JP2001335924A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP2001335924A
JP2001335924A JP2000151698A JP2000151698A JP2001335924A JP 2001335924 A JP2001335924 A JP 2001335924A JP 2000151698 A JP2000151698 A JP 2000151698A JP 2000151698 A JP2000151698 A JP 2000151698A JP 2001335924 A JP2001335924 A JP 2001335924A
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sputtering
reactive gas
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JP2000151698A
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English (en)
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Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Minoru Otani
実 大谷
Kenji Ando
謙二 安藤
Toshiaki Nobumiya
利昭 信宮
Ryuji Hiroo
竜二 枇榔
Hidehiro Kanazawa
秀宏 金沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜特性の向上した堆積膜を安価で高速に形成
する。 【解決手段】 内部にターゲット30を有するスパッタ
電極部22は、一面のみに開口21が形成され、被処理
基板90は、ターゲット30の法線方向31の投影面に
交わらない位置に保持機構80により保持されている。
不活性ガスは不活性ガス供給装置150からスパッタ電
極部22の内部に導入される。反応性ガスは、スパッタ
電極部22の外部で、かつ、被処理基板90とターゲッ
ト30との間に、第1の反応性ガス供給装置130およ
び第2の反応性ガス供給装置140から供給される。永
久磁石60による磁場は、スパッタ部のプラズマをトラ
ップする。制御装置160は、各ガスのガス流量及びタ
ーゲット30の電圧を制御する。スパッタ電力供給装置
190、191は、アノード電極70−ターゲット30
間に直流電圧を印加し、1kHzから500kHzの高
周波の矩形反転電圧を重畳できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視および紫外域
用の光学部品に使用される反射防止膜、誘電体多層ミラ
ー、透明導電膜等の光学薄膜形成装置、特にスパッタリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、反射防止膜やミラーなどの光学薄
膜を形成する場合、成膜材料を真空中で電子ビームなど
で加熱し蒸発させて基板に付着させる真空蒸着法が主に
使われてきた。
【0003】一般に、反射防止膜、ミラー等は、フッ化
マグネシウム(MgF2)などの屈折率の低い材料と、
酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化タンタル(Ta2
5)、酸化チタン(TiO2)などの屈折率の高い材料の
いずれか一方、あるいはこれらを組み合わせた多層膜な
どによって構成され、要求される光学性能によって、層
構成、膜厚等を様々に調整している。
【0004】蒸着法は装置構成としてはシンプルで、大
面積基板上に高速に成膜でき、生産性に優れた成膜方法
であるが、膜厚の高精度制御、自動生産機開発が困難
で、さらには基板温度が低い状況で成膜を行うと膜の強
度が不足し、傷が付きやすく、また、膜と基板の密着性
も低いなどの問題を生じていた。
【0005】しかし近年になり、より生産の効率化が求
められてきていることから、これらの光学薄膜において
も、真空蒸着法に比較して工程の省力化・品質の安定
化、膜質(密着性、膜強度)などの面で有利なスパッタ
リング法によるコーティングの要求が高まってきた。
【0006】スパッタリング法は、ZrO2、Ta
25、TiO2等の酸化物誘電体薄膜の形成において
は、低吸収、高屈折率薄膜を容易に形成できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スパッタリング法は、屈折率が1.45以下という低い
値を有し、可視から紫外域にかけて低吸収な材料であ
る、多層光学薄膜の光学性能を大きく左右する重要な薄
膜材料のMgF2、AlF3をはじめとした金属フッ化物
の低吸収薄膜が容易に形成できない場合がある等の問題
点を有していた。
【0008】また、紫外域において透明で屈折率の高い
Al23はスパッタリングされにくく、スパッタリング
レートが非常に遅いという欠点を有していた。スパッタ
リングレートをあげるために酸素分圧を抑え、印加電力
を大きくすると金属状の、吸収の大きい膜となってしま
い安定して高速で低吸収な薄膜を得ることが非常に困難
な状況にあった。
【0009】最も一般的な低屈折率材料として用いられ
るMgF2薄膜をスパッタリングにより形成する際、タ
ーゲット材料としてMgF2を用いた場合でも、スパッ
タリングによってMg−F結合が切れ、得られた膜はF
が不足し、組成が化学量論比から外れてMgリッチな膜
となりやすく、大きな吸収を生じていた。
【0010】これを解決するためにフッ素系ガスを使用
する方法をとり、Fを補うスパッタリング方法が行われ
ている。しかしながら、フッ素系ガスを導入し、フッ素
原子を補っても、低吸収なMgF2薄膜を形成できな
い。これは、フッ素原子は、電子付着を起こして負イオ
ンになりやすく、このため、基板に形成されたシース電
圧によって、フッ素負イオンは基板に入射できなくな
り、十分反応に寄与できないためであるとされてきた。
【0011】発明者等は、様々な検討を行った結果、上
記のように、フッ素が欠乏する理由は、フッ素の供給不
足によるものではなく、スパッタリング中に基板に入射
する高速荷電粒子のダメージによって基板上で金属−フ
ッ素結合が切断され、結果としてフッ素の欠乏した膜と
なってしまうことを発見するに至った。
【0012】また、Mgなどの金属ターゲットを、Fを
含むガス中で反応性スパッタリングを行ってMgF2
を形成する場合などは、ターゲット表面で負イオンが生
成され、数百Vに達するターゲットバイアスによって基
板に加速されて、基板表面をエッチングしてしまうこと
が判明した。
【0013】すなわち、低吸収なMgF2薄膜をスパッ
タリングにより形成するためには、F2ガス等を導入
し、基板上で十分な反応を促進することはもちろんであ
るが、形成されたMgF2薄膜に荷電粒子等のダメージ
を与えないようにスパッタリングを行うことが重要であ
る。
【0014】特開平5−209265号公報に開示され
ているように、ターゲットと基板間にメッシュ電極を挿
入し、プラズマをターゲット−メッシュ間に閉じ込め、
プラズマ中の荷電粒子による、基板に形成された薄膜へ
のダメージを防止するスパッタリング装置が開示されて
いる。
【0015】しかし、上記装置を用いてのスパッタリン
グ法によればプラズマのダメージは多少回避できるもの
の、ターゲットと基板とを近づけた場合、やはり基板が
ダメージを受けてしまう。また、メッシュの開口率を大
きくするとプラズマによるダメージを抑えきれず、さら
には負イオンを効果的に除去することは不可能である。
すなわち、ターゲット表面で加速され、基板に向かった
負イオンは、途中中性化してしまうためメッシュではト
ラップできない。
【0016】また、特開平5−209265号公報のマ
グネトロンスパッタ装置において、Al金属をターゲッ
トとしてAr/O2雰囲気中で反応性スパッタを行い、A
23薄膜を高速で形成する場合について考える。
【0017】この場合、印加電力を大きくし、酸素分圧
を低くすることでスパッタリングレートの高速化を図る
ことができるが、ある酸素分圧で急激に負のターゲット
セルフバイアス電圧が大きくなり、金属状の薄膜となっ
てしまう。これはターゲット表面が金属状態になるとス
パッタリングレートが早く、負のターゲットセルフバイ
アス電圧が大きくなるが、酸化反応が不十分になるため
である。
【0018】一方ターゲット表面が酸化するとスパッタ
リングレートは極端に遅くなり、負のターゲットセルフ
バイアス電圧は小さくなる。この状態では酸化反応が十
分に起こるため、低吸収な薄膜を作成できるが、スパッ
タリングレートが極端に遅くなってしまう。
【0019】このようにAl金属をターゲットとした場
合、その表面の状態が金属の状態であるか酸化物の状態
であるかによりスパッタリングレートが極端に異なるた
め、この中間状態で、スパッタリング速度が速く、か
つ、低吸収なAl23薄膜を得ることが困難である。
【0020】また、上述の特開平5−209265号公
報等のように、ターゲットと基板との間にメッシュを入
れた場合、メッシュに膜が付着するため、成膜速度が遅
くなってしまうことはもちろんである。
【0021】特開平9−31640号公報には、リング
状カソードと磁界によってプラズマを閉じ込め、低温で
成膜できるスパッタリング装置が開示されている。リン
グ状のターゲットを使うことで負イオンのダメージを低
減できるが、基板に対面するターゲットも設置されてお
り、完全に負イオンのダメージを防止できない場合があ
る。
【0022】また、磁界によって、プラズマの閉じ込め
が図れるが、MgF2のような非常にプラズマのダメー
ジに弱い薄膜に対しては、十分でない場合がある。
【0023】さらには、上述の特開平9−31640号
公報等に方式で酸化物、フッ化物等の化合物を形成する
場合モータゲット表面が反応して、十分な成膜速度を得
ることができない。もしくは、十分反応できずに金属リ
ッチな膜となってしまう場合があった。
【0024】以上、発明者等は、これまでに開示された
スパッタリング方法で種々の条件でAl23、MgF2
薄膜の形成を行い、分析・評価を含め、鋭意検討を行っ
た結果、可視から紫外域にかけて低吸収で、密着性も良
く、緻密な薄膜を高速で安定して形成するためには、基
板上で十分な反応を促進すること、形成された薄膜に荷
電粒子等のダメージを与えないようにスパッタリングを
行うことが重要であること、さらにはターゲット表面で
形成される負イオンによるre−sputtering
防止や、高速成膜のためにターゲット表面を金属状態に
安定に保ってスパッタリングすることが不可欠であるこ
とを発見するに至った。
【0025】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、可視から紫外域にかけて透明で、低吸収
な金属フッ化物および金属酸化物薄膜を、スパッタリン
グ法によって安価に高速で形成するスパッタリング装置
を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のスパッタリング装置は、薄膜が形成される
べき基板および少なくとも1つのターゲットが内部に載
置され、電極であるアノードと、前記ターゲットに磁気
回路を形成する磁界形成手段とを有する真空容器と、前
記アノードおよび前記ターゲットに電力を供給する電力
供給手段と、反応性ガスを供給する反応性ガス供給手段
と、不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを有す
るスパッタリング装置において、一面のみに開口が形成
されており、内部に載置された平板状の前記ターゲット
と内部に設けられた前記アノードとによるスパッタ部に
前記不活性ガス供給手段から不活性ガスが供給されるス
パッタ電極を前記真空容器内に有し、前記基板が、前記
スパッタ電極の外部であり、前記ターゲットの法線方向
投影面と交わらない位置に載置され、前記スパッタ電極
と前記基板との間に前記反応性ガス供給手段から供給さ
れる反応性ガスが導入されることを特徴とする。
【0027】上記の通り構成された本発明のスパッタリ
ング装置において、スパッタ部に導入された不活性ガス
は、プラズマを形成しターゲットがスパッタされるスパ
ッタ部より一面のみに形成された開口を介して基板方向
に排出されるが、基板はターゲットの法線方向投影面と
交わらない位置に配置されているため、ターゲット法線
方向に加速される負イオンによるダメージを防止でき
る。また、反応性ガスは、スパッタ電極の外部、かつ、
スパッタ電極と基板との間に導入されるので、開口が一
面のみのスパッタ電極内に載置されたターゲットの表面
に反応性ガスが拡散することを極力抑制することができ
る。さらに、磁界形成手段が、スパッタ電極の内部に設
けられたターゲットに磁界を形成し、この磁界によりプ
ラズマがトラップされるため、プラズマによる基板温度
の上昇を最小限に抑制することができる。また、ターゲ
ットが平板状であるため、ターゲットのコストを低く抑
えられる。
【0028】アノードは、ターゲットを挟んで、基板と
対面する位置に配置されているものであってもよいし、
本発明のスパッタリング装置は、アースから絶縁された
アノードと、アースとの間の電圧を制御可能な制御手段
を有するものであってもよい。
【0029】また、アノードは、スパッタ電極の底面部
分に配置されているものであってもよい。
【0030】磁界形成手段は、対面して配置された、少
なくとも1対のターゲットの法線方向に電子トラップ用
の磁界を形成するものであってもよいし、ターゲットに
マグネトロン磁界を形成するものであってもよい。
【0031】電力供給手段が供給する電力は、直流、直
流に1kHz〜500kHzの高周波を重畳したもの、
あるいは直流に矩形電圧を重畳したものであってもよ
い。この場合、スパッタリング中にターゲットの表面に
チャージする電荷をキャンセルし、安定したスパッタリ
ングを行うことができる。
【0032】不活性ガス供給手段は不活性ガスとしてA
rガス、Krガス、あるいはXeガスを供給し、反応性
ガス供給手段は反応性ガスとしてF2ガス、NF3ガス、
2ガス、あるいはH2Oガスを供給するものであっても
よい。
【0033】また、本発明のスパッタリング装置は、タ
ーゲットの電圧を略一定に保持するための、反応性ガス
供給手段から供給される反応性ガス導入量を制御するこ
とで真空容器内の反応性ガスの分圧を制御するガス圧制
御手段を有するものであってもよい。この場合、スパッ
タリングレートを安定化させることができ、高精度な膜
厚の制御を行うことができる。
【0034】さらに、本発明のスパッタリング装置は、
スパッタリングに際して発生した放電の発光を測定する
ことで、ターゲットの表面を安定して金属状態に保持し
てスパッタさせる表面制御装置を有するものであっても
よい。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0036】図1は、本発明の第1の実施形態によるD
Cマグネトロンスパッタリング装置の断面図である。
【0037】スパッタリング装置には、内部を略真空状
態に維持する真空容器10、真空容器10を排気する真
空ポンプ等からなる排気系180を設けている。
【0038】真空容器10内には、アースシールド40
およびアノード70を有し、一面のみの開口21が形成
され、冷却手段を設けた一対の平板状のターゲット30
が内部に載置されたスパッタ電極部22が設置してい
る。なお、アノード70は、スパッタ電極部22の底面
あるいは内部に設けられているような構成であってもよ
い。このスパッタ電極部22には、Ar、Kr、Xe等
をスパッタ電極部22の内部に供給する不活性ガス供給
装置150が接続されている。スパッタ電極部22内に
は、ターゲット30と直接反応しないH2ガスを流すこ
とも可能な構成とする。すなわち、不活性ガス供給装置
150は、スパッタ電極部22の内部に配置されたター
ゲット30に対して不活性ガスを供給する構成となって
いる。また、ターゲット30に磁気回路を形成するヨー
クおよび永久磁石60が設けられており、ターゲット3
0の表面に電子をトラップするマグネトロン磁界を形成
している。
【0039】アノード70は、ターゲット30を挟んで
被処理基板90と対面する位置に設置している。これ
は、負イオンのダメージを防止し、かつ、プラズマをタ
ーゲット部に閉じ込めるためである。
【0040】このアノード70は、アースから絶縁材5
1によって絶縁されており、直流電源であるスパッタ電
力供給装置190、191によって、アノード70−タ
ーゲット30間に直流電圧を印加できる構成としてい
る。これらスパッタ電力供給装置190、191は、1
kHzから500kHzの高周波の矩形反転電圧を重畳
できるチャージキャンセル機構も有するものでもよく、
この場合、スパッタリング中にターゲット30の表面に
チャージする電荷をキャンセルし、安定したスパッタリ
ングを行うことができる。
【0041】さらに、アノード70−アース間の電位を
アノード制御用直流電源170によって制御できるよう
にしている。アノード電位はもちろんアース電位と等し
くすることも可能である。
【0042】保持機構80に保持された、表面に薄膜が
形成される被処理基板90は、スパッタ電極部22の外
部であり、かつ、ターゲット30の法線方向31の投影
面と交わらない位置に配置されている。この被処理基板
90は、ゲートバルブ110を介してロードロック室1
20の間を搬送され、真空容器10内を大気に暴露する
ことなく、被処理基板90の搬入・搬出がなされる。
【0043】被処理基板90とターゲット30との間に
は、高速に移動可能なシャッタ100が設置されてい
る。このシャッタ100は、放電が安定するまでは閉じ
ており、放電が安定してから開くように構成されてい
る。これにより成膜速度を安定化させ、成膜時間を制御
することで膜厚を高精度に制御することができるように
したものである。
【0044】また、開口21と被処理基板90との間に
は、F2、NF3、O2等の反応性ガスを供給する第1の
反応性ガス供給装置130およびH2、H2O等の反応性
ガスを供給する第2の反応性ガス供給装置140の供給
ポートが設けられており、反応性ガスがターゲット30
の表面に拡散しにくいような、反応性ガスの導入系およ
び排気系の構成としている。
【0045】第1の反応性ガス供給装置130、第2の
反応性ガス供給装置140および不活性ガス供給装置1
50から導入されるガスのガス流量と、ターゲット30
の電圧とは、制御装置160によってモニタでき、ター
ゲット30の電圧を一定に保持できるように、各種のガ
ス分圧を制御可能となっている。
【0046】すなわち本実施形態では、プレーナーマグ
ネトロンターゲットを向かい合わせに配置し、周りをア
ースシールドで覆い、底面にアノードを設け、スパッタ
粒子が放出される上面の一面のみを開放したデポアップ
の構成としている。
【0047】この時、ターゲット30の表面に形成する
磁界は図示していないが、向かい合うターゲット30
で、極性を反対にするとよい。これは、極性を同じにし
た場合、ターゲット30の周辺部の磁力線が被処理基板
90の方向にもれ、この磁界によって、被処理基板90
の方向に電子線等が放出され、結果として被処理基板9
0近傍のプラズマ密度が上昇し、プラズマダメージの原
因となってしまう場合があるためである。
【0048】次に、図1に示すスパッタリング装置で、
ターゲット30の材料として高純度Mg金属(99.9
%)を用い、Ar、H2、F2、H2Oを導入してMgF2
薄膜を被処理基板90上に形成する方法について、詳細
に説明する。
【0049】被処理基板90として合成石英基板を用い
る。洗浄を行った被処理基板90をロードロック室12
0に設置し、1×10-4Pa以下まで排気する。この
時、被処理基板90表面の汚染物質を除去するため、加
熱または紫外線照射などの有機物除去を目的とした洗浄
を行えば、膜質が安定し、非常に有効である。排気終了
後ゲートバルブ110を経て保持機構80に被処理基板
90を搬送し、保持する。
【0050】保持機構80はヒータを内蔵しており、被
処理基板90を400℃まで加熱しながら成膜可能であ
るが、本実施形態においては室温状態で成膜を行うた
め、ヒータの電源はONしない。
【0051】ここで、シャッタ100を閉じ、不活性ガ
ス供給装置150からAr、H2を各々150ml/m
in導入し、さらに第1の反応性ガス供給装置130、
および第2の反応性ガス供給装置140からF2(5
%)/Arを100ml/min、H2Oを5ml/m
inをそれぞれ導入して全圧を0.3Pa〜3Paに設
定し、カソード電極20にスパッタ電力として300W
を印加し、ターゲット30の表面にマグネトロンプラズ
マを発生させる。この時同時にターゲット表面の極性が
反転する矩形電圧を1kHzで重畳し、ターゲット表面
等のチャージをキャンセルし、安定して放電が維持でき
るようにしている。なお、各ガスの導入量、圧力の設定
およびスパッタ電力および矩形電圧は、上記数値に限定
されるものではない。
【0052】アノード70のガス導入部分はターゲット
30のスパッタ面に均一にガス導入ができるように多数
の穴が形成されたもの、またはターゲット30と同じ材
料で多孔質のものが好ましい。ここで、導入するガス
は、流量、純度、圧力は高精度に制御されている。
【0053】ターゲット30のスパッタ面では、前述し
た永久磁石60で形成されたスパッタ面に平行な最大5
00×10-4Tの磁束密度の磁界に対して垂直な電界が
形成されている。この様に磁界と電界が垂直に形成され
るとターゲット30に印加された電界で移動した電子は
磁界で曲げられサイクロイド運動しながら平板状のター
ゲット30表面にトラップされる。サイクロイド運動す
る電子は飛行距離が長くなり、ガス分子と衝突する確率
が高くなる。電子と衝突したガス分子は、イオン化され
マグネトロン放電が形成される。ターゲット30には、
スパッタ電力供給手段190から負の電圧が印加されて
いるのでイオン化されたガス分子は、ターゲット30の
スパッタ面に加速され、ターゲット30に衝突しターゲ
ット材料をスパッタする。この時放電の色は、印加電
力、F2ガス分圧によって、薄い青緑(アルゴン放電
色)から緑色(Mg放電色)に変わる。高速スパッタを
行うには、ターゲット30の表面が金属状態となる緑色
放電条件でスパッタすることが好ましい。
【0054】なお、図1には図示しないが、発光分光器
を設置し、ターゲット30の表面の発光を分光測定し、
常にターゲット金属の発光色のレべルを維持するように
反応性ガス分圧を制御すれば、ターゲット30の表面を
金属状態に保持して安定な成膜が可能となる。
【0055】発光分光器以外にも、マススペクトルアナ
ライザーなどによってもこのような状態を維持すること
は可能である。
【0056】F2ガスはH2Oと反応してHFを形成する
ため、別の導入系で導入するようにしている。また、H
2ガスはArと共に導入しているが、これは、単にスパ
ッタガスとして導入しているためではなく、F2との反
応をできるだけ成膜雰囲気中で行わせる目的と、H2
スをターゲット30の表面で形成されたプラズマ中に導
入することで活性なH原子やH2分子を生成し、反応性
を向上させる目的とを併せ持っている。しかし、もちろ
ん被処理基板90側のガス供給装置より導入してもよ
い。
【0057】しばらく放電を継続し、安定した頃を見計
らってシャッタ100を開け、被処理基板90上にMg
2膜を成膜し、膜の吸収、屈折率等を評価する。
【0058】成膜時のターゲット電圧を制御装置160
によりモニタするとターゲット負バイアスが徐々に小さ
くなっていく現象が確認された。これは、真空容器内の
2、H2O分圧などの変化によってターゲット30の表
面の状態が変化するためであることがわかった。この様
子の一例を図2に示す。
【0059】このような状態で成膜を行うと膜の屈折率
が膜厚方向に変化する不均質な膜となってしまう。ま
た、スパッタリングレートも安定せず、膜質も安定しな
い。
【0060】さらにF2分圧が高く、ターゲット印加電
力が小さい場合、極端にスパッタリングレートが減少す
る。これは、ターゲット表面にMgF2が形成されるた
めである。
【0061】すなわち、MgF2膜を高速にしかも均質
に再現性良く成膜するためには、ターゲット表面の状態
を常に金属状態に保つ必要がある。
【0062】ターゲット状態を監視し、常に一定の状態
に保つことは非常に困難である。そこで、H2O、F2
ス分圧を制御することによって、ターゲット電圧の経時
的な変化を抑えて成膜を行った。すなわち、図1におい
て、制御装置160によって、ターゲット電圧を監視
し、この値が一定になるようにガス導入量を制御してM
gF2を成膜することで不均質も無く、可視から紫外域
にかけて低吸収のMgF2膜を形成できた。
【0063】また、ターゲット電圧を一定に保持するこ
とで、スパッタリングレートも安定し、このため、成膜
時間を制御することで非常に高精度に膜厚を制御するこ
とができた。
【0064】本実施形態において重要なことは、ターゲ
ット30表面の法線方向31の投影面と被処理基板90
が交わらない構成とすることで、ターゲット30の表面
で形成され、セルフバイアス電圧によって加速される負
イオンの被処理基板90に対する影響を防止すること、
およびアノード70を、ターゲット30を挟んで被処理
基板90の対面に設け、直流放電とすることでプラズマ
をターゲット30の表面に高度に閉じ込め、被処理基板
90近傍のプラズマ密度をメッシュ等のシールドを設け
ることなしに低減することにある。
【0065】また、実質的に閉じたターゲット空間を形
成し、ここにAr、H2等のガスを流し、F2、H2O等
の反応性ガスのターゲット30の近傍でのガス分圧を低
減する構成にすることと、ターゲット電圧を一定に保持
することで、従来のプレーナマグネトロンスパッタリン
グに比べ一桁以上高速な安定したスパッタリングレート
を達成できる。
【0066】本実施形態では、プラズマがターゲット3
0の近傍に高度に閉じ込められているため、被処理基板
90の温度はほとんど上昇せず、ほぼ室温(40℃以
下)でMgF2膜を形成できる。この室温(40℃以
下)で形成されたMgF2膜は、密着性も良く、膜の硬
さも蒸着のハードコート(300℃加熱)並の硬さを持
っていた。また、パッキングも100%に近く、ほとん
ど分光特性の経時変化を生じないものであった。
【0067】このように、本実施形態によれば、従来3
00℃以上の加熱した基板上にしか形成できなかったM
gF2膜を室温状態で形成できる。従って、被処理基板
90としてプラスチックなどを用いることも可能であ
る。また、スパッタリングレートが安定しているため、
従来の蒸着法に比べて高精度な膜厚制御も容易に可能
で、高品質な光学薄膜を形成でき、このような光学薄膜
を積層して形成した反射防止膜やミラーは設計値通りの
特性の光学部品が製造できる。
【0068】また、ターゲット30が平板状でよく、構
造も単純で、装置コストも安く抑えることができる。
【0069】また、メッシュシールドなどの障害物が無
いため、ターゲットの利用効率も良く、スパッタリング
レートも高くできるため、安価で、高品質の薄膜を提供
できる。
【0070】本実施形態では、ターゲット30にMgを
用い、ガスとしてAr、H2、F2、H2Oを用いたが、
不活性ガスとしてArの他に、He、Ne、Kr、Xe
等を用いてもよい。
【0071】また、H2のほか、CH4、NH3等、プラ
ズマ中で解離してHを供給可能なガスでも良く、F2
変えてCF4、NF3、SF6などのガスを用いてもよ
い。さらにはH2Oガスの他H22などでもほぼ同様の
効果が得られる。
【0072】異常放電防止のため、本実施形態では1k
Hzの矩形電圧を重畳したが、重畳周波数が高くなると
放電が広がり、プラズマのダメージに弱いフッ化物薄膜
の場合、紫外域で吸収が増加してしまうため、紫外域で
低吸収フッ化物薄膜が必要な場合には50kHz以下の
周波数を用いることが好ましい。特に、成膜条件の最適
化を図ることで、矩形電圧の重畳なしに安定したスパッ
タリングも可能であり、この時可視から紫外にかけて最
も低吸収なMgF2薄膜を形成できる。
【0073】Al23などの酸化物薄膜を形成する場
合、プラズマダメージの影響を受けにくいため、異常放
電を防止するように1kHz〜500kHzの高周波ま
たは矩形波を重畳しても、低吸収な光学薄膜を得ること
ができる。このような酸化物薄膜の場合、高周波を重畳
しないと異常放電によってパーティクルが多数膜中に混
入し、散乱の大きい膜となってしまうため、異常放電の
状況を踏まえてチャージキャンセルを優先して成膜条件
の設定を行うべきである。
【0074】また、Al23、Ta25、TiO2など
の酸化物薄膜の場合、ターゲット表面でダメージとして
問題となる負イオンを生成しないため、必ずしモータゲ
ット30の法線方向31の投影面と被処理基板90が交
差しない構成としなくてもよい。ただし、ターゲット3
0のスパッタされる空間に導入した不活性ガスによっ
て、反応性ガスの逆拡散が抑えられるように、アノード
70やアースシールド等でコンダクタンスを抑える必要
がある。
【0075】本実施形態では、一対のプレーナ型マグネ
トロンスパッタ源を用いたが、ターゲット30は一つで
あってももちろんよい。ただし、この場合でもスパッタ
電極部22は、アノード70もしくはアースで被処理基
板90の方向の一面のみが解放された構成としなければ
ならないのはもちろんで、金属フッ化物を形成する場合
のように負イオンが生成する場合、被処理基板90と向
き合わない構成としなければならない。
【0076】また、ターゲットは3つ以上であってもも
ちろんよい。
【0077】ただし、金属フッ化物のようなプラズマダ
メージに耐性を持たない膜の形成においては、スパッタ
空間を形成する5面のうち被処理基板90と対面する面
は、アノード70としなければならない。また、アノー
ド70とアースシールド40との合計面積に対するター
ゲット30の面積の比率が1/3以上でなければならな
い。
【0078】この条件を満足しない場合、実験の結果、
基板近傍のプラズマ密度を十分に抑えることができず、
吸収の大きいフッ化物薄膜しか形成できない。
【0079】この一例を表1に示す。なお、表1中にお
いて、膜吸収(248nm)膜厚200nmとは、波長
248nmにおける、吸収を含んだ損失であり、膜厚2
00nmあたりに換算した値である。
【0080】
【表1】
【0081】表1に示すように、アノード70とアース
シールド40との合計面積に対するターゲット30の面
積の比率が1/3以上の場合、膜吸収が0.2%以下、
すなわち、低吸収の膜が形成されることがわかる。
【0082】本実施形態ではデポアップ構成となってお
り、底面にアノード70が配置される構成としているた
め、長期間の成膜中にアースシールド等に付着した膜が
剥がれて落下した場合でも、大きな問題とはならない。
【0083】しかし、デポサイドの構成とする場合、底
面部にターゲット30を配置すると、落下した膜等のゴ
ミが異常放電や、放電状態の不安定性を招く恐れがあ
り、問題となる。すなわちゴミ等の落下が懸念される底
面部にはターゲット30を配置しないことが好ましい。
【0084】また、本実施形態ではアノード面を底面部
のみとしたが、アース面とアノード面を置き換えてもほ
ぼ同様の効果が得られる。しかし、ターゲット30と被
処理基板90との間に配置するアノード70の面積は極
力小さくするほうが好ましい。
【0085】本実施形態では、スパッタリングレートの
安定化および膜質の安定化を図るために、ターゲットセ
ルフバイアス電圧が一定になるように各種のガス分圧を
制御したが、MgF2薄膜の成膜の場合のように、ター
ゲット30である金属Mgターゲット近傍の発光をモニ
タし、この発光状態が安定するように反応性ガス分圧を
制御しても、均質で、安定したスパッタリングレートを
維持することができる。また、チャンバーリークなどの
トラブルの場合でも、発光モニタを用いれば、ターゲッ
ト電圧をモニタする場合に比べ、異常を検出しやすくな
るメリットも享受できる。両方式を併用してももちろん
よい。
【0086】ターゲット電圧をモニタしてプロセスの安
定化を図る場合、質量分析計などによって、成膜雰囲気
をモニタすることも非常に有効な方法である。
【0087】以上説明したように本実施形態のスパッタ
リング装置によれば、スパッタ電極部22内に導入され
た不活性ガスは、プラズマを形成しターゲット30がス
パッタされ、一面のみに形成された開口21を介して被
処理基板90の方向に排出されるが、被処理基板90は
ターゲット30の法線方向31の投影面と交わらない位
置に配置されているため、法線方向31に加速される負
イオンによるダメージを防止できる。また、反応性ガス
は、スパッタ電極部22の外部であり、かつ、スパッタ
電極部22と被処理基板90との間に供給されることで
被処理基板90側に導入され、そして、スパッタ電極部
22は、ターゲット30を内部に有し、かつ、開口21
は一面のみであるため、スパッタ電極部22の外部に供
給された反応性ガスがスパッタ電極部22の内部に設け
られたターゲット30の表面に拡散することを極力抑制
することができる。さらに、永久磁石60が、プラズマ
をトラップする磁界を形成するため、プラズマによる被
処理基板90の温度の上昇を最小限に抑制することがで
きる。
【0088】これらにより、本実施形態のスパッタリン
グ装置は、金属フッ化物のような負イオンを生成しやす
い薄膜も低吸収な薄膜として安定して形成することがで
き、可視から紫外域にかけて透明で、低吸収な金属フッ
化物および金属酸化物の薄膜を高速に形成することがで
きる。また、ターゲット30は平板状であるため、その
コストを低く抑えられる。 (第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態のス
パッタリング装置のスパッタ電極部の断面図を図3に示
す。
【0089】本実施形態のスパッタ電極部222は、図
中左側の各永久磁石260のターゲット230に近い側
の磁極は全てN極、すなわち、全て同じ磁極となるよう
に配置されており、一方、図中右側の各永久磁石261
のターゲット231に近い側の磁極は全てS極、すなわ
ち、左側の永久磁石260と逆の磁極で、かつ、全て同
じ磁極となるように配置されている。このため、図3に
示されるように、ターゲット230側からターゲット2
31側へと磁力線200が流れるような電子トラップ用
の磁界が形成されている。ターゲット230およびター
ゲット231は磁性材料であってもよい。
【0090】なお、上述した以外の本実施形態のスパッ
タリング装置の基本的構成は、スパッタ電極222が、
被処理基板の方向の一面以外はアノード270もしくは
アースシールドで覆われていること、また、金属フッ化
物薄膜を形成する場合のように負イオン生成の可能性が
ある場合、被処理基板がターゲット230、231の法
線方向の投影面と交差しないように配置されていること
等、基本的に第1の実施形態のスパッタリング装置と同
様であるため、詳細の説明は省略する。
【0091】以上の通り、本実施形態のスパッタリング
装置によれば、第1の実施形態と同様に、スパッタ電極
部222内に導入された不活性ガスは、プラズマを形成
しターゲット230、231がスパッタされ、一面のみ
に形成された開口221を介して被処理基板の方向に排
出されるが、被処理基板はターゲット230、231の
法線方向投影面と交わらない位置に配置されているた
め、ターゲット法線方向に加速される負イオンによるダ
メージを防止できる。また、反応性ガスは、スパッタ電
極部222の外部であり、かつ、スパッタ電極部222
と被処理基板との間に形成されているので被処理基板側
に導入され、そして、スパッタ電極部222は、ターゲ
ット230、231を内部に有し、かつ、開口221は
一面のみであるため、スパッタ電極部222の外部に供
給された反応性ガスがスパッタ電極部222の内部に設
けられたターゲット230、231の表面に拡散するこ
とを極力抑制することができる。さらに、永久磁石26
0が、ターゲット230とターゲット231との法線方
向に磁界を形成し、この磁界によりプラズマがトラップ
されるため、プラズマによる被処理基板の温度の上昇を
最小限に抑制することができる。
【0092】これらにより、本実施形態のスパッタリン
グ装置は、第1の実施形態と同様に、金属フッ化物のよ
うな負イオンを生成しやすい薄膜も低吸収な薄膜として
安定して形成することができ、可視から紫外域にかけて
透明で、低吸収な金属フッ化物および金属酸化物の薄膜
を高速に形成することができる。また、ターゲット23
0、231が平板状であるため、そのコストを低く抑え
られる。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、基板が
ターゲットの法線方向投影面と交わらない位置に配置さ
れているため、ターゲット法線方向に加速される負イオ
ンによって基板がダメージを受けることはない。さら
に、スパッタ電極は、一面のみに開口が形成されたもの
であるため、反応性ガスがターゲットの表面に拡散する
ことが極力抑制され、安定し、かつ、高速のスパッタリ
ングレートを達成することができる。さらに、磁界形成
手段が、スパッタ電極の内部に設けられたターゲットに
磁界を形成し、この磁界によりプラズマがトラップされ
るため、プラズマによる基板温度の上昇を最小限に抑制
することができる。また、ターゲットが平板状であるた
め、ターゲットのコストを低く抑えられる。これらによ
り、本発明は、膜特性の向上した、可視から紫外域にか
けて透明で、低吸収な金属フッ化物および金属酸化物の
薄膜を安価で高速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のスパッタリング装置
の断面図である。
【図2】ターゲットバイアス電圧の変化を示すグラフで
ある。
【図3】本発明の第2の実施形態のスパッタリング装置
のスパッタ電極部の断面図である。
【符号の説明】
10 真空容器 20 カソード電極 30 ターゲット 40 アースシールド 50、51 絶縁材 60 永久磁石 70 アノード 80 支持機構 90 被処理基板 100 シャッタ 110 ゲートバルブ 120 ロードロック室 130 第1の反応性ガス供給装置 140 第2の反応性ガス供給装置 150 不活性ガス導入供給装置 160 制御装置 170 アノード電圧制御用直流電源 180 排気装置 190、191 スパッタ電力供給装置 200 磁力線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 謙二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 信宮 利昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 枇榔 竜二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金沢 秀宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA42 BA43 BA44 BB02 BC08 CA06 DA06 DC03 DC28 DC32 DC34 DC35 DC40 EA03 EA05 EA06 EA09 JA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜が形成されるべき基板および少なく
    とも1つのターゲットが内部に載置され、電極であるア
    ノードと、前記ターゲットに磁気回路を形成する磁界形
    成手段とを有する真空容器と、前記アノードおよび前記
    ターゲットに電力を供給する電力供給手段と、反応性ガ
    スを供給する反応性ガス供給手段と、不活性ガスを供給
    する不活性ガス供給手段とを有するスパッタリング装置
    において、 一面のみに開口が形成されており、内部に載置された平
    板状の前記ターゲットと内部に設けられた前記アノード
    とによるスパッタ部に前記不活性ガス供給手段から不活
    性ガスが供給されるスパッタ電極を前記真空容器内に有
    し、 前記基板が、前記スパッタ電極の外部であり、前記ター
    ゲットの法線方向投影面と交わらない位置に載置され、
    前記スパッタ電極と前記基板との間に前記反応性ガス供
    給手段から供給される反応性ガスが導入されることを特
    徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記アノードは、前記ターゲットを挟ん
    で、前記基板と対面する位置に配置されている請求項1
    に記載のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 アースから絶縁された前記アノードと、
    前記アースとの間の電圧を制御可能な制御手段を有する
    請求項1または2に記載のスパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記アノードは、前記スパッタ電極の底
    面部分に配置されている請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載のスパッタリング装置。
  5. 【請求項5】 前記磁界形成手段は、対面して配置され
    た、少なくとも1対の前記ターゲットの法線方向に電子
    トラップ用の磁界を形成する請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載のスパッタリング装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界形成手段は、前記ターゲットに
    マグネトロン磁界を形成する請求項1ないし5のいずれ
    か1項に記載のスパッタリング装置。
  7. 【請求項7】 前記電力供給手段が供給する電力は、直
    流、直流に1kHz〜500kHzの高周波を重畳した
    もの、あるいは直流に矩形電圧を重畳したものである請
    求項1ないし6のいずれか1項に記載のスパッタリング
    装置。
  8. 【請求項8】 前記不活性ガス供給手段は不活性ガスと
    してArガス、Krガス、あるいはXeガスを供給し、
    前記反応性ガス供給手段は反応性ガスとしてF2ガス、
    NF3ガス、O2ガス、あるいはH2Oガスを供給する請
    求項1ないし7のいずれか1項に記載のスパッタリング
    装置。
  9. 【請求項9】 前記ターゲットの電圧を略一定に保持す
    るための、前記反応性ガス供給手段から供給される反応
    性ガス導入量を制御することで前記真空容器内の反応性
    ガスの分圧を制御するガス圧制御手段を有する1ないし
    8のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
  10. 【請求項10】 スパッタリングに際して発生した放電
    の発光を測定することで、前記ターゲットの表面を安定
    して金属状態に保持してスパッタさせる表面制御装置を
    有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスパッ
    タリング装置。
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