JP2007039416A - ワセリン含有水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワセリンを多く配合することが可能で、しかも水中油型に乳化されているので、伸びの軽さやべたつきのなさ等に優れ、使い心地の良いワセリン含有水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】 (1)水膨潤性粘土鉱物と、(2)有機変性粘土鉱物、ポリエーテル変性シリコーンオイルおよび炭化水素系非イオン界面活性剤から選ばれる一種または二種以上と、(3)ワセリンを30〜100質量%含む油分を10〜60質量%とを含むものとする。ここで、炭化水素系非イオン界面活性剤は、POE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれ、ワセリンの配合量は組成物中、10〜50質量%とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 (1)水膨潤性粘土鉱物と、(2)有機変性粘土鉱物、ポリエーテル変性シリコーンオイルおよび炭化水素系非イオン界面活性剤から選ばれる一種または二種以上と、(3)ワセリンを30〜100質量%含む油分を10〜60質量%とを含むものとする。ここで、炭化水素系非イオン界面活性剤は、POE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれ、ワセリンの配合量は組成物中、10〜50質量%とする。
【選択図】 なし
Description
本発明はワセリン含有水中油型乳化組成物に関し、さらに詳しくはワセリンを多量に配合した組成物であって、伸びが軽く、べたつきがないといった水中油型乳化型の特性を有するワセリン含有水中油型乳化組成物に関する。
ワセリンを多く含む基剤、特に油分として実質的にワセリンのみからなる基剤は、経皮水分透過量を抑える効果が高く、乾燥肌には有用であるが、実際の使用場面に於いては、適用部位に薄く少量塗れば充分であるところを、伸びが悪いために厚くつけ過ぎてしまい、結果としてつけた後がべたついて使用感の悪いものとなっているというのが実情である。
そのため化粧品におけるワセリンの配合量は、通常の乳液、クリーム等では5質量%程度であり、一部、マッサージクリームやクレンジングクリームのように、使用時にクリームが転相し、マッサージやクレンジングの後拭き取るというような特殊な用途のクリームでは、10〜15質量%の配合例がある(非特許文献1参照)
またワセリンを多量に配合している例として特許文献1がある。これは、ワセリンのべたつきを抑えるために粉末を、保湿性を高めるためにホスホリルコリン類似基含有重合体を配合し、また実施例では全てにジプロピレングリコールを3質量%と、精製水を約1〜60質量%配合している。
そのため化粧品におけるワセリンの配合量は、通常の乳液、クリーム等では5質量%程度であり、一部、マッサージクリームやクレンジングクリームのように、使用時にクリームが転相し、マッサージやクレンジングの後拭き取るというような特殊な用途のクリームでは、10〜15質量%の配合例がある(非特許文献1参照)
またワセリンを多量に配合している例として特許文献1がある。これは、ワセリンのべたつきを抑えるために粉末を、保湿性を高めるためにホスホリルコリン類似基含有重合体を配合し、また実施例では全てにジプロピレングリコールを3質量%と、精製水を約1〜60質量%配合している。
しかしながら、上記の技術は、記されている製法から判断すると基本的には乳化しているのではなく、溶解したワセリンにその他成分を練り込んだものと予想され、べたつきやのびの軽さなどの使用性の点で、満足できるものではない。
水中油型乳化とは、いわば油を水で希釈することになるので、ワセリンを乳化することができれば、のびが良く、薄く均一に、しかも必要量塗布することができ、好都合である。
しかしながらワセリンを多く含む基剤を従来の方法で乳化することは困難であり、また実際にもその様な試みはなされていなかった。
水中油型乳化とは、いわば油を水で希釈することになるので、ワセリンを乳化することができれば、のびが良く、薄く均一に、しかも必要量塗布することができ、好都合である。
しかしながらワセリンを多く含む基剤を従来の方法で乳化することは困難であり、また実際にもその様な試みはなされていなかった。
本発明者らは、水膨潤性粘土鉱物と、有機変性粘土鉱物またはポリエーテル変性シリコーンオイルまたは特定の炭化水素系非イオン界面活性剤とを併用すると、ワセリンを多く含む基剤、更に実質的にワセリンのみからなる油分を乳化することが可能となり、併せて水膨潤性粘土鉱物が粉末としての使用感を有することから、水膨潤性粘土鉱物によってワセリンのべたつきも軽減され、安定で使用性のよい水中油型の乳化組成物が得られることを見出した。
本発明は、(1)水膨潤性粘土鉱物と、(2)有機変性粘土鉱物、ポリエーテル変性シリコーンオイルおよび炭化水素系非イオン界面活性剤から選ばれる一種または二種以上と、(3)ワセリンを30〜100質量%含む油分を水中油型乳化組成物中、10〜60質量%と、を含み、
前記炭化水素系非イオン界面活性剤がPOE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれる一種または二種以上であり、
ワセリンの配合量が水中油型乳化組成物中、10〜50質量%であることを特徴とするワセリン含有水中油型乳化組成物である。
前記炭化水素系非イオン界面活性剤がPOE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれる一種または二種以上であり、
ワセリンの配合量が水中油型乳化組成物中、10〜50質量%であることを特徴とするワセリン含有水中油型乳化組成物である。
本発明のワセリン含有水中油型乳化組成物は、ワセリンを多く配合することが可能なのでワセリンの有している経皮水分透過量抑制効果を充分に発揮でき、しかも水中油型に乳化されているので、伸びの軽さやべたつきのなさ等に優れ、使い心地の良いものである。
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明で用いられる水膨潤性粘土鉱物は、スメクタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物であり、一般にはモンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等があり、これらは天然又は合成品のいずれであってもよい。本発明に用いる水膨潤性粘土鉱物は、これらの水膨潤性粘土鉱物のうちから、一種または二種以上が任意に選択される。市販品では、クニピア、スメクトン(いずれもクニミネ工業社製)、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズ、ビーガムS−6198(いずれもバンダービルト社製)、ラポナイト(ラポルテ社製)、合成ナトリウム型フッ素金雲母(サブマイカE:大東化成社製)等がある。このうち特に、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズが好ましい。
本発明で用いられる水膨潤性粘土鉱物は、スメクタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物であり、一般にはモンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等があり、これらは天然又は合成品のいずれであってもよい。本発明に用いる水膨潤性粘土鉱物は、これらの水膨潤性粘土鉱物のうちから、一種または二種以上が任意に選択される。市販品では、クニピア、スメクトン(いずれもクニミネ工業社製)、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズ、ビーガムS−6198(いずれもバンダービルト社製)、ラポナイト(ラポルテ社製)、合成ナトリウム型フッ素金雲母(サブマイカE:大東化成社製)等がある。このうち特に、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズが好ましい。
水膨潤性粘土鉱物の配合量は、水相中、3〜25質量%であることが好ましく、特に4〜20質量%が好ましい。3質量%未満では、充分な硬度が得られず温度安定性が悪くなりやすく、25質量%を超えると、硬度が高過ぎて、良好な使用感触が得られない場合がある。
本発明における水相中には水のほか、保湿剤、防腐剤、顔料、その他の水溶性成分等を含ませることができる。水中油型乳化組成物中に占める水相の割合は、45〜80質量%であることが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンオイルは、好ましくは下記一般式(1)で表されるものである。
[式中、Aは炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基または後述するBを示し、Bは一般式:−C3H6O(C2H4O)a(C3H6O)bR’(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択される基であり、aは0〜50の整数であり、bは0〜50の整数である。ただしaとbが同時に0となることはない。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基であり、mは50〜1000の整数であり、nは0〜50の整数である。ただし、分子中に少なくとも1個はポリオキシアルキレン基を有する。]
上記において、nは少なくとも1であることが好ましい。またRはメチル基を示すのが好ましい。
本発明で用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルとして特に好ましいものは、下記一般式(2)および下記一般式(3)で表されるものである。
(式中、m=50〜60、n=2〜5、a=8〜10である。)
(式中、m=50〜60、n=2〜5、a=8〜10、l=2〜4である。)
本発明で用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルは、末端に二重結合基を有するポリオキシアルキレン化合物と、このポリオキシアルキレン化合物の反応性末端基と反応するヒドロシリル基末端を有するシロキサン化合物とを反応せしめることによって製造することができるが、これに限定されるものでない。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば「KF−6017」、「KF−6028」(それぞれ上記一般式(2)、(3)で表される化合物、信越化学工業社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。
本発明で用いられるポリエーテル変性シリコーンオイルは、末端に二重結合基を有するポリオキシアルキレン化合物と、このポリオキシアルキレン化合物の反応性末端基と反応するヒドロシリル基末端を有するシロキサン化合物とを反応せしめることによって製造することができるが、これに限定されるものでない。ポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば「KF−6017」、「KF−6028」(それぞれ上記一般式(2)、(3)で表される化合物、信越化学工業社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。
本発明で用いられる(2)有機変性粘土鉱物としては、天然または合成の水膨潤性粘土鉱物の層間イオンを4級アンモニウムイオンに置換したものであり、有機変性合成ヘクトライト、有機変性天然ヘクトライト、有機変性天然モンモリロナイト等が挙げられるが、これに限定されるものでない。有機変性粘土鉱物は、例えばジメチルジステアリルアンモニウム天然ヘクトライトが「ベントン38」(ELEMENTIS SPECIALTIES社製)、ジメチルジステアリルアンモニウム天然モンモリロナイトが「チクソゲルVPV」(ズードケミー社製)、ジメチルジアルキル合成ヘクトライトが「ルーセンタイトSAN」(コープケミカル社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。
本発明で用いられる炭化水素系非イオン界面活性剤は、HLBが7〜13の範囲のものが好ましく、具体的にはPOE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれる一種または二種以上であり、好ましくはPOE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテルまたはデカグリセリルジイソステアレートである。
(2)成分の配合量は、(2)成分として何を用いるかによって若干異なるが、おおむね水中油型乳化組成物全量中、0.1〜12質量%であり、好ましくは0.3〜10質量%である。0.1質量%未満では乳化性や温度安定性が悪くなる場合があり、12質量%を超えても、それに伴う有効性は見出せない。
(2)成分として有機変性粘土鉱物のみを用いた場合には、0.3〜10質量%が好ましい。(2)成分としてポリエーテル変性シリコーンオイルのみを用いた場合には、0.5〜7質量%が好ましい。
(2)成分として炭化水素系非イオン界面活性剤のみを用いた場合には、0.5〜3質量%が好ましい。
(2)成分として有機変性粘土鉱物のみを用いた場合には、0.3〜10質量%が好ましい。(2)成分としてポリエーテル変性シリコーンオイルのみを用いた場合には、0.5〜7質量%が好ましい。
(2)成分として炭化水素系非イオン界面活性剤のみを用いた場合には、0.5〜3質量%が好ましい。
本発明で用いられる油分は、ワセリンを30〜100質量%含むものである。全油分のうち、ワセリンを30〜100質量%含むものとすることで、経皮水分透過量を抑える効果が高くなる
その他の油分としては、例えば、シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマーである合成炭化水素等の炭化水素、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、イソノナン酸イソノニル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、安息香酸イソデシル、コハク酸ジエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、ジ−トリメチル酢酸トリプロピレングリコール、オクチルメトキシシンナメート等のエステル油及びクロタミトン、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ラノリン等の油脂類、ホホバ油、カルナバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール類等が挙げられる。
このうちシリコーン油としては、不揮発性シリコーン油でも揮発性シリコーン油でもよく、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高重合ジメチルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
油分の配合量は、乳化組成物全量中、10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%である。10質量%未満では、より良い使用感触を与える揮発性シリコーン油との組み合わせを考慮すると、結果としてワセリン量が少なすぎて経皮水分透過量抑制効果に乏しく、60質量%を超えると乳化が困難になり、また得られた製剤の使用感触もワセリン自体そのものに近くなり、本発明の意図するところではない。
また、ワセリンの配合量は水中油型乳化組成物中、10〜50質量%であることが望ましい。ワセリンの配合量が10質量%未満では本発明の意図するワセリンを多量に配合し且つ良好な使用感触を与える製剤とはならず、50質量%を超えると、水中油型の乳化型とするのが困難になる。
本発明のワセリン含有水中油型乳化組成物の用途は、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧品や、ファンデーション等のメーキャップ化粧料、整髪剤、染毛剤等の頭髪用製品、日焼け止め等の特殊化粧品など、多くの種類の化粧品及び医薬品外用剤にわたる。
本発明のワセリン含有水中油型乳化組成物には、上記した必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧品や医薬品等の外用剤に用いられる他の成分、例えば、湿潤剤、酸化防止剤、他の界面活性剤、防腐剤、アミノ酸、香料、アルコール、色剤、粉末、薬剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
具体的には、例えばエタノール等の低級アルコール、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、へキサクロロフェン等の抗菌剤、ナイロン末、ポリエチレン末、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の粉末等を配合することができる。
また、例えばパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d、l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2、2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ベンタン−2−オン等の紫外線吸収剤を配合することができる。
また、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン、リシン等のアミノ酸およびこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩、アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機酸;ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB6 塩酸塩、ビタミンB6 トリパルミテート、ビタミンB6 ジオクタノエート、ビタミンB2 およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸およびその誘導体、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤等を配合することができる。
また、例えばギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、ホワイトリリー等の植物の抽出物、色素、中和剤、酸化防止剤、香料等を配合することができる。
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ここで、配合量は質量%である。
実施例に先立ち、本実施例で試験した(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性、(4)乳化性、および(5)外観の評価方法および評価基準について記載する。
実施例に先立ち、本実施例で試験した(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性、(4)乳化性、および(5)外観の評価方法および評価基準について記載する。
(1)硬度
(評価方法)
カードメーター(機種:Curdmeter-MAX ME-500、メーカー:I.techno Engineering)での測定値:破断荷重(単位g)を硬度として記載した。
(評価方法)
カードメーター(機種:Curdmeter-MAX ME-500、メーカー:I.techno Engineering)での測定値:破断荷重(単位g)を硬度として記載した。
(2)温度安定性
(評価方法)
0℃、RT、50℃の温度で、4週間放置した後の温度安定性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:良好(いずれの温度でも分離せず、安定である。)
B:ほぼ良好(50℃で僅かにオイルが滲み出る。)
C:やや問題あり(硬度が低く、1〜2週間でオイル膜が表面に浮く。)
D:不可(硬度が低く、数日で分離する。)
(評価方法)
0℃、RT、50℃の温度で、4週間放置した後の温度安定性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:良好(いずれの温度でも分離せず、安定である。)
B:ほぼ良好(50℃で僅かにオイルが滲み出る。)
C:やや問題あり(硬度が低く、1〜2週間でオイル膜が表面に浮く。)
D:不可(硬度が低く、数日で分離する。)
(3)使用性
(評価方法)
指に適量取り、手の甲または前腕内側部に塗擦し、使用中のなじみ具合、使用後のべたつき等を評価した。
(評価基準)
A:良好
B:ほぼ良好
C:やや問題あり
D:不可
(評価方法)
指に適量取り、手の甲または前腕内側部に塗擦し、使用中のなじみ具合、使用後のべたつき等を評価した。
(評価基準)
A:良好
B:ほぼ良好
C:やや問題あり
D:不可
(4)乳化性
(評価方法)
乳化時の状態、乳化粒子の顕微鏡観察に基づいて評価した。
(評価基準)
A:良好(乳化状態が良好で、乳化粒子も均一で細かい。)
B:ほぼ良好(乳化状態が良好だが、乳化粒子がやや不均一である。)
C:やや問題あり(乳化時に油分が入りにくく、乳化粒子も大きく不均一である。)
D:不可(全く乳化しない。)
(評価方法)
乳化時の状態、乳化粒子の顕微鏡観察に基づいて評価した。
(評価基準)
A:良好(乳化状態が良好で、乳化粒子も均一で細かい。)
B:ほぼ良好(乳化状態が良好だが、乳化粒子がやや不均一である。)
C:やや問題あり(乳化時に油分が入りにくく、乳化粒子も大きく不均一である。)
D:不可(全く乳化しない。)
(5)外観
(評価方法)
目視で製剤の状態や滑らかさ等を判定した。
(評価基準)
A:良好(滑らかで表面に光沢がある。)
B:ほぼ良好(乳化がやや困難で、やや滑らかさが無い。)
C:やや問題あり(滑らかでなく、やや不均一な状態である。)
D:不可(W/O型に転相する。)
(評価方法)
目視で製剤の状態や滑らかさ等を判定した。
(評価基準)
A:良好(滑らかで表面に光沢がある。)
B:ほぼ良好(乳化がやや困難で、やや滑らかさが無い。)
C:やや問題あり(滑らかでなく、やや不均一な状態である。)
D:不可(W/O型に転相する。)
実施例1〜6(油分中のワセリンの配合比率を変化させた例)
表1に示す配合組成のワセリン含有水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性を調べた。その結果を表1に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表1に示す配合組成のワセリン含有水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性を調べた。その結果を表1に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表1から分かるように、実施例1〜6の水中油型乳化組成物は、(2)成分として有機変性粘土鉱物を使用したもので、いずれも良好な硬度、温度安定性および使用性を有していた。
実施例7〜13(油分中のワセリンの配合比率を変化させた例)
表2に示す配合組成のワセリン含有水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性を調べた。その結果を表2に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表2に示す配合組成のワセリン含有水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(3)使用性を調べた。その結果を表2に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表2から分かるように、実施例7〜13の水中油型乳化組成物は、(2)成分としてポリエーテル変性シリコーンオイルを使用したもので、いずれも良好な硬度、温度安定性および使用性を有していた。
実施例14〜21、比較例1(前記実施例3で、有機変性粘土鉱物量を変化させた例)
実施例3における有機変性粘土鉱物量を変化させて表3に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を実施例3の場合と共に表3に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
実施例3における有機変性粘土鉱物量を変化させて表3に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を実施例3の場合と共に表3に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表3から、有機変性粘土鉱物であるベントン38は0.1質量%以上の配合量でいずれも良好な乳化性を有しており、0.3質量%以上配合することで温度安定性も満足するものとなることが分かる。
実施例22〜29、比較例2(前記実施例8で、ポリエーテル変性シリコーンオイルを変化させた例)
実施例8におけるポリエーテル変性シリコーンオイル量を変化させて表4に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を実施例8の場合と共に表4に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
実施例8におけるポリエーテル変性シリコーンオイル量を変化させて表4に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を実施例8の場合と共に表4に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表4から、ポリエーテル変性シリコーンオイルは0.1質量%以上の配合量でいずれも良好な乳化性を有しており、0.5質量%以上配合することで温度安定性も満足するワセリン含有水中油型乳化組成物となることが分かる。
実施例30〜40、比較例3〜5(炭化水素系非イオン界面活性剤を用いた例)
(2)成分として炭化水素系非イオン界面活性剤を用いて表5、表6に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を表5、表6に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
(2)成分として炭化水素系非イオン界面活性剤を用いて表5、表6に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、(1)硬度、(2)温度安定性、(4)乳化性を調べた。その結果を表5、表6に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表5、表6から、炭化水素系非イオン界面活性剤の中でも特定の炭化水素系非イオン界面活性剤を用いると良好な乳化性、温度安定性、硬度を有するワセリン含有水中油型乳化組成物が得られることが分かる。
実施例41〜46、比較例6〜7(前記実施例1で、ワセリンの配合量を変化させた例)
実施例1におけるワセリンの配合量を変化させて表7に示す配合組成の乳化組成物を常法により製造し、乳化性、硬度、外観、使用性を調べた。その結果を実施例1の場合と共に表7に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
実施例1におけるワセリンの配合量を変化させて表7に示す配合組成の乳化組成物を常法により製造し、乳化性、硬度、外観、使用性を調べた。その結果を実施例1の場合と共に表7に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表7から、ワセリンは40質量%の配合量までは、良好な外観および使用性を有しているが、45質量%、50質量%では外観および使用性がやや劣るようになり、60質量%以上では使用性が悪く、乳化安定性も悪くなることが分かる。
実施例47〜50、参考例1(前記実施例1で、水膨潤性粘土鉱物の配合量を変化させた例)
実施例1における水膨潤性粘土鉱物の配合量を変化させて表8に示す配合組成の乳化組成物を常法により製造し、乳化性、硬度、温度安定性を調べた。その結果を実施例1の場合と共に表8に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
実施例1における水膨潤性粘土鉱物の配合量を変化させて表8に示す配合組成の乳化組成物を常法により製造し、乳化性、硬度、温度安定性を調べた。その結果を実施例1の場合と共に表8に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
表8から、水膨潤性粘土鉱物は3〜18質量%の範囲でいずれも良好な乳化性を有していることが分かる。ただし、3質量%では、硬度が低いため温度安定性が劣る結果となっているが、これはその他の条件により変化するものである。
実施例51〜53(前記実施例8で、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズに代えて、他の水膨潤性粘土鉱物を用いた例)
実施例8におけるビーガム・ウルトラ・グラニュールズ(水膨潤性粘土鉱物)に代えて、他の水膨潤性粘土鉱物を用いて表9に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、乳化性、温度安定性、硬度を調べた。その結果を実施例8の場合と共に表9に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
また、使用した水膨潤性粘土鉱物の詳細は次の通りである。
実施例8におけるビーガム・ウルトラ・グラニュールズ(水膨潤性粘土鉱物)に代えて、他の水膨潤性粘土鉱物を用いて表9に示す配合組成の水中油型乳化組成物を常法により製造し、乳化性、温度安定性、硬度を調べた。その結果を実施例8の場合と共に表9に併せて示す。なお、評価基準は上記の通りである。
また、使用した水膨潤性粘土鉱物の詳細は次の通りである。
(1)ビーガム・ウルトラ・グラニュールズ(VEEGUM ULTRA GRANULES)(R.T. Vanderbilt Company, Inc.社製)
(2)サブマイカE(大東化成社製で、合成ナトリウム型フッ素金雲母)
(3)クニピアG−4(クニミネ工業社製で、天然モンモリロナイト)
(4)ビーガムS−6198(R.T. Vanderbilt Company, Inc.社製で、天然サポナイト)
(2)サブマイカE(大東化成社製で、合成ナトリウム型フッ素金雲母)
(3)クニピアG−4(クニミネ工業社製で、天然モンモリロナイト)
(4)ビーガムS−6198(R.T. Vanderbilt Company, Inc.社製で、天然サポナイト)
表9から、ビーガム・ウルトラ・グラニュールズ以外の水膨潤性粘土鉱物でも良好な乳化性、温度安定性、硬度を有するワセリン含有水中油型乳化組成物が得られることが分かる。
Claims (4)
- (1)水膨潤性粘土鉱物と、
(2)有機変性粘土鉱物、ポリエーテル変性シリコーンオイルおよび炭化水素系非イオン界面活性剤から選ばれる一種または二種以上と、
(3)ワセリンを30〜100質量%含む油分を水中油型乳化組成物中、10〜60質量%と、を含み、
前記炭化水素系非イオン界面活性剤がPOE(12)ジイソステアレート、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(24)POP(13)2−デシルテトラデシルエーテル、デカグリセリルジイソステアレート、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(60)硬化ヒマシ油から選ばれる一種または二種以上であり、
ワセリンの配合量が水中油型乳化組成物中、10〜50質量%であることを特徴とするワセリン含有水中油型乳化組成物。 - 水膨潤性粘土鉱物の配合量が水相中、3〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載のワセリン含有水中油型乳化組成物。
- 前記(2)成分の配合量が乳化組成物全量中、0.1〜12質量%であることを特徴とする請求項1に記載のワセリン含有水中油型乳化組成物。
- ポリエーテル変性シリコーンオイルが下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載のワセリン含有水中油型乳化組成物。
[式中、Aは炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基または後述するBを示し、Bは一般式:−C3H6O(C2H4O)a(C3H6O)bR’(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選択される基であり、aは0〜50の整数であり、bは0〜50の整数である。ただしaとbが同時に0となることはない。)で示されるポリオキシアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基であり、mは50〜1000の整数であり、nは0〜50の整数である。ただし、分子中に少なくとも1個はポリオキシアルキレン基を有する。]
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