JP2005352557A - 回路素子付き積層体、icタグの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の回路素子付き積層体10は、剥離紙13と、剥離紙13上に順次積層された粘着層12と、回路素子付きフィルム11とを有し、側縁部に一定間隔で貫通孔14が形成されている。本発明のICタグの製造方法は、上述した回路素子付き積層体10と、基材とを貼着場所に向けて各々搬送し、貼着場所に達する前に回路素子付き積層体10から剥離紙13を剥離した上で、貼着場所にて回路素子付きフィルム11と基材とを粘着層12を介して貼着するICタグの製造方法であって、回路素子付き積層体10の貫通孔14に第1のピンを挿入し、回路素子付きフィルム11が基材の所定位置に貼着するように制御しつつ第1のピンを移動させて、回路素子付き積層体10を搬送する。
【選択図】 図1
Description
ICタグを使用したRFIDシステムでは、読取器の発する電波をアンテナで受信すると、その電波に応じて、内部のICチップの記憶情報がアンテナを介して読取器へ送信される。このようにして航空手荷物や商品等の情報を読み取ることができる。
そこで、ICタグを自動的に製造する製造装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造装置では、回路素子が一列に配列したフィルムとテープ状の基材とを別々に繰り出し、テープ状の基材に回路素子が設けられたフィルムを自動的に貼り合わせてICタグを製造する。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、ICタグの生産性を高くできる回路付き積層体、ICタグの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の回路素子付き積層体においては、回路素子付きフィルムには、回路素子が幅方向に複数列設けられていることが好ましい。
本発明のICタグの製造方法は、上述した回路素子付き積層体と、基材とを貼着場所に向けて各々搬送し、貼着場所に達する前に回路素子付き積層体から剥離紙を剥離した上で、貼着場所にて回路素子付きフィルムと基材とを粘着層を介して貼着するICタグの製造方法であって、
回路素子付き積層体の貫通孔に第1のピンを挿入し、回路素子付きフィルムが基材の所定位置に貼着するように制御しつつ第1のピンを移動させて、回路素子付き積層体を搬送することを特徴とする。
本発明のICタグの製造方法においては、基材の側縁部に一定間隔で貫通孔を形成し、その貫通孔に第2のピンを挿入し、第2のピンを所定の移動速度で移動させて、基材を搬送することが好ましい。
本発明のICタグの製造装置は、上述した回路素子付き積層体における回路素子付きフィルムおよび基材を貼着場所に向けて各々搬送する搬送手段と、貼着場所に達する前に回路素子付き積層体から剥離紙を剥離する剥離手段とを備え、貼着場所にて回路素子付きフィルムと基材とを粘着層を介して貼着するICタグの製造装置であって、
回路素子付き積層体の搬送手段が、回路素子付き積層体の貫通孔に挿入する第1のピンと、第1のピンを移動させる第1の駆動部と、回路素子付きフィルムが基材の所定位置に貼着するように第1の駆動部を制御する第1の制御部とを具備することを特徴とする。
本発明のICタグの製造装置においては、基材の搬送手段が、基材の貫通孔に挿入する第2のピンと、第2のピンを移動させる第2の駆動部と、第2の駆動部を制御する第2の制御部とを具備することが好ましい。
本発明のICタグの製造方法および製造装置によれば、回路素子が設けられたフィルムを基材に正確かつ高速に貼り付けることができ、ICタグの生産性を高くできる。
本発明の回路素子付き積層体(以下、積層体と略す)の一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の回路素子付き積層体を示す。この積層体10は、回路素子付きフィルム11と、粘着層12と、剥離紙13とを有するものである。この積層体10においては、回路素子付きフィルム11および粘着層12より剥離紙13の幅が広くなっており、回路素子付きフィルム11および粘着層12は剥離紙13の中央部に配置されている。また、剥離紙13の粘着層12が積層されていない側縁部には、一定間隔で貫通孔14が形成されている。
ベアーチップにおいては、端子はベアーチップ内の接続端子部分に金メッキやはんだメッキなどで端子(バンプ)を突出させて形成する。また、パッケージ化チップでは、このベアーチップの端子とリードフレームの端子とが金ワイヤーなどで接続されている。
このようなICチップとしては、例えば、インフィニオン社から販売されているものとして、MCC1−1−2(ベアーチップ)、MCC2−2−1(パッケージ化チップ)などがある。
(1)エッチング方式:厚み10〜50μmの銅箔やアルミニウム箔を融点が100℃〜150℃程度のホットメルト接着剤を介して貼りあわせ、数μmの厚みのレジスト層をグラビア印刷などの方法でその上に設ける。次いで、版下フィルムによりアンテナパターンを露光して、不要なレジスト層を除去したあと、エッチング処理し不要な金属箔層を除去する。その後、アルカリ液に浸漬してレジスト層を取り除いてアンテナパターンを形成させる。
(2)巻き線方式:直径80〜200μmの銅線を加熱したノズルから連続的に送り出しながら、ループ状のアンテナパターンを形成するようにフィルムに銅線の少なくとも一部を埋め込んで配線する。
このようなアンテナ形成方法により、フィルム11aに金属箔や金属線が配線されてアンテナを形成する。
なお、この回路素子付きフィルム11は、ICチップとアンテナが剥き出しになっているため、そのままICタグとして使用することはできない。
また、粘着層12はドライラミネートタイプの粘着剤からなってもよい。このドライラミネートタイプの粘着剤は粘着剤自体がシート状になっているものが好ましく、熱圧粘着するホットメルト粘着剤が好適である。
例えば、ベースポリマーとして、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドまたは熱可塑性ゴムを用い、これにロジン、ロジン誘導体、ピネン系樹脂等の粘着付与剤とポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類と各種可塑剤、充填剤、熱安定剤などが添加されたもの等が用いられる。
ここで用いられるポリエステルは、例えば、テレフタル酸、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、イソフタル酸、セバシン酸、ドデカン酸、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の中から選ばれる成分の共重合体などが挙げられる。ポリアミドとしてはダイマー酸とジアミンの重縮合反応による生成物などが挙げられる。熱可塑性ゴムとしてはポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンのブロック共重合体などが挙げられる。
この剥離紙13の厚さには制限はないが、好ましくは30〜300μmである。
上述した積層体10を製造するには、例えば、まず、フィルム11aに回路素子11bを設けて回路素子付きフィルム11を得る。フィルム11aに回路素子11bを設けるには、フィルム11a上に、銀や銅等のワイヤーからなるコイルを貼り付ける方法、銅やアルミニウム等の金属を蒸着する方法、導電性インキ等を用いてコイル状の印刷を施す方法などを採用してアンテナを形成し、その後、ICチップ、コンデンサを取り付ける。
次いで、その粘着層12を、回路素子付きフィルム11および粘着層12より幅広の剥離紙13の中央部に貼り合わせる。そして、粘着層12が積層されていない剥離紙13の側縁部に一定間隔に貫通孔14を形成して積層体10を得る。フィルムの側縁部に一定間隔に貫通孔を形成する方法としては、マージナルパンチを用いる方法などが挙げられる。
得られた積層体10には、ICタグの製造に先立ち予め回路素子11bの周囲を剥離紙13の手前まで打ち抜く抜き加工と、回路素子11bの周囲の不要なフィルム11aおよび粘着層12を取り除くカス取りとが施される。ここで、抜き加工とカス取りが施された積層体のことを「積層体加工品」という。なお、この積層体加工品も本発明の積層体に含まれる。
また、積層体10は、上記手順以外でも製造できる。例えば、ICチップ、コンデンサの取り付けは、貫通孔を形成してからでもよい。また、貫通孔の形成は、抜き加工およびカス取り後であってもよい。
図1〜図3に示す積層体の中でも、粘着層12が回路素子付きフィルム11または剥離紙13より幅が狭い図1および図2の積層体が好ましい。粘着層12が回路素子付きフィルム11または剥離紙13より幅が狭ければ、積層体を取り扱う装置に粘着層の側面が接しないため、積層体を取り扱う装置に粘着剤が付着することを防止できる。また、貫通孔の部分に粘着層がなければ貫通孔に挿入されるピンに粘着剤が付着しない。
また、回路素子は幅方向に5列設けられていなくてもよく、1列であってもよいが、列数の多い程、ICタグの生産性が高くなる。
上述した積層体10はICタグの製造に利用される。ICタグとは、回路素子付きフィルムが基材に積層されたものである。図4にICタグの一例を示す。図4において図1と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図4のICタグ200は、基材15に粘着層12を介して回路素子付きフィルム11が積層されたICタグ本体81に、さらに粘着層16を介して剥離紙17が積層されている。
上記紙類やシート類にはプラスチックフィルムが積層されてもよい。プラスチックフィルムとしては、適度な可撓性を有し、かつ、引裂強度の大きい基材であればよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂など)、およびポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートやエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびテレフタル酸を重合して得られ、ポリマー中のジアルコール残基において、エチレングリコール残基が80〜95モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基が5〜20モル%であるポリエステル樹脂など)、あるいはポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂を主成分とするフィルム;またはこれらの樹脂を主成分とし、発泡剤を配合した発泡フィルム;これらの樹脂に無機および/または有機顔料を配合し、延伸処理によりボイドを形成した多孔質フィルム;等のフィルム類を用いることができる。このような多孔質フィルムの例として延伸処理によりボイドを形成した多孔質ポリプロピレンフィルム(合成紙「ユポ」)を例示できる。
基材15には印刷が施されていても構わない。
粘着層16を形成する粘着剤としては粘着層12を形成する上記粘着剤と同じものを使用できる。また、剥離紙17についても上述した剥離紙13と同じものを使用できる。
以下、ICタグの製造方法およびその製造方法で使用されるICタグの製造装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のICタグの製造方法は、基材と回路素子付きフィルムとを貼着してICタグ本体を得る貼着工程と、ICタグ本体に粘着剤を介して剥離紙を貼着する粘着ラベル化工程と、打ち抜きや切断などにより所定の形状にする仕上げ工程とを有する。
図5に、貼着工程にて使用するICタグの製造装置(以下、貼着装置という)を示す。この貼着装置1は、積層体加工品10aを貼着場所に向けて搬送する積層体搬送手段20と、積層体加工品10aの走行方向を案内する積層体案内ロール(積層体加工品の巻状体10b側から第1の積層体案内ロール30a、第2の積層体案内ロール30b)と、積層体加工品10aから剥離紙を取り除くのに使用する剥離紙剥離用ロール40(剥離手段)と、積層体加工品10aから剥離された剥離紙13を巻き取る剥離紙巻き取り用ロール50と、側縁部に一定間隔で貫通孔15aが形成された基材15(図6参照)を貼着場所に向けて搬送する基材搬送手段60と、剥離紙剥離用ロール40に隣接し、基材15の走行方向を案内する基材案内ロール70と、ICタグ本体81を巻き取るICタグ本体巻き取り用ロール80とを具備するものである。ここで、積層体搬送手段20は、第2の積層体案内ロール30bと剥離紙剥離用ロール40との間に設けられ、基材搬送手段60は、基材案内ロール70とICタグ本体巻き取り用ロール80との間に設けられている。また、貼着場所とは、積層体加工品10aの回路素子付きフィルム11と基材15とが貼着する場所のことをいう。
積層体加工品10aは、貼着装置1に対して、剥離紙13が積層体案内ロール30a,30bおよび剥離紙剥離用ロール40に接するように装着される。
また、これと同様に、基材搬送手段60は、基材15の貫通孔15aに挿入する第2のピン61,61・・・と、第2のピン61,61・・・が設けられたベルト62と、原動プーリ63aおよび従動プーリ63bを介してベルト62を動かすモータ63(第2の駆動部)と、第2のピン61,61・・・の移動速度を制御する第2の制御部64とが備えられたものである。基材搬送手段60において、隣接する第2のピン61,61同士の間隔は基材15の貫通孔15aの間隔に対応している。
回路素子付きフィルム11を基材15に貼着した後、再び基材15が一定量搬送されるまで積層体搬送手段20を停止する。一方、基材15の搬送は継続し、基材15に回路素子付きフィルム11を貼着して得られたICタグ本体81をICタグ本体巻き取り用ロール80で巻き取る。
次に、粘着ラベル化工程にて、上記貼着工程にて得たICタグ本体81に、粘着層16および剥離紙17とを貼着する。図9に、ICタグ本体81に粘着層16および剥離紙17とを貼着する粘着ラベル化装置を示す。この粘着ラベル化装置2は、ICタグ本体81の巻状体91が取り付けられたICタグ本体繰り出しロール90と、粘着層16が剥離紙17,18で挟まれたトランスファータック101の巻状体が取り付けられたトランスファータック繰り出しロール100と、トランスファータック100の一方の剥離紙18を取り除くために使用される剥離紙剥離用ロール110と、剥離紙剥離用ロール110にて分離した剥離紙18を巻き取る剥離紙巻き取り用ロール120と、隣接した2つのロール131a,131bからなり、ICタグ本体81と粘着層16を圧着する圧着部130と、圧着部130で得られたICタグ用シート141を巻き取るICタグ用シート巻き取り用ロール140とを具備するものである。
粘着ラベル化工程にて得られたICタグ用シート141は、基材15上に粘着層12と回路素子付きフィルム11と粘着層16と剥離紙17とが順次積層され、回路素子11bが5列設けられている。このICタグ用シート141から以下のようにしてICタグを得る。
まず、ICタグ用シートにおける貫通孔が形成された剥離紙の側縁部を、図10に示すように、仕上げ工程にて切除する。その後、一定間隔で幅方向にミシン目加工して切取線150を形成する。次いで、回路素子が一列に設けられるように切断線150,150・・・に沿ってICタグ用シート141aを切断する。
このようにして、図4に示すような、ICタグ本体81に粘着層16を介して剥離紙17が積層されたICタグ200を得る。そして、このICタグを巻き取ったり、Z折りしたりして最終的な製品にする。
10 回路素子付き積層体
11 回路素子付きフィルム
12 粘着層
13 剥離紙
14 貫通孔
15 基材
20 積層体搬送手段
21 第1のピン
23 モータ(第1の駆動部)
24 第1の制御部
40 剥離紙剥離用ロール(剥離手段)
60 基材搬送手段
61 第2のピン
63 モータ(第2の駆動部)
64 第2の制御部
200 ICタグ
Claims (6)
- 剥離紙と、剥離紙上に順次積層された粘着層と、回路素子付きフィルムとを有し、側縁部に一定間隔で貫通孔が形成されていることを特徴とする回路素子付き積層体。
- 回路素子付きフィルムには、回路素子が幅方向に複数列設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路素子付き積層体。
- 請求項1または2に記載の回路素子付き積層体と、基材とを貼着場所に向けて各々搬送し、貼着場所に達する前に回路素子付き積層体から剥離紙を剥離した上で、貼着場所にて回路素子付きフィルムと基材とを粘着層を介して貼着するICタグの製造方法であって、
回路素子付き積層体の貫通孔に第1のピンを挿入し、回路素子付きフィルムが基材の所定位置に貼着するように制御しつつ第1のピンを移動させて、回路素子付き積層体を搬送することを特徴とするICタグの製造方法。 - 基材の側縁部に一定間隔で貫通孔を形成し、その貫通孔に第2のピンを挿入し、第2のピンを所定の移動速度で移動させて、基材を搬送することを特徴とする請求項3に記載のICタグの製造方法。
- 請求項1または2に記載の回路素子付き積層体における回路素子付きフィルムおよび基材を貼着場所に向けて各々搬送する搬送手段と、貼着場所に達する前に回路素子付き積層体から剥離紙を剥離する剥離手段とを備え、貼着場所にて回路素子付きフィルムと基材とを粘着層を介して貼着するICタグの製造装置であって、
回路素子付き積層体の搬送手段が、回路素子付き積層体の貫通孔に挿入する第1のピンと、第1のピンを移動させる第1の駆動部と、回路素子付きフィルムが基材の所定位置に貼着するように第1の駆動部を制御する第1の制御部とを具備することを特徴とするICタグの製造装置。 - 基材の搬送手段が、基材の貫通孔に挿入する第2のピンと、第2のピンを移動させる第2の駆動部と、第2の駆動部を制御する第2の制御部とを具備することを特徴とする請求項5に記載のICタグの製造装置。
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