JP2002060930A - 蒸着装置及び蒸着方法 - Google Patents

蒸着装置及び蒸着方法

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JP2002060930A
JP2002060930A JP2000254123A JP2000254123A JP2002060930A JP 2002060930 A JP2002060930 A JP 2002060930A JP 2000254123 A JP2000254123 A JP 2000254123A JP 2000254123 A JP2000254123 A JP 2000254123A JP 2002060930 A JP2002060930 A JP 2002060930A
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deposition
vapor deposition
film
rate
vapor
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Hitoshi Oe
仁 大江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸着開始から蒸着終了まで常に一定の成膜レー
トで蒸着を行うことのできる蒸着装置及び蒸着方法を提
供する。 【解決手段】蒸着室1内に、蒸着源2と、蒸着流3の流
路中に蒸着対象物4を保持する蒸着対象物保持具5と、
蒸着流3の流路中に配され、蒸着対象物4上の成膜レー
トを測定する膜厚モニター6と、蒸着対象物4をその直
前で蒸着流から遮蔽しうる第1シャッター7と、膜厚モ
ニター6を蒸着流3から遮蔽しうる第2シャッター8
と、膜厚モニター6による蒸着対象物4上の成膜レート
の測定結果に基づいて蒸着源2を成膜レートが一定に保
たれるよう自動制御する成膜レート制御手段9とを設
け、蒸着開始時の膜厚モニター6における成膜レートが
安定したものになってから蒸着対象物4に対する蒸着を
開始し、蒸着対象物4に対する蒸着が開始された後は成
膜レート制御手段9により蒸着源2が常に成膜レートが
一定に保たれよう自動制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸着装置及び蒸着
方法に関し、特に、半導体レーザや光変調器、あるいは
光スイッチといった光半導体素子の製造において、光半
導体の端面への反射膜のコーティングに最適な蒸着装置
及び蒸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光半導体の一つである半導体レーザチッ
プの元となるレーザバー30の一例を図3に示す。半導
体レーザチップ31は、レーザ発振のための活性層32
と、その両側に設けられた共振器端面33,34と、こ
れら各共振器端面33,34の外面に設けられた電流注
入用電極35,36とを有しており、通常、共振器端面
33,34は反射率の制御及び結晶母体の保護(主とし
て酸化防止)のため、アルミナやアモルファスシリコン
等の誘電体膜37,38で被覆されている。誘電体膜に
は、設定した反射率の値によって、符号37で示される
ような単層膜のものや、符号38で示されるような多層
膜のものがある。このような誘電体膜37,38の形成
方法として、これまで真空蒸着法や真空スパッタリング
法などが用いられている。誘電体膜37,38は半導体
レーザチップ単位で形成されるのではなく、レーザバー
30単位で形成され、半導体レーザチップは、誘電体膜
37,38形成後レーザバー30をへき開により細かく
分割することで得られる。
【0003】図6は、上記誘電体膜37,38を真空蒸
着法で成膜する場合に使用される従来の蒸着装置の概略
構成を示す図である。この蒸着装置は、蒸着室51内
に、蒸着源52と、この蒸着源52から放出される蒸着
流53の流路中に蒸着対象物としてのレーザバー30を
保持する蒸着対象物保持具54と、蒸着流53の流路中
に配され、レーザバー30上の成膜レートを測定する膜
厚モニター55と、蒸着源52から蒸着流53を放出さ
せたり或いは遮断したりするシャッター56とを備えた
ものである。なお、図中の符号57は、蒸着源52に向
けて電子線58を照射する電子銃、符号59は、蒸着室
51内を高真空にするための真空排気部をそれぞれ示
す。
【0004】このような構成の蒸着装置を用いてレーザ
バー30上に誘電体膜を成膜する手順について説明す
る。
【0005】まず、レーザバー30を蒸着室51内に入
れ、成膜される一方の共振器端面33(34)を蒸着源
52に向けて蒸着対象物保持具54にセットする。
【0006】次に、真空排気部59から蒸着室51内の
真空排気を開始し、真空度が所定の真空度である10-6
Torrに達した時点で電子銃57の電子線58を蒸着源5
2に照射し、蒸着源52を蒸着開始温度にまで加熱して
一旦溶解し、ガス出し(プリメルト)を行うとともに、
レーザバー30及びその周辺のガス出しのための加熱を
開始する。
【0007】上記プリメルト及び加熱によって蒸着室5
1内の真空度が一旦悪くなるが、真空度が再び10-6To
rr台に回復した時点でシャッター56を開放し蒸着源5
2から蒸着流53を放出させて成膜を開始する。
【0008】成膜が開始されると、レーザバー30と膜
厚モニター55は同時に蒸着源52からの蒸着流53に
晒されることになるので、膜厚モニター55によって成
膜レートを測定しながら、成膜レートが例えば10Å/
秒となるように電子銃57から出射される電子線58の
強度を調整する。
【0009】やがてレーザバー30の共振器端面33
(34)上に所定の膜厚の誘電体膜が形成されたなら
ば、その時点でシャッター56を閉じて蒸着源52から
の蒸着流53を遮断するとともに、電子銃57をオフに
する。これで成膜を終了する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、膜厚モニタ
ー55は、一般に水晶振動子で構成されており、水晶固
有の振動数がこれに付着する蒸着物の量に応じて変化す
る性質を利用して、振動数の変化から膜厚を算出するよ
うにしている。膜厚を正確に測定するためには、水晶振
動子の振動数に温度依存性があることから、水晶振動子
自体の温度が一定であることが重要である。
【0011】ところが、上記従来の蒸着装置にあって
は、蒸着源52からの蒸着流53を遮断しているシャッ
ター56を開放した瞬間から膜厚モニター55は蒸着流
53に晒されると同時に蒸着源52からの輻射熱を受け
るため、蒸着開始直後は膜厚モニター55の温度が不安
定となり、その結果成膜レートの測定が不安定になる。
このため電子銃57の電子線58の強度も不安定なもの
になることから、図7に示すように、蒸着開始直後は安
定した成膜がされず、しばらくして膜厚モニター55の
温度が安定しだしてからはじめて安定した成膜が始まる
といった特性を有していた。
【0012】このような特性を有する蒸着装置を使用し
て半導体レーザの蒸着を行った場合、次のような不具合
が生じることになる。すなわち、蒸着開始直後の成膜レ
ートが不安定であって、特にその不安定さ故に電子銃5
7の電子線58の強度が瞬間的に強くなった場合、蒸着
源52から運動エネルギーの大きな蒸着物や迷走電子
(電子線58が蒸着源52に当たった後反跳して蒸着室
51内を飛び回る電子)が蒸着対象物であるレーザバー
の端面に当たり、これによって端面が損傷し、その結果
レーザ素子の劣化や信頼性の低下といった不具合が生じ
ることになる。
【0013】そこでこのような問題を解決するために
は、蒸着対象物30と膜厚モニター55とが蒸着開始直
後から同時に蒸着流53に晒されないようにし、膜厚モ
ニター55による成膜レートの測定が安定してから蒸着
対象物の成膜が開始されるようにする必要がある。
【0014】この点について他の従来例をみると、例え
ば特開昭58−22378号公報には、図8に示すよう
に、サイドモニター81と中央モニター82とを備え、
まずサイドモニター81で成膜レートが安定するのを確
認してから、蒸着対象物と中央モニター82とを同時に
蒸着することが開示されている。
【0015】しかしながら、この従来例では、蒸着対象
物と中央モニター82の蒸着が同時に開始されることか
ら、蒸着開始直後の中央モニター82の温度が蒸着源か
らの輻射熱によって一定せず、このため成膜レートが不
安定になるといった問題があり、先の従来例と同じ問題
点を有している。
【0016】また、特開平8−78791号公報には、
蒸着源と蒸着対象物との間に2つ以上のシャッターを設
け、蒸着源の直上のシャッタを開放した直後の成膜条件
のずれを補正し、最適の成膜条件に制御された状態での
成膜を行いうる薄膜形成装置が開示されている。
【0017】しかしながら、この従来例にあっては、膜
厚モニターから出力される信号を処理して成膜レートが
一定になるように、例えば電子銃から出射される電子線
強度の設定等蒸着源の設定を自動調整するための成膜レ
ート制御手段を備えておらず、特に蒸着対象物直下のシ
ャッターを開放した後に成膜レートをどのようにして一
定に保つのかといった点が開示されていない。
【0018】本発明は上記従来の問題点を解消すべく創
案されたもっであって、蒸着開始から蒸着終了まで常に
一定の成膜レートで蒸着を行うことのできる蒸着装置及
び蒸着方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る蒸着装置は、蒸着室内に、蒸着源と、
この蒸着源から放出される蒸着流の流路中に蒸着対象物
を保持する蒸着対象物保持具と、蒸着流の流路中に配さ
れ、蒸着対象物上の成膜レートを測定する膜厚モニター
とを備えた蒸着装置において、蒸着対象物をその直前で
蒸着流から遮蔽しうる第1シャッターと、膜厚モニター
を蒸着流から遮蔽しうる第2シャッターと、蒸着源と膜
厚モニターとの間に介装され、膜厚モニターによる蒸着
対象物上の成膜レートの測定結果に基づいて蒸着源を成
膜レートが一定に保たれるよう自動制御する成膜レート
制御手段と、が設けられたことを特徴とする。
【0020】この特定事項により、蒸着開始時の膜厚モ
ニターにおける成膜レートが安定したものになってから
蒸着対象物に対する蒸着を開始することができるととも
に、蒸着対象物に対する蒸着が開始された後は成膜レー
ト制御手段により蒸着源が常に成膜レートが一定に保た
れよう自動制御することができ、蒸着対象物に対して蒸
着開始から蒸着終了まで常に一定の成膜レートで蒸着を
行うことができる。
【0021】上記蒸着装置において、第2シャッターは
膜厚モニターの直前に配されていてもよい。
【0022】この特定事項により、第2シャッターを蒸
着源の直上に設ける場合に比べて、第2シャッターに付
着した蒸着物が蒸着源に落下して蒸着源を汚染し、成膜
品質を低下させるといったおそれを排除することができ
る。
【0023】本発明の蒸着方法は、蒸着源から放出され
る蒸着流の流路中に蒸着対象物と膜厚モニターとを配
し、この膜厚モニターで蒸着対象物上の成膜レートを測
定しながら蒸着対象物上に蒸着材料を照射して成膜する
蒸着方法において、蒸着対象物を蒸着流から遮蔽して蒸
着材料が蒸着対象物に照射されないようにする一方、膜
厚モニターにのみ蒸着材料を照射してこの膜厚モニター
により蒸着開始から所定時間経過するまでの期間の成膜
レートを測定する成膜レート事前測定工程と、この成膜
レート事前測定工程による測定によって成膜レートが一
定になったことが確認されてから蒸着対象物の蒸着流か
らの遮蔽を解除して蒸着材料を蒸着対象物に照射すると
ともに、蒸着源と膜厚モニターとの間に介装した成膜レ
ート制御手段により、蒸着源を、膜厚モニターによる蒸
着対象物上の成膜レートの測定結果に基づいて成膜レー
トが一定に保たれるよう自動制御しつつ蒸着対象物上に
成膜する成膜工程と、を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0024】この特定事項により、蒸着開始時の膜厚モ
ニターにおける成膜レートが安定したものになってから
蒸着対象物に対する蒸着を開始することができるととも
に、蒸着対象物に対する蒸着が開始された後は成膜レー
ト制御手段により蒸着源が常に成膜レートが一定に保た
れよう自動制御することができ、蒸着対象物に対して蒸
着開始から蒸着終了まで常に一定の成膜レートで蒸着を
行うことができる。
【0025】上記蒸着方法において、成膜レート事前測
定工程を実施する前に、蒸着源の温度を蒸着開始温度に
しておいてもよい。
【0026】この特定事項により、膜厚モニターによる
成膜レートの測定がより早く安定する。
【0027】また、上記の蒸着装置を用いて上記の蒸着
方法を行う場合は、蒸着源の温度を蒸着開始温度にして
から第2シャッターを開放し、蒸着材料を膜厚モニター
に照射する工程と、膜厚モニターにより成膜レートをそ
の値が一定になるまで測定する工程と、成膜レートが一
定になった後第1シャッターを開放し、蒸着材料を蒸着
対象物に照射するとともに、成膜レート制御手段によ
り、蒸着源を、膜厚モニターによる蒸着対象物上の成膜
レートの測定結果に基づいて成膜レートが一定に保たれ
るよう自動制御しつつ蒸着対象物上に成膜する成膜工程
と、を備えたものとすればよい。
【0028】この特定事項によっても、蒸着開始時の膜
厚モニターにおける成膜レートが安定したものになって
から蒸着対象物に対する蒸着を開始することができると
ともに、蒸着対象物に対する蒸着が開始された後は成膜
レート制御手段により蒸着源が常に成膜レートが一定に
保たれよう自動制御することができ、蒸着対象物に対し
て蒸着開始から蒸着終了まで常に一定の成膜レートで蒸
着を行うことができる。
【0029】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る蒸着装置の
概略構成を示す図である。
【0030】この蒸着装置は、蒸着室1内に、蒸着源2
と、この蒸着源2から放出される蒸着流3の流路中に蒸
着対象物4を保持する蒸着対象物保持具5と、蒸着流3
の流路中に配され、蒸着対象物4上の成膜レートを測定
する膜厚モニター6とを備えている。さらに蒸着室1内
には、蒸着対象物4をその直前で蒸着流3から遮蔽しう
る第1シャッター7と、膜厚モニター6を蒸着流3から
遮蔽しうる第2シャッター8と、蒸着源2と膜厚モニタ
ー6との間に介装され、膜厚モニター6による蒸着対象
物4上の成膜レートの測定結果に基づいて蒸着源2を成
膜レートが一定に保たれるよう自動制御する成膜レート
制御手段9とが設けられている。なお、図中の符号10
は、蒸着源2に向けて電子線11を照射する電子銃、符
号12は、蒸着室1内を高真空にするための真空排気部
をそれぞれ示す。
【0031】蒸着対象物保持具5と膜厚モニター6とは
同レベルとなるように設けられており、両者の配設位置
の相違に起因する校正作業が不要となるよう図られてい
る。なお、両者の位置関係はこれに限定されるものでは
なく、例えば膜厚モニター6は蒸着対象物保持具5より
も蒸着源2寄りに配されていてもよい。
【0032】第1シャッター7は、蒸着対象物保持具5
と蒸着源2との間であって、蒸着対象物保持具5の近傍
に設けられており、上述したように、蒸着対象物4をそ
の直前で蒸着流3から遮蔽する。この第1シャッター7
は回転式のものであるが、この形式のものに限るもので
はない。
【0033】第2シャッター8は、蒸着源2の直上に設
けられており、上述したように、膜厚モニター6を蒸着
流3から遮蔽する。この第2シャッター8も第1シャッ
ター7と同様回転式のものであるが、この形式のものに
限るものではない。
【0034】本発明に係る蒸着装置は上記した実施の形
態のものに限るものではなく、例えば図2に示すような
装置であってもよい。図2は、本発明の他の実施の形態
を示す概略構成図である。
【0035】本例と前記の例とは、第2シャッター8の
配設位置が異なる以外、他の構成は両者同一である。し
たがって、同一構成要素には同一符号を付しその説明を
省略する。
【0036】本例において、第2シャッター8は、膜厚
モニター6の近傍に設けられている。この構成では、第
2シャッター8は、前記の例、すなわち蒸着源2の直上
に設ける場合に比べて、第2シャッター8に付着した蒸
着物が蒸着源2に落下して蒸着源2を汚染し、成膜品質
を低下させるといったおそれを排除することができる。
【0037】次に、本発明に係る蒸着方法を上記した蒸
着装置で実施する場合について説明する。
【0038】まず、蒸着対象物4を蒸着室1内に入れ、
成膜を行う面を蒸着源2に向けて蒸着対象物保持具5に
セットする。
【0039】次に、第1シャッター7及び第2シャッタ
ー8とも閉じた状態で、真空排気部12から蒸着室1内
の真空排気を開始し、真空度が所定の真空度である10
-6Torrに達した時点で電子銃10の電子線11を蒸着源
2に照射し、蒸着源2を蒸着開始温度にまで加熱して一
旦溶解し、ガス出し(プリメルト)を行う。
【0040】上記プリメルト及び加熱によって蒸着室1
内の真空度が一旦悪くなるが、真空度が再び10-6Torr
台に回復した時点で第2シャッター8を開放し蒸着源2
から放出される蒸着流3を膜厚モニター6に照射する。
【0041】なお、ここでは第2シャッター8の開放
を、蒸着源2の温度が蒸着開始温度にまで達してから行
っているが、その前に行ってもよい。
【0042】この時点では、まだ第1シャッター7は閉
じているため、蒸着対象物4は蒸着流3に晒されず、蒸
着対象物4での成膜は開始されていない。
【0043】その後、膜厚モニター6における成膜レー
トが一定になったことを確認したならば、第1シャッタ
ー7を開放する。これにより蒸着対象物上での成膜が開
始される。
【0044】成膜が開始されると、膜厚モニター6によ
って成膜レートを測定しながら、その測定結果に基づい
て成膜レート制御手段9により蒸着源2を成膜レートが
一定に保たれるよう自動制御する。
【0045】やがて蒸着対象物4上に所定の厚みの膜が
形成されたならば、その時点で第1シャッター7を閉じ
て蒸着源2からの蒸着対象物4に対する蒸着流3を遮断
するとともに、第2シャッター8も閉じ、電子銃10を
オフにする。これで成膜を終了する。(実施例)次に本
発明の実施例について説明する。
【0046】蒸着対象物として次の手順で製造した半導
体レーザバーを用いた。
【0047】まず、図4( a) に示すように、MOCV
Dにてn型GaAs基板401上に厚さ0.5μのn型
GaAsバッファ層402、厚さ1.7μのn型Al
0.5 Ga0.5 Asクラッド層403、厚さ0.043μ
のAl0.14Ga0.86As活性層404、厚さ0.235
μのp型Al0.5 Ga0.5 As第1クラッド層405、
厚さ30Åのp型GaAsエッチストップ層406、厚
さ1.2μのp型Al0. 5 Ga0.5 As第2クラッド層
407、厚さ0.75μのp型GaAs第1キャップ層
408を順次成長させた。
【0048】次に、公知のフォトエッチング技術及びウ
ェットエッチング技術を用いてリッジ部409が形成さ
れたウェハを得た(図4( b) 参照)。
【0049】続いて、このウェハを再びMOCVD装置
に入れ、厚さ0.6μのAl0.7 Ga0.3 Asn型第1
電流ブロック層410、厚さ0.3μのGaAsn型第
2電流ブロック層411、厚さ1.05μのp型GaA
s第2キャップ層412を成長させた(図4( c) 参
照) 。
【0050】次に、ブロック層エピタキシャル時に同時
にリッジ上に形成された不要な部分を公知のフォトエッ
チング技術及びウェットエッチング技術によりエッチン
グした( 図5( a) 参照) 。
【0051】そして、LPEにて厚さ50μのp型Ga
Asコンタクト層413を成長させた(図5( b) 参
照) 。
【0052】このようにして得られたウェハのGaAs
基板側を約100μまで薄くし、p電極414とn電極
415を形成し(図5(c)参照)、リッジストライプ
の方向に垂直幅375μ間隔でウェハをへき開してレー
ザバーを得た。
【0053】以上のようにして得られたレーザバーの2
つの共振器端面の一方には単層(アルミナ一層(厚さλ
/4、λはレーザ発振波長7800Å))、他方には3
層(アルミナ(厚さλ/4)、アモルファスシリコン
(厚さλ/4)、アルミナ(厚さλ/2))の誘電体膜
を形成することとし、単層の方から成膜を実施した。
【0054】まず、図1に示す蒸着装置の蒸着室1内に
上記のレーザバー30を入れ、成膜する共振器端面を蒸
着源2に向けて蒸着対象物保持具5にセットし、真空排
気部12により蒸着室1内の真空排気を開始した。
【0055】蒸着室1内の真空度が6×10-6Torrに達
した時点で、電子銃10から電子線11を蒸着源2( こ
こではアルミナ) に照射し、蒸着開始温度まで加熱して
一旦溶解し、ガス出し( プリメルト) を行った。これと
同時に蒸着対象物保持具5及びその周辺をガス出しのた
めに加熱し270℃で温度を一定にした。
【0056】上記加熱により蒸着室1内の真空度が一旦
悪くなるので、真空度が5×10-6Torr台に回復するま
で待ってから蒸着源2直上の第2シャッター8を開い
た。
【0057】第2シャッター8を開くと同時に膜厚モニ
ター6により成膜レートを測定したところ、第2シャッ
ター8を開いた直後の7秒間は設定成長レート10Å/
秒に対して最大約20%の成長レートのふらつきが見ら
れた。しかしながら、この時点では蒸着物は膜厚モニタ
ー6に蒸着され始めるが、第1シャッター7は閉じられ
ているのでレーザバー30は蒸着流3に晒されず蒸着は
行われない。
【0058】第2シャッター8を開いてから15秒経過
した後、第1シャッター7を開放してレーザバー30に
対する蒸着を開始した。この時点では成膜レートのふら
つきは既に約1%以下になっていた。
【0059】このあと、膜厚モニター6からの信号を成
膜レート制御手段9にて処理して電子銃10から出射さ
れる電子線11の強度を自動調整することにより、成膜
中は成長レートのふらつきが約1%以下を保った。
【0060】やがて膜厚モニター6で膜厚がλ/4とな
ったところで第1シャッター7及び第2シャッター8を
閉じ、電子銃10をオフにして最初の成膜を終了した。
【0061】次に、蒸着室1内の真空を解除し、レーザ
バー30を蒸着対象物保持具5から一旦外して、今度は
3層の誘電体膜を成膜する方の共振器端面を蒸着源2の
方向に向けて再び蒸着対象物保持具5にレーザバー30
をセットした。
【0062】以下、上記した単層の誘電体膜を成膜する
時と同様の工程により、アルミナ(厚さλ/4)、アモ
ルファスシリコン(厚さλ/4)、アルミナ(厚さλ/
2)の順に一層ずつ順次成膜を実施し、最終的に3層の
誘電体膜を成膜した。なお、アモルファスシリコンにつ
いては設定成長レートは1Å/秒に設定した以外、他は
アルミナの場合と同様とした。
【0063】以上のようにしてレーザバーの共振器端面
に誘電体膜を成膜した後、このレーザバーをへき開し半
導体レーザを得た。
【0064】従来の蒸着方法で作製した半導体レーザと
本実施例で得た半導体レーザとを5.6φパッケージに
実装して温度600℃、光出力35mWで長期エージン
グテストを行った。
【0065】上記テストの結果、MTTFは、従来の蒸
着方法で作製した半導体レーザで28470時間であっ
たのに対し、本実施例で得た半導体レーザでは3851
0時間であり、本発明の蒸着装置及び蒸着方法によれば
レーザ素子としての劣化率の減少及び信頼性の向上が得
られる効果が得られることを本実施例により実証でき
た。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蒸着対象物に対して蒸着開始から蒸着終了まで常に一定
の成膜レートで蒸着を行うことができる。したがって、
蒸着対象物上に成膜される膜質は安定したものとなり、
且つ成膜による蒸着対象物の端面の損傷は最小限に抑え
られるので、蒸着対象物の信頼性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着装置の実施の形態を示す概略構成
図である。
【図2】本発明の蒸着装置の他の実施の形態を示す概略
構成図である。
【図3】蒸着対象物の一例であるレーザバーを示す斜視
図である。
【図4】レーザバーの作製工程を説明する工程図であ
る。
【図5】レーザバーの作製工程を説明する工程図であ
る。
【図6】従来の蒸着装置を示す概略構成図である。
【図7】成膜レートの初期変動を説明するための図であ
る。
【図8】他の従来例を示す平面図及び正面図である。
【符号の説明】
1 蒸着室 2 蒸着源 3 蒸着流 4 蒸着対象物 5 蒸着対象物保持具 6 膜厚モニター 7 第1シャッター 8 第2シャッター 9 成膜レート制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着室内に、蒸着源と、この蒸着源から
    放出される蒸着流の流路中に蒸着対象物を保持する蒸着
    対象物保持具と、前記蒸着流の流路中に配され、前記蒸
    着対象物上の成膜レートを測定する膜厚モニターとを備
    えた蒸着装置において、 蒸着対象物をその直前で蒸着流から遮蔽しうる第1シャ
    ッターと、 膜厚モニターを蒸着流から遮蔽しうる第2シャッター
    と、 蒸着源と膜厚モニターとの間に介装され、膜厚モニター
    による蒸着対象物上の成膜レートの測定結果に基づいて
    蒸着源を成膜レートが一定に保たれるよう自動制御する
    成膜レート制御手段と、が設けられたことを特徴とする
    蒸着装置。
  2. 【請求項2】 第2シャッターは膜厚モニターの直前に
    配されたことを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 【請求項3】 蒸着源から放出される蒸着流の流路中に
    蒸着対象物と膜厚モニターとを配し、この膜厚モニター
    で蒸着対象物上の成膜レートを測定しながら蒸着対象物
    上に蒸着材料を照射して成膜する蒸着方法において、 蒸着対象物を蒸着流から遮蔽して蒸着材料が蒸着対象物
    に照射されないようにする一方、膜厚モニターにのみ蒸
    着材料を照射してこの膜厚モニターにより蒸着開始から
    所定時間経過するまでの期間の成膜レートを測定する成
    膜レート事前測定工程と、 この成膜レート事前測定工程による測定によって成膜レ
    ートが一定になったことが確認されてから蒸着対象物の
    蒸着流からの遮蔽を解除して蒸着材料を蒸着対象物に照
    射するとともに、蒸着源と膜厚モニターとの間に介装し
    た成膜レート制御手段により、蒸着源を、膜厚モニター
    による蒸着対象物上の成膜レートの測定結果に基づいて
    成膜レートが一定に保たれるよう自動制御しつつ蒸着対
    象物上に成膜する成膜工程と、を備えたことを特徴とす
    る蒸着方法。
  4. 【請求項4】 成膜レート事前測定工程を実施する前
    に、蒸着源の温度を蒸着開始温度にしておくことを特徴
    とする請求項3に記載の蒸着方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の蒸着装置を用いた蒸着
    方法であって、 蒸着源の温度を蒸着開始温度にしてから第2シャッター
    を開放し、蒸着材料を膜厚モニターに照射する工程と、 膜厚モニターにより成膜レートをその値が一定になるま
    で測定する工程と、 成膜レートが一定になった後第1シャッターを開放し、
    蒸着材料を蒸着対象物に照射するとともに、成膜レート
    制御手段により、蒸着源を、膜厚モニターによる蒸着対
    象物上の成膜レートの測定結果に基づいて成膜レートが
    一定に保たれるよう自動制御しつつ蒸着対象物上に成膜
    する成膜工程と、を備えたことを特徴とする蒸着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100453923C (zh) * 2005-10-18 2009-01-21 三星电子株式会社 空调装置
KR101367373B1 (ko) 2012-02-01 2014-03-14 서울대학교산학협력단 박막 제조 장치

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