JP2007031865A - 糸状体の非接触式制御装置及び制御方法 - Google Patents

糸状体の非接触式制御装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ベールからの糸状体の開繊幅を安定化しつつ糸状体を走行でき、フライの発生を低減できる制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】 制御装置は、走行する糸状体Sに対して非接触状態で対向する対向壁22を有するボックス20と、このボックスに形成された加圧気体導入口21と、気体を糸状体Sに噴出するためのスリット状噴出口23と、対向壁22の両側部に糸状体Sと非接触状態で形成された側壁25a,25bと、対向壁22に対向する板材24と、前記両側壁からそれぞれスリット状噴出口の方向に延びる延出部(カバー部材)27a,27bを備えており、前記両側壁部、延出部及び前記噴出口からの加圧気体と関連して、前記対向壁の両側部に加圧気体溜部28a,28bが形成されている。糸状体Sは対向壁22と板材24との間の開口部26を非接触状態で走行可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルタプラグなどの巻き上げ工程での糸状体のエア開繊などに有用であり、繊維糸状体(捲縮された繊維糸状体など)の開繊幅を非接触式で制御可能な制御装置及び制御方法に関する。
化学繊維や合成繊維のステープルファイバーや、特定の用途のフィラメントファイバには、糸に膨らみをもたせ、紡績作業を容易にするため、一般に捲縮が付与されている。特に、たばこフィルタに用いられるセルロースアセテート繊維には、捲縮が付与されている。また、捲縮されたフィラメントファイバは、立方体の梱包容器内にベール状に梱包されるとともに、輸送効率の点から、ベールにおいて糸状体の集積物は脱気・圧縮され、強く固着した状態で輸送される。そして、糸状体は、最終製品(例えば、フィルタプラグ)を製造するため、ベールから糸状体を取り出して、開繊され所望の形状を附与される。より詳細には、ベールから取り出された一本の糸状体では、フィラメントの多くが、目視で視認できるほどの塊として固着している。フィラメントが固着し、揃っていると(整合と称される)、その部分にチャンネル(空隙)が生じ、タバコフィルタとして用いると煙がチャンネル部を通過し、生理用品などの綿状態として用いると、液体がチャンネル部を通過する。さらに、捲縮された糸状体のフィラメントでは、糸状体の長さ方向に対して斜め方向に横切って延びるフィラメント(クロスオーバーCROSS-OVERしたフィラメント)が存在する。このクロスオーバーしたフィラメントは、開繊において、糸状体が横方向に広がることを妨げる。そのため、糸状体の嵩を高くして、所定形状に賦形するため、糸状体に適度な張力を作用させた後、フィラメントを弛緩させ、隣接するフィラメントを互いに解きほぐす開繊を行っている。この開繊においては、隣接するフィラメントがお互いに離れ、フィラメント間に空間が確保されている状態にすること、糸状体の幅方向でのフィラメントの分布(存在密度)が均一であること、フィラメントに適度な張力を与えられることが必要である。
捲縮された糸状体の開繊方法として、繊維束を少なくとも2組の金属ロールと硬質ゴムロールからなるロール対の間を通し、下流側のロール対の周速度を上流側のロール対の周速度よりも大きくして、繊維束に張力を作用させて引き伸ばした後、繊維束を弛緩させる方法が知られている。なお、2組のロール対において、上流側のロール対はフィードロール、下流側のロール対はレシオロールと称されている。また、開繊に伴って糸状体を幅方向に拡げるため、少なくとも一方のロール対の金属ロールの表面には螺旋状の凹凸溝を形成する場合がある。
一方、たばこ商品の低タール化が進行するのに伴って、たばこ煙に対する濾過性能が高いたばこフィルタが要望されている。このような要望に答えるため、フィルタ用の素材にも、濾過性能の指標である通気抵抗をより高くできる単繊維繊度の小さな繊維素材が使用されるようになっている。しかし、単繊維繊度が小さくなると、繊維の強度が低下するため、開繊処理によりフィラメント切れ(摩擦によりフィラメントの単繊維の一部より毛羽が生じること)が生じ易くなる。そのため、フィルタプラグ巻上作業において、フィラメント切れにより発生した繊維片「フライ」が、巻上げ機の各部に付着する。そして、糸状体の繊維に対する可塑剤を含むフライが巻き上げ過程で糸状体に混入すると、大きな問題を起こす場合がある。例えば、セルロースアセテート繊維を用いたフィルタプラグ巻上過程では、巻き上げ機の種々の部位(例えば、トリアセチンを代表とする可塑剤を添加する添加ユニット)にフライが付着し、凝集した可塑剤を含むフライが巻き上げに伴って、フィルタプラグ中に混入すると、可塑剤がたばこフィルタの一部を溶解し、メルトホールが生成し、不良品が発生する。なお、可塑剤は、一部の繊維表面を部分的に溶解して繊維相互を接着させる接着点を生じさせ、フィルタプラグの硬度を高めるために添加される。
前記フライは、単繊維繊度が小さいほど、また繊維束の引き延ばし割合、すなわち開繊比が大きくなるほど、より多量に発生する。また、フライは、フィルタプラグ巻上機のロール対、及びプリテンションロールなどのニップ圧力の上昇によっても増加する。さらに、近年の巻き上げ速度の高速化はフライの発生を増大させる。
特開2000−157246号公報(特許文献1)には、少なくとも2組以上のロール対の間で、捲縮を有するフィルター材料を引き伸ばして開繊処理を行い、円棒状に成形するたばこフィルターの製造装置において、前記ロールの少なくとも1つのロール表面に、ロール表面の凹凸溝のピッチと単繊維繊度と総繊度との所定の関係式を満たす凹凸溝を形成することが開示されている。この装置ではフライ総量を減少できる。しかし、メルトホール(溶解)の原因となるフライの削減には余り有効ではない。
特開2000−157246号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、糸状体の開繊工程においてフライの発生を大きく抑制できる制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ベールからの糸状体の開繊幅を安定化しつつ糸状体を走行でき、フライの発生を低減できる制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、糸状体の開繊幅を安定化又は規制するためのガイドを用いることなく、非接触で糸状体を安定に走行できる制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、単繊維繊度が小さい糸状体を高速で巻き上げても、メルトホール(溶解)の原因となるフライの生成量を減少できる制御装置及び制御方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、(1)開繊前後での糸状体の幅を安定化させるために配設されていたガイドが糸状体と接触して、フライの発生要因となっていること、(2)ベール内での糸状体同士が様々な態様で固着し、糸状体をベールから繰り出す張力や速度が変動するため、糸状体の幅が変動し、前記ガイドと接触すること、(3)糸状体の開繊幅を非接触式に制御すると、フライの発生を顕著に防止できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の制御装置は、複数のフィラメントで構成された糸状体(又はトウ)の開繊幅を制御するための装置であって、前記開繊した糸状体が走行する走行路の一方の側面に非接触状態で前記糸状体と対向する対向壁と、この対向壁に形成され、かつ糸状体に気体を噴出するための噴出口と、この対向壁の両側部に、前記開繊した糸状体の両側部と非接触状態で形成された側壁と、前記両側壁部及び前記噴出口からの噴出気体と関連して、前記対向壁の両側部に形成された加圧気体溜部とを備えている。この装置は、走行する糸状体(又はトウ)に対して非接触状態で対向する対向壁を有するボックスと、このボックス内に加圧気体を導入するための導入口(又はポート)と、前記ボックスの対向壁に形成され、かつ導入された気体を開繊した糸状体に噴出するためのスリット状噴出口と、前記ボックスのうち糸状体と対面する対向壁の両側部に、前記開繊した糸状体の両側部と非接触状態で形成された側壁と、これらの両側壁からそれぞれスリット状噴出口の側部方向に糸状体と非接触状態で延びる延出部(スリット状噴出口からの噴出気体の漏出を規制するための延出部)と、前記両側壁部、延出部及び前記噴出口からの加圧気体と関連して、前記対向壁の両側部に形成された加圧気体溜部とを備えていてもよい。また、前記両側壁の先端部がスリット状噴出口の両側部方向(内方向又は閉じ方向)に延出し、気体溜部を形成してもよい。前記気体溜部を有効に形成するため、前記両側壁の先端部から延出する延出部(又はカバー部材)は、スリット状噴出口の両側部をカバーしてもよい。
なお、対向壁の側部と側壁と延出部とで断面コ字状又はU字状の内周壁を形成してもよい。対向壁の側部と側壁と延出部とで断面コ字状又はU字状の気体溜部(例えば、コ字状ガイド部)を形成してもよい。なお、気体の滞留性を向上させるため、対向壁に対して対向する板材を配設し、対向壁と板材との間に、糸状体(又はトウ)を非接触状態で走行させてもよい。
スリット状噴出口は、直線状、屈曲状、湾曲状などであってもよく、糸状体の走行方向に対してスリット状噴出口の長手方向の中央部が下流側に位置するV字状又はU字状の形態で形成してもよい。また、糸状体(又はトウ)は、捲縮された繊維糸状体であってもよく、単繊維繊度10dtex以下のフィラメントで構成してもよい。さらに、糸状体はセルロースアセテートで構成してもよい。前記制御装置は、種々の開繊ラインで使用できるが、糸状体に対する可塑剤の添加ユニットの上流側に設けてもよい。
本発明の方法では、複数のフィラメントで構成され、かつ開繊した糸状体(又はトウ)の開繊幅を、糸状体を走行させながら非接触式で制御する。すなわち、走行する開繊した糸状体に対して糸状体の幅方向全体に加圧気体を噴出させ、このスリット状噴出口の両側部で加圧気体を滞留させ、開繊された糸状体の開繊幅を制御する。この方法では、気体の噴出により糸状体を開繊しつつ糸状体の走行位置を制御することもできる。
このような装置及び方法では、スリット状噴出口の両側部で加圧気体(噴出気体)の漏出を抑制しつつ加圧気体の溜部を形成できるので、糸状体の走行位置がずれると、気体溜部に滞留する気体の圧力により、ずれ方向では気体圧が大きくなり反対方向では気体圧が小さくなる。そのため、糸状体の開繊幅(又は走行位置)をガイドするためのガイドピンを用いることなく、糸状体の走行位置及び開繊幅を、非接触式にしかも何らの電気的電子的装置を用いることなく、単に単純な機械的構造により自動的に修正できる。また、開繊糸状体の走行位置が非接触状態で制御できるため、フィラメント切れがなく、フライの生成を顕著に低減できる。さらに、可塑剤を添加する添加ユニットに適用しても、フライの生成がないため、繊維束又はフィルタプラグにメルトホールが殆ど発生しない。
本発明では、糸状体に対して対向する対向壁の両側部に加圧気体溜部を形成するため、糸状体の開繊工程において、糸状体の走行ライン及び糸状体の開繊幅を自動的にコントロールでき、糸状体を安定に走行させることができる。すなわち、糸状体の走行ラインをコントロールできるとともに、気体溜部の気体圧により糸状体の開繊幅を自動的に調整でき、フライの発生を大きく抑制できる。また、糸状体の開繊幅を安定化又は規制するためのガイドを用いることなく、非接触式でありながら、ベールからの糸状体の開繊幅を安定化しつつ糸状体を安定に走行でき、開繊幅のバラツキを小さくできる。そのため、他の治具と非接触状態で開繊できフィラメント切れを抑制でき、フライ・ケバの発生を低減できるだけでなく、フィルタプラグの製造において、可塑剤の添着量を安定化できるとともに通気抵抗のバラツキを減少できる。特に、単繊維繊度が小さい糸状体を高速で巻き上げてもフィラメント切れを抑制できるので、メルトホール(溶解)の生成を有効に防止できる。
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。図1はたばこフィルタプラグの巻き上げ装置を示す概略図である。
なお、本明細書において、「開繊幅」とは、複数の開繊ユニットを利用して開繊する場合、広義には、最初の開繊ユニット(例えば、図示する例では、開繊ユニット10)の上流端から最終の開繊ユニット(例えば、図示する例では、開繊ユニット12)の下流端の間の任意の箇所での糸状体の走行方向に対して直角方向の長さ(幅)を示し、狭義には、最終の開繊ユニットでの糸状体の走行方向に対して直角方向の長さ(幅)を示す。本明細書では、「開繊幅」とは、広義の開繊幅のみならず狭義の開繊幅も含む意味に用いる。
図示する装置において、梱包容器1には、捲縮され、平均単繊度1〜5dtexのフィラメントファイバ(セルロースアセテート繊維)で構成された糸状体(又はトウ)Sが、ベール状の形態で、集積して(すなわち折り畳んで)圧縮して収容されている。前記装置は、梱包容器1からのベール状糸状体Sが掛け渡されたガイドロール2と、このガイドロールに掛け渡された糸状体Sを引っ張るためのフィードロール3と、このローラで引っ張られた糸状体Sを、可塑剤添加ユニット6に供給するためのレシオロール4及びデリバリロール5と、添加ユニット6で可塑剤が添加された糸状体Sをエアージェット8に送るための送りロール7と、エアジェットで吸引された糸状体Sを渦巻き状に巻き取って収束させるためのロート状のトランペットガイド9とを備えている。このトランペットガイド9からの繊維収束体(棒状体又はトウ状繊維束)は、巻き取り紙で巻き取られて糊付けされ、所定長さに切断してフィルタプラグが得られる。なお、開繊に伴って糸状体Sを幅方向に拡げるため、適当なロール対のうち少なくとも一方のロールの表面には螺旋状の凹凸溝を形成してもよい。例えば、レシオロール4及びデリバリロール5のうち少なくとも一方のロール対において、少なくとも一方のロール表面には、ロールの回転に伴って糸状体Sを幅方向に拡げるため、所定ピッチで形成された螺旋状凹凸溝を形成してもよい。
さらに、前記装置は、ガイドロール2の上流側には糸状体Sを開繊するための第1の開繊ユニット10が配設され、フィードロール3、および添加ユニット6の上流側(直前の上流側)には、それぞれ、糸状体Sをさらに開繊するための第2及び第3の開繊ユニット11,12が配設されている。各開繊ユニット10〜12は、二つの板材間を走行する糸状体Sに対して、幅方向に延びる細いスリット(スリット状噴出口)からエアーを吹き付けるためのバンディングジェット(BJ)で構成できる。この吹き付けにより、幅10〜20mm程度の捲縮フィラメントの糸状体Sを幅10〜30cm程度に拡げて開繊できる。特に、第2の開繊ユニットでは、所定幅に開繊され、フィードロール3を通過した糸状体Sには、レシオロール4よりもデリバリロール5の周速が大きいため、レシオロール4とデリバリロール5との間の周速差により、張力が作用し捲縮が開放され開繊される。そして、デリバリロール5を通過した後、糸状体Sに作用する張力は弛緩され、第3の開繊ユニット12に送られ、所定幅で開繊した糸状体Sは、可塑剤を添加するための添加ユニット6で可塑剤が添加される。
このような装置(巻き上げ装置)でフィルタプラグを製造する際、糸状体Sの走行位置の補正、及び開繊幅を制限するため、通常、開繊ユニット10〜12(例えば、第2の開繊ユニット11)の両側部には、所定の開繊幅でトウ状糸状体Sを安定に走行させるためバーが配置されている。しかし、糸状体の走行位置や開繊幅の変動によりこのバーにトウ状糸状体Sの側部が接触するとフィラメント切れが生じ、フライやケバが発生したり、トウ状糸状体Sの端部が二重に折れ曲がって開繊され、フィルタプラグの品質を低下させる。さらに、可塑剤を含むフライの凝集物又は堆積物がフィルタプラグ内に混入すると、メルトホール(溶解)を生成させる。
そして、このような品質不良の原因を検討したところ、特にメルトホール(溶解)の原因となるフライの堆積部位は可塑剤添加ユニット6の部位であり、この添加ユニット6に堆積するフライを減少させるのがメルトホールの生成防止に有効であること、開繊工程での糸状体Sの開繊前後の幅が変動することにより、可塑剤添加ユニット6の部位に堆積するフライが発生すること、ベール内で糸状体S同士が様々な態様で固着し、糸状体Sをベールから繰り出す張力や速度が大きく変動するため、糸状体Sの開繊幅が変動することが判明した。一方、ベール梱包は輸送効率上最も経済的である。そのため、ベール梱包の糸状体Sを用いながら、糸状体Sの開繊幅を安定化させることが必要となる。
そこで、本発明では、非接触式幅制御手段又は走行制御手段を設け、治具と接触させることなく糸状体Sの開繊幅を安定化しつつ糸状体Sを安定に走行させる。すなわち、図2及び図3に示されるように、第2の開繊ユニット11では、開繊した糸状体Sが走行する走行路の一方の側面には、走行する糸状体Sに対して非接触状態で対向する平坦な対向壁22を有するボックス20が配設され、このボックス20には、ボックス20内に加圧気体を導入するための導入口(ポート)21が形成され、前記ボックス20の対向壁22には、導入された加圧気体を開繊した糸状体Sに噴出するため、糸状体Sの開繊方向(幅方向)に延びるスリット状噴出口23が形成されている。このスリット状噴出口23は、糸状体Sの走行方向に対してスリット状噴出口23の長手方向の中央部が下流側に位置するV字状の形態で形成されている。前記対向壁22の噴出口23側(フロント側)には、糸状体Sの走行路を隔てて、対向壁22に対して対向する板材(対向板材)24が配設され、対向壁22と板材(対向板材)24とは、対向壁22の両側部に位置し、前記開繊した糸状体Sの両側部と非接触状態で形成された側壁25a,25bを介して互いに取り付けられている。そのため、対向壁22と板材24と両側壁25a,25bとで、糸状体Sの走行方向の両端が開口した枠体又はボックスが形成され、対向壁22と板材(対向板材)24との間に形成された開口部(糸状体Sの走行空間又は間隙)26を、糸状体Sが非接触状態で走行可能である。
そして、対向壁22と板材(対向板材)24との間に形成された開口部(走行空間)26の両側部、すなわち両側壁25a,25bの上下端部からは、それぞれ、スリット状噴出口23からの噴出気体の漏出を規制するため、糸状体Sと非接触状態で、それぞれスリット状噴出口23の側部又は端部方向(内方向又は閉じ方向)に延出部(又は両端閉塞カバー部、カバー壁)27a,27bが延出している。特に、スリット状噴出口23の側部又は端部方向に向かって延びる延出部(又は閉塞カバー部)27a,27bは、スリット状噴出口23の両側部をカバーしている。そのため、前記延出部27a,27bにより開口部26の両側部では噴出気体の漏出が抑制され、前記両側壁部25a,25bと延出部27a,27bと前記噴出口23からの加圧気体とに関連して、前記対向壁22の両側部には断面コ字状加圧気体溜部28a,28bが形成される。すなわち、気体溜部は、内部が空洞であり、かつ走行する糸状体の両側部側で開口したボックス状壁により形成されている。
延出部が存在しない場合には、気体溜部は、三方向が対向壁22、側壁25a,25b、板材24で囲まれ、一方向が糸状体で囲まれた構造となり、糸状体の走行方向を上下方向とすると、気体溜部の上端部(上面)及び下端部(下面)が開放された形状となり、延出部が存在する場合は、糸状体の走行状態において、気体溜部の上端部(上面)及び下端部(下面)のほとんどが延出部27a,27bにより塞がれた形状となる。
このような開繊ユニット11では、走行する糸状体Sに対して糸状体Sの幅方向全体に亘ってスリット状噴出口23から加圧気体を噴出させて糸状体Sを開繊できるとともに、スリット状噴出口23の両側部において、前記延出部(閉塞カバー部)27a,27bにより加圧気体の漏出を抑制しつつ加圧気体を滞留させて加圧気体の溜部28a,28bを形成できる。すなわち、開口部26において糸状体S以外の領域(間隙部)からは噴出気体が自由に逸散するが、前記延出部(閉塞カバー部)27a,27bにより、自由な気体の流れが阻害され、噴出気流は、主に、延出部(閉塞カバー部)27a,27bで覆われたカバー部と糸状体Sの走行部との間の間隙から流出するようになる。そのため、気体の噴出により糸状体Sの開繊幅を安定化しつつ糸状体Sの走行位置を制御できる。すなわち、糸状体Sの走行位置がずれると、気体溜部28a,28bに滞留する気体圧は、ずれ方向では気体圧が大きくなり反対方向では気体圧が小さくなる。そのため、糸状体Sの開繊幅(又は走行位置)をガイド又は制限するためのガイドピンを用いることなく、糸状体Sの走行位置及び開繊幅を非接触式に自動的に修正できる。また、開繊糸状体Sとの接触部がなく、開繊糸状体Sの走行位置が非接触状態で制御できるため、フィラメントの糸切れがなく、フライ・ケバの生成を顕著に低減でき、繊維束又はフィルタプラグにメルトホールが発生するのを防止できる。なお、ケバとは、可塑剤の添加ユニット6内で浮遊するフライを意味する。
さらに好適なことは、気体(エア)を用いることにより、糸状体Sの開繊幅を制御するための制御力と開繊幅との間に相関関係が得られることである。すなわち、圧縮梱包されたベールの繰り出し操作においては、ベールの固着の状態により張力が変動し、糸状体Sの幅が変化する。しかし、糸状体Sの幅が変動しても、気体(エア)の流れにより糸状体Sの開繊幅を制限できる。より詳細には、例えば、糸状体Sの開繊幅が広がると、前記延出部(又は閉塞カバー部)27a,27bと走行する糸状体Sの両側部との間の空間が小さくなるが、所定の流量で気体(エア)が流れているため、気流による所定の気体圧により過剰に糸状体Sが広がるのを規制 又は抑制できる。すなわち、糸状体Sの幅がさらに広がるためには、前記気流による気体圧に打ち勝つ必要があるが、開口部26の両側部(気体溜部28a,28b)の気体圧が高いため、開繊幅を狭くする方向に気体圧が作用し、過大な開繊及び走行位置ずれが防止される。一方、張力の変動により糸状体Sの開繊幅が狭まると、前記延出部(又は閉塞カバー部)27a,27bと走行する糸状体Sの両側部との間の空間が大きくなり、開口部の両側部(気体溜部)の気体圧が低下するため、開繊幅が拡大し易くなる。このように、気体圧を利用することにより、糸状体(トウ)Sを非接触状態で走行させながら、糸状体(トウ)Sの走行ラインの矯正、および開繊幅を自動的に制御しつつ糸状体を有効に開繊できる。
さらに、糸状体Sの開繊幅のバラツキが小さくなるため、可塑剤の添加量及びフィルタプラグの硬度を安定化できる。すなわち、可塑剤添加ユニット6内部では全体に亘り可塑剤が噴霧されており、このようなユニット6内を糸状体Sが走行することにより可塑剤が添加される。そのため、糸状体Sの開繊幅が小さくなると、糸状体Sに対する可塑剤の添加量も少なくなり、フィルタ硬度(フィルタプラグ硬度)に影響を与える。このように、フィルタプラグ巻き上げ装置では、開繊幅は、糸状体Sに対する可塑剤の添加量に大きく影響し、開繊幅を安定化させることは、可塑剤の添着量を安定化させることに密接に関わる。また、フィルタプラグの品質指標である通気抵抗のバラツキ(PD.CV)も改善できる。
なお、糸状体(又はトウ)は、複数のフィラメントで構成されており、フィラメントとしては、用途に応じて種々の繊維、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、オレフィン系繊維、セルロースエステル系繊維などが例示できる。繊維は単繊維であってもよく複合繊維であってもよく混紡繊維であってもよい。フィルタ(特にたばこフィルタ)を構成する繊維としては、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維(特に、ビニロン、レーヨンなどのポリビニルアルコール系樹脂の誘導体の繊維)、セルロースエステル系繊維(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースアセテート系繊維)などが例示できる。フィルタ(特にたばこフィルタ)において好ましい繊維は、ポリオレフィン系繊維、セルロースアセテート系繊維である。たばこフィルタ用糸状体(又はトウ)は、通常、セルロースアセテートで構成されている。なお、繊維の断面形状は、円形状であってもよく、異形状(例えば、楕円状、多角形状、T,I,Y,X字状など)であってもよい。セルロースエステル系繊維(セルロースアセテート系繊維など)以外の繊維を用いる場合、その繊維を膨潤又は溶解させて粘着性を附与する溶媒や、それ自体粘着性や接着性を有する物質を可塑剤として用いることができる。
糸状体を構成するフィラメント(繊維)の単繊維繊度は特に制限されず、種々の繊度0.1〜20dtex程度の繊維が使用できるが、濾過性能を向上させるためには、単繊維繊度が小さいのが好ましい。フィラメント(繊維)の単繊維繊度は10dtex以下(0.1〜8dtex)、好ましくは0.3〜7dtex、さらに好ましくは0.5〜5dtex(例えば、1〜4dtex)程度であり、2.5dtex以下(例えば、0.5〜2dtex)程度であってもよい。
糸状体は、非捲縮繊維で構成してもよいが、嵩高さを付与するとともに、紡績作業性及び濾過性などを向上させるため、捲縮された繊維糸状体である場合が多い。平均捲縮度は、例えば、10〜80回/cm、好ましくは15〜75回/cm、さらに好ましくは20〜70回/cm程度であってもよい。また、総繊度は、フィラメントの繊度、糸状体の用途などに応じて1000〜100000dtex程度の範囲から選択でき、例えば、5000〜80000dtex(例えば、10000〜80000dtex)、好ましくは20000〜75000dtex、さらに好ましくは30000〜60000dtex程度であってもよい。
本発明において、糸状体は、非圧縮状態の集積体であってもよいが、通常、輸送効率を高めるため、ベール状の形態で梱包(特に圧縮梱包)された糸状体である場合が多い。本発明では、繰り出し張力が変動する圧縮梱包された糸状体(圧縮梱包体)であっても、糸状体を安定に走行させながら円滑に開繊でき、繊維糸状体を嵩高くできる。
糸状体の巻き上げ速度(走行速度)は特に制限されず、生産性の点から、通常、100〜1000m/分程度の範囲から選択でき、200〜800m/分(例えば、300〜700m/分)程度であってもよい。
本発明の装置において、幅制御手段又は走行制御手段を構成する対向壁は前記ボックスに形成する必要はなく、走行する糸状体に対して対向し、かつ糸状体に対して気体を噴出可能であればよい。例えば、対向する対向壁を走行する糸状体に対して対向する板材(プレート)で構成し、この板材の裏面側に、走行する糸状体の幅方向全体に対して気体を噴射可能な単一又は複数の噴出口を形成してもよい。また、対向壁は、前記糸状体が走行する走行路の一方の側面に非接触状態で、前記糸状体と対向して配設すればよく、対向壁は平坦壁である場合が多いが、走行する糸状体と非接触である限り、湾曲していてもよい。例えば、開口部からの噴出気体の漏出を抑制するため、対向壁は、糸状体の走行方向に対して中央部が窪み、両端部がフロント方向に延出した湾曲面を有していてもよい。
前記対向壁は、糸状体の走行路の一方に側部に配設されたボックスのうち、走行する糸状体に対して非接触状態で対向する対向壁で構成する場合が多い。このようなボックスには、ボックス内に加圧気体を導入するための1又は複数の導入口(ポート)が形成できる。なお、ボックスの形状は、糸状体との対向面が非接触である限り特に制限されない。
対向壁に形成された噴出口は、走行する糸状体に対して気体を噴射可能であればよく、連続した細幅の開口スリットで構成する必要はなく、糸状体の幅方向に対して所定間隔毎に形成された複数の噴出口(離散した噴出口)で構成してもよい。また、前記のように、噴出口は、噴射気流が糸状体の走行路を横切る1つの噴出口で構成してもよく、走行方向に対して並列に形成された複数の噴出口で構成してもよい。スリット状噴出口は、噴射気流が糸状体の走行路を横切る限り、直線状に延びていてもよく、屈曲又は湾曲して延びていてもよく、分岐していてもよい。例えば、両側部の噴出口は、糸状体の両端部方向に行くにつれて走行方向に対して上流及び下流方向に広がる形態(例えば、Y字状などの形態)で分岐していてもよい。スリット状又は散在(又は離散)した複数の噴出口は、糸状体の開繊効率を高めるため、全体として、糸状体の走行方向に対してスリット状噴出口の長手方向の中央部が下流側に位置する形態(例えば、V字状又はU字状の形態)で形成することができる。
なお、糸状体の開繊においては、開繊ユニットの配設部位に応じて、非開繊状態の糸状体に気体を噴出させて糸状体を開繊してもよく、開繊した糸状体に対して気体を噴出させてもよい。
前記対向壁(例えば、前記ボックスのうち糸状体と対面する対向壁)の両側部に形成された側壁は、糸状体の両側部と非接触状態で形成すればよく、平坦状内壁面、湾曲状内壁面(例えば、側方に行くにつれて中央部が外方に膨出した湾曲凹面など)を形成してもよい。
前記の例では、延出部(閉塞カバー部)を形成しているが、前記両側壁部及び前記噴出口からの噴出気体と関連して(すなわち、前記両側壁部の形態との関係で噴出気体により)、前記対向壁の両側部に加圧気体溜部が形成できる限り、前記延出部は必ずしも必要ではない。糸状体の走行位置や開繊幅を有効かつ効率よく自動的に制御可能な前記気体溜部を形成するためには、両側壁からそれぞれ内方向(スリット状噴出口の側部又は端部方向)に向かって糸状体と非接触状態で延びる延出部(又は閉塞カバー部)を形成するのが有利である。特に、気体溜部の容積を大きくするため、両側壁の先端部(糸状体の走行方向に対する両端部)がスリット状噴出口の両側部方向に延出し、気体溜部を形成するのが有利である。すなわち、糸状体の走行方向において開口部(走行方向に対して直行する方向に延びる開口部又は走行路)の両端部は、内方へ延出する前記延出部(閉塞カバー部)により狭まっている。このような延出部を形成すると、噴出口からの噴出気体の漏出を規制できるため、前記両側壁部、延出部及び前記噴出口からの加圧気体と関連して、前記対向壁の両側部に加圧気体溜部を形成できる。
前記延出部(又は閉塞カバー部)は、両側部の噴出口(又はスリット状噴出口の両側部)に至るまで延出(又はカバー)している必要はなく、糸状体が走行する開口部の両側部で出入口面積が狭まっていればよいが、有効な気体溜部を形成するためには、両側部の噴出口(又はスリット状噴出口の両側部)をカバーして開口部が狭まっているのが好ましい。このような構造の開繊ユニット(バンディングジェット)では、その内部空間を広く保つことができ、気体により十分な開繊が可能である。なお、前記延出部は、両端部が開口し、この開口部を糸状体が走行可能なボックス又は枠体において、糸状体の走行方向の両端部において、糸状体と非接触状態で、内方又は狭まる方向に形成する場合が多い。
噴出口の両側部(又はスリット状噴出口の両側部)を延出部(又は閉塞カバー部)又はカバー部材がカバーする程度は、気体溜部の形態、気体の噴出流量などに応じて選択でき、例えば、両側部の噴出口(又はスリット状噴出口の両側部)を、全体として、1〜10cm(換言すれば、一方の端部及び他方の端部からそれぞれ0.5〜5mm)、好ましくは2〜8cm、さらに好ましくは2〜6cm(例えば、2〜5cm)程度カバーしてもよい。
延出部(又は閉塞カバー部)又はカバー部材でカバーされる割合は、噴出口(又はスリット状噴出口)の長さ全体に対して、5〜60%、好ましくは10〜50%(例えば、10〜30%)程度であってもよい。
気体溜部の形状は、特に制限されず、走行する糸状体の両側部側で開口した球体状、楕円体状などであってもよいが、断面コ字状又はU字状の形態(コ字状又はU字状の断面形状の内周壁)で走行する糸状体の両側部側が開口した多角体状(四角体状など)ある場合が多い。すなわち、対向壁の側部と側壁と必要により延出部とで気体溜部を形成するとともに、糸状体が走行可能なコ字状又はU字状ガイド部(又は開口部)を形成してもよい。
対向壁に対して対向する板材(対向板材)は、気体溜部を形成でき、かつ糸状体が非接触状態で走行可能である限り必ずしも必要ではない。図4は本発明の他の開繊ユニットを示す概略斜視図である。
この例の開繊ユニットは、スリット状噴出口33が形成された対向壁32を有するボックス30と、このボックスに加圧気体を導入するための導入口(図示せず)とを備えており、対向壁32の両側部には、内部が空洞のボックス状であり、かつ内方側(糸状体の走行側)が開口した気体溜部38a,38bが形成されている。すなわち、ボックス30の両側部(又は対向壁の両側部)には、対向壁の両側部からフロント方向に延出する両側壁35a,35bと、これらの両側壁の上下端部(又は対向壁の上下端部)から、それぞれ、スリット状噴出口33方向に向かって延びる延出部(又は両端閉塞カバー部)37a,37bと、前記ボックス30の両側部で前記対向壁32に対して対向し、前記両側壁35a,35bと延出部37a,37bとのフロント側の開放部を閉じる対向壁(板材又は対向板材)34a,34bとで、走行する糸状体の両側部で開口したボックス状気体溜部38a,38bが形成されている。なお、糸状体は、開繊ユニットの開口部36を、気体溜部38a,38bと非接触状態で走行可能である。このような開繊ユニットでも、前記と同様に、糸状体を開繊しつつ糸状体の開繊幅及び走行位置を制御できる。
なお、対向壁に対して対向する板材(対向板材)を設けると、噴出気体の漏出を有効に防止できるとともに、気体溜部での気体圧を有効に高めることができ、糸状体の開繊幅及び糸状体の走行を制御するのに有用である。対向壁と板材との距離は、糸状体の種類、噴出気体の流量などに応じて選択でき、例えば、1〜20mm、好ましくは1.5〜10mm(例えば、1.5〜4mm)、さらに好ましくは2〜5mm(例えば、2〜3mm)程度であってもよい。
気体の種類は特に制限されないが、通常、空気が使用される。また、気体の流量は前記糸状体の走行安定性及び開繊幅の安定性を損なわない限り特に制限されず、開繊ユニットの内容積に応じて、例えば、300〜5000ml/分、好ましくは500〜4000ml/分、さらに好ましくは800〜35000ml/分程度であってもよい。
前記板材(対向板材)が配設された開繊ユニットにおいて、開口部の形状は、糸状体の走行方向に対して直行する方向において、断面四角形状、前記直行する方向に細長い楕円形状であってもよく、両側部が膨出したアレイ状などであってもよい。
なお、前記構造の開繊ユニットは、既存の開繊ユニットにおいて、糸状体が走行する走行幅を確保しつつ、糸状体が走行する開口部の両側部をカバー可能なカバー部材(カバー治具)を装着することにより構成してもよい。このカバー部材(カバー治具)は断面U字状又はコ字状であってもよい。なお、前記延出部(閉塞カバー部)やカバー部材(カバー治具)の幅(延出長さ又はカバー長さ)を調整することにより、糸状体の開繊幅を制御できるとともに、可塑剤添着量も制御できる。
開繊ユニット(バンディングジェット)の配設部位は特に制限されず、糸状体の走行路の適所に配設できる。また、開繊ユニットの数も特に制限されず、例えば、1〜5程度であってもよいが、通常、糸状体繰り出し部から巻き取り部(又は可塑剤の添加ユニット)との間に3個程度配置されている。なお、フィルタプラグの巻き上げ装置において、開繊ユニットは、糸状体の走行路のうち、糸状体に対して可塑剤を添加するための添加ユニットの少なくとも上流側に設けられている。
前記可塑剤を糸状体に添加するための添加ユニットは、糸状体の用途に応じて、可塑剤の添加ユニットに加えて又は可塑剤の添加ユニットに代えて、種々の成分(例えば、粉粒状活性炭など)を添加する添加ユニットを配置してもよい。
本発明では、糸状体(アセテートトウなど)の走行を安定化させ、糸状体の開繊幅を制御しつつ有効に開繊でき、フライ及びその堆積物(特に、糸状体の幅方向の両端部に堆積するフライ)の生成を低減できる。特に、繊度の小さな繊維で構成された糸状体を高速で巻上げても、フライの生成を防止できる。そのため、本発明は紡績などの糸状体の種々の加工、例えば、フィルタプラグ(たばこ用フィルタプラグなど)の製造に適している。フィルタプラグの製造に本発明を適用すると、高速で巻上げても、可塑剤の添加ユニット(ボックス)でのケバの発生を低減でき、メルトホールの少ないフィルタプラグを得ることができる。また、可塑剤の添加量を安定化でき、フィルタプラグの通気抵抗バラツキ(PD.CV)を改善できるとともに、フィルタ硬度(フィルタプラグ硬度)を含めて品質を安定化できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
糸状体としてセルロースアセテート繊維束(単繊維度3.0(dtex)、断面形状Y、総繊維度36000(dtex))を用い、フィルタプラグ巻き上げ機KDF−2/AF2(ドイツ、ハウニ社製)を用いてフィルタプラグ(円周24.2mm、長さ120mm、充填量0.631g/ロッド)を製造した。なお、可塑剤としてトリアセチンを糸状体に対して7重量%の添加量で添加した。巻上げは、所定のロール圧(フィードロール3:0.75kg/cm2、レシオロール4:2.0kg/cm2、デリバリロール5:2.0kg/cm2)、周速比(フィードロール3の周速V1:470m/分、レシオロール4の周速V2:658m/分、デリバリロール5の周速V3:445m/分、V2/V1=1.40、V2/V3=1.48)、巻上げ速度400m/分の条件で行った。なお、1kg/cm2は98kPa≒0.1MPaである。
巻上げ条件において、比較例1では、既存の上記巻き上げ装置において第2の開繊ユニットの上流に位置するガイドピンを取り外し、開口部の両側部をカバー部材でカバーすることなく巻き上げ、比較例2では、第2の開繊ユニットにガイドピンを取り付け、開口部の両側部をカバー部材でカバーすることなく巻き上げた。また、実施例1では、上記ガイドピンを取り外し、第1の開繊ユニット及び第2の開繊ユニットに、開口部の両側部をカバーするカバー部材をそれぞれ取り付け、実施例2では、上記ガイドピンを取り外し、第1の開繊ユニット、第2の開繊ユニット及び第3の開繊ユニットに、開口部の両側部をカバーするカバー部材をそれぞれ取り付けて巻き上げた。この例では、開口部の幅21cmを、全体として、カバー部材で2〜4mmカバーした。
そして、開繊幅、フライの発生量、ケバの発生量を測定した。すなわち、可塑剤添加ボックス(Pz−Box)を通過後の開繊幅をトウ開繊幅測定器(サンプリング速度:0.1秒、計測時間:60秒)で測定し、フライの発生量は、フライ収集具(エアーガン)により巻上時間10分間でのローラーボックス(レシオロール4及びデリバリロール5を収容するボックス)内のフライを収集し重量を測定した。ケバの発生量は、巻上時間10分間でPz−Box内に溜まったケバを収集し、付着した可塑剤を絞って重量を測定した。また、得られたフィルタプラグについて、フィルタプラグ重量のバラツキとともに、通気抵抗(PD)のバラツキ(PD.CV%)および可塑剤の添加量のバラツキ(Wt.cv%)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007031865
比較例3及び実施例3
総繊維度を30000(dtex)、フィードロールのロール圧を0.50kg/cm2とする以外、実施例1と同様にして糸状体を巻き上げ、フィルタプラグを調製した。なお、比較例3では、第2の開繊ユニットの上流に位置するガイドピンを取り外し、開口部の両側部をカバー部材でカバーすることなく巻き上げ、実施例3では、上記ガイドピンを取り外し、第2の開繊ユニット及び第3の開繊ユニットに、開口部の両側部をカバーするカバー部材をそれぞれ取り付けて巻き上げた。
そして、前記実施例1と同様にして開繊幅、フライやケバの発生量、通気抵抗(PD)及び可塑剤の添加量のバラツキを評価した。結果を表2に示す。
Figure 2007031865
表から明らかなように、開繊ユニットの開口部の両側部にカバー部材を取り付けることにより、開繊幅のバラツキ(CV)が小さくなり、フライ及びケバの発生量も大きく低減した。特に、第3の開繊ユニットの開口部にカバー部材を装着すると、ケバの発生量を大きく低減できた。さらに、フィルタプラグの通気抵抗及び可塑剤の添加量のバラツキも改善でき、フィルタプラグの品質を向上できた。
図1はたばこフィルタプラグの巻き上げ装置を示す概略図である。 図2は開繊ユニットを示す概略斜視図である。 図3は図2の開繊ユニットのフロント部を示す概略正面図である。 図4は他の開繊ユニットを示す概略斜視図である。
符号の説明
4…レシオロール
5…デリバリロール
6…添加ユニット
10,11,12…開繊ユニット
S…糸状体
20,30…ボックス
21…導入口
22,32…対向壁
23,33…スリット状噴出口
24,34a,34b…板材
25a,25b,35a,35b…両側壁部
26,36…開口部(走行空間)
27a,27b,37a,37b…延出部
28a,28b,38a,38b…加圧気体溜部

Claims (5)

  1. 複数のフィラメントで構成された糸状体の開繊幅を制御するための装置であって、前記開繊した糸状体が走行する走行路の一方の側面に非接触状態で前記糸状体と対向する対向壁と、この対向壁に形成され、かつ糸状体に気体を噴出するための噴出口と、この対向壁の両側部に、前記開繊した糸状体の両側部と非接触状態で形成された側壁と、前記両側壁部及び前記噴出口からの噴出気体と関連して、前記対向壁の両側部に形成された加圧気体溜部とを備えている制御装置。
  2. 走行する糸状体に対して非接触状態で対向する対向壁を有するボックスと、このボックス内に加圧気体を導入するための導入口と、前記ボックスの対向壁に形成され、かつ導入された気体を開繊した糸状体に噴出するためのスリット状噴出口と、前記ボックスのうち糸状体と対面する対向壁の両側部に、前記開繊した糸状体の両側部と非接触状態で形成された側壁と、これらの両側壁からそれぞれスリット状噴出口の側部方向に糸状体と非接触状態で延びる延出部と、前記両側壁部、延出部及び前記噴出口からの加圧気体と関連して、前記対向壁の両側部に形成された加圧気体溜部とを備えている請求項1記載の制御装置。
  3. 両側壁の先端部がスリット状噴出口の両側部方向に延出し、気体溜部を形成している請求項1記載の制御装置。
  4. 両側壁の先端部から延出する延出部がスリット状噴出口の両側部をカバーしている請求項1記載の制御装置。
  5. 複数のフィラメントで構成され、かつ開繊した糸状体の開繊幅を、糸状体を走行させながら非接触式で制御するための方法であって、走行する開繊した糸状体に対して糸状体の幅方向全体に加圧気体を噴出させ、このスリット状噴出口の両側部で加圧気体を滞留させ、開繊された糸状体の開繊幅を制御する制御方法。
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