JP4332451B2 - 血液濾過管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質フィルターを備え、これによって血液を濾過して、例えば、血清等の成分を抽出する血液濾過器の製造方法に関するものである。
血液を採取し、その中から、例えば、血清を抽出するには遠心分離器を用いる方法が一般的である。この方法の場合、まず血球を凝固させるための薬品を血液に加えた後、一定時間放置し、次いで、遠心分離操作を行って血球と血清を分離するのが一般的である。この方法における問題点は、血清を抽出するまでに要する時間が長いことである。
最近、このような問題点を改善するものとして、抽出時間の短縮が可能な濾過方式による血液濾過器が提案されている。基本的な構造は、合成樹脂製の円筒管の内部に円形に打ち抜かれた多孔質シートを約100枚程度を積層・充填したものであり、多孔質フィルターの上部から血液を投入すると、多孔質フィルターを通過する間に血球が分離され、血清が抽出できるという機能を有するものである。
この濾過方式の抽出器を用いると、従来の遠心分離方式に比較して数分の一という短時間で血清を抽出することができ、検査の迅速性の向上に有効である。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、濾過方式では上記のような利点を有するが、その製作については難しさがある。その理由は、約100枚程度の円形のフィルターを枚数管理することや円筒状の管に詰める作業が難しいためである。
円形状のフィルターは、一般にシート状の不織布を打ち抜いて製作するが、非常に細い繊維でできているために強度が弱く、取り扱いにおいて層間剥離や毛羽立ちが生じやすく破損しやすい特性を有している。また、管内に充填するフィルターの枚数は厳密に管理する必要があり、枚数が多いと血液の透過速度が低下して血清などの成分の抽出に時間を要することになる。一方、フィルターの枚数が少ない場合には、濾過機能が低下して抽出物に不要な成分が混入する場合がある。
従来例に係る血液濾過器の実際の製作は、次のようにして行われる。以下、図8を用いてその構造を説明する。なお、図8は、従来例に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は円形フィルターの積層体を充填する状態を示す模式図であり、(b)は固定リングを嵌合する過程を示す図であり、(c)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。
1−1)金型を用いて原反フィルターを円形にプレス機で打ち抜く。
1−2)円形フィルターの必要枚数を集め、質量測定を行う。
質量測定を行うのは、円形フィルターの枚数が正しいかを確認するためである。必要枚数のフィルターを集める作業は、フィルターが破損しやすいものであることから注意深く行うことが必要であり、これに集中するために枚数については間違うことがあるためである。また、打ち抜き時の衝撃でフィルターが層間剥離して複数枚に分割してしまい、元の状態での枚数が判断できない場合に、質量基準で補正するためである。
1−3)治具を用いて、円形フィルターの外周を合わせながら積層する。
1−4)円形フィルター100の積層体101を円筒形の管102の中に折れ曲がらないように充填する(図8(a))。
円形フィルター100の充填も注意を要する作業であり、一旦、折れ曲がりが生じると、積層体101の充填作業の継続が困難になるため、折れ曲がった円形フィルター100を取り出す修正作業が必要になる。
1−5)固定リング103をはめ込み管102内面の突起に嵌合・固定することで積層体101を圧縮して完成品の血液濾過器105とする(図8(b)、図8(c))。
円形フィルター100は、柔軟で非常に多孔質なものであり、元の状態のおよそ1/3〜1/5に圧縮することで適正な濾過機能を有するものが多い。
このように、積層体101を構成している破損しやすい円形フィルター100の枚数を管理して、しかも、細い管102内に充填するという工程の作業性は極めて低く、多大な工数とこれに起因する高コスト化を招いている。
この方法において考えられる一つの低コスト化の方策は、必要枚数の円形フィルター100を積層した後に円筒状に打ち抜く方法である。しかしながら、この方法の場合、打ち抜きの際に金型内に円形フィルター100の一部が残留するという問題がある。
すなわち、原反フィルターを打ち抜いた場合、金型内部には、必ず何枚かの円形フィルター100が張り付いて出てこない現象が生じるために、枚数管理ができない不都合がある。これを防ぐためには、1回の打ち抜きごとに金型内を清掃して張り付いている円形フィルター100を取り出すことが必要となるが、このような作業は、手間が掛かるうえに危険を伴う作業であることから、実質的には極めて困難である。
血液濾過器の別の形態としては、シート状の円形フィルター100の代わりに短繊維を管に充填したものが提案されている。この方式は、フィルター材料を無駄なく使用できる利点を有しているが、短繊維の取り扱いや質量管理が上記の円形フィルター100を用いた場合よりも、さらに難しいという問題点を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、管内に充填するフィルターを一体化した構造とすることによって、フィルターの取り扱いを容易にし、製作に要していた工数を著しく削減して、低コスト化を図った血液濾過器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、血液を濾過して特定成分の抽出を行う血液濾過器の製造方法であって、シート状の多孔質フィルターを複数枚積層して積層体を構成する過程と、ピンにより、前記積層体の積層方向にて複数枚のシート状の多孔質フィルターを貫通し、複数枚のシート状の多孔質フィルターを一体化する過程と、一体化したシート状の多孔質フィルターを円形状に打ち抜いて円柱状フィルターを構成する過程と、前記円柱状フィルターを円筒管の内部に挿入する過程と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、ピンにより積層体を一体化した後に円形状に打ち抜いて円柱状フィルターを形成するので、取り扱いが容易になる。そして、一体化した円柱状フィルターを円筒管の内部に挿入するので、この際も同様に取り扱いを容易にできる。したがって、工数を著しく減少することができ、製造コストを低減することができる。
本発明において、前記多孔質フィルターを一体化した後、ピンの先端をかしめる過程を実施することが好まし(請求項2)。ピンの先端部をかしめて「カシメ形状」とすることにより、円形多孔質フィルターの外れを無くすことができ、積層体を完全に一つのブロックとして取り扱うことができる。そのため、数量管理の信頼性は極めて高く、しかも、取り扱いが極めて容易である。また、「カシメ形状」を形成するためのピンの材質としては、例えば、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂などの熱可塑性の合成樹脂が適している。
また、本発明において前記円筒管は、下部の内径が上部の内径より徐々に小さくなっているテーパ状であることが好ましい(請求項3)。管内面にテーパを設けることによって、1種類の多孔質フィルターでありながら、多孔質フィルターの孔径・多孔度を入り口と先端とで変化させることができる。したがって、血液の特定成分の分離効率を高めることができる。
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本発明に係る血液濾過器の製造方法によれば、ピンにより積層体を一体化した後に円形状に打ち抜いて円柱状フィルターを形成するので、取り扱いが容易になる。そして、一体化した円柱状フィルターを円筒管の内部に挿入するので、この際も同様に取り扱いを容易にできる。したがって、工数を著しく減少することができ、製造コストを低減することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は原反フィルターを積層した状態を示す縦断面図であり、(b)はピンを貫通させた状態を示す縦断面図であり、(c)は円柱状に打ち抜いた状態を示す縦断面図である。また、図2は、同血液濾過器の製造方法を示した模式図であり、(a)は円柱状フィルターを充填する状態を示した図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。
まずは原反フィルター1を所要枚数積層する(図1(a))。次に、積層した原反フィルター1の積層方向の一方側から合成樹脂製のピン3を貫通させる(図1(b))。このピン3は、先端部が尖鋭に形成され、基端部に固定リング5を備えている。固定リング5には、複数個の貫通孔7が形成されている。なお、ここでいう原反フィルター1とは、製造し易いように所定形状に加工したフィルターのことをいう。
積層してピン3で固定した原反フィルター1を、プレス機にセットし、ピン3を中心とした円形状に金型で打ち抜く。このようにして得られるのが複数枚の円形フィルター8を積層してなる積層体9と、この積層体9を貫通して一体化しているピン3とを備えた円柱状フィルター11である(図1(c))。
なお、円形フィルター8が本願発明における円形多孔質フィルターに相当する。
上記のようにして作製した円柱状フィルター11を、図2(a),(b)に示すように、血液濾過器用の円筒管13の内部に挿入し、完成品としての血液濾過器Aを構成する。円筒管13は、上部の供給口15と、その反対型にあたる下部に抽出口17とを備え、抽出口17の上方に、円筒管13の内周面に僅かに突出したリング突起19が形成されている。円柱状フィルター11の固定は、固定リング5がリング突起19の下部に押し込まれることで行われる。
この実施例1によると、ピン3を用いることによって必要枚数の円形フィルター8が基本的に一つのブロックとして取り扱えるため、ピン3から円形フィルター8が抜けないように注意する必要があるものの、下記の効果を得ることができる。
a)円形フィルター8の数量管理が最初の積層段階でできるため、個々の円柱状フィルター11に対する個別管理が不要である。
b)1枚1枚の円形フィルター8の取り扱いが無いため、フィルターを破損する可能性が低い。
c)円形フィルター8の外周を合わせて積層する作業が不要。
d)円筒管13に円柱状フィルター11を充填する際に円形フィルター8の折れ曲がりが生じづらい。
これらの効果によって、従来の方法に比較して、製作が極めて容易な構造とすることができる。なお、本実施例ではピン3と固定リング5を一体化することで、部品点数を従来品と同じにすることができるが、要は複数の円形フィルター8をブロック化することで取り扱いを容易にするものである。したがって、状況に応じてピン3と固定リング5とを別部品にすることも可能である。
重要なことは、無負荷の状態での円柱状フィルター11の外径を円筒管13の内径よりも大きくしておくことである。円柱状フィルター11の外径が小さい場合は、ピン3で貫通した円形フィルター8の貫通穴部分から血液が漏れて、不要な成分が抽出液に混入する可能性があるためである。円柱状フィルター11の外径を円筒管13の内径よりも大きくすることで円柱状フィルター11が円筒管13内に圧縮して充填されるため、ピン3と円形フィルター8の貫通穴部分との隙間が無くなり血液の漏出を防ぐことができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図3は、実施例2に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は円形フィルターにピンを貫通させるとともにかしめた状態を示す縦断面図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。
まずは、上述した実施例1における図1(a)に示すようにして、原反フィルター1を必要枚数積層する。次に、実施例1における図1(b)と同様にして、積層した原反フィルター1の一方の面から合成樹脂製のピン3を貫通させる。さらに、貫通したピン3の先端を「かしめ」て、かしめ部21を形成する(図3(a))。このかしめ部21は、例えば、超音波振動などの工法によってカシメ形状に加工した後、円柱状にプレス機で打ち抜くことによって形成する。円柱状フィルター11を円筒管13に充填し、ピン3のかしめ部21を円筒管13内面のリング突起19に嵌合・固定させることで円柱状フィルター11を圧縮して完成する。このようにして血液濾過管Bを構成する。
本実施例は、上記の実施例1におけるa)〜d)の効果に加えて、ピン3の先端をカシメ形状とすることで円形フィルター8の外れが無いため、積層体9を完全に一つのブロックとして取り扱うことができる。そのため、数量管理の信頼性は極めて高く、しかも、取り扱いが極めて容易である。なお、カシメ構造を形成するためのピン3の材質としては、例えば、ポリプロピレン樹脂やABS樹脂などの熱可塑性の合成樹脂が適している。ピン3の先端形状をカシメ形状にする他の方法としては、超音波以外にも熱加工など種々の方法が適用可能である。重要なことは、上記の実施例1と同様に、無負荷の状態での円柱状フィルター11の外径を円筒管13の内径よりも大きくしておくことである。
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。
図4は、実施例3に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は原反フィルターから裁断した短冊状フィルターを示す図であり、(b)は短冊状のフィルターを回巻して円柱状フィルターを構成した外観斜視図である。また、図5は、実施例3に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は固定リングを嵌合する過程を示す図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図であり、(c)は内面をテーパ状に形成した変形例を示す縦断面図である。
まずは、規定の寸法に合わせて、シート状の原反フィルター1を短冊状に裁断する(図4(a))。そして、短冊状のフィルター23を回巻して円柱状にする(図4(b))。これにより円柱状フィルター25が構成される。なお、短冊状のフィルター23が本発明における短冊状の多孔質フィルター23に相当する。次に、この円柱状フィルター25を円筒管13の収納部に充填する(図5(a))。さらに、固定リング27を円筒管13内面のリング突起19に嵌合することで円柱状フィルター25を圧縮するとともに固定する。これにより血液濾過器Cが構成される(図5(b))。
本実施例3によれば、血液濾過器Cに使用するフィルターの枚数が、基本的に短冊状のフィルター23の1枚であることに基づいて、従来方式に比較して、下記の効果を得ることができる。
e)短冊状のフィルター23の数量管理は、その寸法だけで規定できるため、裁断寸法のみで管理できる。
f)短冊状のフィルター23の加工は基本的に短冊状に原反フィルター1を定寸裁断することであり、上述した実施例1,2の円形フィルター方式のような金型を用いなくてもよいこと、原反フィルター1を多数枚重ねて定寸裁断できることによって、血液濾過器複数個分の短冊状のフィルター23が一度に加工できるために作業効率が高い利点がある。
さらに、円形フィルター8を用いた場合には、原反フィルター1を円形に打ち抜いた残りの部分が無駄になり原反フィルター1の使用率が低いのに対して、本実施例における短冊状のフィルター23を用いた場合には、原反フィルター1を無駄なく使用できるため低コストである。
g)円柱状フィルター25を構成しているフィルターの枚数管理が不要であるため、最低限のハンドリングで組立が可能であり、構成している短冊状のフィルター23を破損する可能性が低い。
h)円形フィルター8を用いた場合のような、約100枚程度の円形フィルター8の外周を合わせて積層する作業が不要である。
i)円筒管13に円柱状フィルター25を充填する際にフィルターの折れ曲がりが生じづらい。
j)円筒管13の内面の供給口15から先端の抽出口17にかけてのテーパ度を調節することによって、円筒管13の供給口15側から抽出口17側にかけて濾過度を変化させることができる。
この点は非常に重要な特性であって、一般に利用されている血液濾過器の中には、孔径の異なる2種類のフィルターを用い、管の入り口側は孔径の大きなフィルターを配置し、一方、先端側には孔径の小さなフィルターを配置することで分離効率を高めているものがある。本実施例3によれば、変形例として、図5(c)の血液濾過器Dに示すように、円筒管13の下部の内径が上部の内径よりも徐々に小さくなるテーパ状とした円筒管13aを採用することによって、1種類のフィルターでありながら、フィルターの孔径・多孔度を入り口と先端とで変化させることができる。そして、テーパ状の度合いを変化させることによって、入り口と先端とで孔径・多孔度の変化量を調整することができる。
以上のように、本実施例によると、製作が極めて容易な構造とすることができるほか、円筒管13aの内面をテーパ状とすることによって濾過特性を変化させることができる。
重要な点は、円柱状フィルター25の無負荷状態での外径を円筒管13の内径よりも大きくしておくことである。円柱状フィルター25の外径が小さい場合は、円柱状フィルター25の各層間に隙間が生じ、この隙間から血液が漏れて不要な成分が抽出液に混入する可能性があるためである。円柱状フィルター25の外径を円筒管13の内径よりも大きくすることで円柱状フィルター25が円筒管13内に圧縮して充填されるため、短冊状のフィルター23間の隙間が無くなり血液の漏出を防ぐことができる。抽出液に不要成分が混入することを防ぐさらなる方法は、円柱状フィルター25の無負荷状態での外径及び長さの両方を円筒管13内部の収納部よりも大きくすることである。これによって、縦横の両方向から円柱状フィルター25が圧迫されるために濾過がより確実なものとなる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例4を説明する。
図6は、実施例4に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は二股のピンを有する固定リングの外観斜視図であり、(b)は短冊状のフィルターを巻いた状態の円柱状フィルターの外観斜視図であり、(c)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。
本実施例4では、実施例3に加えて固定リング29を備えている点が特徴的となっている。固定リング29は、図6(a)に示すように、リング体31からピン33が突設されて構成されている。ピン33には、短冊状のフィルター23を挟み込むための切り欠き部35が形成されている。なお、ピン33は、本発明における巻芯に相当する。
このような固定リング29を備えることにより、図6(b)に示すように、ピン33の切り欠き部35に短冊状フィルター23の短軸側(短辺側)を挟み込み、固定リング29を回転させることによって、短冊状フィルター23を巻きつけて円柱状フィルター25aを製作することができる。なお、図6(c)は、円柱状フィルター25aを円筒管13の内部に充填した完成状態を示す。これにより血液濾過器Eが構成される。
上記実施例3におけるe)〜j)の効果に加えて、ピン33を有する固定リング29を備えたことにより、巻作業および巻の状態を安定化するとともに、固定リング29と円柱状フィルター25aを一体化させることで取り扱いを極めて容易に行うことができる。この場合においても、変形例である図7の血液濾過器Fのように、内面をテーパ状にした円筒管13aを設けることで、円柱状フィルター25aの入り口と先端とでの孔径・多孔度を変化させることができる。
<従来例との比較>
上述した各実施例1〜4について以下のようなサンプルを作製した。
<実施例1のサンプル>
図1(a)〜(c)に示したように、多孔性の不織布からなる厚み約0.2mmの原反フィルター1を100枚積層した後、ポリプロピレン製のピン3を有する固定リング5で貫通し、次いで固定リング5を中心にして金型を用いてプレス機で打ち抜くことでフィルター部分の直径が7.2mmで高さが約12mmの固定リング付きの円柱状フィルター11を製作した。さらに、図2(a),(b)に示したように、この円柱状フィルター11をポリプロピレン製の円筒管13に充填するとともに固定リングを円筒管13内のリング突起19に嵌合して「血液濾過器A」を製作した。
ポリプロピレン製の円筒管13内部に形成されているフィルター収納部の寸法は、内径が7mm、高さが5mmであり、円柱状フィルター11が無負荷の場合に直径7.2mm、高さ12mmよりも小さくすることで、円柱状フィルター11は円筒管13に充填されることで圧縮される構造になっている。
<実施例2のサンプル>
実施例1のサンプルと同様にして、多孔性の不織布からなる厚み約0.2mmの原反フィルター1を100枚積層した後、ポリプロピレン製のピン3を有する固定リング5で貫通するとともに、図3(a)、(b)に示したように、ピン3の先端を超音波でカシメ状態に加工し、次いで固定リング5を中心にして金型を用いてプレス機で打ち抜くことでフィルター部分の直径が7.2mmで高さが約10mmの固定リング付きの円柱状フィルター11を製作した。さらに、この固定リング5付きの円柱状フィルター11をポリプロピレン製の円筒管13に充填するとともに固定リング5を円筒管13内のリング突起19に嵌合して「血液濾過器B」を製作した。
実施例1のサンプルと同じく、ポリプロピレン製円筒管13内部のフィルター収納部の寸法は、内径が7mm、高さが5mmであり、円柱状フィルター11が無負荷の場合に直径7.2mm、高さ10mmよりも小さくすることで、円柱状フィルター11は円筒管13に充填されることで圧縮される構造になっている。
<実施例3のサンプル>
図4(a),(b)及び図5(a),(b)に示したように、原反フィルター1を長さ271mm×幅15mmの短冊状に裁断した後、短冊状のフィルター23を回巻して直径が8.2mmで高さが15mmの円柱状フィルター25を製作した。次いで、この円柱状フィルター25をポリプロピレン製の円筒管13に充填した後、固定リング27を円筒管13内のリング突起19に嵌合して「血液濾過器C」を製作した。
上記の2つの実施例と同じく、ポリプロピレン製円筒管13内部のフィルター収納部の寸法は、内径が7mm、高さが5mmであり、円柱状フィルター25が無負荷の場合に直径8.2mm、高さ15mmよりも小さくすることで、円柱状フィルター25は円筒管13に充填されることで圧縮される構造になっている。
<実施例3の変形例サンプル>
実施例3における円筒管13の代わりに内面がテーパ付きの円筒管13aを用いた以外は、全て実施例3と同様にして「血液濾過器D」を製作した。
テーパ付きの円筒管13aのフィルター収納部の寸法は、先端部の内径が直径6.6mm、固定リング側の内径が直径7.4mm、高さ5mmであり、円柱状フィルター25が無負荷の場合の直径8.2mm、高さ15mmよりも小さくすることで、円柱状フィルター25は円筒管13aに充填されることで圧縮される構造になっている。抽出口17のフィルター密度は、円筒管13a内面の断面積に反比例して、固定リング27側に比較して密度が約26%高くなっておりフィルターの孔径および多孔度は先端部ほど小さくなる構造となっている。
<実施例4の変形例サンプル>
実施例3と同様にして、原反フィルター1を長さ271mm×幅15mmの短冊状に裁断した後、図6(a)〜図6(c),図7に示したように、これを切り欠き部35が形成されたピン33を有する固定リング29に挟み込んだ上で巻き付け、フィルター部分の直径が8.4mmで高さが15mmの固定リング29付きの円柱状フィルター25aを製作した。次いで、この円柱状フィルター25aをポリプロピレン製で内面がテーパ付きの円筒管13aに充填するとともに固定リング29を円筒管13a内のリング突起19に嵌合して「血液濾過器F」を製作した。
テーパ付きの円筒管13aのフィルター収納部の寸法は、先端部の内径が直径6.6mm、固定リング29側の内径が直径7.4mm、高さが5mmであり、円柱状フィルター25aが無負荷の場合の直径8.4mm、高さ15mmよりも小さくすることで、円柱状フィルター25aは円筒管13aに充填されることで圧縮される構造になっている。先端側のフィルター密度は、円筒管13a内面の断面積に反比例して、固定リング29側に比較して密度が約26%高くなっておりフィルターの孔径および多孔度は先端部ほど小さくなる構造となっている。
<従来例のサンプル>
多孔性の不織布からなる厚み約0.2mmの原反フィルターを金型を用いてプレス機で打ち抜き直径が7.2mmの円形フィルター100を製作した。これを100枚集めて質量を測定して枚数が正しいことを確認した後、図8(a)〜図8(c)に示したように、100枚の円形フィルター100を積層して積層体101とし、次いで、ポリプロピレン製の管102に充填し、さらに、固定リング103を管102内の突起に嵌合して従来例の「血液濾過器G」を製作した。
以上のようにして製作した各血液濾過器の組立に要した工数を「表1」に示す。この表中の相対組立工数の数値は、従来例の血液濾過器Gにおける工数を100としてその比で示したものである。したがって、相対組立工数の値が小さいほど、短時間で組み立てることができること、すなわち、作業性が優れていると言える。
また、表1には、血液濾過器組立時の不良発生率(%)、各血液濾過器の血液を濾過するに要する時間(相対濾過時間)を合わせて示す。なお、相対濾過時間も従来例で要する時間を100とし、その比率で表したものである。
Figure 0004332451
この表1から、本発明の実施例等である血液濾過器A〜D,Fは従来品Gに比較して、組立工数が少なく、しかも、不良率も低いことが分かる。この理由は、本発明によればフィルターをブロック化して取り扱いを容易にするとともに、必要最小限のハンドリングで組み立てることができるためである。一方、従来例の場合、多大な工数がかかる上にフィルターが損傷しやすい問題を有している。
本発明の実施例の中では、短冊状フィルターを回巻して円柱状フィルター25,25aとする構造、すなわち、実施例3のサンプルC、実施例3の変形例サンプルDおよび実施例4の変形例サンプルFの組立工数が小さいことが分かる。特に、実施例4の変形例サンプルFは、巻芯となる二股のピン33を有しており、このピン33に短冊状のフィルター23を挟み込んだ上で回巻することで容易に円柱状に加工することができる利点を有している。ピン33の形状はこれに限定されるものではなく、フィルターの特性や厚み等を勘案して適宜設定すればよい。
また、短冊状のフィルター33を用いるもう一つの利点は、原反の不織布フィルターを無駄なく使える点である。円形フィルター8を使用するタイプでは、円形フィルター8を打ち抜いた残りの部分は使用することができず、約半分を廃棄することになるのに対して、短冊状のフィルター23を使用するタイプでは、原反の不織布フィルターのほぼ100%を使用することができる。なお、上記の実施例では短冊状のフィルター1枚を回巻して円柱状としたが、フィルターの厚みが薄い場合などは、2枚の短冊状フィルターを用いて一つの円柱状フィルター25、25aを製作してもよい。本発明の要旨は、フィルターの枚数を1枚に限定するものではない。また、上記実施例では、短冊状のフィルター23として長方形のものを用いたが、その両端または一端が三角形や菱形であってもよい。つまり、必要とされる特性・構造に応じて適した形状とすることができる。
次に、血液濾過に要する時間については、実施例4の変形例サンプルDおよび実施例4の変形例サンプルFが短くなっており、優れていることが分かる。この理由は、フィルターの密度が血液の流動方向に対して連続的に変化していることによって、血球等の成分を効率的に捕集できるためと考えられる。
実施例1に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は原反フィルターを積層した状態を示す縦断面図であり、(b)はピンを貫通させた状態を示す縦断面図であり、(c)は円柱状に打ち抜いた状態を示す縦断面図である。 実施例1に係る血液濾過器の製造方法を示した模式図であり、(a)は円柱状フィルターを充填する状態を示した図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。 実施例2に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は円形フィルターにピンを貫通させるとともにかしめた状態を示す縦断面図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。 実施例3に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は原反フィルターから裁断した短冊状フィルターを示す図であり、(b)は短冊状フィルターを回巻して円柱状フィルターを構成した外観斜視図である。 実施例3に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は固定リングを嵌合する過程を示す図であり、(b)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図であり、(c)は内面をテーパ状に形成した変形例を示す縦断面図である。 実施例4に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は二股のピンを有する固定リングの外観斜視図であり、(b)は短冊状フィルターを巻いた状態の円柱状フィルターの外観斜視図であり、(c)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。 実施例4に係る血液濾過器の変形例を示す縦断面図である。 従来例に係る血液濾過器の製造方法を模式的に示した図であり、(a)は円形フィルターの積層体を充填する状態を示す模式図であり、(b)は固定リングを嵌合する過程を示す図であり、(c)は血液濾過器の完成した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 … 原反フィルター
3 … ピン
5 … 固定リング
8 … 円形フィルター
9 … 積層体
11 … 円柱状フィルター
13 … 円筒管
15 … 供給口
17 … 抽出口
19 … リング突起
A〜G … 血液濾過器

Claims (3)

  1. 血液を濾過して特定成分の抽出を行う血液濾過器の製造方法であって、
    シート状の多孔質フィルターを複数枚積層して積層体を構成する過程と、
    ピンにより、前記積層体の積層方向にて複数枚のシート状の多孔質フィルターを貫通し、複数枚のシート状の多孔質フィルターを一体化する過程と、
    一体化したシート状の多孔質フィルターを円形状に打ち抜いて円柱状フィルターを構成する過程と、
    前記円柱状フィルターを円筒管の内部に挿入する過程と、
    を備えていることを特徴とする血液濾過器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の血液濾過器の製造方法において、
    前記多孔質フィルターを一体化した後、ピンの先端をかしめる過程を実施することを特徴とする血液濾過器の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の血液濾過器の製造方法において、
    前記円筒管は、下部の内径が上部の内径より徐々に小さくなっているテーパ状であることを特徴とする血液濾過器の製造方法。
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