JP4649741B2 - 分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の分離装置に関し、特に血液のような固形分を含有する液体から固形分を分離するのに適した分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
全血から確実に血漿または血清を分離する方法として、従来から遠心分離器を用いる遠心法が知られている。しかしながら遠心法は、装置が大型でありまた操作が煩雑である。そこで比較的手軽に全血から血漿あるいは血清を分離する器具として、図7に示すようなものがあった(例えば特開2000−338103号参照)。この装置は、体積濾過層21と、多孔性血球通過阻止層22とが筒状容器23に収納されている。全血から血漿を分離する際には、筒状容器23の注入口に全血Aを供給し、注入口側からピストン24を筒状容器23に挿入して、ピストン24を筒状容器23に押し込む。これにより、血液が体積濾過層21と多孔性血球通過阻止層22とを透過するようにして、排出口側から血球が分離濾過された血漿Bを排出口側から採取するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような分離器具によれば、液分から固形分を確実に分離することができるが、全血Aを筒状容器23の注入口から供給する際に、全血Aを、ピペット等を用いて、全血Aが保存されている容器から筒状容器23へ移し替えていた。この場合、全血Aを移し替える工程で、全血Aが外気にさらされて凝固したり、全血Aに混在したウイルス等の病原体が容器から外部に漏れる可能性があった。
【0004】
そこで本発明は、液分から固形分を確実に分離することができ、衛生的かつ操作が容易な分離装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による分離装置は、例えば図1に示すように、一端が開放され、外部につながる第1の穴3bを有する第1の底板部3cで他端が閉鎖された第1の円筒形状の第1の外筒3と;第1の外筒3の第1の底板部3c内側に収納されたほぼ円柱形状の濾過材料1と;第1の外筒3の一端で第1の外筒3の内側にしっくりと収納されたほぼ中央に円形穴4aを有する円板状のピストン材4とを備える。
【0006】
ここで、しっくりととは、シール性を維持しつつ摺動可能な状態を意味する。
第1の外筒3の内径d1は、円柱形状の濾過材料1の外径d2とほぼ等しいが、僅かに大きくするのが好ましい。またピストン材4の外径は第1の外筒3の内径d1とほぼ等しく形成されている。ピストン材4は弾性材料、例えばゴム、軟質プラスチックで作るのが好ましい。
【0007】
このように構成すると、第1の円筒形状の第1の外筒3と、第1の底板部3c内側に収納されたほぼ円柱形状の濾過材料1と、第1の外筒3の内側にしっくりと収納されたほぼ中央に円形穴4aを有する円板状のピストン材4とを備えるので、ピストン材4に形成された円形穴4aから被濾過液(例えば全血)を、殆ど外気に接触させることなく第1の外筒3内に供給し、濾過することができる。
【0008】
また前記分離装置は、例えば図3に示すように、一端が開放され、他端が外部につながる第2の穴を有する第2の底板部13cで閉鎖された第2の円筒形状の第2の外筒13であって、第2の底板部13cは第2の円筒形状の軸線方向に突出した、外周が前記第2の円筒形状の外径d6よりも小さい第3の円筒形状の突起部13dを有し、前記第2の穴は前記第3の円筒形状の中空部につながっており、第3の円筒形状の外径d5はピストン材4の円形穴4aの直径d3にほぼ等しく、第2の外筒の外径d6は第1の外筒の内径d1より小さい、第2の外筒13を備える。
【0009】
第2の外筒13は、典型的にはピストン材4を伴って第1の外筒3中に、前記円筒形状軸線方向に押し込まれ、第1の外筒3中の被濾過液を第1の穴3bから押出す第1のピストン4’として作用する。さらに典型的には、第2の外筒13中に押し込まれ、第2の外筒13中に被濾過液を吸入し、また第2の外筒13から被濾過液を押出す第2のピストン14を備える。
【0010】
このように構成すると、第2の外筒13を備えるので、第2の外筒13はピストン材4を伴って、第1の外筒3中の被濾過液を第1の穴から押出す第1のピストン4’として作用することができる。これにより、例えば従来外筒に被濾過液を供給する際に使用していたピペットや注射器、外筒中の被濾過液を押出すことに使用していたピストンを、第2の外筒13で兼用でき、被濾過液の移し替え回数も減らすことができるので、より衛生的であり、医療廃棄物の低減にも貢献できる。
【0011】
また以上の分離装置では、前記濾過材料は、シート状濾過材料1aをほぼ同心円状に積層した、ほぼ円柱形状の第1の濾過材ユニット1を含んで構成されるとよい。シート状濾過材料1aは矩形に切断形成し、ロール状に巻き付けて構成するのが好ましい。第1の濾過材ユニット1を第1の外筒3に収納すると、シート状濾過材料(例えば濾紙)は被濾過液の流れ方向にほぼ直交する方向に積層されることになる。第1の濾過材ユニット1の中心には、(同一材料で円柱形状の)芯を設け、この芯にシート状濾過材料を巻き付けるようにしてもよい。
【0012】
このように構成すると、シート状濾過材料1aをほぼ同心円状に積層した、ほぼ円柱形状の第1の濾過材ユニット1を含んで構成されるので、簡便な装置でありながら濾過速度が速い分離装置を提供することができる。
【0013】
また前記分離装置では、第1の外筒3中に、第1の円筒形状の軸線方向に第1の濾過材ユニット1と重ねて収容された第2の濾過材ユニット2を備えるとよい。このときは、典型的には第1の濾過材ユニット1は第2の濾過材ユニット2のプレフィルターとして機能する。被処理液中の液部分から分離したい固形物は、殆ど第1の濾過材ユニット1で濾過分離される。典型的には、第2の濾過材ユニット2は第1の濾過材ユニット1より細かい濾過材であり、第1の濾過材ユニット1を通過してしまった固形物、例えば全血中の血球があればこれを捕捉する。
【0014】
第1の外筒3、第2の外筒13及び第2のピストン14は注射器のような形状とするのが好ましく、材料はガラスであってもよいし、硬質プラスチック等であってもよい。またピストン材4及び第2のピストン14は、ゴムで形成すれば、それぞれ対応する外筒との間の気密を保持しやすい。
【0015】
典型的には被濾過液は全血であり、濾過される固形物は主に赤血球、白血球であり、濾過して得られる液部分は血漿または血清である。第1、第2の濾過材ユニットの目の粗さは、血球等の固形物は濾過分離するが、検査したいウイルス等は通過させるものとする。ピストンで圧迫する強さ、速さは、血球が破壊されない程度とする。適切な強さ、速さは、例えば試験的濾過を行いデータを採取して定めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態である血液分離装置の側面断面図である。第1の外筒3には、第1の濾過材ユニット1が収容されている。第1の外筒3は、内部に濾過材ユニットを収容する空間を有する中空の円筒状あるいはシリンダー状の容器であり、そのシリンダーの内周面の直径をd1とする。シリンダーの一方の端部(図中上端)3aは直径d1の大きさで開放されている。シリンダーの他の端部(図中下端)は直径d1よりも小さく絞られて第1の底板部3cを形成し、底板部3cには外部につながった第1の穴としての貫通穴3bが形成され開放されている。底板部3cと第1の濾過材ユニット1との間には、第2の濾過材ユニット2が収納されている。第1の外筒3の具体的な実施例としては、5[ml」の注射筒(テルモ社製、SS−05SZ)を用いた。また図4、図5を参照して後で説明するように、第1の濾過材ユニット1の厚さは12[mm]とし、第2の濾過材ユニット2の厚さは3.0[mm]とした。
【0018】
また第1の外筒3には、図2を参照して説明するピストン材4が、第1の外筒3中の開放された端部3a近傍に押し込まれている。さらに図3を参照して説明する第2の外筒13がピストン材4に、後述の突起部13dをピストン材4の円形穴4aに挿入された状態で装着されている。ここでは第2の外筒13は、装着されている状態で図示してあるが、実際には第2の外筒13は、第2の外筒13中の全血Aを、第1の外筒3に供給する際に装着するものである。
【0019】
図2を参照して、ピストン材4を説明する。(a)は側面断面図であり、(b)は斜視図である。ピストン材4は、第1の外筒3の内面にしっくりと、即ちシール性を維持しつつ摺動可能に押し込むことができるような外径を有している。即ち、その外径は第1の外筒3の内径d1とほぼ等しく形成されている。ピストン材4は、厚い、前述のような外径を有する円板状に形成されており、ほぼ中央に直径d3の円形穴4aを有している。また、摺動部分には、外筒とのシール性を向上させるためのくぼみ4cが全周にわたって形成されている。ピストン材4は、典型的には弾性材料、例えばゴム製、あるいは軟質プラスチックである。また、一般に流通している注射器のピストンで同サイズのものがあれば、それに円形穴4aを加工すれば容易に生産することができる。ピストン材4を弾性材料で作るときは、その外径はしっくりとした嵌合が得られる範囲で外筒3の内径d1より僅かに大きく形成するとよい。
【0020】
図3を参照して、第2の外筒13を説明する。第2の外筒13は、第1の外筒3と同様な中空の円筒状あるいはシリンダー状の容器であり、そのシリンダーの内周面の直径をd4とする。シリンダーの一方の端部(図中上端)13aは直径d4の大きさで開放されている。シリンダーの他の端部(図中下端)13bは、第2の外筒13の外径d6よりも小さい第3の円筒形状を有した突起部13dが形成されている。また第3の円筒形状は、直径d4よりも小さく絞られて開放されている第2の穴を有している。そのように直径d1よりも小さく絞られている結果として、シリンダーの下端部の内部に底板部13cが形成されている。
【0021】
突起部13dの外径d5は、前述のピストン材4の円形穴4aの内面とのシール性を維持しつつ、突起部13dを円形穴4aに容易に挿入できるような外径を有している。即ち、その外径d5は円形穴4aの直径d3にほぼ等しく形成されている。
【0022】
また、第2の外筒13の外径d6は、第1の外筒3の内径d1より小さい。第2の円筒形状の全長は、第2の外筒13が装着された状態でピストン材4が、第1の濾過材ユニット2及び第2の濾過材ユニット3を押しつぶし、第1の外筒3の下端近傍まで押し込まれたときに、第2の外筒13の開放された端部13aが第1の外筒3の外に存在するように設定される。具体的な実施例としては、2.5[ml」の注射筒(テルモ社製、SS−02S)を用いた。
【0023】
本実施の形態の分離装置は、図3に示すように、さらに第2のピストン14を備える。第2のピストン14は、第2の外筒13の内面にしっくりと摺動可能に押し込むことができるような外径を有している。即ち、その外径は第2の外筒13の内径d4とほぼ等しく形成されている。第2のピストン14は、本体部は厚い、前述のような外径を有する円板状に形成されており、その一端がピストン本体部に固着され、ピストン本体部の厚さ方向に伸延するロッド14aを有する。ロッド14aの長さは、ピストン本体部が第2の外筒13の底板部13cまで押し込まれたときに、ロッド14aの他端14bが第2の外筒13の外に存在するように設定される。ロッド14aの他端には、ロッドを手で操作し易いように小さい円板14bが形成されている。
【0024】
図4を参照して、第1の濾過材ユニット1を説明する。第1の濾過材ユニット1は、(a)に示すような矩形のシート状濾過材料1aを、(b)の斜視図に示すように軸線AX回りにロール状に巻き付けて形成される。その結果第1の濾過材ユニット1は、シート状の濾過材料1aがほぼ同心円状に積層された、中実の円筒形状の濾過材ユニットになる。その外径d2は、第1の外筒3の内径d1とほぼ同一とする。ただし好ましくは直径d2は直径d1よりも極く僅かに小さくする。このようにすると、第1の濾過材ユニット1を第1の外筒3に収納する際の作業が容易になる。
【0025】
但し、直径d2は直径d1より多少は大きくてもよい。この場合も、第1の濾過材ユニット1は繊維質の材料でできているので、第1の外筒3に強制的に押し込むことができ、第1の外筒3と第1の濾過材ユニット1、第2の濾過材ユニット2を組み立てて1体で扱う場合は、取扱中にばらばらになりにくいという効果がある。
【0026】
実施例では、矩形のシート状濾過材料1aの長辺の長さを20[mm]、短辺の長さを12[mm]とし、短辺が軸線AXに平行になるように巻き付けた。なお、第1の濾過材ユニット1の中心には、押しつぶし可能な独立した円柱状の芯(不図示)を用意し、その芯にシート状濾過材料1aを巻き付けるようにしてもよい。このようにすると、中心に上端から下端に貫通する穴が形成されるのを容易に防止することができる。
【0027】
シート状濾過材料1aを巻き付けた最終端部は円筒形状が維持されるように接着剤でロール側に貼り付けて固定してもよいし、巻き付けた後で外周側を糸で巻いて固定してもよい。
【0028】
図5を参照して、第2の濾過材ユニット2を説明する。(a)は側面図(シートを真横から見た図)、(b)は斜視図である。第2の濾過材ユニット2は、薄いシート状濾過材料を円板状に打ち抜き、1単位の濾過材ユニット2aとして形成する。濾過材ユニット2aの外径は、第1の外筒3の内径d1とほぼ等しくする。ただし収納作業の容易性のために、内径d1よりも極く僅かに小さくしてもよい。この1単位の濾過材ユニット2aを複数枚重ねて、第2の濾過材ユニット2を構成する。また、濾過材ユニット2は異なる目の粗さの複数の濾過材ユニット2aと組み合わせて構成することもできる。
【0029】
別の実施の形態として、第2の濾過材ユニット2は、厚いシート状濾過材料を円形に切断あるいは打ち抜き、図1に示す実施例では厚さ3.0[mm]の一体の濾過材ユニットとしてもよい。
【0030】
本実施の形態の分離装置を用いて、血液の分離を行う方法を説明する。先ず、ピストン本体部14が第2の外筒13の底板部13cまで押し込まれた状態から、円板14bを引くことによってロッド14aを介してピストン本体部14を引き出す。ピストン本体部14が引き出されたことで発生する負圧により、第2の外筒13中に全血Aを吸入する。全血Aを吸入する場合、突起部13dに注射針を装着し、人体から直接吸入してもよいし、既に採取された全血の入った容器から吸入してもよい。この場合、注射針は使用しなくてもよい。
【0031】
次に図6(a)に示すように、第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とが収納された第1の外筒3中の端部3aに挿入されているピストン材4の円形穴4aに、第2の外筒13の突起部13dを挿入し、端部14bを押すことによって、ロッド14aを介してピストン本体部14を第2の外筒13に押し込む。これにより、第2の外筒13中の全血Aが第1の外筒3中に供給される。
【0032】
そして、(b)に示すように、ピストン本体部14が第2の外筒13の底板部13cまで押し込まれた後、さらに端部14bを押し込むことにより、ロッド14b、第2の外筒13を介してピストン材4を第1の外筒3に押し込む。その結果、第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とが、第1の外筒3の中で押しつぶされる。またこのとき、第2のピストン14、第2の外筒13及びピストン材4は、第1のピストン4’として作用する。
【0033】
これにより、血液が第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とを透過するようにして濾過され、第1の外筒3の端部3bに形成された第1の穴3bから血球が分離濾過された血漿Bを採取できる。さらに、第1の外筒3の端部3bにピペットの先端形状を有したアダプタを装着すれば、血漿Bを所定の量ずつ滴下できる。滴下される所定の量(例えば25μl)は、アダプタの材質、先端形状、先端部の太さ等で調節できる。また、このアダプタ内の血漿Bの流路に逆止弁を備えるようにすると、例えば一度逆止弁より押出された血漿Bが、再び第1の穴から第1の外筒3中に戻ることを防ぐことができる。
【0034】
また、以上で説明した分離を行う方法は一例であり、本実施の形態の分離装置を使用して分離を行う方法はこれに限られるものではない。別の分離を行う方法の一例としては、例えばまず同様に第2の外筒13をピストン材4に装着する。次に第2の外筒13を介してピストン材4を、ピストン材4が第1の外筒3中の第1の濾過材ユニット1に接触する程度まで押し込んだ後、第2のピストン14を押し込んで、全血Aを第1の外筒3に供給してもよい。
【0035】
第1の濾過材ユニット1は、シート状濾過材料1aを同心円状に積層した中実円筒形状をしており、軸線AX方向に圧迫され押しつぶされるので、積層されたシート状濾過材料1a同士の間に間隙があったとしても、そのような間隙は押しつぶされることになり、シート状濾過材料1a同士は密着する。また第1の濾過材ユニット1の外周面と第1の外筒3の内周面との間に隙間があったとしても、その隙間も押しつぶされ、第1の濾過材ユニット1と第1の外筒3とは密着する。その結果として、血液が第1の濾過材ユニット1を介さずに直接第2の濾過材ユニット2に到るのを最小限に抑えることができる。
【0036】
また第1のピストン4’で第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニット2とを圧迫する結果として、血清あるいは血漿が濾過材を透過する時間を大幅に短縮することができる。第1のピストン4’を押し込む強さ、速さは、被処理液、例えば全血中の血球が破壊されない範囲の値に設定する。そのような値は、テスト濾過を行い、分離装置のサイズ、構造、被処理液の種類にしたがって定めることができる。あるいは、第1の外筒3を透明あるいは半透明の材料で製作し、血球の第1の濾過材ユニット1への浸透状態を外部から目視しながら調節するようにしてもよい。
【0037】
典型的には、第1の濾過材ユニット1は空隙率が比較的大きい体積濾過層であり、第2の濾過材ユニット2は、それよりも空隙率が小さい阻止層である。阻止層は、体積濾過層よりも密に形成されており、第1の濾過材ユニット1を通過してしまうかもしれない、血球の通過を阻止する。阻止層の濾過は典型的には表面濾過によって行われる。
【0038】
シート状濾過材料1aあるいは2aとしては、ガラス繊維の濾紙を用いるのが好ましい。被処理液(被濾過液)に対して不活性だからである。また、特にシート状濾過材料2aとしては、ガラス繊維をシート状に成形するのにバインダーを用いてもよく、バインダーとしては例えばアクリル樹脂が用いられる。
【0039】
被処理液は、第2のピストン14を使用して第2の外筒13中に吸入するとして説明したが、第2の外筒13の入口に直接供給してもよいし、例えばピペット、ディスペンサ、注射器等を用いて間接的に供給してもよい。
【0040】
第1の濾過材ユニット1は中実円筒形状の軸線AX方向に圧迫するのが好ましい。以上の実施の形態では、ピストンで圧迫する場合で説明したが、第1の濾過材ユニット1に対して第2の濾過材ユニット2の反対側(第1の外筒3の入口3a側)に重ねて、第1の濾過材ユニット1よりも目の詰まった濾過材を置いて(ごく薄くてもよく、特に第1の濾過材ユニット1よりもはるかに薄くするのが好ましい)、その濾過材の側から気体で圧力をかけるか、第2の濾過材ユニット2側(第1の外筒3の排出口3b側)から負圧で吸引するようにしてもよい。このようにすると、目の詰まった濾過材では、流れの圧力損失が大きいので、この濾過材によって第1の濾過材ユニット1が圧迫される。
【0041】
以上のように、本発明の実施例によれば、例えば遠心分離法よりも簡便でありながら、濾過速度が十分に速く、目詰まりも起こさない分離を行うことができた。また、全血試料が血球を含んだまま排出口にバイパスすることもなかった。
【0042】
本発明の実施の形態によれば、第1の外筒3に被濾過液を供給する第2の外筒13を、ピストン材4を押し込むピストンロッドとして利用できるので、別途ピストン材4用のピストンロッドを備える必要がなく、医療廃棄物を低減することができる。
【0043】
以上の実施例は、全血から血球を分離し血漿を得る場合であったが、全血から血球の他に血小板も分離除去して、あるいは血漿から血小板をも分離除去して、血清を得るのに本発明を応用することもできる。その場合は、第1の濾過材ユニット1と第2の濾過材ユニットとして、血小板をも分離するのに適したさらに密な濾過材料を用いればよい。
【0044】
本発明の分離装置は、使用前は、典型的には、第1の外筒3の中に第2の濾過材ユニット2と第1の濾過材ユニット1とピストン材4を収納し、それに第2の外筒13に第2のピストン14を収納したものを添えて出荷等の取扱をするが、、第1の濾過材ユニット1、第2の濾過材ユニット2、第1の外筒3、ピストン材4を、それぞればらばらの部品として取り扱ってもよく、使用に際して組み立てればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、第1の円筒形状の第1の外筒と、第1の底板部内側に収納されたほぼ円柱形状の濾過材料と、第1の外筒の内側にしっくりと収納されたほぼ中央に円形穴を有する円板状のピストン材とを備えるので、ピストン材に形成された円形穴から被濾過液(例えば全血)を、殆ど外気に接触させることなく、さらに容器から外部に漏れることなく第1の外筒内に供給し、濾過することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の血液分離装置の主要部を示す側面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態であるピストン材の側面断面図と斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態である第2の外筒の側面断面図である。
【図4】第1の濾過材ユニット組立詳細図である。
【図5】第2の濾過材ユニットの単位濾過材ユニットの側面図と斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の血液分離装置で血液を分離している状態を示す側面断面図である。
【図7】従来の血液分離装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 第1の濾過材ユニット
2 第2の濾過材ユニット
3 第1の外筒
4 ピストン材
4’ 第1のピストン
13 第2の外筒
14 第2のピストン
A 全血
B 血漿
Claims (4)
- 一端が開放され、外部につながる第1の穴を有する第1の底板部で他端が閉鎖された第1の円筒形状の第1の外筒と;
前記第1の外筒の前記第1の底板部内側に収納されたほぼ円柱形状の濾過材料と;
前記第1の外筒の一端で該第1の外筒の内側にしっくりと収納されたほぼ中央に円形穴を有する円板状のピストン材と;
前記ピストン材を伴って前記第1の外筒中に、前記円筒形状軸線方向に押し込まれ、前記第1の外筒中の被濾過液を前記第1の穴から押出す第1のピストンとして作用する第2の外筒とを備える;
分離装置。 - 前記第2の外筒は、一端が開放され、他端が外部につながる第2の穴を有する第2の底板部で閉鎖された第2の円筒形状であって、前記第2の底板部は前記第2の円筒形状の軸線方向に突出した、外周が前記第2の円筒形状の外径よりも小さい第3の円筒形状の突起部を有し、前記第2の穴は前記第3の円筒形状の中空部につながっており、前記第3の円筒形状の外径は前記ピストン材の円形穴の直径にほぼ等しく、前記第2の外筒の外径は前記第1の外筒の内径より小さい;
請求項1に記載の分離装置。 - 前記濾過材料は、シート状濾過材料をほぼ同心円状に積層した、ほぼ円柱形状の第1の濾過材ユニットを含んで構成されている、請求項1または請求項2に記載の分離装置。
- 前記第1の外筒中に、前記第1の円筒形状の軸線方向に前記第1の濾過材ユニットと重ねて収容された第2の濾過材ユニットを備える、請求項3に記載の分離装置。
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