JP2007038066A - 背負バンドの取付構造。 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の少ない簡易な構成で、容易に背負バンドを取り付けることができ、しかも背負バンドの取付端部の移動を防止できる背負バンド取付構造を提供する。
【解決手段】背負式作業機の作業者側となる面におけるバンド取付部24に凹部28を形成し、該凹部の左右の側面28a,28b間にバー30を架設し、背負バンドの端部を折り返して形成された筒部36をバー30と凹部の底面28cとの間の隙間32に挿入し、該筒部にピン38を挿入して前記凹部からの背負バンド16の抜け止めを施すとともに、凹部の下面に形成された突起34により、ピンが挿入された筒部が凹部内において保持される。
【選択図】図4

Description

本発明は、農作業等に用いられる動力噴霧機、動力散布機或いはブロア装置等の背負式作業機に関し、特に、背負バンドを作業機に取り付けるための取付構造に関する。
従来、背負式作業機の背負バンドは左右一対あり、各バンドの上端と下端が背負い枠の上部と下部の取付枠等に取り付けられている。背負バンドの取付構造としては従来から種々あるが、背負バンドを取り外して洗浄やその為のメンテナンス等を行うことができるように、例えば下記の特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1に記載のバンド取付構造は、取付枠に形成された細孔に背負バンドの端部の筒部を挿入し、その語、筒部にピンを挿入して抜け止めを図るというものである。
実開昭51−87997号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のバンド取付構造においては、ピンが背負バンドから抜け落ちないように、ピンの一部を縮径し、そこに筒部の上から締付け金具をかしめ付けるという作業が必要であった。この作業は手間がかかり、ピンも複雑な特殊形状であるので、製造が困難であり、更に、部品数も多いという問題がある。また、背負バンドの筒部が下方に移動して、上部と下部の取付枠間で背負バンドが短くなり、腕を通し難いという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数の少ない簡易な構成で、容易に背負バンドを取り付けることができ、しかも、背負バンドの取付端部の移動を防止できる背負バンド取付構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、背負式作業機(10)に背負バンド(16)の端部を取り付ける取付構造において、背負式作業機(10)の作業者側となる面におけるバンド取付部(24)に凹部(28)を形成し、該凹部(28)の左右の側面(28a,28b)間にバー(30)を架設し、背負バンド(16)の端部を折り返して形成された筒部(36)をバー(30)と凹部(28)の底面(28c)との間の隙間(32)に挿入し、筒部(36)にピン(38)を挿入して凹部(28)からの背負バンド(16)の抜け止めを施すとともに、凹部(28)の下面に形成された突起(34)により、ピン(38)が挿入された筒部(36)が凹部(28)内において保持されるようにしたことを特徴としている。
この構成においては、ピン(38)を背負バンド(16)の筒部(36)に挿入した後、凹部(28)内でピン(38)は保持される。したがって、背負バンド(16)の端部が固定されることはもとより、ピン(38)が筒部(36)から抜けることがなく、締付け金具でかしめる必要もない。よって、ピン(38)を特殊形状のものとする必要もない。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において左、右、前、後、上、下等の方向を表す語は、作業者が背負式作業機(1)を背負って直立した状態を基準とし、作業者にとり前方を「前」と定める。
上述したように、本発明によれば、背負バンド(16)の筒部(36)に挿入されたピン(38)は凹部(28)内で保持され、ピン(38)が筒部(36)から抜けることがないので、締付け金具でかしめる必要がなく、取付作業が容易となる。また、ピン(38)の形状は単なる丸棒形状であってもよく、ピン(38)を製造する手間やコストもかからない。更に、ピン(38)が凹部(28)内に保持されることから、背負バンド(16)の端部が移動させず、上部バンド取付部(24)と下部バンド取付部(18)との間で背負バンド(16)は弛緩した状態を維持し、腕を容易に通すことができ、作業機(10)を背負う際にも有効である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図を通し同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、本発明が適用された背負式作業機の一種である背負式動力噴霧機を示す斜視図である。この動力噴霧機10は、液体ポンプやエンジン等を搭載する背負い枠12と、この背負い枠12の上部に配置され、噴霧すべき薬液を貯留した液体タンク14と、当該動力噴霧機10を作業者が背負うための左右一対の背負バンド16(図1にはその一方のみを示す)とを備えている。
背負い枠12の下部の左右各側には、背負バンド16の下端が取り付けられる下部バンド取付部18が設けられている。この下部バンド取付部18は、背負バンド16の下端を折り返して形成された筒部(図示しない)が嵌挿される軸20と、筒部の嵌挿後に軸20から抜け落ちないようストッパ22とを有している。
また、動力噴霧機10が作業者に背負われた状態で、作業者の側となる面の上部には、右側寄りと左側寄りの位置にそれぞれ、背負バンド16の上端を取り付けるための上部バンド取付部24が設けられている。なお、図示実施形態の動力噴霧機10における背負い枠12は、作業者の背に当たる背当て部26が一般のものよりも短く、液体タンク14の前面が背当て部の一部を構成している。
上部バンド取付部24は、図2〜図4に明示するように、液体タンク14の前面に形成された凹部28から構成されている。この凹部28は、正面から見た場合、図3から理解されるように略矩形形状であり、その幅は背負バンド16の上端の幅と同等又は若干大きくされている。凹部28の左右の側面28a,28b間には1本のバー30が架設されている。このバー30と、凹部28の底面(後側となる面)28cとの間には、背負バンド16を二つ折りした厚さよりも若干大きな幅の隙間32が形成されている。また、凹部28の下面28dの左右角部には突起34が形成されている。
次に、このような構成の上部バンド取付部24に背負バンド16の上端を取り付ける場合について説明する。
まず、前もって背負バンド16の上端を折り曲げて筒部36を形成しておく。この筒部36を、図4の(a)に示すように、バー30の上側から凹部28に挿入し、バー30と凹部28の底面28cとの間の隙間32に差し通す。
次いで、図4の(b)に示すように、バー30の下側から筒部36を前方に引っ張り出し、この筒部36に丸棒形状のピン38を挿入する。このピン38の長さは筒部36の長さと同等であり、凹部28の幅よりも若干小さい。また、ピン38の直径は隙間32よりも大きく、かつ、バー30の下側の凹部28開口から出し入れできる程度とされている。
ピン38を筒部36に装着後、背負バンド16の中間部を引っ張ると、ピン38の入った筒部36は凹部28内に収容され、筒部36及びピン38はバー30に係止される。逆に、背負バンド16が自重その他の力により凹部28へ押し込まれた状態が図3及び図4の(c)であるが、これら図から理解される通り、筒部36及びピン38は突起34と係合し、筒部36を故意に引き出そうとしない限り、凹部28内に保持されることになる。
このような構成のバンド取付構造においては、上述したように、バンド取付時の作業は実質的に、背負バンド16の上端の筒部36を凹部28内の隙間32に挿入し、筒部36にピン38を挿入するだけですむ。また、ピン38が凹部28内で保持されるので、抜け止めのためにピン38を専用の部品でかしめ付ける等の手間も不要である。これは、ピン38を特殊な形状とする必要性を除去するものであり、ピン38を製造する手間やコストを少なくすることができる。更に、ピン38が凹部28内で保持されるので、上部バンド取付部24と下部バンド取付部18との間における背負バンド16の中間部(作業者の肩に掛け廻される有効部分)が短くなることはないため、動力噴霧機10を背負うことも容易化される。
なお、背負バンド16をメンテナンス等で外したい場合には、ピン38の入った筒部36を突起34よりも上方に持ち上げて、凹部28から引っ張り出し、ピン38を筒部36から抜けば、背負バンド16の上端を上部バンド取付部24から取り外すことができる。この作業も、従来のようにピンを締付け金具でかしめ付けた場合に比して、非常に簡単である。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、上部バンド取付部24は液体タンク14の前面に形成されているが、一般的な丈の長い背当て部を有する背負い枠に対しては、背当て部の上部に上部バンド取付部を形成してもよい。
また、下部バンド取付部18も上部バンド取付部24と同様な構成とし、本発明が適用されてもよい。
更に、本発明は、動力噴霧機に限られず、背負式の散布機やファン式清掃機等、他の型式の背負式作業機にも適用可能である。
本発明のバンド取付構造が適用された背負式動力噴霧機10を示す斜視図背である。 本発明の一実施形態に係るバンド取付構造における上部バンド取付部を詳細に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るバンド取付構造を示す正面図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施形態に係るバンド取付構造に背負バンドを取り付ける手順を示す断面図であり、(c)は図3のIV−IV線に沿っての断面図である。
符号の説明
10…背負式動力噴霧機(背負式作業機)、12…背負い枠、14…液体タンク、16…背負バンド、18…下部バンド取付部、24…上部バンド取付部、28…凹部、30…バー、32…隙間、34…突起、36…筒部、38…ピン。

Claims (1)

  1. 背負式作業機(10)に背負バンド(16)の端部を取り付ける取付構造であって、
    前記背負式作業機(10)の作業者側となる面におけるバンド取付部(24)に凹部(28)を形成し、該凹部(28)の左右の側面(28a,28b)間にバー(30)を架設し、前記背負バンド(16)の端部を折り返して形成された筒部(36)を前記バー(30)と前記凹部(28)の底面(28c)との間の隙間(32)に挿入し、前記筒部(36)にピン(38)を挿入して前記凹部(28)からの前記背負バンド(16)の抜け止めを施すとともに、前記凹部(28)の下面に形成された突起(34)により、前記ピン(38)が挿入された前記筒部(36)が前記凹部(28)内において保持されるようにした、背負バンドの取付構造。
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