JP2007037739A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発射ハンドルの操作性の向上を従来に比して大幅に向上させ、しかも該発射ハンドルの構造を簡素化させて低コスト化できるように構成した遊技機を提供する。
【解決手段】 パチンコ機1において、前扉7の表面と所定の間隔をあけると共に、前扉7の表面に沿うようにレール部材80を配設し、発射ハンドル81を上記レール部材80にハンドル支持機構を介して摺動自在及び揺動自在に支持させるように構成する。これにより、遊技者が、自身の体格やそのときの疲労度等に合わせて発射ハンドル81の位置を自由に移動させることができるようになる。
【選択図】 図1
【解決手段】 パチンコ機1において、前扉7の表面と所定の間隔をあけると共に、前扉7の表面に沿うようにレール部材80を配設し、発射ハンドル81を上記レール部材80にハンドル支持機構を介して摺動自在及び揺動自在に支持させるように構成する。これにより、遊技者が、自身の体格やそのときの疲労度等に合わせて発射ハンドル81の位置を自由に移動させることができるようになる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、詳しくは遊技球発射ハンドルの操作性を向上させ得るようにした遊技機に関する。
一般に、遊技機、例えばパチンコ機として、球受け皿に滞留している遊技球が、発射ハンドルの操作に応じて遊技盤の遊技領域に打ち出された後、遊技領域の障害釘や風車等に導かれつつ盤面を流下して、各種入賞口に入球し、或いは入球せずに遊技領域下部のアウト口に流入するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、上述したようなパチンコ機の中には、右利き及び左利きの人がそれぞれに円滑にハンドル操作を行い、遊技進行できるようにしたものが提案されている。例えば、パチンコ機の前面下部に、左右両端側に略同じく接近する横長のガイド溝を形成し、このガイド溝に打出しハンドルを移動自在に嵌装して構成することにより、右利きの人は打出しハンドルを着座した際の右手に近いガイド溝の右端側に移動させ、左利きの人は打出しハンドルを着座した際の左手に近いガイド溝の左端側に移動させてそれぞれ遊技を行うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、上記特許文献2に記載されるようなパチンコ機においては、打出しハンドルを一般的なパチンコ機と逆側の左側下方に移動させることができるようになり、これまで左利きの遊技者に課せられていた、従来の右利き用の打出しハンドルを操作する際の負担や不便さ等は軽減されるものとなっている。
しかしながら、上記特許文献2に記載されたパチンコ機のように打出しハンドルが左右に移動できるものであったとしても、一般的なパチンコ機における幅や高さ等の規格は機種毎で全て一律であるため、標準より上背のある遊技者や小柄な遊技者等にとっては、必ずしも快適な位置で操作できるとは限らなかった。また、標準的な体格の遊技者であったとしても、パチンコ機における遊技を長時間に亘って行うと、同じ姿勢を継続することによる疲労が蓄積し、特に遊技球を打出す際に操作する操作ハンドルを把持している手や腕の疲労感は大きなものとなっていた。
また、上記特許文献2に記載されるようなパチンコ機では、打出しハンドルを左右方向に移動させる際にパチンコ機内部に設けた回転ベルトを正逆回転させることで移動させる構造となっているので、打出しハンドルの駆動構造が複雑化し、部品点数が増大することによるコスト高を招来する虞があった。
そこで本発明では、打出しハンドル(即ち、遊技球発射ハンドル)の操作性を従来に比して大幅に向上させ、しかも該発射ハンドルの構造を簡素化させて低コスト化できるように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図7、及び図9参照)、枠体状の筐体(6)と、該筐体(6)に開閉自在に支持される前扉(7)と、該前扉(7)に配置された遊技球発射ハンドル(81)と、を備え、前記前扉(7)に支持される遊技盤(3)の遊技領域(3a)に遊技球(Ba)を打ち出して遊技してなる遊技機(1)において、
前記前扉(7)の表面に沿うように、かつ該表面から所定の間隔をあけた状態で配設される軌条部材(80,85)と、
前記遊技球発射ハンドル(81)を前記軌条部材(80,85)に沿って摺動するように、かつ前記軌条部材(80,85)を軸として揺動するように支持させるハンドル支持装置(82)と、を備えてなる、
ことを特徴とする遊技機(1)にある。
前記前扉(7)の表面に沿うように、かつ該表面から所定の間隔をあけた状態で配設される軌条部材(80,85)と、
前記遊技球発射ハンドル(81)を前記軌条部材(80,85)に沿って摺動するように、かつ前記軌条部材(80,85)を軸として揺動するように支持させるハンドル支持装置(82)と、を備えてなる、
ことを特徴とする遊技機(1)にある。
なお、本発明における上記「所定の間隔」は、設計や装飾性等といった要因によって任意に決定されるものとし、遊技機における操作性の低下を招かない程度の寸法(値)であればよく、その値は特に制限されるものではない。また、上記軌条部材は、「所定の間隔」をあけた状態で前扉に沿って配設されるとするが、軌条部材の全体に亘って等しく「所定の間隔」とならなくとも、おおよそ同等の間隔で配設されればよいものとする。
なお、本発明に係る遊技機は、少なくとも、始動入賞口への入賞を契機とした大当たり抽選に当選した際に、通常は閉塞しているアタッカーを開放させ、所定時間が経過した時機又は所定個数の遊技球がアタッカーに入賞した時機で閉塞させる動作を所定ラウンド数だけ繰り返し行う構成の所謂第1種特別電動役物と、遊技領域に始動入賞口と該始動入賞口への入賞に基づいて開閉する特定領域を含んだ特別入賞装置とを有し、該特別入賞装置の開放中に遊技球が入球し、更に当該遊技球が特定領域に入賞した時機で大当たりを発生させる構成の所謂第2種特別電動役物と、遊技領域に備えた所謂オープンチャッカーへの入賞時に開放した電動式チューリップへの入球後の特定入賞口への入賞にて大当たりの権利を発生させる構成の所謂第3種特別電動役物とに適用可能である。
請求項2に係る本発明は(例えば図2ないし図5参照)、前記ハンドル支持装置(82)が、押圧操作されたときに前記遊技球発射ハンドル(81)の前記軌条部材(80,85)に対する摺動を許容し、かつ押圧解除されたときに前記遊技球発射ハンドル(81)の前記軌条部材(80,85)に対する摺動を阻止して該ハンドル(81)を前記軌条部材(80,85)に位置決め固定するハンドル位置調整機構(90)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機(1)にある。
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図1及び図3参照)、前記軌条部材(80)が、左右幅方向両端(例えば図1における前壁部53,54)にて前記前扉(7)に固定され、かつ該両端から所定長さ斜め方向に向けて傾斜し、これら傾斜部(80a)の間を略々水平に延びてなる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機(1)にある。
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機(1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図9参照)、前記軌条部材(85)を、前記前扉(7)の上下高さ方向に移動可能に支持する上下移動支持装置(88)を備え、
前記上下移動支持装置(88)は、前記前扉(7)の上下高さ方向での前記軌条部材(85)の位置を複数段(例えば図9におけるガイド溝86の上段部86a、中央段部86b、下段部86c)に調節、固定する軌条部材高さ調節機構(89)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機(1)にある。
前記上下移動支持装置(88)は、前記前扉(7)の上下高さ方向での前記軌条部材(85)の位置を複数段(例えば図9におけるガイド溝86の上段部86a、中央段部86b、下段部86c)に調節、固定する軌条部材高さ調節機構(89)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、遊技機の前扉表面に所定の間隔をあけて沿うように軌条部材を配設し、遊技球発射ハンドルを上記軌条部材にハンドル支持装置を介して摺動及び揺動自在に支持させてなるので、遊技球発射ハンドルを前扉に配設した軌条部材に沿って任意の位置に移動させると共に、該軌条部材を軸として任意の角度に位置決め調整することが可能になる。これによって、遊技者は、自身の体格やそのときの疲労度等に合わせて遊技球発射ハンドルの位置を自由に移動させ、好みの位置にして遊技することができる。また、遊技球発射ハンドルの位置や角度の変更調整を、軌条部材及びハンドル支持装置といった簡易な装置によって実現できるので、遊技機全体の構造が複雑化するのを抑えると共に、製造コストの上昇をも抑えることができる。
請求項2に係る本発明によると、ハンドル支持装置が、押圧操作されたときに遊技球発射ハンドルの軌条部材に対する摺動を許容し、かつ押圧解除されたときに遊技球発射ハンドルの軌条部材に対する摺動を阻止して該ハンドルを軌条部材に位置決め固定するハンドル位置調整機構を備えてなるので、軌条部材に沿った遊技球発射ハンドルの位置変更を簡便な操作で行うことができると共に、遊技球発射ハンドルを軌条部材に堅固に固定させることができる。これにより、遊技球発射ハンドルを軌条部材上で移動させる際の操作性が向上するだけでなく、遊技中に遊技球発射ハンドルが緩むことで遊技が中断したりすることを確実に回避することができる。
請求項3に係る本発明によると、軌条部材が、左右幅方向両端にて前扉に固定され、かつ該両端から所定長さ斜め方向に向けて傾斜し、これら傾斜部の間を略々水平に延びてなるので、遊技球発射ハンドルを前扉の左右両端近くで上下に移動させることができると共に、前扉の左右両端の間をも移動自在とさせることができる。これにより、遊技者は、遊技球発射ハンドルを、遊技者にとって都合の良い自由な位置に位置決めすることができ、更には、左利きの遊技者が遊技し易いと感じる、左手の正面位置に遊技球発射ハンドルを移動させることができる。
請求項4に係る本発明によると、軌条部材を、前扉の上下高さ方向に移動可能に支持する上下移動支持装置を備え、上下移動支持装置が、前扉の上下高さ方向での軌条部材の位置を複数段に調節、固定する軌条部材高さ調節機構を備えてなるので、前扉表面の全域で遊技球発射ハンドルの上下高さ位置を移動し、設定することができる。これにより、遊技者が長時間に亘って遊技を継続する場合であっても、同じ姿勢をとり続けることによって蓄積される疲労を軽減させるべく、遊技者にとってより良い姿勢となるような遊技球発射ハンドルの位置の選択及び位置決めをすることができる。
以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物を使用したパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物等を使用したパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
図1は、本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。本パチンコ機1は、同図に示すように、発射ハンドル(遊技球発射ハンドル)81の操作による発射装置72(図7参照)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。
上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤3を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が、前扉7の遊技盤保持枠(図示せず)に対して開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右には、スピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。そして、前扉7の上部における放音装置12の間には、演出用照明装置8が配設されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、発射装置72によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には上皿16が設けられており、上皿16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、上皿16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。上皿16の前壁左部には、該上皿16上の遊技球を不図示の球排出口を通して、上皿16下方の下皿18に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されている。この下皿18には、下皿18上の遊技球を下皿18の底部に位置する不図示の排出口を通して下方に排出する第2球抜きボタン20bが配設されている。なお、上述のように、本実施形態の前扉7には、ガラス枠10、上皿16、下皿18及びその周辺、不図示の遊技盤保持枠等が含まれている。
また、前扉7における上皿16と下皿18との間で、上皿16の下部左方の前壁部53から下部右方の前壁部54に亘っては、レール部材(軌条部材)80が延在するように配設されている。このレール部材80には、ハンドル支持機構(ハンドル支持装置)82(図2参照)を介して、発射ハンドル81が摺動と位置決め固定を選択可能に支持されている。そして、下皿18の左方には、灰皿21が配設されている。
また、遊技領域3aの中央部分には、遊技球ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の左右下方には、それぞれ大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の直下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド70(図7参照)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方に風車31が配設されており、遊技球ステージSの下方における始動チャッカー27の左側に、普通図柄作動ゲート(スルーゲート)32が配設されている。この普通図柄作動ゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおける普通図柄作動ゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、遊技盤3側に固定された図柄表示装置35を露出する開口36を中央部に、ワープ導入口37を左上部に、該ワープ導入口37に連通する放出口4を左下部に、遊技球ステージSを開口36の下側に、球放出口49を該ステージSの中央下部にそれぞれ有している。また、ワープ導入口37の対向位置には、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は該ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
次に、本発明の特徴であるレール部材80、発射ハンドル81、及びハンドル支持機構82について、図2ないし図5を参照して詳細に説明する。図2はレール部材と発射ハンドルとハンドル支持機構とを近接した状態で示す斜視図、図3はレール部材、発射ハンドル、及びハンドル支持機構の全体構造を示す斜視図、図4はレール部材、発射ハンドル、及びハンドル支持機構の概略側面図、図5はハンドル支持部の概略断面図である。
すなわち、レール部材80は、図3に示すように、略々棒形状を呈しており、その中間直線状部分の両端から各端部に向かっては、所定長さ(例えば20〜30cm)斜め方向に向けて傾斜(例えば中間直線状部分に対してそれぞれ略々直角)する傾斜部80a,80aを有することで両者とも同一方向に屈曲している。そして、レール部材80は、上記中間直線状部分が水平にされ、その左右端部が遊技領域3aに向かうように上方側に屈曲して前扉7上の前壁部53,54にてそれぞれ固定支持されている。これにより、レール部材80全体は、前扉7の表面に沿うように、かつ表面から所定の間隔(例えば3〜4cm程度の間隔)をあけた状態で配設されることとなる。
発射ハンドル81は、図2に示すように、ハンドル支持部82aと、該ハンドル支持部82aの上部に配置されて締着機構90の締着の度合を操作するプッシュボタン82bと、上記ハンドル支持部82aに固着された固定部81cと、固定部81cに対する所定角度範囲内での回転を可能に支持された発射操作部81aと、発射操作部81aの前面側にほぼ半球形状に形成されたハンドルカバー81bと、ハンドル支持機構82とを備えている。発射操作部81aは、遊技者が指を掛けて回転操作を行う際の指保持部であり金属材料にて形成され、タッチセンサ等を有する接触検出手段75(図7参照)に接続されることによって、人体の接触、つまり、遊技者の手や指等の接触状態を検出する。
上記ハンドル支持機構82は、ハンドル支持部82aの内部に、レール部材80との接触点でありレール部材80を締着して位置決め固定する図5に示す締着機構(ハンドル位置調整機構)90を有している。が配設されている。
そして、発射ハンドル81が操作された際のハンドル操作角度の信号や、上記タッチセンサ等から発生する遊技者の接触状態の信号等は、図2に示すハーネス83によって後述する遊技制御装置54へ送信される。このハーネス83は、ハンドル支持部82aの背面側(図1の奥側)から、前扉7上であってレール部材80の直後方(図1の奥側)に重なるように設けられた長穴部84を介してパチンコ機1の内部へと引き回しされる。
上記締着機構90は、図5に示すように、レール部材80の外周面を囲繞する締着部材91と、該締着部材91を更に外側から囲繞すると共にレール部材80側に向かって締め付け力を加える薄板金属製の締付部材92と、該締付部材92の一側を固着させる終端固定部93と、締付部材92をよりレール部材80に近接した位置に保持する従動プーリ94と、プッシュボタン82bを矢印D2の向きに付勢する圧縮ばね95とを備えている。
また、締着部材91は、レール部材80の円周方向にて互いの間に所定の間隔を有する形で複数に分割された所謂ブレーキシュー状の部材からなり、図5における紙面奥側又は手前側がハンドル支持部82aの内面に、レール部材80に対する軸方向移動を規制された形で連結支持(以下、連結部分と言う)されている。この締着部材91は、圧縮ばね95の付勢力を受けた締付部材92によって外周側から締め付け力が付与されたとき、締着部材91それぞれの間隔を狭めてレール部材80を堅固に締め付け、その際の摩擦力にて、レール部材80を強く保持すると同時に、互いの間隔を狭めた複数の締着部材91の端部にてハンドル支持部82a内面の上記連結部分を強く保持する。これにより、レール部材80と、締着部材91が支持されるハンドル支持部82aとの相対移動(摺動及び揺動を含む)が阻止されて、発射ハンドル81がレール部材80に堅固に位置決め固定される。
すなわち、締着機構90は、通常時において、圧縮バネ95の矢印D2方向の付勢力によりプッシュボタン82bを付勢して締付部材92を引っ張り、締着部材91を押圧することでレール部材80を締め付けて、ハンドル支持機構82をレール部材80に締着させる。なお、レール部材80の外周側の面にシボ加工を施し(細かな多数の突起やギザギザ模様を施してもよい)、両面間の摩擦力をより大きくすることによって、ハンドル支持機構82をレール部材80に締着させる際の安定性を向上させるようにしてよいことは勿論である。そして、プッシュボタン82bが押下された際(すなわち、プッシュボタン82bが矢印D1の向きに移動した際)には、締付部材92への張力が弱められ、レール部材80に対する締着力が弱まり、ハンドル支持機構82及びこれに固着された発射ハンドル81はレール部材80の長手方向(図3における矢印A,Bの方向)へ摺動自在となる。
そして、上述したように、プッシュボタン82bが押下された際には、レール部材80を軸とした図4の矢印Cに示す方向へも揺動させることができるようになる。このように、レール部材80の長手方向への摺動が自在となり、かつレール部材80を軸とした揺動(回動)が自在となることによって、一般的なパチンコ機における発射ハンドルに比して、本実施の形態における発射ハンドル81の位置及び向きの自由度は格段に増すこととなる。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図6を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図6に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、サブ基板(サブ制御基板)38、主基板(主制御基板)40、及び払出し制御基板61がこの順に配置されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板62が取り付けられており、この外部端子板62の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板63がこの順に配置されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図7に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、遊技制御装置54と、該遊技制御装置54に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置8,11、図柄表示装置35、発射装置72、及び発射ハンドル81と、を備えている。
遊技制御装置54は、図6に示した主基板40やサブ基板38等から構成されている。主基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、サブ基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置54は、入賞判定手段55、入賞信号出力手段56、抽選手段57、遊技制御手段59、保留手段60、作動制御手段61、作動判定手段62、作動決定手段63、演出制御手段64、表示制御手段65、及び発射制御手段66を備えている。
入賞判定手段55は、発射ハンドル81の操作で作動する発射装置72によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段56は、入賞判定手段55によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段57は、入賞信号出力手段56からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
そして、抽選手段57は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が図柄表示装置35の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
遊技制御手段59は、放音装置12、演出用照明装置8,11に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を、演出制御手段64に送る。また、遊技制御手段59は、予め設定された演出データや、抽選手段57での抽選結果に応じて、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送る。
保留手段60は、抽選手段57から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置(図示せず)に、最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段60は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段60は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー27を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段61は、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送って該ソレノイド71を作動させ、抽選手段57での抽選による大当たり発生時にアタッカー5を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段62は、始動チャッカー開閉ソレノイド70及びアタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー27の開閉の「条件を満たす」時とは、抽選手段57の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー5の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段63は、作動判定手段62からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始を夫々に決定する。
演出制御手段64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。表示制御手段65は、遊技制御手段59からの信号に従って、図柄表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
発射制御手段66は、発射ハンドル81が操作され、接触検出手段75が遊技者の手等による接触を検出した状態において、回転角検出手段74により検出されたハンドル操作角度の信号を受信したとき、該信号に対応して発射装置72を作動させ、不図示のハンマーの動作で遊技球を遊技領域3aに向けて順次打ち出させる。
また、始動チャッカー開閉ソレノイド70は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー27を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド71は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー5を開閉動作させる。
放音装置12は、演出制御手段64の制御に従ってスピーカー(図示せず)を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置8,11は、演出制御手段64の制御に従ってその内蔵する不図示の電飾ランプやLED等を発光駆動(点灯、点滅)させ、演出に応じた照明を行う。図柄表示装置35は、表示制御手段65の制御に従って作動し、演出データや抽選手段57での抽選結果に応じた演出表示を行う。
発射装置72は、発射制御手段66からの発射制御信号に応答して不図示のハンマーを作動させ、遊技球を順次遊技領域3aに打ち出す。
また、発射ハンドル81は、回転角検出手段74、及び接触検出手段75を備えている。
回転角検出手段74は、回転方向の機械的変位量をデジタル量に変換して検出信号として出力するロータリ・エンコーダや、デジタル量又はアナログ量に変換して検出信号として出力するポテンショメータ等からなるものであり、発射ハンドル81の固定部81cに対して回動する発射操作部81aの時計回り方向(図1の矢印R方向)での回転角度を検出し、その検出信号を発射制御手段66に送信する。
接触検出手段75は、発射ハンドル81の発射操作部81aに遊技者の手や指等が接触したことを検出し、その検出信号を発射制御手段66に送信する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図8のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル81を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、接触検出手段75による検出信号を受信した発射制御手段66が、回転角検出手段74からの発射操作部81aの回転角の検出信号に基づいて発射装置72を制御し、それにより、該発射装置72の作動で遊技球を所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射させる。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
つまり、遊技領域3aに向けて打ち出された多数の遊技球Baは、その一部がワープ導入口37から導入されて放出口4から遊技球ステージS上に放出され、その一部が球放出口49から放出されて始動チャッカー27に向け落下し、この始動チャッカー27に高確率で入賞する。この際、障害釘30への当接状況によっては、始動チャッカー27に入賞できないこともある。一方、球放出口49からではなく遊技球ステージSから直接に落下する遊技球Baは、始動チャッカー27と異なる方向に向かう。この際、当該遊技球Baは、落下方向が、始動チャッカー27上の一対の障害釘30の間を通過して入球し得る方向と異なっても、障害釘30の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘(図示せず)や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘30に絡んでその間を落下して始動チャッカー27に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー27や入賞口25,26の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段55が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段56が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段60は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段59を介して表示制御手段65に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、ステップS3にて、大当たり抽選で当選した場合には、抽選手段57が当たりフラグをオンすると、抽選手段57が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
一方、ステップS3にて、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段59が、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送信することに基づき、表示制御手段65は、図柄表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、図柄表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から上皿16に払い出されることとなる(ステップS6)。
ところで、パチンコ機1における上記したような遊技を、例えば、長身の遊技者が着座して行う際には、遊技球の打出しを行う発射ハンドル81が通常の位置(一般的なパチンコ機における発射ハンドルの位置)では低く感じてしまう場合がある。このような場合には、ハンドル支持機構82上部に位置するプッシュボタン82bを押圧操作することで締着機構90における締着の度合を弱め、右方の傾斜部80aに沿って発射ハンドル81を上方(例えば、図3に示す矢印Bの上向き方向)に摺動させる。そして、適度な位置まで摺動させると、プッシュボタン82bを押圧解除し、発射ハンドル81を再びレール部材80に締着させて遊技を行うことができる。これにより、仮に遊技者が長身であった場合には、自身の体格に適した高い位置に発射ハンドル81を移動させ、遊技を行うことができるようになる。
また、例えば、小柄な遊技者が遊技を行う際には、上記と同様、プッシュボタン82bを押圧操作した状態のまま発射ハンドル81を傾斜部80aに沿って下方(例えば、図3の矢印Bの下向き方向)に摺動させ、更にそのまま中間直線状部分へと水平(例えば、図3の矢印Aの左向き方向)に摺動させる。そして、適度な位置でプッシュボタン82bを押圧解除し、発射ハンドル81を再びレール部材80に締着させて遊技を行うことができる。これにより、仮に遊技者が小柄であった場合には、自身の体格に適した低めの位置に発射ハンドル81を移動させ、遊技を行うことができるようになる。
また、パチンコ機1における遊技を長時間(例えば2〜5時間)に亘って行うような際には、発射ハンドル81を締着させる位置を、前術した例のようにレール部材80に沿って適宜移動させると共に、発射ハンドル81の角度をレール部材80を軸として適度に揺動させ、変位させることができる。これにより、遊技者は、その時点での疲労の具合に応じて発射ハンドル81の位置や角度をレール部材80に沿って自在に変更することができるようになる。
更に、遊技者が左利きの場合にあっては、一般的なパチンコ機における発射ハンドルとは逆側の位置(図1の向かって左側)に、発射ハンドル81をレール部材80に沿って摺動させ、そのまま締着させて遊技を行うことができる。これにより、遊技者が左利きの場合であっても、利き腕の正面で発射ハンドル81を操作しながら遊技を行うことができるようになる。
次いで、レール部材80の変形例を、図9を参照して説明する。図9は当該変形例におけるレール部材を示す斜視図である。なお、本変形例に係るパチンコ機1において、図1ないし図5と同一の符号は、同一又は相当部分を示し、その説明を省略する。
すなわち、レール部材(軌条部材)85は、図9に示すように、放物線を描くような略々U字形状を呈していて、後述のガイド溝86及び回転軸87を含むレール部材高さ調節機構(軌条部材高さ調節機構)89を備えた上下移動支持装置88により、前扉7の上下高さ方向に移動可能に支持されている。レール部材85は、不図示のバネ等の付勢手段による適度の力で図9の右方向に付勢されている。
つまり、レール部材85の左右は、前扉7の前壁部53,54にそれぞれ開口された縦長の穴部であって、かつその上段部、中央段部、下段部の一側に略円形状の穴部86a,86b,86cが形成された上記ガイド溝86へと挿入されている。このガイド溝86から挿入されているレール部材85の左右端部には、前扉7の背面にて水平方向に延在して配設されている回転軸87,87(図9において前扉7の背面に位置するものは破線で示されている)がそれぞれ軸支されており、レール部材85は該回転軸87,87を軸として上下高さ方向へ揺動されることとなる。
ここで、図9に示す発射ハンドル81は、上記したガイド溝86の中央部の穴部(中央段部)86bに掛けられたレール部材85に締着され、その締着された位置はレール部材85の右方となっているため、一般的なパチンコ機に固着されている発射ハンドルと略々同様の位置に配設されていることとなる。
そして、例えば、この発射ハンドル81を上下高さ方向で位置を変えるには、レール部材85を、上記付勢手段の付勢力に抗して矢印E1の向きにずらし、そのままガイド溝86の左内壁面に沿って矢印F1の向きに持ち上げる。次に、レール部材85を上記付勢力に準じて矢印E2の向きにずらしてガイド溝86の上部の穴部(上段部)86aに掛けると、発射ハンドル81の位置を上方に移動させて位置決め固定することができる。また、逆に、ガイド溝86の穴部(中央段部86b)に掛けられているレール部材85を、矢印E1の向きにずらし、そのままガイド溝86に沿って矢印F2の向きに下ろす。そして、レール部材85を矢印E2の向きにずらしてガイド溝86の下部の穴部(下段部)86cに掛けると、発射ハンドル81の位置を下方に移動させて位置決め固定することができる。このように、レール部材85の高さ方向の位置は、ガイド溝86の上部、中央部、下部に設けられた各穴部86a,86b,86cを用いることによって3段階に調節することができるようになる。
なお、上記変形例においては、高さが3段階に調節できるとして説明を行ったが、これについては特に制限されるものではなく、段数をいくつに設定してもよいものとする。また、発射ハンドル81は、上記したような上下高さ方向の位置の移動に加え、レール部材85を軸として揺動させることによってきめ細かく位置及び角度の変更ができることは勿論である。
また、本変形例における上下移動支持装置88の構成を、先に説明した実施の形態に適用してもよいことは勿論である。
以上説明した本実施の形態におけるパチンコ機1では、前扉7の表面に所定の間隔(例えば4cm程度)をあけて沿うようにレール部材80を配設し、発射ハンドル81を上記レール部材80にハンドル支持機構82を介して摺動及び揺動自在に支持させてなるので、発射ハンドル81を前扉7に配設したレール部材80に沿って任意の位置に移動させると共に、該レール部材80を軸として任意の角度に位置決めすることが可能になる。これによって、遊技者は、自身の体格やそのときの疲労度等に合わせ、発射ハンドル81をレール部材80上の自由な位置に移動させることができるようになる。また、発射ハンドル81の設置位置や角度の変更を、レール部材80及びハンドル支持機構82といった簡易な装置によって実現できるので、パチンコ機1全体の構造が複雑化するのを抑えると共に、製造コストの上昇をも抑えることができるようになる。なお、上述した点については、図9に示したレール部材85を用いたパチンコ機1においても同様の効果が奏される。
また、ハンドル支持機構82が、プッシュボタン82bを押圧操作されたときに発射ハンドル81のレール部材80に対する摺動を許容し、かつプッシュボタン82bを押圧解除されたときに発射ハンドル81のレール部材80に対する摺動を阻止して該発射ハンドル81をレール部材80に位置決め固定するハンドル支持部82aを備えてなるので、レール部材80に沿った発射ハンドル81の位置変更を簡便な操作で行うことができると共に、発射ハンドル81をレール部材80に堅固に固定することができるようになる。これにより、発射ハンドル81をレール部材80上で移動させる際の操作性が向上するだけでなく、遊技中に発射ハンドル81が緩むことで遊技が中断したりする不都合の発生を確実に回避することができる。なお、上述した点については、図9に示したレール部材85を用いたパチンコ機1においても同様の効果が奏される。
また、レール部材80が、左右幅方向両端の前壁部53,54に固定され、かつ該両端から所定長さ(例えば20〜30cm)斜め方向に向けて傾斜(略々直角)し、これら傾斜部の間を略々水平に延びてなるので、発射ハンドル81を前扉7の左右両端近くで上下に移動させることができると共に、前扉7の左右両端の間でも移動自在とすることができるようになる。これにより、遊技者は、発射ハンドル81を、遊技者にとって都合の良い自由な位置に決定することができるようになり、更には、発射ハンドル81を前扉7の左側に移動させることで、左利きの遊技者が遊技し易いと感じられる位置に発射ハンドル81を移動させることができるようになる。
また、レール部材85を、前扉7の上下高さ方向に移動可能に支持する上下移動支持装置88を備え、該上下移動支持装置88が、前扉7の上下高さ方向でのレール部材85の位置を複数段に調節、固定するレール部材高さ調節機構89を備えてなるので、前扉7表面の全域で発射ハンドル81の上下高さ位置を移動し、設定することができるようになる。これにより、遊技者が長時間に亘って遊技を継続する場合であっても、同じ姿勢をとり続けることにより蓄積される疲労を軽減するべく、遊技者にとってより良い姿勢となるような発射ハンドル81の位置の選択及び設定をすることができるようになる。なお、これらの作用効果は、先の実施形態におけるレール部材80に関しても同様に得ることが可能である。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
1:遊技機(パチンコ機)
3:遊技盤
3a:遊技領域
6:筐体
7:前扉
80:軌条部材(レール部材)
80a:傾斜部
81:遊技球発射ハンドル(発射ハンドル)
82:ハンドル支持装置(ハンドル支持機構)
85:軌条部材(レール部材)
89:軌条部材高さ調節機構(レール部材高さ調節機構)
88:上下移動支持装置
90:ハンドル位置調整機構(締着機構)
Ba:遊技球
3:遊技盤
3a:遊技領域
6:筐体
7:前扉
80:軌条部材(レール部材)
80a:傾斜部
81:遊技球発射ハンドル(発射ハンドル)
82:ハンドル支持装置(ハンドル支持機構)
85:軌条部材(レール部材)
89:軌条部材高さ調節機構(レール部材高さ調節機構)
88:上下移動支持装置
90:ハンドル位置調整機構(締着機構)
Ba:遊技球
Claims (4)
- 枠体状の筐体と、該筐体に開閉自在に支持される前扉と、該前扉に配置された遊技球発射ハンドルと、を備え、前記前扉に支持される遊技盤の遊技領域に遊技球を打ち出して遊技してなる遊技機において、
前記前扉の表面に沿うように、かつ該表面から所定の間隔をあけた状態で配設される軌条部材と、
前記遊技球発射ハンドルを前記軌条部材に沿って摺動するように、かつ前記軌条部材を軸として揺動するように支持させるハンドル支持装置と、を備えてなる、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記ハンドル支持装置は、押圧操作されたときに前記遊技球発射ハンドルの前記軌条部材に対する摺動を許容し、かつ押圧解除されたときに前記遊技球発射ハンドルの前記軌条部材に対する摺動を阻止して該ハンドルを前記軌条部材に位置決め固定するハンドル位置調整機構を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記軌条部材は、左右幅方向両端にて前記前扉に固定され、かつ該両端から所定長さ斜め方向に向けて傾斜し、これら傾斜部の間を略々水平に延びてなる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記軌条部材を、前記前扉の上下高さ方向に移動可能に支持する上下移動支持装置を備え、
前記上下移動支持装置は、前記前扉の上下高さ方向での前記軌条部材の位置を複数段に調節、固定する軌条部材高さ調節機構を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機。
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JP2005224743A JP2007037739A (ja) | 2005-08-02 | 2005-08-02 | 遊技機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016087405A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP7417094B2 (ja) | 2020-04-03 | 2024-01-18 | 株式会社エンターライズ | 遊技機 |
-
2005
- 2005-08-02 JP JP2005224743A patent/JP2007037739A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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