JP2004131782A - 成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法 - Google Patents

成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法 Download PDF

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豊崎 孝一
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Abstract

【課題】所望の光反射率を有する薄膜構造を成膜可能な成膜装置を実現すること。
【解決手段】真空容器1内に配置された坩堝2と、冷却部3と、電子銃4とを備える。また、真空容器1内には治具機構5、6が配置され、被コーティング材料に対して所定の粒子を照射可能な位置にイオン供給源7およびニュートラライザ8が配置されている。治具機構5、6と坩堝2との間には開閉可能なシャッター9が備えられ、シャッター開閉制御部10に接続されている。さらに、電子銃4は、蒸発レートを所定範囲に制御するための蒸発レート制御部11に接続されている。成膜動作前の前処理工程時から蒸発レートの制御を行うことで、成膜する薄膜構造の膜厚を精密に制御して所望の光反射率を得ることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜装置、成膜方法、光学素子の製造方法に関するものであって、特に、所望の光反射率を有する薄膜構造を成膜可能な成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば端面出射型半導体レーザ素子は、半導体基板上に活性層を含む所定の半導体層を積層し、劈開等によって形成した端面を備えた構造を有する。かかる端面は共振器を形成し、光出力窓となるため、端面の構造が半導体レーザ素子の特性に大きな影響を与える。
【0003】
半導体レーザ素子の端面には一般に誘電体膜が成膜されており、かかる誘電体膜によって端面表面を保護すると共に、誘電体膜の膜厚および誘電体膜を形成する材料を適切に選択することで光反射率を制御している。特に、誘電体膜の存在は端面における光反射率に大きな影響を与え、かかる反射率は出射されるレーザ光の特性に影響を与えることから、誘電体膜の構造および膜厚の制御は重要な問題となる。
【0004】
半導体素子表面に誘電体膜を成膜する装置としては、一例として電子ビーム加熱式真空蒸着装置(以下、「EB蒸着装置」と言う)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。図9は、従来技術にかかるEB蒸着装置の構造を示す模式図である。
【0005】
EB蒸着装置は、誘電体膜の材料を保持する坩堝101と、坩堝101に保持された材料に対して電子ビームを照射する電子銃102と、蒸着対象である半導体素子等の被コーティング材料を保持するコーティング治具103と、坩堝101と被コーティング材料とを隔てるための開閉式のシャッター104とを備える。蒸着の際には、電子銃102から出射された電子ビームが坩堝101に照射されることで保持された材料が溶融し、一部が蒸発する。かかる蒸発した材料が被コーティング材料表面に付着することによって、誘電体膜が蒸着される。
【0006】
誘電体膜の蒸着を安定して行うため、蒸着開始前にシャッター104を閉じた状態で坩堝101内に保持された材料に対して電子ビームを照射して材料を溶融させた後一定時間シャッター104を閉じた状態を維持する前処理工程を行う。そして、前処理工程を終了した後、シャッター104を開いて蒸着を開始する。蒸着開始後は、誘電体膜の膜厚等を制御するために、必要に応じて光学式膜厚モニタで反射率を測定したり、クリスタル振動式膜厚計によって膜厚を測定した結果を基に電子銃102の出力等についてフィードバック制御を行う。そして、被コーティング材料の光反射率を制御するため、モニタガラス(図示省略)等によって光反射率をモニタし、所望の光反射率に到達した時点でシャッター104を閉じ、蒸着を終了する。かかる制御を行うことで、EB蒸着装置は蒸発レートを一定の範囲に維持することができ、所望の光反射率を有する誘電体膜を形成する。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−25848号公報(第4−6頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のEB蒸着装置では、被コーティング材料表面に蒸着される誘電体膜の膜質が安定せず、上記した制御を行ったにもかかわらず被コーティング材料表面の光反射率が安定しないという問題がある。上記したように、例えば半導体レーザ素子の出射側端面の光反射率は半導体レーザ素子の特性に大きな影響を与えるため、光反射率が安定しないことは大きな問題となる。
【0009】
具体的には、蒸着開始後に蒸発レートの制御および光反射率を制御したにも関わらず、実際に形成される誘電体膜の光反射率が蒸着工程ごとにばらつくことが本願発明者等によって見出されている。一般にモニタガラス(図示省略)が配置される場所と、被コーティング材料が固定される場所は異なるため、モニタガラスの光反射率と被コーティング材料表面の光反射率とは必ずしも一致しないが、一定の相関関係を有することからモニタガラスの光反射率が一定となるよう蒸着を行った場合、被コーティング材料表面の光反射率も一定となるはずである。しかし、実際に蒸着を行った場合には、モニタガラスの光反射率が一定の値となるにも関わらず、被コーティング材料表面の光反射率についてばらつきが生じている。本願発明者等は、かかる光反射率のばらつきについて調査した結果、蒸着を開始する前の前処理時においても被コーティング材料表面に一定の膜形成が行われていることを見出している。
【0010】
前処理時には、シャッター104を閉じることで蒸着を行わないこととしているが、シャッター104を閉じても現実には坩堝101と被コーティング材料との間は完全に隔離されない。従って、図9の矢印に示すように、蒸発した材料の一部がシャッター104の外側を回り込んで被コーティング材料表面上に薄膜を形成する。前処理時に坩堝101と被コーティング材料との間を完全に隔離する構造のシャッターを実現することは容易ではない他、完全に隔離した場合には蒸着した誘電体膜が被コーティング材料からはがれやすくなる等の問題が経験則上明らかになっているため、妥当ではない。
【0011】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、所望の光反射率を有する薄膜構造を成膜可能な成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる成膜装置は、真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜装置であって、前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持手段と、成膜開始前に行う前処理時において、前記材料保持手段から蒸発する前記材料の蒸発レートを制御する第1の制御手段と、成膜開始後の前記材料の蒸発レートを制御する第2の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明によれば、シャッターを閉じた状態の前処理工程時から蒸発レートの制御を開始することとしたため、被コーティング材料表面に成膜される薄膜構造の膜厚を精密に制御することが可能となる。
【0014】
また、請求項2にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記材料に対して電子ビームを照射するビーム照射手段をさらに備え、前記第1の制御手段は、前記ビーム照射手段から照射される電子ビームの出力強度を調整することによって蒸発レートを制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3にかかる成膜装置は、上記の発明において、成膜された薄膜構造の膜厚に基づいて蒸発レートを検出するレート検出手段をさらに備え、前記第1の制御手段は、前記レート検出手段が検出した蒸発レートに基づいて制御を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記レート検出手段は、クリスタル振動測定式膜厚測定に基づいて蒸発レートを検出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第1の制御手段は、前記前処理時において、蒸発レートをほぼ一定の値に制御することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第1の制御手段は、前記前処理時において、前記材料の溶融後に制御を開始することを特徴とする。
【0019】
また、請求項7にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第1の制御手段は、前記電子銃から電子ビームの照射が開始されると同時に制御を開始することを特徴とする。
【0020】
この請求項7の発明によれば、電子ビームの照射が開始されると同時に蒸発レートの制御を行うこととしたため、成膜する薄膜構造の膜厚をさらに精密に制御することができる。
【0021】
また、請求項8にかかる成膜装置は、上記の発明において、前記第1の制御手段によって制御される蒸発レートと前記第2の制御手段によって制御される蒸発レートとがほぼ等しいことを特徴とする。
【0022】
この請求項8の発明によれば、前処理工程時における蒸発レートと、成膜時における蒸発レートとがほぼ等しくなるよう制御を行うこととしたため、前処理工程終了時から成膜動作に移行する際の蒸発レートの調整が不要となり、蒸発レートのばらつきを抑制することができる。
【0023】
また、請求項9にかかる成膜方法は、真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜方法であって、前記薄膜構造を形成する材料を溶融し、前記材料の蒸発レートを制御した状態で一定時間保持する前処理工程と、前記材料を所定の蒸発レートで蒸発させ、前記成膜対象の表面上に前記材料を成膜する成膜工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
また、請求項10にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記材料の溶融および蒸発は、電子ビームを照射することによって行われ、前記前処理工程における蒸発レートの制御は、前記電子ビームの出力強度を調整することによって行われることを特徴とする。
【0025】
また、請求項11にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記前処理工程において、蒸発レートの制御は、成膜される薄膜構造の膜厚に基づいて行われることを特徴とする。
【0026】
また、請求項12にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記前処理工程において、蒸発レートの制御は、クリスタル振動測定式膜厚測定に基づいて行われることを特徴とする。
【0027】
また、請求項13にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記前処理工程において、蒸発レートはほぼ一定の値に維持されることを特徴とする。
【0028】
また、請求項14にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記前処理工程において、溶融開始直後から蒸発レートの制御を行うことを特徴とする。
【0029】
また、請求項15にかかる成膜方法は、上記の発明において、前記前処理工程において、前記蒸発レートは、前記成膜工程における前記材料の蒸発レートとほぼ等しいことを特徴とする。
【0030】
また、請求項16にかかる光学素子の製造方法は、光出射面または/および受光面を備えた光学素子の製造方法であって、請求項9〜15のいずれか一つに記載の成膜方法を用いて前記光出射面上または/および前記受光面上に保護膜を成膜する工程を含むことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかる成膜装置、成膜方法および光学素子の製造方法の好適な実施の形態について説明する。図面の記載において、同一または類似部分には同一あるいは類似な符号、名称を付している。また、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0032】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる成膜装置の構造を説明する。本実施の形態1にかかる成膜装置は、成膜動作時に成膜材料の蒸発量を制御するのみならず、成膜動作前の前処理時においても成膜材料の蒸発量を制御する機能を有する。なお、以下においては成膜装置の一例として、EB(Electron Beam:電子ビーム)蒸着装置について説明を行うが、本発明の適用対象はEB蒸着装置に限定されず、例えば、スパッタリング装置等に対しても適用することが可能である。
【0033】
図1は、実施の形態1にかかる成膜装置の構造を示す模式図である。本実施の形態1にかかる成膜装置は、真空容器1内に配置された坩堝2と、坩堝2の温度上昇を抑制するための冷却部3と、坩堝2に電子ビームを照射するための電子銃4とを備える。また、真空容器1内には被コーティング材料を保持するための治具機構5、6が配置され、被コーティング材料に対して所定の粒子を照射可能な位置にイオン供給源7およびニュートラライザ8が配置されている。また、治具機構5、6と坩堝2との間には開閉可能なシャッター9が備えられ、シャッター9の開閉を制御するシャッター開閉制御部10に接続されている。さらに、電子銃4は、蒸発レートを所定範囲に制御するための蒸発レート制御部11に接続されている。
【0034】
坩堝2は、蒸着を行う材料を保持するためのものである。具体的には、坩堝2は、例えばCuを材料とした容器によって形成され、保持される蒸着材料は、例えばAlとする。
【0035】
冷却部3は、蒸着工程時に坩堝2の昇温を抑制するためのものである。冷却部3を設けたのは、蒸着工程時において蒸着材料は電子ビームによって加熱されるため、坩堝2の温度上昇を抑制し、坩堝2の損傷を防ぐためである。具体的には、冷却部3は、例えば水冷式の機構を備えることで坩堝2の昇温を抑制する。
【0036】
電子銃4は、坩堝2に保持された蒸着材料に対して電子ビームを照射するためのものである。電子銃4は、例えば熱電子放出フィラメントを備え、かかるフィラメントを加熱することで電子を放出し、所定の加速電圧を印加することで所望のエネルギーを有する電子ビームを出力する機能を有する。出力された電子ビームは、図示を省略した磁界印加部によって軌道が曲げられて蒸着材料に到達する。
【0037】
治具機構5、治具機構6は、被コーティング材料を保持するためのものである。治具機構5および治具機構6は軸Cを中心として公転可能な構造を有し、それぞれ必要に応じて軸C、Cを中心として自転可能な構造を有する。かかる回転機構を備えることで、蒸発した蒸着材料の密度が場所依存性による影響を低減している。
【0038】
イオン供給源7は、被コーティング材料表面上に蒸着する薄膜構造から脱離する元素を補うためのものである。例えば、蒸着材料としてAlを用いた場合、Alに比してOの脱離が生じやすいため、安定して蒸着を行うためにOを被コーティング材料に対して供給する必要がある。このため、本実施の形態1においてイオン供給源7はOを出力する。
【0039】
ニュートラライザ8は、イオン供給源7によって供給されるイオンに起因した被コーティング材料表面の電荷を相殺するためのものである。本実施の形態1においては、イオン供給源7は陽イオンを供給するため、被コーティング材料表面に電子ビームを照射することで電荷を相殺する機能を有する。
【0040】
シャッター9は、蒸着工程の開始および終了を制御するためのものである。シャッター9は開閉可能な構造を有し、かつ坩堝2と治具機構5、6との間に配置されている。シャッター9を開閉する事によって、被コーティング材料表面に対する蒸着の開始及び終了を制御する。
【0041】
シャッター開閉制御部10は、シャッターの開閉を制御するためのものである。シャッター開閉制御部10は、モニタ光源13と、モニタ光源13から出力されるレーザ光の光路上に順次ミラー14、モニタガラス15、ミラー16、反射光受光部17を有する。モニタ光源13から出力されたレーザ光は、ミラー14で反射された後にモニタガラス15に入射し、モニタガラス15の表面で反射した後、再びミラー16で反射され、反射光受光部17に入力される。反射光受光部17は、受光した光の強度に応じた電気信号をコントローラ18に出力し、コントローラ18は受信した電気信号に基づいた制御信号をシーケンサ19に出力する。制御信号を受信したシーケンサ19は、かかる制御信号に基づいてシャッター9を開閉させる。
【0042】
蒸着工程時において、モニタガラス15表面上に成膜される薄膜構造の膜厚は被コーティング材料表面の薄膜構造の膜厚と相関関係を有する。そのため、被コーティング材料表面の反射率とモニタガラス15表面の反射率とは一定の相関関係を有し、モニタガラス15表面の光反射率を測定することで被コーティング材料表面の反射率を推定することができる。従って、モニタガラス15表面の光反射率が一定の値に達した際にシャッター9を閉じると共に、電子ビームの照射を中止して蒸着を停止することにより、被コーティング材料表面の反射率を制御している。
【0043】
蒸発レート制御部11は、蒸着材料の蒸発レートを所望の値に制御するためのものである。蒸発レート制御部11は、水晶振動子20と、コントローラ21とを備える。水晶振動子20表面には、被コーティング材料表面の膜厚の変動と相関して蒸着が行われるため、水晶振動子20表面に成膜される膜構造の膜厚の変動に基づいてコントローラ21によって電子銃4の出力をフィードバック制御することによって、蒸発レートを所望の値に維持することが可能である。なお、本実施の形態1にかかる成膜装置においては、蒸発レート制御部11は蒸着工程時のみ動作するのではなく、蒸着工程前に行われる前処理時においても機能し、前処理時においても蒸発レートを所望の値に制御している。
【0044】
つぎに、本実施の形態1にかかる成膜装置の動作について、成膜装置を用いた半導体レーザ素子の製造方法を例にして説明する。図2は、本実施の形態1にかかる成膜装置を用いて半導体レーザ素子を製造する工程を示すフローチャートであり、以下図2を適宜参照して説明する。
【0045】
まず、半導体基板上に所望の半導体層を積層する(ステップS101)。具体的には、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法や、MOVPE(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)法等によってクラッド層、活性層等を積層する。クラッド層、活性層等を積層した後、例えばリッジ型半導体レーザ素子であればエッチング等を行ってメサ状のリッジ構造を形成する。さらに、所定の絶縁膜および電極形成、基板研磨等を施すことによって、半導体基板上に多数の素子からなる半導体結晶を形成する。
【0046】
そして、ステップS101で形成した半導体結晶を小片に分離する(ステップS102)。図3は、半導体レーザ素子を製造する場合の小片の構造を示す図である。図3に示すように、分離された小片は、複数の半導体レーザ素子が共振器方向に対して垂直の方向に結合したバー状の形状を有し、劈開によって新たに形成された出射側端面形成予定面22及び反射側端面形成予定面23は、個々の半導体レーザ素子に分離した際に出射側端面および反射側端面を形成する。
【0047】
そして、分離した小片を治具機構5、6に固定し、本実施の形態にかかる成膜装置に導入する(ステップS103)。ここで、分離した小片は、図3に示す出射側端面形成予定面22を形成する劈開面が露出するよう固定される。なお、本ステップにおいてシャッター9は閉じられており、後述のステップS104が終了するまでシャッター9は閉じた状態を維持する。分離した小片を固定した後、成膜装置内部を外気から遮断し、粗挽きポンプで成膜装置の内部を中真空程度(0.1Pa程度)にまで真空引きした後、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等によって高真空程度(10−4Pa程度)の状態にする。
【0048】
その後、シャッター9を閉じた状態で坩堝2に保持された蒸着材料を融解し、蒸着材料の蒸発レートを一定時間制御する(ステップS104)。具体的には、電子銃4から高出力の電子ビームを出力し、かかる電子ビームを蒸着材料に照射することで蒸着材料を一定時間昇温し、蒸着材料を溶融する。その後、溶融した蒸着材料は蒸発し始めることから、かかる蒸発する割合について制御し、蒸発レートを制御する必要があるためである。具体的には、蒸発レート制御部11を構成する水晶振動子20表面に蒸着される膜構造の膜厚の変動に基づいて、コントローラ21が電子銃4の出力を制御する。水晶振動子20表面の膜厚の変動と蒸着材料の蒸発量とは相関関係を有することから、蒸発レート制御部11によって蒸発レートを制御することで、蒸発レートを制御することができる。
【0049】
その後、シャッター9を開き、分離した小片の出射側端面形成予定面22上に蒸着を行う(ステップS105)。具体的には、あらかじめ設定した蒸発レートになるよう蒸発レート制御部11によって電子銃4から出力される電子ビームの強度を制御しつつ、所望の蒸発レートで蒸着を行う。なお、本ステップにおいて、治具機構5、6は軸Cを中心として公転し、必要に応じて軸C、Cを中心として自転することによって半導体小片の表面上に均一に薄膜構造を蒸着する。
【0050】
そして、シャッター開閉制御部10の制御によって、シャッター9を閉じる(ステップS106)。具体的には、シャッター開閉制御部10はモニタガラス15表面の光反射率をモニタリングし、所定の光反射率に到達した時点でコントローラ18からシーケンサ19に対して制御信号が出力される。かかる制御信号を受けてシーケンサ19はシャッター9を閉じ、蒸着が終了する。
【0051】
最後に、半導体小片の反射側端面が露出するよう治具機構5、6に再度固定し、必要に応じて蒸着材料および蒸発レートを変更した上でステップS104〜S106を繰り返して薄膜構造を成膜等した後、半導体小片を個々の半導体素子に分離する(ステップS107)。以上で半導体レーザ素子の製造が完了する。
【0052】
図4は、ステップS104〜ステップS106において電子銃4に与えられる電力の値の時間変化の一例を示すグラフである。ここで、時刻tは、蒸着材料の融解を開始する時刻、すなわちステップS104が開始される時刻であって、時刻tは、ステップS104において、蒸発レートの制御が開始される時刻である。また、時刻tは、ステップS105が開始される時刻であって、時刻tは、ステップS106でシャッターが閉じられる時刻である。
【0053】
本実施の形態1にかかる成膜装置は、図4にも示すように、蒸着工程時のみならず、蒸着前のいわゆる前処理工程においても蒸着材料の蒸発レートを制御することとしている。これにより、以下の利点が生じる。
【0054】
まず、既に説明したように、前処理工程を行う際にも、実際には被コーティング材料の表面上には薄膜形成が行われている。従来は電子ビームの強度についてフィードバック制御することなく前処理工程を行っていたため、前処理工程における蒸着材料の蒸発レートは安定しなかった。従って、前処理工程においてシャッター9を回り込んで被コーティング材料の表面に形成される膜構造の膜厚、膜質は蒸着動作ごとに異なることとなる。蒸着工程時のフィードバック制御にも関わらず、被コーティング材料表面の光反射率にはばらつきが生じていた。
【0055】
本実施の形態1では、蒸着工程(ステップS105)のみならず、前処理工程(ステップS104)における蒸着材料の蒸発レートについても所望の値に制御することで、前処理工程において形成される膜構造の膜厚および膜質を安定化している。図5は、前処理工程のみ行い、蒸着工程を省略した場合における被コーティング材料表面に形成された膜構造の膜厚について、成膜装置の使用回数に対する変動を示すグラフである。ここで、曲線lは、本実施の形態1にかかる成膜装置に関するものであり、曲線lは、従来の成膜装置であって、前処理工程において電子銃に入力する電力値を一定にした場合における値を示している。電力の値と蒸着材料に照射される電子ビームの強度とは成膜動作ごとに変動することから、曲線lに示すように電力値を一定にしても膜構造の膜厚が成膜装置の使用回数に応じて変動する。これに対し、本実施の形態1にかかる成膜装置では前処理工程時に蒸発レートを制御することとしたため、曲線lに示すように成膜装置の使用回数に関わらず膜構造の膜厚はほぼ一定の値となる。
【0056】
蒸着工程時に成膜される薄膜構造の膜質および膜厚を蒸発レート制御部11によって制御し、前処理工程における膜構造の膜厚および膜質が安定化することで、被コーティング材料表面の反射率の変動を抑制することが可能となる。図6は、前処理工程および蒸着工程を行った後の被コーティング材料表面の光反射率の変動を示すグラフである。なお、曲線lは本実施の形態1にかかる成膜装置によって蒸着された被コーティング材料の光反射率を示し、曲線lは従来の成膜装置による光反射率を示す。
【0057】
図6の曲線lと曲線lとを対比すると明らかなように、本実施の形態1にかかる成膜装置では、被コーティング材料表面の光反射率は若干変動するものの、変動範囲は従来と比較して小さい値に抑制されていることが分かる。このため、例えば、半導体レーザ素子を製造するにあたって本実施の形態1にかかる成膜装置を使用した場合、端面が所望の光反射率を有し、光学的特性に優れた半導体レーザ素子を製造することが可能となる。実際に、本実施の形態1にかかる成膜装置を使用して製造した半導体レーザ素子について閾値電流値を調べたところ、従来の成膜装置を使用した場合と比較して閾値電流値の変動範囲は狭くなることが本願発明者等によって確認されている。
【0058】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかる成膜装置について説明する。本実施の形態2にかかる成膜装置は、前処理時であって、蒸着材料の溶融前から蒸発レートの制御を行う構造を有する。その他の、例えば成膜装置の構造については以下で特に言及しない限り実施の形態1と同様とし、実施の形態2にかかる成膜装置の構造等については図1等を適宜用いて説明を行う。
【0059】
図7は、本実施の形態2にかかる成膜装置において、電子銃4に与えられる電力値の変化の一例を示すグラフである。本実施の形態2にかかる成膜装置は、蒸着材料を融解する際にも蒸発レート制御部11による制御を行っている。
【0060】
一般に、蒸着材料を溶融するために必要なエネルギーは蒸着材料の量等の諸条件によって変動する。しかし、従来は経験則に基づいて電子銃4の出力および溶融に費やす時間を一様に決定する等の手法を採用していたため、必要なエネルギーの変動に対して有効に機能していなかった。
【0061】
そのため、例えば蒸着材料が通常よりも少ない場合には、蒸着材料は容易に溶融し、蒸発レートの制御を開始する前に蒸着材料の蒸発および被コーティング材料表面上への成膜が始まる。従来はこの時点で蒸発レートの制御は何らなされていなかったため、この時点で形成される膜構造の膜質および膜厚についてばらつきが生じるおそれがあった。
【0062】
また、電子ビーム照射開始直後にも、実際には蒸着材料の一部はわずかながらも蒸発を開始する。従って、蒸着材料を溶融させている間にも被コーティング材料の表面上には膜構造が形成されることとなる。
【0063】
そこで、本実施の形態2にかかる成膜装置は、蒸着材料に電子ビームの照射を開始した直後から蒸発レート制御部11によって蒸発量の制御を行うこととしている。これにより、蒸着工程前の蒸発量をさらに安定化することが可能となり、光反射率のばらつきをさらに抑制することができる。
【0064】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3にかかる成膜装置について説明する。実施の形態3にかかる成膜装置では、前処理工程における蒸発レートと、蒸着工程における蒸発レートとが等しくなるよう制御を行うことを特徴とする。なお、実施の形態3にかかる成膜装置の構造は実施の形態1および実施の形態2にかかる成膜装置と同様であるものとする。
【0065】
蒸着工程における蒸発レートと前処理工程における蒸発レートとが相違する場合、シャッター9を開いて蒸着工程を開始した後に蒸発レートを調整する必要がある。ここで、調整に要する時間は、蒸発材料に対する電子ビームの照射状態、蒸発材料の充填状態、坩堝2を冷却する冷却部3内を流れる冷却水の温度変動等によって変動する。このため、蒸着工程における蒸発レートと前処理工程における蒸発レートとが相違する場合には、調整に要する時間も成膜装置の動作ごとに変動することとなる。
【0066】
かかる各種外乱要因によって調整に要する時間が変動する場合、調整期間内の蒸発量が成膜装置の動作ごとに相違する可能性があり、蒸発量が変化した結果、被コーティング材料表面の光反射率が変動するおそれがあった。このため、本実施の形態3にかかる成膜装置では、前処理工程における蒸発レートと蒸着工程時における蒸発レートとが一致するよう蒸発レート制御部11によって制御を行う構造を有することとしている。かかる構造により、前処理工程から蒸着工程に移行する際の蒸発レートの調整が不要となるため、かかる調整時における蒸発量のばらつきを防止することができる。
【0067】
また、本実施の形態3にかかる成膜装置では、制御アルゴリズムを単純化することが可能となる。すなわち、蒸発レート制御部11は、単一の蒸発レートとなるよう電子銃4の制御を行えばよいため、制御内容が簡素化し、制御アルゴリズムを単純化することが可能となる。
【0068】
以上、実施の形態1〜3に渡って本発明にかかる成膜装置、成膜方法および半導体レーザ素子の製造方法について説明したが、本発明はこれら実施の形態に限定されるのではなく、当業者であれば上記の記載内容に基づいて様々な実施例、変形例に想到することが可能である。例えば、実施の形態1〜3において、蒸着前に行う制御によって蒸発レートは一定の割合に維持されているが、時間経過に応じて蒸発レートが変化することとしても良い。本発明はあくまで成膜前における蒸発レートが成膜動作ごとに変動することを抑制する趣旨でなされたものであり、成膜動作ごとにほぼ同様の蒸発レートを実現できるのであれば、必ずしも一定の蒸発レートとする必要はない。
【0069】
また、実施の形態2および実施の形態3では、図7および図8を用いて蒸着前の蒸発レートについて説明したが、電子銃4に与えられる電力値は図7、図8に示されるものに限定されない。蒸着装置の構造等によっては一定の蒸発量を維持するように制御した場合に蒸着材料の溶融直後等に電力値が変動する場合もあり、必ずしも電力値が一定の値で推移するとは限らない。
【0070】
また、既に説明したように本発明の適用対象は蒸着装置のみに限定されることはなく、一般的な成膜装置に対して適用することが可能である。すなわち、シャッター等によって成膜開始および終了を制御する構造の成膜装置においては、完全な遮蔽を行うことが容易ではなく、実際にはシャッター等を閉じた状態であっても被コーティング材料の表面上に膜構造が形成される場合がある。かかる場合に本発明を適用することで、被コーティング材料表面上に安定した薄膜構造を得ることが可能となり、光反射率や膜厚を安定させることが可能となる。
【0071】
さらに、被コーティング材料の例として半導体レーザ素子の劈開面を用いて説明したが、これ以外にも、例えば発光ダイオード、受光素子、半導体導波路、半導体光増幅器等における薄膜構造の成膜に関しても、本実施の形態にかかる成膜装置を用い、上記した製造方法を用いて製造することができる。また、半導体素子のみならず、例えば、光学フィルタ、光ファイバ、WDMフィルタ、光学レンズ等を含む一般的な光学素子の表面のコーティングに際して本実施の形態にかかる成膜装置および成膜方法を利用することで、光学特性に優れた光学フィルタ等を製造することができる。他にも、精密な膜厚制御が要求される対象のすべてについて、本発明を適用して薄膜構造を成膜することが可能である。また、実施の形態1〜3においては、蒸着材料の例としてAlを用いて説明を行ったが、かかる誘電体材料のみならず、金属材料等を蒸着材料として使用することも可能である。
【0072】
また、実施の形態1〜3では、蒸着開始前の蒸発レートの制御と、蒸着開始後の蒸発レートの制御を同一の蒸発レート制御部11によって行うこととしたが、複数の制御部を設けて別々に行っても良い。例えば、蒸着開始前の蒸発レートの制御を行う制御部を坩堝2近傍に設け、蒸着開始後の蒸発レートの制御を行う制御部を治具機構5もしくは治具機構6の近傍に設ける構造としても良い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、シャッターを閉じた状態の前処理工程時から蒸発レートの制御を開始する構成としたため、被コーティング材料表面に成膜された薄膜構造の膜厚を精密に制御することが可能となり、被コーティング材料表面において所望の光反射率を実現できるという効果を奏する。
【0074】
また、この発明によれば、材料の溶融開始直後から蒸発レートの制御を行う構成としたため、蒸着開始前の材料の溶融時における蒸発レートについても制御することが可能となり、薄膜構造の膜厚をさらに精密に制御できるという効果を奏する。
【0075】
また、この発明によれば、シャッターを閉じた状態の前処理工程における蒸発レートと、シャッターを開いた状態の成膜動作時の蒸発レートとが等しくなるよう制御を行う構成としたため、前処理工程終了時から成膜動作に移行する際の蒸発レートの調整が不要となり、蒸発レートのばらつきを抑制して、薄膜構造の膜厚をさらに精密に制御できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる成膜装置の構造を示す模式図である。
【図2】実施の形態1にかかる成膜装置を用いた半導体レーザ素子の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】半導体レーザ素子を製造する際の小片の構造を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる成膜装置の動作時において、電子銃に与える電力値の時間変化を示すグラフである。
【図5】実施の形態1にかかる成膜装置と従来の成膜装置に関して、前処理工程のみを行った場合に成膜される薄膜構造の膜厚のばらつきの違いを示すグラフである。
【図6】実施の形態1にかかる成膜装置と従来の成膜装置に関して、成膜を行った表面における反射率のばらつきの違いを示すグラフである。
【図7】実施の形態2にかかる成膜装置の動作時において、電子銃に与える電力値の時間変化を示すグラフである。
【図8】実施の形態3にかかる成膜装置の動作時において、電子銃に与える電力値の時間変化を示すグラフである。
【図9】従来技術にかかる成膜装置の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1     真空容器
2     坩堝
3     冷却部
4     電子銃
5、6 治具機構
7     イオン供給源
8     ニュートラライザ
9     シャッター
10   シャッター開閉制御部
11   蒸発レート制御部
13   モニタ光源
14   ミラー
15   モニタガラス
16   ミラー
17   反射光受光部
18   コントローラ
19   シーケンサ
20   水晶振動子
21   コントローラ
22   出射側端面形成予定面
23   反射側端面形成予定面
101 坩堝
102 電子銃
103 コーティング治具
104 シャッター

Claims (16)

  1. 真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜装置であって、
    前記薄膜構造を形成する材料を保持する材料保持手段と、
    成膜開始前に行う前処理時において、前記材料保持手段から蒸発する前記材料の蒸発レートを制御する第1の制御手段と、
    成膜開始後の前記材料の蒸発レートを制御する第2の制御手段と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記材料に対して電子ビームを照射するビーム照射手段をさらに備え、
    前記第1の制御手段は、前記ビーム照射手段から照射される電子ビームの出力強度を調整することによって蒸発レートを制御することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 成膜された薄膜構造の膜厚に基づいて蒸発レートを検出するレート検出手段をさらに備え、
    前記第1の制御手段は、前記レート検出手段が検出した蒸発レートに基づいて制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記レート検出手段は、クリスタル振動測定式膜厚測定に基づいて蒸発レートを検出することを特徴とする請求項3に記載の成膜装置。
  5. 前記第1の制御手段は、前記前処理時において、蒸発レートをほぼ一定の値に制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の成膜装置。
  6. 前記第1の制御手段は、前記前処理時において、前記材料の溶融後に制御を開始することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の成膜装置。
  7. 前記第1の制御手段は、前記電子銃から電子ビームの照射が開始されると同時に制御を開始することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の成膜装置。
  8. 前記第1の制御手段によって制御される蒸発レートと前記第2の制御手段によって制御される蒸発レートとがほぼ等しいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の成膜装置。
  9. 真空雰囲気中で成膜対象の表面上に薄膜構造を成膜する成膜方法であって、
    前記薄膜構造を形成する材料を溶融し、前記材料の蒸発レートを制御した状態で一定時間保持する前処理工程と、
    前記材料を所定の蒸発レートで蒸発させ、前記成膜対象の表面上に前記材料を成膜する成膜工程と、
    を含むことを特徴とする成膜方法。
  10. 前記材料の溶融および蒸発は、電子ビームを照射することによって行われ、
    前記前処理工程における蒸発レートの制御は、前記電子ビームの出力強度を調整することによって行われることを特徴とする請求項9に記載の成膜方法。
  11. 前記前処理工程において、蒸発レートの制御は、成膜される薄膜構造の膜厚に基づいて行われることを特徴とする請求項9または10に記載の成膜装置。
  12. 前記前処理工程において、蒸発レートの制御は、クリスタル振動測定式膜厚測定に基づいて行われることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の成膜装置。
  13. 前記前処理工程において、蒸発レートはほぼ一定の値に維持されることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載の成膜方法。
  14. 前記前処理工程において、溶融開始直後から蒸発レートの制御を行うことを特徴とする請求項9〜12のいずれか一つに記載の成膜方法。
  15. 前記前処理工程において、前記蒸発レートは、前記成膜工程における前記材料の蒸発レートとほぼ等しいことを特徴とする請求項9〜14のいずれか一つに記載の成膜方法。
  16. 光出射面または/および受光面を備えた光学素子の製造方法であって、
    請求項9〜15のいずれか一つに記載の成膜方法を用いて前記光出射面上または/および前記受光面上に保護膜を成膜する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008248344A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Fujinon Corp 蒸着装置および蒸着方法
CN106191779A (zh) * 2015-04-30 2016-12-07 北京科技大学 一种聚合物真空电子束蒸发镀膜机

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