JP3551080B2 - 分離装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離するのに適した分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
全血から確実に血漿または血清を分離する方法として、従来から遠心分離器を用いる遠心法が知られている。しかしながら遠心法は、装置が大型でありまた操作が煩雑である。そこで比較的手軽に全血から血漿あるいは血清を分離する器具として、図6に示すようなものが知られている(特公平5−52463)。この装置は、体積濾過層11と多孔性血球通過阻止層12とが筒状容器13に収納されている。全血から血漿を分離する際には、筒状容器13の注入口に全血Aを供給し、注入口側と排出口側とに圧力差を与えて血液が体積濾過層11と多孔性血球通過阻止層12とを透過するようにして、血球が分離濾過された血漿Bを排出口側から採取するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような分離器具によれば、筒状容器13の注入口側と排出口側とに圧力差を与えるために、空気の加圧装置が必要であり、装置全体が複雑で操作にも困難性が伴い、また体積濾過層11と筒状容器13との境界部に隙間があると、圧力差によりその隙間を通して血液が直接通過阻止層12に流入することがあった。
【0004】
そこで本発明は、操作が容易で、血漿もしくは血清を全血から確実に分離し、または血清を血漿から確実に分離することのできる分離装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離する分離装置は、例えば図1、図2、図4に示すように、シート状濾過材料1aをほぼ同心円状に積層した、ほぼ円筒形状の第1の濾過材ユニット1と;第1の濾過材ユニット1の円筒形状の外径d2とほぼ等しい内径d1を有し、第1の濾過材ユニット1を収容する外筒3と;外筒3中に押し込まれ、第1の濾過材ユニット1を、前記円筒形状の軸線AX方向に圧迫するピストン4とを備える。シート状濾過材料1aは矩形に切断形成し、ロール状に巻き付けて構成するのが好ましい。外筒3は中空であり、その内径d1は濾過材ユニットの外径d2とほぼ等しいが、僅かに大きくするのが好ましい。第1の濾過材ユニット1を外筒3に収容すると、シート状濾過材料(例えば濾紙)は被濾過液(例えば全血)の流れ方向にほぼ直交する方向に積層されることになる。第1の濾過材ユニット1の中心には、(同一材料で中実の円筒状の)芯を設け、この芯にシート状濾過材料を巻き付けるようにしてもよい。第1の濾過材ユニット1は、ほぼ円筒の形状を有するが、典型的には中実の円筒形状である。即ち円柱形状とするのが好ましい。
【0006】
このように構成すると、シート状濾過材料をほぼ同心円状に積層した、ほぼ円筒形状の第1の濾過材ユニット1を備えるので、簡便な装置でありながら濾過速度が速い分離装置を提供することができる。
【0007】
ピストンを備え、ピストンにより圧迫されるので第1の濾過材ユニットは円筒形状の軸線に直角な方向に拡張し同心円状に積層されたシート状濾過材料の層間、あるいは外筒の内周面と第1の濾過材ユニットの外周面との間の隙間が(あったとしても)詰まり第1の濾過材ユニットを固形物が通過してしまうのを防止できる。
【0008】
外筒、ピストンは注射器のような形状とするのが好ましく、材料はガラスであってもよいし、プラスチックやゴム等であってもよい。特にピストン4は、ゴムで形成すれば、外筒3との間の気密を保持しやすい。
【0009】
またシート状濾過材料から形成した一単位の濾過材ユニットを複数枚重ねて構成される第2の濾過材ユニット2であって、外筒3中に、第1の濾過材ユニット1と、円筒形状の軸線AX方向に重ねて収容された第2の濾過材ユニット2を備えるようにしてもよい。このときは、典型的には第1の濾過材ユニットは第2の濾過材ユニットのプレフィルターとして機能する。被処理液中の液部分から分離したい固形物は、殆ど第1の濾過材ユニット1で濾過分離される。典型的には、第2の濾過材ユニット2は第1の濾過材ユニット1より目の細かい濾過材であり、第1の濾過材ユニット1を通過してしまった固形物、例えば全血中の血球があればこれを捕捉する。
【0011】
典型的には被濾過液は全血であり、濾過される固形物は主に赤血球、白血球であり、濾過して得られる液部分は血漿または血清である。第1、第2の濾過材ユニットの目の粗さは、血球等の固形物は濾過分離するが、検査したいウイルス等は通過させるものとする。ピストンで第1、第2の濾過材ユニットを圧迫し押しつぶす強さ、速さは、血球が破壊されない程度とする。適切な強さ、速さは、例えば試験的濾過を行いデータを採取して定めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態である全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離する分離装置としての血液分離装置の側面断面図である。本発明の第1の濾過材ユニット1が外筒3に収容されている。外筒3は、内部に濾過材ユニットを収容する空間を有する中空の円筒状あるいはシリンダー状の容器であり、そのシリンダーの内周面の直径をd1とする。シリンダーの一方の端部(図中上端)3aは直径d1の大きさで開放されている。シリンダーの他の端部(図中下端)3bは直径d1よりも小さく絞られて開放されている。そのように直径d1よりも小さく絞られている結果として、シリンダーの下端部の内部に肩部3cが形成されている。肩部3cと第1の濾過材ユニット1との間には、第2の濾過材ユニット2が収納されている。具体的な実施例としては、1[ml]の注射筒と同サイズの筒を用いた。また第1の濾過材ユニット1の厚さは12[mm]とし、第2の濾過材ユニット2の厚さは3.0[mm]とした。
【0014】
図2を参照して、第1の濾過材ユニット1を説明する。第1の濾過材ユニット1は、矩形のシート状濾過材料1aを軸線AX回りにロール状に巻き付けて形成される。その結果第1の濾過材ユニット1は、シート状の濾過材料1aがほぼ同心円状に積層された、中実の円筒形状の濾過材ユニットになる。その外径d2は、外筒3の内径d1とほぼ同一とする。ただし好ましくは直径d2は直径d1よりも極く僅かに小さくする。このようにすると、第1の濾過材ユニット1を外筒3に収納する際の作業が容易になる。
【0015】
但し、直径d2は直径d1より多少は大きくてもよい。この場合も、第1の濾過材ユニット1は繊維質の材料でできているので、外筒3に強制的に押し込むことができ、外筒3と第1の濾過材ユニット1、第2の濾過材ユニット2を組み立てて1体で扱う場合は、取扱中にばらばらになりにくいという効果がある。
【0016】
実施例では、矩形のシート状濾過材料1aの長辺の長さを20[mm]、短辺の長さを12[mm]とし、短辺が軸線AXに平行になるように巻き付けた。なお、第1の濾過材ユニット1の中心には、独立した円柱状の芯(不図示)を用意し、その芯にシート状濾過材料1aを巻き付けるようにしてもよい。このようにすると、中心に上端から下端に貫通する穴が形成されるのを容易に防止することができる。
【0017】
シート状濾過材料1aを巻き付けた最終端部は接着剤でロール側に貼り付けて固定し、円筒形状が維持されるようにしてもよいし、巻き付けた後で外周側を糸で巻いて縛って固定してもよい。
【0018】
図3を参照して、第2の濾過材ユニット2を説明する。第2の濾過材ユニット2は、薄いシート状濾過材料を円板状に打ち抜き、1単位の濾過材ユニット2aとして形成する。濾過材ユニット2aの外径は、外筒3の内径d1とほぼ等しくする。ただし収納作業の容易性のために、内径d1よりも極く僅かに小さくしてもよい。この1単位の濾過材ユニット2aを複数枚重ねて、第2の濾過材ユニット2を構成する。
【0019】
別の実施の形態として、第2の濾過材ユニット2は、厚いシート状濾過材料を円形に切断あるいは打ち抜き、図1に示す実施例では厚さ3.0[mm]の一体の濾過材ユニットとしてもよい。
【0020】
本実施の形態の分離装置は、図4に示すように、さらにピストン4を備える。ピストン4は、外筒3の内面にしっくりと摺動可能に押し込むことができるような外径を有している。即ち、その外径は外筒3の内径d1とほぼ等しく、好ましくはごく僅かに小さく形成されている。ピストン4は、本体部は厚い、前述のような外径を有する円板状に形成されており、その一端がピストン本体部に固着され、ピストン本体部の厚さ方向に伸延するロッド4aを有する。ロッド4aの長さは、ピストン本体部が第1の濾過材ユニット1及び第2の濾過材ユニット2を圧迫して押しつぶし、外筒3の下端近傍まで押し込まれたときに、ロッド4aの他端4bが外筒3の外に存在するように設定される。ロッド4aの他端には、ロッドを手で操作し易いように小さい円板4bが形成されている。
【0021】
本実施の形態の分離装置を用いて、血液の分離を行う方法を説明する。先ず、図1に示すように、第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とが収納された外筒3に、ピストン4を挿入していない状態で、図中上端3a側から全血Aを供給する。
【0022】
次に図4に示すように、ピストン4を外筒3に挿入し、端部4bを押すことによってロッド4aを介してピストン本体部を外筒3に押し込む。その結果、第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とが、外筒3の中で押しつぶされる。
【0023】
第1の濾過材ユニット1は、シート状濾過材料1aを同心円状に積層した中実円筒形状をしており、軸線AX方向に圧迫され押しつぶされるので、積層されたシート状濾過材料1a同士の間に間隙があったとしても、そのような間隙は押しつぶされることになり、シート状濾過材料1a同士は密着する。また第1の濾過材ユニット1の外周面と外筒3の内周面との間に隙間があったとしても、その隙間も押しつぶされ、第1の濾過材ユニット1と外筒3とは密着する。その結果として、血液が第1の濾過材ユニット1を介さずに直接第2の濾過材ユニット2に到るのを最小限に抑えることができる。
【0024】
またピストン4で第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とを圧迫し押しつぶす結果として、血清あるいは血漿が濾過材を透過する時間を大幅に短縮することができる。また独立した空気の加圧装置無しに操作ができるので、分離作業が著しく容易になる。ピストン4を押し込む強さ、速さは、被処理液、例えば全血中の血球が破壊されない範囲の値に設定する。そのような値は、テスト濾過を行い、分離装置のサイズ、構造、被処理液の種類にしたがって定めることができる。あるいは、外筒3を透明あるいは半透明の材料で製作し、血球の第1の濾過材ユニット1への浸透状態を外部から目視しながら調節するようにしてもよい。
【0025】
典型的には、第1の濾過材ユニット1は空隙率が比較的大きい体積濾過層であり、第2の濾過材ユニット2は、それよりも空隙率が小さい阻止層である。阻止層は、体積濾過層よりも密に形成されており、第1の濾過材ユニット1を通過してしまうかもしれない、血球の通過を阻止する。阻止層の濾過は典型的には表面濾過によって行われる。
【0026】
シート状濾過材料1aあるいは2aとしては、ガラス繊維の濾紙を用いるのが好ましい。被処理液(被濾過液)に対して不活性だからである。また、特にシート状濾過材料2aとしては、ガラス繊維をシート状に成形するのにバインダーを用いてもよく、バインダーとしては例えばアクリル樹脂が用いられる。
【0027】
被処理液は、外筒の入口に直接供給してもよいが、例えばピペット、ディスペンサ、注射器等を用いて間接的に供給してもよい。
【0028】
第1の濾過材ユニット1は中実円筒形状の軸線AX方向に圧迫するのが好ましい。以上の実施の形態では、ピストンで圧迫する場合で説明したが、第1の濾過材ユニット1に対して第2の濾過材ユニット2の反対側(外筒3の入口3a側)に重ねて、第1の濾過材ユニット1よりも目の詰まった濾過材を置いて(ごく薄くてもよく、特に第1の濾過材ユニット1よりもはるかに薄くするのが好ましい)、その濾過材の側から気体で圧力をかけるか、第2の濾過材ユニット2側(外筒3の排出口3b側)から負圧で吸引するようにしてもよい。このようにすると、目の詰まった濾過材では、流れの圧力損失が大きいので、この濾過材によって第1の濾過材ユニット1が圧迫される。
【0029】
実施例1
第1の濾過材ユニット1を、シート状濾過材料1aとしてのガラス繊維濾紙(GF/D、ワットマン社製)をロール状に巻いて積層することによって形成した。このガラス繊維濾紙は、厚手の濾紙であり荷重容量が大きく、メンブレンフィルタのプレフィルタとして最適なものである。用いたガラス繊維濾紙(GF/D、ワットマン社製)の性状は、粒子保持能は2.7[μm]、初期濾過速度はヘルツベルグで41[秒/100ml]、ASTMで16.5[秒/100ml]、厚さは0.68[mm]、重さは120[g/平米]、荷重容量はVH(非常に大きい荷重容量)、湿潤強度は3.2[kPa]、0.47[psi]であった。
【0030】
第2の濾過材ユニット2を、シート状濾過材料2aとしてのガラス繊維濾紙(DP70、ADVANTEC社製)を円板状に打ち抜いた単位濾過材ユニット2a、4枚で形成した。このガラス繊維は、有機バインダー(アクリル樹脂)処理を施してあり、厚さも十分で沈殿保持特性に優れている。また蛋白質や高濃度の物質の濾過に適している。用いたガラス繊維濾紙(DP70、ADVANTEC社製)の性状は、重量は170[g/平米]、厚さは0.52[mm]、濾水時間(9.6[cm]の濾液面積において1,000[ml]、20[℃]の無粒子水を39[kPa](0.4[kg/cm])の圧力により濾過する時間)は20[s]、保留粒子径は0.6[μm]、圧力損失(通気速度5[cm/s]のときの値)は0.52[kPa](53[mmHO])、耐熱温度は120[℃]であった。
【0031】
これらガラス繊維は、100%ホウケイ酸ガラス繊維で作られている。ガラス繊維濾紙は、不活性なため、吸着性も極めて低く、特に生化学関係の分析に適している。
【0032】
以上のように形成された第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とを、図1に示すように外筒3に収納し、ヘマトクリット値44%のヒト全血150[μl]を分離装置上部の開口3aから滴下し、その後図4に示すように圧縮ピストン4で第1の濾過材ユニットである円筒状ロール化濾紙層1を、軸線AX方向に圧縮した。このとき得られた血漿は33[μl]であった。また所要時間は約30秒であった。一般に濾紙の紙面に垂直な面に対しては、血液の浸透が遅く、そのような方向に被処理液を透過させる場合は、このような短時間では分離することができず、また短時間処理を目的として無理な圧力をかければ溶血を引き起こしてしまう。
【0033】
本実施例では濾紙の切断面に対して血液の浸透を垂直(濾紙の紙面に平行)にし、またロール状に巻いたので、表面濾過ではなく体積濾過の効果を発揮することができるところから血液の浸透を早めることができ、処理時間の短縮が可能となった。さらに圧縮により体積濾過層から血液を抽出せしめる際には、体積濾過層は密となり、血球の流出を防止できるため、血球の阻止層の体積を少なくすることもできた。
【0034】
実施例2
ヒト全血からの血漿回収
抗HBs抗体陽性のヒト全血を実施例1と同じ血液分離装置を用いて血漿を得た。比較例として、血液の一部を遠心分離(1000G×10[min])により分離し血漿を得た。
【0035】
ELISA法による抗HBs抗体の測定
このようにして得られた2種の血漿(実施例、比較例)をELISA法により測定した。測定の結果を図5中の表1に示す。表にあるように、得られた吸光度は、両者ほぼ同等の値を示した。
【0036】
凝集法による抗HBs抗体の測定
前記2種の血漿(実施例、比較例)を凝集法(ニューセロクリット)により力価を測定した。測定の結果を図5中の表2に示す。表にあるように、本発明の実施の形態である血液分離装置により得られた血漿、遠心操作により得られた血漿のいずれについても、力価は1:64であった。
【0037】
イムノクロマト法による抗HBs抗体の測定
前記2種の血漿(実施例、比較例)について、イムノクロマト法(エスプラインHBsAb−N)により判定所要時間を測定した。測定の結果を図5中の表3に示す。表にあるように、本発明の実施の形態である血液分離装置により得られた血漿、遠心操作により得られた血漿のいずれについても、判定時間(15分)には、陽性の判定がなされた。
【0038】
またヒト全血から本血液濾過装置と遠心操作によって得られた血漿中の赤血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度を計測したところ、いずれも検出感度以下で、値を得ることはできなかった。
【0039】
以上のように、本発明の実施の形態の血液分離装置によれば、極めて短時間の分離で、遠心分離操作によって得られた血漿と同等の血漿を得ることができた。この血液分離装置(濾過装置)により得られた血漿は、遠心分離の結果得られた血漿と同等の抗HBs抗体を含み、溶血や血球の影響を測定系に及ぼすことなく、測定することができた。本発明によれば、この原理に基づき、被濾過液の感染症の抗体、及び抗原、癌マーカー、生化学マーカー等を煩雑な前処理をすることなく測定することができる。
【0040】
以上のように、本発明の実施例によれば、例えば遠心分離法よりも簡便でありながら、濾過速度が十分に速く、目詰まりも起こさない分離を行うことができた。また、全血試料が血球を含んだまま排出口にバイパスすることもなかった。
【0041】
以上の実施例は、全血から血球を分離し血漿を得る場合であったが、全血から血球の他にフィブリノゲンも分離除去して、あるいは血漿からフィブリノゲンをも分離除去して、血清を得るのに本発明を応用することもできる。その場合は、第1の濾過材ユニットと第2の濾過材ユニットとして、フィブリノゲンをも分離するのに適した更に密なる濾過材料を用いればよい。
【0042】
本発明の分離装置は、使用前は、典型的には、外筒3の中に第2の濾過材ユニット2と第1の濾過材ユニット1とを収納し、それにピストン4を添えて出荷等の取扱をするが、ピストン4も外筒3に収納して扱ってもよい。また、第1の濾過材ユニット1、第2の濾過材ユニット2、外筒3を、それぞればらばらの部品として取り扱ってもよく、使用に際して組み立てればよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、シート状濾過材料をほぼ同心円状に積層した、ほぼ円筒形状の第1の濾過材ユニットと、第1の濾過材ユニットの円筒形状の外径とほぼ等しい内径を有し、第1の濾過材ユニットを収容する外筒と、外筒中に押し込まれ、第1の濾過材ユニットを、円筒形状の軸線方向に圧迫するピストンとを備えるので、簡便な装置でありながら濾過速度が速い、全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離する分離装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の血液分離装置の主要部を示す側面断面図である。
【図2】第1の濾過材ユニット組立詳細図である。
【図3】第2の濾過材ユニットの単位濾過材ユニットの側面断面図と斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の血液分離装置で血液を分離している状態を示す側面断面図である。
【図5】表1、表2、表3を示す図である。
【図6】従来の血液分離装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 第1の濾過材ユニット
2 第2の濾過材ユニット
3 外筒
4 ピストン
A 全血
B 血漿

Claims (2)

  1. シート状濾過材料をほぼ同心円状に積層した、ほぼ円筒形状の第1の濾過材ユニットと;
    前記第1の濾過材ユニットの円筒形状の外径とほぼ等しい内径を有し、前記第1の濾過材ユニットを収容する外筒 ;
    前記外筒中に押し込まれ、前記第1の濾過材ユニットを、前記円筒形状の軸線方向に圧迫するピストンとを備える;
    全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離する分離装置。
  2. シート状濾過材料から形成した一単位の濾過材ユニットを複数枚重ねて構成される第2の濾過材ユニットであって、前記外筒中に、前記第1の濾過材ユニットと、前記円筒形状の軸線方向に重ねて収容された第2の濾過材ユニットを備える、請求項1に記載の全血から血漿もしくは血清を分離し、または血漿から血清を分離する分離装置。
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