JP2007037987A - 血液分離フィルタ装置、および真空検体採取管 - Google Patents

血液分離フィルタ装置、および真空検体採取管 Download PDF

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勝也 戸川
Yutaka Sakakibara
裕 榊原
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Abstract

【課題】ヘマトクリットや粘度などの異なる血液を用いた場合においても、分離途中でのフィルタの閉塞や溶血が生じ難く、短時間で血液を血球成分と血漿または血清とに分離することができる血液分離フィルタ装置および該装置を備える真空検体採取管を提供する。
【解決手段】血液が流れる流路を有する流路形成部材6と、血液を血球成分と血漿または血清とに分離する血液分離フィルタ5とを備え、血液分離フィルタ5が、平均繊維径が0.5〜3.0μmの範囲にある繊維体が集積されて形成されたシート11の積層体からなり、シートが血液が流れる方向と略平行となるように積層されており、血液分離フィルタ5は、特定の範囲の密度・体積となるように圧縮された状態で流路に設置されている血液分離フィルタ装置4、および血液分離フィルタ装置4を備える真空検体採取管1。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液を血球成分と血漿または血清とに分離するための血液分離フィルタ装置および真空検体採取管に関する。
従来、血液から血球成分を除去し、臨床検査に必要な血漿または血清を得るため、遠心分離が用いられてきた。しかし、遠心分離では、凝固過程、分離後上澄みの血漿または血清を移し変える過程などにおいて煩雑な手間がかかっていた。また、検査結果を得るまでに時間がかかり、さらに大型で高価な遠心分離機が必要であった。
この問題を解決するため、遠心分離を用いることなく、血液から血球成分を除去し、臨床検査に必要な血漿または血清を得ることを可能とする、様々な分離方法が提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、直径0.05〜1μmの細孔を有し、外面開孔率40%以下、内面開孔率60%以上、膜厚が50〜200μmである中空繊維を用いて全血から血漿を分離採取する方法が提案されている。この中空繊維を用いることにより、高い血漿分離速度で血漿を分離することができるとされている。
他方、下記の特許文献2には、平均繊維径0.2〜5μm、及び密度0.1〜0.5g/cm3のガラス繊維層を用いて全血から、血漿または血清を分離する方法が開示されている。
一方、下記の特許文献3には、入口と出口とを有する容器内に高分子極細繊維集合体または多孔質ポリマーからなる濾過材を装着した血漿または血清分離フィルタが開示されている。濾過材である高分子極細繊維集合体または多孔質ポリマーには、親水化するために、親水性ポリマーが固定されている。濾過材中で血液を移動させ、かつ血漿または血清を分離採取する間に親水性ポリマーは膨潤する。親水性ポリマーが膨潤することによって、フィルタが閉塞され、濾過が自動停止する。ある所定量の血漿または血清を得た後、血球成分が到達するまでに濾過が自動的に停止するため、血漿または血清への血球成分の混入を自動的に防ぐことができるとされている。
特公平2−23831号公報 特公平6−64054号公報 特開平11−285607号公報
特許文献1に記載の方法では、血漿成分を速やかに分離することができ、少量の検体を短時間で分析することができる。しかしながら、高価な中空繊維を用いているため、コストが高くならざるを得なかった。
特許文献2に記載の方法では、血液を血球成分と血漿または血清とに分離することができるが、濾過速度が低く、濾過時間を短くできなかった。ガラス繊維層に圧力を加えることにより、濾過速度を高めることは可能であるが、溶血が生じたり、赤血球が漏れだしたりするおそれがあった。
さらに、特許文献1や特許文献2に記載の血漿または血清分離方法では、分離後に赤血球を捕捉した繊維層が長時間放置されると、溶血が起こり、赤血球内成分が血漿または血清に混入するおそれもあった。
一方、特許文献3に記載の分離フィルタでは、血液を血球成分と血漿または血清とに分離採取する間に親水性ポリマーが膨潤し、フィルタが閉塞され、濾過が自動停止する。よって、分離後に血球成分を捕捉した分離フィルタが長時間放置された場合でも、溶血により赤血球内成分が血漿または血清に混入するおそれはない。
ここでは、濾過材中で血液を移動させ、移動速度差により血液中の血球成分と血漿または血清とを分離している。他方、ヘマトクリットや粘度の異なる血液では、上記移動速度差が異なるので、場合によっては、分離途中でフィルタが閉塞することがあった。分離途中でフィルタが閉塞すると、回収できる検体量が大幅に減少することになる。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、ヘマトクリットや粘度などの異なる血液を用いた場合においても、分離途中でのフィルタの閉塞や溶血が生じ難く、短時間で血液を血球成分と血漿または血清とに分離することができる血液分離フィルタ装置および該装置を備える真空検体採取管を提供することにある。
本発明に係る血液分離フィルタ装置は、血液の入口と出口とを有し、血液が流れる流路を有する流路形成部材と、流路の少なくとも一部の領域に設置されており、血液を血球成分と血漿または血清とに分離する血液分離フィルタとを備え、血液分離フィルタが、平均繊維径が0.5〜3.0μmの範囲にある繊維体が集積されて形成されたシートの積層体からなり、シートが血液が流れる方向と略平行となるように積層されており、血液分離フィルタは、流路に設置された状態での平均密度が、0.1〜0.5g/cm3の範囲とされており、血液分離フィルタは、流路に設置する前後の下記式(1)で表される体積比が、1.1〜5.0の範囲であるように圧縮された状態で流路に設置されていることを特徴とする。
体積比=設置前の血液分離フィルタ体積/設置後の血液分離フィルタ体積・・・(1)
本発明のある特定の局面では、シートは短冊状の形状を有し、積層体は、短冊状の形状を有するシートが少なくとも2枚積層された構成を有する。
本発明の他の特定の局面では、シートは長尺状の形状を有し、長尺状の形状を有するシートをジグザグ状に折りたたむことにより積層体が構成されている。
本発明のさらに他の特定の局面では、積層体は、内周のシートと外周のシートとが略円筒形状を有するように積層された構成を有する。
本発明のさらに他の特定の局面では、複数の血液分離フィルタが、血液が流れる方向に沿って配置されている。
本発明のさらに他の特定の局面では、血液分離フィルタ装置は、血液分離フィルタの下流に配置されており、血球成分の混入を防止する血球停止フィルタをさらに備えている。
本発明のさらに他の特定の局面では、血液分離フィルタ装置は、血液分離フィルタの下流に配置されており、血漿または血清に接触されることにより膨潤し、流路を閉塞する水膨潤性ポリマーをさらに備えている。
本発明のさらに他の特定の局面では、水膨潤性ポリマーは、血液分離フィルタと血球停止フィルタとの間に配置されている。
本発明のさらに他の特定の局面では、水膨潤性ポリマーは、血球停止フィルタの下流に配置されている。
本発明の別の特定の局面では、水膨潤性ポリマーは、シート状に成形されている。
本発明に係る真空検体採取管は、本発明に従って構成された血液分離フィルタ装置と、血液分離フィルタ装置を収容している管状容器とを備えている。
本発明では、血液分離フィルタが、平均繊維径が0.5〜3.0μmの範囲にある繊維体が集積されて形成されたシートの積層体からなり、シートが血液が流れる方向と略平行となるように積層されており、血液分離フィルタは、流路に設置された状態での平均密度が、0.1〜0.5g/cm3の範囲とされており、血液分離フィルタは、流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比が、1.1〜5.0の範囲であるように圧縮された状態で流路に設置されているため、血液を分離する際の圧力損失が小さく、分離途中でのフィルタの閉塞が生じ難い。よって、ヘマトクリットや粘度の異なる血液を分離する際にも、分離性能が低下することがなく、短時間で血液を血球成分と血漿または血清とに分離することができる。さらに、赤血球が凝集し易い血液を分離する際にも、圧力損失が小さいため、赤血球の目づまりによる溶血を抑制することができる。
シートが短冊状の形状を有し、積層体が短冊状の形状を有するシートが少なくとも2枚積層された構成を有すると、分離途中でのフィルタの閉塞や溶血がより一層生じ難く、短時間で分離が可能である。
シートが長尺状の形状を有し、長尺状の形状を有するシートをジグザグ状に折りたたむことにより積層体が構成されていると、分離途中でのフィルタの閉塞や溶血がより一層生じ難く、短時間で分離が可能である。
積層体が内周のシートと外周のシートとが略円筒形状を有するように積層された構成を有すると、分離途中でのフィルタの閉塞や溶血がより一層生じ難く、短時間で分離が可能である。
複数の血液分離フィルタが、血液が流れる方向に沿って配置されていると、血液分離フィルタの流路の設置位置によって、各血液分離フィルタの密度を異ならせることが容易となる。よって、複数の血液分離フィルタの密度を適宜設定することで、血液の分離効率をより一層向上させることができる。さらに、複数の血液分離フィルタを流路に設置する際に、別々に段階的に設置すると、設置後に血液分離フィルタを構成しているシートにシワなどが発生し難くなる。よって、より一層確実に血液を血球成分と血漿または血清とに分離することが可能となる。
血液分離フィルタの下流に配置されており、血球成分の混入を防止する血球停止フィルタをさらに備えていると、血球成分の通過が防止されて、血球成分の血漿または血清への混入を防ぐことができる。
血液分離フィルタの下流に配置されており、血漿または血清に接触されることにより膨潤し、流路を閉塞する水膨潤性ポリマーをさらに備えていると、水膨潤性ポリマーの膨潤によって流路が閉塞されるため、溶血により赤血球から漏洩してきた成分の血漿または血清への混入を防止することができる。
水膨潤性ポリマーが、血液分離フィルタと血球停止フィルタとの間に配置されていると、血液分離フィルタと血球停止フィルタとの間の流路が閉塞されるため、圧力差を駆動力とした血液成分の移動が停止し、溶血により赤血球から漏洩してきた成分の血漿または血清への混入を防止することができる。
水膨潤性ポリマーが、血球停止フィルタの下流に配置されていると、血球停止フィルタの下流で流路が閉塞されるため、溶血による赤血球内成分の通過を防ぐことができる。
水膨潤性ポリマーがシート状に成形されていると、水膨潤性ポリマーを流路に設置することが容易である。
本発明に従って構成された血液分離フィルタ装置と、該血液分離フィルタ装置を収容している管状容器とを備える真空検体採取管を用いれば、ヘマトクリットや粘度の異なる血液や、赤血球が凝集し易い血液を分離する際にも、血球成分や赤血球内成分の混入のない血漿または血清を得ることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(流路形成部材)
本発明で使用される流路形成部材は、血液の入り口と出口とを有し、血液が流れる流路を有する。流路形成部材の形状・大きさとしては、特に限定されず、後述する血液分離フィルタや管状容器の大きさ・形状等によって適宜変更され得る。
(血液分離フィルタ)
本発明で使用される血液分離フィルタは、血球成分よりも血漿または血清を速く移動させる性質を有していればよく、その材質は特に限定されない。このような性質を有する材質としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリアミド等の合成高分子を用いて構成されている繊維が挙げられる。また、ガラス繊維や多孔性高分子繊維等も好適に用いられる。
血液分離フィルタは、血液中の測定成分を吸着する性質を有していてもよい。この場合には、血液分離フィルタに表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、特に限定されないが、ポリエーテル系、シリコン系等の潤滑剤、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドン等の親水性高分子類、さらには天然の親水性高分子類、高分子界面活性剤等が挙げられる。また、血液分離フィルタの表面は、酸化剤による化学処理、プラズマ処理などにより親水化処理がされていてもよい。
本発明では、血液分離フィルタは、平均繊維径が0.5〜3.0μmの範囲にある繊維体が集積されて形成されたシートを用いて構成されている。平均繊維径が0.5μmより小さいと、血液を分離する際に溶血を起こし易くなる。平均繊維径が3.0μmより大きいと、血球成分と血漿または血清とを分離するために、血液分離フィルタを高密度に形成する必要があり、また使用する繊維の量も多くなりコストが高くなる。血液の分離効果をより一層高めるためには、平均繊維径は、0.5〜2.5μmの範囲にあることがより好ましい。
(血球停止フィルタ)
本発明では血液の流れる流路において血液分離フィルタの下流に、赤血球の通過を防止できる血球停止フィルタが配置されていることが好ましい。
血球停止フィルタは、特に限定されないが、例えば血漿または血清が通過し得るように多数の貫通孔が形成された膜からなる。もっとも膜以外のフィルタ部材であってもよい。
血球停止フィルタに形成された孔としては、血漿または血清の通過が可能であり、かつ赤血球の通過を防止できる範囲の孔径を有するものであれば、特に限定されるものではない。赤血球の通過を防止するためには、孔径は2μm以下であることが好ましい。孔径が小さいと、血液中のタンパク成分などにより目詰まりを起こす可能性があるため、孔径は0.05μm以上であることが好ましい。赤血球の通過を効果的に防止するためには、孔径は0.1〜1.5μmの範囲にあることがより好ましい。
血球停止フィルタを構成する材質は特に限定されず、例えば、ポリビニリデンジフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスファイバー、ボロシリケート、塩化ビニルまたは銀等を挙げることができる。
濾過の流速を高めるために、血球停止フィルタの表面は親水処理されていてもよい。親水処理の方法としては、プラズマ処理、親水性高分子によるコーティング等が挙げられるが、これらの方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。
(水膨潤性ポリマー)
本発明では血液の流れる流路に、血漿または血清に接触されることにより膨潤する水膨潤性ポリマーが配置されていることが好ましい。
本発明で使用され得る水膨潤性ポリマーの材質としては、特に限定されないが、分子骨格に親水性の官能基を有し、自重に対し同量以上の水を吸収できる性質の樹脂が好適である。水膨潤性ポリマーの具体例としては、ポリアクリル酸アルカリ金属塩系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリアクリルアミド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリN−ビニルアセトアミド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、シリコン系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリビニルエーテル系樹脂およびその共重合体およびそれら架橋体、ポリアルキレンオキサイド系樹脂またはその共重合体およびそれらの架橋体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはその共重合体およびそれらの架橋体等が挙げられる。
水膨潤性ポリマーとしては、粉末状、粒状としたものを用いてもよく、フィルタやシート状に成形したものを用いてもよい。水膨潤性ポリマーがシート状に成形されていると、流路に設置することが容易となる。水膨潤性ポリマーとしては、ペースト状、スラリー状または溶液等にしたものを用いてもよく、これを添加し乾燥させるなどしてもよい。
水膨潤性ポリマーは、血漿または血清に接触されることでそれ自身が膨潤し、流路を閉塞させる。そのため、水膨潤性ポリマーの必要量は、閉塞させる流路体積、水膨潤性ポリマーの膨潤率及び膨潤速度によって異なる。よって、閉塞させる流路体積、水膨潤性ポリマーの膨潤率及び膨潤速度から、水膨潤性ポリマーの最適な量が計算される。
閉塞させる流路体積は、血液中の水分が吸収されかつ検体の回収量が低下しない範囲で設定される。流路体積が大きくなると、閉塞させるための水膨潤性ポリマーの量も多くなるため、検体の回収量が低下するおそれがある。
従って、閉塞させる流路体積は、0.005〜1.0cm3の範囲にあることが好ましい。また、水膨潤性ポリマーの体積は閉塞させる流路体積に対し、5〜95%の範囲にあることが好ましい。水膨潤性ポリマーの体積が閉塞させる流路体積に対し5%より小さいと、流路を閉塞するまでの時間が長くなるため、溶血により赤血球から漏洩してきた成分が、分離した血漿もしくは血清に混入するおそれがある。水膨潤性ポリマーの体積が閉塞させる流路体積に対し95%より大きいと、血漿または血清がすべて回収される前に流路が閉塞されてしまうことがあり、血漿または血清の回収効率が低下するおそれがある。
(真空検体採取管に用いられる管状容器および栓体)
本発明に係る真空検体採取管に用いられる管状容器としては、特に限定されず、角筒状、円筒状などの形状を有する有底の容器が挙げられる。管状容器の底部の形状も、特に限定されるものではない。
管状容器の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−アクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂、また、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹脂、さらにソーダ石灰ガラス、リンケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス、石英ガラスなどのガラス、及びこれらを主成分とするもの、あるいはこれらを組み合わせたもの等、従来公知のものが挙げられる。
検体採取管に用いられる栓体は、容器の開口を密封するように取り付けられる。栓体が空気非透過性であるときは、真空検体採取管として用いることができる。
栓体の素材としては、特に限定されず、天然ゴム、合成ゴムおよび熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一種の弾性体、あるいは、アルミラミネートまたはアルミ蒸着シート等従来公知のものが挙げられる。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより本発明を明らかにする。
図1〜3を用いて、本発明の一実施形態に係る真空検体採取管、および該真空検体採取管に備えられている血液分離フィルタ装置を説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る真空検体採取管を正面断面図で示す。
図1に示すように、真空検体採取管1は、上端に開口2aを有し、下端に底部2bを有する管状容器2を有する。管状容器2は角筒状の形状を有し、底部2bは逆四角錐台形状に先細りした形状を有する。開口2aには、内部を気密封止するように栓体3が取り付けられている。管状容器2の内側の上段部から中段部にかけて、血液分離フィルタ装置4が配置されている。なお、真空検体採取管1内は減圧されている。
血液が管状容器2の上方から血液分離フィルタ装置4に供給されると、血液が血液分離フィルタ装置4を通過し、その際に血球成分と血漿または血清とに分離される。分離された血漿または血清は、管状容器2の底部2bに収容される。
図2に、上述した真空検体採取管1に備えられている血液分離フィルタ装置4を拡大して正面断面図で示す。図3に、血液分離フィルタ装置4を拡大して斜視図で示す。なお、図3では、血液分離フィルタ装置4内に設置されている血液分離フィルタ5のみを透視した状態で示す。
図2,図3に示すように、血液分離フィルタ装置4は、流路形成部材6と血液分離フィルタ5とを備えている。
流路形成部材6は、角筒状の形状を有する筒状部材7と、平面視したときに外周が筒状部材7の内周と同じ四角形の形状を有する底部材8とを有する。管状容器2の内側の上段部から中段部にかけて、筒状部材7が管状容器2内に配置されている。筒状部材7は上端に開口7aを有する。筒状部材7の下端7bより上方において、筒状部材7の内周面から内側に向って突出するように角環状の環状周縁部7cが設けられている。この環状周縁部7cにより、該環状周縁部7cに囲まれた開口部7dが形成されている。
底部材8は、主面部8aと、主面部8aの中央から下方に延ばされた管状の出口部8bとを有する。出口部8bは上下に延びる中空流路を有する。主面部8aの上面には環状凸部8dが設けられている。環状凸部8dに囲まれた部分が凹部8cとされている。凹部8cは、出口部8bの中空流路に連ねられており、流路の一部が構成されている。
底部材8は、環状周縁部7cの下方に配置されている。より具体的には、筒状部材7は下端7bにおいて開口しているが、この開口部分から底部材8が挿入され、固定されている。すなわち、主面部8aの外周縁が筒状部材7の内周面に密着され、固定されている。この状態において、主面部8aの上面が、環状周縁部7c及び開口部7dに対向されている。また、環状周縁部7cの下面に対して、環状凸部8dの上端面は一定の間隔を隔てられている。
本実施形態では、血液分離フィルタ5の外側面が、筒状部材7の内周面と密着するように設置されている。血液分離フィルタ5は、環状周縁部7c上に配置されている。血液分離フィルタ5は、繊維体が集積されて形成された複数枚のシートの積層体からなる。血液分離フィルタ5では、複数枚のシートのシート面が血液が流れる方向と略平行となるように積層されている。
本実施形態では、血液分離フィルタ装置4は、血液分離フィルタ5の下流に円盤状の形状を有する血球停止フィルタ9をさらに備えている。血球停止フィルタ9は、環状周縁部7cと主面部8aとの間の空間に配置されている。より具体的には、血球停止フィルタ9は、環状周縁部7cの下面および環状凸部8dの上端面に挟持されるように配置されている。
本実施形態では、血液分離フィルタ装置4は、血液分離フィルタ5の下流に円盤状の形状を有する水膨潤性ポリマー10をさらに備えている。水膨潤性ポリマー10は、血球停止フィルタ9と主面部8aとの間であって、主面部8aの上面の凹部8cに配置されている。初期状態、すなわち膨潤前には血漿または血清が流れる流路を確保するように、水膨潤性ポリマー10の中央に孔10aが形成されており、孔10aは出口部8bの中空流路に連ねられている。なお、水膨潤性ポリマー10は、血液分離フィルタ5と血球停止フィルタ9との間に配置されていてもよい。より具体的には、環状周縁部7cで囲まれた開口部7dに配置されていてもよい。
上述した血液分離フィルタ5の構造を、図4,5を用いてさらに詳細に説明する。
図4に斜視図で示すように、血液分離フィルタ5は、短冊状の形状を有する複数枚のシート11を用いて構成される。この複数枚のシート11が積層されて、図5に斜視図で示す直方体形状を有するシートの積層体からなる血液分離フィルタ5が得られる。
血液分離フィルタ5を設置する際には、血液分離フィルタ5を圧縮しながら、上述した筒状部材7に開口7aから充填する。このとき、血液分離フィルタ5は、複数のシート面11aが、血液が流れる方向と略平行となるように積層されかつ充填される。血液分離フィルタ5は、流路形成部材6の流路の少なくとも一部の領域に設置される。よって、流路に設置された血液分離フィルタ装置4に血液が供給されると、血液は血液分離フィルタ5を通過することになる。
本発明では、血液分離フィルタ5は、流路に設置された状態での平均密度が、0.1〜0.5g/cm3の範囲になるように設置される。平均密度が、0.1g/cm3よりも低いと、血液の分離を効率的に行えず、得られる血漿または血清の量が少なくなる。平均密度が、0.5g/cm3よりも高いと、赤血球への負荷が大きくなり、溶血を起こし易くなる。血液をより一層効率的に分離するためには、平均密度は、0.15〜0.40g/cm3の範囲にあることが好ましい。
本発明では、血液分離フィルタ5は、流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比が、1.1〜5.0の範囲であるように圧縮されて流路に設置される。体積比が1.1よりも小さいと、血液分離フィルタ5の積層されている複数のシート11間に隙間が形成されて、血液が該隙間を通過し易くなるため、血液の分離効率が低下する。また、体積比が5.0よりも大きいと、血液分離フィルタ5の充填時に充填される大きさに圧縮することが困難となり、生産性が低下する。
上述した血液分離フィルタ5の他の構造例を、図6,7に斜視図で示す。
図6に示すように、血液分離フィルタ15は、長尺状の形状を有するシート16を用いて構成されていてもよい。長尺状の形状を有するシート16を等間隔にジグザグ状に折りたたんで積層体を構成すると、図7に示すように、複数のシート面16aが積層された血液分離フィルタ15が得られる。
血液分離フィルタ15を設置する際には、上述した血液分離フィルタ5と同様の方法により、血液分離フィルタ15を圧縮しながら充填する。このとき、血液分離フィルタ15の複数のシート面16aが、血液が流れる方向と略平行となるように積層されかつ充填される。なお、血液分離フィルタ15は、好ましくは、シグザグ状に折りたたまれたシート16の折返し部分16bが、血液が流れる方向と略平行となるように充填される。
図8に、本発明の他の実施形態に係る真空検体採取管を正面断面図で示す。
図8に示す真空検体採取管21は、上述した真空検体採取管1とその形状が異なる。本実施形態では、特に血液分離フィルタ25が、内周のシートと外周のシートとが略円筒形状を有するように積層された構成を有する積層体からなることを特徴としている。この積層体からなる略円柱形状を有する血液分離フィルタ25が、流路形成部材26内の流路に設置されている。よって、本実施形態では、上述した管状容器2及び流路形成部材6に変えて、血液分離フィルタ25の形状に対応した形状を有する管状容器22及び流路形成部材26を用いている。なお、真空検体採取管21では、上述した血球停止フィルタ9及び水膨潤性ポリマー10が、真空検体採取管1と同様の位置に設置されている。
図8に示すように、真空検体採取管21は、上端に開口22aを有し、下端に丸底の底部22bを有する管状容器22を有する。管状容器22は円筒状の形状を有する。開口22aには、内部を気密封止するように栓体23が取り付けられている。管状容器22の内側の上段部から中段部にかけて、血液分離フィルタ装置24が配置されている。
図9に、上述した真空検体採取管21に備えられている血液分離フィルタ装置24を拡大して斜視図で示す。なお、図9では、血液分離フィルタ装置24内に設置されている血液分離フィルタ25のみを透視した状態で示す。
図9に示すように、血液分離フィルタ装置24は、流路形成部材26と血液分離フィルタ25とを備えている。
流路形成部材26は、円筒部材27と、平面視したときに外周が円筒部材27の内周と同じ円形の形状を有する底部材28とを有する。本実施形態の流路形成部材26は、上述した角筒状の形状を有する筒状部材7及び平面視したときに外周が四角形の形状を有する底部材8とその外周部分の形状が異なっていることにおいてのみ相違しており、内部構造は同様に構成されている。
本実施形態では、円筒部材27内に、血液分離フィルタ25が設置されている。血液分離フィルタ25は、円筒部材27の内周面から内側に向かって突出している環状周縁部27a上に配置されている。血液分離フィルタ25は、血液分離フィルタ5と同様に、繊維が集積されて形成されたシートの積層体からなる。図9に示すように、血液分離フィルタ25では、長尺状のシートが渦巻き状に巻かれて、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行となるように積層されている。
上述した血液分離フィルタ25の構造を、図10を用いてさらに詳細に説明する。
図10に斜視図で示すように、血液分離フィルタ25は、長尺状の形状を有するシートを用いて構成される。長尺状の形状を有するシートを渦巻き状にまくことで、図10に示すように、内周のシートと外周のシートとが、略円筒形状を有するように積層された構成を有する積層体からなる血液分離フィルタ25が得られる。血液分離フィルタ25の設置に際しては、血液分離フィルタ25を圧縮しながら、上述した円筒部材27に充填する。このとき、血液分離フィルタ25は、内周のシート部分と外周のシート部分とが、血液が流れる方向と略平行となるように積層されかつ充填される。なお、血液分離フィルタは、複数のシートを略同心円形状に巻きつけることで、内周のシートと外周のシートとが略円筒形状を有するように積層された構成を有していてもよい。
上述した血液分離フィルタ25の他の構造例を、図11に斜視図で示す。
図11に斜視図で示すように、複数の血液分離フィルタ31A〜31Cからなる血液分離フィルタ31が用いられてもよい。流路に充填する際には、複数の血液分離フィルタ31A〜31Cは、血液が流れる方向に沿って配置される。充填方法としては、複数の血液分離フィルタ31A〜31Cが別々に段階的に充填されてもよいし、積層された状態で一度にまとめて充填されてもよい。複数の血液分離フィルタ31A〜31Cが別々に段階的に充填されると、充填後に血液分離フィルタ31A〜31Cを構成しているシートにシワなどが発生し難くなる。なお、複数の血液分離フィルタ31A〜31Cは、流路に設置された後には、好ましくは重なり合うように接した状態であるが、一定間隔を隔てられた状態であってもよい。
流路形成部材27に、複数の血液分離フィルタ31A〜31Cを設置する際には、複数の血液分離フィルタ31A〜31ごとに密度を異ならせることができる。よって、密度を適宜設定することで、血液の分離効率を向上させることができる。
なお、上述した血液分離フィルタ5及び血液分離フィルタ15も血液分離フィルタ31と同様に、複数の血液分離フィルタにより構成されていてもよい。
本発明では、血液分離フィルタは、シートが血液が流れる方向と略平行に積層されて構成されていればよく、上述した形状に限定されるものではない。また、血液分離フィルタの形状により、流路形成部材及び真空検体採取管に用いる管状容器の形状も適宜変更することができる。
(真空検体採取管の使用方法)
図1に示されている真空検体採取管1を例にとり、その使用方法を以下説明する。
使用に際しては、採血針の一端を血管に刺入した後、他端を栓体3に刺入し、栓体3を貫通させる。その結果、内部が減圧されている真空検体採取管1内に血液が流れ込む。流れ込んだ血液は、血液分離フィルタ5の上端5aに達する。
血液分離フィルタ5の上端5aに達した血液が、血液分離フィルタ5を通過する際、血球成分よりも血漿または血清が速く移動する。相対的に早く移動した血漿または血清は、血球停止フィルタ9に先に達し、該血球停止フィルタ9を通過する。そして、血漿または血清は、底部材8の主面部8aの凹部8cを経て出口部8bの中空流路を通過し、管状容器2に収容される。
血漿または血清よりも低速で移動した血球成分は、血球停止フィルタ9に達しても、血球停止フィルタ9を通過しない。従って、下方において収容された血漿または血清に血球成分は混入しない。
また、水膨潤性ポリマー10は、血漿または血清に接触されることにより、次第に膨潤し、収容されるべき血漿または血清が通過した後に流路を閉塞する。より具体的には、血液分離フィルタ5において相対的に速く移動した血漿または血清が、水膨潤性ポリマー10が配置されている流路部分を通過した後、水膨潤性ポリマー10が膨潤する。すなわち、水膨潤性ポリマー10の孔10aが塞がるとともに、水膨潤性ポリマー10が凹部8cを密閉するように膨張する。従って、水膨潤性ポリマー10の膨張により流路が閉塞されることになる。よって、血漿または血清が管状容器2の底部2bに収容された後、長時間放置された場合でも、流路が閉塞されるため、溶血により生じた赤血球内成分は下方に滴下しない。また、流路が閉塞されると、水膨潤性ポリマー10の下方において、圧力差を駆動力とした血液成分の移動も停止される。よって赤血球内成分は、血漿または血清に混入しない。
本発明において、図1に示した実施形態のように真空検体採取管とした場合は、管内の圧力を調整することができるため、簡便に必要量血液を採取することができ、効果的に血液を血球成分と血漿または血清とに分離することができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
実施例1,2では、上述した角筒状の形状を有する管状容器2および流路形成部材6を用いた。流路形成部材6の筒状部材7の環状周縁部7cより上方の内部空間の大きさは、10mm×10mm×44mmであった。
他方、実施例3〜10及び比較例1〜7では、上述した円筒状の形状を有する管状容器22および流路形成部材26を用いた。流路形成部材26の円筒部材27の環状周縁部27aより上方の内部空間の大きさは、内径11mm、高さ48mmであった。
(実施例1)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが縦10.5mm×横21mm×厚み0.39mmである短冊状の形状を有するシートを58枚用意した。この58枚の短冊状のシートを積層した血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、角筒状の流路形成部材6に圧縮充填した。流路形成部材6には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、10mm×10mm×21mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.4(58枚×10.5×21×0.39mm3/10×10×21mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.50g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例2)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ600mm×幅21mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを1枚用意した。この長尺状のシートを10mmごとにジグザグ状に折りたたんでシート面が積層された血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、角筒状の流路形成部材6に圧縮充填した。流路形成部材6には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、10mm×10mm×21mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.3(600×21×0.39mm3/10×10×21mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.23g/cm3であった。
(実施例3)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ240mm×幅27mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを2枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約13mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ27mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.0(2枚×240×27×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×27mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.20g/cm3であった。
(実施例4)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
しかる後、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.4(2枚×3段×240×9×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例5)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.26mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
しかる後、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、1.6(2枚×3段×240×9×0.26mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例6)
集積している繊維の平均繊維径が2.2μm、目付が37g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.22mmである長尺状の形状を有するシートを9枚用意した。この長尺状のシートを3枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約13mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
しかる後、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.0(3枚×3段×240×9×0.22mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.72g、設置後の平均密度は0.34g/cm3であった。
(実施例7)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約13mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。流路形成部材26には、水膨潤性ポリマーを配置しなかった。
次に、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.4(2枚×3段×240×9×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例8)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.26mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約9mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。流路形成部材26には、水膨潤性ポリマーを配置しなかった。
次に、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、1.6(2枚×3段×240×9×0.26mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例9)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。さらに、流路形成部材26には、水膨潤性ポリマー10を配置した。水膨潤性ポリマー10としては、商品名「アクアコークTWB」(住友精化社製)を厚み0.2mmに成形したシートを、直径6.0mmに打ち抜き、中心部に0.6mmの孔を開けたものを用いた。血球停止フィルタ9と、底部材8の凹部8cとで形成される空間の流路体積は、約0.053cm3であり、水膨潤性ポリマーの体積は、流路体積の約23%であった。
次に、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.0(2枚×3段×240×9×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例10)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.26mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。さらに、流路形成部材26には、水膨潤性ポリマー10を配置した。水膨潤性ポリマー10としては、商品名「アクアコークTWB」(住友精化社製)を厚み0.2mmに成形したシートを、直径6.0mmに打ち抜き、中心部に0.6mmの孔を開けたものを用いた。血球停止フィルタ9と、底部材8の凹部8cとで形成される空間の流路体積は、約0.053cm3であり、水膨潤性ポリマーの体積は、流路体積の約23%であった。
次に、血液分離フィルタ3個を別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、1.6(2枚×3段×240×9×0.26mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.24g/cm3であった。
(実施例11)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2であり、大きさが長さ240mm×幅11mm×厚み0.39mm、長さ240mm×幅10mm×厚み0.39mm、または長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有する3種のシートをそれぞれ2枚用意した。それぞれ同じ幅の長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。さらに、流路形成部材26には、水膨潤性ポリマー10を配置した。水膨潤性ポリマー10としては、商品名「アクアコークTWB」(住友精化社製)を厚み0.2mmに成形したシートを、直径6.0mmに打ち抜き、中心部に0.6mmの孔を開けたものを用いた。血球停止フィルタ9と、底部材8の凹部8cとで形成される空間の流路体積は、約0.053cm3であり、水膨潤性ポリマーの体積は、流路体積の約23%であった。
次に、血液分離フィルタ3個を幅の大きいものから別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26にそれぞれが7.3mmの高さになるよう圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.7(2枚×240×(11+10+9)×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの総重量は0.56g、設置後の各血液分離フィルタの平均密度は血液の流れる上流側から下流側に向かって0.24、0.27、0.30g/cm3であった。
(実施例12)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2であり、大きさが長さ280mm×幅9mm×厚み0.39mm、長さ260mm×幅9mm×厚み0.39mm、または長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有する3種のシートをそれぞれ2枚用意した。それぞれ同じ長さの長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。さらに、流路形成部材26には、水膨潤性ポリマー10を配置した。水膨潤性ポリマー10としては、商品名「アクアコークTWB」(住友精化社製)を厚み0.2mmに成形したシートを、直径6.0mmに打ち抜き、中心部に0.6mmの孔を開けたものを用いた。血球停止フィルタ9と、底部材8の凹部8cとで形成される空間の流路体積は、約0.053cm3であり、水膨潤性ポリマーの体積は、流路体積の約23%であった。
次に、血液分離フィルタ3個を長さの大きいものから別々に段階的に、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.6(2枚×(280+260+240)×9×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの総重量は0.51g、設置後の各血液分離フィルタの平均密度は血液の流れる上流側から下流側に向かって0.24、0.26、0.28g/cm3であった。
(比較例1)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが直径11.5mm、厚み0.39mmである円盤状の形状を有するシートを120枚用意した。この120枚の円盤状のシートを積層した血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略直交する方向に沿うように積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.3(120枚×5.75×5.75×3.14×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.23g/cm3であった。
(比較例2)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが直径11.5mm、厚み0.26mmである円盤状の形状を有するシートを125枚用意した。この125枚の円盤状のシートを積層した血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略直交する方向に沿うように積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、1.6(125枚×5.75×5.75×3.14×0.26mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.23g/cm3であった。
(比較例3)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが長さ180mm×幅9mm×厚み0.26mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約11mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを3個用意した。
しかる後、血液分離フィルタ3個を重ね合わせて、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ27mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、0.99(2枚×3段×180×9×0.26mm3/5.5×5.5×3.14×27mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.37g、設置後の平均密度は0.14g/cm3であった。
(比較例4)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが長さ240mm×幅9mm×厚み0.39mmである長尺状の形状を有するシートを6枚用意した。この長尺状のシートを6枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約13mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ9mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、5.9(6枚×240×9×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×9mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.51g、設置後の平均密度は0.59g/cm3であった。
(比較例5)
集積している繊維の平均繊維径が3.5μm、目付が40g/m2、大きさが長さ240mm×幅27mm×厚み0.38mmである長尺状の形状を有するシートを2枚用意した。この長尺状のシートを2枚重ね合わせて、渦巻き状に巻き、直径約12mmのロール状に内周のシート部分と外周のシート部分とが積層された血液分離フィルタを用意した。
しかる後、血液分離フィルタを、内周のシート部分と外周のシート部分とが血液が流れる方向と略平行に積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ及び水膨潤性ポリマーを配置しなかった。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ27mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、1.9(2枚×240×27×0.38mm3/5.5×5.5×3.14×27mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.52g、設置後の平均密度は0.20g/cm3であった。
(比較例6)
集積している繊維の平均繊維径が1.9μm、目付が39g/m2、大きさが直径11.5mm、厚み0.39mmである円盤状の形状を有するシートを120枚用意した。この120枚の円盤状のシートを積層した血液分離フィルタを用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。流路形成部材26には、水膨潤性ポリマーを配置しなかった。
次に、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略直交する方向に沿うように積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.3(120枚×5.75×5.75×3.14×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.23g/cm3であった。
(比較例7)
集積している繊維の平均繊維径が1.25μm、目付が38g/m2、大きさが直径11.5mm、厚み0.26mmである円盤状の形状を有するシートを125枚用意した。この125枚の円盤状のシートを積層した血液分離フィルタを用意した。
次に、円筒状の流路形成部材26を用意した。流路形成部材26には、血球停止フィルタ9を配置した。血球停止フィルタ9としては、孔径0.4μmの商品名「アイソポアHTTP」(ミリポア社製)を、直径8mmに打ち抜いたものを用いた。流路形成部材26には、水膨潤性ポリマーを配置しなかった。
次に、血液分離フィルタを、シート面が血液が流れる方向と略直交する方向に沿うように積層された状態となるように、円筒状の流路形成部材26に圧縮充填した。血液分離フィルタを充填した部分は、内径11mm、高さ22mmの領域であった。
血液分離フィルタを流路に設置する前後の上述した式(1)で表される体積比は、2.4(125枚×5.75×5.75×3.14×0.39mm3/5.5×5.5×3.14×22mm3)であった。血液分離フィルタの重量は0.49g、設置後の平均密度は0.23g/cm3であった。
(真空検体採取管の作製)
上述した実施例1,2の血液分離フィルタ装置は、上述した管状容器2内に収容した。他方、実施例3〜12および比較例1〜7の血液分離フィルタ装置は、上述した管状容器22内に収容した。しかる後、管状容器2,22の開口を栓体3,23により密栓し、管内の圧力を35kPaとし真空検体採取管を作製した。
(血液分離フィルタ装置の評価)
・実施例1〜6および比較例1〜5の血液分離フィルタ装置の評価
上述した実施例1〜6および比較例1〜5の血液分離フィルタ装置に、ボランティア2名から採血したヘマトクリットの異なる血液約2mLをそれぞれ注入し、血液の分離を行った。
赤血球が漏出する直前に血液の分離を中止し、得られた検体量および溶血の有無を確認した。
結果を表1,表2に示した。
Figure 2007037987
Figure 2007037987
・実施例7〜12および比較例6,7の血液分離フィルタ装置の評価
上述した実施例7〜12および比較例6,7の血液分離フィルタ装置に、ボランティア2名から採血したヘマトクリットの異なる血液約2mLをそれぞれ注入し、血液の分離を行った。
血液の分離が終了した時点から、2分間放置したとき、および30分間放置したときの溶血の有無を確認した。
結果を表3,表4に示した。
Figure 2007037987
Figure 2007037987
(血液分離フィルタ装置の評価結果)
・実施例1〜6および比較例1〜5の血液分離フィルタ装置の評価結果
実施例1〜6の血液分離フィルタ装置では、いずれも溶血が認められず、溶血により赤血球から漏洩してきた成分が血漿または血清に混入せず、血漿または血清のみ分離することができた。
他方、比較例1,2,4の血液分離フィルタ装置では、使用した血液のいずれか一方、もしくは両方で強度の溶血が認められた。特に、ボランティアBから採血した血液では、血液が凝集しやすい傾向が見られ、溶血し易かった。
比較例3〜5の血液分離フィルタ装置では、使用した血液のいずれか一方、もしくは両方で、血液が十分に分離されなかった。
・実施例7〜12および比較例6,7の血液分離フィルタ装置の評価結果
実施例7〜12の血液分離フィルタ装置では、分離終了後2分間経過するまでは、血漿または血清のみが採取された。また、分離終了後2分間経過した後には、血液分離フィルタの下層に赤血球が到達しているが、血球停止フィルタによって赤血球の通過が防止されており、血球成分の血漿または血清への混入が生じなかった。分離終了後30分間経過した後には、実施例7,8の血液分離フィルタ装置では、赤血球内成分が分離した血漿または血清中に混入していたが、実施例9〜12の血液分離フィルタ装置では、赤血球内成分の血漿または血清への混入は見られなかった。実施例9,10の血液分離フィルタ装置では、血液分離フィルタ装置の下流に配置された水膨潤性ポリマーが、血漿または血清に接触されることにより膨潤し、流路が完全に閉塞されて、溶血による赤血球内成分の通過が防止されていた。
他方、比較例6の血液分離フィルタ装置では、ボランティアAから採血した血液の分離の際には溶血がみられず、血漿または血清のみが採取された。また、分離終了後2分間経過した後には、血球成分の血漿または血清への混入は見られなかった。しかしながら、ボランティアBから採血した血液を分離する際には、分離途中から溶血が確認された。
他方、比較例7の血液分離フィルタ装置では、ボランティアA,Bから採血した血液を分離する際には、どちらの血液においても分離途中から溶血が確認された。
本発明の一実施形態に係る真空検体採取管の正面断面図。 本発明の一実施形態に係る真空検体採取管に備えられている血液分離フィルタ装置を拡大して示す正面断面図。 本発明の一実施形態に係る真空検体採取管に備えられている血液分離フィルタ装置、及び該血液分離フィルタ装置に設置されている血液分離フィルタを示す斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの構造を説明するための斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの構造を説明するための斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの他の構造例を説明するための斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの他の構造例を説明するための斜視図。 本発明の他の実施形態に係る真空検体採取管の正面断面図。 本発明の他の実施形態に係る真空検体採取管に備えられている血液分離フィルタ装置、及び該血液分離フィルタに設置されている血液分離フィルタを示す斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの構造を説明するための斜視図。 本発明に係る血液分離フィルタ装置の血液分離フィルタの他の構造例を説明するための斜視図。
符号の説明
1…真空検体採取管
2…管状容器
2a…開口
2b…底部
3…栓体
4…血液分離フィルタ装置
5…血液分離フィルタ
5a…上端
6…流路形成部材
7…筒状部材
7a…開口
7b…下端
7c…環状周縁部
7d…開口部
8…底部材
8a…主面部
8b…出口部
8c…凹部
8d…環状凸部
9…血球停止フィルタ
10…水膨潤性ポリマー
10a…孔
11…シート
11a…シート面
15…血液分離フィルタ
16…シート
16a…シート面
16b…折返し部分
21…真空検体採取管
22…管状容器
22a…開口
22b…底部
23…栓体
24…血液分離フィルタ装置
25…血液分離フィルタ
26…流路形成部材
27…円筒部材
27a…環状周縁部
28…底部材
31…血液分離フィルタ
31A〜31C…血液分離フィルタ

Claims (11)

  1. 血液の入口と出口とを有し、血液が流れる流路を有する流路形成部材と、
    前記流路の少なくとも一部の領域に設置されており、血液を血球成分と血漿または血清とに分離する血液分離フィルタとを備え、
    前記血液分離フィルタが、平均繊維径が0.5〜3.0μmの範囲にある繊維体が集積されて形成されたシートの積層体からなり、シートが血液が流れる方向と略平行となるように積層されており、前記血液分離フィルタは、流路に設置された状態での平均密度が、0.1〜0.5g/cm3の範囲とされており、
    前記血液分離フィルタは、流路に設置する前後の下記式(1)で表される体積比が、1.1〜5.0の範囲であるように圧縮された状態で前記流路に設置されていることを特徴とする、血液分離フィルタ装置。
    体積比=設置前の血液分離フィルタ体積/設置後の血液分離フィルタ体積・・・(1)
  2. 前記シートが短冊状の形状を有し、
    前記積層体は、短冊状の形状を有する前記シートが少なくとも2枚積層された構成を有する、請求項1に記載の血液分離フィルタ装置。
  3. 前記シートが長尺状の形状を有し、
    長尺状の形状を有する前記シートをジグザグ状に折りたたむことにより前記積層体が構成されている、請求項1に記載の血液分離フィルタ装置。
  4. 前記積層体は、内周の前記シートと外周の前記シートとが略円筒形状を有するように積層された構成を有する、請求項1に記載の血液分離フィルタ装置。
  5. 複数の前記血液分離フィルタが、血液が流れる方向に沿って配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の血液分離フィルタ装置。
  6. 前記血液分離フィルタの下流に配置されており、血球成分の混入を防止する血球停止フィルタをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の血液分離フィルタ装置。
  7. 前記血液分離フィルタの下流に配置されており、血漿または血清に接触されることにより膨潤し、前記流路を閉塞する水膨潤性ポリマーをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の血液分離フィルタ装置。
  8. 前記水膨潤性ポリマーが、前記血液分離フィルタと前記血球停止フィルタとの間に配置されている、請求項7に記載の血液分離フィルタ装置。
  9. 前記水膨潤性ポリマーが、前記血球停止フィルタの下流に配置されている、請求項7に記載の血液分離フィルタ装置。
  10. 前記水膨潤性ポリマーが、シート状に成形されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の血液分離フィルタ装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の血液分離フィルタ装置と、前記血液分離フィルタ装置を収容している管状容器とを備えることを特徴とする、真空検体採取管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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