の接続部材を形成する接続部材用導電体と、シート状基材上の接続部材用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するインターポーザ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、インターポーザ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、インターポーザ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、インターポーザ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、積層体と重ね合わされたインターポーザ付シート側から積層体の剥離シートまで入り込む切り込みをICチップ毎に形成して、基材と、接続部材用導電体から形成される接続部材と、接続部材に接続されたICチップと、を有するインターポーザであって積層体上に支持されたインターポーザを作製する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてインターポーザ粘着体付剥離シートが製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層を積層体の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体に貫通孔を設けることによって、剥離シートおよび粘着層の各々に互いに対して位置合わせされた貫通孔を一度に形成することができる。したがって、インターポーザ粘着体付剥離シートを安価かつ容易に製造することができる。また、製造されたインターポーザ粘着体付剥離シートにおいては、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シートの製造方法において、インターポーザを作製する工程の後に、インターポーザ付シートのインターポーザを形成する部分以外の部分を、この部分に対面する粘着層とともに、剥離シートから剥離させて取り除く工程を、さらに備えるようにしてもよい。
本発明によるICタグ粘着体付剥離シート用材料の製造方法は、アンテナを有するICタグと、剥離シートと、ICタグと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたICタグ粘着体付剥離シートに用いられるICタグ粘着体付剥離シート用材料を製造する方法であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に設けられ、切断されてまたはそのままで1つ以上のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、シート状基材上のアンテナ用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するICタグ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、ICタグ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、ICタグ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、ICタグ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてICタグ粘着体付剥離シート用材料が製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層を積層体の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体に貫通孔を設けることによって、剥離シートおよび粘着層の各々に互いに対して位置合わせされた貫通孔を一度に形成することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート用材料を安価かつ容易に製造することができる。また、製造されたICタグ粘着体付剥離シート用材料においては、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。
本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料の製造方法は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、剥離シートと、インターポーザと剥離シートとの間に設けられた粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体付剥離シートに用いられるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料を製造する方法であって、帯状に延びるシート状基材と、シート状基材上に形成され、切断されてまたはそのままで1つ以上の接続部材を形成する接続部材用導電体と、シート状基材上の接続部材用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するインターポーザ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、インターポーザ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、インターポーザ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、インターポーザ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてインターポーザ粘着体付剥離シート用材料が製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層を積層体の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体に貫通孔を設けることによって、剥離シートおよび粘着層の各々に互いに対して位置合わせされた貫通孔を一度に形成することができる。したがって、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料を安価かつ容易に製造することができる。また、製造されたインターポーザ粘着体付剥離シート用材料においては、突出したICチップが剥離シートおよび粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、少なくとも剥離シートおよび粘着層の合計厚み分だけICチップの突出量を低減することができる。
本発明による第1のICタグ粘着体用材料の巻体の製造方法は、アンテナを有するICタグと、ICタグに付着した粘着層と、を備えたICタグ粘着体に用いられるICタグ粘着体用材料の巻体を製造する方法であって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に形成され、切断されてまたはそのままで1つ以上のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、シート状基材上のアンテナ用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するICタグ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、ICタグ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、ICタグ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、ICタグ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、剥離シートを粘着層から剥離させて取り除きICタグ粘着体用材料を作製する工程と、ICタグ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取る工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明による第2のICタグ粘着体用材料の巻体の製造方法は、アンテナを有するICタグと、ICタグに付着した粘着層と、を備えたICタグ粘着体に用いられるICタグ粘着体用材料の巻体を製造する方法であって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に形成され、切断されてまたはそのままで1つ以上のアンテナを形成するアンテナ用導電体と、シート状基材上のアンテナ用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するICタグ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、ICタグ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、積層体の剥離シートを粘着層から剥離させて、剥離シートと粘着層とを分離する工程と、剥離シートと分離された粘着層の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、ICタグ付シートと粘着層とを重ね合わせてICタグ粘着体用材料を作製する工程と、ICタグ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取る工程と、を備えたことを特徴とする。
このような本発明による第1および第2のICタグ粘着体用材料の巻体の製造方法によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてICタグ粘着体用材料が製造されていく。したがって、取り扱いが困難な粘着層に貫通孔を容易に形成し、ICタグ粘着体用材料を安価かつ容易に製造することができる。また、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、得られたICタグ粘着体用材料においては、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量が低減され得る。
本発明による第1のインターポーザ粘着体用材料の巻体の製造方法は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、インターポーザに付着した粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体に用いられるインターポーザ粘着体用材料の巻体を製造する方法であって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に形成され、切断されてまたはそのままで1つ以上の接続部材を形成する接続部材用導電体と、シート状基材上の接続部材用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するインターポーザ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、インターポーザ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、インターポーザ付シートのICチップが配置された側と積層体の粘着層側とが対面するとともに積層体の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、インターポーザ付シートと積層体とを重ね合わせる工程と、剥離シートを粘着層から剥離させて取り除きインターポーザ粘着体用材料を作製する工程と、インターポーザ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取る工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明による第2のインターポーザ粘着体用材料の巻体の製造方法は、アンテナと接続されてICタグを構成するインターポーザであってICチップとICチップをアンテナに電気的に接続させる接続部材とを有したインターポーザと、インターポーザに付着した粘着層と、を備えたインターポーザ粘着体に用いられるインターポーザ粘着体用材料の巻体を製造する方法であって、一方の面だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材と、シート状基材の剥離処理をなされていない側の面上に形成され、切断されてまたはそのままで1つ以上の接続部材を形成する接続部材用導電体と、シート状基材上の接続部材用導電体と電気的に接続された1つ以上のICチップと、を有するインターポーザ付シートを準備する工程と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シートと、剥離シートの剥離処理をなされた面上に積層された粘着層と、を有する積層体を準備する工程と、インターポーザ付シートにおけるICチップの配置に対応して、積層体に貫通孔を形成する工程と、積層体の剥離シートを粘着層から剥離させて、剥離シートと粘着層とを分離する工程と、剥離シートと分離された粘着層の貫通孔内にICチップが配置されるようにして、インターポーザ付シートと粘着層とを重ね合わせてインターポーザ粘着体用材料を作製する工程と、インターポーザ粘着体用材料を、粘着層がシート状基材の剥離処理をなされている側の面に対面するようにして巻き取る工程と、を備えたことを特徴とするインターポーザ粘着体用材料の巻体の製造方法である。
このような本発明による第1および第2のインターポーザ粘着体用材料の巻体の製造方法によれば、剥離シートと粘着層とを有した積層体を用いてインターポーザ粘着体用材料が製造されていく。したがって、取り扱いが困難な粘着層に貫通孔を容易に形成し、インターポーザ粘着体用材料を安価かつ容易に製造することができる。また、突出したICチップが粘着層に設けられた貫通孔内に配置されているので、得られたインターポーザ粘着体用材料においては、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップの突出量が低減され得る。
本発明によれば、最終的に貼付対象物に貼り付けるまでのICタグの製造効率および作業効率を害することなく、ICチップの突出量を少なくとも低減させて、これにより、ICチップの突出に起因する種々の不具合を緩和させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図17は本発明によるICタグ粘着体付剥離シート、ICタグ粘着体、ICタグ粘着体付剥離シート用材料、ICタグ粘着体用材料、ICタグ粘着体付剥離シートの製造方法、ICタグ粘着体付剥離シート用材料の製造方法、ICタグ粘着体用材料の製造方法、インターポーザ粘着体付剥離シート、インターポーザ粘着体、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料、インターポーザ粘着体用材料、インターポーザ粘着体付剥離シートの製造方法、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料の製造方法、およびインターポーザ粘着体用材料の製造方法の一実施の形態を示す図である。
<ICタグ粘着体付剥離シートおよびICタグ粘着体>
このうちまず、主に図1乃至7を用い、ICタグ粘着体付剥離シート14およびICタグ粘着体12を説明する。またこれらを説明した後に、インターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体12aについて説明する。
図1および図2に示すように、ICタグ粘着体付剥離シート14は、基材30と、基材30上に形成されたアンテナ34と、アンテナ34と電気的に接続され、基材30から突出したICチップ32と、を有するICタグ10と、一方の面46が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46と、ICタグ10のICチップ32が突出している側の面と、の間に介在する粘着層40と、を備えている。また、剥離シート45および粘着層40に、ICタグ10の突出したICチップ32を受ける貫通孔47,42が形成されている。
一方、ICタグ粘着体12は、上述したICタグ10と、ICタグ10のICチップ32が突出している側の面に付着した粘着層40と、を備えている。このようなICタグ粘着体12は、ICタグ粘着体付剥離シート14から剥離シート45を取り除いたものである。上述したように、剥離シート45の粘着層40と対面する側の面46が剥離処理をなされているため、粘着層40は剥離シート45よりもICタグ10へ強い粘着力(接着力)で固定されている。したがって、剥離シートから45からICタグ10を引き剥がそうとすると、粘着層40はICタグ10に付着したままICタグ10とともに剥離シート40から引き剥がされる。すなわち、ICタグ粘着体付剥離シート14から所謂シール状のICタグ粘着体12を得ることができ、得られたICタグ粘着体12を貼付対象物へ粘着層40を介しそのまま貼り付けることができる。
以下、ICタグ粘着体付剥離シート14およびICタグ粘着体12の細部について説明していく。
まず、ICタグ10について説明する。
ICタグ10は、通信用の電磁波を発する図示しない外部装置(リーダ・ライタ等)に接近させることにより、あるいは、物理的に接触させることにより(電気的な接続ではない)、アンテナ34を介して情報の送受信、例えば、ICタグ10のICチップ32に記録された情報の読み取りや、ICチップ32への情報の書き込みまたは修正等を行うことができるようになっている。したがって、ICチップ32には、少なくともこのような機能を果たすためのIC回路が書き込まれている。
図2に示すように、ICチップ32は、IC回路が書き込まれたICチップ本体33aと、ICチップ本体33aの下面から突出し、ICチップ本体33aのIC回路と電気的に接続された(導通された)一対の接続電極(バンプとも呼ぶ)33b,33bを有している。
一方、ICチップ32と電気的に接続されるアンテナ34は、例えば紙やPETからなる非導電性の基材30上に支持されている。アンテナ34は、例えば、スクリーン印刷機を用いて導電性インキを基材30上に塗布することにより、あるいは基材上に銅やアルミニウム等からなる導電性箔を転写することにより、あるいは基材上に形成された銅やアルミニウム等からなる導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングすることのより、基材30上に形成され得る。なお、アンテナ34に対面する基材30の形状は、アンテナ34を安定して支持することができる限りにおいて、特に限定されるものではなく、種々の形状を採用することができる。
図1および図2に示す例において、アンテナ34は、一対の略棒状からなる導電体によって形成されており、いわゆるダイポールアンテナとして機能するようになっている。図2に示すように、ICチップ32は、その接続電極33bがアンテナ34と対面するようにしてアンテナ34上に配置されている。そして、ICチップ32は、アンテナ34上に図示しない接着剤等により固定されており、ICチップ32自身の厚み分だけ基材30上に突出している。ICチップ32の一対の接続電極33b,33bは、アンテナ34を形成する一対の導電体とそれぞれ電気的に接続されている。この電気的接続は種々の方法によって達成することができ、例えば、接続電極33bとアンテナ34との単なる接触によるものであってもよく、あるいは超音波接合によるものであってもよく、あるいは接着剤を介した接続であってもよい。
このような構成からなるICタグ10のICチップ32が配置された側の面に、略均一な厚みを有する粘着層40が付着している。図1および図2に示すように、粘着層40は貫通孔42を形成されており、この貫通孔42内にICタグ10の突出したICチップ32を収容(配置)するようになっている。したがって、このような粘着層40は、ICタグ10のICチップ32が配置された側の面における、ICチップ32が配置されていない領域、すなわち、基材30上に形成された平坦なアンテナ34上に主に配置されている。このため、粘着層40は、自身の粘着力(接着力)によりICタグ10上に堅固かつ安定して付着(固着あるいは固定)した状態となっている。
また、粘着層40上に設けられた剥離シート45は略均一な厚みを有し、例えば、紙やPETからなっている。上述したように剥離シート45の粘着層40に対面する側の面は剥離処理をなされているが、この剥離処理は、例えば、紙やPETの表面にシリコン粒子を塗布することによって行われる。この剥離処理により、粘着層40の剥離シート45への粘着力(接着力)が低減されるようになる。
また、図1および図2に示すように、剥離シート45にも貫通孔47が形成されている。この剥離シート45の貫通孔47は粘着層40の貫通孔42と隣接するよう連続して配置され、互いに連通している。したがって、この貫通孔47内にICタグ10の突出したICチップ32が収容(配置)されるようになっている。
なお、ICタグ10のICチップ32の厚みが剥離シート45と粘着層40との積層体20の厚み以下または積層体20の厚み未満となっていることが好ましく、ICチップ32の厚みが粘着層40の厚み以下または積層層40の厚み未満となっていることがさらに好ましい。ICチップ32の厚みが粘着層40の厚み以下である場合には、ICタグ10のアンテナ34上に設けられたICチップ32を剥離シート45および粘着層40の貫通孔47,42内に完全に収容することができ、また、ICチップ32の厚みが粘着層40の厚み以下である場合には、ICチップ32を粘着層40の貫通孔42内に完全に収容することができる。
このような本実施の形態におけるICタグ粘着体付剥離シート14によれば、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に配置されているので、少なくとも剥離シート45および粘着層40の合計厚み分だけICタグ10におけるICチップ32の突出量を低減することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート14を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材30表面の凹凸(うねり、段差)が少なくとも抑制されるので、この基材30表面へ製造情報等の書き込みを正確に行うこともできる。さらに、ICタグ10を粘着層40とともに剥離シート45から簡単に剥がすことができ、貼付対象物に粘着層40を介してICタグ10をそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけICチップ32の突出量を吸収することができ、これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
また、このような本実施の形態におけるICタグ粘着体12によれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。また貼付対象物へICタグ10を貼り付けた状態における、基材30表面の凹凸(うねり、段差)が少なくとも抑制されるので、基材30表面への製造情報等の書き込みを正確に行うことができる。
なお、上述した実施の形態において、アンテナ34がダイポールアンテナとして機能する一対の略棒状の導電体からなる例を示したが、これに限られない。非接触状態での通信に用いられる電磁波によっては、アンテナ34が種々の形状を有するように構成され、例えば、図3乃至図5並びに図6および図7に示すように、アンテナ34がコイル状アンテナから形成されることもある。
以下、図3乃至図5並びに図6および図7に示すICタグ10、粘着層40、剥離シート45、並びに、これらによって構成されるICタグ粘着体付剥離シート14およびICタグ粘着体12の変形例について説明する。なお、図3乃至図7において、図1および図2に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図3乃至図5に示す第1の変形例においては、ICタグ10のアンテナ34がコイル状からなり、最内周と最外周とを電気的に接続させる(短絡させる)ためのブリッジ35を有している点において、図1および図2に示す実施の形態とは異なる。図4に示された本変形例において、ブリッジ35は粘着層39を介して基材30上に固定された金属板等のブリッジ用導電体37を有している。ブリッジ用導電体37は、例えば、銀ペースト29等を介して基材30上に形成されたアンテナ34と電気的に接続されている。そして、このようなICタグ10の第1の変形例においては、図4および図5に示すように、ICチップ32を受ける貫通孔42,47とは別に、ブリッジ35(ブリッジ用導電体37)を受ける貫通孔42,47が粘着層40および剥離シート45に設けられている。したがって、これらの貫通孔47,42が、ICチップ32だけでなくブリッジ35(ブリッジ用導電体37)をも収容するようになっている。この場合、ブリッジ35、少なくともブリッジ用導電体37の厚みが剥離シート45と粘着層40との積層体20の厚み以下または積層体20の厚み未満となっていることが好ましく、ブリッジ35、少なくともブリッジ用導電体37の厚みが粘着層40の厚み以下または粘着層40の厚み未満となっていることがさらに好ましい。
なお、上述したブリッジ用導電体37を有するブリッジ35の構成およびアンテナ34への接続方法は単なる例示であって、既知である種々のブリッジ35の構成およびアンテナ34への接続方法を採用することができる。
一方、図6および図7に示す第2の変形例においては、ICタグ10のアンテナ34上に、インターポーザ10aと、インターポーザ10aに付着した粘着層40と、を有したインターポーザ粘着体12aが設けられている点で、図1および図2に示す実施の形態および図3乃至図5に示す変形例と異なる。図4に示されているように、インターポーザ10aは、アンテナ34と接続されてICタグ10を構成するものであって、ICチップ32と、ICチップ32をアンテナ34に接続される接続部材34aと、を有しており、図1および図2に示された一対の略棒状の導電体をアンテナ34として有するICタグ10と類似している。このようなインターポーザ10aおよびインターポーザ粘着体12aについては後に詳述する。このICタグ10の第2の変形例においては、図4に示すように、剥離シート45および粘着層40に形成された貫通孔47,42が、ICチップ32だけでなく接続部材34a(接続部材用導電体36a)を含んだインターポーザ粘着体12aを収納するようになっている。
以上のような第1および第2の変形例によれば、ICタグ10におけるインターポーザ10aやブリッジ35の突出をも貫通孔47,42によって低減することができるようになっている。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート14を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32、ICチップ32を含むインターポーザ10a、およびブリッジ35に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材30表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。したがって、アンテナ34上でインターポーザ10aやブリッジ35がずれてしまうことが格段に抑制される。さらに、貼付対象物に粘着層40を介してICタグ10を貼り付けた場合、ICチップ32だけでなく基材30から突出したインターポーザ10aやブリッジ35も粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけこれらの突出量を低減することができ、これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
なお、図1、図3、および図5に示された例において、ICタグ粘着体付剥離シート14が、それぞれ別個の粘着層40を介して剥離シート45上に粘着保持された複数のICタグ10を備えている例を示したが、これに限られず、ICタグ粘着体付剥離シート14が1つのICタグ10のみを備えるようにしてもよい。
<インターポーザ粘着体付剥離シートおよびインターポーザ粘着体>
次に、本発明によるインターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体12aの一実施の形態について説明する。
図4に示されているように、インターポーザ10aは、アンテナ34と接続されてアンテナ34とともにICタグ10を構成するものであって、ICチップ32と、ICチップ32をアンテナ34に接続するための一対の略棒状の導電体からなる接続部材34aと、を有する。このようなインターポーザ10aは、ICチップ32に接続された導電体の用途がアンテナ34を形成することであるか、あるいはICチップ32をアンテナ34へ接続することであるかといった点において、図1および図2に示す一対の略棒状の導電体からなるアンテナ34を有したICタグ10と相違する。そして、用途の相違にともなった導電体(アンテナ34および接続部材34a)の大きさの相違を除けば、一対の略棒状の導電体からなるアンテナ34を有したICタグ10とインターポーザ10aとを同一に構成することができる。そこで、図1および図2を用い、インターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体12aについて説明するとともに、上述した、ICタグ粘着体付剥離シート14およびICタグ粘着体12と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明を省略する。
図1および図2に示されているように、インターポーザ粘着体付剥離シート14aは、基材30と、基材30上に形成された接続部材34aと、接続部材34aと電気的に接続され、基材30から突出したICチップ32と、を有するインターポーザ10aと、一方の面46が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46と、インターポーザ10aのICチップ32が突出している側の面と、の間に介在する粘着層40と、を備えている。また、剥離シート45および粘着層40に、インターポーザ10aの突出したICチップ32を受ける貫通孔47,42が形成されている。
一方、インターポーザ粘着体12aは、上述したインターポーザ10aと、インターポーザ10aのICチップ32が突出している側の面に付着した粘着層40と、を備えている。このようなインターポーザ粘着体12aはインターポーザ粘着体付剥離シート14aから剥離シート45を取り除いたものである。そして、図4に示すように、インターポーザ粘着体12aをアンテナ34上に粘着層40を介し貼り付け固定することができ、貼り付けられたインターポーザ粘着体12aはアンテナとともにICタグ10を構成するようになる。
ICチップ32と電気的に接続される接続部材34aは、上述したアンテナ34と同様に、例えば、スクリーン印刷機を用いて導電性インキを基材30上に塗布することにより、あるいは基材上に銅やアルミニウム等からなる導電性箔を転写することにより、あるいは基材上に形成された銅やアルミニウム等からなる導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングすることのより、基材30上に形成され得る。なお、接続部材34aに対面する基材30の形状は、接続部材34aを安定して支持することができる限りにおいて、特に限定されるものではなく種々の形状を採用することができ、例えば、接続部材34aよりも小形状にしてもよい。
ICチップ32は、その接続電極33bが接続部材34aと対面するようにして接続部材34a上に配置されている。そして、ICチップ32は、接続部材34a上に図示しない接着剤等により固定され、ICチップ32の一対の接続電極33b,33bが、接続部材34aを形成する一対の導電体とそれぞれ電気的に接続されている。この電気的接続は種々の方法によって達成することができる。
インターポーザ10aにおいて、ICチップ32は自身の厚み分だけ基材30上から突出している。そして、基材30上から突出したICチップ32は、粘着層40および剥離シート45にそれぞれ形成された貫通孔42,47に収容(配置)されている。なお、インターポーザ10aのICチップ32の厚みが剥離シート45と粘着層40との積層体20の厚み以下または積層体20の厚み未満となっていることが好ましく、ICチップ32の厚みが粘着層40の厚み以下または粘着層40の厚み未満となっていることがさらに好ましい。
このような本実施の形態におけるインターポーザ粘着体付剥離シート14aによれば、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に収納されているので、少なくとも剥離シート45および粘着層40の合計厚み分だけ接続部材34aからのICチップ32の突出量を吸収することができる。したがってインターポーザ粘着体付剥離シート14aを重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材30表面の凹凸(うねり、段差)が少なくとも抑制されるので、この基材30表面へ製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、インターポーザ10を粘着層40とともに剥離シート45から簡単に剥がすことができ、アンテナ34上に粘着層40を介してインターポーザ10aをそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができ、これにより、インターポーザ10aをより堅固かつ安定してアンテナ34上に貼り付けることができる。
また、このような本実施の形態におけるインターポーザ粘着体12aによれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を吸収することができる。これにより、インターポーザ10aをより堅固かつ安定してアンテナ34上に貼り付けることができる。またアンテナ34上へインターポーザ10aを貼り付けた状態における、基材30表面の凹凸(うねり、段差)が少なくとも抑制されるので、基材30表面への製造情報等の書き込みを正確に行うことができる。
なお、図1に示された例において、インターポーザ粘着体付剥離シート14aが、それぞれ別個の粘着層40を介して剥離シート45に粘着保持された複数のインターポーザ10aを備えている例を示したが、これに限られず、インターポーザ粘着体付剥離シート14aが1つのインターポーザ10aのみを備えるようにしてもよい。
<ICタグ粘着体付剥離シートの製造方法、並びに、ICタグ粘着体付剥離シート用材料およびその製造方法>
次に、主に図8乃至図および図14を用い、ICタグ粘着体付剥離シート14の製造方法、並びに、ICタグ粘着体付剥離シート14に用いられるICタグ粘着体付剥離シート用材料16およびその製造方法について説明する。またこれらを説明した後、同様に、インターポーザ粘着体付剥離シート14aの製造方法、並びに、インターポーザ粘着体付剥離シート14aに用いられるインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aおよびその製造方法について説明する。
図14は、ICタグ粘着体付剥離シート14の製造方法を示す概略図である。図14においては、図1および図2に示す一対の略棒状の導電体からなるアンテナ34を有するICタグ10を備えたICタグ粘着体付剥離シート14が製造される例を示している。したがって、図14に示すとともに以下に説明する製造方法において、導電体(アンテナ34)の大きさを適宜変更することにより、導電体の大きさを除けば同一構成とすることができるインターポーザ10aを備えたインターポーザ粘着体付剥離シート14aを、当然に同様の方法で製造することができる。
ICタグ粘着体付剥離シート14を製造する場合、まず、帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数のアンテナ34を形成するアンテナ用導電体36と、シート状基材31上のアンテナ用導電体36と電気的に接続されシート状基材31から突出した複数のICチップ32と、を有するICタグ付シート(ICタグ用材料とも呼ぶ)24を準備し送り込んでいく。なお、このようなICタグ付シート24は、例えば、上述した特許文献1(特開2005−63201号公報)に開示された方法等によって製造され得る。
図8および図9、並びに図10および図11にICタグ付シートの一例が示されている。図8および図9に示すICタグ付シート24は、シート状基材31の長手方向に沿って配置された多数対のアンテナ用導電体36を有しており、各対のアンテナ用導電体36,36がそのままICチップ32に接続されてアンテナ34を形成するようになっている。一方、図10および図11に示すICタグ付シート24は、シート状基材31の長手方向に沿って延び互いから離間して配置された一対のアンテナ用導電体36を有している。図10および図11に示すアンテナ用導電体36は、例えば、長手方向に直交する幅方向に沿って切断されていくことにより(例えば、図10のL1線に沿って切断されていくことにより)、あるいはICチップ32を取り囲む周状に切断されることにより(例えば、図10のL2線に沿って切断されていくことにより)、一対の略棒状からなるアンテナ34を形成するようになる。
なお、図14においては、図10および図11に示されたICタグ付シート24を用いてICタグ粘着体付剥離シート14を製造する方法が示されている。
シート状基材31は、後に説明するように、切断等されてICタグ10の基材30を形成するようになる。したがって、シート状基材31は、例えば、非導電性のPETや紙から構成される。また、シート状基材31の形状は、アンテナ用導電体36を支持することができる限りにおいて特に限定されるものではない。
図14に示すように、このICタグ付シート24の送り込みと並行して、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46に積層された粘着層40と、を有する積層体20が準備されて送り込まれていく。積層体20として、例えば、巻き取られた状態で流通されており、安価に入手可能な両面テープを用いることができる。粘着層40を粘着剤(接着剤)の塗布によって、あるいは剥離シート45と分離された粘着シートによって形成しようとすると、周囲に配置された装置や製品等に粘着剤や粘着シートが付着しないよう対処する必要が生じてしまうが、本実施の形態によれば、粘着層40を剥離シート45との積層体20として取り扱っているので、このような煩雑さを解消させることができ、効率的かつ容易にICタグ粘着体付剥離シート14を製造することができる。ただし、本願における粘着層は、粘着剤の塗布や剥離シートと分離された粘着シートによって形成される粘着層を排除するものではない。
その後、図14に示すよう、送り込まれた積層体20の剥離シート45および粘着層40に、ICタグ付シート24のシート状基材31におけるICチップ32の配置に対応して貫通孔47,42が順次形成されていく。なお、本実施の形態において、貫通孔47,42は打ち抜き装置60によって形成されていく。しかしながら、打ち抜き装置60以外の装置、例えば、ドリル等によって貫通孔47,42を形成するようにしてもよい。
次に、送り込まれてくるICタグ付シート24と積層体20とが、ICタグ付シート24のICチップ32が配置された側の面と積層体20の粘着層40側の面とが対面するとともに積層体20の貫通孔42,47内にICチップ32が配置されるようにして、ニップローラー64により重ね合わせられる。重ね合わされたICタグ付シート24と積層体20とは、粘着層40の粘着力によって互いに対して接着固定される。
ここまでの工程により、図8および図9または図10および図11に示す、ICタグ付シート24と、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46とICタグ付シート24のICチップ32が突出している側の面(シート状基材31のICチップが突出している側の面および該面上に形成されたアンテナ用導電体36の少なくともいずれか)との間に介在する粘着層40と、を備え、剥離シート45および粘着層40に突出したICチップ32を受ける貫通孔42,47が形成されたICタグ粘着体付剥離シート用材料16が得られる。
その後、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16のICタグ付シート24側から積層体20の粘着層40を貫通して剥離シート45まで入り込む切り込み50が形成される。切り込み50はICチップ32毎に、例えば、上述した図10におけるL1線やL2線に沿って形成され、アンテナ用導電体36から個々のアンテナ34が形成されていく。これにより、基材30とアンテナ34とアンテナ34に接続されたICチップ32とを有するICタグ10であって、積層体20上に支持されたICタグ10が順次作製されていく。なお、本実施の形態において、切り込み50を形成する切り込み形成装置70は、所望のICタグ10の輪郭に沿った切り込み刃71と、切り込み刃71に対向して配置された受け部材72と、を有している。切り込み刃71は受け部材72に向けて進退自在となっている。そして、切り込み刃71は、受け部材72との間にICタグ粘着体付剥離シート用材料16を挟んだ状態で受け部材72に向けて移動し、ICタグ付シート24および粘着層40を貫通するとともに、剥離シート45まで切り込むようになっているが、剥離シート45を貫通することはない(図14)。
次に、ICタグ付シート24のICタグ10を形成する部分以外の部分25が、この部分25に対面する粘着層40とともに、剥離シート45から剥離されて取り除かれる。これにより、ICタグ粘着体付剥離シート14が得られる。
このようなICタグ粘着体付剥離シート14の製造方法によれば、剥離シート45と粘着層40とを有した積層体20を用いてICタグ粘着体付剥離シート14が製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層40を積層体20の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体20に貫通孔を設けることによって、剥離シート45と粘着層40とに互いに対して位置合わせされた貫通孔47,42を一度に形成することができる。さらに、積層体20として、一般に広く普及され安価に入手可能な両面テープ等を用いることができる。したがって、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に配置された高品質のICタグ粘着体付剥離シート14を安価かつ効率的に製造することができる。
なお、上述したようにICタグ粘着体付剥離シート14の製造工程中に、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16が得られる。図15に示すように、このICタグ粘着体付剥離シート用材料16をICチップ32毎に切断するだけで、ICタグ粘着体付剥離シート14を得ることができる。また、このICタグ粘着体付剥離シート用材料16から得られるICタグ粘着体付剥離シート14によれば、ICタグ10を粘着層40とともに剥離シート45から簡単に剥がすことができ、貼付対象物に粘着層40を介してICタグ10をそのまま貼り付けることができる。この場合、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができ、これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
したがって、製造すべきICタグの形状や製造数量等の条件および状況に応じて、上述した製造方法により、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16まで製造しておき、必要に応じて、切断手段74によりICタグ粘着体付剥離シート用材料16を切断して個々のICタグ粘着体付剥離シート14を得るようにしてもよい。なお、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16は、ICタグ粘着体付剥離シート14と同様の作用効果を有している。すなわち、このようなICタグ粘着体付剥離シート用材料16によれば、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に配置されているので、少なくとも剥離シート45および粘着層40の合計厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、シート状基材31表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。
また、上述した製造方法により、図3乃至図5、並びに図6および図7に示すICタグ粘着体付剥離シート14、またこのICタグ粘着体付剥離シート14に用いられる図12および図13にそれぞれ示されたICタグ粘着体付剥離シート用材料16を製造することができる。
ただし、図3乃至図5に示すICタグ粘着体付剥離シート14または図12に示すICタグ粘着体付剥離シート用材料16を製造する場合、ICタグ付シート24として図12に示すように、アンテナ用導電体36がコイル状をなすコイル状部分と、コイル状部分の最内周と最外周とを短絡させるブリッジ用導電体37と、を有するようになる。また、打ち抜き装置60により、ICタグ付シート24のシート状基材31上におけるブリッジ35(ブリッジ用導電体37)の配置に対応して、積層体20にブリッジ35(ブリッジ用導電体37)用の貫通孔42,47がさらに形成される。このようにして図3乃至図5に示すICタグ粘着体付剥離シート14を製造することができるとともに、また、図12に示すICタグ粘着体付剥離シート用材料16を製造することもできる。
一方、図6および図7に示すICタグ粘着体付剥離シート14または図13に示すICタグ粘着体付剥離シート用材料16を製造する場合、図13に示すように、アンテナ用導電体36上にICチップ32を有するインターポーザ10aが配置されたICタグ付シート24が準備される。また、打ち抜き装置60により、ICタグ付シート24のシート状基材31上におけるインターポーザ10aの配置に対応して、積層体20に接続部材34aを含むインターポーザ10aを内部に配置することができる貫通孔42,47が形成される。このようにして図6および図7に示すICタグ粘着体付剥離シート14を製造することができるとともに、また、図13に示すICタグ粘着体付剥離シート用材料16を製造することもできる。
このような変形例においては、ICタグ10におけるインターポーザ10aやブリッジ35の突出をも貫通孔47,42によって低減することができるようになっている。したがって、ICタグ粘着体付剥離シート14あるいはICタグ粘着体付剥離シート用材料16を重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32、ICチップ32を含むインターポーザ10a、およびブリッジ35に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材30表面(シート状基材31表面)への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、貼付対象物に粘着層40を介してICタグ10を貼り付けた場合、ICチップ32だけでなく基材30から突出したインターポーザ10aやブリッジ35も粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層の厚み分だけこれらの突出量を低減することができ、これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
<インターポーザ粘着体付剥離シートの製造方法、並びに、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料およびその製造方法>
さらに、上述したように、ICチップ32に接続された導電体の用途の相違に基づいた導電体の大きさの相違を除けば、一対の略棒状からなるアンテナを有したICタグ10と同一な構成を、インターポーザ10aに採用することができる。したがって、製造方法の説明の最初でも触れたように、図14に示された製造方法によってインターポーザ粘着体付剥離シート14aを製造することができ、またこれにともなって、図15に示された製造方法によってインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aを製造することができる。
以下、主に、図14および図15を用い、インターポーザ粘着体付剥離シート14aの製造方法、並びに、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aおよびその製造方法について説明する。なお、上述した、ICタグ粘着体付剥離シート14の製造方法、並びに、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16およびその製造方法と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明は省略する。
図14および図15に示されているように、インターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aは以下のようにして製造される。
まず、帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数の接続部材34aを形成する接続部材用導電体36aと、シート状基材31上の接続部材用導電体36aと電気的に接続されシート状基材31から突出した複数のICチップ32と、を有するインターポーザ付シート(インターポーザ用材料とも呼ぶ)24a(図8乃至図10)を準備し送り込んでいく。なお、このようなインターポーザ付シート24aは、上述したICタグ付シート24と、ICチップ32に接続された導電体(アンテナ用導電体36および接続部材用導電体36a)の用途にともなった大きさが相違するだけであって、他の構成およびその製造方法を同一とすることができる。したがって、図8および図9、並びに図10および図11に示されたインターポーザ付シート24aを用いることができる。
図14に示すように、このインターポーザ付シート24aの送り込みと並行して、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46に積層された粘着層40と、を有する積層体20が準備されて送り込まれていく。
その後、打ち抜き装置60によって、送り込まれた積層体20の剥離シート45および粘着層40に、図14に示すよう、インターポーザ付シート24aのシート状基材31上におけるICチップ32の配置に対応して貫通孔47,42が順次形成されていく。なお、本実施の形態において、貫通孔47,42は打ち抜き装置60によって形成されていく。
次に、送り込まれてくるインターポーザ付シート24aと積層体20とが、インターポーザ付シート24aのICチップ32が配置された側の面と積層体30の粘着層40側の面とが対面するとともに積層体20の貫通孔42,47内にICチップ32が配置されるようにして、ニップローラー64により重ね合わせられる。重ね合わされたインターポーザ付シート24aと積層体20とは、粘着層40の粘着力によって互いに対して接着固定される。
ここまでの工程により、図8および図9または図10および図11に示す、インターポーザ付シート24aと、少なくとも一方の面が剥離処理をなされた剥離シート45と、剥離シート45の剥離処理をなされた面46とインターポーザ付シート24aのICチップ32が突出している側の面(シート状基材31のICチップ32が突出している側および該面上に形成された接続部材用導電体36aの少なくともいずれか)との間に介在する粘着層40と、を備え、剥離シート45および粘着層40に突出したICチップ32を受ける貫通孔42,47が形成されたインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aが得られる。そして、得られたインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aによれば、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に配置されているので、少なくとも剥離シート45および粘着層40の合計厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。したがって、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aを重ねたり巻き取ったりした場合に、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、シート状基材31表面への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。
その後、切り込み形成装置68によって、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aのインターポーザ付シート24側から積層体20の粘着層40を貫通して剥離シート45まで入り込む切り込み50が形成される。この切り込み50により、基材30と接続部材34aと接続部材34aに接続されたICチップ32とを有するインターポーザ10aであって、積層体20上に支持されたICタグ10が順次作製されていく。
次に、インターポーザ付シート24aのインターポーザ10aを形成する部分以外の部分25が、この部分25に対面する粘着層40とともに、剥離シート45から剥離されて取り除かれる。これにより、インターポーザ粘着体付剥離シート14aが得られる。
このようなインターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aの製造方法によれば、剥離シート45と粘着層40とを有した積層体20を用いてインターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aが製造されていくので、取り扱いが困難な粘着層40を積層体20の一部として容易に取り扱うことができる。また、積層体20に貫通孔を設けることによって、剥離シート45と粘着層40とに互いに対して位置合わせされた貫通孔47,42を一度に形成することができる。さらに、積層体20として、一般に広く普及され安価に入手可能な両面テープ等を用いることができる。したがって、突出したICチップ32が剥離シート45および粘着層40に設けられた貫通孔47,42内に配置された高品質のインターポーザ粘着体付剥離シート14aおよびインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aを安価かつ効率的に製造することができる。
なお、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aをICチップ32毎に切断することによっても、インターポーザ粘着体付剥離シート14を得ることができる。
<ICタグ粘着体用材料の巻体およびその製造方法>
次に、ICタグ粘着体用材料の巻体19およびその製造方法について説明する。またこれらを説明した後、インターポーザ粘着体用材料の巻体19aおよびその製造方法についても説明する。
上述したように、ICタグ付剥離シート14からICタグ10とともに粘着層40を引き剥がすことによりICタグ粘着体12を得ることができ、このICタグ粘着体12を貼付対象物にそのまま貼り付けることができる。しかしながら、多数のICタグ10を貼付対象物に貼り付けていく場合、個々のICタグ10を剥離シート45から都度引き剥がすことは非常に煩雑な作業となる。また、インターポーザ10aにおいても同様のことが当てはまる。
ICタグ粘着体用材料の巻体19およびその製造方法、並びに、インターポーザ粘着体用材料の巻体19aおよびその製造方法は、このような知見に基づき発明されたものである。
以下、主に図16乃至図18を用い、ICタグ粘着体用材料の巻体19およびその製造方法の一実施の形態を説明する。
なお、図16はICタグ粘着体用材料の巻体19の製造方法を示す概略図であり、図17は図16のG−G線に沿ったICタグ粘着体用材料の巻体19の断面図であり、図18はICタグ粘着体用材料の巻体19の製造方法の変形例を示す概略図である。ICタグ粘着体用材料の巻体19の製造方法は、主に図8乃至図15を用いて説明したICタグ粘着体付剥離シート用材料16の製造方法と、ICタグ付シート24に剥離処理を施すこと、剥離シート45を取り剥がしてICタグ粘着体用材料18を作製すること、およびICタグ粘着体用材料18を巻き取ること、において異なるが、他は略同一である。図16乃至図17において、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16の製造方法と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明は省略する。
ところで、図16乃至図18においては、図1および図2に示す一対の略棒状の導電体からなるアンテナ34を有するICタグ10を備えたICタグ粘着体12を得ることができるICタグ粘着体用材料の巻体19が製造される例を示している。したがって、図16乃至図18に示すとともに以下に説明するICタグ粘着体用材料の製造方法において、導電体(アンテナ34)の大きさを適宜変更することにより、導電体の大きさを除けば同一構成とすることができるインターポーザ10aを備えたインターポーザ粘着体用材料の巻体19aを、当然に同様の方法で製造することができる。
ICタグ粘着体用材料の巻体19を製造する場合、まず、帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数のアンテナ34を形成するアンテナ用導電体36と、シート状基材31上のアンテナ用導電体36と電気的に接続されたシート状基材31から突出した複数のICチップ32と、を有するICタグ付シート24を準備する。次に、剥離処理装置78を用い、ICタグ付シート24のアンテナ用導電体36が設けられていない側の面25に剥離処理を施す。剥離処理装置78による剥離処理は、ICタグ付シート24にシリコン粒子を塗布すること等によって行われる。このようにして一方の面だけが剥離処理をなされたICタグ付シート24が送り込まれていく。
なお、図16並びに後に説明する図18においては、図10および図11に示されたICタグ付シート24を用いてICタグ粘着体用材料の巻体19を製造する方法が示されている。
図16に示すように、このICタグ付シート24の送り込みと並行して、積層体20が準備されて送り込まれていく。その後、送り込まれた積層体20の剥離シート45および粘着層40に、打ち抜き装置60によって、ICタグ付シート24のシート状基材31におけるICチップ32の配置に対応して貫通孔47,42が、順次形成されていく。
次に、送り込まれてくるICタグ付シート24と積層体20とが、ICタグ付シート24のICチップ32が配置された側の面と積層体30の粘着層40側の面とが対面するとともに積層体20の貫通孔42,47内にICチップ32が配置されるようにして、ニップローラー64により重ね合わせられる。重ね合わされたICタグ付シート24と積層体20とは、粘着層40の粘着力によって互いに対して接着固定される。ここまでの工程により、ICタグ粘着体付剥離シート用材料16が得られる。
その後、剥離シート45をICタグ粘着体付剥離シート用材料16から取り剥がして(剥離させて)、ICタグ粘着体用材料18が製造される。このようなICタグ粘着体用材料18は、一方の面25だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数のアンテナ34を形成するアンテナ用導電体36と、アンテナ用導電体36と電気的に接続され、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面から突出した複数のICチップ32と、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面上および該面上に形成されたアンテナ用導電体36上の少なくともいずれかに(ICタグ付シート24のICチップ32が突出している側の面上に、言い換えると、ICタグ付シート24の剥離処理をなされていない側の面上に)設けられた粘着層40と、を備えている(図17)。また、突出したICチップ32は粘着層40に形成された貫通孔42内に配置されている。ところで、図16および図17に示されているように、ICチップ32の厚みが粘着層40の厚み以下であることが好ましく、この場合、ICチップ32が粘着層40の貫通孔42内に完全に収容されるようになる。
なお、図18に示すように、この剥離シート45を取り剥がす工程を、上述したニップローラー64によって積層体20とICタグ付シート24とを重ね合わす工程の前に行うようにしてもよい。つまり、積層体20の剥離シート45を粘着層40から剥離させて、剥離シート45と粘着層40とを分離し、その後、剥離シート45と分離された粘着層40の貫通孔42内にICチップ32が配置されるようにして、ICタグ付シート24と粘着層40とを重ね合わせてICタグ粘着体用材料18を作製するようにしてもよい。ところでこの場合、粘着層40に接触するニップローラー64の表面が剥離処理されていることが好ましい。
次に、得られたICタグ粘着体用材料18は、粘着層40がシート状基材31の剥離処理をなされている側の面25と対面するようにして、回転駆動される巻き取りコア80によって巻き取られる。このようにして、ICタグ粘着体用材料の巻体19が製造される。
このようなICタグ粘着体用材料の巻体19の製造方法によれば、剥離シート45と粘着層40とを有した積層体20を用いてICタグ粘着体用材料18が製造されていく。また、積層体20として、一般に広く普及され安価に入手可能な両面テープ等を用いることができる。したがって、取り扱いが困難な粘着層40に貫通孔42を容易に形成し、ICタグ粘着体用材料18を安価に製造することができる。
また、得られたICタグ粘着体用材料の巻体19によれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に収納されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。したがって、巻体19の荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。さらに、ICタグ粘着用材料18の露出した粘着層40が、巻体19においては剥離処理されたICタグ付シート24の表面と対面している。したがって、この巻体19によれば、粘着層40に浮遊物等が付着しあるいは粘着層40が外部に接触することを防止することができ、これにより、粘着層40の粘着力が低下してしまうことを防止することができる。この点からして、このようなICタグ粘着体用材料の巻体19は、ICタグ粘着体用材料18の運搬や保管に適していると言える。
さらに、ICタグ粘着体用材料の巻体19からICタグ粘着体用材料18を巻きほどくとともに、これをICチップ32毎に切断するだけで、貼付対象物にそのまま貼り付けることができるICタグ粘着体12を得ることができる。そして、このICタグ粘着体12によれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。また貼付対象物へICタグ10を貼り付けた状態において、基材30表面への製造情報等の書き込みを正確に行うことができる。
なお、上述した製造方法により、図3乃至図5、並びに図6および図7に示すICタグ粘着体12に用いられるICタグ粘着体用材料の巻体19を製造することができる。
ただし、図3乃至図5に示すICタグ粘着体12用のICタグ粘着体用材料の巻体19を製造する場合、ICタグ付シート24として図12に示すように、アンテナ用導電体36がコイル状をなすコイル状部分と、コイル状部分の最内周と最外周とを短絡させるブリッジ用導電体37と、を有するようになる。また、打ち抜き装置60により、ICタグ付シート24のシート状基材31上におけるブリッジ35(ブリッジ用導電体37)の配置に対応して、積層体20にブリッジ35(ブリッジ用導電体37)を内部に配置することができる貫通孔42,47がさらに形成される。
一方、図6および図7に示すICタグ粘着体12用のICタグ粘着体用材料の巻体19を製造する場合、図13に示すように、アンテナ用導電体36上にICチップ32を有するインターポーザ10aが配置されたICタグ付シート24が準備される。また、打ち抜き装置60により、ICタグ付シート24のシート状基材31上におけるインターポーザ10aの配置に対応して、積層体20に接続部材34a(接続部材用導電体36a)を含むインターポーザ10aを内部に配置することができる貫通孔42,47が形成される。
このような変形例においては、ICタグ10におけるインターポーザ10aやブリッジ35の突出をも貫通孔47,42によって低減することができるようになっている。したがって、ICタグ粘着用材料18を巻き取った巻体19において、荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32、ICチップ32を含むインターポーザ10a、およびブリッジ35に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。また、基材30表面(シート状基材31表面)への製造情報等の書き込みも正確に行うことができる。さらに、貼付対象物に粘着層40を介してICタグ10を貼り付けた場合、ICチップ32だけでなく基材30から突出したインターポーザ10aやブリッジ35も粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけこれらの突出量を低減することができ、これにより、ICタグ10をより堅固かつ安定して貼付対象物に貼り付けることができる。
<インターポーザ粘着体用材料の巻体およびその製造方法>
さらに、上述したように、ICチップ32に接続された導電体の用途の相違に基づいた導電体の大きさの相違を除けば、一対の略棒状からなるアンテナ34を有したICタグ10と同一な構成を、インターポーザ10aに採用することができる。したがって、ICタグ粘着体用材料の巻体19の製造方法の説明中において触れたように、図15および図17に示された製造方法によって図15乃至図17に示すインターポーザ粘着体用材料の巻体19aを製造することができる。
以下、主に、図16および図17を用い、インターポーザ粘着体用材料の巻体19aおよびその製造方法について説明する。なお、上述した、ICタグ粘着体用材料の巻体19およびその製造方法と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明は省略する。
インターポーザ粘着体用材料の巻体19aを製造する場合、まず、帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数の接続部材34aを形成するアンテナ用導電体36と、シート状基材31上の接続電極用導電体36aと電気的に接続されシート状基材31から突出した複数のICチップ32と、を有するインターポーザ付シート24aを準備する。次に、剥離処理装置78を用い、ICタグ付シート24の接続電極用導電体36aが設けられていない側の面25に剥離処理を施す。このようにして一方の面だけが剥離処理をなされたインターポーザ付シート24aが送り込まれていく。
図16に示すように、このインターポーザ付シート24aの送り込みと並行して、積層体20が準備されて送り込まれていき、その後、送り込まれた積層体20の剥離シート45および粘着層40に、インターポーザ付シート24aのシート状基材31におけるICチップ32の配置に対応して貫通孔47,42が打ち抜き装置60により順次形成されていく。
次に、送り込まれてくるインターポーザ付シート24aと積層体20とが、インターポーザ付シート24aのICチップ32が配置された側の面と積層体30の粘着層40側の面とが対面するとともに積層体20の貫通孔42,47内にICチップ32が配置されるようにして、ニップローラー64により重ね合わせられる。重ね合わされたインターポーザ付シート24aと積層体20とは、粘着層40の粘着力によって互いに対して接着固定される。ここまでの工程により、インターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aが得られる。
その後、剥離シート45をインターポーザ粘着体付剥離シート用材料16aから取り剥がして(剥離させて)、インターポーザ粘着体用材料18aが製造される。このようなICタグ粘着体用材料18aは、一方の面25だけが剥離処理をなされ帯状に延びるシート状基材31と、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面上に設けられ、切断されてまたはそのままで複数の接続部材34aを形成する接続部材用導電体36aと、接続部材用導電体36aと電気的に接続され、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面から突出した複数のICチップ32と、シート状基材31の剥離処理をなされていない側の面上および該面上に形成された接続部材用導電体36a上の少なくともいずれかに(インターポーザ付シート24aのICチップ32が突出している側の面上に、言い換えると、インターポーザ付シート24aの剥離処理をなされていない側の面上に)設けられた粘着層40と、を備えている(図17)。また、突出したICチップ32は粘着層40に形成された貫通孔42内に配置されている。
なお、図18に示すように、この剥離シート45を取り剥がす工程を、上述したニップローラー64によって積層体20とインターポーザ付シート24aとを重ね合わす工程の前に行うようにしてもよい。つまり、先に、積層体20の剥離シート45を粘着層40から剥離させて、剥離シート45と粘着層40とを分離し、その後、剥離シート45と分離された粘着層40の貫通孔42内にICチップ32が配置されるようにして、インターポーザ付シート24aと粘着層40とを重ね合わせてインターポーザ粘着体用材料18aを作製するようにしてもよい。ところでこの場合、粘着層40に接触するニップローラー64の表面が剥離処理されていることが好ましい。
次に、得られたインターポーザ粘着体用材料18aは、粘着層40がシート状基材31の剥離処理をなされている側の面25と対面するようにして、巻き取りコア80によって巻き取られ、インターポーザ粘着体用材料の巻体19aが製造される。
このようなインターポーザ粘着体用材料の巻体19aの製造方法によれば、剥離シート45と粘着層40とを有した積層体20を用いてICタグ粘着体用材料18が製造されていく。また、積層体20として、一般に広く普及され安価に入手可能な両面テープ等を用いることができる。したがって、取り扱いが困難な粘着層40に貫通孔42を容易に形成し、インターポーザ粘着体用材料18aを安価に製造することができる。
また、得られたインターポーザ粘着体用材料の巻体19aによれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に収納されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。したがって、巻体19の荷姿を安定させることができるとともに、ICチップ32に負荷される荷重を格段に軽減させることができる。さらに、インターポーザ粘着用材料18aの露出した粘着層40が、巻体19aにおいては剥離処理されたインターポーザ付シート24aの表面と対面している。したがって、この巻体19aによれば、粘着層40に浮遊物等が付着しあるいは粘着層40が外部に接触することを防止することができ、これにより、粘着層40の粘着力が低下してしまうことを防止することができる。この点からして、このようなインターポーザ粘着体用材料の巻体19aは、インターポーザ粘着体用材料18aの運搬や保管に適していると言える。
また、インターポーザ粘着体用材料の巻体19aからインターポーザ粘着体用材料18aを巻きほどくとともに、これをICチップ32毎に切断するだけで、アンテナ34上にそのまま貼り付けることができるインターポーザ粘着体12aを得ることができる。そして、このインターポーザ粘着体12aによれば、突出したICチップ32が粘着層40に設けられた貫通孔42内に配置されているので、少なくとも粘着層40の厚み分だけICチップ32の突出量を低減することができる。これにより、インターポーザ10aをより堅固かつ安定してアンテナ34上に貼り付けることができる。またアンテナ34上へインターポーザ10aを貼り付けた状態において、基材30表面(シート状基材31表面)への製造情報等の書き込みを正確に行うことができる。