JP2007031766A - 薄膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 真空チャンバ内に設けられた電子ビーム発生装置とおよび柱状をなし中央部の上面から下面に達する貫通孔が設けられた蒸着材料を収納したるつぼを備え、電子ビーム発生装置の出射する電子ビームを蒸着材料に照射する。
【選択図】 図3
Description
次に、溶融性材料がEB蒸着を適当とする理由は、表面加熱であるため、高融点材料であっても蒸着が可能であり、また通常るつぼは水冷機構等により冷却されていることから、るつぼ構成材が蒸着材料に混入する可能性が低く、高品質な薄膜作成が可能となるからである。このように、RH蒸着法、EB蒸着法はそれぞれ長、短所を有しているが、成膜される薄膜の材料、要求される性能に合わせて、好適とされる蒸着法が採用されている。
実施の形態1の具体的説明の前に、この発明を創出するに到った経過を図1、図2に基づいて述べる。発明者は前述した図7の構成と同様の薄膜形成装置を使用した赤外用光学薄膜作成実験において、昇華性材料の蒸着の際にはEB蒸着が不安定になり、場合によっては蒸着が進展しない場合を経験した。これは例えば、柱状(ペレット状)HfF4を用いたような場合や柱状(ペレット状)ZrF4を用いたような場合である。これらHfF4、ZrF4は赤外域、特に波長5μm以上のいわゆる遠赤外域用の光学薄膜の作成に重要な材料で、波長9.0μmから10.6μmのCO2レーザ用光学薄膜の作成に用いたものである。このような場合の蒸着機構の推定を図1に示す。すなわち、真空チャンバ1内に配置された電子ビーム発生装置2から出射された電子ビーム3が蒸着材料5に照射されるが、蒸着材料5の蒸発温度が高く、蒸着開始までに多量の電子ビーム3の照射を必要とすると、電子7が滞留しマイナスの強い電場が形成される。このマイナスの強い電場が形成されると、その後に蒸着材料5に照射される電子ビームは蒸着材料5の表面に到達することなく、外部に弾き飛ばされることになる。発明者の実験において、電子ビーム発生装置2の加速条件を上昇させると、るつぼ4近傍の構造材が青白い発光を示し、電子ビーム3がるつぼ周辺に弾かれる様子が確認された。そのため、このマイナスの強い電場が形成されると、つまり電子のチャージアップ現象が発生すると、蒸着材料5の表面には電子ビーム3のエネルギが伝達されなくなり、表面の加熱は進展せず、蒸着が進展しない。
このような構成の薄膜形成装置100でHfF4やZrF4のような昇華性で蒸発温度の高い材料を蒸着材料5として用い、Ge、ZnS、ZnSe等の高屈折率を有する透明基板10上に多層膜の薄膜を形成した。電子ビーム発生装置2からの電子ビーム3は蒸着材料5の上面5aに照射されるが、蒸着材料5の中央部には小径の貫通孔8が設けてあるため、電子ビーム3照射の蒸着材料5上の電子7は、貫通孔8の内壁を伝わって上面5aから下面5b、るつぼ4と流れる。
従って、蒸着材料5の表面(上面)中央部における電子チャージアップが緩和されて、強いマイナスの電場が形成されない。その結果、蒸着材料5の表面に加熱部6が形成され、蒸発開始温度に達すると蒸発(昇華)し始め、真空チャンバ1の上方に配置された基板10上に成膜される。
実施の形態2を図4、図5に基づいて説明する。この実施の形態2の薄膜形成装置100は、前述した実施の形態1の図3の構成に真空チャンバ1内にプラスイオンビーム発生装置12を追加設置したものである。動作を以下に説明する。
図4において、プラスイオンビーム発生装置12により、例えばプラスイオンであるArイオンビーム13を蒸着材料5の表面に照射する。この照射により図5に示すように蒸着材料5表面の電子が中和されて、電子ビーム3によって加熱部6が形成され、蒸発、基板10上の蒸着が進展する。このプラスイオンビーム13の照射は、蒸着が開始した後も、電子ビーム3の照射による電子チャージアップ抑制のため、適宜照射を行うことが望ましい。なおプラスイオンビーム発生装置12に用いるガスとしてはプラスのイオンを生成できるものであればよく、例えば、Arガス、Xeガス、O2ガス、N2ガス等を用いることができるが希ガスであるArガスやXeガスが適当である。
またさらに、真空チャンバ1内に複数、例えば2台のプラスイオンビーム発生装置12を設置し、蒸着材料5の照射専用、基板10へのイオンアシスト用の照射専用とした構成であってもよい。また、プラスイオンビーム発生装置12と、イオンビーム発生装置とを設置し、蒸着材料5にはプラスイオンビーム発生装置12からのイオンビームを、基板10にはイオンビーム発生装置からのイオンビームを照射するようにしてもよい。
この実施の形態3は、前記実施の形態1、実施の形態2の電子ビーム発生装置2に図示省略のビーム走査手段を設けたものである。このビーム走査手段を制御することにより電子ビーム3を蒸着材料5の表面全体に照射することが可能となる。すなわちビーム走査手段によって電子ビーム3を走査することにより、プラスイオンビーム13との組み合わせを含めてより蒸着材料全面にわたりチャージアップを中和でき、加熱、蒸発の効率化が図れる。またプラスイオンビーム発生装置12に同様にビーム走査手段を設けるようにしてもよく、効果的なチャージアップ抑制、基板10の活性化がはかれる。
5 蒸着材料、8 孔、10 基板、12 プラスイオンビーム発生装置、
13 プラスイオンビーム。
Claims (8)
- 真空チャンバ内に設置された電子ビーム発生装置および柱状をなすとともにその中央部に上面から下面に達する貫通孔が設けられた蒸着材料と、前記蒸着材料を収納したるつぼとを備え、前記電子ビーム発生装置の出射する電子ビームを前記蒸着材料に照射して加熱蒸発させ、前記真空チャンバ内に設けられた基板上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成装置。
- 真空チャンバ内に設置された電子ビーム発生装置および蒸着材料を収納したるつぼとプラスイオンビーム発生装置とを備え、前記電子ビーム発生装置の出射する電子ビームを前記蒸着材料に照射するとともに、前記プラスイオンビーム発生装置の出射するプラスイオンビームを、前記蒸着材料に照射して電子の中和を行いながら前記蒸着材料を加熱、蒸発させ、前記真空チャンバ内に設けられた基板上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成装置。
- 真空チャンバ内に設置された電子ビーム発生装置および蒸着材料を収納したるつぼと、プラスイオンビーム発生装置とを備え、前記電子ビーム発生装置の出射する電子ビームを前記蒸着材料に照射するとともに、前記プラスイオンビーム発生装置に設けられたビーム偏向手段を制御し前記プラスイオンビーム発生装置の出射するプラスイオンビームを前記蒸着材料に照射して、電子の中和を行いながら前記蒸着材料を加熱、蒸発させ、前記真空チャンバ内に設けられた基板上に薄膜を形成するとともに、前記ビーム偏向手段を制御し前記プラスイオンビームを前記基板上に照射し、前記基板を活性化することを特徴とする薄膜形成装置。
- 真空チャンバ内に設置された電子ビーム発生装置および蒸着材料を収納したるつぼと、プラスイオンビーム発生装置とイオンビーム発生装置とを備え、前記電子ビーム発生装置の出射する電子ビームを前記蒸着材料に照射するとともに、前記プラスイオンビーム発生装置の出射するプラスイオンビームを、前記蒸着材料に照射して電子の中和を行いながら前記蒸着材料を加熱、蒸発させて、前記真空チャンバ内に設けられた基板上に薄膜を形成するとともに、前記イオンビーム発生装置の出射するイオンビームを前記基板に照射し、前記基板を活性化することを特徴とする薄膜形成装置。
- 前記電子ビーム発生装置には、ビーム走査手段が設けられており、該ビーム走査手段を制御し前記電子ビームを前記蒸着材料に走査照射することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記蒸着材料が昇華性材料であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記昇華性材料がHfF4またはZrF4であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜形成装置。
- 前記基板上には多層の薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
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JP2012506143A (ja) * | 2008-10-15 | 2012-03-08 | インフォビオン カンパニー リミテッド | エネルギービームの照射を利用したシリコーン薄膜の製造方法 |
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