JP2020075892A - エアゾール型の油中水型デオドラントスプレー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防臭効果に加えて、高い消臭効果を有しながら、原液の再分散性に優れるエアゾール型の油中水型デオドラントスプレーを提供する。【解決手段】以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を含有する油中水型の原液と、(F)噴射剤を全組成物の60〜90質量%含むエアゾール型デオドラントスプレー。(A):制汗成分及び/または抗菌成分から選択される1種以上、(B):シリコーン系界面活性剤、(C):シクロデキストリン及び/またはその誘導体から選択される1種以上、(D):油剤、(E):水。【選択図】なし

Description

本発明はエアゾール型の油中水型デオドラントスプレーに関し、更に詳しくは、優れた防臭効果に加えて、高い消臭効果を有しながら、長期保管しても原液の再分散性に優れるエアゾール型の油中水型デオドラントスプレーに関する。
一般的にデオドラント製品は、発汗を抑制しながら、菌の繁殖による体臭の悪臭化の防止を目的とする防臭用外用剤であり、シートタイプ、ロールオンタイプ、スプレータイプ等がある。これらデオドラント製品の多くは、予め塗布或いは噴霧して使用される。その為、塗布或いは噴霧後に汗や皮脂等により制汗成分や抗菌成分が流れ落ちないことが強く求められている。
スプレータイプには、噴射剤を使用しないディスペンサータイプと、噴射剤を使用するエアゾールタイプがあり、後者は一般に、原液と噴射剤(例えば、LPG、DME等)を容器内に充填し、吐出ノズルを押圧して内容物を噴霧して使用する。
エアゾールタイプの製品は、原液中に水分を配合すると金属缶が腐食しやすくなるので、缶に穴が開いてしまうなどのエアゾール製品特有の品質不良が生じる。さらに、デオドラントスプレーに配合される制汗成分の多くは金属塩であるため腐食しやすさが促進される。従ってデオドラントスプレーは、水分を含まないか、或いは殆ど含まず噴射剤中で単に制汗成分などを分散させた、いわゆるパウダースプレーと呼ばれるものが市場では主流である。
ところがパウダースプレーは、充分な水系溶媒を確保できないため、水溶性であることが多い制汗成分や抗菌成分が溶解できずデオドラント効果が充分に発揮できない。さらに保湿効果が少なく肌が乾燥しやすくなり、有効成分による刺激も生じやすく肌ダメージの原因となりやすい。
シクロデキストリン類は、その構造上分子内の空洞に悪臭物質を包接することで消臭することが知れられている。その際、シクロデキストリン類が組成物中で完全に溶解されていなければ、消臭効果を十分に発揮することはできない。そのためシクロデキストリン類を配合している市販の室内用の消臭剤は、水を主体とした組成物であり、速乾性を高めるために揮発速度の速いエタノールなどが配合されている。
処方中のほとんどは噴射剤と粉体であるパウダースプレーでは、噴射剤に溶解性を持たないシクロデキストリン類を配合しても、単に分散状態になるだけであり、十分な消臭効果が発揮されない。しかも夏場では多量の発汗によって溶解され、そのまま流されてしまう。そのため、デオドラント効果を目的としたパウダースプレーで、充分に消臭効果を得られるまでシクロデキストリン類を配合するという試みは知られていない。加えて、油中水型組成物にシクロデキストリン類を配合して消臭効果を求めたものも知られていない。
一方、LPG、DMEなどの液化ガス系の噴射剤は、エアゾール缶中で非常に低粘度の油性液体となっているため、エアゾール缶に充填された内容物は、多量の低粘度液体で希釈された状態になる。例えば油中水型の乳化物に噴射剤を配合したエアゾールスプレーでは、下層は水相の微粒子や粉体が分散した乳濁層、上層はLPGに希釈された透明層という2層の外観になることが多く、分離、合一、ゲル化、再結晶化などの安定性不良が発生しやすい。油性又はエタノール主体、パウダータイプのエアゾールスプレーでも同様で、通常は透明で低粘性の噴射剤の中に不溶性の有効成分や粉体が沈降する2層状態になるため、前記のような安定性不良が発生しやすい。
このようなエアゾール型製品の不都合を解消し、デオドラント効果の持続性を高めるために様々な試みが行われている。
例えば、特許文献1には、エアゾール中で水溶性制汗成分と水とを配合し、アルキルポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤で撥水性の皮膜を形成させ制汗効果の持続性の向上を図ったエアゾール制汗組成物が記載されている。
しかしこの場合のデオドラント効果は、汗を原因として発生するであろう臭いを対象とする防臭用の組成物であり、既に悪臭物質が生産されていた場合にはほとんど効果が無い。あくまでも臭いがない状態での使用に限られ、日常的に遭遇するデオドラント剤で必要される、既にできてしまった悪臭成分を消臭する製品ではないので、望まれているデオドラント製品とは言いがたい。
特許文献2では、(A)シリコーン皮膜形成剤、(B)液状油分及び低級アルコールの内の少なくとも1種、並びに(C)デオドラント成分を含有する原液と、(D)噴射剤とからなるデオドラント剤が記載されている。
シリコーン皮膜形成剤を配合することだけで、塗布膜の強度が向上しデオドラント効果の持続性が向上する旨が開示されている。
しかしながら、水−アルコール系で処方化した場合には、油性成分が分離して耐水性シリコーン系皮膜形成剤が乾燥時に不均一化しやすく、多量のシリコーン系皮膜形成剤を配合しても非水系の処方に比べて持続性が劣っている(表2実施例8 防臭効果の持続性)。
また、特許文献2には、界面活性剤を任意に配合可能な成分としているものの、「界面活性剤の配合は、塗布後に汗により再乳化が起こり、耐汗性が低下し、本発明の効果を奏しないことがある。特にシリコーン界面活性剤を含む場合、(A)成分との親和性に優れ、再乳化が生じることで耐汗制が低下し易いため配合しないことが、望ましい」と述べられており、界面活性剤との併用、特にシリコーン界面活性剤との併用が適さない旨が開示されている。
特許文献3には、制汗剤として油中水型乳化組成物が示されている。部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンと部分架橋型メチルポリシロキサンを配合した使用感が良好で、優れた制汗効果を長時間にわたって持続することができるクリーム状制汗剤組成物が実施例で開示されている。
しかしながら特許文献3の組成物をエアゾールタイプのスプレーの原液に用いた場合、多量の噴射剤で希釈された低粘度の状態になるため充分な分離安定性が確保できない。また、表面張力を低下させる効果が高いシリコーン系界面活性剤を配合していないため、内水相は充分に微粒子化されることはなく、不均一な噴射状態になってしまうなどの再分散性の問題は残る。
以上の試みでもわかるように現在市販されているデオドラント製品は、あらかじめ塗布することで、制汗、抗菌効果により時間がたっても臭いが気にならないという防臭効果が目的であり、臭いの無い状態で使用することが前提である。実際の使用シーンでは、既に臭いが気になることはよくあることであり、この状態で単に香料などでマスキングしても充分な効果を持つデオドラント製品とはならない。
防臭効果に加えて、気になる臭いを消臭することで、更に市場にマッチした製品になると考える。
特開平8−175948号公報 特開2014−047186号公報 特開2005−179305号公報
本願発明は、上記背景を鑑み、優れた防臭効果に加えて、高い消臭効果を有しながら、再分散性に優れるエアゾール型の油中水型デオドラントスプレーを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の構成とすることで上記課題を解決した。
〔1〕第一発明としては、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を含有する油中水型の原液と、(F)噴射剤を全組成物の60〜90質量%含むエアゾール型デオドラントスプレー
(A):制汗成分及び/または抗菌成分から選択される1種以上
(B):シリコーン系界面活性剤
(C):シクロデキストリン及び/またはその誘導体から選択される1種以上
(D):油剤
(E):水
〔2〕第2発明としては、前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの中から選択される1種以上を含有する第1発明に記載のデオドラントスプレー
〔3〕第3発明としては、前記成分(C)が、α―シクロデキストリン、β―シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β―シクロデキストリンの中から選択される1種以上を含有する第1発明又は第2発明に記載のデオドラントスプレー
〔4〕第4発明としては、前記原液がさらに成分(G)油系ゲル化剤として、部分架橋型メチルポリシロキサン、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、有機変性粘土鉱物、デキストリン脂肪酸エステル、煙霧状シリカ、多孔質シリル化シリカの中から選択される1種以上を含有する第1発明乃至第3発明いずれかに記載のデオドラントスプレー
〔5〕第5発明としては、前記原液がさらに成分(H)として、無機紛体及び/又は有粉体の1種以上を含有する第1発明乃至第4発明いずれかに記載のデオドラントスプレー
〔6〕第6発明としては、前5記成分(E)水の量が、前記成分(A)および(C)に該当する成分中、配合量が最大量である成分の質量比3〜50倍であり、かつ、原液中の10〜50質量%である第1発明乃至第5発明いずれかに記載のデオドラントスプレー。
本発明によれば、優れた防臭効果を有しながら、長期保管しても再分散性に優れるデオドラントスプレーとすることができる。さらに既に悪臭物質が生成している場合でも、スプレーすることで消臭効果を感じることができる。また、油中水型であるため耐水性が高く、塗布面に定着し防臭、消臭効果を長時間維持することができる。さらに外相が油相であるため缶の腐食が起こりにくいなどの安全性も優れる。
以下、本発明に含まれる成分について、詳細に説明する。
本発明で言う防臭効果は、原液に含まれる制汗剤と抗菌剤によって、汗や皮脂が菌の繁殖で悪臭化するのを防ぐ働きを指す。
本発明に用いられる成分(A)制汗成分、抗菌成分は特に限定されない。各種の制汗成分、抗菌成分が使用できる。単独で配合しても良いし、複数の成分を併用しても良い。
制汗成分は、目的に応じて公知の制汗成分から選択することができる。例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、フェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、β−ナフトールジスルホン酸アルミニウム、過ホウ酸ナトリウムアルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、ジルコニウムクロロハイドレート、ミョウバン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、アルミニウムナフタリンスルホン酸、塩基性ヨウ化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でもクロルヒドロキシアルミニウム、ミョウバン、フェノールスルホン酸亜鉛が好適に使用可能である。制汗剤は、市販品を用いてもよい。本発明においては、他の成分との混合原料の形態の市販品を用いてもよい。
前記制汗成分は、水またはエタノールに溶解されており油中水型の原液において内相中に含まれることが好ましい。
抗菌成分は、特に制限はなく、目的に応じて公知の抗菌成分から適宜選択することができ、例えば、イソプロピルメチルフェノール、ココイルアルギニンエチルPCA、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、ヒノキチオール、エチルヘキシルグリセリン、カプロイルグリシン、フェノキシエタノール、1.2ペンタンンジオール、1.2ヘキサンジオール、1.2オクタンジオールなどが挙げられる。これらの中でもイソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール、ココイルアルギニンエチルPCAが好適に使用可能である。抗菌剤は、市販品を用いてもよい。本発明においては、他の成分との混合原料の形態の市販品を用いてもよい。
抗菌成分も、水または、エタノールに溶解されて、油中水型の原液において内相中に含まれることが好ましい。
制汗成分を配合する場合は、配合量は特に限定されないが、デオドラントスプレー全量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜4質量%がより好ましく、0.3〜3質量%が更に好ましい。
この範囲であれば、塗布時に充分な制汗効果が得られる。さらに肌に対する刺激がなく、使用時のベタツキが感じられない。また、配合された水に対する溶解性が確保されるため、制汗成分がゲル化や結晶化をおこさずスプレー時のツマリが発生しない。
抗菌剤を配合する場合は、配合量は特に限定されないが、デオドラントスプレー全量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.7質量%、更に好ましくは0.05〜0.5質量%である。この範囲であれば、肌に刺激がなく、悪臭を生成する細菌に対して充分な増殖阻害効果を得ることができる。
本発明に用いられる成分(B)シリコーン系界面活性剤は、主に乳化剤としての役割をする。シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、油中水型で水相を充分に微粒子化できるのであれば、公知のシリコーン系界面活性剤から任意に選択することができる。
さらにシリコーン系界面活性剤の中でも低HLBのものが好ましい。好適なHLBとしては、8以下、さらに好適には7以下のものが選択される。
なお、本明細書中のHLB(親水性―親油性のバランス<Hydrophilic−Lypophilic Balance>)の記載に関しては、該当成分の原料カタログに記載された数値を採用している。カタログに記載がない場合は川上法(数1)によりHLBを算出する。
成分(B)シリコーン系界面活性剤を配合して微粒子に分散された油中水型の原液とすることで、エアゾール型スプレー特有の問題点が改善される。例えば、噴射剤が大量に配合されたために生じる有効成分の分散不良や、結晶化によるスプレーノズルやバルブの「ツマリ」、ゲル化し噴射パターンが不均一になるなどの品質不良を防ぐ。しかも、使用前に少し振り混ぜるだけで細分化し、再分散するため使用性を向上させる効果がある。さらに油相の相溶性が高まることで、均一で欠陥のない皮膜が形成され強度が向上し耐水性に寄与する。
シリコーン系界面活性剤は、ポリエーテル変性シリコーンである以下の成分が挙げられる。例えば、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンの使用が好ましい。シリコーン系界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において用いられるポリオキシアルキレン変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するものがあげられる。 また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンにおいて、オルガノポリシロキサン主骨格は、別のオルガノポリシロキサン鎖を側鎖に有していてもよい。
また、直鎖型のポリオキシアルキレン変性シリコーンも好適な例として挙げられる。例えばポリオキシアルキレン鎖と、オルガノポリシロキサン鎖が両末端で交互に結合した直鎖状のブロック共重合体(ABnタイプ)が挙げられる。
本発明において用いられるポリオキシアルキレン・アルキル変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリオキシアルキレン基と炭素数4以上のアルキル基とを有するものが挙げられる。
また、上記ポリオキシアルキレン・アルキル変性シリコーンにおいて、オルガノポリシロキサン主骨格は、別のオルガノポリシロキサン鎖を側鎖に有していてもよい。
本発明において用いられるポリグリセリン変性シリコーンは、直鎖又は分岐鎖のオルガノポリシロキサンを主骨格として、側鎖にポリグリセリン基を有するものが挙げられる。
これらの中でもPEG−10ジメチコン、ポリシリコーン−13、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンが好適に使用可能である。
本発明において、成分(B):シリコーン系界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、デオドラントスプレー全量に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%である。さらに好ましくは、0.3〜2質量%である。この範囲で配合することで原液を安定に油中水型で乳化することができる。さらに多量の噴射剤が配合されたエアゾール缶中での再分散性を確保することができる。
本発明に用いられる成分(C)シクロデキストリン及び/またはその誘導体は、悪臭成分を包接により低減させる目的で配合される。さらに消臭効果を高めるためには、あらかじめ水に溶解していることが好ましい。
本発明で言う消臭効果とは、発生してしまった悪臭を物理的又は化学的な方法で無臭、低臭化する働きを言う。
具体的には、α―シクロデキストリン、β―シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β―シクロデキストリン等から選択される1種以上を用いることができる。
中でも、水への溶解性が比較的良好なものが、スプレーの噴射パターンの不均一化やノズルのツマリが起りにくく好適である。例えば水への溶解度が10g/100ml以上のα−シクロデキストリンが好適である。誘導体としては、β−シクロデキストリンにプロピレンオキサイドを反応させヒドロキシプロピル化することで、さらに水への溶解度が向上して100g/100ml以上となったヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは安定性上で特に好適である。
溶解性に問題がない配合量であれば、2g/100ml程度と比較的溶解度の低いβ−シクロデキストリンを併用することもできる。併用することで、さらに多種の悪臭成分に対応することが可能になる。
なお、水への溶解度に関しては、25℃の水100mlに対する最大溶解量で示している。
本発明において、成分(C):シクロデキストリン及び/またはその誘導体の配合量は、特に限定されないが、デオドラントスプレー全量に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜4質量%、更に好ましくは、0.3〜3質量%である。この範囲であれば、塗布時に充分な消臭効果が得られる。その上で、シクロデキストリン及び/または、その誘導体の組成物全体への溶解度も考慮して配合量を決定することが好ましい。
本発明に用いられる成分(D)油剤は、特に限定されないが、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、動植物油、リン脂質、高級脂肪酸、高級アルコール、フッ素系油剤等が挙げられるが、これらのいずれか1種以上を用いることができる。これらの常温での状態は、液状、半固形、固形のいずれも使用することができる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、イソパラフィン、イソドデカン、パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12―ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパンオリゴエステル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸トレハロースエステルズ、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル、(2−ヘキシルデカン酸・セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、ラウリン酸エチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、トリイソパルミチン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、クエン酸トリエチル、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジイソステアリン酸プロパンジオール、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリアルキルシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン等が挙げられる。
動植物油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、アルガン油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、グレープシード油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、月見草油、カカオ脂、ヤシ油、モクロウ核油、牛脚脂、硬化ヤシ油、硬化パーム油、硬化ヒマシ油、ミツロウ綿ロウ、ベイベリーロウ、ヌカロウ、カポックロウ、サトウキビロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、セラックロウ等が挙げられる。
成分(D)油剤の配合量は特に限定されないが、原液中、好ましくは20質量%〜70質量%、より好ましくは25質量%〜60質量%である。さらに好ましくは30質量%〜50質量%である。デオドラントスプレー全量に対して言えば、好ましくは2〜28質量%、より好ましくは2.5〜24質量%、更に好ましくは、3〜20質量%である。この範囲であれば、原液でも噴射剤が配合されたエアゾール組成物としても良好な分散安定性を維持することができる。さらに制汗剤やスキンケア効果のために配合した保湿剤を起因とするベトツキを抑制できる。スキンケア効果の高い油剤を選択することで良好なエモリエント効果を得ることもできる。 また、サラサラとした使用感や滑らかな仕上がりのために粉体成分を配合した場合にも、白くならずに透明な仕上がりにすることができる。
成分(E)水の配合量としては特に限定されないが、有効量の成分(A)制汗剤及び抗菌剤、成分(C)シクロデキストリン及びその誘導体が安定的に溶解できる量であることが好ましい。具体的には(A),(C)に該当する成分中で最大の配合量に対して3倍から50倍の質量比であるように調整する。その場合の原液中の水分量としては、好ましくは10〜55質量%、15〜50質量%、更に好ましくは、20〜45質量%とする。デオドラントスプレー全量に対して言えば、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1.5〜18質量%、更に好ましくは、2〜16質量%となる。
さらに原液は油中水型であり、エアゾールスプレーのように大量の噴射剤を配合しても内水相の粒子状態を安定に維持できる配合量であることが好ましい。もっとも、噴射剤が配合された状態では、均一な乳化状態である必要は無く、多量の噴射剤に希釈された油相中で、内水相が分散相となり、乳化粒子が底部に沈降しているような状態でもよい。軽く振とうする程度で、均一に分散する状態が望ましい。
成分(F)噴射剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の噴射剤から選択することができる。LPG(液化石油ガス),DME(ジメチルエーテル),二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、フッ化炭化水素などが挙げられる。これらの中でも液化ガスであるLPG,DMEが好適に使用可能である。
エアゾール缶に充填しデオドラントスプレーとするための、噴射剤の配合量は、デオドラントスプレー全量に対して、好ましくは60〜90質量%である。より好ましくは、65〜85質量%である。さらに好ましくは、70〜80質量%である。この範囲であれば、充分な噴射力が得られスプレーしたときに均一に噴射できる。
本発明において、更に配合可能な成分(G)油系ゲル化剤は、比較的少量で増粘するため使用感への影響を最小限にとどめながら分散相である微粒子化された水相粒子の安定性を高めることができる。そのため長期間保管しても油中水型の微粒子状態が維持されスプレーのツマリ、噴射パターンの不均一化などの品質の劣化が起こりにくくなる。
さらに、エアゾール缶に充填する前の原液の保管安定性のためにも油性ゲル化剤は有用である。具体的には、原液の作成後、原液の品質を管理する、充填場所が異なるため輸送するなどの理由で一週間から1ヵ月程度、原液状態で保管されることがある。その間の分離安定性を強くしておくと、簡単な設備で混合するだけで充填できるため充填工程が簡略化できる。噴射剤を混合する時も安定な油中水型のほうが、混合性が良い。
(G)油系ゲル化剤は、必要に応じてその1種以上を用いることができる。
本発明に使用する成分(G)油系ゲル化剤としては、特に限定的ではなく、通常の化粧料に用いられる油形ゲル化剤を任意に用いることができる。例えば、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物である(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーや(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。さらに、有機変性粘土鉱物、デキストリン脂肪酸エステル、煙霧状シリカ、多孔質シリル化シリカ、ジブチルアルキルグルタミド、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリアミド変性シリコーン、ポリアミド樹脂などを用いることができる。
これらの中でも(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/PEG−10/15)クロスポリマー、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物、煙霧状シリカが好適に使用可能である。
(G)油系ゲル化剤の含有量は、特に限定されないが、原液中、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%である。さらに好ましくは1〜3質量%である。デオドラントスプレー全量に対して言えば、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.15〜2質量%、更に好ましくは、0.2〜1.5質量%である。この範囲とすることで、使用感に悪影響を及ぼさずに原液の乳化安定性を向上させ、噴射剤を配合したエアゾール組成物の再分散性、ケーキング防止効果、分離安定性を向上させることができる。
本発明において、更に(H)粉体成分を配合することで、使用感をより向上することもできる。粉体成分としては特に制限はなく、目的に応じて公知の粉体から選択することができる。
無機粉体としては、タルク、マイカ、セリサイト、窒化ホウ素などの板状粉体、球状シリカ、球状多孔質シリカや、それらの表面を疎水化処理したものなどが挙げられる。有機粉体としては、PTFEなどの不定形粒子粉体、ラウロイルリジンなどの板状粉体、ポリアクリル酸エステルやその共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、シリコーンパウダーなどの球状粉体、さらにこれらの球状粉体を多孔質になるように製造したものが挙げられる。これらの中でもPMMA,ナイロン、シリカ、シリコーンパウダーの球状粉体は、特になめらかでべたつき感が低減されサラサラとした感触が得られる。さらに球状多孔質のPMMA粉体やシリカを配合した場合は、サラサラ感が持続する良好な使用感であり好適に使用できる。
比重の低い有機粉体を選択すると再分散性が向上する。
(H)粉体成分の含有量は、特に限定されないが、原液中、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは3〜15質量%である。デオドラントスプレー全量に対して言えば、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは、0.3〜6質量%である。この範囲とすることで、塗布後に白くならずに長時間良好な使用感を保つことができる。
上記成分に加え、本願の目的を損なわない範囲で、さらに通常の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、シリコーン系皮膜形成剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、上記以外のゲル化剤・増粘剤、粉体、多価アルコール、高級アルコール、低級アルコール、高級脂肪酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗炎症剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、PH調整剤、香料、着色料、消臭効果のある植物エキス、美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができ、その製造方法は、通常の化粧料を製造する方法にて可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜3に示す足用スプレー組成物を、以下の調整方法により製造した。
(調整方法)
表1に示す配合にて、(I)油相,(II)水相,(III)エタノール相をグループごとにそれぞれを均一に混合しておく。
(I)を攪拌しながら(II)、(III)を順次加える。
ディスパーミキサーで2000rpmにて1分間処理し原液とする。
エアゾール試験瓶100mlに、原液を量り取り、密栓した後、(IV)噴射剤(LPG 0.15MPa)を充填して、エアゾール組成物のサンプルとした。(原液と噴射剤の合計が40gになるように、それぞれを充填した)
(評価項目と評価方法)
各サンプルをパネラー20名で評価をおこなった。一人のパネラーに対し、一方の足を「防臭効果」確認に、他方の足を「消臭効果」確認に用いた。
「防臭効果」
朝、外出前に片足裏に適量噴霧して、靴を履いたままの状態で過ごし、噴霧約12時間後、夜の入浴前に足の臭いに関して評価をおこなった。
「消臭効果」
朝、外出前に片足にデオドラント剤を使用せずに、靴を履いたままの状態で過ごし、約12時間後、夜の入浴前に片足裏に、デオドラント剤を適量噴霧し、5分後の臭いに対して評価をおこなった。
「使用中の官能評価」
「足のムレ」「サラサラ感の持続」を評価した。
なお、各項目の評価基準を以下に示す。
「防臭効果」
◎:15名以上が、足の臭いが気にならない。と回答した。
○:8〜14名が、足の臭いが気にならない。と回答した。
△:4〜7名が、足の臭いが気にならない。と回答した。
×:3名以下が、足の臭いが気にならない。と回答した。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
「消臭効果」
◎:15名以上が、足の臭いが気にならない。と回答した。
○:8〜14名が、足の臭いが気にならない。と回答した。
△:4〜7名が、足の臭いが気にならない。と回答した。
×:3名以下が、足の臭いが気にならない。と回答した。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
「足のムレ」
◎:15名以上が、使用中に足のムレを感じないと回答した。
○:8〜14名が、使用中に足のムレを感じないと回答した。
△:4〜7名が、使用中に足のムレを感じないと回答した。
×:3名以下が、使用中に足のムレを感じないと回答した。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
「サラサラ感の持続」
◎:15名以上が、サラサラ感が持続すると回答した。
○:8〜14名が、サラサラ感が持続すると回答した。
△:4〜7名が、サラサラ感が持続すると回答した。
×:3名以下が、サラサラ感が持続すると回答した。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
「原液の状態」
原液を作成後、室温で24時間静置した後の状態を評価した。
◎:良好な乳化状態が維持されていた。
○:上部にわずかに透明の分離が見られるが、軽く攪拌することで均一な乳化状態になった。
△:上部にはっきりと透明の分離がみられる。攪拌してもなかなか均一な乳化状態にならない。
−:完全に分離し、攪拌しても均一な乳化状態にはならない。
「1ヶ月後の再分散性」
エアゾール試験瓶(透明ガラス製)に原液と噴射剤を充填したサンプルを各3本ずつ作成し均一になるまで振り混ぜた後、40℃、フリーザー、0℃/40℃サイクル試験の3条件で1ヵ月静置保管する。上下逆さまにひっくり返して再分散性を評価する。
(分散状態確認)
◎:下層が凝集やゲル化がない状態で3、4回ひっくり返すと均一な分散状態になる。
○:下層でわずかに凝集や不均一なゲル化が見られるが、10回ひっくり返した後は、均一な分散状態になる。
△:下層で凝集や不均一なゲル化がある。10回ひっくり返しても凝集、ゲル化がなくならない。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
(噴射状態確認)
その後、黒い画用紙に20cmの距離から噴射して、噴射パターンに問題がないか確認した。
◎:均一に広がった、細かい粒子の噴射パターンである
○:噴射パターンの所々にやや大きな粒子が見られる
△:噴射状態が悪くなり、噴射パターンのムラが激しく均一に塗布できない
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
「1ヵ月後の低温噴射試験」
40℃、フリーザー、0℃/40℃サイクル試験の3条件で1ヵ月静置保管した後、5℃のインキュベーターに6時間以上保管し、よく振り混ぜた後、噴射する。
◎:均一に広がった、細かい粒子の噴射パターンである
○:噴射パターンの所々にやや大きな粒子が見られる
△:噴射状態が悪くなり噴射パターンのムラが激しく均一に塗布できない
×:使用性に問題あり。噴射量が少なく弱くなり、目的の場所にわずかしか届かなくなる。
−:原液、噴射剤を充填直後、振り混ぜても均一な分散状態にならず評価できない
それぞれの項目について評価をおこなった。
結果を表1(実施例1、2比較例1,2)に示す。
実施例1、実施例2では、シクロデキストリンおよびその誘導体を配合することで高い防臭効果を夕方まで実感することができた。加えて一日デオドラント剤を使用しなかった足に噴霧した場合にも、多くの人で消臭効果があるという評価だった。
比較例1に関しては、ほとんど防臭、消臭効果を感じることはできなかった。
さらに、一般的に高い消臭効果を持つことが知られ、さらに各種有効性が確認されている茶乾留液と柿タンニン水溶液を配合した比較例2でも、夕方になると臭いが気になり大多数の人で防臭効果が実感できていない結果だった。デオドラント剤を使用しなかった足に対して若干の消臭効果が見られたが、有効であると言う評価は少なかった。
本組成物おいては、消臭成分の中でも特にシクロデキストリンおよびその誘導体を配合することが防臭効果にも、消臭効果にも有効であることが示されている。
実施例1、2及び比較例1、2について、原液の状態では良好な乳化状態であった。
ただしエアゾール試験瓶に噴射剤と一緒に充填後、1ヵ月たつと乳化物が下部に沈みわずかに乳化粒子の凝集が見られたが、10回ひっくり返した後は、キレイな分散状態になる。さらに噴射状態は良好であった。
原液およびエアゾール組成物の製法は、上記による。
油性ゲル化剤として(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーを配合した実施例3は、1ヵ月後の再分散性(分散状態)で、粒子径の細かい乳化物が沈んだ状態であった。そのため油性ゲル化剤を配合していないもの半分以下の回数である3、4回ひっくり返した程度で均一に分散される、特に使用性の簡便なものであった。
実施例4は、シリコーンパウダーの球状粉体であるポリメチルシルセスキオキサンパウダー(平均粒子径6μm)を配合することでサラサラ感が向上し、さらに足のムレも少なく感じられるようになった。再分散性は良好だった。
比較例3は、ポリエーテル変性シリコーンの代わりに代表的な親油性乳化剤であるセスキオレイン酸ソルビタンを用いている。作成直後の原液の乳化は均一だったが、乳化粒子が多きため白さの少ない外観だった。エアゾール組成物にして噴霧すると、すぐにベタツキが感じられたためサラサラ感の持続の評価が低かった。1ヵ月後の再分散性については、分散状態が悪く凝集や不均一なゲル化物が混ざって沈降していた。噴射状態は、噴射パターンの所々にやや大きな粒子が見られるが、とりあえず使用可能なレベルだった。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いた比較例4、乳化剤を配合しない比較例5では、原液が乳化できなかった。さらにエアゾール試験瓶中でも噴射剤と均一に混合されずに不均一な状態だったため評価ができなかった。
原液およびエアゾール組成物の製法は、上記による。
実施例5、実施例6、実施例7は、粉体が配合されているのでサラサラとして油膜感が少ない良好な使用感だった。また油性ゲル化剤が配合されているので、1ヵ月後の3条件とも軽く振り混ぜただけで均一に分散する使用性の良い組成物だった。加えて原液状態で1ヵ月後も分離せず、エアゾール試験瓶へ充填する時は、攪拌による均一化の必要がなかった。
制汗剤や抗菌剤、消臭剤は、同じ有効性を確保するためには、エアゾール組成物全体に対する配合量を変えない。そのため比較例6では、噴射剤を多くしすぎて原液量が少なくなっているので、有効成分(α―シクロデキストリン、フェノールスルホン酸亜鉛などは一定量のため)を充分安定に溶解できる溶媒量が確保できない。そのため1ヵ月保管で、3条件ともエアゾール試験瓶の下部に凝集、ゲル化がみられ、10回ひっくり返してもキレイな分散にはならなかった。低温噴射試験では噴射パターンが悪化し、噴射ムラが大きく均一に塗布するのが難しかった。
また、噴射剤が少ない比較例7では、室温で噴射しても明らかに噴射力が弱い。さらに低温噴射試験では、噴射圧力が著しく下がり、弱々しくしか噴射されない。噴射量が少なく、塗布したい場所に届かないなど使用性が悪い。
比較例8は、作成直後に原液が分離してしまい油中水型の組成物にならなった。そのためエアゾール試験瓶中で噴射剤と混合した時に不均一な状態になってしまい評価できなかった。
実施例8
腋臭防止用スプレー
成分名
1:パルミチン酸デキストリン 0.5質量%
2:ジステアルジモニウムヘクトライト 0.5質量%
3:セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン 0.5質量%
4:(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(40%)/メチルトリメチコン(60%)溶解物 2.0質量%
5:デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0質量%
6:エチルヘキサノイン 2.0質量%
7:多孔質球状シリカ(平均粒子径 3μm) 1.0質量%
8:精製水 12.379質量%
9:クエン酸 0.01質量%
10:EDTA−2Na 0.001質量%
11:グリチルリチン酸2K 0.05質量%
12:ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 1.0質量%
13:ブチレングリコール 1.5質量%
14:ヒアルロン酸Na 0.01質量%
15:茶乾留液エタノール溶液(チャ乾留液含有量4%) 1.0質量%
16:柿タンニン水溶液(カキタンニン含有量2.2%) 1.0質量%
17:クロルヒドロキシアルミニウム 3.0質量%
18:フェノキシエタノール 0.5質量%
19:香料 0.05質量%
20:LPG(0.15MPa) 70.0質量%

製造方法:LPG以外の成分をあらかじめ常法で製造し、アルミ製エアゾール容器に充填した後、LPGを充填し振り混ぜて腋臭防止用スプレーのサンプルを作成した。
脇にスプレーすることで長時間防臭効果と制汗効果が感じられた。
さらに臭いが気になった時にスプレーすることで消臭効果が実感された。
保管安定性も良好であった。
携帯用足用防臭消臭スプレー(噴射剤の量が多い+有効成分が少ない例)
実施例9
成分名
1:煙霧状シリカ(ジメチルシリル化シリカ) 0.3質量%
2:セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン 0.3質量%
3:モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.2質量%
4:イソドデカン 4.8質量%
5:多孔質球状PMMA(平均粒子径 8μm) 0.1質量%
6:精製水 2.749質量%
7:EDTA−2Na 0.001質量%
8:グリチルリチン酸2K 0.05質量%
9:α−シクロデキストリン 0.2質量%
10:ジプロピレングリコール 1.0質量%
11:ココイルアルギニンエチルPCA 0.05質量%
12:ミョウバン 0.2質量%
13:香料 0.05質量%
14:LPG(0.15MPa) 90.0質量%

製造方法:LPG以外の成分をあらかじめ常法で製造し、50mlアルミ製エアゾール容器に充填した後、LPGを充填し振り混ぜて携帯用防臭、消臭剤サンプルを作成した。
朝から靴を履いて外出して夕刻臭いが気になるときに、外出先で足にスプレーした。すぐに臭いが気にならなくなり、帰るまで防臭効果が続く組成物だった。
長期保管しても軽く振り混ぜるだけで細かい霧でスプレーすることができる保管安定性が良好なサンプルであった。
靴用消臭スプレー
実施例10
成分名
1:(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー(24.168%ジメチコン分散物) 3.0質量%
2:PEG−10ジメチコン 2.0質量%
3:ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.0質量%
4:トリメチルシロキシケイ酸(50%)/デカメチルシクロペンタシロキサン(50%)溶解液 1.0質量%
5:デカメチルシクロペンタシロキサン 4.0質量%
6:メチコン処理タルク(平均粒子径 7μm) 6.0質量%
7:精製水 15.39質量%
8:クエン酸 0.05質量%
9:EDTA−2Na 0.01質量%
10:ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 3.0質量%
11:フェノキシエタノール 0.5質量%
12:エタノール 4.0質量%
13:香料 0.05質量%
14:DME 60.0質量%

製造方法:メチコン処理タルクとDME以外で、あらかじめ常法により原液を製造し、アルミ製エアゾール容器に充填した後、メチコン処理タルクおよび噴射剤であるDMEを充填し振り混ぜてサンプルを作成した。
靴にスプレーした直後でも白さが目立たない。あらかじめ靴にスプレーしておくことで、靴を使用したときに充分な防臭効果を持つ組成物であった。さらに夕方まで使用した靴にスプレーしてもすぐに消臭効果が感じられた。長期間保管後も数回間を上下に振ることで良好なスプレー状態だった。

Claims (5)

  1. 以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を含有する油中水型の原液と、(F)噴射剤を全組成物の60〜90質量%含むエアゾール型デオドラントスプレー
    (A):制汗成分及び/または抗菌成分から選択される1種以上
    (B):シリコーン系界面活性剤
    (C):シクロデキストリン及び/またはその誘導体から選択される1種以上
    (D):油剤
    (E):水
  2. 前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンの中から選択される1種以上を含有する請求項1に記載のデオドラントスプレー
  3. 前記成分(C)が、α―シクロデキストリン、β―シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β―シクロデキストリンの中から選択される1種以上を含有する請求項1又は請求項2に記載のデオドラントスプレー
  4. 前記原液が、さらに成分(G)油系ゲル化剤として、部分架橋型メチルポリシロキサン、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、有機変性粘土鉱物、デキストリン脂肪酸エステル、煙霧状シリカ、多孔質シリル化シリカの中から選択される1種以上を含有する請求項1乃至請求項3いずれかに記載のデオドラントスプレー
  5. 前記原液が、さらに成分(H)として、無機紛体及び/又は有粉体の1種以上を含有する請求項1乃至請求項4いずれかに記載のデオドラントスプレー

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