JP2004131783A - 成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法 - Google Patents

成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法 Download PDF

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豊崎 孝一
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Abstract

【課題】成膜材料の固化を抑制し、安定した成膜レートを有する成膜装置を実現する。
【解決手段】真空容器1内に配置された坩堝2と、坩堝2の温度上昇を抑制するための冷却部3と、坩堝2に電子ビームを照射するための電子銃4とを備える。また、真空容器1内には被コーティング材料を保持するための治具機構5、6が配置され、被コーティング材料に対して所定の粒子を照射可能な位置にイオン供給源7およびニュートラライザ8が配置されている。また、治具機構5、6と坩堝2との間には開閉可能なシャッター9が備えられ、シャッター9の開閉を制御するシャッター開閉制御部10に接続されている。さらに、電子銃4は、蒸着レートを所定範囲に制御するための蒸着レート制御部11に接続されている。また、蒸着動作時において坩堝2に保持された蒸着材料に対して陽イオンを照射するイオン供給源12を有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の成膜対象に対して薄膜構造を成膜する成膜装置、成膜方法および半導体発光素子の製造方法に関し、特に、成膜レートの急激な変化を抑制し、所望の成膜レートを実現できる成膜装置、成膜方法および半導体発光素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば端面出射型半導体レーザ素子は、半導体基板上に活性層を含む所定の半導体層を積層し、劈開等によって形成した端面を備えた構造を有する。かかる端面は共振器を形成し、光出力窓となるため、端面の構造が半導体レーザ素子の特性に大きな影響を与える。
【0003】
半導体レーザ素子の端面には一般に誘電体膜が成膜されており、かかる誘電体膜によって端面表面を保護すると共に、誘電体膜の膜厚および誘電体膜を形成する材料を適切に選択することで光反射率を制御している。特に、誘電体膜の存在は端面における光反射率に大きな影響を与え、かかる反射率は出射されるレーザ光の特性に影響を与えることから、誘電体膜の構造および膜厚の制御は重要な問題となる。
【0004】
半導体素子表面に誘電体膜を成膜する装置としては、一例として電子ビーム加熱式真空蒸着装置(以下、「EB蒸着装置」と言う)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。図8は、従来技術にかかるEB蒸着装置の構造を示す模式図である。
【0005】
EB蒸着装置は、誘電体膜の材料を保持する坩堝101と、坩堝101に保持された材料に対して電子ビームを照射する電子銃102と、蒸着対象である半導体素子等の被コーティング材料を保持するコーティング治具103と、坩堝101と被コーティング材料とを隔てるための開閉式のシャッター104とを備える。蒸着の際には、電子銃102から出射された電子ビームが坩堝101に照射されることで保持された材料が溶融し、一部が蒸発する。かかる蒸発した材料が被コーティング材料表面に付着することによって、誘電体膜が蒸着される。ここで、誘電体膜の膜厚等を制御するために、必要に応じて光学式膜厚モニターで反射率を測定したり、クリスタル振動式膜厚計によって膜厚を測定した結果を基に電子銃102の出力等についてフィードバック制御を行う。かかるフィードバック制御を行うことでEB蒸着装置は蒸着レートを一定の範囲に維持することができ、所望の光反射率を有する良質の誘電体膜を形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−313953号公報(第3頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際のEB蒸着装置では、必ずしも誘電体膜を安定して蒸着する事ができず、特に電子銃102から出力される電子ビームのエネルギーが低い場合には問題が生じる。
【0008】
具体的には、EB蒸着装置を用いて誘電体膜の蒸着を行う過程において、突然坩堝101に保持された材料が固化し、蒸発量が大きく減少することで蒸着レートが変動するという問題が生じる。電子銃102から出力される電子ビームのエネルギーを高めることによって材料を再び融解させることは可能であるが、電子ビームのエネルギーを高めることで新たな問題が生じる。
【0009】
すなわち、一旦固化した材料を再び融解して蒸発させるまでの期間において、蒸発量を一定に保持することは容易ではなく、上記したフィードバック制御を用いた場合でも困難である。具体的には、蒸着レートは図9に示すグラフのようになる。図9は、従来技術にかかるEB蒸着装置における電子ビームの出力と蒸着レートの時間変化を示すグラフである。図9において、破線は蒸着レートの変化を示し、実線は電子銃102から出力される電子ビームの出力パワーを示す。図9に示すように、従来技術にかかるEB蒸着装置は、時刻tに電子ビーム照射を開始し、蒸着レートが安定した時刻tから蒸着を開始する。そして、時刻tにおいて蒸着材料の固化が生じ、時刻tに蒸着動作を終了している。図9の時刻tに示すように、材料の固化は急激に生じるため、通常のフィードバック制御では蒸着レートが極端に落ち込んだり、電子ビームのエネルギーを過剰に高めることで時刻tにおけるようなオーバーシュートを生じたりする。この結果、蒸着レートを一定範囲に維持することができず、成膜された誘電体膜の膜質について成膜方向にばらつきを有することとなる。膜質がばらつくことで、例えば被コーティング材料が半導体レーザ素子の場合、端面における光反射率を所望の値とすることができない等の特性上の問題が生じる。特に、緻密な誘電体膜を蒸着する場合には、0.05nm/秒〜0.50nm/秒程度と低い蒸着レートで蒸着する必要があり、上記した問題は深刻なものとなる。
【0010】
一般にEB蒸着装置によって誘電体膜の蒸着を行う場合、一度に数百〜数千の被コーティング材料をEB蒸着装置内に配置するため、一旦誘電体膜材料の固化が生じることで、かかる大量の被コーティング材料すべてが不良品となり、製造コスト上大きな問題を有する。特に、半導体レーザ素子では緻密な誘電体膜の形成および精密な反射率制御を必要とするために低蒸着レートで蒸着する事が好ましいため、材料の固化が生じやすく、歩留まりの悪化という問題を有する。
【0011】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、成膜する薄膜構造の材料が突発的に固化する事を防止し、所望の成膜レートで薄膜構造を成膜可能な成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる成膜装置は、真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜装置であって、前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持手段と、前記材料に対して所定の運動エネルギーを有する第1の荷電粒子を衝突させ、該衝突により前記材料にエネルギーを与えて前記成膜対象表面に到達させるエネルギー供給手段と、前記第1の荷電粒子の衝突によって生じた前記材料の電気的極性を緩和もしくは解消する極性緩和手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明によれば、成膜材料に対して荷電粒子を衝突させることで成膜材料にエネルギーを与えて成膜対象表面の成膜を行う成膜装置において、成膜材料表面に蓄積された電荷を緩和若しくは解消する極性緩和手段を設けることで成膜材料の固化を防止し、安定した成膜レートで成膜を行うことで、優れた特性の薄膜構造を成膜できる。
【0014】
また、請求項2にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記極性緩和手段は、前記第1の荷電粒子と相反する電気的極性を有する第2の荷電粒子を前記材料に照射し、電気的極性を緩和もしくは解消することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記材料は、電気的に絶縁性を有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第1の荷電粒子は電子であり、前記第2の荷電粒子は陽イオンであることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記材料は、Al、SiOまたはTaのいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項6にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、Oを含むことを特徴とする。
【0019】
また、請求項7にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、Oを陽イオン化したものであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、水素、塩素若しくはこれらの混合物を陽イオン化した粒子であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項9にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記エネルギー供給手段は、前記成膜対象上における薄膜構造の成膜レートが0.05nm/秒以上、0.50nm/秒以下となるよう前記材料にエネルギーを与えることを特徴とする。
【0022】
また、請求項10にかかる成膜方法は、真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜方法であって、前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持工程と、前記材料に対して所定の運動エネルギーを有する第1の荷電粒子を衝突させ、前記材料に運動エネルギーを与えて前記成膜対象表面に到達させる運動エネルギー供給工程と、前記第1の荷電粒子の衝突によって生じた前記材料の電気的極性を緩和若しくは解消する極性緩和工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
この請求項10の発明によれば、成膜材料に対して荷電粒子の衝突によってエネルギーを与えると共にかかる荷電粒子の電気的特性を緩和若しくは解消する極性緩和工程を行うこととしたため、成膜材料表面上に荷電粒子による電荷の蓄積を緩和若しくは解消することができ、成膜動作中における成膜材料の固化を防止し、優れた特性の薄膜構造を成膜できる。
【0024】
また、請求項11にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記極性緩和工程は、前記第1の荷電粒子と反対の電気的極性を有する第2の荷電粒子を前記材料に照射することによって電気的極性を緩和することを特徴とする。
【0025】
また、請求項12にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記運動エネルギー供給工程と、前記極性緩和工程とを同時に行うことを特徴とする。
【0026】
また、請求項13にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記材料は、電気的に絶縁性を示すことを特徴とする。
【0027】
また、請求項14にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記第1の荷電粒子は電子であり、前記第2の荷電粒子は陽イオンであることを特徴とする。
【0028】
また、請求項15にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記材料は、Al、SiOまたはTaのいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0029】
また、請求項16にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、Oを含むことを特徴とする。
【0030】
また、請求項17にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、Oを陽イオン化したものであることを特徴とする。
【0031】
また、請求項18にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記第2の荷電粒子は、水素、塩素若しくはこれらの混合物を陽イオン化した粒子であることを特徴とする。
【0032】
また、請求項19にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記運動エネルギー供給工程において、前記成膜対象上に成膜される薄膜構造の成膜レートが0.05nm/秒以上、0.50nm/秒以下となるよう前記材料にエネルギーを与えることを特徴とする。
【0033】
また、請求項20にかかる光学素子の製造方法は、光出射面または/および受光面を備えた光学素子の製造方法であって、請求項10〜19のいずれか一つに記載の成膜方法を用いて前記光出射面上または/および前記受光面上に保護膜を成膜する工程を含むことを特徴とする。
【0034】
この請求項20の発明によれば、光学素子の製造において、上記の成膜方法を用いることとしたため、光出射面または/および受光面において特性の優れた薄膜構造を成膜する事ができ、光学特性に優れた光学素子を製造できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかる成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法の好適な実施の形態について説明する。図面の記載において、同一または類似部分には同一あるいは類似な符号、名称を付している。また、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0036】
まず、実施の形態にかかる成膜装置の構造を説明する。本実施の形態にかかる成膜装置は、成膜動作時に成膜材料を成膜対象まで到達させるための荷電粒子の照射と共に、かかる荷電粒子の照射によって生じた成膜材料の電気的極性を緩和若しくは解消する動作を行う。なお、以下においては成膜装置の一例として、EB(Electron Beam:電子ビーム)蒸着装置について説明を行うが、本発明の適用対象はEB蒸着装置に限定されず、荷電粒子によって薄膜構造の材料を被コーティング材料表面に到達させる成膜装置であれば適用可能である。
【0037】
図1は、実施の形態にかかる成膜装置の構造を示す模式図である。本実施の形態にかかる成膜装置は、真空容器1内に配置された坩堝2と、坩堝2の温度上昇を抑制するための冷却部3と、坩堝2に電子ビームを照射するための電子銃4とを備える。また、真空容器1内には被コーティング材料を保持するための治具機構5、6が配置され、被コーティング材料に対して所定の粒子を照射可能な位置にイオン供給源7およびニュートラライザ8が配置されている。また、治具機構5、6と坩堝2との間には開閉可能なシャッター9が備えられ、シャッター9の開閉を制御するシャッター開閉制御部10に接続されている。さらに、電子銃4は、蒸着レートを所定範囲に制御するための蒸着レート制御部11に接続されている。また、蒸着動作時において坩堝2に保持された蒸着材料に対して陽イオンを照射するイオン供給源12を有する。
【0038】
坩堝2は、蒸着を行う材料を保持するためのものである。具体的には、坩堝2は、例えばCuを材料とした容器によって形成され、保持される蒸着材料は、例えばAlとする。
【0039】
冷却部3は、蒸着動作時に坩堝2の昇温を抑制するためのものである。冷却部3を設けたのは、蒸着動作時において蒸着材料は電子ビームによって高温となるため、Cu等で形成された坩堝2をかかる熱から保護するためである。具体的には、冷却部3は、例えば水冷式の機構を備えることで坩堝2の昇温を抑制する。
【0040】
電子銃4は、坩堝2に保持された蒸着材料に対して電子ビームを照射するためのものである。電子銃4は、例えば熱電子放出フィラメントを備え、かかるフィラメントを加熱することで電子を放出し、所定の加速電圧を印加することで所望のエネルギーを有する電子ビームを出力する機能を有する。出力された電子ビームは、図示を省略した磁界印加部によって軌道が曲げられて蒸着材料に到達する。
【0041】
治具機構5、治具機構6は、被コーティング材料を保持するためのものである。治具機構5および治具機構6は軸Cを中心として公転可能な構造を有し、必要に応じてそれぞれ軸C、Cを中心として自転可能な構造を有する。かかる回転機構を備えることで、蒸発した蒸着材料の密度が場所依存性による影響を低減している。
【0042】
イオン供給源7は、被コーティング材料表面上に蒸着する薄膜構造から脱離する元素を補うためのものである。例えば、蒸着材料としてAlを用いた場合、Alに比してOの脱離が生じやすいため、安定して蒸着を行うためにOを被コーティング材料に対して供給する必要がある。このため、本実施の形態においてイオン供給源7はOを出力する。
【0043】
ニュートラライザ8は、イオン供給源7によって供給されるイオンに起因した被コーティング材料表面の電荷を相殺するためのものである。本実施の形態においては、イオン供給源7は陽イオンを供給するため、被コーティング材料表面に電子ビームを照射することで電荷を相殺する機能を有する。
【0044】
シャッター9は、蒸着動作の開始および終了を制御するためのものである。シャッター9は開閉可能な構造を有し、かつ坩堝2と治具機構5、6との間に配置されているため、閉じた状態では蒸発した蒸着材料は被コーティング材料に到達することはない。従って、シャッター9を開閉する事によって蒸着の開始及び終了を制御することができる。
【0045】
シャッター開閉制御部10は、シャッターの開閉を制御するためのものである。シャッター開閉制御部10は、モニタ光源13と、モニタ光源13から出力されるレーザ光の光路上に順次ミラー14、モニタガラス15、ミラー16、反射光受光部17を有する。モニタ光源13から出力されたレーザ光は、ミラー14で反射された後にモニタガラス15に入射し、モニタガラス15の表面で反射した後、再びミラー16で反射され、反射光受光部17に入力される。反射光受光部17は、受光した光の強度に応じた電気信号をコントローラ18に出力し、コントローラ18は受信した電気信号に基づいた制御信号をシーケンサ19に出力する。制御信号を受信したシーケンサ19は、かかる制御信号に基づいてシャッター9を開閉させる。
【0046】
蒸着動作時において、モニタガラス15表面上には被コーティング材料の蒸着レートと相関した蒸着レートで薄膜構造が成膜される。そのため、被コーティング材料表面の反射率とモニタガラス15表面の反射率とは一定の相関関係を有し、モニタガラス15表面の光反射率を測定することで被コーティング材料表面の反射率を推定することができる。従って、モニタガラス15表面の光反射率が一定の値に達した際にシャッター9を閉じて蒸着を停止することにより、被コーティング材料表面の反射率を制御している。
【0047】
蒸着レート制御部11は、蒸着時における蒸着レートを所望の値に制御するためのものである。蒸着レート制御部11は、水晶振動子20と、コントローラ21とを備える。水晶振動子20表面には、被コーティング材料表面の蒸着レートと相関した蒸着レートで蒸着が行われるため、水晶振動子20表面の蒸着レートの変動に基づいてコントローラ21によって電子銃4の出力をフィードバック制御することによって、蒸着レートを所望の値に維持することが可能である。
【0048】
イオン供給源12は、坩堝2に保持された蒸着材料に対して、陽イオンを照射するためのものである。基本的にはイオン供給源7と同等の構造を有し、電子銃4から出力される電子ビームによって生じた蒸着材料表面における電気的極性を緩和もしくは解消する極性緩和手段としての機能を有する。イオン供給源12を設けたことによる利点等については後に詳説する。
【0049】
次に、本実施の形態にかかる成膜装置を用いた半導体レーザ素子の製造方法について説明する。図2は、半導体レーザ素子の製造方法を示すフローチャートであって、以下において、図2のフローチャートに従って説明を行う。
【0050】
まず、半導体基板上に所望の半導体層を積層する(ステップS101)。具体的には、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法や、MOVPE(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法等によってクラッド層、活性層等を積層する。クラッド層、活性層等を積層した後、例えばリッジ型半導体レーザ素子であればエッチング等を行ってメサ状のリッジ構造を形成する。さらに、所定の絶縁膜および電極形成、基板研磨等を施すことによって、半導体基板上に多数の素子からなる半導体結晶を形成する。
【0051】
そして、ステップS101で形成した半導体結晶を小片に分離する(ステップS102)。図3は、半導体レーザ素子を製造する場合の小片の構造を示す図である。図3に示すように、分離された小片は、複数の半導体レーザ素子が共振器方向に対して垂直の方向に結合したバー状の形状を有し、劈開によって新たに形成された出射側端面形成予定面22及び反射側端面形成予定面23は、個々の半導体レーザ素子に分離した際に出射側端面および反射側端面を形成する。
【0052】
そして、分離した小片を治具機構5、6に固定し、本実施の形態にかかる成膜装置に導入する(ステップS103)。ここで、分離した小片は、図3に示す出射側端面形成予定面22を形成する劈開面が露出するよう固定される。
【0053】
その後、所定の前処理を行う(ステップS104)。具体的には、真空容器1内部を高真空程度に真空引きした上で、坩堝2に保持された蒸着材料に対して電子銃4から電子ビームを照射することで坩堝2に保持された蒸着材料を融解し、蒸発させる。なお、本ステップは蒸着材料の蒸発量が安定化するまで継続し、その間シャッター9は閉じられた状態を維持する。
【0054】
そして、蒸発量が安定化した後にシャッター9を開き、坩堝2に保持された蒸着材料に対して新たにイオン供給源12からOを照射しつつ、電子ビームによって治具機構5、6に固定した半導体小片表面上に薄膜構造を蒸着する(ステップS105)。ここで、薄膜構造の蒸着レートは、0.05nm/秒〜0.50nm/秒とする。蒸着レートを低い値としたのは、緻密な薄膜構造を蒸着するためである。照射するOの量は、電子ビームによって供給されるマイナス電荷を緩和若しくは解消する程度とし、また、蒸着レート制御部11によってフィードバック制御を行うことで、所望の蒸着レートを維持する。なお、本ステップにおいて、治具機構5、6は軸C3を中心として公転し、必要に応じてそれぞれ軸C、Cを中心として自転する事によって半導体小片表面上に均一に薄膜構造を蒸着している。
【0055】
そして、シャッター開閉制御部10の制御によって、シャッター9を閉じる(ステップS106)。具体的には、シャッター開閉制御部10はモニタガラス15表面の光反射率をモニタリングし、所定の光反射率に到達した時点でコントローラ18からシーケンサ19に対して制御信号が出力される。かかる制御信号を受けてシーケンサ19はシャッター9を閉じ、蒸着が終了する。
【0056】
最後に、半導体小片の反射側端面が露出するよう治具機構5、6に再度固定し、必要に応じて蒸着材料および蒸着レートを変更した上でステップS104〜S106を繰り返して薄膜構造を成膜等した後、半導体小片を個々の半導体素子に分離する(ステップS107)。以上で半導体レーザ素子の製造が完了する。
【0057】
本実施の形態にかかる成膜装置がイオン供給源12を備え、ステップS105において蒸着材料に対してOを照射する理由について以下に説明する。既に述べたように、EB蒸着装置によって被コーティング材料表面上に蒸着を行う際に、蒸着材料が固化することによって蒸着レートが大きく変動する問題が存在する。かかる問題は、電子ビームの使用が何らかの関係を有しているものと推測される。
【0058】
また、EB蒸着装置においても、電子ビームの強度が高いケースでは蒸着材料の固化は生じず、電子ビームの強度が低い、低蒸着レートの場合に生じることが本願発明者等によって確認されている。さらに、蒸着材料の導電率によっても固化の発生確率は異なり、導電率が低い蒸着材料を用いた場合に固化が生じやすいことも確認されている。これらの事実から、電子ビームが有する電気的極性に起因して蒸着材料の固化が生じるものと考えられる。
【0059】
電子ビームは、所定のエネルギーによって加速された電子によって形成され、電子ビームが坩堝2に保持された蒸着材料に電子ビームが照射される態様は模式的に図4に示す通りになる。図4に示すように、電子ビームを形成する電子は、蒸着材料に衝突することで蒸着材料を加熱し、溶融部分24を形成する。そして、溶融した蒸着材料の一部は蒸発し、被コーティング材料表面に到達することで蒸着は行われる。
【0060】
一方、電子はマイナスの電荷を有することから、蒸着材料表面には運動エネルギーの他にマイナスの電荷が供給され、かかるマイナスの電荷が表面に存在することで、蒸着材料表面近傍に電界が生じる。電子ビームの強度に対して生じる電界の強度が軽微である場合には図4に示すように特に問題とならず、所定の蒸着レートで被コーティング材料表面に蒸着を行うことが可能である。一方、電子ビームの強度が低い場合や、何らかの原因で蒸着材料表面に多量の電子が蓄積された場合には、蓄積された電子によって形成された電界の影響を受け、新たに照射される電子が坩堝2に保持された蒸着材料に到達できなくなる。図5は、既に照射された電子が蒸着材料表面に多量に蓄積された状態を示す模式図である。図5に示すように、特に低い蒸着レートの場合、すなわち低いエネルギーの電子ビームを照射した場合には、既に蒸着材料表面に多量に蓄積された電子によって生じる電界によって新たな電子が蒸着材料に到達できなくなっている。そして、新たな電子が到達しないことによって、蒸着材料に対するエネルギーの供給が停止し、蒸着材料の温度が低下して蒸着材料が固化する。
【0061】
このため、本実施の形態にかかる成膜装置は、イオン供給源12を設け、坩堝2に保持された蒸着材料に陽イオンを照射することで蒸着材料の固化を防止する構造を有する。かかる構造を有することで以下の利点が生じる。
【0062】
まず、坩堝2に保持された蒸着材料に陽イオンを照射することで、電子ビームによって供給されたマイナス電荷を低減若しくは解消することができる。図6は、イオン供給源12によって新たにプラス電荷が供給されている様子を示す模式図である。図6に示すように、電子銃4によって蒸着材料に照射された電子に対して、新たにイオン供給源12によって陽イオンが照射されることで、電気的極性の中和が生じている。かかる中和によってマイナス電荷を解消することで新たな電子の浸入を妨げる電界が低減若しくは解消されるため、新たに照射される電子ビームは電界による障害を受けることなく蒸着材料表面に到達し、蒸着材料にエネルギーを与える。従って、蒸着材料の固化が生じることなく、安定して蒸着材料は蒸発し、被コーティング材料表面における蒸着レートが安定化する。図7は、本実施の形態にかかる成膜装置の動作時における電子銃4から出力される電子ビームのエネルギーおよび蒸着レートの時間変化を示すグラフである。図7において、実線は電子ビームのエネルギーの変化を示し、破線は蒸着レートの変化を示す。図9と比較すると明らかなように、蒸着動作が開始される時刻tから終了する時刻tまでの期間において蒸着レートが急激に変化することはなく、安定した蒸着レートで蒸着が行われることが示されている。
【0063】
また、フィードバック制御が容易となる利点も有する。従来は、固化を生じないまでも、一定量の電子が蒸着材料表面に蓄積されることで新たに照射される電子が減速されることによって多少なりとも蒸着レートが変動し、フィードバック制御によって電子ビームの出力を変化させる必要があった。本実施の形態では、イオン供給源12から陽イオンを照射することとしたため、かかる場合でも蒸着材料表面に蓄積されるマイナス電荷の量を低減もしくは解消することで蒸着レートの変動を低減若しくは解消することが可能となる。そのため、フィードバック制御が容易化するという利点を有する。図7においても、図9と比較して電子銃4から出力される電子ビームのエネルギーは安定しており、フィードバック制御が容易であることを示唆している。
【0064】
さらに、本実施の形態では、イオン供給源12から供給される陽イオンをOとし、蒸着材料をAlとしている。このため、供給される陽イオンが蒸着材料を構成する元素と同一であり、蒸着材料が不純物によって汚染されることがない。このため、本実施の形態にかかる成膜装置では、イオン供給源12を設けたことによって成膜される薄膜構造の膜質を悪化することなく蒸着レートを安定化する事ができるという利点も有する。
【0065】
(変形例)
既に述べたように本実施の形態にかかる成膜装置は、EB蒸着装置に限定されるものではなく、荷電粒子を成膜材料に対して照射するメカニズムを有する成膜装置であればEB蒸着装置以外を用いることが可能である。このような成膜装置の一例として、スパッタリング装置が挙げられる。
【0066】
スパッタリング装置は、Ar等の陽イオンを電界で加速し、かかる陽イオンを成膜材料に衝突させてエネルギーを与えることで成膜材料を被コーティング材料まで輸送し、被コーティング材料表面上に成膜を行う。このため、成膜材料表面には、衝突した陽イオンに起因した電荷が蓄積される。
【0067】
従って、スパッタリング装置においても成膜材料表面に蓄積された電荷が成膜レートに影響を与えるおそれがある。そのため、Ar供給源の他に、成膜材料に対してArと反対の電気的極性を有する荷電粒子、例えば電子を供給するイオン供給源を設けることが有効である。これにより、スパッタリングを行う際に陽イオンの照射を行いつつ、電子若しくは陰イオンを成膜材料に照射することが可能となり、Arによって生じた電気的極性を緩和若しくは解消する事が有効である。
【0068】
なお、本実施の形態およびその変形例にかかる成膜装置において、成膜材料が絶縁体であることを前提に説明したが、完全な絶縁体以外にも、一定の電気抵抗を有する成膜材料を用いた場合や、坩堝2が絶縁材料等によって形成された場合にはイオン供給源12を設けることによる利点を享受することができる。かかる材料等を用いた場合、絶縁性の成膜材料を用いた場合と同様に成膜材料表面に電荷が蓄積されやすくなり、成膜材料の固化が生じやすくなるためである。
【0069】
また、成膜対象についても、実施の形態では半導体レーザ素子の表面に成膜を行う例について説明したが、これ以外の半導体素子、例えば発光ダイオード、受光素子、半導体導波路、半導体光増幅器等における薄膜構造の成膜に関しても、本実施の形態にかかる成膜装置を用い、上記した製造方法を用いて製造することができる。また、半導体素子のみならず、例えば、光学フィルタ、光ファイバ、WDMフィルタ、光学レンズ等を含む一般的な光学素子の表面のコーティングに際して本実施の形態にかかる成膜装置および成膜方法を利用することで、光学特性に優れた光学フィルタ等を製造することができる。他にも、精密な膜厚制御が要求される対象のすべてについて、本発明を適用して薄膜構造を成膜することが可能である。
【0070】
さらに、本実施の形態にかかる成膜装置の動作において、ステップS105で電子ビームの照射と陽イオンの照射とを同時に行うこととしているが、別個独立に行っても構わないことはもちろんである。また、イオン供給源12から照射される陽イオンの量について、電子ビームの量と相関を持たせても良い。さらに、照射する陽イオンについて、O以外にも、例えば、水素、塩素等をイオン化した陽イオンや、これらの混合物を用いても良い。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜9の発明によれば、成膜材料に対して荷電粒子を衝突させることで成膜材料にエネルギーを与えて成膜対象表面の成膜を行う成膜装置において、成膜材料表面に蓄積された電荷を緩和若しくは解消する極性緩和手段を設けることで成膜材料の固化を防止し、安定した成膜レートで成膜を行うことで、優れた特性の薄膜構造を成膜できるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項10〜19の発明によれば、成膜材料に対して荷電粒子の衝突によってエネルギーを与えると共にかかる荷電粒子の電気的特性を緩和若しくは解消する極性緩和工程を行う構成としたため、成膜材料表面上に荷電粒子による電荷の蓄積を緩和若しくは解消することができ、成膜動作中における成膜材料の固化を防止し、優れた特性の薄膜構造を成膜できるという効果を奏する。
【0073】
また、請求項20の発明によれば、光学素子の製造において、上記の成膜方法を用いる構成としたため、光学素子の光出射面または/および受光面において特性の優れた薄膜構造を成膜する事ができ、光学特性に優れた光学素子を製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる成膜装置の構造を示す模式図である。
【図2】実施の形態にかかる成膜装置を用いた半導体レーザ素子の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】半導体レーザ素子を製造する場合に被コーティング材料となる半導体小片の構造を示す図である。
【図4】通常の成膜時において電子ビームの照射によって蒸着材料が蒸発する様子を示す模式図である。
【図5】電子ビームによって多量のマイナス電荷が蒸着材料表面に蓄積された状態を示す模式図である。
【図6】本実施の形態にかかる成膜装置において、イオン供給源から陽イオンが照射されることによって蒸着材料表面に蓄積されたマイナス電荷が解消される状態を示す模式図である。
【図7】本実施の形態にかかる成膜装置における電子ビームの出力と蒸着レートの時間変化を示すグラフである。
【図8】従来技術にかかるEB蒸着装置の構造を示す模式図である。
【図9】従来技術にかかるEB蒸着装置における電子ビームの出力と蒸着レートの時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1     真空容器
2     坩堝
3     冷却部
4     電子銃
5     治具機構
6     治具機構
7     イオン供給源
8     ニュートラライザ
9     シャッター
10   シャッター開閉制御部
11   蒸着レート制御部
12   イオン供給源
13   モニタ光源
14   ミラー
15   モニタガラス
16   ミラー
17   反射光受光部
18   コントローラ
19   シーケンサ
20   水晶振動子
21   コントローラ
22  出射側端面
23  反射側端面
24  溶融部分

Claims (20)

  1. 真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜装置であって、
    前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持手段と、
    前記材料に対して所定の運動エネルギーを有する第1の荷電粒子を衝突させ、該衝突により前記材料にエネルギーを与えて前記成膜対象の表面に到達させるエネルギー供給手段と、
    前記第1の荷電粒子の衝突によって生じた前記材料の電気的極性を緩和もしくは解消する極性緩和手段と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記極性緩和手段は、前記第1の荷電粒子と相反する電気的極性を有する第2の荷電粒子を前記材料に照射し、電気的極性を緩和もしくは解消することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記材料は、電気的に絶縁性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記第1の荷電粒子は電子であり、前記第2の荷電粒子は陽イオンであることを特徴とする請求項2または3に記載の成膜装置。
  5. 前記材料は、Al、SiOまたはTaのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の成膜装置。
  6. 前記第2の荷電粒子は、Oを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の成膜装置。
  7. 前記第2の荷電粒子は、Oを陽イオン化したものであることを特徴とする請求項6に記載の成膜装置。
  8. 前記第2の荷電粒子は、水素、塩素若しくはこれらの混合物を陽イオン化した粒子であることを特徴とする請求項2〜5に記載の成膜装置。
  9. 前記エネルギー供給手段は、前記成膜対象上における薄膜構造の成膜レートが0.05nm/秒以上、0.50nm/秒以下となるよう前記材料にエネルギーを与えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の成膜装置。
  10. 真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜方法であって、
    前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持工程と、
    前記材料に対して所定の運動エネルギーを有する第1の荷電粒子を衝突させ、前記材料に運動エネルギーを与えて前記成膜対象の表面に到達させる運動エネルギー供給工程と、
    前記第1の荷電粒子の衝突によって生じた前記材料の電気的極性を緩和若しくは解消する極性緩和工程と、
    を含むことを特徴とする成膜方法。
  11. 前記極性緩和工程は、前記第1の荷電粒子と反対の電気的極性を有する第2の荷電粒子を前記材料に照射し、電気的極性を緩和することを特徴とする請求項10に記載の成膜方法。
  12. 前記運動エネルギー供給工程と、前記極性緩和工程とを同時に行うことを特徴とする請求項10または11に記載の成膜方法。
  13. 前記材料は、電気的に絶縁性を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の成膜方法。
  14. 前記第1の荷電粒子は電子であり、前記第2の荷電粒子は陽イオンであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一つに記載の成膜方法。
  15. 前記材料は、Al、SiOまたはTaのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の成膜方法。
  16. 前記第2の荷電粒子は、Oを含むことを特徴とする請求項11〜15のいずれか一つに記載の成膜方法。
  17. 前記第2の荷電粒子は、Oを陽イオン化したものであることを特徴とする請求項16に記載の成膜方法。
  18. 前記第2の荷電粒子は、水素、塩素若しくはこれらの混合物を陽イオン化した粒子であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の成膜方法。
  19. 前記運動エネルギー供給工程において、前記成膜対象上に成膜される薄膜構造の成膜レートが0.05nm/秒以上、0.50nm/秒以下となるよう前記材料にエネルギーを与えることを特徴とする請求項10〜18のいずれか一つに記載の成膜方法。
  20. 光出射面または/および受光面を備えた光学素子の製造方法であって、
    請求項10〜19のいずれか一つに記載の成膜方法を用いて前記光出射面上または/および前記受光面上に保護膜を成膜する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
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